食人族の島でサバイバルするホラーゲーム

友達から「一緒にやらない?」と誘われて深夜に起動したら、次の朝には「もう一回だけ」と言いながら7時間連続でプレイしていた——そんなゲームに、久しぶりに出会えた気がした。
2023年2月24日、早期アクセスとして突如Steamに降り立った『Sons Of The Forest(サンズ・オブ・ザ・フォレスト)』。発売から24時間で200万アカウントを突破し、同時接続プレイヤーは最大35万人を超えた。前作『The Forest』の最大同接が約7.6万人だったことを考えると、約5倍近い数字だ。Steamのストアページが一時アクセス不能になるほどの人気ぶりで、それほど多くの人が首を長くして待っていたタイトルだった。
2024年2月22日には正式版1.0がリリース。クリエイティブモード、新エンディング、俳優ショーン・アシュモアを起用したボイスアクトなど、さらに多くの要素が追加された。その後2025年1月にも大型アップデートが配信され、イカダやグライダーなどのコンテンツが実装されている。2026年4月現在も約11,810人の同時接続プレイヤーが活発にプレイしており、Steamの全体評価は「非常に好評」(87%以上)を維持している。
この記事では、Sons Of The Forestがなぜこれだけ多くのプレイヤーを引きつけたのか、その魅力と正直な不満点も含めて書いていく。「ホラーは苦手だけどサバイバルゲームが好き」という人にも、「友達と一緒に遊べるゲームを探している」という人にも、読んでいただければ参考になると思う。
Sons Of The Forestはどんなゲームなのか
行方不明になった富豪を捜索するために孤島へ派遣された特殊部隊員——それがプレイヤーの役割だ。しかし到着早々ヘリコプターは墜落し、チームメンバーのほとんどが死亡。生き残ったのはプレイヤーキャラクターと、頭部に重傷を負って耳も口も使えなくなった仲間のケルビンだけ。そして島には、人間を食らう異形の存在たちが息づいていた。
ジャンルはオープンワールドのサバイバルホラー。木を切り倒して資材を集め、武器をクラフトし、拠点を建て、食料を確保しながら生き延びる——この基本的な流れはARKやRust、Valheimなどのサバイバルゲームと共通している。ただ、このゲームが他と一線を画しているのは、「恐怖」と「生活感」が同居している点だ。
昼間は木を切り、魚を釣り、快適な拠点を少しずつ整えていく。だが夜になると、暗闇の中から食人族たちが近づいてくる。松明の光を頼りに周囲を見回していると、茂みの向こうに複数の目が光っているのが見える。その緊張感は、いわゆる「ビックリ系」のホラーとは違う。静かに積み重なっていく種類の怖さだ。4Gamerのプレイレポートが「”しっかり恐い”」と表現したのは、この雰囲気の作り方を指している。
最大8人でのマルチプレイに対応しており、友人と一緒にプレイすることで恐怖が半減しつつ楽しさは倍増する。ソロでも楽しめるが、このゲームの本領はやはり友人と一緒に遊ぶときに最も発揮される。
友達3人で深夜にプレイしてたら、拠点に急に大勢の食人族が押し寄せてきて全員パニックになった。恐ろしいのに笑える、この感じが最高。
引用元:Steamユーザーレビュー
同ジャンルのサバイバルゲームと比較すると、Sons Of The Forestはホラー演出の濃さが際立っている。たとえば砂漠の惑星で資源を採掘するような設定のサバイバルゲームとは根本的にトーンが異なり、「生き残ることへの切迫感」が常に画面に漂っている。ゾンビの世界で生き延びる

ケルビンとバージニア——このゲームを語るうえで外せない2人

Sons Of The Forestで最も話題になった要素のひとつが、AIコンパニオンの存在だ。特にケルビンというキャラクターは、ゲームリリース直後からSNSで大きな話題を呼んだ。
ケルビンは頭部の負傷で耳も口も使えないため、プレイヤーはメモを書いて指示を出す。「木を集めてきて」「魚を取ってきて」「焚き火に薪を補充して」といった命令に従い、黙々と作業をこなしてくれる。戦闘はできないが、資材収集や拠点の整備を手伝ってくれる、かなり使い勝手の良い仲間だ。ソロプレイヤーにとっては、このケルビンの存在がゲームの難度を大幅に下げてくれる。
一方、もうひとりのコンパニオンバージニアは、三本腕・三本脚という異形の姿をした女性だ。最初は遠くから様子を見るだけで、近づくと逃げていく。攻撃したり追いかけたりしなければ、少しずつ距離が縮まって仲良くなれる。仲良くなると食料を持ってきてくれたり、銃を持たせることで一緒に戦ってくれたりするようになる。
このバージニアとの関係構築が、多くのプレイヤーに「ゲームの中に感情移入できる存在がいる」という体験を与えた。異形の存在なのに、だんだん愛着が湧いてくる——これがSons Of The Forestというゲームの情緒的な側面だ。
バージニアを最初は怖いと思ってたけど、なついてくれてから別れられなくなった。エンディングでどうなるかが気になって進められなくなってしまった。
引用元:Steamユーザーレビュー
Steamのコミュニティでは、ケルビンを複数体増殖させるバグが発見されて話題になったこともある。「かわいさ30倍、騒がしさも30倍」と評されたこの現象は、ゲーム側も後のアップデートで対処したが、こういうコミュニティ発のエピソードが生まれること自体、このゲームへの愛着の深さを示していると思う。
荒廃した世界で砂漠を旅するドライブゲームの

