Risk of Rain 2 — 死ぬたびに強くなるローグライク三人称シューター
最初のランで死んだとき、正直ちょっと笑ってしまった。やっと序盤のボスを倒して「よし、このままいけるか」と思った瞬間に、画面外から何かが飛んできて即死。リスタートボタンを押しながら「また最初から?」と思いつつ、気づけば3時間ぶっ通しでプレイしていた。Risk of Rain 2はそういうゲームだ。
Hopoo GamesとGearbox Publishingが2020年8月に正式リリースしたRisk of Rain 2は、2Dだった前作を3Dへ昇華させたサードパーソンシューターだ。プロシージャル生成の惑星に降り立ち、モンスターを倒しながらアイテムを積み上げ、最終的にはとんでもないビルドで無双するか、手に負えない化け物たちに圧殺されるかの二択を繰り返す。そのループが、何百時間プレイしても飽きさせない。
2019年3月のアーリーアクセス開始から1か月で100万本を突破し、Steamでの同時接続プレイヤー数は2020年のピーク時に10万人を超えた。2024年時点でのSteamレビュー評価は「非常に好評」で98,000件以上。インディーゲームとしては破格の支持を受けたタイトルだ。
2024年にはGearboxによる続編「Risk of Rain Returns(2Dリマスター)」と「Risk of Rain 2: DLC Seekers of the Storm」も配信され、シリーズとしての展開も継続している。
「Risk of Rain 2」公式トレーラー
こんな人にRisk of Rain 2はハマる

正直なところ、すべての人に薦めるゲームじゃない。でも刺さる人には間違いなく深く刺さる。
- 死んで学んで強くなる「ローグライクの試行錯誤」が好きな人
- アイテムを重ねることで爆発的に強くなる快感が好きな人
- 最大4人の協力プレイでワイワイしたい人
- キャラクターごとのスキルとビルドを研究するのが楽しい人
- 難しいゲームを攻略したときの達成感を求めている人
- Hades、Dead Cells、Spelunkyのようなローグライクが好きな人
逆に、繰り返し死ぬことにストレスを感じやすい人や、アクションゲームが苦手な人には序盤が辛い。ただ、Rain 2は他のローグライクと比べると「慣れで乗り越えられる」部分がかなり大きい。慣れてくれば初期難易度の「雨の霧雨」は安定して突破できるようになる。
ローグライク系で言えば、

タワーディフェンス系が好きなら

Risk of Rain 2の基本——3Dに進化したローグライク
前作「Risk of Rain」は2013年にリリースされた2Dプラットフォーマーだ。Risk of Rain 2は、その精神をそのままに、舞台を完全な3D空間へと移した。これは単なる「3Dリメイク」ではなく、ゲームデザインそのものが3Dに最適化された全く別の体験を生み出している。
舞台は謎の惑星「Petrichor V」。プレイヤーは遭難した宇宙貨物船UESの生存者として、脱出手段を探しながら惑星を生き延びる。ゲームの流れはシンプルだ。
- マップに出現するモンスターを倒してアイテムを集める
- テレポーターを起動してボスと戦う
- 次のステージへ進む
- これを繰り返して最終ステージを目指す
ただし、ゲームには「時間圧力」がある。プレイ時間が長くなるほどモンスターが強くなる仕組みで、のんびりしているとアイテムを集めても追いつかないほど敵が強化されていく。効率よくアイテムを集めつつ、適切なタイミングでテレポーターを起動する判断が問われる。
この「時間vs報酬」のジレンマが、Rain 2のプレイサイクルに緊張感を生む。もう少しだけアイテムを集めたい。でも時間が経てば敵が強くなる。その選択の積み重ねがランごとに異なる物語を生み出していく。
サバイバーとキャラクター選択
2026年4月時点でRisk of Rain 2には14人のサバイバー(プレイヤーキャラクター)がいる。基本ゲームで解放できるキャラクター、条件を満たすことで解除されるキャラクター、DLCで追加されたキャラクターに分かれている。
最初に使えるコマンドーは標準的な性能で、ゲームを覚えるのに適している。一方でメルセデルやローダーは個性的な能力を持ち、習熟すると他のキャラとは全く違うプレイスタイルを体験できる。
- コマンドー — 汎用型。2丁拳銃でダッシュしながら戦う。ローグライク初心者向け
- ハンター — 射程が短いスナイパー。クリティカルヒット重視のビルドが得意
