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▌ISSUE.581 · レビュー カテゴリ / カード・ボード 公開 2026.04.21
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呪血医

Bloodletter完全ガイド|新作アクションRPG最新情報まとめ【2026年版】
#Bloodletter #PCゲーム #PCゲーム #steam #アクションRPG
読了目安
約40分
対応機種
PC
スペック
▌要点 / 3行で読む
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BLOODLETTER レビュー|中世の理髪外科医が村人を癒すデッキビルダーの魅力と実力 「攻撃で敵を倒す」のではなく「カードで人を治す」――そんな逆転の発想がここまで面白くなるとは思っていなかった。
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中世の迷信・タロット・瀉血療法。
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そんなきな臭いキーワードが並ぶこのゲームは、デッキビルダーの「当たり前」をひっくり返す一作だ。
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このレビューでは、実際にどんなゲームなのか、何が面白くて何がまだ荒削りなのか、包み隠さず書いていく。

BLOODLETTER レビュー|中世の理髪外科医が村人を癒すデッキビルダーの魅力と実力

「攻撃で敵を倒す」のではなく「カードで人を治す」――そんな逆転の発想がここまで面白くなるとは思っていなかった。

ベルリンの小さな4人チームが作ったインディーゲーム『BLOODLETTER』は、2026年3月30日にSteam Early Accessで登場するや否や、PC Gamerに「私の新しいお気に入りデッキビルダー」と言わせ、ComicBook.comには「2026年のベストデッキビルダー」と呼ばせた。

中世の迷信・タロット・瀉血療法。そんなきな臭いキーワードが並ぶこのゲームは、デッキビルダーの「当たり前」をひっくり返す一作だ。このレビューでは、実際にどんなゲームなのか、何が面白くて何がまだ荒削りなのか、包み隠さず書いていく。

BLOODLETTERとは?まずここを押さえてほしい

BLOODLETTERは、中世ヨーロッパを舞台にしたホラー風のデッキ構築型ローグライクゲームだ。プレイヤーが演じるのは「理髪外科医(barber-surgeon)」。村はずれの浴場を構えて、古代の邪悪な存在(エンティティ)に侵食された村人たちを順番に治療していく。

デッキビルダーというジャンル自体は『Slay the Spire』が火をつけて以来、いまや百花繚乱の状態だ。でも、BLOODLETTERが他と決定的に違うのはここ。

「カードで敵を攻撃するんじゃなくて、カードで人を癒す」のだ。

これだけ聞くと「ふーん」と思うかもしれないけど、実際に触ってみると印象が全然違う。治癒中心の設計が生み出す感情的な重みが、このゲームのいちばんの武器になっている。

公式PV(Steam Demo Trailer)

この雰囲気、刺さる人には刺さりすぎるやつ

こんな人に読んでほしい
・デッキビルダーは好きだけど「また戦闘ゲーか」と飽き気味の人
・中世ダーク・ファンタジーの世界観が好きな人
・Slay the Spire以来「これだ!」と感じる作品を探している人
・Steam Early Accessの注目インディーを早めに押さえたい人

基本情報まとめ

項目 内容
タイトル BLOODLETTER
開発・販売 ALDAMAMI GAMES(ベルリン・ドイツ)/ Gamersky Games
ジャンル デッキ構築型ローグライク、ストラテジー、インディー
プラットフォーム PC(Steam)/ Windows・Mac・Linux・Steam Deck対応
Early Access開始 2026年3月30日
正式リリース予定 2026年内(1.0版)
価格 ¥1,400(Early Access)
日本語 対応済み
Steam評価 概ね好評(79〜82%肯定)/ Demo版は非常に好評(91%)

開発スタジオについて――4人のベルリン学生が作った本気の一作

ALDAMAMI GAMESは2024年中頃に設立されたばかりのインディースタジオだ。メンバーはAlice Schneider、Katharina “Mikey” Müller、David Cafisso、Marvin Braunの4人。全員がHTWベルリン(ベルリン応用科学大学)のGame Design Studioで出会い、学内プロジェクトとしてBLOODLETTERのプロトタイプを作り始めた。

「4人」と聞いて「それで作れるの?」と思う人も多いだろう。実際、インディーゲーム業界では4人チームで商業リリースまで持っていくこと自体がかなりの挑戦だ。しかもBLOODLETTERは美術・サウンド・プログラム・ゲームデザイン全部を4人で分担している。

その秘訣のひとつは、大学という環境で丁寧にプロトタイプを磨いてきたことだ。HTWベルリンのGame Design Studioは、実際にゲームを作って発表するカリキュラムで知られており、学生のうちからチームでの制作・発表・フィードバックを繰り返す。BLOODLETTERはその過程で生まれ、磨かれた。

そのプロトタイプが外部の目にとまり、German Computer Game Awards 2024の「ヤングタレント賞 Best Prototype」にノミネート。これがきっかけでゲーム業界内での認知が一気に広がった。さらにドイツのメディア振興機関であるMedienboard Berlin-Brandenburgから€160,000(約2,500万円)の助成金を獲得して、フルタイム開発に踏み切った。

Medienboard Berlin-Brandenburgはベルリンとブランデンブルク州の映像・メディア産業を支援する公的機関で、映画だけでなくゲームにも助成を行っている。この規模の助成金を新設スタジオが獲得するのは珍しく、それだけBLOODLETTERのコンセプトと実現可能性が高く評価されたことを示している。

