7年待った続編は、想像以上だった
「スレスパってなんでこんなに面白いんだろう」と思いながら気づいたら深夜2時になっていた経験、みんな一度はあるんじゃないかと思う。
2019年に正式リリースされた『Slay the Spire』は、デッキ構築型ローグライクというジャンルをほぼ一人で定義づけた伝説的なインディーゲームだ。「あのゲームをここまで好きになるとは思っていなかった」という人が世界中にいて、前作の最高同時接続者数は約62,000人だった。
その続編が、2026年3月5日に早期アクセスを開始した。
最初の数日間、Steamのゲームチャートを見ていたらすごいことが起きていた。同時接続者数が10万人を超え、20万人を超え、50万人を超えた。最終的にピーク同接は574,638人に到達。発売1週間で売上本数は330万本を突破し、プレイヤーたちが試みたランの総数は2,500万回を超えた。
インディーゲームがここまでの数字を叩き出すのは、Hollow Knight: Silksongが2025年に記録した歴代1位に次ぐ、史上2位の規模だ。AAAタイトルが並ぶSteamグローバル売上ランキングのトップに、小さなチームが作ったデッキ構築ゲームが輝いていた。
この記事では、Slay the Spire 2(スレスパ2)が一体どんなゲームなのか、前作から何が変わったのか、そして何がそこまで人を引き込むのかを書いていこうと思う。早期アクセスゲームとして現状どこまで遊べるのかも含めて、実際のプレイヤーの声も交えながら紹介する。
公式トレーラー
Slay the Spire 2とは何か
基本的なゲームの流れ

まず知らない人のために説明しておくと、Slay the Spireはデッキ構築型ローグライクゲームだ。「デッキ構築」と「ローグライク」というふたつのジャンルが合体している。
プレイヤーはキャラクターを選んで、3つのアクト(章)を持つ塔を登り、最終ボスを倒すことが目標になる。登りながらモンスターを倒し、報酬としてカードを選んでデッキに加えていく。同時に、強力なパッシブ効果を持つ「レリック」を拾い、デッキとレリックのシナジーを構築していく感覚がたまらない。
ローグライクとしては、死んだらリセット。毎回違う選択肢が出るので、プレイごとにまったく異なるデッキが生まれる。「今回はこのコンボが使えるかも」という試行錯誤と、「このビルドが完成した」という瞬間の気持ちよさが中毒性の核心だ。
Slay the Spire 2はそのシステムを引き継ぎながら、新エンジン・新キャラクター・新システム・協力プレイという大きな要素を加えている。
開発はMega Crit、エンジンはGodotに移行
開発元は前作と同じくMega Crit Games。Casey Yano氏とAnthony Giovannetti氏を中心とする小さなチームだ。前作はJavaベースの独自フレームワークで作られていたが、今回はGodotエンジンに移行している。
この移行の恩恵は大きい。まずLinuxが公式対応になった。Steam Deckでも軽快に動く。前作より動作が軽く、フレームレートも安定している。Godotがオープンソースエンジンであることから、インディー開発者からも注目を集めた。
発売後、Mega Critの開発者は「背中を痛めるほど過労しているけど、気分は最高だ」とコメントした。330万本突破を受けての言葉だが、それだけのプレッシャーと喜びが同居していた瞬間だったと思う。
5人のキャラクター

前作から戻ってきた3人
早期アクセス開始時点で、プレイアブルキャラクターは5人。前作から3人が続投し、2人が完全新規キャラクターだ。
アイアンクラッドは、攻撃的なカードを軸にした筋肉質な戦士キャラ。戦闘終了ごとにHPを回復するレリックを最初から持っているため、ある程度殴り合いながら進める。初心者向けとしても定評があり、「まずアイアンクラッドで感覚をつかめ」とよく言われる。ただし前作からカード構成が変わっているので、「また同じ感覚で遊べる」というより「懐かしい顔で新しい体験ができる」感じだ。
サイレントは、手札の捨て札を利用したディスカードコンボが特徴のキャラ。毒を重ねるビルドも強力で、ハマると敵がじわじわと溶けていく。日本語コミュニティでは「捨てるコンボの片割れが初期デッキにあるから安定感がダンチ」という声が多く、扱いやすさで高い評価を得ている。
ディフェクトは、「オーブ」という自動発動するエネルギー体を操るロボット系キャラ。炎・雷・氷・暗黒の4種類のオーブを複数スロットに装備し、それらのシナジーでダメージやブロックを稼ぐ。前作と比較してグラスオーブという新要素が加わり、特定オーブに特化したビルドがさらに面白くなっている。「ディフェクトが前作と結構違う。グラスオーブが楽しい」という感想が多く挙がっていた。
新キャラクター2人の個性
ネクロバインダーは、今作一番の新鮮さを持つキャラだと思う。「オスティ」という巨大な手を召喚して戦うのが最大の特徴だ。オスティは戦闘開始時は1HPしか持っていないが、毎ターンHPが増えていく。プレイヤーの代わりにダメージを受け、倒されても次のターンには復活する。
この「代わりに死んでくれるパートナー」というコンセプトが独特で、前作のどのキャラとも感触が違う。「オスティが守ってくれる感覚が独特で楽しい」という声がいくつも上がっていた。ソウル軸のデッキが安定して強く、カードの圧縮も相性がいい。
さらにネクロバインダーには「1ターン必勝だけど勝つまで数千兆年かかる」コンボが発見されて話題になった。文字通り無限ループに近い構築で、「ずっと俺のターン」が現実になるというある意味スレスパらしいエピソードだ。これを受けてMega Critは「HP上限値を999999999に拡大する」パッチを当てた。このゲームらしい対応だと思う。
