「DELTARUNE」Toby Foxが6年かけて届けたUndertale続編、Chapter 3&4で加速する物語

目次

「いや、これは普通のゲームじゃない」——DELTARUNE Chapter 3&4を終えた夜に感じたこと

DELTARUNE Chapter 3&4 ゲームプレイスクリーンショット

DELTARUNEのChapter 4ラストシーンを見終えたとき、しばらくその場から動けなかった。音楽と映像と物語が混ざり合って、説明のつかない何かが胸に残っていた。ゲームをやりながらここまで「座ったまま考え込む」経験をしたのは久しぶりだった。

2025年6月4日(日本時間6月5日)、ついにDELTARUNEのChapter 3&4が有料版として発売された。2018年のChapter 1無料公開から、実に7年越しの展開だ。Steam同時接続は最大133,930人に達し、発売日に国内・グローバルのSteam販売ランキングで1位を獲得。Steamレビューは現在98%の「圧倒的に好評」、批評家集計サイトOpenCriticでは推薦率100%という驚異的な数字を叩き出している。

「UNDERTALE(アンダーテール)の精神的続編」という説明を聞いても、まだピンとこない人もいるかもしれない。Undertaleは2015年にToby Foxがほぼ一人で作り上げたインディーRPGで、「敵を倒さなくても先に進める」という哲学を中心に据えた作品だ。DELTARUNEはその世界観を引き継ぎつつ、まったく別の場所にいる別のキャラクターたちの物語を描いている。

このゲームを買うか迷っている人へ。まだChapter 1&2は無料で遊べる。とにかくまずそれを試してほしい。おそらく、あなたも続きを買いたくなる。

こんな人におすすめ / こんな人には合わない

DELTARUNEのキャラクターとゲームシステム

こんな人はハマれる

  • Undertale(アンダーテール)が好きだった、またはプレイ済みの人
  • 戦闘よりもストーリーや会話に没入するタイプの人
  • 音楽がゲーム体験に大きく影響すると思っている人
  • ゲームに哲学的なテーマや謎を求めている人
  • インディーゲームで珠玉の体験を探している人
  • 弾幕系(STG的な回避要素)が好きな人
  • 「敵を倒さない選択肢」があるゲームに興味がある人

こんな人にはきつい可能性あり

  • ストーリーよりアクション・戦略性を重視したい人(戦闘自体は比較的シンプル)
  • 高グラフィックや最新技術を求めている人(ピクセルアート)
  • まだ未完成(Chapter 5以降が未発売)なゲームは触りたくない人
  • Undertaleを知らなくて世界観への愛着がない人(楽しめないわけではないが)

基本情報

DELTARUNE 基本情報・ゲーム画面
タイトル DELTARUNE(デルタルーン)
開発・パブリッシャー Toby Fox
ジャンル RPG / アドベンチャー(ターン制バトル+弾幕回避)
発売日 Chapter 1:2018年10月31日(無料) / Chapter 2:2021年9月18日(無料) / Chapter 3&4:2025年6月4日(日本:6月5日)
価格(Chapter 1〜4) ¥3,980(税込)/ $24.99 / Chapter 1&2デモは無料
対応プラットフォーム PC(Steam / itch.io)、Mac、Nintendo Switch、Switch 2、PlayStation 4/5
日本語 対応(フルローカライズ)
Steam評価 圧倒的に好評(98%、約62,000件)
OpenCritic 推薦率100%(批評家)
プレイ時間目安 Chapter 1〜4合計:約15〜20時間(寄り道含む)

DELTARUNEとは何か——「UNDERTALE」との関係と、その独自性

DELTARUNEとUNDERTALEの世界観・キャラクター

DELTARUNEというタイトルを聞いて「UNDERTALEの続編でしょ?」と思った人は、半分正解で半分違う。

Toby Foxは開発当初から公式にこう述べている。「このゲームの世界はUndertaleの世界ではなく、別の人生を歩んできた別のキャラクターたちが住む、まったく新しい別の物語だ」と。実際、UNDERTALEのアナグラムがDELTARUNEだということも知られているが、その繋がりの正体は今もなお物語の核心に隠されている。

面白いのは、両作品に「同じ名前・外見のキャラクター」が登場することだ。Undertaleで壁の向こうの元女王として描かれたTorielは、DELTARUNEでは主人公Krisのごく普通の「お母さん」として登場する。Undyneは騎士団長から警察の人へ。Alphysは似たような立場で科学的なことに携わっているが、別の世界を歩んできた存在だ。

