Unrecord(アンレコード)完全ガイド|ボディカム視点のリアルすぎるFPSが世界を騙した話
「これ、本物の警察映像じゃないの?」
2023年4月、SNSにとある45秒の映像が投稿された。揺れるカメラ、手袋をした手、銃口から漂う緊張感。見た人の大多数が「これは実写だ」と確信した。ゲームだと気づいたのは、映像の終わりに「UNRECORD」というタイトルが出てからだった。
Twitter/X では3,900万ビュー。Steamウィッシュリストは1週間で60万件。「世界が騙された」と言っても大げさじゃない衝撃だった。
それを作ったのは、フランスの2人組のアマチュア開発者だった。
あれから3年。2人だったチームは10人になり、Tencentの投資を受け、2026年中に大きな続報が来ると予告されている。
この記事では、Unrecordとはどんなゲームなのか、なぜあんなにもリアルなのか、物議を醸した倫理的論争の内容、そして現在の開発状況まで、徹底的に掘り下げていく。
・Unrecordの基本情報(開発者・プラットフォーム・発売時期の現状)
・なぜ「本物の警察映像」に見えるのか(UE5の技術的仕掛け)
・「詐欺じゃないの?」騒動の一部始終
・ゲームとしての特徴・システム・ストーリー
・警察ボディカムゲームへの倫理的議論
・Tencent投資・資金調達後の開発状況(2026年最新)
公式アーリーゲームプレイトレーラー
この45秒が世界中の人間を「実写だ」と錯覚させた。見れば何故か分かる。
こんな人に読んでほしい
- 「Unrecordって何?」と検索してきた方:SNSで話題になったボディカムFPSの全体像がわかります
- 「あのリアルすぎるゲームどうなった?」と気になっていた方:2026年現在の最新開発状況を確認できます
- 「フェイクなんじゃないの?」と思っている方:本物かどうかの検証経緯を詳しく追っています
- タクティカルFPSやリアル系シューターが好きな方:このゲームが目指しているものの深さが伝わると思います
- インディーゲームの開発秘話に興味がある方:2人のアマチュアが世界を動かした経緯が読めます
Unrecordとはどんなゲームか
一言で言うなら、「警察官のボディカメラ視点でプレイするシングルプレイヤーFPS」だ。
ただし、それだけじゃない。開発元のDRAMAは本作を「FirewatchとReady or Notを足したもの」と説明している。FirewatchはCamp Santo制作の一人称ナラティブゲーム。Ready or NotはSWATチームを操る超シビアなタクティカルシューター。この2つを融合させた、というのが開発者の目指すビジョンだ。
銃撃戦があり、捜査があり、ダイアログで物語が分岐する。しかも戦闘中でも会話の選択肢が出る。「撃ちながら話す」という体験は、これまでのFPSにはほとんどなかった。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式タイトル | Unrecord(アンレコード) |
| 開発スタジオ | Studios DRAMA(フランス) |
| ジャンル | タクティカル・ナラティブ FPS(シングルプレイヤー) |
| プラットフォーム | PC(Steam)、モバイル版も並行開発中 |
| 発売日 | 未定(2026年中に詳細公開予定) |
| 料金モデル | 買い切り(予定) |
| ゲームエンジン | Unreal Engine 5 |
| 視点 | 一人称(警察官のボディカメラ視点) |
| プレイスタイル | シングルプレイヤー専用 |
| Steam | Steamページ(ウィッシュリスト登録可) |
発売日については2026年4月現在、まだ正式な発表はない。ただし2025年12月にTencent投資+資金調達を発表した際に「2026年中に最終ビジョンを反映したアップデートを公開する」と明言している。何らかの大きな動きが2026年中にあることは確実だ。
なぜ「本物の警察映像」に見えるのか――UE5が生み出す錯視の仕掛け
Unrecordの映像を初めて見た人が「実写だ」と思う理由は、グラフィックの綺麗さだけじゃない。むしろグラフィック以上に、「ボディカメラらしさ」を演出するための細かい仕掛けの積み重ねが効いている。
1. レンズ歪み(Lens Distortion)
本物のアクションカメラやボディカムには、広角レンズ特有の「樽型歪み」がある。画面の端が曲がって見えるあれだ。Unrecordはこれをゲーム内でシミュレートしている。これだけで「カメラで撮影された映像」という印象が一気に強くなる。