リージェントは、エネルギーとは別の「スター」というリソースを管理する王様キャラ。セリフがとにかくキャラ立ちしていて、「陛下は他のキャラが辛い過去を持つ中、1人だけめちゃくちゃはっちゃけてる」というコメントが的を射ている。「もっとがんばる」「王様キック」といった発言で「キュン死にした」というファンが続出した。
ゲームプレイとしては、引き運の影響が大きく防御面でも難しさがある中級〜上級者向けのキャラとも言われるが、スター関連のシナジーが決まると爽快感がある。「爆撃」カードは毎ターン自動で18ダメージを飛ばせるなど、強烈な技を持つ。
前作で人気の高かったウォッチャーは、今回の早期アクセス段階ではまだ実装されていない。「早くウォッチャーも来てほしい」というリクエストは多く、今後のアップデートで追加される予定だ。
前作から変わった新システム
エンチャントメント:カードに個性を宿らせる
今作で最も「ゲームの奥行きを広げた」システムがエンチャントメントだ。ボスを倒した後やイベントで、手持ちのカードに特定の効果を付与できる。
たとえば「種まきエンチャント」をアタックカードに付与すると、そのカードをプレイするたびに追加効果が発動する。「クローンエンチャント」はそのカードのコピーを生成する。各カードにひとつのエンチャントしか付与できないが、「どのカードに何を付けるか」という選択が戦略の新しい軸になった。
前作では「このカードのアップグレードを選ぶか他を選ぶか」という決断が多かったが、今作ではそこにエンチャント選びが加わる。「エンチャントシステムが戦略の奥行きを何倍にもしてくれた」という声が多く、リプレイ性の向上に大きく貢献している。
Alternate Acts:同じ塔でも毎回違う景色
新システムの中でも地味ながら重要なのがAlternate Actsだ。各アクトに入るたびにステージ構成が変化するシステムで、同じ章でもプレイのたびに異なる展開になる。
ファミ通のレポートでは「ゲームのボリュームが実質的に2倍になる」と表現されていた。前作でもランごとにマップは異なったが、今作はそこに章単位のバリエーションまで加わった形だ。1,000時間遊んだ前作プレイヤーでも新鮮に感じられるポイントのひとつだと思う。
新ステータス効果
前作にはなかった状態異常・強化効果が複数追加されている。
- シュリンク:アタックダメージが30%減少。弱体化デバフとして活用したり、逆に食らうと手痛い
- プレート:残りターン数分のブロックが増加するバフ。ターンをまたいで活用する戦術に
- 蟻地獄:規定ターン数が経過すると死亡するが、カードをプレイするたびにそのカウントが延長される。じわじわと迫るプレッシャーが独特の緊張感を生む
特に「蟻地獄」は新しい緊張感をもたらす効果で、「敵が全体的に強くなった」という感想の一因になっている。前作から難しくなったと感じるプレイヤーが多いのも、こうした新ステータス効果が増えたからだろう。
年代記と相棒システム
ストーリー要素として「年代記(Chronicle)」というコレクションシステムが導入された。複数回プレイを重ねることで、各キャラクターの背景や世界観が断片的に明らかになっていく仕組みだ。
前作はゲームプレイ自体の深さが魅力で、ストーリーは薄かった。今作では各キャラクターに過去や感情が込められていて、「キャラに愛着が湧く」という感想が増えている。前作から1000年後の世界という設定も、古参ファンには「あの塔は今どうなっているんだろう」という期待を抱かせる。
相棒システムは、卵のイベントで仲間キャラを入手できる要素だ。冒険に同行してくれて、パッシブ効果をもたらしてくれる。デッキ構築の要素ではないが、ランに彩りを加えてくれる。
最大4人協力プレイ

ソロゲーに革命が起きた
前作は完全なソロゲームだった。仕様上、一人でひたすらデッキと向き合うゲームだったのに、続編では最大4人の協力プレイを実装してきた。これはシリーズファンにとって予想外の進化だったと思う。
Co-opモードでは、2〜4人のプレイヤーが1つのランを一緒に進む。各プレイヤーはそれぞれのキャラクターを操作する。重要なのが「ターンの同時進行」という設計で、他のプレイヤーがカードを全部使い切るまで待たなくていい。他のプレイヤーのカードプレイを横目に自分の思考を進められる、テンポのいい作りだ。
敵のHPはプレイヤー人数に応じてスケーリングする。4人でも適度な手応えがあるバランスになっている。
マルチ専用カードとチームシナジー
各キャラクターはCo-op専用のカードセットを持っている。「仲間にバフをかける」「仲間の攻撃を強化する」など、ソロでは意味をなさないカードが登場する。
4人でそれぞれのキャラクターを選び、「このキャラとこのキャラのシナジーを活かそう」という相談をしながらデッキ構築するのは、ソロとはまったく違う楽しさだ。「スレスパ2、会社の同期と4人で遊んだら声あげながらワイワイできた。こんなゲームになるとは思ってなかった」という日本語の感想がある。ソロゲームの続編がここまで変化するとは、確かに想像しなかった。
GameSpotは「STS2のCo-opは早期GOTY候補にするほどの出来」と評価した。DeepRock Galacticのような協力ゲームとはまた違う、「知的なパズルを一緒に解く」ような面白さがある。ただしSteamフレンド登録が必要という仕様には、「フレンドいないんだが」という悲しいコメントも出ていた。ランダムマッチング機能の追加を望む声もある。
Co-opが好きなら、Satisfactoryのような協力ビルドゲームも合うかもしれない。

爆発的なヒットと数字の話
インディーゲームの歴史を動かした1週間
リリース後の数字が本当に異次元だった。
発売当日のSteam同時接続者数は10万人を突破し、数日後の3月8日には574,638人のピークを記録した。前作のオールタイムピーク約62,000人と比較すると、約9.3倍だ。インディーゲーム歴代記録を持つHollow Knight: Silksongには12,000人及ばなかったが、それでも歴代2位に入る数字だ。