キャラクターたちがお互いを知っていて、でも「あの物語」とは違う人生を歩んでいる——そのことが、UndertaleをプレイしてきたプレイヤーにとってDELTARUNEを特別な体験にさせる。「懐かしいのに知らない人たちの話を読んでいる」という奇妙な感覚だ。

Light World(光の世界)と Dark World(暗闇世界)

DELTARUNEの舞台は「ホームタウン」という、人間とモンスターが当たり前のように共存している静かな町だ(Undertaleの世界とは違う)。主人公Krisはここで暮らす人間の少年/少女で、学校に通いながら日常を送っている。

ところが物語のたびに、普通の場所の奥に「暗闇世界(Dark World)」への入り口が現れる。その暗闇世界では、モンスターたちが支配する別の王国が広がっており、Krisたちはそこで「予言の勇者」として戦うことになる。

「光の世界では普通の学生、暗闇世界では勇者」という二重構造が、DELTARUNEの物語を支えている。そして各チャプターの「暗闇世界のテーマ」が毎回まったく異なるのが、このゲームの大きな特徴だ。

「アンダーテールを触ったことがある人はもちろん、全く知らない人でも楽しめると思う。ただUndertaleをやっておいた方が確実に感情移入できる」(日本語プレイヤー・Leveluplogy)

ゲームシステム徹底解説——弾幕×ACT×仲間との連携

DELTARUNEのバトルシステム・弾幕回避

「倒す」か「見逃す」か——ACT & SPARE システム

DELTARUNEの戦闘は一見、普通のターン制RPGに見える。でもその中心にあるのは「倒す必要は本当にあるのか」という問いかけだ。

プレイヤーは毎ターン「FIGHT(戦う)」「ACT(行動する)」「ITEM(アイテム)」「SPARE(見逃す)」「DEFEND(防御)」から選択できる。ここで重要なのがACTだ。ACTは会話・動作・行動によって敵の状態を変化させる手段で、うまく使えば敵を「TIRED(疲れた)」や「MERCY 100%」の状態にして、最終的にSPARE(見逃す)で戦闘を平和的に終わらせることができる。

Undertaleと違うのは、パーティが3人になったこと。KrisのACTがSusieやRalseiの行動と組み合わさる「協力ACT」が追加されており、これが戦略に深みを加えている。Susieは単純な殴り合いが得意な攻撃型、Ralseiは回復と「PACIFY(鎮める)」というSPAREに近い特殊な力を持つサポート型だ。

弾幕回避——心臓のような「SOUL」を操る

敵の攻撃ターンでは、プレイヤーはハート型の「SOUL(魂)」を操作して敵の攻撃パターンを回避する。この弾幕パートがDELTARUNEのゲームプレイを単純なRPGとは一線を画すものにしている。

各敵のパターンはそれぞれユニークで、見ていて楽しいギミックに満ちている。「グレイジング(弾をギリギリかすめる)」でTPゲージを稼ぐテクニックもあり、上手く使えば戦闘がずっとスムーズに進む。難易度は全体としてUndertaleよりも取っつきやすく調整されており、カジュアルモードも用意されているので、アクションが苦手な人も安心してほしい。

TP(テンションポイント)と SPELLシステム

グレイジングや特定のACTで溜まるTPを消費することで、Ralseiの回復魔法や各キャラの強力な特殊技「SPELL」が使えるようになる。TPを効率よく稼ぎながら戦闘を進める——この流れが戦闘に独特のリズムを生んでいる。

「Krisの動きを見てるのが怖い。なんで自分の意思でコントロールできないんだ…という独特の不安感がある。普通のRPGにはない感覚」(Steam コミュニティ)

Chapter 1〜4、各チャプターの魅力を徹底解説

DELTARUNE Chapter 1〜4 各チャプターのゲーム画面

Chapter 1——突然の「暗闇世界」との出会い(無料)

2018年10月31日、突然Toby Foxが発表・公開したDELTARUNEのChapter 1。ハロウィンというタイミングもあって、発表直後からUndertaleファンの間で爆発的な話題を呼んだ。

Krisは学校でクラスメートのSusieと組まされ、教室へのチョークを取りに用具室へ向かう。でも扉を開けた先は、どこか見慣れた世界とはまるで違う暗闇の王国だった。そこで出会うのが「暗闇の王子」Ralsei。彼は二人を「予言の勇者」と呼び、共に旅することになる。