2. カメラの自然な揺れと手の動き
通常のFPSでは、武器や手は画面に固定されているように見える。Unrecordは「オリジナルエイムシステム」を実装しており、手の動きがカメラの動きと独立して動く。体が右に傾いても、手は慣性で少し遅れてついてくる。この「ずれ」が本物のカメラ映像に見える最大の要因だ。
3. ビデオ処理エフェクト
インターレース(走査線)、ブルーム(光の滲み)、そしてピクセルモザイク。特にモザイクは、本物のボディカム映像でよく使われる「顔の検閲処理」を模したものだ。「法執行機関が公開する映像に見えてしまう」理由の一つがこれ。
4. フォトグラメトリーによる環境
Unreal Engine 5のナノライト技術と、現実の建物・素材をスキャンするフォトグラメトリーを組み合わせることで、壁のひび割れ、コンクリートの質感、照明の反射まで実物と見分けがつかないレベルに仕上げている。
5. 「プリレンダではない」という事実
これが最も驚くべき点だ。あの映像は、映画のように事前にレンダリングされた映像(プリレンダ)ではない。キーボードとマウスでリアルタイムにプレイしながらキャプチャした映像だ。
「The game is developed on Unreal Engine 5, and the game footage is captured from an executable and played using a keyboard and mouse. We do not use any real videos or external rendering to Unreal Engine for the creation of Unrecord.」
— DRAMA公式声明(Steam投稿、2023年4月)
CGムービーでも実写でもない。ゲームエンジン上でリアルタイムに動いている映像があの品質、というのが世界を驚かせた本質だった。
「詐欺じゃないの?」騒動の一部始終
2023年4月19日、Alexandre Spindlerが45秒のゲームプレイ映像をTwitter/Xに投稿した。翌朝には6,880万インプレッション、4万5,000リツイート。YouTube では48時間で76万8,000再生。Steamウィッシュリストが1週間で60万件を突破した。
ただ、熱狂と同時に「これは嘘だ」という声も爆発的に広まった。
「very, very fake」――業界人からの公開批判
ゲームパブリッシャーCrytivo の創設者 Alex Koshelkov は、SNSで「このトレーラーはvery, very fake(超フェイク)だ。本物の映像にアセットを重ねただけ」と断言した。業界関係者のこの発言は一気に拡散し、「やっぱり詐欺か」という空気が広がっていった。
さらに多くの視聴者がこんな指摘をした。「銃と体とカメラが別々に動いている。あんな操作感のFPSは存在しない」「学生がUE5アセットに実写映像を合成しただけ」——疑惑は膨らむ一方だった。
開発者の反撃:ノークリップ映像の公開
疑惑に対し、Spindlerは翌日にエンジン上で動くゲームのノークリップ映像(壁をすり抜けて自由に移動できる開発者モード)を公開した。建物の壁をすり抜け、上空から俯瞰し、ゲームの「中身」を丸ごと見せた。
「For those who thought Unrecord was fake or a video, sorry.」
(フェイクや実写だと思った人たち、ごめんなさい)— Alexandre Spindler(@unrecordgame、2023年4月)
この「sorry」の一言が絶妙だった。謝罪ではなく、「あなたたちの目を疑わせてしまうほどリアルだった、ということです」というニュアンス。
IGNが独自検証で「本物」と確認
さらに大手メディアIGNが独自検証を行った。Unrecordのトレーラーで使われていたのと同じUnreal Engine 5のレベルアセットをダウンロードし、映像との一致を確認。「これは本物のゲームプレイ映像だ」と公式に結論づけた。IGNの公式Xアカウントもこう反応している。
These graphics look TOO real. Unrecord is an upcoming single-player FPS that tells the story of a tactical police officer from the perspective of his body camera.