共同創業者のKatharina “Mikey” Müllerはこう語っている。

「MBBの資金援助はBLOODLETTERの開発に不可欠だった。フルタイムで取り組む自由を与えてくれたし、マーケティング面でも多くの扉を開いてくれた」

— Katharina “Mikey” Müller(ALDAMAMI GAMES共同創業者、Gamesmarket.globalインタビュー)

学生チームが本気でここまで来た、という背景を知ると、このゲームを見る目がちょっと変わる。4人で作ったとは思えない完成度は、その助走期間があってこそだ。プロトタイプ→itch.io公開→コミュニティフィードバック→助成金獲得→Steam Early Accessという道筋は、インディーゲーム開発の理想的な流れのひとつとも言える。

ゲームシステム詳細――「治す」ことで戦う、昼と夜の攻防

BLOODLETTERのゲームプレイは、大きく「昼間」「夕方」「夜間」の3フェーズで1日が構成されている。このサイクルを繰り返しながら、エンティティと呼ばれる邪悪な存在を倒すことが目標だ。

昼間フェーズ:村人を治療する

1日の昼間には3〜5人の村人が浴場にやってくる。プレイヤーはデッキからカードを引いて、各村人の4つのステータスを管理する。

  • Health(体力):体の基本的な状態
  • Purity(純潔度):霊的な清潔さ。これが100になると特別な祝福カードが手に入る
  • Sickness(病気):進行する病の深刻度。放置すると村人が死亡する
  • Trust(信頼):村人との関係性。信頼を積むことで村人固有の能力が解放される

村人が3人死亡するとそのランは失敗。でもここが面白いところで、「全員を完璧に治す」必要はない。PC Gamerのライターが「最初は全員を救おうとして13日間の膠着状態に陥った。戦略を切り替えて役に立ちにくい村人を犠牲にすることで突破口が開けた」と書いているように、誰を優先するかという判断自体がゲームの深みになっている

また、3人以上の村人から信頼を得ている場合は1ターンに最大3枚のカードをプレイできるが、信頼がなければ2枚に制限される。「頼られているから力を発揮できる」というフレーバーと機能が一致した設計が心憎い。

夕方フェーズ:デッキを育てる

昼間の治療が終わると、カードのアップグレードや変換を行う時間になる。ここで重要なのが「トランスミューター」と呼ばれるカード変換装置だ。Early Access時点で8種類が存在し、手持ちのカードを別の効果に変えたり、強化したりできる。

このフェーズで自分のデッキをどう最適化するかが、翌日の生存率に直結する。

夜間フェーズ:エンティティの猛攻に耐える

夜になると、今のランで対峙しているエンティティが本格的に動き出す。村人への被害は日数が経つにつれて増大していくので、「治療→翌日さらに悪化」というプレッシャーが常にかかり続ける。

4体のエンティティはそれぞれ異なる勝利条件と能力を持っており、同じデッキで全員に勝てるとは限らない。「あの戦略はThe Corrupting Oneには通用したけど次のボスには全然ダメだった」という体験が、繰り返しプレイへの動機を生み出している。

「Bloodstones」によるメタ進行――失敗しても前に進める設計

BLOODLETTERにはローグライクらしいメタ進行システムがある。ランに失敗しても「Bloodstones(ブラッドストーン)」というメタ通貨が蓄積し、新しいエンティティや難易度をアンロックできる。

これはいわゆる「許してくれるローグライク」の設計で、ランを失敗しても「また挑戦したい」というモチベーションが続く構造になっている。Hadesシリーズが採用して広まったスタイルで、「繰り返し遊ぶことで確実に強くなっている感覚」を与えてくれる。

完全にランダム性に翻弄されるタイプではなく、積み上げた経験とアンロックが活きてくる設計なので、ローグライク初心者にも比較的入りやすい。

1日3フェーズの戦略的緊張感

「昼に治す→夕に育てる→夜に耐える」という3フェーズのサイクルは、単純に見えてかなり奥が深い。

例えば昼間の治療で「体力を上げるか、純潔度を上げるか」という選択は、夜間のエンティティの攻撃パターンによって最適解が変わる。純潔度を100にして祝福カードを得ることを優先するのか、それとも体力を守って死者を出さないことを優先するのか。この「今日の選択が明日に影響する」連鎖が、ゲームに独特のリズムを生み出している。

また、1ターンにプレイできるカード枚数が「信頼を得ている村人の数」に依存するというシステムが、短期的な治療(今日の生存)と長期的な信頼構築(デッキの強化)のトレードオフをゲームプレイに組み込んでいる。「今日3人助けて信頼を稼ぐか、2人に絞って確実に治すか」という判断が毎ターン発生する。

カードとデッキビルドの面白さ――80枚超の「治療カード」が生み出す戦略の幅

BLOODLETTERのカードは現在76枚(Early Access版)が実装されており、1.0リリースに向けてさらに追加予定だ。それぞれに固有の呪文名・挿絵・タイトルが付いており、ビジュアルのクオリティはデッキビルダーの中でもトップクラスと言っていい。

ComicBook.comはこう評している。

「アートスタイルはゴシック絵画と歴史的写本からインスパイアされており、カード1枚1枚から背景・エフェクトに至るまで詳細に作り込まれた唯一無二の美しさがある」

— ComicBook.com

ゲームプレイ面では「祝福カード」と「呪いカード」の存在が戦略に深みを加える。村人の純潔度が100に達すると祝福カードが手に入るが、村人が死亡すると呪いカードがデッキに混入する。良い治療ほどデッキが強化され、失敗するほどデッキが汚染されていく。この「プレイの成否がデッキの状態に直接反映される」仕組みが実に巧妙だ。

