「Battlefield V」WW2を舞台にした大規模FPS、7年後の再評価

ノルマンディーの海岸で砂を口いっぱいに頬張りながら、目の前で仲間が次々と倒れていく——そんな戦場のリアルを、今もなお味わえるゲームがある。

2018年にEAとDICEが送り出したBattlefield V(バトルフィールド5)。第二次世界大戦を舞台にした大規模FPSで、今もSteamで2,000〜3,000人規模の同接を維持し続けている。リリースから7年以上が経過してなお、これだけのプレイヤーが集まっているというのは、このゲームが持つ引力の証明だろう。

ただ、正直に言うと、BFVの歴史は順風満帆じゃなかった。発売当初は「歴代最低評価」に近い騒動があり、コミュニティが二分される炎上もあった。でも時間が経った今、改めてこのゲームと向き合うと、「なぜこれだけ批判を受けたのに、今でも遊ばれているのか」という答えが見えてくる。

光と影が同居するBFVについて、ここでは忖度なしで全部書く。WW2好き・BFシリーズ好き・ミリタリーFPS好き——そのどれかに当てはまるなら、最後まで読んでほしい。

目次

こんな人に読んでほしい / こんな人には合わないかも

こんな人に読んでほしい

  • BFシリーズが好きで、WW2の雰囲気で大規模戦をやりたい人
  • CoD: WW2やメダルオブオナーをやり込んだ第二次世界大戦FPS好き
  • 戦車や航空機など多彩な兵器を使いたい人
  • ソロ・協力・対戦の全部を1本のゲームで楽しみたい人
  • グラフィックやサウンドのリアリティにこだわるゲーマー

こんな人には合わないかも

  • 歴史考証の正確さを最優先する硬派なミリタリーマニア
  • 近未来・現代戦の設定が好きで、WW2の重さは求めていない人
  • とにかく人口が多い環境でランクマッチを回したい人
  • シングルプレイキャンペーンに30時間以上の長大なボリュームを期待する人
  • 射撃フィールにシビアなこだわりがある人(議論あり)

Battlefield Vとは何か——WW2版BFの全貌

Battlefield Vは、2018年11月にEA/DICEが発売した第一人称視点の大規模マルチプレイFPS。舞台は第二次世界大戦で、ヨーロッパ戦線・北アフリカ戦線・太平洋戦線を中心にした多彩なマップが用意されている。

BFシリーズとしては「Battlefield 1」(第一次世界大戦)の続編にあたる作品で、現代戦を描いたBF4・BF1の後継として、再び歴史的な戦場へと回帰した。

最大64人(32対32)が同時に戦う大規模マルチプレイが核心で、歩兵戦・戦車戦・航空戦がシームレスに入り混じる戦場体験はシリーズの伝統を継承している。新要素として「フォートification(陣地構築)」システムが追加され、プレイヤーが砂袋を積んだり塹壕を掘ったりして防衛線を構築できるようになった。

また、シリーズ初となるBattleRoyaleモード「Firestorm」も搭載(のちにサポート終了)。さらに発売後のアップデートで「Pacific War(太平洋戦線)」が追加され、硫黄島・ソロモン諸島などの歴史的な戦場も実装された。

現在のSteamにおける評価は「賛否両論」(約69%好評 / 4万件超のレビュー)。この数字だけ見ると微妙に感じるかもしれないが、内訳を読むと「歴史考証への不満」「発売当初の問題への批判」が多く、ゲームプレイそのものへの評価は相当高いことがわかる。

WW2の戦場を歩く——マルチプレイの全貌

BFVのマルチプレイは、大きく5つのモードで構成されている。これだけのモードが1本に詰まっているのは、シリーズ随一の充実度と言っていい。

コンクエスト——BFの原点にして頂点

BFシリーズの看板モード。マップ上に点在する複数の拠点を陣取りし、相手チームのチケット(復活回数)を削り切ったほうが勝ち。32対32で最大64人が同時に戦う。

BFVのコンクエストの特徴は、マップの作り込みが異常なほど精巧なこと。ノルウェーの「Narvik(ナルビク)」では雪山の斜面に戦車が滑り込み、フランスの「Arras(アラス)」では広大な農地を戦車部隊が疾走する。北アフリカの「Hamada(ハマダ)」は砂漠のど真ん中にオイルフィールドが広がり、日本軍との戦いを描く「Iwo Jima(硫黄島)」は海岸線への上陸戦から洞窟内の白兵戦まで展開する。

