2026年9月15日にPS5版が発売予定ですが、PC版は現時点で未発表・発売未定です。Sony が2026年3月にシングルプレイ作品のPC移植を凍結したとの報道があり、PC版リリースは不透明な状況です。この記事ではゲームの全情報と、PC版をめぐる状況を詳しくまとめています。
「いつかInsomniacがウルヴァリンを作ったら、絶対に最高のものになる」──そう思っていたファンは世界中にたくさんいたはずだ。
2021年9月のPS Showcase。Marvel’s Spider-Man 2の発表映像が終わったあと、突然流れた短いティザー映像。暗い酒場、壊れたグラス、そして血に塗れたアダマンチウムの爪。あの数秒で世界中がざわついた。
それから約4年。2025年9月のState of Playで初めてゲームプレイが公開され、2026年2月には発売日が2026年9月15日(PS5版)と正式決定した。Insomniac Gamesが、あの「Marvel’s Spider-Man」シリーズと同じチームで、今度はウルヴァリンを作る。
ただ、PCゲーマーにとっては複雑な状況でもある。Spider-Manシリーズは毎回2〜3年後にPC版が出てきたのに、Wolverineに関してはSony側のPC移植方針転換によって、PC版が永遠に来ない可能性すらある。この記事ではゲームの内容はもちろん、PC版をめぐる最新の動きも含めてまるっと解説していく。
公式ゲームプレイトレーラー
2025年9月のState of Playで初公開された公式ゲームプレイトレーラー。爪が肉を裂く音と、血しぶきと、怒りのローガンの姿がすべてを物語っている
Marvel’s Wolverineってどんなゲーム?
一言でいうなら、「PS5で遊べる最高のウルヴァリン体験」を目指して作られたゲームだ。
開発はInsomniac Games。「Marvel’s Spider-Man」シリーズで世界を熱狂させたあのスタジオが、今度はまったく異なるキャラクターに挑んでいる。蜘蛛の糸でビルを飛び回る爽快感ではなく、暗い過去を抱えた男が爪で敵を八つ裂きにしていく。Spider-Manが”PG-13″だとしたら、Wolverineは完全な”R指定”の世界だ。
トレーラーを見た瞬間、その本気度がわかる。四肢が吹き飛び、アダマンチウムの骨格が露出し、ヒーリングファクターで皮膚が再生していく──コミックファンが何十年も「このウルヴァリンゲームが欲しかった」と思い描いてきた映像が、そのまま動いている。
ナラティブディレクターには、2012年の問題作「Spec Ops: The Line」で道徳的に重苦しい戦争体験を描いたWalt Williamsが就任している。「明るいヒーロー活劇」ではなく、「複雑な内面と暗い過去を持つ男の物語」として作られていることが、このキャスティングからも伝わってくる。
Spider-ManシリーズとはEarth-1048という同じユニバースを共有しながら、トーンもゲームスタイルも全然違う作品として設計されているのも面白い。これはX-Men三部作の第1作目という位置づけでもあり、Insomniacが今後長期的にMarvels X-Menゲームを作り続けるための第一歩でもある。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Marvel’s Wolverine |
| ジャンル | アクション・アドベンチャー |
| 開発 | Insomniac Games |
| パブリッシャー | Sony Interactive Entertainment |
| PS5発売日 | 2026年9月15日(全世界同時) |
| PC版 | 現時点で未発表・発売未定(Sony方針転換により凍結状態) |
| 主人公声優 | Liam McIntyre(Spartacus主演、Gears of War 4/5 JD Fenix役) |
| ナラティブディレクター | Walt Williams(Spec Ops: The Line ライター) |
| ユニバース | Earth-1048(Marvel’s Spider-Manシリーズと同一) |
| 位置づけ | X-Men三部作の第1作目 |