Susieという存在が面白い。最初は口が悪くて問題児なクラスメートとして登場するが、暗闇世界での冒険を通じて少しずつ変わっていく。その変化が章を重ねるごとに丁寧に描かれているのがDELTARUNEの物語の核心だ。

プレイ時間の目安は約2〜3時間。無料なので、とにかくやってみてほしい。

Chapter 2——Spamtonと電子世界の女王(無料)

Chapter 2は図書館から繋がる「サイバーシティ」的な世界が舞台。支配者はQUEEN(クイーン)という個性的なキャラクターで、彼女を巡る騒動にNoelle(ノエル)とBerdly(バードリー)というクラスメートが巻き込まれていく。

このChapter 2で登場したSpamton(スパムトン)というキャラクターが、ファンコミュニティで大変な人気を誇るようになる。廃れたスパムメール業者のような風貌を持つ彼は、Krisに「大物になれる」と囁きかけてくる謎の存在。一見コミカルながらも、その背景に漂う孤独感と虚無感が多くのプレイヤーの心を掴んだ。グッズ化・フィギュア化もされるほどの人気キャラに成長した。

Berdlyについても触れておきたい。最初は自称「No.1学生」として嫌われ役で登場するが、Chapter 2を通じて彼が動く理由や葛藤が明らかになっていき、最終的には意外な形で物語に絡んでくる。最初に嫌いになったキャラクターほど好きになる——これがDELTARUNEの人物描写の巧みさだ。

「Spamtonのことをもう少し掘り下げてほしかった気持ちもあるけど、Chapter 2の存在感はやばすぎた」(X日本語ユーザー)

Chapter 3——Krisが作り出した暗闇世界(有料版)

Chapter 3から有料版となり、物語は新しい局面へ突入する。今度の暗闇世界は、なんとKris自身が(おそらくプレイヤーに隠れて)作り出したものだ。テーマはTV・エンタメ。賑やかで奇妙な世界観が広がる。

このチャプターはプレイヤーの間で最も評価が分かれる。「Chapter 4に向けての溜め」という役割が強く、ボス戦の衝撃度がChapter 2のSpamtonほどではないという声も聞かれる。ただし、Susieのキャラクター描写が際立って丁寧になるのがこのチャプターで、特に「Ralseiを光の世界に連れて行けない」という会話シーンは多くのプレイヤーの胸を突いた。

「Chapter 3を最初にプレイしたときは少し肩透かしを食った気がしたけど、一晩寝て考えたら段々好きになってきた。スローバーンな魅力があるチャプター」(Steam Discussions)

あのChapter 3も、プレイ後に時間が経つほど味わいが増してくるタイプの体験だ。Chapter 4への伏線が随所に散りばめられていて、Chapter 4をクリアしてから振り返るとまた違う見え方がする。

「Susieが『一緒に光の世界に連れて行けない』という話をしているシーンで泣きそうになった。なんでこんなに感情移入させるんだよ」(X日本語ユーザー)

Chapter 4——騎士の影と、教会の深い謎(有料版)

Chapter 4は、現時点でのDELTARUNEの最高到達点だ。プレイ後に多くのプレイヤーが「言葉が出ない」と述べたのも頷ける。

舞台は教会。Krisが関わりを深めていた「騎士(Knight)」という存在の影が、このチャプターを通じて少しずつ形を取り始める。教会の中に現れる新しい暗闘世界は複数にわたり、ゲームボリュームも前チャプターより大幅に増えている。

Gerson Boom(ゲルソン・ブーム)という「暗闇の泉によって復活した死んだモンスター」という奇妙な存在が仲間に加わるのもこのチャプターだ。彼の言葉の一つひとつがどこか重く、物語に深いニュアンスを加えていく。

このチャプターで特に評価が高いのがサウンドトラック。Toby Foxが作り出した楽曲群は、「不気味で荘厳で、でもおかしい」という独特の空気感を纏っている。ikoti Hanaというシンガーが参加した「Dark Sanctuary」「Neverending Night」は特に印象的で、ゲームを終えた後も頭に残る。

「Chapter 4のサントラは今まで聞いたゲーム音楽の中でも最高峰。不気味で荘厳で、でも笑えるところは笑えてくる。Tobyは何者なんだ」(Steam コミュニティ)

「The piano scene in Chapter 4 is something else entirely. It’s so vulnerable and raw. That brief moment left me thinking about it for hours.」(Reddit r/Deltarune)

Chapter 4の終盤、「タイタン」と呼ばれる巨大な生命体との戦闘が待っている。このスケールの転換点は、DELTARUNEが単なるインディーRPGの枠を超えつつあることを証明している。