村人固有能力という「もうひとつのデッキビルド軸」

11種類の村人はそれぞれ固有の能力を持っており、信頼を積み上げることでその能力がプレイヤーのデッキに加わる。つまりデッキビルドは「カード選択」だけでなく「どの村人を優先して信頼を得るか」という選択とも絡み合っている。

itch.ioのコミュニティではこんな声が上がっている。

「全員のステータスのバランスを取りながらプレイする緊張感がたまらない。ゲームループの中毒性がすごくて、新しい戦略を試したくてどんどん戻ってきてしまう」

— itch.ioプレイヤー(出典:aldamami-games.itch.io/bloodletter)

トランスミューターで化学反応を起こす

「トランスミューター」は手持ちカードを変換・強化できる装置で、現在8種類が実装されている。同じカードでもトランスミューターを通すことで全く別の効果に変わることがあり、デッキビルドに予想外の可能性が生まれる。「これとこれを組み合わせたらどうなる?」という実験的な楽しさが、繰り返しプレイを後押しする。

世界観とアートスタイル――タロット×中世医学×ラヴクラフト的ホラー

BLOODLETTERの世界観は独特だ。タロット占術・古代の民間療法・中世の迷信という3つの要素をベースに、そこにラヴクラフト的な「理解できない邪悪な存在」のホラーを組み合わせている。

ゲームに登場するカードのイラストはゴシック絵画や中世の写本をモチーフにしており、瀉血(血を抜く治療)・穿頭術(頭蓋骨に穴を開ける処置)といった当時の「医療行為」が平然と描かれている。現代から見れば「それ治療じゃなくて拷問では?」というような処置が、ゲームの中では真剣な医療として機能している。このシュールな距離感がBLOODLETTERのトーンを作っている。

Turn Based Loversはその雰囲気をこう表現している。

「遅く、緊張感があり、やや閉塞的。派手なプレイではなく『聞く、観察する、最悪の選択肢を選ぶ』ことに焦点を当てていて、まるで中世のスケッチブックにあった悪いアイデアをゆっくりと不安な気持ちにさせるカードゲームに変えたようだ」

— Turn Based Lovers(出典:turnbasedlovers.com/overview/bloodletter/)

itch.ioのプレイヤーたちも、アートに対して口を揃えて褒めている。「キャラクターデザインが独特で素晴らしい」「タロットカードのテーマと世界観が完璧に一致している」という声が多い。4人チームとは思えないビジュアルのクオリティは、HTWベルリンで磨かれた美術センスの賜物だろう。

「理髪外科医」という職業の歴史的背景

BLOODLETTERに登場する「理髪外科医(barber-surgeon)」は実在した職業だ。中世ヨーロッパでは現代のような医師免許制度がなく、床屋(理髪師)が外科的な処置も担っていた。歯の抜歯、骨折の処置、傷口の縫合、そして「瀉血」と呼ばれる血抜き療法など。

「瀉血」は当時の万能療法として信じられており、発熱・頭痛・うつ病など、ほぼあらゆる病に対して血を抜くことが処方された。「体内の体液バランスが崩れると病気になる」というガレノス医学の理論に基づいた処置で、現代の目には「それ治療じゃなくて悪化させてるだろ」と見えるが、当時の人々は真剣にこれで病が治ると信じていた。

BLOODLETTERというタイトル自体、この「血を抜く人(bloodletter)」という中世の職業名から来ている。ゲームのカードにも瀉血・穿頭術・ハーブ療法・お守りといった当時の「医療」が登場し、それがゲームシステムとして機能する。歴史的な皮肉と悲哀を内包した設定が、ゲームに独特の重みを与えている。

タロットカードの美学とゲームデザインの融合

もうひとつの大きな影響源がタロットカードだ。タロットは14世紀のイタリアに起源を持ち、元々はカードゲームとして使われていたが、後に占術の道具として広まった。その絵柄は中世〜ルネサンス期の絵画様式を反映しており、死・審判・塔・月といった象徴的なアルカナが並ぶ。

BLOODLETTERのカードデザインはこのタロットの美学を強く受けている。各カードの挿絵は中世の木版画や写本細密画を思わせる様式で描かれており、ゲームとしての機能(どのステータスにどれだけ効くか)と、ビジュアルとしての語り(それが何を意味するのか)が一体化している。

「このカードを使うと何が起きるか」と「このカードは何を表しているのか」が同時に伝わる設計は、デッキビルダーのUIデザインとしても秀逸だ。カードを見るだけで世界観に引き込まれる体験は、多くのプレイヤーが褒めている点でもある。

エンティティ(邪悪な存在)の設計思想

ゲームの「ボス」にあたるエンティティは、単純に「強い敵」ではなく「世界観を体現した存在」として設計されている。各エンティティは異なる「汚染の方法」を持ち、それに対して異なる「治療アプローチ」が必要になる。

例えば最初のエンティティ「The Corrupting One」は名前の通り「腐敗」をテーマにしており、村人の体力や純潔度を着実に蝕んでくる。プレイヤーはこの「腐敗」の進行を理解して、デッキをどう組むかを考える必要がある。

このように「ボスの設定とゲームプレイが一致している」設計が、BLOODLETTERの世界への没入感を高めている。単なるHPバーを削る存在ではなく、「どういう邪悪な存在と戦っているのか」がプレイを通じてわかる仕組みだ。

日本語対応について――Early Accessから日本語が使える

嬉しいポイントとして、BLOODLETTERはEarly Accessの段階から日本語に対応している。インターフェースとサブタイトルが日本語化されており、英語が苦手なプレイヤーでも問題なくプレイできる。