| 発表時期 | 2021年9月(PS Showcase) |
| 初ゲームプレイ公開 | 2025年9月25日(State of Play) |
ストーリー:暗い過去を追うローガンの旅
Marvel’s Wolverineのストーリーは、ひとつのシンプルな問いから始まる。「俺は、いったい何者だったんだ?」
ローガンは何百年も生きてきた。戦争を経験し、数えきれないほどの人間と出会い、別れ、殺してきた。そしてその記憶の多くが、断片的にしか残っていない。アダマンチウム骨格の手術、ウェポンXプロジェクト、様々な組織による記憶の改ざんと操作──本作のローガンは、自分の「暗い過去の秘密」を解き明かすために旅に出る。
舞台は複数のロケーションにまたがる。
- マドリプール:犯罪者が集まる架空の島国。物語の入口となる薄暗い酒場の乱闘シーンが印象的だ。ローガンが過去に深く関わった土地でもある
- カナダの荒野:雪と氷に覆われた大自然。ウルヴァリン誕生の地であり、最も「ローガンらしい」フィールド
- 東京(日本):狭い路地での乱闘、夜の繁華街、日本的な建築物をバックにした戦闘シーン。日本のファンには特に刺さる舞台
この三つの場所を巡る旅の中で、ローガンは敵や味方と出会いながら、自分が何をされてきたのか、なぜそれが重要なのかを少しずつ掴んでいく。
ナラティブディレクターのWalt Williamsは、2012年の「Spec Ops: The Line」でプレイヤーに道徳的な問いを突きつけた人物だ。その作品では、主人公が「正義の行為」だと思っていたことが、実は取り返しのつかない悲劇だったという構造が、プレイヤーに深い後味を残した。Marvel’s Wolverineでも、単純な勧善懲悪ではなく、ローガン自身の行為の意味や代償を問うような複雑な物語が期待できる。
「Wolverineの物語は、よりマチュアなトーンになる。Spider-Manとはまったく違うアプローチで、ローガンというキャラクターの核心に迫りたい」
── Brian Horton(クリエイティブディレクター)
1982年に発表されたChris ClaremontとFrank Millerによる伝説的なウルヴァリンのコミックアーク(ローガンが日本に渡り、忍者集団「ハンド」と戦う物語)からインスピレーションを得ているという情報もある。東京が主要舞台の一つであることも、そのオマージュと考えると自然な流れだ。
ゲームシステム:爪と血と怒りのアクション

トレーラーを一度見れば、このゲームが何を目指しているかは一秒でわかる。Spider-Manのような軽快なアクロバットではない。重く、痛く、容赦ない近接格闘だ。
近接戦闘に特化したデザイン
Spider-Manにはウェブシューターがあり、ガジェットがあり、空中から敵を翻弄する戦い方があった。Wolverineにはそれがない。代わりにあるのは6本のアダマンチウムの爪と、数百年分の戦闘経験と、死なない肉体だ。
戦闘の基本は素早く敵に飛び込み、爪で切り刻み、回復しながら次の敵に向かうというサイクル。ゲームプレイトレーラーでは、腕が飛び、内臓が見え、頭に爪が刺さる映像が次々と映し出された。Insomniacがこれまで作ってきたゲームの中で、間違いなく最もバイオレントな作品になる。
ヒーリングファクターの戦略的な使い方
ウルヴァリンの最大の特徴のひとつが、この驚異的な回復能力だ。本作ではただの「HP自動回復」ではなく、コンボを繋げ続けることで回復量が増加するという仕組みが採用されているという。
つまり、守りに入って距離を置くのではなく、積極的に攻め続けることが生存につながる。ウルヴァリンというキャラクターの本質──「痛みを恐れず、傷を受けながらも突き進む」──をゲームメカニクスとして体現した設計だ。
バーサーカーレイジ:怒りがパワーに変わる
戦闘を続けることで「バーサーカーレイジ」メーターが蓄積し、それを解放するとより強力で破壊的な攻撃が可能になる。コミックや映画でおなじみの、理性が吹き飛んでただひたすら暴れ回るあの状態だ。
怒りをためて爆発させる、というリズムがあることで、戦闘には単純な「斬って進む」以上のメリハリが生まれる。ゲームとして面白くなりそうな設計だと感じる。
オープンワールドではない、濃密なリニア体験