- エンジニア — タレットを設置して戦う。置きゲー戦術が楽しい
- マルII — ロボット。長距離ミサイルと近接格闘を組み合わせる
- マーキュリー — 弱点を狙う精密射撃が得意な医療系キャラクター
- ローダー — 近接特化。グラップリングフックで壁を走り回る爽快感は独特
- アクリッド — 毒ダメージ蓄積型。接敵の危険を伴う近接キャラクター
- キャプテン — オービタル爆撃とシールドジェネレーターを持つサポート型
それぞれのキャラクターがどのアイテムと組み合わさることで力を発揮するかを研究するのが、Rain 2の大きな楽しみの一つだ。同じキャラクターでも、集まったアイテムによって全く違うビルドになる。
アイテムの積み重ねが作る「崩壊寸前の強さ」
Risk of Rain 2で最も中毒性が高いのは、アイテムスタックのシステムだ。アイテムは同じものを複数拾うことで効果が累積していく。たとえば「ウィロウィスプ(敵を倒すと爆発)」を1個持てば普通の爆発だが、20個スタックすれば画面全体を消し飛ばすような爆発に化ける。
「ウングリーのリング」という攻撃速度アップアイテムを大量に積んだコマンドーは、弾幕が密すぎて画面が見えなくなるほど射撃を連射できる。「シャッタースプリーン(ダッシュ後の攻撃強化)」を積んだローダーは、一撃でボスを倒せるような爆発的な近接ダメージを叩き出す。
この「積み重ねによる爆発的なスケーリング」は、数学的に見ると理不尽なほど加速度的だ。最初の1個は小さな効果でも、10個目・20個目になると別物の性能になる。だから終盤のRunが「普通のアクションゲーム」から「全てを破壊できる神様プレイ」へ変貌していく。
最終ステージに着いたとき、エンジニアのタレットが敵を倒す速度が速すぎてサーバーが重くなった。友達に「どうしたの?」って言われたけど「アイテム積みすぎた」の一言で全部説明できた。
引用元:Steamレビュー
アイテムのレアリティ
アイテムには3段階のレアリティがある。白(コモン)・緑(アンコモン)・赤(レジェンダリー)の順に希少で、赤アイテムは効果が特に大きい。さらに「ルナーアイテム」と呼ばれる青いアイテムは、強力だが同時にデメリットも持つ両刃の性能が特徴だ。
ルナーアイテムの存在がゲームに深みを加えている。たとえば「Shaped Glass」は与ダメージを2倍にする代わりに最大HPが半減する。リスクを承知で積むか、安全を取るか。この選択がランの方向性を決定づける瞬間になる。
また、「ポリプリペ(アイテムを別のアイテムに変換する鍋)」というギャンブル要素もある。グリーンアイテムをぶち込んで赤が出れば大当たりだが、白に変換されることもある。その賭けが成功したときの「やった!」という感覚は、他のゲームでなかなか味わえない。
アーティファクトによるルール変更
ゲームをある程度進めると、「アーティファクト」と呼ばれるゲームルールを変えるシステムが解放される。
- コマンドアーティファクト — チェスト(宝箱)を開けるとき、アイテムが3択で表示される。ランダムではなく選べるので、戦略的なビルドが組みやすくなる
- グラスアーティファクト — 最大HP1で攻撃力が500%になる。一発でも食らえば即死。上級者向けの超高難度モード
- サクリファイスアーティファクト — チェストがなくなり、敵を倒したときに直接アイテムがドロップする。慌ただしいが収集ペースが変わる
- スワームアーティファクト — 敵の数が倍になり、各敵のHPが半分になる。弾幕が激しくなる
これらアーティファクトを組み合わせることで、同じゲームでも全く違う体験ができる。初心者はコマンドアーティファクトだけ有効にして練習し、慣れてきたらグラスやスワームに挑戦するという遊び方も多い。
難易度設計——理不尽に見えて、実は計算されている

Risk of Rain 2を初めてプレイした人のほとんどが、最初は「難しすぎる」と感じる。でも数時間プレイして気づく——「難しいんじゃなくて、慣れてなかっただけだ」と。
ゲームには4段階の難易度が用意されている。
- 霧雨(Drizzle) — 初心者向け。敵が弱く、体力回復も多い
- 雨(Rainstorm) — 標準難易度。バランスが取れている
- モンスーン(Monsoon) — 上級者向け。敵の強化が著しく、死亡率が上がる
- エクリプス(Eclipse) — キャラクターごとに解放できる超高難度。段階的に厳しさが増す
初めてのプレイには「霧雨」で慣れることを薦める。ゲームの仕組みを覚えたら「雨」へ移行し、安定してクリアできるようになったら「モンスーン」に挑戦する。この段階的な成長がRisk of Rain 2の長所の一つだ。
最初は「モンスーンがクリアできる気がしない」と思ってたけど、100時間経ったら安定してクリアできるようになってた。難しさの正体が「理不尽」じゃなくて「知識と慣れ」だと分かると、どんどん上手くなれるゲームだと気づく。
引用元:Steamレビュー
時間スケーリングの圧力
Risk of Rain 2の面白い仕掛けが「時間が経つほど敵が強くなる」システムだ。ゲーム開始から時間が経過するごとに、敵のHP・攻撃力・出現数が増加していく。
これが意味するのは「いつまでもアイテムを集めていられない」ということ。ゆっくりしていると、いくらアイテムを積んでも敵の強化速度が上回ってしまう。でも急ぎすぎるとアイテムが不足して後半に詰まる。
この時間圧力が、プレイヤーごとに異なるプレイスタイルを生む。「速攻でテレポーターを起動して先へ進む速攻型」と「リスクを取ってアイテムを粘り強く集める収集型」で、同じキャラクターでも全く違う戦略になる。
初心者は「敵が強くなるから急がなきゃ」と焦って失敗することが多い。実は序盤はゆっくりアイテムを集めて力をつけ、中盤から速度を上げるのが安定パターンだ。この「感覚のズレ」を乗り越えることが、Rain 2を楽しめるようになる第一歩だったりする。
プロビデンスのトライアル——ロアを巡る物語
Risk of Rain 2にはストーリーがある。といっても、会話や演出で語られるわけではない。ゲーム内に散らばったログや環境の変化から少しずつ真相が明らかになる「環境的なストーリーテリング」だ。
Petrichor Vという惑星は、かつて「プロビデンス」と名乗る存在が統治していた。プロビデンスは宇宙の循環を維持するため、惑星の生物を使って何かを守っていた。一方で、UESの宇宙船には「ニールセン提督」という人物が関わっており、彼女の行動が惑星の現状に深く影響している。
最終ボスとして立ちはだかるのがこのプロビデンスだ。純白の巨人として登場し、岩の礫や光の弾幕を駆使して攻撃してくる。ゲームの最後にプロビデンスの言葉が表示されるが、それが「どういう意味か」をプレイヤーが解釈する余地を残している。
DLC「Survivors of the Void」では「空虚」という新たな概念が追加され、惑星の謎がさらに深まった。さらに2024年の「Seekers of the Storm」DLCでは、新たなサバイバーと全く新しいストーリーの続きが展開されている。
このロアの存在がRisk of Rain 2のリプレイ性を高めている。何回もプレイして「また死んだ」と思うたびに、少しずつログが集まり、世界観の全体像が見えてくる。アクションゲームとして楽しみながら、同時に謎解きの楽しさも味わえる二重構造だ。
最初はただのアクションゲームだと思ってたけど、ログを全部集めたときにゲーム全体の意味が変わった。あの「死んでも死んでも蘇って戦い続ける」というゲームメカニクス自体が、実はストーリーと繋がってたんだ、と気づいたときは鳥肌が立った。
引用元:Steamレビュー
協力プレイの魅力——4人で崩壊するカオス
Risk of Rain 2は最大4人のオンライン協力プレイに対応している。そして4人でプレイすると、ゲームの性質が根本的に変わる。
一人でプレイするとき、戦場の管理はすべて自分でやる。敵の位置、アイテムの場所、ボスの体力——すべてを自分で把握しながら動く。これはこれで集中力が試される緊張感だ。
4人になると、画面全体が混沌に変わる。4人分の攻撃エフェクトが走り回り、4人分のアイテムが積み重なり、敵のHPがパーティ人数に応じてスケールアップする。「誰がどこで何をしているのか」の把握が難しくなるほど、戦場が賑やかになる。
友達4人でエンジニア×3とコマンドー×1でやったとき、エンジニアのタレットが12基並んで敵の群れを全滅させ続けた。コマンドーは何もしなくてよかった。あれは笑った。
引用元:Steamレビュー
友人と一緒に遊ぶなら、キャラクターを分担するのが面白い。エンジニアがタレットを設置して防衛線を作り、ローダーが前線に飛び込み、マーキュリーが弱点を狙い、キャプテンが支援を担う——こういった役割分担が自然に生まれる。
でも実際のプレイはそれほど整然としていない。「ちょっと待って、あっちにアイテムが!」「え、もうテレポーター起動した!?」「ボスがこっちに来た!」という叫び声が絶えないのが、4人プレイの本当の姿だ。それが楽しい。
協力プレイでの戦略共有
4人プレイで面白いのが、アイテムのトレードができる点だ(特定の手段を使えば)。誰かがいいアイテムを拾ったとき、そのキャラクターに合わないなら融通し合える。エンジニアが近接攻撃系のアイテムを拾っても活かしにくいが、ローダーなら強力な武器になる。こういった状況判断のコミュニケーションが協力プレイを深める。
また、一人が死んでも仲間がいれば復活できる可能性がある(ゲームモードや状況による)。全滅しない限りランは継続できるため、一人の失敗を仲間がカバーする緊張感がある。全員で生き残ったときの達成感は、ソロとは別格だ。
ローグライク系で協力プレイが得意なゲームとしては、

ステージとビジュアルデザイン——惑星を旅する感覚

Risk of Rain 2のステージは、前作の2D空間を3Dに展開した世界観を持つ。荒れた岩地から湿った洞窟、凍った雪原、空中に浮かぶ廃墟まで、各ステージが独自のビジュアルと生物種を持っている。
基本ゲームには5種類の環境(各ステージに複数のマップ候補がある)に加え、隠しステージが存在する。DLCではさらに新しい環境が追加された。
- Distant Roost(遠い巣) — 崖地帯。高低差が激しく、落下死に注意
- Titanic Plains(巨大平野) — 広大な草原。序盤のステージ候補
- Abandoned Aqueduct(廃棄された水道橋) — 砂漠のような乾燥地帯。ボスが強め
- Wetland Aspect(湿地) — 水が多い沼地。視認性が悪い
- Rallypoint Delta(ラリーポイントデルタ) — 雪原の中にある人工施設
- Sundered Grove(裂けた木立) — 暗い植物地帯。ボスが特徴的
- Sky Meadow(空の草原) — 空中に浮かぶ草原。最終ステージへの入口
各ステージで出現する敵も異なる。Distant RoostではLemurians(ヤモリ系の生物)が多く登場し、Wetland Aspectでは水中から飛び出すJellyfish系の敵が厄介だ。マップごとに出現する敵の特性を覚えることが、安定したプレイにつながる。
隠しステージ「Hidden Realms」
通常のルートを外れると、隠しステージ群「Hidden Realms」へアクセスできる。
「Void Fields」はゲーム中に出現するポータルから入れる特殊ステージで、クリアすると強力なアイテムを大量に入手できるが、フィールド内に長時間留まると「Void Fog」によって継続ダメージを受け続ける独特のルールがある。
「Gilded Coast(黄金の海岸)」は黄金のコインを大量に消費することで入れる隠しステージだ。強力なボスを撃破するとユニークなアイテムが手に入る。
「Bazaar Between Time(時の間の市場)」はショッピングエリアで、ルナーコイン(特殊通貨)を使ってルナーアイテムを購入できる。また「Newt Shrine(ニュートの祠)」と呼ばれる特定の場所でコインを捧げることで、このステージへの入口が開く。
これら隠しエリアの存在が、Rain 2の探索要素を豊かにしている。通常のランをこなしながら「今回こそVoid Fieldsに寄ってみよう」という選択肢が常にある。
DLC「Survivors of the Void」が加えた要素
2022年3月にリリースされたDLC「Survivors of the Void(空虚の生還者たち)」は、Risk of Rain 2のコンテンツを大きく拡張した。
新たに追加されたサバイバーは2人。「レールガンナー」は長距離精密射撃が得意な狙撃特化キャラクターで、ヘッドショットシステムが独特の楽しさを生む。もう一人の「ボイドファーラー」は空虚(Void)の力を宿した不思議な探検家で、Void系アイテムを使った特殊なプレイが可能だ。
また、このDLCではアイテムの「空虚版」が登場した。通常のアイテムに対応する「空虚アイテム」があり、空虚アイテムを入手すると対応する通常アイテムを全て変換してしまう。たとえば通常の「Soldier’s Syringe(攻撃速度アップ)」の空虚版を手に入れると、全てのSoldier’s Syringeが空虚版に変わる。効果が変化するため、ビルドによっては大きなプラスにもマイナスにもなる。
新環境「Siphoned Forest」「Sundered Grove」「Void Locus」「The Planetarium(最終ボスエリア)」も追加され、ゲームの通常ルートに新たなバリエーションが生まれた。
2024年DLC「Seekers of the Storm」
2024年9月にリリースされた2つ目のDLC「Seekers of the Storm(嵐の探索者たち)」では、さらに3人の新サバイバーと新環境、新ボスが追加された。リリース直後は不具合が多く批判も受けたが、その後のアップデートで修正が進み、評価は改善されている。
新サバイバーの「フォールスマン(Falseman)」「チーフ(Chef)」「Seeker」はそれぞれ個性的なプレイスタイルを持ち、既存キャラクターとの差別化がしっかりしている。特にChefは食材を使った独自の料理システムがキャラクターの個性として機能しており、ゲーム内での存在感が強い。
なぜRisk of Rain 2はここまで人気を集めたのか
2019年のアーリーアクセス開始から1か月で100万本突破、Steamレビューは10万件近くで「非常に好評」——これだけの成果を上げた理由は何か。いくつかの要因が重なっていると思う。
前作の資産を活かした進化
前作Risk of Rain(2013年)は2Dプラットフォーマーとして、ローグライクの愛好者から高い評価を受けていた。Hopoo Gamesはその熱狂的なファンベースを持った状態で続編を開発した。前作プレイヤーが「あのゲームの続編が出た!しかも3Dになった!」と興味を持つのは自然な流れだ。
でも単なる「3D化」じゃなかった。前作の「アイテムスタックで爆発的に強くなる快感」「時間圧力による緊張感」「死んで学ぶローグライクの周回性」という核心はそのままに、3D空間での立体的な戦闘が加わったことで全く新しい体験になった。
アーリーアクセスの成功モデル
Risk of Rain 2のアーリーアクセス期間(2019年3月〜2020年8月)の運営は、コミュニティから高く評価されている。
定期的なアップデートで新キャラクター・新ステージ・新アイテムを追加し、プレイヤーの声を反映した調整を続けた。バランス変更は時にキャラクターを大幅に弱体化させることもあったが、その都度開発チームがコミュニティに説明を行い、理解を求めた。
「こんな調整をした。なぜそうしたのか。今後どう改善するか」という透明性のある開発姿勢が、プレイヤーの信頼を勝ち取った。開発チームがコミュニティと一緒にゲームを作っているという空気感が、アーリーアクセス中のピーク人気につながったと思う。
コンテンツクリエイターによる広がり
Risk of Rain 2は、YouTubeやTwitchのゲーム実況コンテンツとの相性が良い。
「アイテムを積み重ねて爆発的に強くなる」というビジュアルは動画映えする。プレイヤーが画面中を彩る弾幕で敵を消し飛ばし、最終的に全てを破壊する様子は、見ているだけでも楽しい。また、協力プレイで起きる混乱やハプニングは、実況のネタとして機能しやすい。
こうした「見てもらいやすい」特性が、コンテンツクリエイターに取り上げられやすくし、視聴者が「やってみたい」と思うきっかけを作った。口コミとストリーミング配信による自然な拡散が、販売数を押し上げる一因になった。
YouTubeで実況を見て「なんだこれ、面白そう」と思って買ったら、本当に面白かった。見るより絶対プレイした方が楽しいゲームだと思う。
引用元:Steamレビュー
適切な価格設定
Risk of Rain 2の定価は2500円前後(セール時はさらに安くなる)で、インディーゲームとしては手が出やすい価格帯だ。100時間以上遊べるコンテンツ量を考えると、コストパフォーマンスは高い。
「友達に薦めやすい価格」というのが口コミで広がりやすかった理由の一つでもある。「みんなで買って一緒にやろう」という話になりやすいのは、低価格ゆえの強みだ。
同じ価格帯のローグライクとしては

Risk of Rain 2の不満点も正直に語る

Risk of Rain 2が大好きなゲームであることは変わらないが、不満点を隠すのはフェアじゃない。実際にネガティブな声も少なくない。
2024年DLC「Seekers of the Storm」の問題
2024年9月にリリースされた2つ目のDLC「Seekers of the Storm」は、リリース直後から不具合の多さが問題になった。
ゲームがクラッシュする、一部のコンテンツが解放されない、パフォーマンスが著しく低下する——こういった報告がリリース直後から相次ぎ、Steamレビューは「最近のレビュー」が一時的に「やや不評」へと落ち込んだ。
開発チームがパッチを継続的に配信し、状況は改善されているが、フルプライスのDLCがこの状態でリリースされたことへの不満は根強い。「前作のDLCと同じクオリティを期待していた」というプレイヤーの失望は理解できる。
Survivors of the VoidはほぼDay1から安定していたのに、Seekers of the Stormは買って最初の1週間まともに起動できなかった。中身は面白いだけに、もったいない。
引用元:Steamレビュー
学習コストの高さ
Risk of Rain 2にはチュートリアルらしいチュートリアルがない。アイテムの効果説明はマウスオーバーで確認できるが、「このキャラクターにはこのアイテムが合う」「この状況ではこう立ち回るべき」という知識は、死んで覚えるしかない。
Steamレビューでも「最初の10時間は辛かった」という声は多い。前述の通り、慣れれば乗り越えられるのだが、その前に離脱してしまうプレイヤーがいることも事実だ。
エンドコンテンツの薄さ
ある程度上達すると「やることがなくなった」と感じるプレイヤーも出てくる。全キャラクターのエクリプス最高難度クリア、全アーティファクト収集、全ログ収集——これらを達成した後の目標が見えにくい。
Moddingコミュニティが活発で、Steam Workshopから多数のMODが導入できるため、バニラで遊びつくした後もコンテンツを追加できる。でも「MODを入れないとやることがなくなる」という状態は、ゲーム本体の課題でもある。
それでも500時間プレイしてこれを言っているプレイヤーも多い。500時間楽しめた上で「もっとコンテンツが欲しい」というのは、贅沢な不満でもある。
他のゲームと何が違うのか——ジャンルの中での位置づけ
ローグライクは今や人気ジャンルで、選択肢が多い。Risk of Rain 2はその中でどこが違うのか。
Hadesとの比較
同じく「非常に好評」のローグライクとして語られるHadesとRisk of Rain 2を比較すると、根本的な方向性の違いがある。
Hadesはアクションが洗練されており、プレイヤーキャラクターの動きが非常に気持ちいい。ストーリーが豊富で、キャラクターとの関係性が深まるほど物語が進む。一方でランダム性は比較的抑えられており「計算された範囲内でのランダム」という印象だ。
Risk of Rain 2はより「カオス的」だ。アイテムスタックが偶発的に生み出す爆発的な強さ、予測できない敵の出現パターン、時間スケーリングによる緊張感——これらが重なると「計画」よりも「適応」が求められる。ストーリーも背景に埋もれており、読み解く楽しさはあるが、Hadesほど表に出てこない。
どちらが優れているかではなく、「自分がどちらの体験を求めているか」で選ぶのがいい。
DeadCellsとの比較
Dead Cellsはプラットフォーマーのローグライクで、操作の精度と知識がRisk of Rain 2よりも直接的に結果に影響する。敵の攻撃パターンを覚えて的確に回避するアクション性が強い。
Risk of Rain 2はそれよりも「アイテムビルドの力」に依存する部分が大きい。上手いプレイでも、運悪くいいアイテムが集まらなければ厳しくなる。この「運と実力のバランス」がRain 2の特徴だ。
Vampire Survivorsとの違い
近年人気のサバイバー系ゲームと比べると、Risk of Rain 2はより「能動的なアクション」を求められる。Vampire Survivorsは移動しながら自動攻撃が発動するのに対し、Rain 2は攻撃タイミング・エイム・位置取りがすべて手動だ。
サバイバー系が好きなら

Mod環境と長期的な楽しみ方
Risk of Rain 2にはSteam WorkshopとThunderstoreというMODプラットフォームを通じて、膨大なMODが公開されている。2026年4月時点で数千のMODが存在し、それらを組み合わせることでバニラとは全く異なる体験ができる。
人気のMODカテゴリーとしては以下がある。
- 新キャラクター — 公式キャラクター以外の新サバイバーを追加するMOD。クオリティが高いものも多い
- ゲームプレイ変更 — アイテムのバランス調整、新アイテムの追加、難易度変更など
- UI改善 — 情報表示を見やすくするMOD。DPS表示、アイテムカウンターなど
- ルール変更 — アーティファクトと組み合わせてゲームモードを変える
「Thunderkit」というMOD開発フレームワークが整備されており、新しいキャラクターやアイテムを自作するハードルが比較的低い。このためコミュニティ製のMODキャラクターが定期的に登場し、それがまた新しいプレイヤーの流入につながっている。
特に「Paladin」や「Hand of the Gods」といった人気MODキャラクターは、公式キャラクターと遜色ない作り込みを持っており、MODとは思えないクオリティだ。
バニラで600時間プレイしてから「Thunderstore」でMODを入れ始めたら、また別ゲームとして楽しめた。特に高品質なキャラクターMODはなんで公式に入れないのかと思うくらいの出来のものがある。
引用元:Steamレビュー
Sons Of The Forestやフォートサバイバル系との比較——同じジャンルを跨ぐなら

「ランダム生成の世界で生き残る」という大きなテーマで括ると、Risk of Rain 2は同じ括りに入るゲームが多い。でも方向性は全く違う。
たとえば

Risk of Rain 2のローグライク的な試行錯誤と、サバイバル系の探索・構築は、それぞれ異なるタイプの満足感を提供する。どちらも楽しいが、「今日は何がしたいか」で選ぶと迷わない。
激しいアクションとビルド構築が好きなら Risk of Rain 2、じっくりとした生き残りと世界探索が好きなら Sons Of The Forestが向いている。
初めてのプレイに向けたアドバイス
Risk of Rain 2を初めてプレイする人が失敗しやすいパターンと、その対策をまとめておく。
難易度は「霧雨」から始める
プライドが許さないかもしれないが、初プレイは「霧雨(Drizzle)」推奨だ。ゲームのシステムを覚える前に「雨(Rainstorm)」で始めると、仕組みを理解する前に何度も死んでモチベーションが落ちる。
霧雨でゲームの流れを把握し、アイテムの効果をある程度覚えてから「雨」に移行するほうが、長期的に楽しめる。
最初のキャラクターはコマンドーかハンター
解放条件なしで最初から使えるコマンドーと、序盤で解放できるハンターが初心者向けだ。コマンドーは操作がシンプルで「射つ・ダッシュ・スキル使う」という基本を身につけやすい。ハンターはクリティカル機構があり、少し複雑だが強力な射程距離の攻撃が気持ちいい。
時間を意識する
前述の通り、時間が経つほど敵が強くなる。目安として、1ステージに費やす時間は5〜8分程度が安定ラインだ。「もう少しアイテム集めたい」という気持ちはわかるが、時間を気にしながら動く習慣をつけると安定してくる。
テレポーターチャージ中は近くにいる
テレポーターを起動するとチャージが始まり、完了まで90秒間エリア内に留まる必要がある(テレポーターから一定距離内にいないとチャージが進まない)。この間にボスと大量の敵が出現する。テレポーターから離れすぎると時間が無駄になるので、近くで戦い続けることを意識する。
アイテムの優先順位を覚える
全アイテムの効果を覚えるのは大変だが、序盤によく出る優秀なアイテムを把握するだけでも安定性が上がる。「Tougher Times(ダメージ無効確率)」「Soldier’s Syringe(攻撃速度)」「Paul’s Goat Hoof(移動速度)」はどのキャラクターでも序盤から優先して取っていいアイテムだ。
Risk of Rain 2の現在地——2026年の状況
2026年4月時点でRisk of Rain 2はまだ現役で、定期的なプレイヤーが維持されている。Steamの同時接続プレイヤー数は平均して2,000〜5,000人程度で推移しており、新作が出続けるゲーム業界においても安定した人気を保っている。
「Risk of Rain Returns」(前作のリマスター)が2023年11月にリリースされ、シリーズ全体が注目される機会があった。これによって前作プレイヤーがRisk of Rain 2に入ってくる流れも生まれた。
Hopoo GamesはRisk of Rain 2の開発から離れ、GearboxがDLC開発を引き継いだ。この体制変更に伴う「Seekers of the Storm」の品質問題は前述の通りだが、その後の修正パッチによって状況は改善された。
MODコミュニティは依然として活発で、新しいMODキャラクターや機能拡張が続々とリリースされている。バニラのコンテンツを遊びつくした後もMODで遊び続けているプレイヤーが多く、実際のプレイ時間はSteamの統計以上に長い人も少なくない。
格闘ゲームが好きで別のジャンルも試したいなら

Risk of Rain 2をもっと楽しむための豆知識
ある程度ゲームに慣れてきたプレイヤーに役立つ情報をいくつか。
ルナーコインの使い道
ランダムに出現する光るコインを拾うと「ルナーコイン」が貯まる。このコインはランを跨いで保持される(死んでもなくならない)。Bazaar Between Timeで強力なルナーアイテムを購入したり、「ニュートの浴槽」と呼ばれるメニュー画面でキャラクターをアンロックするために使用したりできる。
序盤はルナーコインを積極的に使って強力なアイテムを入手するか、温存してキャラクターのアンロックに使うか迷う。好きなキャラクターをアンロックするまでは、コインは温存するのが個人的にはおすすめだ。
「Obliterate」という選択肢
ゲーム後半に登場する「Sky Meadow(空の草原)」ステージには、「Celestial Portal(天空のポータル)」が出現することがある。このポータルの先にある石造りの祭壇で「Obliterate(消滅)」を選ぶと、自分のキャラクターが消えてランが終了する代わりに「Celestial Pod」と呼ばれる特別なアイテムがアンロックされ、ゲームのメニューに特定の変化が現れる。
これはゲームの隠しエンディングへの入口で、最終ボス「Moon(月)」ステージへ続くルートとは別のルートだ。最初からあったことに気づかないプレイヤーも多い要素なので、意識してみると新しい発見がある。
パッシブ回避「プロックチェーン」
Risk of Rain 2のアイテムには「プロック(発動)」確率があるものが多い。「攻撃時に20%の確率で追加効果」という形式だ。この「追加効果」自体が別のアイテムを「プロック」させることがある。これを「プロックチェーン」と呼ぶ。
たとえば「AtG Missile Mk1(10%でミサイル追加)」と「Sticky Bomb(5%でスタン爆弾)」を積み重ねると、通常攻撃からミサイルが発射され、そのミサイルがさらに爆弾をプロックすることがある。これが連鎖すると、一撃で複数の追加効果が発動する「プロック地獄」が生まれる。中上級者向けの知識だが、覚えるとビルドの理解が深まる。
エクリプスモードの段階的な解放
各キャラクターでモンスーン難易度をクリアすると、そのキャラクターの「エクリプス」ランがアンロックされる。エクリプスはEclipse 1から始まり、クリアするごとにEclipse 2、3……と難易度が上がっていく。各Eclipseには固有の縛り(全体回復の禁止、体力が下がり続けるなど)が追加され、最終的にEclipse 8が最高難度になる。
全キャラクターのEclipse 8クリアは、Rain 2のプレイヤーにとっての最終目標の一つだ。腕自慢のプレイヤーが挑む難関で、コミュニティでも達成を報告する投稿が定期的に現れる。
まとめ——Risk of Rain 2は「死ぬたびに成長を感じられる」ゲーム
Risk of Rain 2の何が他のゲームと違うかを一言で言うなら、「死んで学ぶサイクルが気持ちいい」という点だと思う。
死んだとき「なぜ死んだか」が概ねわかる。アイテムの選択が悪かった、時間をかけすぎた、テレポーター付近から離れすぎた。次のランではそれを修正する。修正した結果、もう少し先に進める。その積み重ねが技術と知識になり、いつの間にかモンスーンを安定してクリアできる自分になっている。
そのプロセスが気持ちいい。「できなかったことができるようになる」という体験が、Risk of Rain 2の中心にある。
もちろん、運の要素もある。いいアイテムが集まらなければ苦しくなるランもある。でもその「運と実力の混在」が、每回違う体験を生む。完璧なランを目指しながら、偶発的に生まれる面白い展開を楽しむ——それがRisk of Rain 2の醍醐味だ。
1000時間プレイしているプレイヤーがいる。100時間で「やりきった」と感じるプレイヤーもいる。どちらも正しい楽しみ方だ。あなたがどのくらい楽しめるかは、ぜひ自分で確かめてみてほしい。
ローグライク系でまだ遊んでいないゲームがあるなら、

Risk of Rain 2
| 価格 | ¥2,570-67% ¥848 |
|---|---|
| 開発 | Hopoo Games |
| 販売 | Gearbox Publishing |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル / マルチ |