対応言語は英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・日本語・韓国語・ブラジルポルトガル語・簡体字中国語・繁体字中国語の9言語。ベルリン発のインディーゲームがEarly Accessからここまで多言語対応しているのは、Medienboard Berlin-Brandenburgの助成金のおかげで十分なリソースを確保できたことも大きいだろう。

翻訳品質については現時点では詳細に検証できていないが、日本語ローカライズが入っている時点で、日本のプレイヤーへのアクセシビリティは大きく改善されている。

PC Gamerが「新しいお気に入り」と言った理由――実際の評価を読み解く

BLOODLETTERはEarly Accessリリースから間もないにも関わらず、複数の著名メディアから高い評価を受けている。その理由を整理してみる。

「癒し」という軸が生む感情的な重み

通常のデッキビルダーでは、敵を攻撃してHPを削る。勝てば気持ちいいが、負けても「失敗した」という感覚は比較的ドライだ。BLOODLETTERでは逆に「助けられなかった」という感覚が生まれる。村人が死ぬとデッキに呪いカードが混入するというシステムも、その罪悪感を強化している。

Phenixx Gamingのレビュアーはこう表現した。

「BLOODLETTERのセッティングとコアゲームプレイループは、医師が絶望的な状況でベストを尽くす様子を巧みに表現している。ローグライク要素のおかげでプレイヤーが少しずつ状況を改善していく楽しさがあり、デッキビルダーとして説得力のある完成度——特にEarly Accessとしては」

— Phenixx Gaming(出典:web.phenixxgaming.com)

PC Gamerライターの「13日間の膠着」体験

PC Gamerのライターは最初のボス「The Corrupting One」と13日間の膠着状態に陥ったと書いている。全員を完璧に救おうとして手詰まりになり、「役に立ちにくい村人を犠牲にする」という苦渋の選択をすることで突破口を開いた。

その記事のタイトルは「エルドリッチな神と13日間の膠着状態になった——そして今や私の新しいお気に入りデッキビルダーだ」。苦しみながら攻略する体験そのものが評価につながっている。

デモ版の先行評価が示す期待値

Steam版のDemo(無料)は97件のレビューのうち91%が肯定的という「非常に好評」評価を獲得している。Early Access本体の79〜82%と比べてもデモの評価が高く、「触れた人が買いたくなる」という入口として機能している。

ith.ioでプロトタイプを先行公開してフィードバックを集め、それを製品版に反映させてきたALDAMAMI GAMESの開発スタイルが、この数字に表れている。

「このゲームに完全に狂わされてる。昨日3時間プレイして、ずっと頭から離れない。この村人たちのためなら左腕をなくしてもいい」

— itch.ioプレイヤー(出典:aldamami-games.itch.io/bloodletter)

「左腕をなくしてもいい」は比喩だけど、3時間プレイしてまだ頭から離れないという中毒性は本物だと思う。

Early Accessの現状と今後のロードマップ

2026年4月現在、BLOODLETTERのEarly Access版に含まれるコンテンツは以下の通り。

  • ユニークカード:76枚
  • トランスミューター:8種類
  • 村人:11人
  • エンティティ(ボス):4体中2体が全難易度(各3段階)でプレイ可能
  • ストーリースニペット:100以上
  • 目安プレイ時間:約10時間(全進行)

ALDAMAMI GAMESは1.0正式リリースに向けたロードマップを公開しており、予定されている追加要素は以下。

  • 新ボス(エンティティ)の追加
  • 新環境・マップの実装
  • サウンドトラックの拡張
  • カードの追加とバランス調整
  • 1.0正式リリース:2026年内予定

開発チームはこう語っている。

「このマイルストーンをプレイヤーと共有できることに非常に興奮している。デモへのフィードバックはすでに非常に価値あるものとなっており、多くの改善をすでに実装できた」

— ALDAMAMI GAMES(出典:gamesmarket.global)

itch.ioプロトタイプ時代からコミュニティの声を丁寧に拾ってきたスタジオだ。Early Access期間中のアップデート対応には期待が持てる。

実際のプレイはどんな感じ?――1ランの流れを追ってみる

システム解説だけ読んでもイメージが湧きにくいと思うので、実際のプレイの流れを具体的に追ってみよう。

ゲーム開始:エンティティを選んで浴場へ

ランを始めると、まず対峙するエンティティを選択する。最初は「The Corrupting One」のみがアンロックされており、3つの難易度から選んでスタートする。最低難易度から始めれば、システムを把握しながら無理なく進められる。

舞台は村はずれの浴場。ここがプレイヤーの「拠点」であり診察室でもある。暗く、埃っぽく、どこか不吉な雰囲気が漂う空間だ。BGMは低音の弦楽器と環境音が絡み合い、プレイヤーをじわじわと緊張させる。

1日目:最初の村人たちと向き合う

昼間、3〜5人の村人が浴場に並ぶ。それぞれのステータス(体力・純潔度・病気・信頼)が表示されており、誰をどの順番で治療するかを考える。

最初のうちは手持ちカードも少なく、できることが限られている。「この村人は病気が進行しているから優先すべきか」「あの村人の純潔度が低いが体力は安定しているから後回しにできるか」という判断を繰り返す。

カードをプレイするたびに村人のステータスが変化し、効果的な治療ができたときの「数値が上がる感覚」が小さな達成感を生む。ただし信頼を得ていない村人には1ターン2枚しかカードを使えないため、序盤は常に「リソースが足りない」という焦りがある。