建築システムの自由度——ツリーハウスからイカダまで
Sons Of The Forestの建築システムは、前作から大幅に進化した。前作『The Forest』では「決められた形の家」しか建てられなかったが、今作ではかなり自由に構造物を設計できる。
木材を斜めに組み合わせたり、ジップラインを設置したり、ツリーハウスを建てたり、複数階建ての拠点を作ったりすることが可能だ。プレイヤーの創意工夫次第で、シンプルなサバイバル小屋から、機能的な要塞のような拠点まで作り上げることができる。
2025年1月の大型アップデートではイカダが追加された。小型から大型まであり、大型のハウスボートタイプはイカダの上に建築物を作ることもできる。つまり海の上に家が建てられるようになったわけだ。食人族のいる地上から離れた水上生活という、新しいサバイバルのスタイルが生まれた。
グライダーも同アップデートで追加され、高い場所から飛び降りて島を俯瞰するという体験が可能になった。定期的に追加されるコンテンツがゲームの新鮮さを保ち続けているのは、このゲームが長く遊ばれ続けている理由のひとつだ。
建築にはまりすぎて、気づいたら食人族の脅威そっちのけで拠点の増築だけしてた。ゲームなのに本当に家を建ててる感覚になる。
引用元:Steamユーザーレビュー
ただ、建築素材を集めるのには相当の時間がかかる。ツリーハウス一棟だけで68本もの丸太が必要になることもある。ソロプレイでは、この作業量が負担になるプレイヤーも少なくない。ケルビンに木材を集めてもらいながら少しずつ進めるのが現実的なペースになるだろう。友人と複数人でプレイしていれば、この問題はかなり軽減される。
建築の楽しさという点では、Conan Exilesのような規模の大きなサバイバルゲームと比べると素材の自由度は異なるが、

前作『The Forest』からの進化——どこが変わったのか
Sons Of The Forestは『The Forest』(2014年早期アクセス開始、2018年正式リリース)の続編として位置づけられているが、ストーリー的な直接のつながりはない。前作の主人公は「サバイバル経験豊富な旅行者」だったが、今作の主人公は「企業に雇われた特殊部隊員」という設定だ。前作未プレイでも、ゲームとして完全に楽しめる。
グラフィックは大幅に向上した。前作は2014年開始のゲームなので当然といえば当然だが、Sons Of The Forestの自然環境の描写はかなり美しい。木漏れ日の差し込む森、岩肌の洞窟の暗闇、夜空の月明かり——サバイバルゲームとしてのリアリティを高める環境表現が随所に施されている。
ゲームプレイ面での主な進化点をまとめると以下のようになる。
銃火器の充実:主人公が特殊部隊員という設定を活かして、ショットガンやライフルなど複数の銃火器が登場する。前作と比べて戦闘の選択肢が広がった。
建築の自由度向上:前作の「決まった型に当てはめる」システムから、より柔軟な設計が可能な建築システムに進化した。
AIコンパニオン:ケルビンとバージニアという個性的な仲間が加わった。前作にはここまで感情移入できるNPCはいなかった。
季節の変化:ゲーム内でリアルに季節が変化する。春夏は川で鮭を釣れるが、冬になると食料が少なくなり、防寒対策も必要になる。サバイバルの戦略に季節という要素が加わった。
前作からの進化が想像以上だった。グラフィックはもちろん、ケルビンがいることでソロプレイの体験ががらりと変わった。
引用元:Steamユーザーレビュー
前作を遊んでいなくてもSons Of The Forestは十分楽しめる。ただ、前作から遊んできたプレイヤーにとっては「あらゆる面が強化されている」という印象が強く、特にゲームプレイの遊びやすさと武器の充実度の違いを実感するポイントになっているようだ。
似たような「荒野でのサバイバル」という体験でも、Valheimは北欧神話の世界観を軸にしたファンタジーサバイバルとして設計されており、Sons Of The Forestとは方向性が異なる。