プレイ時間の目安はChapter 3と合わせて約10〜12時間。Chapter 4だけでも5〜7時間は確実にかかる。

Chapter 5の現状と今後の展開

2026年3月時点での最新情報をまとめておく。

Chapter 4のエンドクレジットには「Chapter 5 coming 2026」という文字が表示されており、Toby Foxも2026年後半のリリースを見込んでいると複数のメディアに述べている。開発チームの大半がChapter 5の制作作業を既に終え、現在はプロのテスターによる品質確認段階に移行している。2026年4月1日から正式テストが始まる予定だ。

日本語翻訳についても、2026年4月中にQA(品質確認)が完了する見込みとのこと。Chapter 5の日本語版も発売と同時に提供される可能性が高い。

さらにChapter 6の開発も公式に確認されており、DELTARUNEは全チャプター完結に向けて確実に進んでいる。Chapter 3&4を購入した人には、以降のチャプターが無料アップデートとして配信される予定だ。

「7年待ったけどその価値はあった。Toby Foxは本当に天才。こんな小さなチームでこんなゲームを作れるのが信じられない」(X ユーザー)

「未完成のゲームを買うのは……」と躊躇している人の気持ちはわかる。でも今の時点でもChapter 1〜4だけで15〜20時間の体験が詰まっており、内容の濃さは普通の完成済みゲームと比べても引けを取らない。

「I wasn’t sure about buying a game that’s still incomplete but honestly? The 4 chapters are more content than many full-priced games. 100% worth it.」(Reddit r/Deltarune)

Toby Foxという作り手——ひとりで作ることの意味

DELTARUNEを語るとき、Toby Foxという人物について触れないわけにはいかない。

2015年にUndertaleをほぼ一人で開発し、世界中で560万本以上を販売したToby Foxは、DELTARUNEでもコアの部分を少人数チームで作り続けている。グラフィック・音楽・シナリオ・プログラム——すべてに彼の意志が行き届いている。だからこそ、DELTARUNEはどこを切っても「一人の人間が持っているビジョン」から出発した体験になっている。

大型スタジオが作るゲームにはない、何か根本的な「個人の痕跡」がDELTARUNEにはある。それがゲームプレイのあちこちで不意に感じられる瞬間がある。変なユーモア、唐突な哲学的問いかけ、音楽の転換点——全部が同じ人間の感性から来ているものだとわかる。

Steamのレビューで「Tobyは何者なんだ」と書いたプレイヤーの言葉が印象的だった。驚き・困惑・尊敬が混じったその感嘆が、DELTARUNEというゲームとの正直な向き合い方だと思う。

音楽の話——Toby Foxの「作曲」はゲーム体験の一部

DELTARUNEを語る上で音楽は外せない。Toby Foxはゲーム開発者であり作曲家でもあって、DELTARUNEのサウンドトラックはゲームプレイと切り離せない形で設計されている。

Chapter 3&4のサウンドトラックは全78曲。探索・戦闘・物語の転換点——それぞれの瞬間に独自の楽曲が用意されており、音楽のない場面がほとんどない。かと思えば、無音の間を使ってドラマを作るシーンもある。

Chapter 4で特に話題になったのが「ピアノのシーン」だ。詳細はネタバレになるので書けないが、そのシーンの音楽は技巧的な完成度より「不完全さ」を意図的に使っており、それがひどく胸に刺さる。

「Chapter 4 might have the best chapter soundtrack yet, Toby Fox brings this insanely good ethereal and atmospheric vibe — goofy when it wants to be, whimsical when appropriate, and intense when needed.」(Reddit r/Deltarune)

Chapter 3&4のOSTはBandcamp・Spotify・Apple Musicでも配信されているので、ゲームをやる前に音楽だけ聴いてみるのも一つの手だ(ただしネタバレになるかもしれないので注意)。

他のインディー傑作と比較して——DELTARUNEのポジション

DELTARUNEは「インディーゲームの傑作」という文脈で語られることが多いが、他のタイトルと比べると何が特別なのかを整理してみる。

同じくインディーRPGの金字塔として知られるのがSlay the Spire 2だ。デッキ構築ローグライクの最高峰であり、こちらもSteamで圧倒的に好評を獲得している。DELTARUNEとはゲームスタイルがまったく異なるが、どちらも「インディーが大型スタジオを超えた瞬間」を体験させてくれるゲームだ。