売上は1週間で330万本。Mega Critが公式コミュニティページで発表した。25美ドル前後の価格を考えると、1週間で数百億円規模の収益になった計算だ。インディーゲームとして空前絶後に近い。
プレイヤーが1週間で試みたランの総数は2,500万回。これは開発チームにとってもバランス調整の貴重なデータになっただろう。
リリース後、Steamのグローバル売上ランキングではAAAタイトルを押しのけて1位を獲得。同時期にリリースされていたBungie(Sonyの傘下)のMarathonを超えたのは話題になった。
Hollow Knight: Silksongも大ヒットしたインディーゲームだった。

Steamの評価はどうなっているか
リリース直後のSteam評価は97%「圧倒的に好評」だった。60,000件を超えるレビューがこの評価を支えていた。
ただし、2026年3月20日に大型バランスパッチ(v0.100)がベータブランチに投入されると、1日で約9,000〜10,000件の否定的レビューが殺到した。評価は97%から83%へと急落した。
この件で特筆すべきは、問題のパッチはあくまでベータブランチへの投入であり、本番ゲームにはまだ適用されていなかった点だ。「まだ試験段階のパッチに対してレビュー爆撃するのはやりすぎ」という声も多かった。PCGamerは「9,000件の否定的レビューが1日で、まだ本番に来ていないパッチに対して」と報じている。
Mega Critの開発チームは「この進歩は直線的ではなく、どの変更も必ずしも永続的ではない」と声明を出した。早期アクセス中はコミュニティのフィードバックを受けながら方向性を調整していくという姿勢を示した。この誠実なコミュニケーションを評価する声も多かった。
記事執筆時点(2026年3月下旬)では「非常に好評」程度の評価に落ち着いていることが多いが、前作でも初期からコツコツとアップデートを重ねてきた開発チームの誠実さは本物だと思う。
ゲームシステムの深掘り
デッキ構築の基本思想
スレスパ2のデッキ構築でまず覚えておきたいのが、「デッキは小さいほど安定する」という原則だ。これは前作から変わらない。
カード報酬を毎回受け取り続けるとデッキが膨らんで回転が悪くなる。現在の戦略に直接関係しないカードはスキップするのが重要だ。序盤から「このデッキのコンセプトは何か」を決めて、そこに集中してカードを選んでいく。
ショップで「カード削除」サービスを使うことも大切だ。弱くなった初期カードや不要なカードを削除することでデッキ回転が上がり、コンボが決まりやすくなる。これも前作から変わらないが、今作ではエンチャントメントの影響で「弱いカードでも特定のエンチャントと組み合わせれば輝く」パターンが生まれるので、削除の判断がより難しくなっている。
マップの読み方
マップ構成の読み方はスレスパの醍醐味のひとつだ。新しいアクトに入ったらまず上までスクロールしてボスを確認する。どのボスが来るかによって、必要なカードやレリックの優先度が変わる。
エリート(角の生えた頭蓋骨マスで示される)はレリックをドロップするが、体力を大きく削られるリスクがある。「エリートは避ける方が無難」という声が多いのは、体力の消費がランの継続に直結するからだ。強力なデッキができあがって余裕があるときにのみ積極的に狩る、という判断が必要になる。
一方でイベントマスは今作から打率(有利な結果が出る確率)が上がったという声があり、積極的に踏んでいく価値が増した。HP回復やカード強化など、文脈によっては非常に強力な選択肢を提供してくれる。
エリートとボスのバランス変化
前作と比較して、前作経験者が最初に感じるのが「難しくなった」という感触だ。前作でアセンション20(最高難度)をクリアしたプレイヤーが、2面で死んでしまったという体験談が複数上がっていた。
新ステータス効果、エネルギーの増加しにくさ(「2〜3コストのカードが以前より重く感じる」という声)、蟻地獄などのプレッシャー系効果の追加が主な要因のようだ。「敵が全体的に強くなった」という感想と、「ゲームをブッ壊す強化が出てくる」というふたつの側面が並立しているのがスレスパ2の現状だ。
これは早期アクセスゆえのバランス調整中という面もあるが、開発チームが「一発逆転の爽快感」と「適切な難しさ」のバランスを模索している過程だとも言える。
カード・レリックのボリューム
早期アクセス開始時点でのコンテンツ量:
- カード:500枚以上(新カード約30〜40%)
- レリック:275種類以上
- プレイアブルキャラクター:5人
- アクト:3アクト(真エンディングは未実装)
Steamアチーブメントはまだ未実装で、将来のアップデートで追加予定。前作を1,000時間プレイした人でも、カードやレリックの組み合わせを探すだけで相当な時間を使えるボリュームになっている。
各キャラの立ち回りポイント
アイアンクラッド:力でねじ伏せる
アイアンクラッドは初心者にも扱いやすいキャラで、「まず感覚をつかみたい」ならここから始めるのが無難だ。
戦闘後HP回復レリックのおかげで、ある程度殴り合いながら進める余裕がある。ただし回復はあくまで「ある程度」なので、毎戦闘でゴリゴリ削られるようなプレイスタイルは持続しない。攻撃優先でいいが、無防備に突撃するのは別の話だ。
デッキコンセプトとしては「バーニング系の燃焼強化」「ブロック強化と攻撃の両立」が安定と言われる。「Hell Raiser」などの新カードが加わったことで、前作のアイアンクラッドとは異なるビルドへの道も開かれている。
サイレント:毒とディスカードで削る
サイレントは初期デッキに捨てるコンボの片割れがある安心感が大きい。中盤以降の毒ビルドは、長期戦でじわじわと敵を溶かしていく独特の快感がある。
捨て札利用コンボは、「捨てたカードが効果を発揮する」「捨て枚数に応じてパワーアップする」カードを連携させる。デッキの回転率が高いほど効果が上がるため、ここでも「デッキは小さく保つ」原則が生きてくる。
