Monster Train 2|列車を守り天界を制す、デッキ構築×タワーディフェンスの最高傑作
「もう1ランだけ」という言葉は、ローグライク系ゲームのプレイヤーが一度は口にする呪文だ。Monster Train 2をプレイし始めると、この呪文を唱える頻度が異常に上がる。
3階建ての列車を舞台に、天界の軍勢から最下層にある「パイア(ご神体)」を守り抜く。これだけ聞くと単純なタワーディフェンスに聞こえるが、Monster Train 2はデッキ構築ローグライクの要素を深く組み込んだ、複雑さと直感的な面白さを同時に持つゲームだ。どのカードをデッキに加え、どのユニットをどのフロアに配置し、どのタイミングでスペルを放つか。毎ランごとに変わるランダム性の中で、最適解を探し続ける緊張感と達成感が病みつきになる。
開発はShiny Shoe。前作「Monster Train」で確立した「列車を守るデッキ構築ローグライク」という独自フォーマットを、新たなクラン、新たなカードタイプ、新たなゲームモードで大幅に拡張したのが本作だ。2025年5月21日にSteamでリリースされ、発売直後から「圧倒的に好評」(95%以上の好評率)を記録。OpenCriticでは平均88点でトップ2%にランクインという驚異的な評価を得た。
価格は通常2,800円(税込)で、日本語に完全対応している。単体で数十時間は余裕で遊べる密度を持ちながら、やり込めばやり込むほど新たな発見がある奥深さもある。この記事ではMonster Train 2の魅力を全力で解説していく。
こんな人に向いているゲーム

Monster Train 2は、すべてのゲーマーに向いているわけではない。ハマる人にはとことんハマり、合わない人には合わない、という個性的なゲームだ。まず自分がどのタイプかを確認しておくといい。
こんな人には強くおすすめする
Slay the SpireやDicey Dungeonsのようなデッキ構築ローグライクに触れたことがある人には、ほぼ確実に刺さる。カードを選ぶ喜び、シナジーを発見する快感、ビルドが噛み合ったときの爆発的な強さ——そういったデッキ構築の面白さを知っている人は、Monster Train 2をプレイし始めたら止まらなくなる可能性が高い。
「防衛ゲームが好きだけど、ただタワーを置くだけでは物足りない」という人にも強くすすめたい。Monster Train 2のタワーディフェンス要素は、カードゲームの戦略性と密接に絡み合っている。「このフロアにこのユニットを置いて、このスペルでサポートして、チャンピオンの能力をこのタイミングで使う」という立体的な判断が求められるため、純粋なタワーディフェンスよりもはるかに思考を刺激する。
複数の選択肢を組み合わせてオリジナルビルドを作るのが好きな人にも最適だ。5つのクランから2つを選んでデッキを構築するシステムは、その組み合わせだけで10通り以上ある。さらにチャンピオン、パイアハート、ルームカード、装備カードといった要素が加わると、理論上の組み合わせ数は膨大になる。「自分だけの最強ビルドを見つける」という楽しみが尽きない。
毎日少しずつ楽しみたい人にもぴったりだ。1ランが30〜60分程度で完結するため、仕事や学校の合間にちょうどいい長さでプレイできる。デイリーチャレンジも用意されており、毎日フレンドや世界中のプレイヤーとスコアを競えるのも継続的にプレイする動機になる。
前作「Monster Train」をプレイして面白かった人はもちろん、本作が初めてという人にも十分おすすめできる。チュートリアルが丁寧で、前作の知識がなくても問題なくプレイできる。
こんな人には向いていないかもしれない
ランのリセットが根本的にストレスになる人には向いていない。Monster Train 2はローグライクなので、ランが失敗すれば最初からやり直しだ。「せっかく積み上げたのにリセットされた」という感覚がどうしても受け入れられない人は、このゲームを楽しむのが難しいかもしれない。
アクション要素を求めている人にも向いていない。Monster Train 2はカードゲームであり、戦闘はすべて自動で進行する。「自分のアクションで局面を打開したい」という感覚を求めている人には物足りなさを感じるだろう。