夕方:カードを育てる判断の連続

昼間の治療が終わると、カードをアップグレードする時間になる。複数の選択肢が提示され、「このカードを強化する」「このカードを別の効果に変換する(トランスミューター)」「このカードを捨てて枚数を絞る」といった判断をする。

デッキビルダー経験者なら「デッキを薄くして引きやすくする」という考え方は馴染み深いはずだ。BLOODLETTERでも不要なカードを捨てて強いカードだけに絞る戦略は有効だが、「どのカードが村人の信頼を得やすいか」という軸も考慮する必要があり、シンプルな強さだけで判断できない場面も多い。

夜間:エンティティが動く

夜になると、The Corrupting Oneが村人に「腐敗」を拡散させる。翌朝の状態が悪化するわけで、「昨日ようやく体力を回復させた村人が、夜の間にまた悪化している」という事態が繰り返される。

この「治しても治しても悪化する」ループが、プレイヤーに独特の疲弊感と使命感を同時に与える。Turn Based Loversが「閉塞的」と表現したのはまさにこの感覚だ。でもそれが「もう1回やってみよう」という気持ちにも繋がる不思議なループになっている。

中盤:戦略が固まってくる

数日が経過してくると、デッキが育ち始め、特定の村人との信頼が積み上がってくる。「この村人の能力とこのカードの組み合わせが強い」という発見が生まれ、戦略が具体的になってくる。

このあたりでPC Gamerのライターが体験した「全員を救うか、一部を見捨てるか」という判断が迫ってくる。エンティティの攻撃が強くなるにつれて「全員を完璧に治療し続ける」ことが物理的に難しくなり、優先順位をつけざるを得ない局面が来る。そのときに「誰を犠牲にするか」という選択が、プレイヤーの中に罪悪感を生む。

この感情こそが、BLOODLETTERが他のデッキビルダーと最も異なる体験だ。

終盤:エンティティを倒す、あるいは倒される

純潔度が100に達した村人から祝福カードを獲得し、デッキに強力な切り札が加わる。このタイミングで「反撃のための戦略」が整い、エンティティへの対抗手段が見えてくる。

逆に村人が3人死亡するとランは失敗。デッキに混入した呪いカードが蓄積していく中で、「これ以上は無理だ」という瞬間が来る。でもBloodstoneは獲得しているので、次のランでは新しい要素がアンロックされている。「また挑戦しよう」という気持ちになれる終わり方だ。

Steam Deck・Mac・Linux対応について

BLOODLETTERはWindows以外のプラットフォームにも対応しており、Mac・Linux・Steam Deckでプレイできる。

Steam Deckについては「Playable(プレイ可能)」の認定を受けているが、「一部の機能に制限あり」という注記がある。ターン制のデッキビルダーという性質上、Steam Deckのコントローラー操作でも基本的なプレイは問題なく行える見込みだ。ただし細かいUIの操作や文字の視認性については、実際にプレイして確認することをお勧めする。

Mac・Linuxネイティブ対応はインディーゲームとしては珍しい対応範囲で、Windowsしか持っていないプレイヤーだけでなく、Mac環境のゲーマーも気軽に試せるのはポジティブなポイントだ。

BLOODLETTERが向いているプレイ時間帯・プレイスタイル

BLOODLETTERは「ちょっと空いた時間にサクッと遊ぶ」タイプのゲームではない。1ランあたりの所要時間は数十分〜1時間程度かかるし、「集中して戦略を考える」タイプのゲームなので、疲れているときや気が散っているときには向かない。

一方で「腰を落ち着けて1〜2時間じっくり遊ぶ」シチュエーションには非常によく合う。デッキビルダーというジャンル自体がそういう性質を持っているが、BLOODLETTERはその「じっくり感」がさらに強い。

itch.ioのプレイヤーが「3時間プレイしてまだ頭から離れない」と書いているのは、ゲームそのものの中毒性だけでなく、「プレイ後も戦略を考え続けてしまう」設計の効果でもある。「あの村人をもっと早く優先すれば良かった」「次はトランスミューターをこう使おう」という思考が、プレイ後もしばらく続く。

週末の夜に「何か良いゲームを1〜2時間腰を落ち着けて遊びたい」というシチュエーションには、BLOODLETTERはかなり良い答えを出してくれるはずだ。

BLOODLETTERが抱える「期待値管理」の課題

BLOODLETTERについて正直に話すとき、「期待値の管理」の問題は避けて通れない。

ComicBook.comが「2026年のベストデッキビルダー」と呼び、PC Gamerが「新しいお気に入り」と言う。そこまでの評価を受けると「どれだけすごいゲームなんだ」という期待値が上がりすぎる可能性がある。

現実的なところを書くと、BLOODLETTERはEarly Accessの段階で約10時間のコンテンツを持つゲームだ。デッキビルダーの大作と比べればコンテンツ量は少ない。カードの説明にあいまいな部分もある。音声演技に不自然な部分もある。

ただ、「コンセプトの斬新さ」と「実際のゲームプレイの完成度」のバランスは、Early Accessタイトルとしては非常に高い水準にある。「新しい体験ができるか」という基準で見れば、¥1,400は十分に価値のある投資だ。

「完璧なゲームを買いたい」なら1.0を待てばいい。「今すぐ新鮮なデッキビルダー体験がしたい」なら、Early Accessの今が入り時だと思う。無料デモがあるので、まずそこから試せるのが最大の強みでもある。