「リアルすぎる」と言ったのは一般ユーザーだけじゃない。世界最大のゲームメディアも同じ感想を持ったということだ。
異例の公式声明「これはゲームです」
DRAMA はSteamストアページに異例の長文声明を投稿した。「詐欺ではない」「実在する事件にインスパイアされていない」「フェイクという疑惑についての回答」——ゲームの発表でここまで「詐欺ではありません」と表明したスタジオは、おそらく前例がない。
「高い制作コストとスタジオの名誉がかかっているのに、もしUnrecordが詐欺だとしたら、それはブロックバスター規模の詐欺になってしまいます。だから論理的に、詐欺ではありません」
— DRAMA 公式声明(Steam、2023年4月)
笑えるような、でもちょっと痛快なロジックだ。実際、あの映像クオリティを「フェイク」として作るほうが、「本物のゲーム」を作るより難しいかもしれない。
「これを楽しんでいいのか」――倫理的議論の核心
フェイク騒動が収まったと思ったら、今度は別の波が来た。「本物のゲームだとわかった、でもこれを楽しんでいいのか?」という問いだ。
米国では、警察官のボディカム映像が市民を銃撃する場面がニュースで繰り返し流れる時代だ。その映像と見分けがつかないゲームを作ることへの倫理的懸念は、決して的外れではない。
批判側の声
映画監督・ゲームクリエイターの David Goldfarb(Metal: Hellsinger のディレクター)はこう語った。
「素晴らしい技術だが、非常に不快な設定とムードだ。ただし、不快にさせるゲームにも存在する場所はある」
— David Goldfarb(NMEインタビュー、2023年4月)
Twitchストリーマーの Trainwreckstv は、トレーラーを見て「軍や警察作戦の本物の流出映像を見ているようで不快だ」とコメント。一般ユーザーからは「毎日ニュースで流れる警察暴力映像と区別がつかない。ゲームとして消費することへの罪悪感がある」という声も多く上がった。
またKotakuは「警察ボディカム視点のシューターを、米国で高プロファイルな警察による市民射殺事件が日常的にニュースになるタイミングでリリースすることは、多くのゲーマーにとって強く問題視されるだろう」と指摘した。
開発者の答え
DRAMAはこれらの批判に対し、明確なスタンスを示した。
「本ゲームはいかなる外交政策とも関係なく、実際の出来事にインスパイアされてもいない。差別・人種差別・女性やマイノリティへの暴力といった不適切なトピックは避けている。警察支持でも反警察でもない、偏りのない視点で描く」
— DRAMA 公式ステートメント(Steam、2023年4月)
さらにこう続けた。「探偵ものの映画やドラマと同じように、ゲームも作り手の知性が信頼されるべきだ。不快に思う人がいることは理解し、尊重している」。
「中立」を宣言することへの批判もある。警察暴力が社会問題になっている文脈で「どちらの立場もとらない」は、実質的に現状肯定ではないか——という指摘だ。これに対してDRAMAは今のところ沈黙している。
議論が示すもの
Unrecordが引き起こした倫理論争は、ゲームグラフィックが「現実と区別できないレベル」に到達したとき、社会はそれとどう向き合うのかという問いでもある。映画『ブラック・ホーク・ダウン』が実際の軍事作戦を描いて物議を醸したように、表現の自由とリアリズムの責任は常にセットで問われる。
Unrecordはまだ発売されていない。最終的な答えは、ゲームそのものが出てから問われることになる。
ゲームシステムの詳細――「撃つだけ」じゃないFPS
Unrecordが単なる「リアルなビジュアルのシューター」ではないことは、ゲームシステムからも伝わってくる。公開されている情報をまとめると、これは相当に深いゲームになりそうだ。
オリジナルエイムシステム
通常のFPSでは、銃は画面中央に固定されていて、体全体が銃と一緒に動く。Unrecordは違う。プレイヤーの体(カメラ)と手(銃)が独立して動く「フリーエイムシステム」を採用している。体は右を向いているのに、腕は左に伸ばして壁際から射撃できる——そういった動きが可能だ。
ADS(照準器を覗く動作)も本物同様の挙動をする。構える、外す、遮蔽物に隠れながら撃つ、という一連の動作が自然に連なる。
die and retry 戦闘
ゲームの難度設計は「技術的かつミニマリスト」と説明されている。要はシビアだ。ミスは許されない。何度も死んで戦術を考え直す、いわゆる「死に覚え」系の設計。リアルな映像に反して、ゲームプレイはライトではない。
戦闘中も分岐するダイアログ
Unrecordで最も独創的なシステムがこれだ。銃撃戦の最中でも、相手との会話選択肢が出現する。「撃つか」「話し合うか」「降伏を促すか」——その選択が物語の分岐に影響する。道徳的ジレンマが戦闘と同時進行で迫ってくる。
捜査・尋問メカニクス
ゲームは純粋なシューターではなく、捜査パートも存在する。犯罪現場の調査、容疑者への尋問、証拠収集。複数の事件を並行して追いながら、「探偵小説やスリラー」のような構造でストーリーが展開する。
ノンリニアなストーリー
プレイヤーの選択によってストーリーが変化する。一本道ではなく、複数のエンディング、複数の事件解決ルートが存在するとみられる。「どう行動したか」がゲームの結末を変える。