Spider-Manシリーズといえばニューヨークという広大なオープンワールドが特徴だったが、Marvel’s WolverineはVGCの取材によればよりリニアな構成を採用するとのこと。マドリプール、カナダ、東京という複数のロケーションを舞台にしつつ、それぞれの場所での密度の高い体験を優先するアプローチだ。
オープンワールドが「広さ」を売りにするとすれば、本作は「深さ」で勝負する。限られた空間の中で、各ロケーションの世界観をしっかり作り込み、物語と戦闘と環境が一体となった体験を提供する方向性が見える。
「ウルヴァリンはコミックで、マドリプールの薄暗いバーで乱闘し、次の瞬間にはカナダの雪原で獲物を追う。この多様な体験をゲームで再現することが目標だった」
── Insomniac Games 開発コメント(各種メディアインタビューより)
アクセシビリティへの配慮
Insomniacはこれまでのタイトルでも常に充実したアクセシビリティ機能を搭載してきた。Marvel’s WolverineでもSpider-Manシリーズ同様の「堅牢なアクセシビリティ機能」を搭載することが公式に明言されている。激しいバイオレンス表現のゲームでも、より多くのプレイヤーが楽しめる設計を諦めていない点は、このスタジオのらしさだと思う。
登場キャラクターと世界観
Marvel’s Wolverineは原作コミックのキャラクターたちを多数登場させる。公式トレーラーと各種情報から判明しているキャストを紹介しよう。
主人公:James “Logan” Howlett / ウルヴァリン
声優はLiam McIntyre。オーストラリア出身の俳優で、Starz制作のドラマ「Spartacus」でアンディ・ウィットフィールドの急逝後に主役を引き継ぎ、シリーズを完走させた人物だ。ゲームでは「Gears of War 4」「Gears 5」でJD Fenix役、「Star Wars Jedi: Fallen Order」でTaron Malicos役を演じている。
発売日が確定した直後、McIntyreはSNSにこんな言葉を投稿した。
「この作品に、息子が生まれてからずっとと言ってもいいくらいの時間を費やしてきた。この日を長い間待ち続けていた……もうすぐだ!!」
── Liam McIntyre(ウルヴァリン声優、2026年2月)
声優本人がここまでの思い入れを語るのは珍しい。長期にわたる開発を支えてきた人間の言葉として、重みがある。
敵キャラクター:リーヴァーズ
本作のメイン敵勢力として登場するのがリーヴァーズ(Reavers)だ。ミュータントを憎む改造サイボーグの集団で、コミックではDonald Pierce率いる反ミュータント組織として知られる。バックブレイカー(重火器の専門家)、スカルバスター(狙撃手)など、個性的なメンバーで構成されている。
コミックでは過去にウルヴァリンを捕まえ、十字架に磔にして放置した宿敵でもある。ゲームでこの因縁がどう描かれるか、ファンは注目している。
ミスティーク(Mystique)
変身能力を持つミュータント女性。トレーラーでその姿が確認されており、味方としてローガンに協力する場面もあれば、敵対する場面もあるという情報がある。声優はNicole Pacent(リーク情報より)。複雑な立ち位置のキャラクターで、物語に深みをもたらす存在になりそうだ。
オメガレッド(Omega Red)
ロシア出身の超人兵士。体から伸びる触手状のカーボナジウム・コイルが武器で、ウルヴァリンとは因縁の深い宿敵のひとり。声優はRaphael Korkh(リーク情報より)。トレーラーでもその巨体が確認されており、強敵ボスとして描かれることが期待される。
センチネル
ミュータント狩りのために作られた巨大ロボット。トレーラーでその姿が映し出され、ローガンが真正面から立ち向かうシーンが公開された。アダマンチウムの爪でどう巨大機械を攻略するのか、ゲームプレイとして気になる場面のひとつだ。
日本ゆかりのキャラクター(期待)
東京が舞台のひとつとなることから、シルバー・サムライ(真田ケンジロウ)やサンファイア(日本人ミュータント)の登場を期待する声も多い。1982年のコミックアークでは忍者集団「ハンド」との対決も描かれており、東京パートでそれが再現される可能性もある。いずれも現時点では未確認だが、日本人ファンとしては楽しみな要素だ。