BLOODLETTERが「新作PCゲーム」として注目される理由まとめ

改めて、BLOODLETTERがなぜ2026年の注目インディーゲームのひとつになっているのかを整理しておこう。

  • 唯一無二のコンセプト:「攻撃でなく治癒」というデッキビルダーの根本を変えた設計
  • 感情に訴えるゲームデザイン:村人を助けたい、助けられなかった、という感情がゲームプレイと直結
  • 高品質なビジュアル:4人チームとは思えないゴシック×タロット×中世写本スタイルのアート
  • 誠実な開発体制:itch.io時代からコミュニティの声を取り入れ続けてきた姿勢
  • アクセシビリティ:¥1,400・日本語対応・無料デモあり・Mac/Linux/Steam Deck対応
  • 信頼できる開発背景:ドイツ政府機関の助成金獲得・German Computer Game Awards 2024ノミネート
  • 明確なロードマップ:2026年内の1.0リリースを目指した開発計画が公開済み

どれかひとつが飛び抜けているというより、複数の要素が合わさってBLOODLETTERの魅力を構成している。特に「コンセプト×実行力×誠実さ」の三点が揃っているインディーゲームは、意外と少ない。

よくある質問(FAQ)

Q. BLOODLETTERは難しいですか?

各エンティティに3段階の難易度が設定されており、最低難易度から始めれば初心者でもシステムを理解しながら進められる。ローグライクのメタ進行(Bloodstones)があるので、失敗しても前進できる設計だ。「全員を完璧に救おう」とすると難しくなるが、「優先順位をつけて治療する」という発想に切り替えると攻略の幅が広がる。

Q. どのくらいのプレイ時間がありますか?

Early Access版の現時点のコンテンツで約10時間が目安とされている。ただしローグライクの性質上、同じランを繰り返すことになるので、実際のプレイ時間はそれ以上になる人が多い。1.0リリースに向けてコンテンツが追加される予定なので、最終的にはさらに長くなる。

Q. 日本語でプレイできますか?

Early Accessの段階から日本語対応済み。インターフェースとサブタイトルが日本語化されている。

Q. Steam Deckで遊べますか?

「Playable(プレイ可能)」の認定を受けているが、一部機能に制限がある可能性がある。ターン制ゲームなのでコントローラー操作とは相性が良いはずだが、細かいUI操作については実際に確認してほしい。

Q. 無料デモはありますか?

ある。Steamで「BLOODLETTER Demo」として無料配信されており、97件中91%が肯定的という高評価を得ている。購入を迷っているなら、まずデモを試すのがおすすめだ。

Q. Early Accessで買うべきか、1.0を待つべきか?

開発チームの誠実な姿勢と具体的なロードマップを見る限り、Early Accessから応援するのも十分選択肢に入る。ただし現時点のコンテンツ量(約10時間)で物足りなく感じる可能性があるなら、1.0を待って完成版を楽しむのも正解だ。無料デモで判断するのが一番確実。

Q. Slay the Spireとどう違うの?

根本的な違いは「目的」だ。Slay the Spireは敵を倒すためのデッキを組む。BLOODLETTERは村人を癒すためのデッキを組む。敵との戦闘がなく、治療行為そのものがゲームプレイになっている点、そして村人の死が「ゲームオーバー」だけでなく「デッキへのペナルティ(呪いカード)」として反映される点が大きく異なる。世界観もまったく別物なので、両方持っていても役割が被らない。

BLOODLETTERが「デッキビルダー」市場で勝負できる理由

2024〜2026年のデッキビルダー市場は、正直なところ飽和気味だ。Slay the Spireの成功以降、似たようなゲームが大量に出てきて「またカード系か」と食傷気味になっているプレイヤーも多い。そんな中でBLOODLETTERはどうやって勝負しようとしているのか。

開発者のKatharina “Mikey” Müllerはインタビューでこう言っている。

「コアゲームプレイが確立タイトルと同じで独自のUSP(唯一の強み)がない場合、プレイヤーは既に所有する同じゲームの劣化版より、新しい体験を選ぶ。だから私たちは”攻撃でなく癒し”という軸に全部賭けた」

— Katharina “Mikey” Müller(Gamesmarket.globalインタビュー)

この判断は正しかったと思う。BLOODLETTERをSlay the Spireと比べても「劣化版」という印象にはならない。コアの動作原理が根本から違うからだ。

「治癒」のゲームデザインが難しい理由と、それを乗り越えた工夫

実は「癒す系デッキビルダー」は設計が難しい。攻撃系は「敵のHPを0にする」というシンプルな目標があるが、治癒系は「何をもって成功とするか」が複雑になりがちだ。

BLOODLETTERはこの問題を「4つのステータス × 信頼システム × 祝福/呪いカード」という組み合わせで解決している。特に「村人が死ぬと呪いカードがデッキに混入する」という仕組みが秀逸で、失敗のペナルティをゲームプレイに組み込むことで、治療行為に本物の緊張感を与えることに成功している。

失敗が「ゲームオーバー」という抽象的な結果だけでなく、「デッキが汚染される」という具体的・継続的な痛みに変換される。この設計のおかげで、ひとりの村人を治療するたびに「失敗したくない」という切実な感情が生まれる。

「itch.io先行公開」戦略が生んだ強固なコア層

ALDAMAMI GAMESはSteam Early Access前にitch.ioでプロトタイプを公開し、ファンコミュニティを先に作っていた。この戦略は複数の意味で効いている。

まず、itch.ioコミュニティからの具体的なバグ報告・改善提案をもとに製品版を磨くことができた。次に、既に「このゲームが好き」という層が存在した状態でSteam Early Accessをリリースできた。デモ版の91%という高評価は、この積み上げの産物だ。