難易度が高めという点も正直に伝えておく。特に上位の盟約(難易度設定)に挑むと、かなりの知識と経験が必要になる。「ゲームは最初から勝ちたい」という人には、序盤から壁を感じる可能性がある。ただし、難易度は段階的に上げていけるので、最初は低難易度でシステムを覚えながら進めることができる。
Monster Train 2の概要

Monster Train 2はShiny Shoeが開発・販売するデッキ構築型ローグライクだ。2025年5月21日にSteam、PlayStation 5、Nintendo Switch、Xbox Seriesで同時リリースされた。SteamのAppIDは2742830で、価格は通常2,800円(税込)。日本語に完全対応している。
ゲームのジャンルは「デッキ構築+タワーディフェンス+ローグライク」という組み合わせで、これ以外に適切な言い方がないほど独自性が高い。3階建ての列車の各フロアにユニットを配置し、敵の波状攻撃から最下層のパイアを守りながら、同時にデッキを強化して次の戦いに備える。この「列車防衛×デッキ構築」という組み合わせは前作から引き継がれたコアコンセプトで、Monster Train 2ではそこに新たなクラン、新たなカードタイプ、新たなモードが加わった。
評価面では非常に高い水準を記録している。Steamでは発売直後から95%以上の好評率を維持し、OpenCriticでは88点平均で52人以上の批評家からのレビューを集め、全ゲームのトップ2%にランクインした。IGNは9点、PC Gamerは91点という高評価を付けており、Metacriticも90点を記録している。「デッキ構築ローグライクジャンルの最高傑作」と評した批評家も複数いた。
前作Monster Trainは2020年にリリースされ、こちらも同様に高い評価を受けた作品だ。本作はその続編として、前作の世界観を引き継ぎながら、完全に新しい5つのクランと大幅に拡張されたシステムを採用している。前作をプレイしていなくても楽しめるが、前作を知っていると世界観やシステムの進化をより深く楽しめる。
プレイ時間は1ランあたり30〜60分程度が目安だ。クリアだけ目指すなら数ランで十分だが、全クランの組み合わせを試したり、高難易度の盟約(コヴェナント)に挑んだり、DLCの「Destiny of the Railforged」まで含めると、数百時間遊べるコンテンツ量がある。
開発元Shiny Shoeについて
Shiny Shoeは2011年設立のサンフランシスコを拠点とするインディーゲームスタジオだ。Monster Trainシリーズの前には「Inkbound」というマルチプレイアクションローグライクを制作しており、ローグライク系ゲームに強いスタジオとして知られている。前作Monster Trainのデザインを高く評価するプレイヤーコミュニティからの期待を受け、本作ではシステムの完成度をさらに高めた。
Steam上ではリリース後も継続的なアップデートを続けており、2025年末にはDLC「Destiny of the Railforged」をリリース。新たなクランであるRailforgedと新モードが追加され、ゲームのコンテンツがさらに拡充された。
ゲームシステムの詳細
Monster Train 2のゲームシステムを理解することが、このゲームを楽しむための第一歩だ。複雑に見えるが、基本的な仕組みをつかめば、あとはどんどん面白くなっていく。
基本的なゲームの流れ
1ランの流れはこうだ。まずクランを2つ選択し(メインクランとサブクラン)、スターターデッキを手に入れる。次にパイアハートを選んで列車の基本性能を決める。そこからランが始まり、複数の戦闘を経ながら列車が天界へと向かう。最終的にボスである「セラフ」を倒せばランクリアだ。
各ステージ(リング)は複数の戦闘から構成されており、戦闘と戦闘の合間に、カード追加・アップグレード・ショップ・イベントなどの選択肢が現れる。ここでデッキを強化しながら進んでいく。戦闘でパイアのHPがゼロになるとランが終了し、最初からやり直しだ。
戦闘は各フロアで並行して進行する。敵は入口から侵入し、フロアに配置されたユニットと戦いながら前進する。フロアのユニットが全滅すると、敵は次のフロアへと進む。すべてのフロアを突破されてパイアに攻撃が届くとダメージを受ける。パイアのHPを最後まで守り抜くのが目標だ。
3フロア構造と戦術的配置
列車は3階建てで、最下層にパイアが存在する。各フロアには一定数のユニットを配置でき、そのフロアに配置されたユニットが侵入してきた敵と戦う仕組みだ。重要なのは「どのユニットをどのフロアに配置するか」という判断で、これがMonster Train 2の戦術的な核心部分だ。
例えば、耐久力の高いタンク系ユニットは1フロアや2フロアに配置して時間を稼ぎ、高火力のアタッカーやチャンピオンは3フロアに置いて安全に力を蓄えるという戦術が基本になる。チャンピオンは戦闘開始時に自動的に手札に加わるため、3フロアにいる状態でスタックを積んでから活躍させるパターンが多い。
各フロアには「ルームスペース」という制限があり、配置できるユニットの数が決まっている。ランの進行に応じてルームスペースを拡張する選択肢が出ることもあり、どのタイミングで拡張するかも戦略の一部だ。
デッキ構築の仕組み
デッキはカードで構成され、大きくユニットカードとスペルカードに分かれる。ユニットカードはフロアにモンスターを召喚するカード、スペルカードは即時効果を発揮する魔法や技だ。戦闘中は毎ターン手札が配られ、エナジー(マナ)を消費してカードをプレイする。
本作から新たに「ルームカード」と「装備カード」という2種類が追加された。ルームカードは列車の各フロアに恒久的なボーナスを付与するカードで、特定の条件を満たすと強力な効果を発揮する。装備カードはユニットに装着して使うカードで、そのユニットのステータスを強化したり特殊能力を付与したりする。これらの新カードタイプがデッキ構築の幅を大きく広げている。
デッキの枚数管理も重要だ。カードは多ければ多いほどいいわけではなく、枚数が増えると「欲しいカードを引く確率」が下がる。不要なカードは捨てる(除外する)選択肢も随所に登場するため、デッキの質を高めることを意識しながらプレイするといい。
クランとチャンピオンシステム
ランの開始時に2つのクランを選ぶ。1つ目がメインクラン、2つ目がサブクランだ。メインクランからはそのクランの「チャンピオン」と主要なカードプールが提供される。サブクランはチャンピオンなしで、カードとユニットの選択肢だけが追加される。
チャンピオンは特別なユニットで、毎回の戦闘開始時に手札に加わる。コスト無料でプレイできるため、デッキのエンジンとして機能する。ランの進行中にチャンピオンを「アップグレード」する選択肢が出現し、複数の進化ルートから1つを選んでチャンピオンを強化できる。どの方向に育てるかがビルドの方向性を決める重要な判断だ。
2クランを組み合わせることでシナジーを生み出すのが、このゲームのデッキ構築の醍醐味だ。例えばPyreborneのドラゴンヒープで溜めた財宝をLazarus Leagueの調合系カードと組み合わせたり、Banishedのヴァラースタックをアグレッシブに伸ばしながらLuna Covenの月魔法でサポートしたりと、クラン同士の相性を探る楽しさが尽きない。
5つの新クラン詳細
Monster Train 2には5つの新クランが登場する(DLCでRailforgedが追加されている)。それぞれの特徴を解説しよう。
Banished(追放者)は天使と聖歌隊から成るグループで、本作のストーリー上でもメインとなるクランだ。キーメカニクスは「ヴァラー(Valor)」というバフで、戦闘を経るたびにユニットが鎧とダメージを積み上げていく。前線で戦いながらどんどん強くなる正統派フィジカルクランだ。初心者にも比較的とっつきやすく、ゲームを覚える最初のクランとしてもおすすめされることが多い。チャンピオンのフェルは戦闘ごとにヴァラーを稼ぎ、長い戦いになるほど頼れる存在になる。