ディフェクト:オーブの海に溺れる快感
ディフェクトのオーブ運用は前作から大幅に変わっている部分があり、特定のオーブに特化したビルドが組みやすくなった印象だ。グラスオーブの追加、クリエイティブAIとの相性の良さなど、新発見が多い。
全オーブを均等に積むよりも、1〜2種類のオーブに絞って特化させる方が強力なシナジーが生まれやすい。「どのオーブに特化するか」という設計思想がデッキ構築の核になる。
ネクロバインダー:オスティと二人三脚
ネクロバインダーの独自性は「オスティを守るか、オスティに守ってもらうか」というダメージ管理にある。オスティは毎ターンHP増加するため、タイミングを見て犠牲にすることも選択肢に入る。
圧縮デッキとソウル軸が安定して強く、序盤はデッキを絞りながらオスティを機能させることを意識する。中盤以降、オスティのHPが十分に育った状態でコンボが決まると非常に強力だ。
リージェント:スター資源の管理が鍵
リージェントはスターとエネルギーの2リソースを管理する必要があり、ルーキーには難しい部分もある。引き運に左右されやすいという特性も相まって、他キャラより丁寧なデッキ構築が必要になる。
一方でスター関連カードが揃ったときの爆発力は高く、「爆撃」による毎ターン自動ダメージが機能し始めると非常に安定する。「歴史学教程」は「入手できたら勝確レベル」と評されるほど強力なカードも持っている。
何より、セリフと個性が最高にキャラ立ちしているので、「強さより愛嬌で選ぶ」のも十分な理由になるキャラだと思う。
早期アクセスとしての現在地
今遊べる量と完成度
正直に書く。Slay the Spire 2はまだ早期アクセスだ。真エンディングは未実装、Steamアチーブメントも未対応、テキスト抜けが複数箇所存在するという現実がある。発売直後はソフトロックやテキスト表示バグの報告も多かった(その後修正済み)。
それでも、早期アクセスのゲームとしての完成度は高い方だと思う。3アクト通しで遊べるし、5キャラ全員のデッキを探索するだけでも相当な時間を費やせる。「製品版はまだ1年以上先」という声がある一方で、「今でも十分楽しめる」という声もほぼ同じ割合で存在している。
前作の例を見ると、Mega Critは早期アクセス期間中にしっかりとコンテンツを追加し、バランスを調整し、ユーザーの声を反映してきた実績がある。その信頼がある分、今作の早期アクセスも安心して付き合える開発者だという認識がコミュニティに広がっている。
予定されているアップデート
Mega Critが早期アクセス期間中に追加予定として挙げているコンテンツ:
- ゲームプレイコンテンツの追加(新カード・新レリック・新イベント)
- 真のエンディング実装
- 新ゲームモード追加
- バランス改善の継続
- バグ修正・ハードウェア互換性向上
- ビジュアルエフェクトの改善
- Steamアチーブメント追加
- 多言語対応拡充
前作の場合、早期アクセスから正式リリースまでの期間に4キャラ目・5キャラ目の追加、日本語完全対応、バランス調整を経て完成形になった。同様のプロセスを辿るとすれば、今作でも順次キャラクターや機能が追加されていくはずだ。
価格と購入タイミングについて
価格は早期アクセス中約25ドル前後で、早期アクセス終了後に価格上昇が予定されている。前作プレイヤーは10%OFFで購入可能だ。
「今買うか、完成してから買うか」は正直、個人の判断による。今すぐ沼りたい人は今が旬だし、「完璧な形で遊びたい」なら正式リリースを待つのも全然アリだ。ただし前作の例を見ると、早期アクセス期間中からコミュニティが盛り上がり、パッチのたびに議論が生まれ、その過程を体験することも「スレスパを楽しむこと」の一部になっていた。
前作との比較:7年間で何が変わったか

変わったこと
前作と今作で大きく変わった点をまとめると:
エンジン:JavaベースからGodotへ。Linux対応・Steam Deck対応・軽量化。技術基盤として大幅に現代的になった。
キャラクター数:早期アクセス時点で5人(前作の正式版は4人)。将来的にさらに増える予定。
Co-opモード:前作はソロ専用だったが、最大4人の協力プレイが追加。ゲームの性格を大きく変える要素だ。
エンチャントメントシステム:カードに個性を付与する新しい軸が加わり、デッキ構築の深度が増した。
Alternate Acts:章ごとのバリエーションが生まれ、リプレイ性が向上。
ストーリー要素:前作に比べてキャラクターの背景・世界観の掘り下げが増した。年代記システムで周回するほどキャラに愛着が湧く。
難易度感:前作経験者でも手応えを感じる調整。新ステータス効果が戦略の幅を広げると同時に、初見では対処しにくい要素も増えた。
変わらなかったこと(本質)
「正統進化」という言葉がレビューで多く使われているのは、本質が変わっていないからだと思う。
カードをピックしてデッキを形成する感触、シナジーが見えてくる瞬間の楽しさ、一発逆転のコンボが決まった時の快感、「このランは死んだけど次はうまくやれる気がする」という再挑戦欲、これらは前作のままだ。
ゲームループの核心が変わっていないからこそ、前作ファンは安心して入れるし、新規プレイヤーも同じ楽しさにたどり着ける。「前作をやっていなくても楽しめる」という声が多いのも、ゲームとしての自己完結性が高いからだろう。
Path of Exile 2のように深いビルド構築を楽しみたい人にも、スレスパの「1ランの凝縮感」は刺さるはずだ。

実際のプレイヤーたちの声
熱狂しているプレイヤー
日本語コミュニティの温度感は、発売直後から相当高かった。
あにまん掲示板では「初見のカード初見の敵初見のレリック!最高だ」という書き込みに大量の賛同が集まった。「買ってから三日で既に20時間プレイしてやばい」という報告が複数の人から同時に上がっていた。これはスレスパシリーズならではの中毒性の高さを示しているし、前作と同じ気持ちよさがちゃんと継続していることを証明している。
前作未プレイのプレイヤーからも「難易度が絶妙で、敗因が見えやすくコンボが決まった時の快感がすごい」という声が上がっていた。デッキ構築ローグライクの入門として、新規プレイヤーも取り込めているようだ。
気になる点・批判的な声
もちろん批判もある。
バランス面では「敵が全体的に強くなった」「エネルギーが増えにくく2〜3コストカードが重い」という不満がある。これは難易度設計の問題で、前作ファンにとっては特に気になる部分だ。
翻訳・テキスト関係では「英語そのままで書いてあるカード」の存在が報告されている。早期アクセスゆえの未完成部分で、順次修正が進んでいる。
そしてv0.100パッチ騒動。「対策がない」と言われたドアメーカー強化への不満はわかるが、「まだベータブランチのパッチでレビュー爆撃はやりすぎ」という指摘も正しい。開発チームの誠実な対応が結果的にコミュニティを落ち着かせた。
DeepRockGalacticのチームのように、長期にわたってコミュニティと向き合い続けてきた開発者の姿勢から学んだものがMega Critにもあると思う。

Co-opについての反応
「スレスパ2、会社の同期と4人で遊んだら声あげながらワイワイできた。こんなゲームになるとは思ってなかった」という日本語の感想が印象的だった。ソロゲームの象徴だったシリーズが、友人とわいわい遊べるゲームになったことの驚きが伝わってくる。
海外でも「Co-op runs I’ve done with friends have been some of my best gaming memories this year(友人とのCo-opランは今年一番のゲーム体験だった)」というRedditの書き込みがあった。GameSpotが「早期GOTY候補」と評したのも、このCo-op体験の充実度が大きい。
Split Fictionのように「一緒に遊ぶことで輝く」ゲームの系譜に、スレスパ2が新たな形で加わった感じがある。

どんな人に向いているゲームか
こんな人は絶対に合う
- 前作を遊んで好きだった人(ほぼ確実に気に入る)
- デッキ構築が好きで「新しい組み合わせを探したい」という人
- ローグライクの「試行錯誤で成長する」感覚が好きな人
- 短時間(1ランで30〜60分)で完結感を楽しみたい人
- 友人と協力してパズルを解くような遊びがしたい人
- マルチプレイより一人でじっくり考えながら遊びたい人(ソロも充実)
注意点
- まだ早期アクセスなので、バグやバランス問題は許容できる人向け
- ランダム性があるため、「運が悪いランで負ける」ことへの耐性が必要
- 反射神経よりも戦略思考が求められるゲームなので、アクションゲームとは違うストレス耐性がいる
- Co-opはSteamフレンド登録が必要(ランダムマッチングは未実装)
Slay the Spire 2の価値
7年待った続編が、前作を超えているかどうか。
正直、まだ早期アクセス段階で真エンディングもないし、判断するには早い。でも「前作の楽しさをそのままに、新しい遊び方を積み重ねた」という意味では、今の段階でも十分に価値があるゲームだと思う。
3.3百万本という売上数字が示しているのは、単にブランド力だけじゃない。前作がジャンルを定義したゲームであり、その続編がジャンルをさらに押し広げようとしているということへの信頼票だと思う。
コンボが決まった瞬間の気持ちよさ、1ランの中での成長と失敗と「次こそは」という気持ち、4人で協力しながら思わぬシナジーを発見したとき。これらはスレスパ2が確かに提供してくれているものだ。
Baldur’s Gate 3のように「圧倒的に好評」を長期間維持した大作も、最初は早期アクセスから始まった。

早期アクセスという性質上、これからのアップデートでどう変化していくかが大事だ。でも今この瞬間、世界中で毎日何万人もの人が深夜まで塔を登り続けているという事実が、このゲームの本質的な面白さを語っていると思う。
デッキ構築の沼にはまる仕組み
「もう1ランだけ」が止まらない理由
スレスパ2をプレイしている人の間で必ず出てくる言葉が「もう1ランだけ」だ。1ランが30〜60分で完結するため、「短時間で遊べる」と思って始めたのに気づいたら3時間経っていた、という体験が頻繁に起きる。
この中毒性の仕組みを少し分解してみたい。
まず、1ランの中で確実に「成長の弧」を体験できる。序盤は弱いデッキで不安定な戦闘を乗り越え、中盤にシナジーが見えてきて、終盤にそれが完成する。ビルドが完成したランで強敵をごり押すときの達成感は格別だ。
次に、死んでも「なぜ死んだか」がわかる設計になっている。「あのカードを選ぶべきだった」「このレリックがあれば対処できた」という振り返りが自然にできる。失敗が学びになるから、悔しさが「次こそは」という動力になる。
そして毎回違う選択肢が出る。同じキャラクターを選んでも、提示されるカードもレリックもマップも異なる。「今回はこういうビルドでいくか」という計画を立てながら始めて、途中で方向転換を迫られる柔軟性も求められる。完璧なランなんてめったに来ないが、「完璧に近いラン」が来たときの高揚感がやめられない理由のひとつだ。
カードシナジーの発見が快楽になる
スレスパシリーズの設計の上手さは、「カード単体では普通だが、組み合わせると化ける」という仕掛けにある。
たとえばアイアンクラッドの場合、「傷つくことでパワーアップするカード」と「自分にダメージを与えるカード」を組み合わせると、意図的に自傷しながら強化するビルドが生まれる。通常ならマイナスでしかない「自傷」がリソースに変わる瞬間に気づいたとき、「これ、いけるぞ」という電流が走る。
今作ではそこにエンチャントメントが加わった。「このカードにこのエンチャントをかけると、別のカードとシナジーする」という組み合わせが何層にもなる。前作でも十分に深かったシナジー探しが、さらに一段階深くなっている。