インディーゲームの世界では、こうした「地道なコミュニティビルド」がリリース直後の評価に大きく響く。ALDAMAMI GAMESはそれを正しくやってきた。

ゲームの難易度について――「じっくり系」の難しさはどのくらいか

BLOODLETTERは難しいのか?という質問は多くのプレイヤーが気にするところだと思う。答えは「それなりに歯ごたえがある、ただし理不尽ではない」だ。

各エンティティ(ボス)は3段階の難易度が設定されており、まず最低難易度でシステムを理解してから、段階的に難しくしていくことができる。ローグライクとしての設計は「じわじわ強くなる」タイプで、ランに失敗してもメタ通貨「Bloodstones」が蓄積し、新しいエンティティや要素がアンロックされていく。

itch.ioのコミュニティでは「簡単に勝ててしまった」という声もある一方、PC Gamerのライターが「最初のボスと13日間の膠着状態になった」という体験を書いているように、プレイスタイルによって難易度感はかなり変わるようだ。

「全員を完璧に救おうとする」か「優先順位をつけて見捨てる判断をする」か、というプレイヤーの心理的なスタンスが難易度に直結するのが面白いところだ。これはゲームメカニクスの話だけでなく、プレイヤーの「村人を見捨てられるか」という感情的な問題でもある。

サウンドと演出――中世のダーク感を底上げする音楽

BLOODLETTERのサウンドトラックはロードマップで「拡張予定」となっており、現時点では完成版より少ないが、世界観と合った重苦しく神秘的なトーンで作られている。

アートスタイルと音楽が一致して作り出す「中世の浴場で、得体のしれない何かと戦っている」感覚は、他のデッキビルダーでは味わいにくいものだ。「遅く、緊張感があり、やや閉塞的」というターン制ラバーズの表現が言い得て妙で、サウンドがその雰囲気を支えている。

正式リリースに向けてサウンドトラックが拡充されると、没入感はさらに増すはずだ。

他のデッキビルダーとの比較――どこが同じでどこが違うか

デッキビルダー好きなら「Slay the Spireと何が違うの?」「Balatroとは?」という疑問が浮かぶはずなので、整理しておく。

タイトル 目的 トーン プレイ感
BLOODLETTER 村人を癒してエンティティを倒す 重い・閉塞的・ホラー じっくり・緊張感重視
Slay the Spire 2 敵を倒してボスに挑む ダーク・ファンタジー 爽快感・コンボ重視
Balatro ポーカーで点数を稼ぐ カジュアル・ポップ スピード感・中毒性
Hades II アクションでボスを倒す 神話・ダーク アクション性・爽快感

BLOODLETTERが「癒し」という軸で立つことで、既存のデッキビルダーとはプレイ感が根本的に違う。「また同じゲームをやる感じがして買う気が起きない」という人でも、BLOODLETTERなら新鮮な体験ができる可能性が高い。

Slay the Spire 2と両方持っていても「役割が被らない」のが強みだ。

荒削りな部分も正直に書く

良い点ばかり書いても読者の役に立たないので、現時点での課題も整理しておく。

まだ磨き途中な点

  • カード説明のあいまいさ:「must discard(必ず捨てる)」と「may discard(捨ててもよい)」の区別が分かりにくいカードがある
  • UIの細かい問題:カーソルがカードのテキストを隠してしまうことがある。フォントが小さいという声も
  • スペルミス:英語版の一部カードにスペルミスが残っている(Early Access段階なので修正予定)
  • オープニングの音声:イギリスアクセントの演技が一部で不自然という指摘あり
  • コンテンツ量:約10時間というプレイ時間は、ローグライク好きには「もっと遊びたい」と感じる人もいるかもしれない

ただ、これらはEarly Accessという段階を考えると許容範囲内だし、開発チームが積極的にフィードバックを取り入れている姿勢を見れば、正式リリースまでに改善される可能性は高い。

合わない人もいる

「爽快感があるアクション性のあるデッキビルダーが好き」という人には、このゲームのトーンは合わないかもしれない。BLOODLETTERは全体的に「重く、遅く、プレッシャーがかかり続ける」タイプのゲームだ。「聞く・観察する・最悪の選択をする」というTurn Based Loversの表現は言い得て妙で、爽快感より閉塞感・緊張感を楽しめる人向けだ。

プレイヤーたちの声

実際にプレイした人たちの声を、もう少し聞いてみよう。

「コンセプトはめちゃくちゃクールで、アートスタイルのせいでスクリーンショットを部屋中に貼り付けたくなるくらいだ。今や私の新しいお気に入りのデッキビルダーになった」

— PC Gamer(出典:pcgamer.com)

「2026年のベストデッキビルダーはまだあなたが知らない作品。アートスタイルはカード1枚1枚から背景・エフェクトに至るまで詳細に作り込まれており、再プレイ性はSlay the Spire 2に匹敵する」

— ComicBook.com(出典:comicbook.com)

「アートと世界観が圧倒的。キャラクターデザインが独特で素晴らしい。タロットカードのテーマとすごく合ってる。このプロトタイプは完全なゲームのための完璧な基盤だと思う」

— itch.ioプレイヤー(出典:aldamami-games.itch.io/bloodletter)

「BLOODLETTERは中世の理髪外科医からインスパイアされたデッキビルダーとして印象を残そうとしており、Early Accessの段階でもそれをほぼ実現している」

— COGconnected(出典:cogconnected.com)

こんな人におすすめ——買うべきか迷っている人へ

BLOODLETTERが刺さりそうな人と、そうでない人を正直に書いておく。

買って後悔しないと思う人

  • 『Slay the Spire』や『Monster Train』が好きで、次の新鮮な体験を探している
  • 中世・ダークファンタジー・タロット的な世界観が好き
  • 「癒す」という行為に感情的な重みを感じられるプレイヤー
  • 重くて緊張感のある、じっくりプレイするゲームが好き
  • インディーゲームの開発初期から応援するのが好き
  • ¥1,400という価格帯で良質な体験を求めている

少し様子を見てもいいかもしれない人

  • 爽快感・スピード感のあるデッキビルダーが好き
  • コンテンツ量が多いゲームを好む(現在約10時間)
  • Early Accessのバグや未完成要素が気になる
  • 1.0完成版を待ってから遊びたいタイプ

無料デモが配信されているので、迷っている人はまずデモを試してみるのが一番だ。97件中91%が「非常に好評」のデモを遊んで感触を確かめれば、自分に合うかどうかがわかる。

同じデッキビルダー系で比較検討するなら、正統続編として同時期にEarly Accessが始まった『Slay the Spire 2』も要チェックだ。

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itch.ioとSteamの2段階リリースが示すインディー開発の新しいかたち

BLOODLETTERの軌跡は、現代のインディーゲーム開発のひとつの理想形を示している。大手パブリッシャーの資本なしに、どうやって良いゲームを世に出すか――その答えのひとつがここにある。

itch.ioはゲーム開発者にとって非常に敷居の低いプラットフォームだ。審査なしで無料でゲームを公開でき、コミュニティからのフィードバックも直接受け取れる。ALDAMAMI GAMESはここにプロトタイプを置いて、実際にプレイしてくれた人の声を集め続けた。

itch.ioのコメント欄に残っている声の中には、バグ報告だけでなく「このシステムが好き」「こういう要素を足してほしい」という建設的なフィードバックが多い。開発チームはこうした声を参考にしながら、ゲームを磨き続けた。

そしてGerman Computer Game Awards 2024のノミネートとMedienboard Berlin-Brandenburgの助成金獲得で開発基盤を固め、Steam Early Accessへ。リリース初日にPC GamerやComicBook.comが取り上げ、デモ版は「非常に好評」の評価を獲得した。

この流れは偶然ではなく、丁寧なコミュニティビルドと開発の積み上げの結果だ。「突然現れて大ヒット」ではなく、「じっくり育てて信頼を積んでリリース」というアプローチが、初日からの高評価につながっている。

インディーゲームを追いかけている人にとって、BLOODLETTERはゲームとしてだけでなく「こういう作り方が成功する」という事例としても興味深い一作だ。

システム要件――低スペックPCでも動く

BLOODLETTERのシステム要件は決して重くない。インディーゲームらしく、比較的幅広い環境で動作する。

項目 最小要件
OS Windows 7 64bit以上
プロセッサ Intel Core i7-4500U
メモリ 4GB RAM
ストレージ 5GB

最小要件がIntel Core i7-4500U(2013年発売の第4世代Core i7)というのは、かなり古いCPUまでカバーしていることを意味する。「ゲーミングPCじゃないと動かない」という心配はほぼ不要で、それなりのスペックのノートPCでも問題なく動作するはずだ。

ターン制のデッキビルダーというジャンル上、グラフィックに高い処理能力は必要ない。リッチなアートスタイルを持ちながらも動作が軽い、という点はインディーゲームならではの強みだ。

まとめ——BLOODLETTERは「次のお気に入りデッキビルダー」になりうる

BLOODLETTERをひと言で表すなら、「デッキビルダーの文法で感情を動かすゲーム」だ。

攻撃ではなく治癒を中心に設計されたシステム、タロット×中世医学×ラヴクラフト的ホラーという唯一無二の世界観、そして村人ひとりひとりを助けようとする中で生まれる感情的な重み。Slay the Spire以降に出てきたデッキビルダーの中でも、これだけ「なぜ遊ぶか」という動機の部分が丁寧に作られた作品は珍しい。

ベルリンの4人チームが学生時代のプロトタイプから積み上げ、ドイツ政府機関の助成金を獲得し、German Computer Game Awards 2024にノミネートされ、そして2026年3月にSteam Early Accessに辿り着いた。その過程が作品のクオリティとコミュニティへの誠実さに現れている。

¥1,400で無料デモあり、日本語対応済み。デッキビルダー好きなら試さない理由はない。

1.0正式リリースでさらに磨かれた完成版が出る前に、Early Accessで開発の過程を一緒に楽しむのも悪くない選択肢だ。

HTWベルリンで出会った4人が、学生プロジェクトから始め、助成金を取り、デモを磨き、Steam Early Accessにたどり着いた。そしてPC Gamerに「お気に入り」と言わせた。このストーリー自体が、BLOODLETTERというゲームに重なって見える——小さな力で大きな悪に立ち向かう、理髪外科医の話として。

BLOODLETTERの基本リンク

ローグライク好きなら、同系統のゲームとして吸血鬼と戦うカジュアルなサバイバルゲームもあわせてどうぞ。

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呪血医

ALDAMAMI GAMES
リリース日 2026年3月30日 新作
早期アクセス
同時接続 (Steam)
7
2026/04/28 アジア圏ゴールデンタイム計測
レビュー
106 知る人ぞ知るゲーム
81.1%
全世界
非常に好評
106件のレビュー
👍 86 👎 20
100%
不明
3件のレビュー
👍 3 👎 0
価格¥1,400
開発ALDAMAMI GAMES
販売ALDAMAMI GAMES, Gamersky Games
日本語非対応
対応OSWindows
プレイ形式シングル