| システム | 内容 |
|---|---|
| 視点・操作 | 一人称ボディカム視点、キーボード+マウス |
| エイム | フリーエイム+本格ADS、手とカメラが独立して動く |
| 戦闘 | die and retry式、ミスは許されないシビアな設計 |
| ダイアログ | 戦闘中も選択肢が出現、ストーリーに影響 |
| 捜査 | 事件現場調査・尋問・証拠収集 |
| ストーリー | ノンリニア、複数分岐、道徳的ジレンマ |
| プレイ人数 | シングルプレイヤー専用 |
2人のアマチュアが世界を動かすまで――開発者の物語
Unrecordを語るうえで外せないのが、開発者2人のバックグラウンドだ。
Studios DRAMAを立ち上げたのは、フランスのラップグループ「Columbine」のメンバーである Théo “Foda C” Hiribarne と、アマチュアのUnreal Engine開発者だった Alexandre Spindler。2020年にスタジオを設立したとき、2人にはゲーム業界での職歴がなかった。
We are funded! At the time of the trailer in 2023, we were just 2 bedroom programmers with no experience in the industry. The game was just 6 months old and exceeded all our expectations. With limited finances, we started from scratch, working sleepless nights… Two years later, we are ten developers and we are still hiring. Today, we’re proud to announce that we finally have the budget to make Unrecord and build the best game possible.
「業界経験ゼロの2人のベッドルームプログラマーが、ゲームを作り始めてわずか6ヶ月で、あの映像を出してしまった」。そう考えると、Unrecordへの驚きはビジュアルだけでなく、作った人間への驚きでもある。
眠れない夜を重ねながら、限られた資金でゼロから作り上げた。2023年4月のトレーラー公開後、予想をはるかに超えた反響が来て、開発を加速させることを決意。そこから約2年かけて資金調達を成功させ、チームを10人に拡大した。
インディーゲーム開発の夢のような話だが、リアルに起きたことだ。
Tencent投資と開発状況――2026年現在どこまで進んでいるか
Unrecordが「まだ生きている」どころか、かなり本格的な段階に入っていることを示すのが、2025年末から2026年にかけての一連の動きだ。
時系列で整理する
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2023年4月 | 公式トレーラー公開。SNSで爆発的に拡散。Steamウィッシュリスト1週間で60万件 |
| 2023年12月 | 新たなゲームプレイ映像を公開 |
| 2024年1月 | 「2024年中に大きな発表をする」と予告(結果的に大きな発表はなかった) |
| 2024年12月 | The Games Fund がリードとなり250万ドルのシード資金調達を発表 |
| 2025年11月 | 約11ヶ月ぶりの近況報告。「まだ生きている」「近づいている」 |
| 2025年12月 | Tencentが戦略的投資(少数株)を発表。チーム2名→10名に拡大。「2026年中に最終ビジョンを反映したアップデート公開」を宣言 |
Tencent投資が意味すること
Tencentといえば、League of Legends の Riot Games、Fortnite の Epic Games に投資してきた世界最大のゲーム企業だ。その Tencent が少数株とはいえ DRAMA に投資したことは、業界的に大きなニュースだった。
DRAMA の CEO Theo Hiribarne はこう語った。
「テンセントはワールドクラスのパートナーであるだけでなく、私たちのゲームとビジョンに心から情熱を注ぐチームです。謙虚さと尊重を持って接してくれた」
— Theo Hiribarne(DRAMA CEO、2025年12月)
Tencent の Mark Maslowicz 氏もこう述べている。「この投資により、スタジオは潜在能力を最大限に引き出し、傑作ゲームの第1作を世に送り出すことができるでしょう」。
注目すべきは、PCとモバイルの「同時開発」が明言されたことだ。モバイル版のボディカムFPSというのは前例がなく、Tencent のモバイルゲーム展開力と合わせて考えると、相当なスケールを目指していることが伺える。
情報が少ない理由