Insomniac Gamesという安心感

Marvel’s Wolverineを語るうえで外せないのが、開発スタジオInsomniac Gamesへの信頼だ。
2018年の「Marvel’s Spider-Man」はPS4で最高のゲーム体験のひとつとして世界中で絶賛された。スパイダーマンのウェブスイングは「移動するだけで楽しい」という稀有な体験を実現し、ストーリーも映像もゲームプレイも、どれをとっても高水準だった。メタクリティックスコアは87点。
続く2020年の「Miles Morales」は短編ながら密度が高く、2023年の「Marvel’s Spider-Man 2」はさらに規模を拡大。シリーズを通じてInsomniacはMarvelゲームの最高峰を作り続けてきた。
そのInsomniacが今度はウルヴァリンを手がける。「Spider-Manでここまでやれたなら、もっとダークで暴力的なキャラクターでも同じクオリティを出せるはずだ」という期待は、ファンの間で広く共有されている。
クリエイティブディレクターのBrian Hortonは明確に言っている。「Marvel’s Wolverineは、Spider-Manよりもずっとマチュアなトーンになる」と。Spider-Manで磨かれたストーリーテリングと演出技術が、今度はR指定の世界で炸裂する。
ライター陣もMary Kenney(Spider-Man 2でMiles Moralesのアーク担当)、Nick Folkman、Joe Halsteadといった実力派が揃っている。単なる「Spider-Manのウルヴァリン版」ではなく、独立した傑作として成立する可能性は十分ある。
Spider-Manシリーズとの繋がり
Marvel’s WolverineはSpider-Manシリーズとまったく同じ世界「Earth-1048」を舞台にしている。Spider-Man 2のクリエイティブディレクターBryan Intiharが公式に「どちらもEarth-1048だ」と確認済みだ。
ただし、この2つのシリーズは世界観を共有しながら、互いに独立した物語として設計されている。WolverineのゲームにSpider-Manがカメオ出演することは意図的に抑えられており、「同じ世界に存在するが、別の話」というスタンスだ。
なぜこれが重要かというと、InsomniacがMarvelとの間で長期的なユニバース構築を目指しているからだ。Spider-Manシリーズが三部作として完結し、次はX-Men三部作としてWolverineから始まる。将来的にはこの2つのシリーズが交差するような展開も夢ではない。
| タイトル | PS発売年 | PC移植 | メタスコア |
|---|---|---|---|
| Marvel’s Spider-Man | 2018年(PS4) | 2022年8月 | 87点 |
| Marvel’s Spider-Man: Miles Morales | 2020年(PS5) | 2022年11月 | 85点 |
| Marvel’s Spider-Man 2 | 2023年(PS5) | 2025年1月 | 90点 |
| Marvel’s Wolverine | 2026年9月15日(PS5) | 未定(凍結状態) | 発売前 |
Spider-Manシリーズは毎回2〜3年のタイムラグを経てPC版が登場してきた。そのパターンが続くなら2028〜2029年頃にPC版が来るはずだったのだが、Sonyの方針転換がそのシナリオに影を落としている。詳しくは後述する。
ハッキング事件とゲームへの影響

Marvel’s Wolverineの開発は、ある事件によって大きく揺れた。2023年12月のことだ。
ランサムウェアグループ「Rhysida」がInsomniac Gamesのシステムに侵入し、1.67テラバイトにのぼる内部データを盗み出した。従業員の個人情報、Marvel’s Wolverineの開発中素材やキャラクターアート、スクリーンショット、そしてMarvelとSonyの間の契約書まで。その一部がインターネット上に流出した。
流出したデータの中には、Marvel’s WolverineがX-Men三部作の第1作目として計画されているという情報も含まれていた。本来なら適切なタイミングで発表されるはずだった情報が、最悪の形で世に出てしまった。
スタジオにとっては、ゲームの機密情報だけでなく、そこで働く人間の個人情報まで外部にさらされるという、非常につらい経験だったはずだ。InsomniacはSonyの子会社という立場もあり、その後の対応や安全性強化については公式なコメントが出ている。
ただ、ゲームへの影響という観点では、Insomniacは毅然とした態度を取り続けた。
「Marvel’s Wolverineの開発は計画通り継続します」
── Insomniac Games 公式声明(2023年12月)
出典:GAME Watch
2025年1月には開発スタッフが「開発は順調に進んでいる」とコメント。そして同年9月のState of Playで初のゲームプレイ映像が公開された。ハッキングという最悪の状況を乗り越え、予定通り作品を仕上げてきたInsomniacチームの底力には、純粋に敬意を覚える。
この事件は皮肉にも、早い段階でゲームの全体像(X-Men三部作計画など)をファンに知らせることになった。本来なら適切なタイミングで発表されるはずだったサプライズが失われた部分はあるが、それでもゲーム本体のクオリティへの期待が揺らぐことはなかった。
PC版はいつ来る?Sony方針転換の衝撃
PCゲーマーにとって、Marvel’s Wolverineは特別に複雑な立場にある作品だ。
「Spider-Manのパターンで来るはず」という期待
Marvel’s Spider-Man(2018年PS4発売→2022年PC)、Miles Morales(2020年→2022年PC)、Spider-Man 2(2023年→2025年PC)。この流れを見ていれば、Wolverineも2028〜2029年頃にはPC版が来るだろうと多くの人が思っていた。Insomniacの作品はPC版のクオリティも高く、SteamやEpicで楽しんできたPCゲーマーは少なくない。
2026年3月、Sonyの方針転換報道
その期待を一変させたのが、2026年3月4日のBloomberg報道だ。ジャーナリストのJason Schreierが、Sony内部の複数の関係者に取材した記事を掲載した。
内容を要約すると──SonyはPS5のシングルプレイ大作をPCに移植する方針を撤回した。Ghost of Yotei、Saros、そしてMarvel’s WolverineのPC版は開発がキャンセルまたは凍結された、というものだ。
理由として挙げられたのは2点。ひとつは最近のPS5→PCポートの売上が期待を下回ったこと。もうひとつは、「PS5の大作をPCでも遊べるようにすることで、PS5本体を買う理由が薄まる」という懸念が社内で強まったことだ。
「SonyがPC移植から引いたことは、SteamでのWolverineにとって悪いニュースだ」
── Kotaku 見出し(2026年3月)
出典:Kotaku
Marvel側の契約問題という複雑な事情
さらに話を複雑にするのが、流出したMarvelとSonyの契約書の存在だ。その契約には「X-Men関連ゲームはPCでもリリースする義務がある」という条項が含まれているとも報じられている。
しかしSonyはその条項を事実上無視する形で、PC版の開発を止めたようだ。契約上の問題がどう解決されるかは現時点では不明で、この点はまだ流動的だ。
PC版は「永遠に来ない」可能性もある
Schreier自身は「WolverineのPC版が永遠に来ない可能性もある、と言っても驚かない」と述べている。強烈な言葉だ。
ただし、Sonyの方針は常に変わりうる。今後のPS5販売状況やゲーム市場の変化によっては、再び方針が転換される可能性もゼロではない。また、例外として外部パブリッシャーのタイトル(Death Stranding 2等)は引き続きPCリリースが予定されているという情報もある。
PCゲーマーへの現状の結論はこうだ。
- PS5版は2026年9月15日に発売確定
- PC版は現時点で発表なし、凍結状態
- 将来的な移植は不透明(来ないシナリオも十分ありうる)
- プレイしたいなら、現状はPS5を購入するのが確実な選択肢
「PC版を待つ」という判断は自由だが、その待ち時間が無限になる可能性も受け入れた上で待つ必要がある。それがこのゲームの、PCゲーマーとしての現実だ。
プレイヤー・ファンの声
2025年9月のゲームプレイ初公開から、2026年2月の発売日確定まで、コミュニティの反応は一貫して熱かった。いくつか紹介しよう。
ゲームプレイトレーラーが公開された直後、GamesRadar+のライターはこう書いた。
「ウルヴァリンのゲームプレイトレーラーは、このキャラクターがなぜMarvelで最高の一人なのかを改めて思い知らせてくれた。何十年も待ち続けた”本物のウルヴァリン体験”がようやく来る予感がした」
── GamesRadar+(2025年9月)
出典:GamesRadar+
PC Gamerの記者はトレーラーのバイオレンス描写に正直な感想をぶつけた。
「ウルヴァリンはこのトレーラー一本で、私が子供のころにコミックで読んだ全部よりも多くの人数の頭に爪を突き刺した。正直に言えば、それが問題だとは思わない」
── PC Gamer(2025年9月)
出典:PC Gamer
2026年2月に発売日が発表されると、ファンからはシンプルに喜ぶ声が多く集まった。
「これが一番いい発売日の発表の仕方だ。焦らしなし、過剰な煽りなし、大げさなイベントの最後のサプライズなし。ただストレートに教えてくれた」
── ファン反応(2026年2月)
引用元:Screen Rant
声優Liam McIntyreの投稿は、ファンの心を特に動かした。
「この作品に、息子が生まれてからずっとと言ってもいいくらいの時間を費やしてきた。この日を長い間待ち続けていた……もうすぐだ!!」
── Liam McIntyre(ウルヴァリン声優、2026年2月)
日本語コミュニティでも期待の声が多く見られた。「スパイダーマンのゲームと同じ会社やからまじおもろそう」というコメントは、Insomniacへの信頼を素直に表していて、多くの人が共感できる言葉だろう。東京が舞台のひとつと判明したことで、「シルバー・サムライが出るんじゃないか」「ハンドが登場するのでは」という期待も日本のファンの間で広まっている。
一方で、PC版が来ない可能性が報じられてからは、PCゲーマーから落胆の声も出た。「ここ数年でSonyゲームへの信頼を積み上げてきたのに、梯子を外された気分」という反応は、PS5を持っていないゲーマーの率直な本音だろう。
発売日確定スレッドのNeoGAFでは、「ハックがあってからずっと不安だったけど、ちゃんと完成して出てくるんだという安心感がある」という声も多く見られた。2023年のあの事件から、ファンはずっとこのゲームの行方を心配しながら待ち続けてきたわけだ。
2026年の大作ラインナップを前に、あるファンはこんな言葉を残している。「GTA 6、スパイダーマン Brand New Day、アベンジャーズ・ドゥームズデイ、そしてWolverine。2026年は俺を癒してくれる年になると思う」。これだけのタイトルが揃った年に、Insomniacのウルヴァリンが間に合った。その事実だけでも、ゲームファンとして少し幸せな気持ちになれる。
なぜ今、このウルヴァリンゲームが重要なのか
ウルヴァリンのゲームは過去にも存在した。2009年の「X-Men Origins: Wolverine」は映画のノベライズゲームながら、予想以上にバイオレントな出来で一部のファンに好評だった。しかしそれ以来、ウルヴァリンを主役に据えた本格的なゲームは作られてこなかった。
それが今、2026年に登場する。しかも開発するのはInsomniac Games。Spider-Manシリーズで「Marvel作品をゲームとして最高の形で表現できるスタジオ」として世界に証明したチームだ。
ウルヴァリンというキャラクターはゲームとの相性が非常にいい。不死身に近い回復能力があるから、プレイヤーが少々無茶な動きをしてもロールプレイとして成立する。アダマンチウムの爪という明確な武器があるから、戦闘の「手触り」を作りやすい。そして複雑な内面と暗い過去を持つキャラクターだから、物語として深く掘り下げる素材に事欠かない。
「なぜ今まで誰も本気でウルヴァリンゲームを作らなかったのか」と問われれば、答えは「作れる技術とビジョンを持ったスタジオが現れなかったから」だったのかもしれない。Insomniacがそれを変える。