「隠された宝石」というカードがコミュニティで「書いてある事が全部バカのカード」と呼ばれていたが、これは批判ではなく称賛だ。スレスパの最高の瞬間は、「これ強すぎない?」と思えるカードやコンボに出会ったときにある。
レリックがランの方向性を決める
デッキ構築と並んでレリックの選択もランの核心だ。275種類以上のレリックは、それぞれ固有のパッシブ効果を持つ。「特定の条件でボーナスを得る」「毎ターン自動でHPを回復する」「デッキの枚数が少ないほど強化される」など、その組み合わせが無限大だ。
レリックがデッキの方向性を決定づけることも多い。序盤に「デッキの1枚目のカードをプレイするたびに強化される」というレリックを入手したら、手札の最初に強いカードが来るよう調整する動きになる。後から手に入れたレリックが既存のデッキコンセプトを逆転させることもある。
このレリックとデッキの相互作用を考えながら選択を重ねていく感覚が、「塔を登る」という体験をただの戦闘の連続以上のものにしている。
ゲームの見た目と音楽

前作からの視覚的な進化
前作は独特のイラストスタイルが魅力だったが、今作ではアニメーションの滑らかさと演出のクオリティが大幅に上がっている。カードプレイ時のエフェクト、敵の動き、スキルのビジュアル表現が洗練された。
Steamレビューでは「より良いアート、より多くのアニメーション」という点を称賛する声が多かった。前作のファンが「好きなスタイルを維持しながら品質が上がった」と感じているようだ。
キャラクターの造形は独特で、アイアンクラッドの重厚感、サイレントのスリムなシルエット、ネクロバインダーのダークなデザイン、リージェントの「王様」感、どれもビジュアルだけで個性が伝わってくる。オスティ(ネクロバインダーの召喚物)の「巨大な手」というシュールな見た目も話題になった。
Godotエンジンがもたらしたもの
技術的にGodotエンジンへの移行は、プレイ体験の快適さに直結している。前作に比べてロードが速く、動作も軽い。Steam Deckでプレイしても快適という声が多いのは、モバイルライクな画面でも遊びやすいUIと軽快な動作のおかげだ。
インディーゲーム開発コミュニティではGodotエンジンへの注目が高まっており、「スレスパ2がGodotで作られている」という事実は、Godotが大規模な商業タイトルにも耐えうることの証明として話題になった。
デッキ構築ローグライクの歴史の中のスレスパ
ジャンルを生み出したゲームの続編として
少し引いた視点で考えてみると、スレスパというシリーズは特別な立ち位置にある。
「デッキ構築型ローグライク」というジャンルは、前作のSlay the Spireが実質的に定義した。2019年の正式リリース以降、このジャンルには多くの後継作が生まれた。Monster Train、Inscryption、Hades(アクションローグライク)、Balatro(ポーカー×ローグライク)など、さまざまな方向への派生が生まれた。
そのジャンルの始祖が7年ぶりに出した続編が、また売上と同接で歴史的な数字を出した。それはジャンルの熟成と、「本家」への信頼の証明だと思う。後発の作品がいくら優れていても、スレスパがスレスパである理由は変わらない。
今作はその「スレスパらしさ」を保ちながら、Co-opやエンチャントという新しい要素を加えることで、単なる「前作のリメイク」にはなっていない。「デッキ構築ローグライクとはこういうものだ」を再定義しようとしている側面がある。
Inscryptionやバラトラとの違い
デッキ構築ローグライクをいくつか遊んだことがある人向けに、スレスパとの差を簡単に整理しておく。
Inscryption(インスクリプション)はホラー演出と謎解き要素が絡み合ったデッキ構築で、「ストーリーを体験しながら遊ぶ」感覚が強い。スレスパが「ビルド最適化のパズル」寄りだとすると、インスクリプションは「世界観に没入する体験」寄りだ。
Balatro(バラトラ)はポーカーの役をベースにした数字パズルで、スレスパよりもシステムが数学的に洗練されている。「計算が好き」な人にはバラトラが刺さることが多い。
スレスパ2が特有なのは、キャラクターごとに本当に異なるプレイスタイルが必要で、「どのキャラで遊ぶか」という選択がゲーム体験を根本から変える点だ。5キャラ全員をA10クリアしようとすると、それぞれでまったく違うデッキ設計の思想が求められる。これが何十時間でも飽きない理由だ。
早期アクセスで起きたこと、これから起きること
発売直後に起きたバグと対応
発売直後は例のごとくバグが多かった。テキスト抜け、ソフトロック(特定の状況でゲームが進行不能になる)、「全体化ソヴリンブレードのダメージ表示が消える」などの表示バグが報告された。多くは数日以内にパッチで修正された。
中でも印象的だったのがHP上限値の話だ。ネクロバインダーのオスティは毎ターンHPが増加し続ける設計なのだが、特定の無限ループコンボを決めるとオスティのHPがゲームの数値上限を超えてオーバーフローしてしまう事態が発生した。Mega Critはこれを受けて「HP上限値を999999999(約10億)に拡大する」というパッチを当てた。
「じゃあそれを超えたら?」という突っ込みはさておき、開発チームの迅速な対応と、問題に対するユーモラスなアプローチが好評だった。早期アクセスらしい、コミュニティと一緒にゲームを作っている感覚がある。
v0.100パッチ騒動の詳細と教訓
2026年3月20日、Mega Critはベータブランチに大型バランスパッチ(v0.100.0)を投入した。このパッチの目的は「無限ループコンボを難しくすること」と「全体的なバランス調整」だった。
問題になったのが、ドアメーカーというボスの変更だ。新仕様では「プレイヤーが引いた10枚目のカードを永久に除外し、そのたびに1強化を得る」という効果になった。重要なカードが除外された場合、ほぼ対処不能になるという状況が発生しうると指摘された。
Redditでは「almost no reliable counterplay(ほぼ確実な対抗手段がない)」という投稿が大きな共感を集め、1日で9,000件超の否定的レビューが殺到した。Steamのレビュースコアは97%から83%へと急落した。
繰り返しになるが、このパッチはベータブランチ限定で本番未適用だった点は強調しておきたい。試験段階の変更に対するリアクションとしては過剰だったという見方も多い。
Mega Critの返答は「この進歩は直線的ではない。どの変更も必ずしも永続的ではない。コミュニティのフィードバックを聞きながら判断する」という内容だった。過去7年間、前作でも同様のプロセスでバランスを洗練させてきた開発チームへの信頼が、最終的にコミュニティを落ち着かせた。
このエピソードが示しているのは、早期アクセスゲームとプレイヤーの関係の難しさだと思う。「まだ完成していない」という理解があっても、愛着があるゲームの変更には感情的に反応してしまう。一方で、開発者は膨大なデータと向き合いながらバランスを探っている。どちらも本気でゲームを良くしたいという気持ちがあるからこそ、衝突が起きる。
中国語ユーザー問題という背景
今回の否定的レビュー急増には、もうひとつの側面があった。PCGamerの報道によれば、否定的レビューの多くが中国語ユーザーからのものだった。
中国ではSteamへのアクセスが制限されており、VPNを使ってプレイしているユーザーが多い。この状況下でゲームのアップデート情報が歪んで伝わったり、特定のプレイスタイルへの影響が大きく見えたりした可能性がある。
いずれにせよ、1日1万件近い否定的レビューがゲームの評価に与えた影響は大きく、早期アクセスゲームにおける「Steamレビューの信頼性」という問題を改めて浮き彫りにした出来事だった。
デッキ構築ローグライク初心者へのガイド
スレスパ2から始めていいか?
「前作を遊んでいないけど、いきなり2から始めてもいい?」という疑問を持っている人は多いと思う。答えはYESだ。
スレスパ2は前作を知らなくても完結して楽しめるゲームになっている。ストーリーは「前作から1000年後」という設定だが、前作を知らないと楽しめないような仕掛けはほとんどない。むしろ「2から入って、面白かったら前作も試してみる」という順序も全然アリだ。
前作を知っていればキャラクターへの再会という喜びがあるし、「前作からここが変わったな」という発見もある。でもそれは「知っていると嬉しい」というプラスαで、知らなくても問題ない。
最初に選ぶべきキャラクター
デッキ構築ローグライク初心者なら、アイアンクラッドから始めるのが無難だ。操作の基本(アタックとブロック、エネルギー管理)を学ぶのに適しているし、戦闘後のHP回復で多少の失敗をカバーできる。
前作経験者なら、見知った顔の3キャラ(アイアンクラッド・サイレント・ディフェクト)のいずれかから始めて「前作との違い」を確認するのが楽しいと思う。「知ってるはずなのに、別のカードになってる」という発見がある。
新キャラを試したいなら、ネクロバインダーが扱いやすくてわかりやすい。リージェントはキャラの個性は最高だが、2リソース管理があるので少し慣れてからの方がいい。
最初の数時間で意識すること
デッキ構築ローグライクを始めたばかりの人がやりがちな失敗は「カードをもらいすぎること」だ。報酬画面でカードを選ばずスキップする選択肢があるが、最初はそれを使いにくいと感じるかもしれない。でもデッキが20枚を超えてくると回転が悪くなり、コンボが決まりにくくなる。
「いいカードだけを入れる」という意識より「コンセプトに合うカードだけを入れる」という意識の方が大切だ。攻撃特化なら防御カードは少なめに、毒ビルドなら毒に関係ないカードはスキップする。序盤から方向性を決めてカードを選ぶ練習が上達の近道だ。
ボス戦に向けたデッキ調整も重要だ。マップを一番上まで見てボスを確認し、そのボスに有効なカード・レリックを優先して選んでいく。「次のボスはブロック無効のボスか、じゃあブロックより攻撃を強化しよう」という逆算ができるようになると勝率が上がる。
ショップの使い方
ショップ(商人)では以下の3種類の購入ができる:
- カードの購入(デッキに追加)
- レリックの購入(強力な場合が多い)
- カードの削除(不要なカードをデッキから永久除外)
カード削除は有料だが非常に重要だ。初期デッキの弱いカードや、序盤に仕方なく取ったカードを削除することでデッキが洗練される。「削除」に100ゴールド使うのはもったいない気がするが、実は最もコスパがいい投資の一つになることが多い。
レリックはカードより優先して購入することも多い。レリックひとつでランの強さが跳ね上がることがある。特にアクト1のボスを倒した後にショップが来た場合、ゴールドを大目に持った状態で入れると理想的だ。
Co-opで遊ぶときの楽しみ方
チーム構成を考える
4人Co-opの醍醐味は、チーム全体のシナジーを設計することだ。全員が攻撃特化では耐久力が不足し、全員が防御特化では火力が足りない。バランスのいい構成を考えるか、特定の戦術に全員で特化するかという選択がある。
たとえば「アイアンクラッドが壁になって敵を引きつけ、サイレントが毒を重ね、ネクロバインダーがオスティでさらに盾になり、ディフェクトがオーブでバックアップする」という役割分担ができると理想的だ。ただし実際にはランダム性があるので、その場のカード報酬に合わせて柔軟に役割を変えていく必要がある。
マルチ専用カードの存在感
各キャラクターが持つCo-op専用カードは、ソロでは選べないカードだ。「仲間にバフをかける」「仲間のカードを強化する」「仲間が攻撃するたびに効果が発動する」など、連携を前提にした設計になっている。
これらのカードの強さはチーム構成に大きく依存するため、「どのキャラと組むか」がわかっている状態でデッキを設計できると非常に強力だ。フレンドと一緒に遊ぶ場合は、最初にキャラ選択と大まかな役割を決めてから始めると効果的だ。