「なぜもっと情報を出さないのか」という声はコミュニティでも根強い。これについて DRAMA は明確に答えている。「新機能を公開すると模倣されるリスクがある。2023年のトレーラー後、ボディカムFPSを模倣したゲームが多数登場した(実際、Bodycam というゲームが先に発売されてしまった)。最終的なビジョンが固まるまで、重要な要素は見せたくない」。
2025年11月に約11ヶ月ぶりに近況を報告したとき、ファンから「開発止まったんじゃないか」という心配の声が届いていた。それに対して Spindler が個人的に返信したのが「Still alive(まだ生きている)」「it’s getting closer(近づいている)」だった。
沈黙は停滞ではなく、戦略だった。
世界中のプレイヤーが残した言葉
Unrecordへの反応は、賞賛・困惑・批判・期待が入り乱れた、これまでのゲームトレーラーとは違う種類の熱狂だった。いくつかの声を拾ってみる。
YouTubeのコメント欄には、こんな言葉が並んだ。
「このゲームは私の脳を実物だと錯覚させた唯一のゲームだ」
— YouTubeコメント(2023年4月)
「途中でゲームトレーラーだったことを忘れた。とてもリアルに見える」
— YouTubeコメント(2023年4月)
Steam コミュニティでは、文脈なくスマホで動画を見てしまったユーザーがこう書いている。
「モバイルで文脈なく見ていたとき、GoPro撮影の本物の一人称映像だと思った。ゲームだと気づいたのはずっと後だった」
— Steam Communityユーザー
映画界からも反応があった。『District 9』『エリジウム』で知られる映画監督 Neill Blomkamp は短くこう言った。「This is awesome(これはすごい)」。ゲームのビジュアルが映画制作者にまで響いた。
一方、ゲームディレクターの David Goldfarb は複雑な気持ちを正直に語った。
「素晴らしい技術だが、非常に不快な設定とムードだ。ただし、不快にさせるゲームにも存在する場所はある」
— David Goldfarb(Metal: Hellsingerディレクター、NMEインタビュー 2023年)
そして2025年末、Tencent投資の発表後に Steam コミュニティに書かれたコメントが、長く待ち続けてきたファンの気持ちを代弁していた。
「unrecord is still being made? thank the heavenssssss(Unrecordまだ作ってるの?神様ありがとうございます)」
— Steam Communityユーザー(2025年)
長い沈黙のあとでも、120万人がウィッシュリストに入れたまま待ち続けている。それがUnrecordというゲームの引力だ。
Unrecordに似たゲーム――今すぐ遊べるリアル系FPS
Unrecordの発売を待ちながら、似た体験ができるゲームも紹介しておく。
ボディカム視点でのリアルな銃撃戦を今すぐ体験したいなら、Unrecordにインスパイアされて作られたオンラインFPS「Bodycam」がすでにSteamでアーリーアクセス中だ。マルチプレイヤー特化で、Unrecordとはゲーム性が異なるが、あのボディカム映像の没入感は確かに体験できる。
タクティカルFPSとして本格的な戦術を楽しみたいなら、DRAMAが「参考にした」と明言している「Ready or Not」がおすすめだ。SWATチームとして凶悪犯罪に立ち向かうシビアな設計で、ゲームとしての完成度は折り紙付きだ。
ナラティブ重視の一人称ゲームとして、Unrecordが「もう一つの参考作品」として挙げたFirewatchも外せない。銃撃戦はないが、一人称視点で物語に没入するという体験の本質は、Unrecordが目指すものと地続きだ。
まとめ――Unrecordが問いかけていること
Unrecordは、まだ発売されていない。発売日も価格も正式に発表されていない。でもこれだけのことを、すでにやってのけた。
- 世界中の人間が「本物の警察映像」と錯覚した
- ゲーム業界の著名人を巻き込んだ真贋論争を起こした
- 警察ボディカムゲームの倫理をめぐる社会的議論を生んだ
- Steam全体で120万件ウィッシュリスト登録(9〜12位)を達成した
- 2人のアマチュアからTencent投資・10人チームへの成長を果たした
- ボディカムFPSというジャンル自体を生み出した
「ゲームのトレーラーがここまで世界を動かすことがあるのか」と思った。それも、業界経験ゼロの2人が作った45秒の映像が。
2026年中に「最終ビジョンを反映した情報公開」が予告されている。発売時期、価格、ゲームプレイの全貌——いよいよそれらが明らかになるはずだ。
「これはゲームです」と声明を出さなければならなかったゲームが、どんな体験を届けてくれるのか。倫理的議論に対して、ゲーム本編がどう答えるのか。Unrecordが発売されたとき、それはまた新たな議論の始まりになるだろう。
個人的には、発売日が決まったらすぐウィッシュリスト通知が来る設定にしてある。あなたもそうしておくことをおすすめする。
Unrecord
| 価格 | 未定 |
|---|---|
| 開発 | DRAMA |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル |