「DARK SOULS III」ソウルシリーズの集大成、完成された死にゲーの頂点

DARK SOULS III|ソウルシリーズの集大成、その完成された地獄へ

グンダの双王子で合計50回は死んだと思う。

1人目を倒したと思ったら、復活した2人目が炎をまとって突進してくる。必死に距離を取っていると、さらに2人同時になって手がつけられなくなる。スタミナを使い果たした瞬間に被弾して、「また最初から」のループ。ゲームを終了しようとして、再起動して、また死んで、また再起動して。気づけば3時間が消えていた。

でも、倒したときのあの感覚は今でも忘れられない。BGMが鳴り響いて、「VICTORY ACHIEVED」の文字が出たとき、思わず声が出た。深夜2時に独り言を叫んでいた自分を、少し恥ずかしく思いながらも、それでも最高の気分だった。

それが『DARK SOULS III(ダークソウル3)』だ。

フロム・ソフトウェアのディレクター宮崎英高が手がけたソウルシリーズ最終作として、2016年3月にリリースされた。Steamレビュー数は27万件超え、評価は「圧倒的に好評」。発売から9年が経った2025年現在も、毎日数千人が同時接続しているアクティブなゲームだ。DLC2本を含めた完全版「DARK SOULS III DELUXE EDITION」は、シリーズを通じて最も遊ばれているダークソウルとも言われる。

シリーズ集大成というだけあって、過去作のキャラクターや場所への言及が随所に散りばめられている。ダークソウル1の無名の王、ダークソウル2の悪王、ブラッドボーンを彷彿とさせる敵の動き。知っていれば感動できるし、知らなくても純粋なアクションRPGとして最高に楽しめる。

ただ正直に言う。このゲームは難しい。理不尽なくらい難しいと感じる瞬間もある。でも「難しいから面白い」という体験の密度は、他のゲームではなかなか味わえない水準にある。この記事では、DARK SOULS IIIの何が素晴らしく、何が辛く、なぜ今でもこれだけのプレイヤーを惹きつけ続けているのかを、できるだけ正直に書いていく。

目次

「DARK SOULS III」公式ローンチトレーラー

こんな人に読んでほしい

DARK SOULS™ III その他RPG スクリーンショット1

DARK SOULS IIIが刺さるのは、こういうプレイヤーだと思う。

  • アクションゲームで「本当の難しさ」を体験したい人
  • ボスを倒したときの達成感を全力で求めている人
  • ダークファンタジーの世界観が好きで、その中に深く沈み込みたい人
  • ダークソウル1や2をやって、シリーズをフィニッシュしたい人
  • 武器選択やビルドの研究が好きな人
  • 対人戦(PvP)に挑戦したい人
  • ゲームをクリアするだけでなく、「理解してクリアする」プロセスを楽しめる人

逆に、こういう人には向かないかもしれない。

  • ゲームで息抜きをしたい人(このゲームで息抜きにはなりにくい)
  • 1回死ぬだけでストレスが溜まる人
  • 明確なガイドやマーカーに沿って進みたい人
  • ストーリーを直接的に楽しみたい人(DS3のストーリーは断片的で難解)

ただし、「向いていない」と思っている人ほど、実際にやってみると意外とはまることがある。ダークソウル3には「ゆっくり攻略する」自由がある。1体のボスに何日かけてもいい。攻略サイトを見て研究してもいい。自分のペースでやれば、最初の壁を越えたとき、またその先の壁を越えたとき、確実に「あ、自分はこのゲームが好きだ」と分かる瞬間が来る。

DARK SOULS IIIとはどんなゲームか

一言で言えば、「死んで覚える、高難易度アクションRPG」だ。でもその一言には、このゲームの面白さの半分も入っていない。

舞台は「ロスリック王国」。かつて「火継ぎ」という儀式によって保たれてきた世界の秩序が崩れ、死すべき存在が死ねなくなった時代。プレイヤーは「灰の人」として蘇り、王たちの遺灰を集めて、世界の火を継ぐか、それとも消してしまうかという選択に向き合う。

ストーリーは断片的で、直接的には語られない。アイテムの説明文、NPCの短い台詞、マップのデザイン。それら全部を組み合わせることで、世界の全貌が少しずつ見えてくる。「考察する楽しさ」がこのゲームの深みの一つで、Wikiや考察動画で時間を無限に溶かすこともできる。

ゲームプレイの基本構造はシンプルだ。エリアを進んでボスを倒し、ソウル(経験値と通貨を兼ねたリソース)を集めてキャラクターを育て、また次のエリアへ進む。ただし途中で死ぬと、持っているソウルをその場に落として最後のチェックポイント(篝火)からやり直し。落としたソウルは一度だけ回収できるが、回収前にもう一回死ぬと全部消える。

この「落としたソウルを回収しに行く」緊張感が独特のスリルを生んでいる。10000ソウルを落とした地点に何とかたどり着いて、無事回収できたときの安堵。または回収直前にまた死んで全部消えたときの虚無。ダークソウルシリーズ特有のこの感情の振れ幅を、DS3では特にシャープに体験できる。

ダークソウル1・2との違い

シリーズ未経験でもDS3から始めていいのか、という疑問をよく見かける。答えはYESだ。DARK SOULS IIIはシリーズ単体でも十分完結している。ただ、違いを知っておくと楽しみ方が変わる。

ダークソウル1は「マップのつながり方」の設計が天才的で、狭間の地全体が一続きのステージとして繋がっている。今は有名な話だが、最初のエリアであるアンデッド教区から下に降りるとブリムストンのデーモンに繋がり、横に行くと闇の根源に繋がる。そのシームレスなつながり方の発見が、DS1の最大の快感だった。

ダークソウル2は別のディレクターが手がけた作品で、アイテムの豊富さとビルドの多様性が評価されている一方、マップのつながりが若干不自然という批判もある。ただDS2だけにある「弱くなっていくキャラクター」(スタッガー)システムや、複数の装備セットが今でも愛されている。

そしてDS3は、シリーズで最もアクションのスピードが速い。DS1はどちらかというとゆっくりした重厚な戦闘、DS2はやや中間的。DS3は特にボスの動きが激しく、反応を求められる場面が多い。その分、上達の感覚もはっきりしている。「あのボス、昨日まで1フェーズすら突破できなかったのに、今日は倒せた」という経験が明確にできる。

Steamの同接数を見ると、DS3は現在でもDS1・DS2より多い。これはシリーズ最終作であることの話題性もあるが、純粋にゲームとしての完成度が高いという証明でもある。