Pyreborne(パイアボーン)は龍族の一派で、かつては敵対関係にあったが本作では同盟相手となっている。富と強さが直結する設定通り、「ドラゴンヒープ」という財宝を積み上げることでユニットを強化するシステムが特徴だ。また「パイアジェル」を敵に付与すると、すべての攻撃のダメージが増加する。ゴールドをうまく使いながら財宝を積み上げ、後半に向けて爆発的なスケーリングを目指すスタイルだ。
Luna Coven(ルナ・コヴェン)は月光と魔法を操る魔女たちのグループで、「月フェーズ(Moon Phase)」と「コンジット(Conduit)」スタックを中心に動く。月のフェーズによってカードの効果が変化し、コンジットを積み上げることでスペルが強化される。ゲームの中でも特にユニークなメカニクスを持つクランで、スペル主体のデッキを好む人や、ちょっとクセのある動かし方に挑戦したい人に向いている。
Underlegion(アンダーレギオン)はキノコ系生物を操るクランで、「腐敗(Decay)」と「再生(Regen)」のサイクルが特徴だ。ユニットが腐敗してHPが尽きると死ぬが、その後に再生能力が発動して復活するというユニークなメカニクスがある。一度死んでまた戦える不死身の軍団を作り上げる戦術が楽しい。ただしシナジーの把握に少し時間がかかるため、慣れるまでは中級者向けという印象だ。
Lazarus League(ラザラスリーグ)は狂気の科学者集団で、有害ながらも治癒効果を持つ化合物を使って戦う。キーメカニクスは「ミックス(Mix)」で、複数の薬品効果を組み合わせることで予想外のシナジーが生まれる。非常に汎用性が高く、他のクランとの組み合わせでも機能しやすいため、上級者に好まれることが多い。何でも使えるがゆえに「最適解」を探す難しさもある。
パイアハートシステム
パイアハートはランの開始時に選ぶ「列車の心臓部」だ。通常の選択肢のほかに、特殊な能力や制約を持つパイアハートも存在する。例えば「スピリット」は毎ターン各フロアの先頭ユニットを回復させる効果を持ち、タンクを中心にしたビルドと相性がいい。「ドミニオン」はスチュワードとスターターカードを取り除いて代わりにドラフトパックを引けるという過激な仕様で、高リスク高リターンのビルドが目的のプレイヤーに向く。「エントロピー」はデッキに「ヴェンジェフルシャード」を追加するという独自メカニクスを持つ。
パイアハートの選択はランの方向性を大きく変えるため、クランの選択と同じくらい重要な決断だ。慣れてきたら様々なパイアハートを試して、自分のプレイスタイルに合う組み合わせを探してみよう。
難易度システム(盟約・コヴェナント)
Monster Train 2の難易度はコヴェナント(盟約)と呼ばれるシステムで管理される。最初はコヴェナント0(最低難易度)から始まり、クリアするたびに上位のコヴェナントに挑戦できるようになる。各コヴェナントでは新たな制限や強化された敵が追加され、戦略の幅と深みが増す。
コヴェナント10が基本的な「高難易度」の目標とされており、これをクリアすることで相当なゲームへの理解が身につく。さらにその上にも難易度が続いており、真の挑戦はコヴェナント25やそれ以上の水準にある。「圧倒的な強さを持つビルドを作れるようになってから上を目指す」というサイクルが長期間楽しめる。
エンドレスモードとその他のモード
本作から追加されたエンドレスモードは、通常のランをクリアした後にそのまま戦い続けられるモードだ。ボス「セラフ」を倒した後も、現在のデッキとユニットを持ったまま戦闘を続け、どこまで突き進めるかを試せる。「せっかく作った最強ビルドで、もっと戦いたい」というプレイヤーのニーズに応えるモードで、完璧に仕上がったランの「後日談」を楽しめる。
ディメンショナルチャレンジは、固定のクラン・チャンピオン・パイアハート・ミューテーターが設定された特殊なランに挑むモードだ。決められた条件の中で最高のビルドを組み上げる制約プレイが楽しく、制限プレイが好きな人には特に向いている。世界中のプレイヤーと同じ条件でスコアを競えるため、コミュニティとのつながりも生まれる。
デイリーチャレンジは毎日更新される特定条件のランで、グローバルランキングと友達ランキングで自分の腕前を確認できる。毎日プレイする理由を作ってくれる優秀なモードだ。
ログブックとアンロックシステム
ログブックはゲーム内の百科事典的な存在で、敵の情報、カードの詳細、過去のラン成績などを確認できる。本作ではログブックが大幅に強化され、敵の能力や弱点を事前に確認できるようになった。知らない敵に突然やられるという理不尽を減らしてくれる親切な設計だ。また「コレクション目標」という機能が追加され、何を解放したらいいか、次に何を目指すべきかが一目でわかるようになっている。
アンロックシステムはランを重ねることでカードやユニットが解放されていく仕組みだ。最初から全カードが使えるわけではなく、ランを積み重ねることで選択肢が増えていく。「また新しいカードが使えるようになった」という発見が継続的なモチベーションになっている。
Monster Train 2が人気な理由

Metacritic90点、OpenCritic88点、Steamレビュー95%超え。これだけの評価を得る理由は何か。実際にプレイしてみると、その答えは明確だ。
「3フロア同時防衛」という独自の戦略空間
多くのデッキ構築ローグライクでは、戦場は基本的に「自分 対 敵」の一方向だ。しかしMonster Train 2では、同時に3フロアを管理しなければならない。敵は全フロアに同時に攻め込んでくるため、「フロア1は壁役で足止め」「フロア2は回復拠点」「フロア3はチャンピオン中心の決戦場」といった立体的な戦略が必要になる。
この多層構造が、他のデッキ構築ゲームにない独自の緊張感を生み出している。「全フロアに均等に戦力を分散させるか、フロア3に集中して突破されても食い止めるか」という判断が毎戦闘求められる。この空間的な戦略性がMonster Train 2の最大の個性だ。
シナジーの爆発力とビルドの完成形
デッキ構築ゲームの快感は「シナジーが噛み合ったときの爆発力」にある。Monster Train 2はこれが特に気持ちいい。前半のランでは「なんとかこなしている」という状態でも、中盤から後半にかけて正しくカードが揃っていくと、後半の戦闘で「あれ、なんか強すぎない?」という瞬間が来る。ユニットのスタックが積み上がり、スペルが連鎖し、チャンピオンが一瞬で敵を一掃する。この爆発的な感覚がクセになる。
同じクランの組み合わせでも、どのカードを選んでどう育てたかによって全く違う「完成形」が生まれる。「このビルドは前に試したやつより強い」「この組み合わせは初めて試したけど相性最高だった」という発見の連続が、プレイ時間を吸い込んでいく。
前作を大幅に超えたコンテンツ量
「Monster Train 2は前作に縛られることなく、新しいシステムと大量のコンテンツで完全にリフレッシュされた。デッキ構築ローグライクのベンチマークを新たに打ち立てた傑作だ。」
— Metacritic掲載レビューより
前作Monster Trainで完成度を高めたコアシステムをベースに、本作では5つの完全新設計クランを投入した。新クランはそれぞれ前作にはなかった独自メカニクスを持っており、既存のMonster Trainプレイヤーでも「これは見たことがない」という新鮮さがある。ルームカードと装備カードという2つの新カードタイプも、デッキ構築の選択肢を大きく広げた。
カード総数は前作から大幅に増えており、数百枚以上のカードが存在する。全クランのコンビネーションを試しながら、自分なりの最強構成を見つける作業だけで数十〜数百時間はゆうに遊べる。
リプレイ性の設計が丁寧
ランダム性の設計が上手い。毎ランで提示されるカードや選択肢はランダムだが、完全にランダムなのではなく「その時点で役に立てる可能性が高いもの」が提示されやすくなっている。つまり「運に頼りきらず、スキルとアダプテーション力が試される」ランダム性だ。
盟約システムも継続プレイの動機付けとして優秀だ。「コヴェナント10をクリアできたから次は20を目指す」という段階的な挑戦目標が常に存在し、「もう十分やった」と感じにくい構造になっている。エンドレスモードやデイリーチャレンジと合わせて、長期的に楽しめる設計だ。
批評家と一般プレイヤー両方から高い評価
「批評家は好評でもユーザーには不評」「ユーザーには好評でも批評家には評価されない」というゲームは珍しくない。しかしMonster Train 2はその両方から高い評価を受けている。Metacritic90点というプロ批評家の評価と、Steam95%超えというユーザー評価が同時に成立しているのは、このジャンルでも珍しい。専門的な観点から見ても、実際にプレイした感覚としても、面白いと思えるゲームということだ。
世界観とアートの完成度
Monster Train 2の世界観は独特だ。地獄の悪魔たちと天界の追放者が同盟を組み、腐敗した天界を修復するために戦う——この設定が、ゲームに深みを与えている。各クランのビジュアルデザインは一目見て個性がわかる作りで、Banishedの神聖な天使戦士、Pyreborneの傲慢なドラゴン一族、Luna Covenの神秘的な魔女集団といったキャラクターが、カードのイラストやユニットアニメーションで生き生きと表現されている。
BGMも戦闘の緊張感を高める優秀な仕事をしている。フロアに敵が迫ってくるときの重厚な音楽と、ビルドが完成して余裕が出てきたときの感覚のマッチングが心地いい。
注意点と気になるところ
高評価のゲームほど、購入前に「自分にも合うか」を確認することが大事だ。Monster Train 2にはいくつかの点で注意が必要な要素がある。
難易度の学習曲線は急め
チュートリアルは丁寧だが、「デッキ構築の深みを理解すること」には相応の時間がかかる。最初の数ランは「なんとなくクリアできた」「なんとなく負けた」という感覚が続くかもしれない。どのカードが強くてどのカードが弱いか、どのフロア配置が有効かを掴むまでには、ある程度の試行錯誤が必要だ。
特に高難易度のコヴェナントに挑む段階になると、敵が強くなる一方でデッキの質を高めることがより厳しく求められる。「難しいのでは?」という感覚が出てきたら、難易度をいったん下げてシステムを復習するのが正攻法だ。
上位難易度でのバランス議論
コヴェナントの上位(特にコヴェナント25以上)では「ダメージが足りない」「敵のHPが高すぎる」という議論がコミュニティで見られる。すべてのクランの組み合わせが均等に機能するわけではなく、相性の悪い組み合わせを引くと突破が難しいランになることもある。完璧なバランスを求める人にはやや気になる点かもしれない。ただし前作と比べると大幅に改善されているとの評価も多い。
前作と比較した新鮮味の評価
一部の前作プレイヤーからは「大規模な追加DLCのように感じる部分もある」という意見がある。コアのゲームプレイループは前作と共通しており、「完全に新しいゲームとは言えない」という視点だ。ただしこれは「前作が好きな人にもそのまま刺さる」ということでもある。前作をプレイしたことがない人には関係のない話で、本作単体では十分な完成度と新鮮さがある。
タイタン戦の引き伸ばし感
「タイタンが2体いる状況で、どちらも残りHPが1になってからの処理に数ターンかかるのは改善してほしい。実質的に勝ちが確定しているのに待つ時間が長い。」
— Steamコミュニティフォーラムより
タイタン戦(ボス戦の一形態)では、複数のボスが同時に存在する場面がある。全ボスのHPをゼロにするのが目標だが、最後の数ターンは「勝ち確定でも待たなければならない」という状況が生じることがある。この点はコミュニティでも改善要望が出ている。ゲームプレイ全体に占める割合は小さいが、快感を削ぐ場面ではある。
英語でのコミュニティ情報が主流
ゲーム内は日本語に対応しているが、攻略情報や詳細なビルド解説はまだ英語圏が中心だ。カードの日本語訳がわかりやすいため、プレイ自体に支障はほとんどないが、「詳しいビルド解説を読みたい」という場合は英語情報にあたる必要が出てくる場面もある。
初心者向けアドバイス

Monster Train 2を初めてプレイする人が、最初の壁をスムーズに乗り越えるためのアドバイスをまとめた。経験者の目線から見ると「これを最初に知っていれば」と思うポイントばかりだ。
最初のクランはBanished+もう1つから始めよう
初プレイはBanished(追放者)をメインクランにすることを強くすすめる。Banishedの核心メカニクスである「ヴァラー」は動作が直感的で、「戦闘を重ねるほどユニットが強くなる」というシンプルな強さがわかりやすい。チャンピオンのフェルも扱いやすく、デッキの動かし方を掴みやすい。
サブクランは最初はPyreborneかLazarus Leagueがおすすめだ。Pyreborneはゴールドを絡めた仕組みが楽しく、Lazarus Leagueはどんなデッキにも合わせやすい汎用性がある。一度慣れたら様々な組み合わせを試してみよう。
デッキを太らせすぎない
デッキ構築ゲームの初心者が陥りやすいのが、「強そうなカードを全部入れる」という罠だ。デッキが太くなると、本当に必要なカードを引く確率が下がる。「このカードは今のデッキに合っているか」を毎回意識して、合わないカードを入れないか、入れてしまったカードを除外していくことが重要だ。
カード除外は各ランを通じて選択肢として出てくる。一定のゴールドや代償を払ってもカードを除外するメリットは大きい。「デッキから弱いカードを1枚除くためにゴールドを払う」という判断は、積極的に行うべきだ。
チャンピオンをデッキの核心にする
チャンピオンは毎戦闘スタートに手札に加わる特殊なユニットだ。このチャンピオンの能力に合わせてデッキを構築していくと、シナジーが生まれやすい。例えば「チャンピオンが攻撃するたびにバフが乗る」タイプのチャンピオンなら、攻撃回数を増やすカードやスペルを積極的に取るといい。
チャンピオンの進化(アップグレード)はランの途中で選ぶ機会がある。どちらの方向に育てるかは、その時点のデッキの状態を見て判断しよう。「デッキに何が多いか」を意識した進化選択が大事だ。
フロア3にチャンピオンを置こう
前述の通り、チャンピオンは戦闘開始時にフロア3にいる状態でスタートするのが基本だ。フロア1・2は消耗品として使い、フロア3でチャンピオンを中心にした主力部隊を作る。この配置が基本的に安定する。もちろんクランや状況によって例外はあるが、最初はこの配置を基本パターンとして覚えておくといい。
ルームスペースの拡張を優先しよう
戦闘後の選択肢に「ルームスペース拡張」が出たら、基本的に優先していい。フロアに置けるユニット数が増えることで、戦力が大幅に安定する。特に序盤〜中盤のうちにフロア3のスペースを広げておくと、後半の戦闘が大幅に楽になる。
直接ダメージスペルを最低1枚は入れておく
ゲームの後半や高難易度では、ユニットだけでは対処できない敵(後衛にいるヒーラーや特殊能力持ち)が登場する。直接ダメージを与えるスペルを最低1枚デッキに入れておくことで、そういった状況を打開しやすくなる。「ユニットだけで戦えばいい」と思っていると意外なところで詰まることがある。
負けから学ぶ習慣をつけよう
ランが失敗したとき、「どこで間違えたか」を1分でも振り返る習慣をつけると上達が早い。「フロア1が突破されたのはなぜか」「デッキにスペルが少なかったか」「チャンピオンの進化方向が間違っていたか」といった点を考えるだけで、次のランでの判断精度が上がる。ログブックには過去ランの記録も残っているので、見直しに活用しよう。
ディメンショナルチャレンジで強制的に新しい組み合わせを試そう
「いつも同じクランばかり使ってしまう」という人には、ディメンショナルチャレンジがおすすめだ。クランとチャンピオンが固定される代わりに、「普段は選ばない組み合わせ」を強制的に試せる機会になる。慣れないクランの動かし方を学ぶ最良の練習場だ。
Monster Train 2が気になる人に合わせて紹介したいゲーム
Monster Train 2が面白いと感じる人には、似た方向性の楽しさを持つゲームが他にもある。いくつかを紹介しよう。
タワーディフェンス的な防衛と戦略性を別の角度から楽しみたい人には、The Last Spellがおすすめだ。最後の魔法使いとして夜の波状攻撃から街を守るRPG×タワーディフェンス×デッキ構築で、Monster Train 2と似た「戦略的防衛」の緊張感がある。
ローグライク要素が好きで、もっとアクション寄りのゲームも試したい人にはDeadzone: Rogueが向いている。FPSとローグライトを組み合わせたゲームで、ビルドを組む楽しさとFPSの操作感が融合している。
カードゲームの要素をもっと純粋に楽しみたい人にはBackpack Battlesもいい選択肢だ。バックパックにアイテムを詰め込んでオートバトルするゲームで、「組み合わせを考える楽しさ」という点ではMonster Train 2と共通した面白さがある。
大量の敵を自動的に処理しながらビルドを組み上げる楽しさが好きなら、Deep Rock Galactic: Survivorも試してみよう。バレットヘル×ローグライトの組み合わせで、「ビルドが完成したときの爆発力」という快感の方向性が近い。
ローグライク要素があるゲームで、もっとビジュアルが独特なものを試したい人にはNoitaが面白い。物理演算ベースのローグライクで、まったく別方向の「実験と発見」の楽しさがある。
ストラテジー要素が好きで、もう少し長期的な思考を楽しみたい人にはBattle Brothersもおすすめだ。傭兵団を率いて戦術的な戦いを繰り広げるRPG×ストラテジーで、「組み合わせと配置の妙」という点では共通する面白さがある。
カードゲームとしての戦略深度を求めるなら、Path of Exileのビルド構築要素も近い感覚を持つかもしれない。スキルジェムの組み合わせという形でビルドを作り込む楽しさは、Monster Train 2のデッキ構築と感覚が近い人もいる。
タワーディフェンス的な守り方が面白いと感じた人には、Temtem: Swarmも試してみよう。バレットヘル×ローグライトの構造で、「自分だけのキャラクターを育てながら波状攻撃を耐えぬく」楽しさがある。
まとめ
Monster Train 2は、デッキ構築ローグライクというジャンルの現時点での最高峰の一つだ。3フロア構造のタワーディフェンスとカードゲームを組み合わせたコンセプトは前作から引き継がれているが、5つの完全新設計クラン、ルームカードと装備カードという新カードタイプ、エンドレスモードやディメンショナルチャレンジといった新モードにより、前作を大きく超えたコンテンツ量と戦略的深みを実現した。
Metacritic90点、OpenCritic88点、Steam95%超えという評価は伊達ではない。プレイしてみると、この評価が得られる理由が体感として理解できる。「フロアに敵が迫る緊張感」「ビルドが噛み合ったときの爆発力」「ランが終わった後の『次はこうしよう』という思考の連続」——これらが絶妙なバランスで組み合わさって、気づいたら数時間が経っているという経験を繰り返すことになる。
難易度の学習曲線はある程度急なので、最初の数ランで「難しい」と感じることはある。しかし低難易度から始めてシステムを覚えていけば、徐々にこのゲームの面白さの核心に触れられるようになる。デッキ構築ローグライクに興味があるなら、2,800円という価格は確実に元が取れる。
前作「Monster Train」を楽しんだ人には特に強くすすめたい。新クランはすべて前作にない独自メカニクスを持っており、「前作の再体験」ではなく「前作の進化形」として十分な新鮮さがある。そして前作を知らない人にとっては、今すぐプレイして損のない完成度の高い作品だ。
「Monster Train 2は単にジャンルで際立っているのではなく、複雑で多層的な戦闘、忘れられないアートと音楽、そしてすべてが意図的でポリッシュされた設計——すべての要素がゲームの最高水準に達している傑作だ。」
— OpenCritic掲載レビューより
列車は今日も天界へ向かって走り続けている。乗り遅れる前に、一度乗車してみてほしい。
Monster Train 2
| 価格 | ¥2,800 |
|---|---|
| 開発 | Shiny Shoe |
| 販売 | Big Fan Games |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows / Mac |
| プレイ形式 | シングル |