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ローグライクアクションで2025年の最高評価のひとつとして名高いHades IIは、繰り返しプレイによる達成感とキャラクターの魅力を両立させている作品。DELTARUNEとは構造が違うが、「ゲームプレイと物語が切り離せない」という点では共通している。

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メトロイドヴァニアの金字塔Hollow Knight: Silksongも、長年のファンが待望したインディー続編という意味でDELTARUNEと重なる面がある。どちらも「続きを待ち続ける」ファン体験を共有している作品だ。

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大型タイトルの中で比較的DELTARUNEと雰囲気が近いのがClair Obscur: Expedition 33。ターン制RPGとしてのシステムは異なるが、物語の深さとビジュアルのこだわりという点で共鳴する部分がある。

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RPGの歴史を語るならBaldur’s Gate 3も欠かせない。選択肢と物語の分岐という点ではDELTARUNEと比較されることもあるが、規模・スタイルは根本的に違う。でも「ゲームがプレイヤーの選択をどう扱うか」という問いを共有している。

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DELTARUNEの良いところ——正直に推せる5つのポイント

1. 音楽とゲームプレイが本当に一体

BGMが「場面に合っている」というレベルを超えて、音楽がゲームプレイの一部になっている。特定の敵の弾幕パターンが音楽のビートと連動していたり、感情的なシーンで音楽が意図的に変調したり。この設計の密度は、ゲーム開発と音楽制作を同じ人間がやっているからこそ実現できているものだと思う。

2. 「倒さない選択肢」が哲学として機能している

Undertale同様、DELTARUNEでも敵をSPARE(見逃す)することができる。これがただのシステム上の選択肢ではなく、ゲームが問いかけている「なぜ倒す必要があるのか」というテーマと深く結びついている。ACTで敵一人ひとりの「事情」が見えてくる瞬間がある。その積み重ねがゲーム体験に意味を与えていく。

3. キャラクターが「育つ」のが見えて嬉しい

SusieはChapter 1では口が悪くて問題児、Chapter 4では誰かのために泣ける存在になっている。その変化が劇的ではなく、少しずつ積み上げられていくから説得力がある。Ralseiやその他のキャラクターたちも同様で、章を重ねるごとに愛着が増していく。

4. 独自の「不気味さ」と「笑い」が同居している

DELTARUNEは怖い。プレイヤーである「あなた」という存在への問いかけ、Krisの奇妙な行動、物語の裏に流れる不安感——これらが真剣な問題として描かれている。でも同時に、Queen(クイーン)のバカみたいに真剣なギャグや、モブキャラクターたちの変なセリフが散りばめられていて笑える。この両立がToby Foxの作風の核心だ。

5. 無料でChapter 1&2が試せるリスクゼロの入口

Chapter 1&2は今でも無料でプレイできる(Steam App ID: 1690940)。合計5〜6時間で世界観・システム・キャラクターを全部体験できて、それで続きを買うかどうか決められる。このモデルは本当に良心的だし、事実多くのプレイヤーがChapter 1を無料でプレイしてから有料版を購入している。

正直に書く——気になる点・ネガティブなポイント

未完成(Chapter 5以降が未発売)という事実

これが最大の留保点だ。Chapter 4のエンディングは次への「橋渡し」であり、物語は明らかに続いている。Chapter 5のリリースが2026年後半予定とはいえ、完結版を一気に体験したい人には現状はつらい。実際、Steamのレビューには「Chapter 5まで待てるかな。完成版を一気にやりたい」というコメントも散見される。

Chapter 3のペースがやや遅い

Chapter 3はChapter 2の「Spamtonショック」の後ということもあり、初見では物足りなさを感じるプレイヤーが一定数いる。Chapter 4への準備として機能しているのだが、「中だるみ感がある」という声は否定できない。Chapter 4を終えてから振り返ると評価が変わることが多いが、序盤でモチベーションが落ちる可能性はある。

既存のUndertaleファン向けに最適化されている

Undertaleをプレイ済みであることを前提としたセリフや演出が多い。DELTARUNEだけでも一定の楽しみ方はできるが、Undertaleをやっているほうがキャラクターへの感情移入や伏線への反応が何倍も豊かになる。「Undertaleを先にやった方がいいのか」という疑問への答えは、「絶対にそうした方がいい」だ。

グラフィックは意図的なローファイ

ピクセルアートの美しさに見えるが、好みが分かれる点ではある。最新の3Dグラフィックを求めている人には向かない。ただしPixel artとして見ると表情の付け方や動作の作り込みはかなり細かい。