1試合が20〜40分かかるロングゲームで、拠点の取り合い・兵器の活用・分隊連携を総合的に問われる。「大規模戦の醍醐味」をフルに味わいたいなら、まずここから始めるのがおすすめ。

ブレイクスルー——攻防戦の緊張感

攻撃側が前線を押し込み、防衛側がそれを食い止める非対称の攻防戦。ポイントを押し進める攻撃側と、必死に守る防衛側の攻防が熱い。

特に「Metro」や「Hamada」での鉄骨越し白兵戦は壮絶で、「攻めても攻めても崩れない」という膠着感がリアルな戦場を感じさせる。コンクエストよりフォーカスが絞られているぶん、戦術的な判断力が問われる。

フィオカスドコンクエスト(小規模コンクエスト)

通常のコンクエストより拠点数を絞り、より密度の高い戦闘が展開するモード。「人数が少なくても濃い戦闘がしたい」というときに重宝する。

グランドオペレーション——史実を追体験する連続戦

複数のラウンドをまたいだ連続シナリオ形式のモード。1日目の攻防結果が2日目の戦況に影響する仕組みで、例えば「1日目に空挺降下で拠点を奪った攻撃側が、2日目は優位な状態から始める」というように、試合に物語性が生まれる。

歴史的な作戦をモチーフにした背景設定も秀逸で、コンクエストとは違う「キャンペーンをみんなでプレイしている」感覚が味わえる。BFVのマルチプレイの中で最も「映画的」なモードと言っていい。

スクワッドコンクエスト

4人の小分隊単位で戦う小規模モード。純粋な4v4で、個人の腕前と分隊連携が直結して結果に出る。上級者向けの位置づけだが、分隊を組んでいるなら面白さは格別だ。

兵科システム——4クラスのシナジーが戦場を作る

BFVの歩兵戦は、4つの兵科(クラス)が互いの役割を補い合うことで機能するよう設計されている。

アサルト(突撃兵)

最前線で戦う攻撃特化クラス。サブマシンガン・アサルトライフルなどを装備し、対戦車グレネードやパンツァーファウストで車両にも対応できる。兵科の中で最もオーソドックスな立ち位置で、初心者にもとっつきやすい。

戦場の花形とも言える存在で、「アサルトが動かなければ前線が動かない」という場面は頻繁にある。第二次世界大戦の突撃兵そのものを体現したようなクラスで、M1ガーランド・MP40・ブレン軽機関銃など時代考証のある武器が揃っている。

メディック(衛生兵)

仲間の回復・蘇生を担う支援クラス。セルフメディキットや蘇生キットを持ち、戦場で倒れた仲間を立て直す役割を持つ。メディックが動いているチームは粘り強く、チケット消費を抑えられるため、試合の勝敗に直結する。

BFVのメディックは移動速度が速めで、戦闘能力もそこそこある。「回復しながら戦う」スタイルが楽しく、「自分が動いてチームを立て直した」という達成感を強く感じられるクラスだ。SMGやセミオートライフルを主武装にしているので、中距離戦までは十分に対応できる。

サポート

弾薬の補給・重機関銃の展開・陣地構築強化を担うクラス。分隊全体が弾切れになるのを防ぎ、防御側として拠点を守る局面に力を発揮する。ライトマシンガンや重機関銃を装備し、制圧射撃が得意。

地味に見えて、サポートがいるいないで試合の展開がガラリと変わる縁の下の力持ち的存在。特にブレイクスルーの防衛側では、重機関銃を設置して通路を塞ぐことで「一人で何十人もの前進を食い止める」という状況も生まれる。

リコン(偵察兵)

狙撃ライフルを手に、遠距離から敵を仕留めるクラス。スポットフレアや信号銃で敵の位置を味方に知らせる情報収集の役割も持つ。スナイパーポジションから戦場全体を把握し、重要な敵兵・車両の搭乗員を排除することで試合の流れを変える。

BFVのスナイピングは、風向きや重力落下の計算が必要な本格派。超長距離での射撃は独特の爽快感があり、「1発決まったときの気持ちよさ」はこのゲームでしか味わえないレベルだ。

分隊連携の重要性

4クラスがバランスよく機能するとき、BFVの戦場は最も美しくなる。アサルトが前進して、メディックが倒れた仲間を立て直し、サポートが弾薬を補充し、リコンが後方から敵将校を仕留める。この連鎖がうまく機能したとき、チームとして戦っている喜びが一気に高まる。

「FPSなのにチームプレイが楽しい」という感覚は、BFシリーズの伝統だが、BFVでもその醍醐味は健在だ。

WW2の兵器たち——陸・空・海の多彩な乗り物

BFVの大きな魅力のひとつが、第二次世界大戦の実在兵器を操れること。戦車から戦闘機まで、WW2の兵器を本当に操縦できるFPSはそれほど多くない。

戦車

ドイツ軍のティーガーI、イギリス軍のチャーチル歩兵戦車、日本軍の97式中戦車チハなど、WW2を代表する戦車が実装されている。戦車は単純に「乗って強い」だけでなく、砲塔の旋回速度・主砲の装填時間・装甲の厚さなど実際の兵器に即したスペック差があり、乗り物の特性を活かした戦い方が求められる。

ティーガーIの重装甲と強力な88mm砲は、遠距離からの一方的な砲撃に向いている。一方でチャーチル戦車は速度こそ遅いが歩兵支援能力が高く、都市戦での使い勝手がいい。

戦車の修理は搭乗中に工具を使って自分でできる(乗り物から降りてもOK)。修理中は完全に無防備になるため、「修理すべきかその場を離れるか」という判断が重要なジレンマを生む。

航空機

零式艦上戦闘機(零戦)、スピットファイア、BF109、P-51マスタングなど、WW2を象徴する戦闘機が実装されている。空の覇権争いは専用の操作体系が必要で、習得難易度はかなり高めだが、制空権を握った時の戦場への影響力は絶大だ。

攻撃機(地上爆撃特化)・戦闘機(空対空特化)・重爆撃機など種別があり、対地爆撃でコンクエストの均衡を崩したり、敵戦闘機を撃墜して味方歩兵を守ったりと役割が多岐にわたる。

零戦を駆って太平洋上空を飛び回る体験は、WW2好きにとってゾクゾクする瞬間だ。

半装軌車・補給車

戦車ほど火力はないが歩兵を素早く運べる半装軌車や、拠点間を移動するための輸送車両も充実している。「前線まで歩兵を輸送して突入させる」という連携プレイは、BFの戦場らしい光景を作り出す。

フォートification(陣地構築)

BFVで新たに追加されたシステム。プレイヤーが材料を使って砂袋の壁・有刺鉄線・木製バリケードなどを建設できる。これにより「敵が侵入しにくい防御拠点」を自分たちで作れるようになった。

このシステムは特にブレイクスルーの防衛側で輝く。建設した陣地に分隊全員が篭もり、機関銃を設置して迫り来る攻撃側を迎え撃つ——この絵面が、WW2の塹壕戦そのものを再現している。

サポートクラスが陣地を補強すると強度が上がる仕様もあり、チームプレイの深みを増す要素になっている。

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シングルプレイ「ウォーストーリーズ」——語られなかった戦場

BFVのシングルプレイ「ウォーストーリーズ」は、BF1で好評を博したアンソロジー形式の短編キャンペーンを継承している。「有名な激戦ではなく、歴史の裏側で戦った無名の兵士たちの物語」というコンセプトが特徴的だ。

Under No Flag(国家のない旗の下で)

イギリスのコックニー訛りの不良少年ビリーが、刑務所での服役中に特殊部隊(SAS)への参加を持ちかけられる話。北アフリカのドイツ軍補給線を奇襲するミッションで、広大な砂漠を越えてドイツ基地に潜入するゲームプレイが展開する。

「なぜこんなやつが戦場にいるのか」という出自の面白さと、砂漠のオープンエリアを自由に攻略するサンドボックス感が独自の魅力。強行突破もステルスも選べる設計で、自分のスタイルで攻略できる。

Nordlys(北の光)

ノルウェーのレジスタンス女性兵士ソルヴェイグが主人公。ドイツ軍に拘束された母親を救出するため、雪のノルウェーでのゲリラ戦を展開する。

家族愛と戦争の残酷さが交差するシナリオで、シリーズ随一の感情的な深みを持つ短編。吹雪の中で敵陣を一人でかき回すステルスアクションの緊迫感は格別だった。Steamのレビューでも「ウォーストーリーズの中で一番感動した」という声が多い。

Tirailleur(ティライユール)

フランス植民地軍の一員として戦ったアフリカ人兵士の物語。フランスの農村地帯を解放するための戦闘で、正面突撃とゲリラ的な奇襲を組み合わせた正統派な内容。

いわゆる「歴史の教科書に出てこない人たち」にスポットを当てたシリーズで、「バトルフィールドが今まで描いてこなかった視点」を意識して作られている。

The Last Tiger(最後の虎)

DLCとして後から追加されたシナリオで、ドイツ軍の戦車兵(しかもティーガーIの乗員)が主人公という異色作。戦争末期のドイツで、崩壊しつつある祖国のために戦い続けることへの葛藤を描く。

「敵側から戦争を描く」という試みはシリーズ初で、主人公が命令に疑問を抱きながら戦う姿は、戦争の理不尽さを別の角度から見せてくれる。ウォーストーリーズの中で最も賛否が割れる作品だが、その挑戦的な視点は評価されるべきだろう。

ウォーストーリーズの評価

全4本(実質3本+DLC1本)で、各1〜2時間程度のボリューム。計5〜6時間で終わってしまうため「短すぎる」という批判は当然出た。ただ、1本1本の密度は高く、特にNordlysは今でも「WW2ゲームの短編として最高峰のひとつ」と語られる。

「大作RPGのような長大なキャンペーン」ではなく「凝縮された短編映画」として楽しむのが正しいアプローチで、そう捉えれば満足度はかなり高い。

発売当初の大炎上——何がそんなに批判されたのか

BFVはリリース前後に前代未聞とも言えるほどの批判を浴びたゲームだ。「歴代BFで最もひどい発売」という評価まで出た理由を、改めて整理しておく。

女性兵士論争

最大の炎上ポイントは「女性義手兵士がゲームの顔」として打ち出されたこと。第二次世界大戦の前線に女性兵士がいることへの歴史考証批判が噴出し、特に「女性兵士が1918年代の義手をつけたまま戦場を走り回るのはおかしい」という声が大量に上がった。

当時のEAのCPO(最高人々責任者)が批判ユーザーに対し「買わなくていい(Don’t like it, don’t buy it)」と強い口調で反論したことでさらに炎上が拡大。「開発側が購買層を侮辱した」として大きなニュースになった。

実際には女性がWW2の最前線に立った例は存在する(ソ連の女性狙撃兵・抵抗運動のレジスタンス等)ので、絶対的な間違いとは言い切れない。ただ、プロモーションの打ち出し方と、それに対するEA側の対応の拙さが炎上を加速させた。

トレーラーの違和感

公式トレーラーが「WW2らしくない」という批判も多かった。カラフルな服装、義肢、クリケットバットで戦う兵士など、「WW2の重厚なリアリズム」を期待していたBFファンには「お祭り騒ぎすぎる」と受け取られた。

発売当初のコンテンツ不足

発売時点でのマップ数が少なく、「Battle Royaleの「Firestorm」は後日実装」「太平洋戦線は発売後数ヶ月たってから追加」というスケジュールへの批判も集中した。「未完成品を売っている」という声は正直的を射ていた部分もある。

バトルロイヤルモード「Firestorm」の失敗

2019年3月に実装されたバトルロイヤルモード「Firestorm」は、64人が戦車や航空機を駆使して最後の1人(1チーム)を目指すモード。アイデア自体は面白かったが、リリース時にはすでにFortnite・PUBG・Apex Legendsが市場を席巻しており、勝負にならなかった。数ヶ月でプレイヤーがほぼいなくなり、2020年前半には実質的にサポート終了状態になった。

Early Enlisters特典問題

発売前に予約購入すると早期アクセスができる「Early Enlisters」特典があったが、発売直後にバグが多発してゲームにならない状態だったにもかかわらず早期購入者は全額支払っていたという点も批判の対象になった。

それでも「名作」と呼ばれる理由——7年後の再評価

発売当初はこれだけ叩かれたのに、2025年現在もBFVは根強いファンを持ち続けている。なぜか。

グラフィックとサウンドの質は今でも最高峰

BFVはFrostbiteエンジンの極限まで詰め込まれたグラフィック表現が、7年後の今もほとんど色褪せていない。砲撃で崩れる建物、砂嵐で見通しが悪くなる砂漠、積雪が踏み固められるノルウェーの雪原——環境の細部にまでDICEのこだわりが詰まっている。

サウンドデザインも同様で、銃声・爆発音・エンジン音の質感はWW2系FPSのなかでもトップクラスだ。「良い機材で音を出すとゲームの別の顔が見える」という体験を、BFVは真剣にやってくれる。

Steamのレビューにはこんな声があった。

このゲームのグラフィックとサウンドだけで元は十分取れる。他のゲームが画面の綺麗さを競っている中で、BFVは戦場の「空気」を再現しようとしている。それが7年経っても陳腐化しない理由だと思う。

引用元:Steamレビュー

太平洋戦線アップデートで完成形に近づいた

2019年10月に実装された「太平洋戦線」アップデートは、BFVの評価を大きく改善させた転換点だった。硫黄島・ソロモン諸島といった太平洋の激戦地が追加され、日本軍vs米軍という新たな対立軸が生まれた。

特に「Iwo Jima(硫黄島)」マップは、海岸への上陸→断崖の洞窟陣地→山頂に向かっての進撃というドラマチックな地形設計で、「これがやりたかった」という声が大量に出た。

太平洋が来てからBFVは別ゲーになった。零戦を飛ばしながらスピットファイアと空中戦をするのはWW2好きとして夢だったし、硫黄島の海岸に上陸するシーンは映画並みの迫力がある。発売当初に叩きすぎた自分を反省している。

引用元:Steamレビュー

マルチプレイの「深み」が長く遊ばせる

各兵科の武器・スキルのアンロック、スペシャリゼーション(兵器・武器のカスタマイズ)など、やり込み要素は相当の量がある。100時間遊んでもまだ「こんな武器があったのか」と気づく瞬間があるゲームだ。

特に乗り物のスペシャリゼーション(改造)は深く、エンジン・装甲・武装の各種を組み合わせることで「対歩兵特化の突撃型」「長距離砲撃型」など自分好みの戦車・航空機を作り上げられる。

チートが比較的少ない環境

BF系の現代戦タイトル(BF2042等)と比べると、BFVはチーターが少ないという評価が今でも出ている。WW2設定というジャンル的な独自性もあって「今さらチートを入れて何がしたいんだ」という層が少ないのかもしれない。

「チーターに悩まされずにガチ戦闘を楽しめる」という点は、長く遊び続けている古参プレイヤーの声として繰り返し出てくる。

コミュニティサーバーの存在

公式サーバーが縮小されていく中で、プライベートサーバーをホストするコミュニティが健在で、特定のルール(弾数制限・特定クラスのみ・歴史考証重視など)でプレイするグループが活動している。「ただ勝ちたいだけじゃなく、WW2の雰囲気を楽しみたい」という志向のプレイヤーには、こういった環境が長く遊べる理由になっている。

BFVのコンパニオン(外見カスタマイズ)とプレイヤー表現

BFVには自分のキャラクター(コンパニオン)を見た目でカスタマイズする要素がある。服・ヘルメット・顔のペイント・義肢など、様々なパーツを組み合わせて独自のソルジャーを作れる。

この仕組み自体は今や珍しくないが、BFVの場合はアイテムの取得が「週間チャレンジ」や「ティデが進むにつれて解放されるボービチャプター(Tides of War)」と連動していた。要するに、遊べば遊ぶほどカスタマイズパーツが増えていく仕組みで、課金しなくても外見を育てる楽しみがあった。

ただしここでも問題があった。発売当初は「エリートスキン」と呼ばれる有料コスチュームが販売されており、WW2設定と全くかみ合わないカラフルな現代風スキンや「完全にWW2兵士に見えないキャラ」が実装されたことで、歴史考証重視派から強い批判が出た。

「戦場の外見統一感が壊れる」「WW2の真剣な雰囲気が台無し」という声は繰り返し出てきた。このあたりの「ゲームの雰囲気とマネタイズの衝突」は、BFVが発売当初に受けた批判のひとつで、今でも話題になる。

好意的に見れば「自分だけのソルジャーを作れる」という体験はあるし、WW2らしい渋いカスタマイズをすることも当然できる。ただ課金で販売されるエリートスキンの方向性には、初期から一貫性がなかったというのが正直なところだ。

DICEの開発哲学——BFVに詰め込まれた技術へのこだわり

BFVを語る上で、開発元DICEのこだわりは外せない。スウェーデンのストックホルムに本社を置くDICEは、1992年創業のベテランスタジオで、Battlefieldシリーズのほかに「Mirror’s Edge」シリーズも手がけている。

Frostbiteエンジンの破壊表現

BFシリーズの代名詞とも言える「Levelution(レベルイボリューション)」——つまり試合中に建物が破壊されて地形が変わるダイナミック破壊システムは、BFVでも健在だ。

砲撃を受けた建物の外壁が崩れ、内部構造が露出して新たな遮蔽物になる。塹壕の土が削られ、木製の柵が銃撃で壊れる。「戦場が戦闘によって変化する」というリアリズムは、FPSとしての没入感に直結している。

Frostbiteエンジンの物理シミュレーションは、7年後の今見ても「なんでここまでやるのか」と思うレベルの作り込みで、これがグラフィック上の古さを感じさせない理由のひとつだ。

砂嵐・吹雪・動的天候システム

BFVでは特定のマップで動的天候が発生する。「Hamada」の砂嵐、「Narvik」の吹雪、「Pacific Storm」の台風——これらは単なる演出ではなく、ゲームプレイに実際の影響を与える。

砂嵐が発生すると視界が著しく悪くなり、長距離スナイピングが困難になる。一方で近距離での奇襲は仕掛けやすくなる。「天候に合わせて戦術を変える」という体験は、バトルフィールドのリアリズムへのこだわりが産んだものだ。

サウンドデザインへの投資

DICEのオーディオチームは、BFVの制作のためにヨーロッパ各地の博物館や個人コレクターが所持するWW2の実在兵器を借り受け、野外で実際に射撃して録音を行った。ティーガーIのエンジン音、88mm砲の発射音、MG42の連射音——これらは全て「本物の音をベースにデジタル加工した」ものだという。

この姿勢が、BFVのサウンドが今でも語られる理由だ。映画「プライベート・ライアン」のリアルなWW2音響を思い出させると言われることもある。「銃声だけで時間を忘れて聴いていられる」という人が一定数いるのも納得できる。

アニメーションへのこだわり

BFVではプレイヤーキャラクターのアニメーションが細部まで作り込まれている。銃のリロードモーションが各銃器ごとに完全に独立しており、「ガーランドクリップを叩き込む」「STENのマガジンを横から装填する」など、実際の銃の操作手順を再現したモーションが実装されている。

このレベルのアニメーション作り込みは2018年当時でも突出していた。FPSのリロードモーションが「ゲームの没入感を作る」ということを、BFVは証明した作品だ。

BFVのマップを一気に語る

BFVのマップはリリース後のアップデートも含めると計19枚。この中から特に印象的なマップを挙げていく。

Narvik(ナルビク)

ノルウェーの雪山を舞台にした初期マップのひとつ。急斜面を戦車が下る光景や、吹雪の中での白兵戦など、「WW2の北欧戦線」の雰囲気を見事に再現している。視界の悪さが独特の緊張感を生み、近距離でのばったり遭遇が多い。

Rotterdam(ロッテルダム)

オランダの都市戦マップ。運河沿いのビル群を舞台に、路地・建物内・橋上での激しい交戦が展開する。コンクエストよりブレイクスルーとの相性が良く、「拠点を一つひとつ押し込んでいく」攻防が熱い。

Iwo Jima(硫黄島)

太平洋戦線追加時に実装されたBFV屈指の名マップ。海岸線での上陸シーン、すり鉢山に向かう進撃、洞窟陣地での近接戦——太平洋戦争を知っている人なら誰もが「あのシーン」を連想できる舞台設定。BFVのマルチプレイのなかで最も評価が高いマップのひとつ。

Pacific Storm(パシフィックストーム)

台風が近づく太平洋の島を舞台にした動的天候マップ。試合中に天候が変化し、視界・音響・移動速度に影響が出る。「晴れているときは中距離戦、嵐になったら近距離の混戦」という試合内での展開変化が面白い。

El Alamein(エル・アラメイン)

北アフリカの砂漠戦。第二次世界大戦の転換点ともなった実際の戦場が舞台で、広大な砂漠を縦横に戦車が走り回る。遮蔽物が少ないため長距離戦が多くなり、リコン(狙撃兵)の活躍場面が増えるマップでもある。

Panzerstorm(パンツァーストーム)

ベルギーの平野部を舞台にした、戦車戦特化の超広大マップ。ほぼ平地で遮蔽物が少ないため、歩兵単体では生き残るのが難しい。一方で「戦車vs戦車」の直接対決が頻繁に発生し、「第二次世界大戦の機甲戦」をリアルに体験できる特異なマップとなっている。