Co-opならではの笑いどころ
Co-opでは仲間の選択に「なんでそのカード取ったんだ」とツッコミを入れたり、全員のコンボが偶然噛み合って信じられないダメージが出たりする。ソロでは静かに達成感を感じる場面が、複数人だとリアクションを共有できる。
「スレスパ2、会社の同期と4人で遊んだら声あげながらワイワイできた」という感想は、ソロゲームの続編がなぜここまで変化できたかを示している。ゲームループ自体はソロと同じだが、「一緒に考える仲間がいる」という体験の質が根本から変わる。
Slay the Spire 2の今後に期待すること
ウォッチャーの実装
前作ファンからの最大の要望は「ウォッチャーをはやく」だ。前作の4人目として追加されたウォッチャーは、スタンス(怒り・静寂)の切り替えによる爆発力と独特のプレイフィールで多くのファンを獲得した。
今作では5人目の実装はまだ発表されていないが(早期アクセス開始時点)、前作との継続性を考えれば、ウォッチャー系のキャラクターが来ることへの期待は高い。Mega Critがどんな形でウォッチャーを進化させてくるか、というのも今後の楽しみのひとつだ。
真エンディングとストーリーの完成
早期アクセスの現状は3アクトまでで、真エンディングは未実装だ。前作は最終ボスを倒した後に特定の条件を満たすことで「真のラスボス」と戦える展開があった。今作でも同様の「先がある」構造が予定されており、それが年代記システムとストーリー要素と絡んでくるはずだ。
「前作から1000年後の世界で何が起きているのか」というミステリーを、ゲームが完成形に近づくにつれ解き明かしていく楽しみが待っている。
バランスの最終形
現状はまだバランス調整の途中だ。v0.100のベータパッチ騒動が示したように、Mega Critは無限ループコンボに代表される「一部のビルドが圧倒的に強すぎる」状況を改善しようとしている。
理想的な完成形は「どのキャラクターで、どんなビルドを組んでも、ある程度の可能性がある」状態だと思う。前作も正式リリースまでの時間をかけてそこに近づいていった。今作も同じプロセスを辿るはずだ。
コミュニティのフィードバックとデータ(2,500万回のランというサンプル)を持つMega Critには、バランス調整の材料は揃っている。問題はそれをどう活かすか、そしてコミュニティとどう対話しながら決断するかだ。
新コンテンツの追加
ロードマップとして予告されているのは、新ゲームプレイコンテンツ(カード・レリック・イベントの追加)、新ゲームモード(デイリーチャレンジやカスタムランなど)、Steamアチーブメントの追加だ。
前作の例では、早期アクセス期間中にキャラクターの追加やデイリークライム(毎日固定シードのランに挑戦するモード)が実装された。今作でも同様のコンテンツが順次追加されていくはずで、長期間遊び続けられる理由がどんどん増えていく。
よくある質問
前作を持っていると安くなる?
はい。前作のSlay the Spireを所有しているSteamアカウントは、Slay the Spire 2を10%OFFで購入できる。これはSteamのバンドル割引とは別の仕組みで、前作ユーザーへの感謝的な割引だ。
日本語に完全対応している?
はい、日本語に完全対応している。UIもテキストもすべて日本語で遊べる。ただし早期アクセス段階では一部カードのテキストが英語のままという報告もあり、順次修正が進んでいる。
どのくらいの時間でクリアできる?
1ランは30〜60分程度。3アクトを通してクリアするには、最初のうちは数回試行錯誤が必要になるだろう。「クリア」を目標にすると数時間〜10数時間程度だが、「すべてのキャラクターを使いこなす」「アセンションレベルを上げていく」という方向では何百時間でも遊べる深さがある。前作で1,000時間超えのプレイヤーが続出したことを考えると、今作も似たような状況になるはずだ。
スペックはどのくらい必要?
公式の推奨スペックは高くない。最新のミドルスペックPCなら快適に動作する。Godotエンジンの軽量さと、グラフィックがカートゥーン調のため処理負荷が軽いことが理由だ。Steam Deckでも快適に動作するという報告が多く、ポータブル環境でも楽しめる。
Co-opはクロスプレイ対応?
Steam上でのフレンドとのプレイが基本で、現状はSteam限定のCo-opになっている。クロスプレイについては公式からの発表が確認できておらず、今後の実装を期待している状況だ。
難易度設定はある?
スレスパシリーズはアセンション(Ascension)という独自の難易度システムを採用している。アセンション0からスタートし、クリアするごとにアセンションレベルが上がって制約が増えていく仕組みだ。初心者はアセンション0でしっかりと基礎を身につけながら、徐々に難易度を上げていける。
まとめ
Slay the Spire 2は、デッキ構築ローグライクの正統進化作だ。
- 開発:Mega Crit Games
- 早期アクセス開始:2026年3月5日
- 最高同時接続者数:574,638人(インディー歴代2位)
- 発売1週間売上:330万本
- Steamレビュー:最大97%「圧倒的に好評」(バランスパッチ騒動後は変動あり)
- 日本語:完全対応
- プレイアブルキャラ:5人(前作から3人続投+新規2人)
- 最大4人Co-op対応
- エンチャントメント・Alternate Actsなど新システム追加
- Godotエンジン採用、Steam Deck対応
前作が好きだった人には迷わずお勧めできる。新規プレイヤーには「デッキ構築ローグライクとはどういうものか」を体験できる最良の入口のひとつになっていると思う。
早期アクセスという段階を踏まえながら、Mega Critがこれからどんな形でゲームを育てていくか、一緒に見届けていこうと思っている。