ダークソウル3の戦闘を支える設計思想

DARK SOULS™ III その他RPG スクリーンショット2

DARK SOULS IIIの戦闘は「スタミナとポジション管理」が核心にある。

まず、すべての行動にスタミナを消費する。攻撃、回避(ローリング)、ガード、ダッシュ。スタミナが尽きた状態でローリングしようとしても、よろけるだけで回避できない。ガード中に攻撃を受けてもスタミナが保てなければ体勢を崩される。この「スタミナ管理」がDS3の戦闘の基礎で、ここを疎かにするとどんなボスにも勝てない。

次に「ポジション管理」。敵の攻撃に対して、「完全に避ける」「ガードする」「弾く(パリィ)」の3つの選択肢がある。ローリングには無敵フレームが設定されていて、タイミングよくローリングすれば攻撃を完全に回避できる。ガードは盾があれば大抵の攻撃を受け切れるが、スタミナを消費する。パリィは成功すれば致命攻撃(バックスタブより大ダメージ)が入るハイリスクハイリターンの選択肢だ。

この3択をボスの攻撃パターンに応じて使い分けるのが、DS3の戦闘の楽しさだ。ボスごとにパリィが有効な攻撃が違う。ガードが有効なボスとそうでないボスがいる。最適なローリングの方向が違う。試行錯誤しながら「このボスはこういう戦い方をすれば勝てる」という答えを自分で導き出していく過程が、このゲームの核心的な楽しさだ。

武器種ごとの個性とビルドの選択肢

DS3の武器は、大まかにこんなカテゴリに分かれる。

直剣(ロングソード系)はバランス型で扱いやすい。機動力を保ちながら安定したダメージを出せる。最序盤から終盤まで活躍できる武器が多く、特に「アストラの直剣」は初期装備でありながら十分戦えるスペックを持っている。

大剣・特大剣はリーチが長く1回のダメージが大きい一方、攻撃が遅く隙が大きい。スタミナ管理が重要で、振り回しすぎると一気に返り討ちに遭う。ただし「超大剣」カテゴリの武器は当たったときの爽快感が桁違いで、これだけを使いたくてDS3を遊ぶという人もいるくらいだ。

双刃や刀は手数勝負で出血ダメージを積み上げるビルドに向いている。「ムラクモ」や「双刃大剣」は対人戦でも人気の武器だ。カタナ系の「黒い炎の剣」は特に愛好者が多く、その美しいモーションと信仰ビルドとの相性の良さから「ビルド縛りプレイ」の定番になっている。

爪や拳武器は最速の攻撃速度で状態異常を蓄積させる専門家向けだ。初めてDS3をやる人に勧めるものではないが、慣れてきたら試してみると全く違う世界が広がる。

槍とハルバードはリーチが長く、しゃがみで攻撃を回避しながら刺すという独特の立ち回りができる。特にPvP(対人戦)では槍の突き攻撃が強力で、使いこなせば一方的に距離を押し付けられる。

魔法系のビルドも充実している。魔術師は遠距離からソウルの矢を連射したり、強力な魔術で一発逆転を狙ったりできる。信仰ビルドは回復やバフ効果の恩恵を受けながら、炎や雷の攻撃魔法も使える。魔術師ビルドは一般にボス戦の難易度が下がる代わり、狭いエリアでの戦闘が難しくなる場面もある。

DS3のビルドの核心は「筋力・技量・理力・信仰」の4ステータスで、それぞれを特化させるか複数を高めるかで戦い方が変わる。初プレイは直剣系の「全体ビルド(筋力と技量を均等に伸ばす)」が分かりやすいが、2周目以降は純魔術師や純信仰ビルドに挑戦すると全く違う体験ができる。

1周目は筋力ビルドで脳筋プレイしたけど、2周目に魔術師でやったら難易度が全然違う。ボスに遠距離から一方的に撃てるのが楽しいし、近づかれたときのリスクが高いから緊張感もある。同じゲームで2倍楽しめた

引用元:Steamレビュー

ローリングの無敵フレームと「読み合い」の深さ

DS3の戦闘で理解が深まると気持ちいいのが「無敵フレームを意識した回避」だ。

ローリングには一定時間の無敵フレームがある。この時間中は攻撃が当たらない。つまり、敵の攻撃に合わせてローリングを入力すれば、ぶつかっていくような感覚でも攻撃を避けられる。これを「タイミング回避」と言い、うまく成功すると「ギリギリ避けた」感覚が病みつきになる。

さらに「パリィ(弾き)」は、盾やパリィアイテムで敵の攻撃をジャスト受けする技術だ。成功すると敵の体勢が崩れ、致命攻撃ができる。大半のボスにはパリィが入らないが、人型の敵や一部のボスにはパリィが有効で、これをマスターすると戦闘が劇的に変わる。ダークレイスや灰の審判者ゴンドールはパリィで手品のように倒せる。

対人戦(PvP)になると、この読み合いはさらに深くなる。相手もパリィのタイミングを狙ってくる。こちらのローリングを読んで「ダメージを出した後に下がる」という行動をしてくる。真の無敵フレームを利用した「バックスタブ釣り」という技まである。PvP専門のプレイヤーは、この読み合いに何百時間も費やしている。

似たようなソウルライク系では、例えば『Dark and Darker』もパリィと回避の読み合いが重要なゲームだが、あちらはマルチプレイヤーダンジョン探索がメインで、DS3とは方向性が異なる。

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ボス戦の完成度——ソウルシリーズの頂点

DARK SOULS IIIを語るとき、ボス戦の話を避けることはできない。このゲームのボス群は、シリーズ最高峰と言っていい密度と完成度を誇る。

序盤の壁:呪われた不死と灰の審判者ゴンドール

最初に立ちはだかる壁が「呪われた不死と灰の審判者ゴンドール」だ。ソウルシリーズ恒例の「1ボス目から手加減なし」を体現したボスで、2段階変身・高い攻撃力・速い動き・3種類の攻撃パターン切り替え、と初見殺し要素が満載だ。

でも、これがDS3の入口として機能している。このボスを倒すために何度も試して、ローリングのタイミングを覚えて、「あ、攻撃パターンを読めばいいんだ」という基本を習得する。乗り越えたとき、プレイヤーはDS3の戦闘の基礎を無意識に身につけている。

中盤のハイライト:双王子と冷たい谷のボルト

中盤で多くのプレイヤーの心を折るのが「グンダの双王子」だ。アノール・ロンドの転換後に待ち受けるこのボスは、1人目を倒した後に2人目が変化して強化される。しかも2人目は1人目の亡霊を呼び戻す能力まで持っていて、一時的に2対1の状況になる。

初見で何が起きているか分からなくなる混乱、でも何度もやるうちに「いまは1人目だけ集中して倒す」「2人目に変化したら動き方を変える」という攻略が見えてくる。倒したときの充実感はDS3随一と言っていいかもしれない。

「冷たい谷のボルト」はDS3の中でも好みが分かれるボスだ。エリアとボスの雰囲気の統一感、「飛竜型」の大型ボスという意外性、そして長い尻尾を使った攻撃パターンが特徴的。倒したときのソウル量が多いので、ここで詰まっているプレイヤーが多いのも頷ける。

DS3の真のラスボス:インドミタブルガーズとソウルオブシンダー

本編のラスボス「ソウルオブシンダー(ロスリック王子たち)」は、ダークソウルシリーズ全体へのオマージュが込められた戦闘だ。第1フェーズは「騎士型」の正統派戦闘、第2フェーズはDS1の記憶と繋がる演出が入り、第3フェーズでは突然にスタイルが変わって怒涛の攻撃ラッシュが来る。

シリーズを通じて遊んできたプレイヤーには「これが答えか」という感慨がある。シリーズ未経験でも、あの演出の衝撃は十分に届く。ラスボスとしての「重さ」がある。

一方で「エルデンリング」のラスボスと比べると…という議論もある。同じフロムゲーでも、エルデンリングのラダゴン+エルデの獣は「HP・攻撃力・演出」全てにおいて大幅に強化された後継作のボスだ。でもDS3のラスボスには、あの「シリーズへの回答」という文脈的な重みがあって、エルデンリングのボスとは違う種類の感動がある。

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DLC「アリアンデル絵画世界」のボスたち

DLC第1弾「アリアンデル絵画世界」の登場ボスは2体で、そのどちらもが異色の魅力を持っている。

「教会の神父サリヴァーン」はAIの動きが非常に滑らかで、ローリングに対する追いかけ方や距離詰めの速さが当時としては圧巻だった。特に第2フェーズで翼を生やしてから動きが変わるシーンは、今見てもテンションが上がる。

そしてDLC最終ボス「フリーデ修道院長」。DS3の全ボスの中でも最難関と評価されることが多い3段階変身ボスだ。第1フェーズはほぼ普通に戦える。しかし第2フェーズで父親のアリアンデル司祭が加わって2対1になり、さらに第3フェーズでフリーデが復活して氷の攻撃を多用してくる。初見でノーヒントで挑むと、フェーズの変わり方に戸惑って翻弄されること間違いなし。それでも最終フェーズを突破したときの開放感は、これまでに経験したゲームの中でもトップレベルだった。

DLC「The Ringed City」——DS3最高傑作という声が絶えない理由

DARK SOULS™ III その他RPG スクリーンショット3

DARK SOULS IIIの評価を語るとき、避けて通れないのが2017年リリースのDLC第2弾「The Ringed City(輪の都)」だ。本編よりもこのDLCの方が好きだというプレイヤーが多く、「フロム・ソフトウェアのDLCで最高傑作」という声まである。

輪の都は「ソウルシリーズの終わり」を舞台にしたエリアだ。世界の火が消え、すべての時代が折り重なって混在している。古い戦士たちの残骸、過去のエリアを思わせる建築物、そして「もうすぐ何もかもが終わる」という終末観。このエリアは探索するだけで気持ちが沈みこんでいくような、独特の雰囲気を持っている。

ドレグ・ヒープとThe Ringed Cityの世界観

DLCの導入部「ドレグ・ヒープ」では、すべてのものが積み重なって崩れ落ちていく巨大なゴミ捨て場のような空間から始まる。過去のダークソウルのエリアが混在しているような断片的な風景、重力が歪んでいるような構造。ここを進むだけでも情報量がものすごい。

輪の都本体に入ると、そこは巨人族が守る禁忌の都市。ロスリックの騎士とは異なる装備を持った「輪の騎士」たちが守る道を進んでいくと、DS3の世界観の最深部に到達する。アイテムの説明文で初めてシリーズの謎が解けてくる場面もあって、考察好きのプレイヤーには宝の山だ。

最後のボス:名もなき王と奴隷騎士ゲール

輪の都の道中には「名もなき王」というシークレットボスが存在する。厳密にはDS3本編のボスだが、輪の都DLCを遊ぶタイミングで初めて挑む人も多い。隠しエリア「嵐の呪詛者」のさらに奥にある「嵐の王たちの玉座」で戦えるこのボスは、DS3の全ボスの中でも最難関クラスの1体だ。第1フェーズは嵐の竜を相手に「頭を狙う」という直感に反する攻略が必要で、第2フェーズは落雷攻撃の嵐をかいくぐる必要がある。

でも輪の都の真打ちは「奴隷騎士ゲール」だ。ダークソウルシリーズ全体で最も愛されているボスキャラクターの1人として、ゲールの名前がよく挙がる。その理由は戦闘の完成度だけでなく、物語的な文脈にある。

ゲールはシリーズを通じて登場するNPCで、「画家の少女」のために世界を旅している老いた騎士だ。輪の都の最深部「世界の果て」で、ゲールは人の描いた絵のために「人の黒い血」を集め続けた末に、力を宿した血を全て体内に取り込んで暴走してしまっている。プレイヤーはその末路に立ち向かう。

戦闘は3段階の変身があり、第3フェーズになると雷を呼び、マントで包んでの投擲、ソウルの奔流など技数が爆発的に増える。ただ理不尽ではない。すべての攻撃に「見て覚えられる」パターンがある。何度死んでも「あと少しだった」「次はこうしよう」という前向きな敗北感がある。

そして、倒したときのエンディング演出。ゲールの体からこぼれた黒い血が地面に落ち、遠くの丘で絵画を描く少女の姿が見える。「世界の果て」のロケーション、静寂、消えていくゲールの残滓。これを感動的と感じるかどうかは人それぞれだけど、「ゲームのボスキャラクターとして、こういう終わり方があるのか」という衝撃は確かにあった。

ゲールと戦うとき、BGMが切り替わった瞬間に鳥肌が立った。最終フェーズの雷とマントの嵐をかいくぐって倒したとき、思わず泣いてた。ソウルシリーズで一番好きなボスかもしれない

引用元:Steamレビュー

不名誉ではない難しさ:輪の都のデザイン

輪の都は道中の難易度も高い。輪の騎士は盾と炎を組み合わせた強敵で、初見では通常エリアのボスに近い強さを感じるかもしれない。石の竜の巨大な体から降り注ぐ「岩の雨」は、ルートを誤ると一撃死するトラップだ。

でもこのエリアには「強敵を越えた先にある景色の美しさ」が詰まっている。荒廃した都市の遺跡、遠くに見える世界の果て、そして最後の篝火から見下ろす世界の終わりの光景。これを「ご褒美」として設計していることが伝わってくる。

DLC「The Ringed City」は、DARK SOULS IIIの完全版を手に入れる際に必ずセットで入っている。本編だけで満足できたとしても、ゲールと戦うためだけにDLCを買う価値があると思っている人は多い。

PvP(対人戦)の独自の世界

DARK SOULS IIIには、プレイヤー同士が戦う対人戦(PvP)のシステムが組み込まれている。これはソウルシリーズ共通の特徴だが、DS3のPvPはシリーズの中で最も整備されていて、専門でやりこんでいるプレイヤーコミュニティが今でも活発だ。

侵入とサイン・誓約の仕組み

DS3の対人要素は大きく2種類ある。「侵入」と「マッチング」だ。

侵入は、オンラインで遊んでいる他のプレイヤーのゲームに敵として乱入する仕組みだ。侵入者はその世界のプレイヤーを倒すことでソウルを得られる。守る側のプレイヤーは侵入者を倒すか、エリアのボスを倒すことで侵入を終わらせられる。

この非対称な関係性がDS3のPvPの独特の緊張感を生んでいる。侵入された側は「突然見知らぬ強敵が来た」というサバイバル感がある。侵入する側は「ゲームの世界に悪役として存在する」という独特のロールプレイ感がある。双方にとってのドラマが生まれやすいシステムだ。

マッチングは「闘技場」と「白サインでの競技戦」だ。闘技場では純粋に対人スキルを競い合える。キャラクターのビルドを研究して、相手の武器や動きを読んで、パリィや必殺技を決める。これを専門にやりこんでいるプレイヤーはビルド理論を深く追求していて、DS3のPvPは一種の格闘ゲームに近い奥深さがある。

PvPで使われる武器とビルドの傾向

PvP界隈で人気の武器傾向は通常プレイとかなり異なる。リーチが長い武器、刺突攻撃が強い武器、追加効果(出血・毒)を積みやすい武器が特に人気だ。

「コルニクスのカーブソード」の出血ビルドは長らくPvPの定番で、高速の連続攻撃で出血を蓄積させる戦術だ。「ロスリックの騎士の大剣」はリーチと判定の強さで扱いやすいPvP武器として知られる。「結晶の直剣」は魔術ビルドと組み合わせると、純粋な魔術攻撃に加えて近接戦闘でも戦えて便利だ。

逆に、PvPでは忌み嫌われる「強すぎ武器」も存在する。特定のパッチ前は「グンダのハルバード」が異常に強くてPvPを荒らしていたし、「竜の呼息(ドラゴンブレス)」は特定の状況で反則級だった。フロム・ソフトウェアはパッチを通じてバランス調整を続けてきたが、それでも完全なバランスとは言えない部分もある。PvPコミュニティには「強武器狩り」という文化もあって、強すぎる武器を使うプレイヤーを複数人で囲むような光景も見られた。

現在のPvP事情

2022年1月、フロム・ソフトウェアはDS3のオンラインサービスを一時停止した。原因はリモートコード実行(RCE)の脆弱性で、悪意のあるプレイヤーが他のプレイヤーのPCをクラッシュさせたり、最悪の場合はPCに害を及ぼす可能性があったためだ。

当時この問題はソウルシリーズ全体で話題になり、DS1・DS2・DS3のSteam版が同時にオンラインを停止する事態になった。約3ヶ月後の2022年3月、フロム・ソフトウェアが脆弱性を修正してオンラインを再開した。

この問題への対応として、コミュニティが独自のセキュリティパッチ「Blue Sentinel」を開発・配布していた。公式の修正後も、Blue Sentinelは追加のセキュリティ層として今でも使われている。

現在のPvPは、以前と比べると過疎化が進んでいる部分もあるが、ハイレベルエリアや高ソウルレベル帯では今でもマッチングできる。エルデンリングの対人戦が好きになったプレイヤーがDS3にも流れてくる動きもあって、完全に過疎ったわけではない。

エルデンリングのPvPを100時間やった後にDS3のPvP始めたけど、こっちの方がキャラクターのモーションが読みやすくて格ゲーっぽい。ローリングの無敵を巡る読み合いがたまらない

引用元:Steamレビュー

ゲームを彩る世界観とロアの深さ

DARK SOULS™ III その他RPG スクリーンショット4

DARK SOULS IIIの世界は、表面的に見えるよりもずっと深い物語が埋め込まれている。

「火継ぎ」という世界のルール

ソウルシリーズを貫くテーマが「火継ぎ」だ。世界を照らす「最初の火」は時間と共に弱まっていき、やがて消えてしまう。それを防ぐために、強力な魂を持つ存在が「火継ぎ」として火の中に身を投じ、世界の光を延命させ続けてきた。

DS3の舞台であるロスリックは、この火継ぎが機能不全に陥った時代の話だ。火継ぎをすべき「薪の王」たちが役割を放棄し、世界に不死者があふれている。プレイヤーはそれを修正するために動くのだが、物語の結末には「そもそもこの火継ぎというシステムは正しかったのか」という問いが込められている。

エンディングは複数ある。「火継ぎ」を行うエンド、「終わりの火」を選ぶエンド、「古い力」を得るエンド。どれが正解とは言えない。それぞれが違う意味を持っていて、考察の余地を残している。シリーズを通じてプレイしていると「結局この世界はどうなったのか」という答えを求めたくなるが、宮崎英高は意図的に答えを出さない。その「余白」がソウルシリーズの物語の魅力だ。

NPCたちの悲劇的な物語

DS3には印象的なNPCが多い。序盤から登場する「亡者を導く者・巡礼者スチエラ」、火の継承を巡る謎を持つ「火の際の侍女」、徐々に変化していく「呪術師コーニクス」。彼らと繰り返し話すことで、世界の謎や個人の悲劇が見えてくる。

特に印象的なのが「ユリア」という女性NPCだ。彼女の物語はゲーム内では断片的にしか語られないが、アイテムの説明文と照らし合わせると、恐ろしいほど切ない真実が見えてくる。こういう「気づいたら泣いていた」的な発見が、DS3のロア探求の醍醐味だ。

「シース」「グウィン」「フィリアノール」—これらの名前に反応できるなら、あなたはすでにソウルシリーズの沼に深く嵌まっている。DS3はシリーズ全体への「最後の答え合わせ」のような側面があって、過去作のキャラクターや出来事への言及が随所に入っている。DS1・DS2をやった後にDS3に来ると、各所で「あ!」という発見が起きる。

敵キャラクターの設定と美術

DS3の敵キャラクターは、ほぼ全員に固有の設定と悲劇がある。

序盤に出てくるロスリックの騎士たちは、不死となっても王城を守り続ける元エリート騎士の成れの果てだ。中盤の「沼の魔女」たちは、もともとはロスリック王室の魔術師だったが、王国の崩壊後に沼に残って変化してしまった。終盤に出てくる「炉の騎士」たちは、世界の火を守るために自ら進んで炉の番をしてきた者たちだ。

こういう設定を理解した上でプレイすると、単純な「障害物」だと思っていた敵が急に違って見えてくる。「この人たちは悪者じゃなくて、ただ時代に翻弄された存在なんだ」という感覚。これがダークソウルシリーズの「暗い世界観なのに不思議と惹きつけられる」理由の一つだと思う。

美術面でも素晴らしい。建築物の細部に至るまで作り込まれたロスリック城、凍てついた荒野の「一人世界」感がある峰の古城、絵画の世界という設定を活かした異色の景観「アリアンデル絵画世界」。どのエリアも独自のビジュアルアイデンティティを持っていて、グラフィックの技術水準以上の存在感がある。

ユーザーの声で振り返るDS3の体験

発売から9年間で積み上がったSteamレビューには、このゲームの体験が生々しく記録されている。

フロムゲー初挑戦だった。ゴンドールで何回死んだか分からない。攻略サイトを見るのが負けな気がして意地で頑張ったら、突然倒せた。あの瞬間のために、このゲームをやってよかった

引用元:Steamレビュー

「初めてフロムゲーに挑戦した」というレビューが非常に多いのがDS3の特徴だ。エルデンリングのヒットによってソウルシリーズに興味を持った新規プレイヤーが、エルデンリングの次にDS3をプレイするというパターンが増えた。エルデンリングと比べると自由度は低いが、逆に「集中して攻略する」感覚がより強く出る。

エルデンリングをクリアした後にDS3を始めたけど、マップが一本道な分ボスに集中して取り組める感じがいい。エルデンリングみたいに「詰まったら別のとこ行く」ができないから、ひたすら同じボスと向き合う経験は違う種類の面白さがある

引用元:Steamレビュー

この「ひたすら同じボスと向き合う」体験はDS3ならではで、エルデンリングではできない体験だ。選択肢がない分、そのボスと深く向き合うことになる。逃げ場がないからこそ見えてくる「攻略の糸口」がある。

輪の都DLCのゲール戦。第3フェーズで雷呼んだ瞬間に「このゲームのために生きてきた」って思った。誇張じゃない。ゲームのボスで初めて泣いた

引用元:Steamレビュー

ゲールへの言及は本当に多い。このキャラクターはDS3(とシリーズ全体)への愛着を引き出す存在として機能している。「ゲールのために頑張れる」という体験は、ゲームのボス戦を超えた何かを持っている。

PC版は最適化が微妙。60fps以上出すためにfpsuuncapperが必須なのが残念。でもゲーム本体の面白さでそんなことどうでもよくなる

引用元:Steamレビュー

これは正直な欠点でもある。DS3のPC版はコンソール版を基準に設計されており、フレームレートのキャップ問題や、一部環境での最適化の甘さが指摘されてきた。コミュニティ製のMOD「Dark Souls III FPS Uncapper」で対処できるものの、デフォルト状態で完璧ではない。この部分は発売から9年経った今でも改善されていないため、最初にMODを入れることをおすすめする情報がコミュニティに蓄積されている。

同じような難易度系のゲームで言えば、『Stoneshard』は見下ろし型のアクションRPGで、失敗したら積み上げたものが消えていく緊張感が独特の魅力を持っている。DS3とは方向性が違うが、「失敗がゲームプレイの一部」という思想は共通している部分がある。

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DS3のPC環境と推奨スペック

DARK SOULS™ III その他RPG スクリーンショット5

DARK SOULS IIIのPCでの動作は、現在のハードウェアであれば問題なく動く。発売が2016年と古いタイトルなので、多少古いPCでも動かせる懐の深さがある。

ただし、前述した「フレームレートのキャップ問題」は把握しておく必要がある。デフォルトではゲームの物理演算がフレームレートに紐付いていた時期があり、60fps以上で動かすと一部の動作がおかしくなる不具合が報告されていた。現在はパッチや有志のMODでほぼ解消されているが、初めて遊ぶ人は以下のMODの導入を検討するとより快適に遊べる。

「DS3FPSUncapper」はフレームレートの上限を解除して、高リフレッシュレートのモニターでも最適に動くようにするMODだ。「DS3 Overhaul Mod」はグラフィック設定を細かく調整できる。どちらも導入は比較的簡単で、NexusModsからダウンロードできる。

コントローラーでのプレイを強く推奨する。マウスとキーボードでもプレイできるが、このゲームはアナログスティックとトリガーを使ったコントローラー操作が前提で設計されている。特に回避タイミングのシビアなボス戦では、コントローラーの方が直感的に操作できる。

「ダークソウルリマスタード(DS1リマスター)」や「DARK SOULS II Scholar of the First Sin」と合わせて遊ぶ「フロムゲー3連発」をする人も多い。この3作品は現在でもSteamでセールになることが多く、まとめて買うとコストパフォーマンスが良い。

DARK SOULS IIIを初めて遊ぶ人へのアドバイス

DS3は「難しくて取っつきにくい」というイメージがあるが、適切な準備と心構えがあれば、ソウルシリーズ未経験でも十分に楽しめる。初めて遊ぶ人に伝えたいことをまとめてみた。

クラス選択は騎士がおすすめ

キャラクター作成時にクラスを選ぶが、初心者には「騎士」が最もおすすめだ。高い体力と近接戦闘のスペックを持ち、序盤から盾を装備できるため生存能力が高い。初期装備の「ロスリックの鉄盾」はガード性能が高く、慣れない序盤の攻撃を受け流すのに役立つ。

魔術師クラスは遠距離攻撃が強力だが、体力が低く近接戦闘でやられやすい。「遠距離から安全に戦いたい」という発想は初心者に多いが、DS3では魔術師クラスでも近接戦闘を避けられない場面が頻繁にあるため、慣れるまでは騎士の方がストレスが少ない。

「盾を使う」か「捨てる」かの選択

DS3の盾は、正確にはスタミナを消費しながら攻撃をガードするアイテムだ。盾を使い続けてガード主体で戦う「盾スタイル」と、盾を捨てて両手持ちの攻撃力上昇と軽快な動きを活かす「ノー盾スタイル」のどちらでも戦える。

初心者には「ある程度盾を使いながら覚える」が取っつきやすい。ガードしながらタイミングを覚えて、慣れてきたら盾を捨てた立ち回りにも挑戦すると、戦闘の幅が広がる。

「死ぬことで学ぶ」マインドセット

DS3で最も大切なマインドセットは「死は失敗ではなく、学習のプロセス」という認識だ。

1回死ぬたびに、「今回はどこで死んだか」「どんな攻撃で死んだか」「次はどう対処すれば避けられるか」を考える。これを繰り返すことで、少しずつボスの動きが「見える」ようになってくる。10回死んだとき、最初の死と10回目の死では質が違う。10回目には「あと少しで倒せた」という感覚があるはずだ。

「攻略サイトを見ることは負け」という自分ルールを課す人もいるが、それは各自の自由だ。どんな形でも「自分がクリアした」という体験は正真正銘の体験だし、攻略情報を使いながら進めても、ボスを倒した瞬間の感動は同じように訪れる。

序盤の優先事項

DS3序盤の進め方として、「エスト瓶の強化」を最優先にすることをおすすめする。エスト瓶は回復アイテムで、篝火で休憩するたびに補充される。エスト瓶の強化は特定のアイテム(エストのかけら)を集めて篝火に捧げることで行え、1本の回復量が増えたり、本数が増えたりする。これが生存能力に直結する。

また、「武器の強化」もできるだけ早く始めたい。鍛冶師の亡者に話しかけて、集めた「強化石」を使って武器レベルを上げる。武器レベルは+1から最大+10まであり(特殊武器は+5まで)、数値が上がるほどダメージが増える。同じ武器でも強化していない状態と+5以上では大きく違う。

DS3の序盤で遭遇する「高壁の亡者」「不死街」「冷たい谷のイルシール」の3エリアは、難易度が急上昇するように感じられる。「イルシールで詰まった」という声は多いが、ここで止まらずに少しずつ進むことが大切だ。

DARK SOULS IIIと類似ゲームの比較

DARK SOULS™ III その他RPG スクリーンショット6

DS3をクリアした後、または「DS3と似たゲームをやりたい」という人向けに、比較を簡単に書いておく。

まず「ELDEN RING」は、DS3の後継作として位置づけられる。戦闘の基礎はDS3から受け継ぎつつ、オープンフィールドの自由な探索が加わった。DS3とエルデンリングのどちらが難しいかは意見が割れるが、エルデンリングの方が攻略の自由度が高い分、「詰まったら別の場所に行く」という選択肢がある。DS3が好きな人はエルデンリングも高確率で好きになる。

「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」は同じフロム・ソフトウェアの作品だが、ビルドの自由度をなくして「剣戟の読み合い」だけに集中した別物のゲームだ。DS3が好きでも、SEKIROのシステムが好きとは限らないし、逆もある。どちらがより「合う」かは実際に試すしかないが、DS3をクリアした後の次の一手としてSEKIROはおすすめだ。

「Diablo II: Resurrected」は、ソウルライクとは全く違う方向のアクションRPGだが、「ビルドの深み」という点では共通するものがある。DS3のビルド研究が好きなプレイヤーには、Diabloシリーズのビルド探求も刺さりやすい。

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「Risk of Rain 2」は3人称アクションとビルド要素を持つローグライクで、DS3のようなシビアな操作感は薄いがビルドの多様性は同等以上に楽しめる。特にマルチプレイでわちゃわちゃと楽しみたいときの選択肢として最適だ。

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近年の「ソウルライク」タイトルとして「Dying Light 2」はホラーとソウルライクの要素を組み合わせたゲームで、パルクールによる立体的な移動がDS3にはない新鮮さを提供してくれる。

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「Resident Evil Village」はホラーアクションという別ジャンルだが、緊張感のある戦闘と探索という点でDS3と通じる感覚がある。恐怖と戦うゲームとして、DS3が好きなプレイヤーに刺さりやすい。

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「Resident Evil 4」リメイク版も、高難易度での武器カスタマイズと戦闘の奥深さという点でDS3ファンに評判が高い。アクション要素とビルドライクな要素の組み合わせが気持ちいい。

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DS3のコミュニティと9年後の現在

DARK SOULS IIIは2016年リリースから9年が経った今も、プレイヤーコミュニティが活発だ。Steam上のレビューは今でも新規レビューが毎日追加されていて、新しいプレイヤーが絶えず参入している証拠になっている。

特にエルデンリングの大ヒット(2022年)以降、「エルデンリングが面白かったから、ダークソウルシリーズもやってみた」という層がDS3に流入している。このエルデンリング→DS3というパターンは今でも継続していて、コミュニティに新鮮な声が加わり続けている。

攻略コンテンツも充実している。WikiやYouTubeの攻略動画は非常に充実していて、どのボスにも「初心者でも分かる攻略法」を解説したコンテンツが存在する。日本語のコンテンツも豊富で、日本語字幕付きの攻略動画も多い。

MODシーンの広がり

DS3のMODシーンも充実している。NexusModsには1000本以上のMODが公開されており、グラフィック改善、新しい武器追加、難易度変更、コスチューム変更など多様なMODが揃っている。

特に面白いのが「ランダマイザーMOD」だ。このMODは、すべての敵やアイテムの配置をランダムに入れ替える。いつも最初に出会うボスが突然序盤から出現したり、弱いエリアに最強装備が落ちていたりする。クリア済みのプレイヤーが新鮮な体験を求めるときに人気のMODで、ストリーマーやYouTuberのコンテンツとしても定番になっている。

「Cinders Mod」は大規模な追加コンテンツMODで、新武器・新ボス・新エリアを追加する。ほぼ「非公式DLC」と言えるレベルのボリュームで、DS3を全部遊び尽くしたプレイヤーの次の目的地として人気だ。

speedrunコミュニティ

DS3はspeedrunカテゴリも活発だ。speedrun.comの記録を見ると、Any%(ゲームをクリアするまでの最短タイム)では50分を切るタイムが出ている。通常のプレイで30〜50時間かかるゲームを、1時間以内にクリアする映像は見ているだけで凄まじい。

日本人speedrunnerも多く、国内の大会「ESA(European Speedrunner Assembly)」にも日本のDS3 speedrunnerが出場している。speedrunという形でゲームの深部を理解した上でプレイする超上級者の技術は、一種のエンターテインメントとして成立している。

DARK SOULS IIIの正直な評価——光と影

DARK SOULS™ III その他RPG スクリーンショット7

ここまで良い面を中心に書いてきたが、DS3にはネガティブな面も正直に伝える必要がある。

良い点

ボス戦の完成度は、フロムゲーの中でも最高水準だ。特にDLC含めた全ボス群の質の安定感は、他のソウルライクゲームと比べても群を抜いている。「外れボス」がほぼ存在しない。

世界観の作り込みも素晴らしい。エリアごとの独自のビジュアルと設定、アイテムに込められた物語、NPCたちの悲劇的な末路。DS3の世界は「探索すればするほど面白くなる」設計になっている。

DLC2本のクオリティが本編に匹敵する点も特筆すべきだ。「アリアンデル絵画世界」と「輪の都」は、本編と同等かそれ以上の密度と完成度を持っている。DLC込みで遊ばないとDS3の本当の面白さを経験できない、と言っても過言ではない。

気になる点

PC版の最適化問題は前述した通りだ。2016年リリース当初のPC版は、コンソール版をそのまま移植した印象が強く、フレームレートのキャップや一部パフォーマンスの問題があった。現在はパッチで改善されているが、完全ではない部分もある。

終盤の難易度バランスの問題も指摘されることがある。中盤の「双王子」あたりが難易度のピークで、その後のボスたちが比較的あっさりしていると感じるプレイヤーもいる。「後半に行くほど難しくなっていくべき」という期待に完全には応えていない部分がある。

ストーリーの分かりにくさも人を選ぶ要因だ。DS3の物語は意図的に断片的で直接的に語られない。「アイテムの説明文を全部読んで考察して初めて分かる」レベルの難解さがある。「ゲームのストーリーをプレイしながら普通に理解したい」という人には、向いていない可能性がある。

PvPのバランス問題も現実的な課題だ。一部の武器や戦術が明らかに他と比べて強すぎる時期があり、フロム・ソフトウェアのバランス調整が追いつかない場面があった。現在もPvPのバランスが「完璧」とは言えない部分があって、特定の強武器に一方的にやられるという経験をした人は多い。

PvPで何をやっても特定のビルドに勝てない時期があってさすがに萎えた。でもその後にパッチが来て変わったし、コミュニティMODのBlue Sentinelで不正行為者を排除できるようになったのは良かった

引用元:Steamレビュー

DARK SOULS IIIが9年経っても遊ばれ続ける本当の理由

2016年リリースのゲームが2025年時点でSteamの同接数を維持し、新しいレビューが毎日追加される。なぜそうなっているのかを考えてみた。

一つ目は「達成感の質」だ。DS3のボスを倒したときの達成感は、多くのゲームとは次元が違う。なぜかというと、その達成感が「運良くクリアできた」ではなく「理解してクリアした」という感覚に裏打ちされているからだ。何度も死んで、ボスの動きを学んで、自分の立ち回りを改善して、ようやく倒せた。その過程の全部が自分の記憶に残っている。だから「倒した」というよりも「乗り越えた」という感覚がある。

二つ目は「ビルドの研究の楽しさ」だ。DS3のビルドは奥が深く、研究しようと思えばいくらでも研究できる。どの武器がどのボスに効くか、どのステータス配分が最もダメージ効率が良いか。この研究をしながら次のプレイに活かすサイクルが中毒性を持っている。ソウルシリーズのビルド研究を専門にするプレイヤーが、複数の攻略サイトやYouTubeチャンネルを持つほどの厚みがある。

三つ目は「新しいプレイヤーを迎え入れる仕組み」だ。エルデンリングのヒット以降、「ソウルシリーズってどんなの?」と思った人たちがDS3に流れてくる。彼らがコミュニティに新しい活気をもたらして、「始めたばかりの人」が常に存在し続けているのが現在のDS3コミュニティだ。Steamレビューを見ると「2023年から始めました」「エルデンリングを経てやってきました」というコメントが今でも多い。

四つ目は「シリーズの締めくくりとしての文脈」だ。DS3は「ソウルシリーズの終わり」を物語として扱っている。その文脈が分かるプレイヤーには、エンディングに至るまでの旅が「このシリーズへのお別れ」として機能する。これはシリーズを通じてプレイした人だけが体験できる感動で、時間が経っても「DS3をやりに帰ってくる」プレイヤーが存在し続けている。

五つ目は「MODとコミュニティコンテンツ」だ。ランダマイザー、Cinders Mod、speedrunなど、本編を遊び尽くしても楽しめるコンテンツが外部から供給され続けている。特にYouTubeのDS3コンテンツは今でも新作が出続けていて、「縛りプレイでクリア」「パリィだけで全ボス撃破」「ソウルゼロ縛り」といった挑戦動画が定期的に話題になる。

もう6周している。1周目は脳筋、2周目は魔術師、3周目は信仰ビルド、4周目は縛りプレイ、5周目はSpeedrun練習、6周目は全ボスアイテム回収。毎回新しい発見がある。こんなに長く遊んでいるゲームは他にない

引用元:Steamレビュー

DARK SOULS IIIのエリア設計——マップを歩く喜び

DARK SOULS™ III その他RPG スクリーンショット8

ダークソウルシリーズはオープンワールドではない。一本道ではないが、方向性は明確にある。DS3のマップ設計は「次に進む場所が分かりやすい」が「そこに至るルートは一つではない」という形になっていて、探索の楽しさとストレスのなさを両立させている。

ロスリック城と高壁——序盤の密度

ゲームはいきなり「高壁のロスリック」から始まる。崩れかけた城の外壁を進みながら、不死の兵士や亡者と戦いつつ、城の内部へと向かう。このエリアは「ダークソウルらしさ」を最初に体験させるための導入として完成度が高い。

篝火の位置が絶妙で、ちょうど「もう少し頑張れば篝火に着けそう」という距離感に設定されている。息つく間もなく敵が来るが、ルートをよく観察すれば安全な迂回路も見つかる。序盤で「このゲームの探索のコツ」を自然に学ばせる構造だ。

ロスリック城に入ってからは、縦横に複数のルートが用意されている。正面から突破するルート、脇の建物を経由するルート、城の外周を回るルート。どのルートでも固有のアイテムや敵配置があって、同じ場所を複数回探索しても新しい発見がある。「壁を調べたら隠し通路があった」という体験がDS3でも健在だ。

不死街と地下牢——中盤の転換

「不死街」は中盤のハブエリアとして機能していて、複数の方向へのルートが開かれている。地下の水路を進むと「深みの聖堂」へ、城の奥を進むと「ファランの城塞」へ、さらに別ルートを辿ると「カーサスの地下墓地」へと繋がる。

このエリアで特にユニークなのが「地下牢」だ。狭い廊下に大量の罪人が閉じ込められていて、処刑人たちが見張っている。この陰惨な雰囲気の中に、DS3最大級のボスの一人「ポンティフ・サリヴァン」が待っている。エリアの不快感とボスのプレッシャーがシンクロしていて、このエリアで詰まっているときの閉塞感はゲームデザインとして意図されたものだ。

アノール・ロンドとの再会——シリーズへの回答

DS3プレイ中に「アノール・ロンド」という地名が出てきたとき、DS1経験者は必ず反応する。DS1の中盤から後半にかけて舞台となった神々の都市が、DS3でも再登場するからだ。

でも、DS3のアノール・ロンドは変わっていた。かつての輝かしい建物が薄暗く変色し、かつて強大だった神々の気配がない。ここに「世界が衰えた」という物語の事実が無言で示されている。場所の変化だけでナラティブを語る、フロムゲーらしいストーリーテリングの好例だ。

DS1未経験者でもアノール・ロンドの美しい建築と独特の雰囲気は十分に感じ取れる。ただDS1を経験した人には「ここで昔ガーゴイルに苦労したな」「あの像の意味は…」という重ね合わせの楽しさが加わる。シリーズへの愛着がある人ほど、DS3は発見に満ちている。

峰の古城と冷たい谷のイルシール——孤独な雪景色

「峰の古城」は、DS3の中でも特に孤独な雰囲気のエリアだ。吹雪の中に立ち並ぶ廃墟、遠くに霞む山脈、無数の旗が翻る荒野。ここを一人で歩いているとき、「このゲームはすごく孤独なゲームだ」という感覚が強く来る。

「冷たい谷のイルシール」は逆に、夜の水面に月が反射する美しい景観で知られる。進むにつれて建物の中に入り、悪夢のような「イルシールの地下牢」へと続く。景観の美しさと恐怖感の落差が、DS3の中でも際立っているエリアだ。

ここで遭遇する「教会の騎士」系の敵は、プレイヤーに火炎を大量に浴びせてくる強敵だ。イルシールで多くのプレイヤーが詰まる理由の一つで、「そこまでは比較的順調に来れたのに、急に手も足も出なくなった」という経験をする人が多い。でもここを越えると、また次の景色が待っている。

DS3のサウンドデザインと音楽

DARK SOULS IIIのサウンドトラックは、シリーズの中でも特に評価が高い。作曲はモトイ桜庭(いくつかの楽曲)と関戸剛が担当し、ボス戦ごとに専用のBGMが用意されている。

ボス戦BGMの存在感

DS3のボス戦BGMは、単なる「バトルBGM」の域を超えている。ボスキャラクターの設定や物語的背景を音楽で表現していて、BGMを聴くだけでそのボスの「感情」が伝わってくる。

「ソウルオブシンダー(ロスリック王子たち)」のBGMは、2人のキャラクターの対比を音楽で表現している。第1フェーズの荘厳な合唱から始まり、フェーズが変わると音楽のトーンが一変する。「双王子のために誰かが曲を作ってくれた」という感覚が、ボスとの戦いに意味を加えてくれる。

「奴隷騎士ゲール」のBGMは「世界の果て」という曲名で、第3フェーズで雷を呼び込む場面の音楽の転換が印象的だ。ゲールというキャラクターの「最期」を音楽で演出していて、戦闘後に「あの曲だけもう一度聴きたい」と思ったプレイヤーは少なくない。

「フリーデ修道院長」のBGMは3段階すべてで異なるアプローチが取られていて、第2フェーズでアリアンデル司祭が加わる場面でBGMが重なり合う構造が技術的にも面白い。

環境音の作り込み

BGM以外でも、DS3の環境音は世界観を作るうえで重要な役割を果たしている。

高壁のロスリックで聞こえる遠くの鐘の音、不死街の狭い路地で聞こえる亡者の足音、イルシールの静かな水の音。これらが重なって「ここは怖い」「ここは美しい」「ここには何かいる」という直感的な情報をプレイヤーに伝えている。サウンドデザインが場の雰囲気を作っているという意味では、映画的な手法をゲームに応用している。

ボスの登場SEも特徴的だ。扉を開けた瞬間の静寂から、ボスの咆哮とBGMの立ち上がりまでの数秒間。この「始まりの演出」がDS3のボス戦の緊張感を高めている。何度も戦ったボスでも、あのイントロが始まると体が緊張する体験は、ゲームデザインと音楽が一体化している証拠だ。

篝火の音——安堵の象徴

ダークソウルシリーズを語るとき、篝火の音を抜きにはできない。あのパチパチとした静かな炎の音は、危険なエリアを抜けてチェックポイントに到達したときの「安堵」と直接結びついている。

DS3の篝火の音はシリーズを通じて一貫しているが、エリアごとに微妙に音量や音質が変わる。屋外の広い場所では炎が揺れる音が大きく、狭い地下では静かに燃える音が聞こえる。この細かい調整が「篝火に着いた」という体験の質を高めている。

ゲームをしばらくやっていると、篝火の音を聞くだけで体がリラックスするようになる。一種のパブロフの条件付けに近いが、それほど強烈な安堵感が篝火と結びついているということだ。DS3はサウンドを使って「安全と危険」の感覚を構築することに成功しているゲームでもある。

まとめ:DARK SOULS IIIを今から始める意味

DARK SOULS IIIは2016年のゲームだ。グラフィックは最新のゲームと比べると見劣りする部分もある。PC版の最適化は完璧ではない。PvPは過去の全盛期よりは人が少ない。

それでも今からやる意味があると断言できる。

このゲームには「ボスと向き合い続ける体験」の密度が詰まっている。何回死んでも、ボスの動きを少しずつ理解して、ついに倒せたとき——その瞬間の達成感は、2025年に発売される最新タイトルでも簡単には再現できない。

DLCを含めた完全版「DARK SOULS III DELUXE EDITION」はSteamで購入できる。セールになることも多く、割引価格で本編+DLC2本が手に入る。9年分の攻略情報が揃っていて、詰まったときのサポートも十分ある。今から始めても、コミュニティに迎え入れてくれる人はたくさんいる。

フロムゲーが初めてなら、最初の壁であるゴンドールに20回死ぬかもしれない。イルシールで1週間詰まるかもしれない。双王子で心が折れそうになるかもしれない。

でも、双王子を倒したとき、ゲールと出会ったとき、そしてエンディングを迎えたとき。間違いなく「やってよかった」と思う体験が待っている。

「始めるなら今がいい」——そう思える理由が、DARK SOULS IIIにはある。

DARK SOULS™ III

FromSoftware, Inc.
リリース日 2016年4月11日
サービス中
同時接続 (Steam)
5,710
2026/04/12 アジア圏ゴールデンタイム計測
レビュー
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価格¥5,940
開発FromSoftware, Inc.
販売FromSoftware, Inc., Bandai Namco Entertainment
日本語非対応
対応OSWindows
プレイ形式シングル / マルチ
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