よくある疑問に答える

Q. UndertaleをやっていなくてもDELTARUNEは楽しめる?

楽しめる。DELTARUNEはDELTARUNE単体として物語が成立しているし、Undertaleの知識がなくてもゲームシステムは理解できる。ただし、UndertaleをやっているとChapter 2以降で感情的に揺さぶられる場面が確実に増える。Undertaleはセールで500円前後になることが多く、ゲームパスにも収録されているので、先にUndertaleをやるのがベストだ。

Q. Chapter 1&2の無料デモと有料版の違いは?

Steam上では別アプリ(App ID: 1690940)として公開されている無料のChapter 1&2デモと、Chapter 1〜4を含む有料版(App ID: 1671210)が存在する。有料版を購入するとChapter 1&2も含まれており、以降のChapter(5以降)は無料アップデートで追加される。

Q. どのプラットフォームで遊ぶのがおすすめ?

PCでSteam版が最もおすすめだ。実績・実況のしやすさ・データ管理のしやすさ全てにおいてPC版が優れている。Nintendo Switch版も移動中のプレイには便利だが、テキストの読みやすさやFPSの安定性ではPC版が上だ。

Q. クリアまでの時間は?

Chapter 1〜4合計で、寄り道を含めると15〜20時間前後。各チャプターの目安は以下の通り:

  • Chapter 1:約2〜3時間
  • Chapter 2:約3〜4時間
  • Chapter 3:約4〜5時間
  • Chapter 4:約5〜7時間

Q. セーブデータはどこに保存される?

PCのローカルに保存されるが、Steamクラウドにも同期される(設定がオンの場合)。複数環境でのプレイも問題ない。

Q. 子どもでも遊べる?

基本的な内容はY(全年齢向け)に近い。ただしChapter 4以降はテーマがやや重くなってくるため、低年齢層には大人が一緒に遊ぶのが望ましいかもしれない。暴力表現・性的表現はなし。

DELTARUNEは「買い」か——購入を迷っている人へ

結論から言う。少しでも興味があるなら、まずChapter 1&2の無料デモをやってほしい。これは一番シンプルで確実なアドバイスだ。

Chapter 1&2の無料デモで「もっとやりたい」と思えたなら、¥3,980は間違いなく払う価値がある。Steam評価98%・批評家推薦率100%・同接13万人超えという数字は、「みんなが太鼓判を押した」という事実を示している。

一方で「Chapter 5が出るまで待とう」という判断も間違いではない。完成版を一気に体験したいなら、Chapter 5リリース予定の2026年後半を待ってから購入するのも合理的だ。現状でも十分すぎる内容だが、続きで盛り上がった状態で一気プレイする醍醐味もある。

「完成を待つ vs 今すぐ買う」の判断は人それぞれだ。でもChapter 1の無料デモは今すぐ試せる。この記事を読んでいる時間があるなら、ダウンロードして15分だけ遊んでみてほしい。たぶん15分では終わらない。

DELTARUNEは「普通のゲームじゃない」と冒頭に書いた。それは誇張じゃない。7年間、小さなチームが作り続けてきたものが今ここにある。その重みを感じながら遊んでほしいゲームだ。

「Chapter 4のラストは音楽と演出が組み合わさって何か特別なものを感じた。あのシーンは忘れられない」(Steam コミュニティ)

まとめ

DELTARUNEは、インディーゲーム史上でも指折りの体験を持つRPGだ。ピクセルアートのヴィジュアル・弾幕回避を含むターン制バトル・「倒す必要はない」というゲームデザインの哲学・Toby Foxの音楽——これらが高いレベルで統合されている。

特にChapter 4は現時点でのDELTARUNEの到達点であり、物語・音楽・演出のすべてが今まで以上の高みに達している。Chapter 5のリリースが2026年後半に予定されており、ゲームとしての完成に向けて着実に進んでいる。

こんな人には今すぐおすすめ:

  • Undertaleが好きで続きを待っていた人
  • インディーRPGで忘れられない体験を探している人
  • ゲーム音楽の素晴らしさをゲームの中で体感したい人

こんな人は少し待つのもあり:

  • 完成版を一気にプレイしたい人(Chapter 5は2026年後半予定)
  • まだUndertaleをやっていない人(先にUndertaleをやろう)

まずは無料のChapter 1&2デモをDLして、用具室の扉を開けてみてほしい。その先に何が待っているかは——実際に見てからのお楽しみだ。

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