Spider-Manとの比較で見えるInsomniacの進化
Spider-Man(2018年)は移動の楽しさとオープンワールドで圧倒した。Miles Morales(2020年)は短編ながら感情的な深みを加えた。Spider-Man 2(2023年)はスケールと演出力を一段引き上げた。
その延長線上にWolverineがある。ただし今回は「拡大」ではなく「深化」だ。広いオープンワールドを捨て、よりリニアな構成でキャラクターとストーリーに集中する。これはある意味で、スタジオとしての自信の表れでもある。オープンワールドという「見栄え」に頼らなくても、Insomniacなら濃密な体験を作れる、という確信だ。
X-Men三部作の始まりとしての意義
Wolverineが成功すれば、次のX-Menゲームへの扉が開く。サイクロップス、ストーム、プロフェッサーX──Earth-1048のX-Menたちが登場するゲームが作られる可能性がある。さらにはSpider-ManシリーズとX-Menシリーズが交差するような展開も、将来的には夢ではない。
InsomniacはMarvelゲームの「映画的なユニバース構築」を、ゲームの世界でやろうとしている。Wolverineはその壮大な計画の、記念すべき第一歩だ。
グラフィックとPS5の性能を使い切る体験
Insomniacはこれまで一貫してPS5のハードウェア性能を引き出すことに長けたスタジオだった。Spider-Man 2でも60fps+レイトレーシングという映像品質を実現している。Wolverineでは、雪のカナダ、夜の東京、熱帯のマドリプールという異なる気候と環境が舞台になる。それぞれのロケーションを4Kのクオリティで描き切ることへの期待は大きい。
PS5 Proというハードウェアアップグレードがすでにリリースされている状況を考えると、Wolverineは現行最高水準のグラフィックを活かした作品になる可能性が高い。「映像を見るだけでも価値がある」と言われたSpider-Man 2の水準を、さらに上回ることも十分ありえる。
まとめ
Marvel’s Wolverineについて、わかっていることを整理しよう。
- PS5版は2026年9月15日発売確定。Insomniac Games × SonyのMarvelゲーム第四弾
- Spider-Manとは違うダークでバイオレントなトーン。成人向けのアクションRPG
- Earth-1048という同一ユニバースでSpider-Manシリーズと繋がりながら、独立した物語
- X-Men三部作の第1作目。Insomniacが長期的に作り続けるフランチャイズの始まり
- Walt Williams(Spec Ops: The Line)がナラティブ担当。複雑で重い物語が期待できる
- PC版は現時点で未定・凍結状態。Sonyの2026年3月の方針転換により、来ない可能性も
「Insomniacがウルヴァリンを作る」という事実だけで、これは期待せずにはいられない作品だ。Spider-Manシリーズで磨き上げたストーリーテリングと演出技術が、今度は爪と血と怒りの世界で炸裂する。
PCゲーマーとしては、Sony方針転換という不運な状況に直面しているのは確かで、それは正直に言えばつらい。ただ、ゲーム本体の魅力が失われるわけではない。PS5を持っている人は2026年9月15日を楽しみに待てばいいし、PC派はとりあえずゲームの情報を追い続けながら状況の変化を待つ、というのが現実的な選択肢だろう。
Insomniacという素晴らしいスタジオが、ハッキング事件という逆境を乗り越えて作り上げた作品がもうすぐ出る。それだけでも、ゲームファンとして胸が躍る話だと思う。
同じInsomniac製のMarvelゲームをまだ遊んでいないなら、先にSpider-Manシリーズを体験しておくのもおすすめだ。同じEarth-1048の世界でどんなことが起きているのか知っておくと、Wolverineをより深く楽しめるかもしれない。

PC向けアクションゲームをもっと探しているなら、同じくInsomniac的なクオリティのヒーローアクションも揃っている。
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