ホラー要素の作り方——「びっくり系」ではなく「じわじわ系」

Sons Of The Forestのホラーは、「画面の端からいきなり化け物が飛び出してくる」タイプではない。あくまでも「気づいたら囲まれていた」「洞窟の奥から何かの気配がする」「昨日はいなかったのに今日は向こうで見ている」という、じわじわと恐怖が積み重なっていく方式だ。
食人族の種類は豊富で、それぞれ行動パターンが異なる。茂みに身を潜めてこちらの様子をうかがう者、集団で突進してくる者、プロペラを武器に持ち歩く者——昼間は姿を見せなかった存在が、夜になると拠点の周囲をうろつき始める。この変化が「夜が来ることへの緊張感」を生み出している。
洞窟の探索も、このゲームのホラー体験の核心だ。島の地下には複数の洞窟が存在し、ストーリーを進めるうえで必ず潜らなければならない場所がある。洞窟内はほぼ真っ暗で、ライターや松明が頼りになる。変異した生物、異形の子供、溶岩の洞窟に棲む怪物——地上の食人族とは異なる、もっと生物的な不気味さを持つ敵たちが待ち受けている。
「怖いけど面白い」という体験を友人と共有できるのが、このゲームの強みだ。友人が「洞窟を探索しよう」と言い出して先頭を歩かせると、後ろから「えっ何あれ待って待って」という声が聞こえる——そういうリアルタイムの感情の共有が、マルチプレイでこのゲームを遊ぶ醍醐味になっている。
洞窟に入るたびに心臓がバクバクする。でもそれが病みつきになって、次の洞窟も行きたくなる。
引用元:Steamユーザーレビュー
Don’t Starve Togetherのような「可愛いビジュアルに包まれた過酷なサバイバル」とは対照的に、Sons Of The Forestはリアルなビジュアルで「いかに人間が追い詰められるか」を描いている。

ストーリーと謎——島には何があるのか
Sons Of The Forestは、純粋なサバイバルゲームとしても楽しめるが、ストーリーの謎を追う楽しみも持っている。行方不明の富豪・エドワード・パフトン、そして彼の家族の「最後の居場所」を巡る謎が、島のあちこちに散りばめられた手記や記録デバイス、地下施設として展開される。
島の地下には多数の科学施設が存在し、ここに食人族や異形の存在が生まれた経緯が少しずつ明かされていく。サバイバルをしながら謎を解き明かしていく構造は、「ゲームを先に進めたい」という動機を常に持続させてくれる。
エンディングは3種類存在する。島から脱出するグッドエンディング、島に残り続けるバッドエンディング、そしてケルビンとバージニアの両方を生存させたうえで島を脱出するシークレットエンディング——この3つだ。シークレットエンディングにたどり着くためには、コンパニオン2人の扱いに気を配りながら進める必要があり、ここに「ただ生き延びるだけでなく、誰かを守りながら生き残る」というテーマが浮かび上がってくる。
ストーリー考察が面白くて、クリア後もYouTubeで考察動画を漁りまくった。謎が深い。
引用元:Twitter @hondapokute
ストーリーが明確に「語られる」というよりも「発見する」型の設計なので、積極的に記録を集めた人ほど深い体験ができる作りになっている。地下施設を全て探索し終えたとき、「この島は一体何だったのか」という問いに対して、自分なりの答えを持てるようになっているはずだ。
気になる点と正直な評価
ここまでSons Of The Forestの魅力を書いてきたが、正直に不満点も書いておきたい。
マップの広さと探索の密度のバランス:島はかなり広いが、探索できるポイントはある程度限られている。「広大な世界を自由に探索したい」というプレイヤーには、「思ったほど発見が少ない」と感じる瞬間もある。洞窟はストーリー上必須のものが多く、純粋な探索コンテンツとしてはやや物足りないという声もある。
建築とストーリーの分離感:建築に没頭しているとストーリーの進行を完全に忘れる設計になっている。これは一方でサバイバルゲームとしての自由度でもあるが、「ゲームとして何をすればいいかわからなくなる」プレイヤーが出るのも確かだ。ゲーム内で明確な目標が提示されるわけではないため、自分でモチベーションを持ち続ける必要がある。
近接戦闘の手応え:銃火器は充実しているが、近接武器での戦闘は「打撃の重さ」が物足りないという意見が一定数ある。食人族を斧で倒したときに、もう少し爽快感がほしい場面もある。
動作の重さ:特に高品質な設定でのプレイでは、スペックが高いPCでもフレームレートが落ちる場面がある。設定を下げることで改善できるが、グラフィックの美しさとの兼ね合いが難しい。
マップは広いんだけど、洞窟はどこも似たような感じで中盤以降は新鮮味が薄れてきた。もう少し多様性がほしかった。
引用元:Steamユーザーレビュー
ただ、こうした不満点を差し引いても、「友人と一緒に遊んだときの体験の質」は高い水準にある。ホラーゲームとしての雰囲気の完成度、サバイバルの緊張感、建築の楽しさ——このバランスを取ったゲームは多くない。完璧なゲームではないが、Steamのレビューが87%以上の高評価を保っている理由は、実際に遊んでみれば納得できる。
Sons Of The Forestはホラー要素の濃さという点で独自の立ち位置を持っている。サバイバルゲームのラインアップに、このジャンルを求めているなら迷わず選択肢に入るタイトルだ。
どんな人に向いているのか

Sons Of The Forestが最も輝くのは、友人2〜4人でプレイするときだ。ソロでも十分楽しめるし、ケルビンのおかげでひとりでも孤独感は薄い。だが、恐怖の瞬間を誰かと共有し、協力して拠点を建て、「あのときの洞窟、マジで怖かったよな」と振り返れる記憶を作れるのが、このゲームの本質だと思う。
向いているプレイヤーの特徴を挙げると:
サバイバルゲームが好きで、ホラー要素も受け入れられる人。ビックリ系ではなく「雰囲気が怖い」タイプなので、ホラー耐性があまり高くない人でも意外と遊べることが多い。ただ、気持ち悪い映像表現(人体的なもの)が苦手な人は多少注意が必要だ。
友人と一緒に遊べるCoopゲームを探している人。深夜に友人と「ちょっとやってみよう」が気づいたら朝になっていた——そういう体験をしやすいゲームだ。
建築や拠点作りが好きな人。サバイバルゲームにおける「家を作る」という行為が、このゲームでは特に意味を持つ。食人族から身を守るための要塞でもあり、冬の寒さをしのぐための住居でもある拠点作りは、単なる建築ゲームとは違う切実さがある。
前作『The Forest』を楽しんだ人。前作経験者なら、あらゆる面の進化を実感しながら楽しめる。前作を遊んでいない人でも、もちろん問題はない。
ホラーゲームは苦手だったけど友達に誘われてやってみたら思ったより怖くなくて、気づいたら建築に夢中になってた。入り口としては最高だった。
引用元:Steamユーザーレビュー
逆に向いていないのは、「強い目標とクリア達成感を求めるプレイヤー」や「探索のたびに新しい発見を期待するプレイヤー」だ。このゲームは「過程を楽しむ」ことが前提で設計されており、最終目標に向かって一直線に進むタイプのゲームではない。
ゾンビが7日ごとに大群で押し寄せる

2026年現在のSons Of The Forest——今から始めても遅くないのか
2026年4月時点で、Sons Of The Forestは正式リリースから約2年が経過している。この時点で「今から始めても遅くないのか」と思う人もいるだろう。結論から言えば、今が始める絶好のタイミングのひとつだ。
早期アクセス時代はバグや未完成要素も多かった。正式版1.0リリース後はゲームとして完成した状態で遊べるようになり、その後のアップデートでイカダやグライダーなど新たなコンテンツも追加されている。つまり、早期アクセスのプレイヤーが経験したような「未完成感」はほぼない。
コミュニティも2026年現在も活発で、Steam同時接続は約11,810人。MODコミュニティも育っており、新しい装備やゲームプレイを拡張するMODが多数公開されている。本編をやり込んだあとにMODで新鮮な体験を追加するという楽しみ方も可能だ。
セールでの値引きも定期的に行われており、66%オフなどの大型セールが過去に複数回実施されている。セールのタイミングを狙えば、かなりリーズナブルに入手できる。
今更やったけど全然古くない。グラフィックも良いし、友達誘ったらめちゃくちゃ盛り上がった。
引用元:Steamユーザーレビュー
「ホラーサバイバル」「マルチプレイ」「建築」——この3つのキーワードに惹かれる人なら、Sons Of The Forestはまず期待を裏切らないタイトルだ。友人に「面白いゲームない?」と聞かれたとき、真っ先に候補に挙げられるゲームのひとつだと思う。
同じ「仲間と生き延びるサバイバル」という文脈では、


孤島に降り立ったその瞬間から、生存の本能と恐怖が混ざり合う体験が始まる。夜明けまで友人と声を掛け合いながら拠点を守り続けたとき、「このゲームをやってよかった」と思える夜が来るはずだ。
Sons Of The Forest
| 価格 | ¥3,400 |
|---|---|
| 開発 | Endnight Games Ltd |
| 販売 | Newnight |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル / マルチ |