武器・カスタマイズ——WW2の銃器を使いこなす

BFVの武器はWW2実在の銃器を中心に構成されており、全体で70種類以上が実装されている。

アサルトライフル・SMG

MP40(ドイツ軍)・STG44(世界初の突撃銃)・M1ガーランド(米軍の主力ライフル)・カービン銃・STEN(英軍のサブマシンガン)など、WW2を代表する銃器が揃っている。STG44は「突撃銃の祖」として歴史的な意義があり、それをゲーム内で実際に使えるのはミリタリーファンにはたまらない。

LMG(軽機関銃)

MG42(ドイツ軍の分隊支援火器)・ブレン(英軍)・BAR(米軍)など。特にMG42は毎分1,200発という異様な発射レートが特徴で、ゲーム内でもその圧倒的な制圧力は健在。「布を引き裂くような」独特の銃声はBFV最大の音響体験のひとつだ。

スナイパーライフル

スプリングフィールドM1903・ゲーヴェールKar98k・アンスカン・Lee-Enfieldなど。特にKar98kは一発の破壊力と操作感が人気で、スナイパー同士の間では「Karが一番気持ちいい」という声が多い。

スペシャリゼーション(改造)システム

BFVでは各武器に固有のアップグレードツリーが設定されており、試合の経験値を消費してカスタマイズできる。反動軽減・装填速度向上・マガジン容量増加・光学サイトの追加など、自分のプレイスタイルに合わせた改造が可能。

ただし全ての改造を一度に適用できるわけではなく、「どのスペシャリゼーションを優先するか」の選択が戦略的な要素になる。例えばMG42の場合「連射速度をさらに上げる」か「反動を抑えてコントロールしやすくする」かは相互排他的な選択になっており、プレイスタイルが武器の特性に反映される。

BF2042との比較——なぜBFVのほうが今も遊ばれているのか

2021年にリリースされたBF2042はBFシリーズの最新作だが、現在のSteam同接はBFVに大きく負けている。BFVの同接が2,000〜3,000人台をキープしている一方で、BF2042は1,000人を切る日も珍しくない。

なぜ古い作品のほうが今でも人気があるのか。

「BFらしさ」の違い

BF2042は「スペシャリスト」システム(特殊能力持ちキャラ)を採用し、それまでの兵科システムを廃止した。このシステムが「BFのチームプレイ感を壊した」として大量の批判を集めた。

BFVは「アサルト・メディック・サポート・リコン」の4兵科制を維持しており、「チームで役割を補い合う」というBFの根本哲学が守られている。これが「BFVのほうがBFらしい」という評価につながっている。

マップのサイズ感

BF2042では「ハイポセンター(Hourglass)」のような過去最大規模のマップが実装されたが、広すぎてガチ戦闘になりにくいという問題が出た。BFVのマップは大きいものから小さいものまでバランスよく揃っており、「密度のある戦闘が楽しめる」という評価がある。

WW2という設定の根強さ

2042の「未来戦争設定」は「どこにでもある近未来FPS」という印象を与えてしまった面がある。BFVのWW2設定は独自性が高く、「歴史的な兵器で戦える」という体験はなかなか代替品がない。

現代のFPS市場でのポジション

2025年現在のFPS市場において、BFVはどういう立ち位置にあるのか。

WW2系FPSとしての唯一性

大規模マルチプレイのWW2 FPSというジャンルは、実はかなり空いている。Hell Let Looseはよりリアル寄りで、CoD:Vanguardはより小規模戦向け。「BFシリーズの感触でWW2をやりたい」という需要に応えられるのは、今のところBFVだけだ。

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Counter-Strike 1.6はBFVとは全く違うタイプのFPSだが、「歴史を重ねてもなお遊ばれ続けるゲームには理由がある」という点では共通点がある。CS1.6が20年以上愛されているように、BFVも2018年のゲームにしては長い寿命を誇っている。

Delta ForceやSquadとの関係

最近の大規模FPS市場ではDelta Forceが台頭しているが、「WW2の兵器・雰囲気への愛着」という面ではBFVは別軸の需要を持っている。現代戦・近未来戦が嫌いで「第二次世界大戦の空気感が好き」という層には、BFVの居場所はまだある。

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批判の的になったポイントを正直に書く

BFVを語るうえで、問題点を棚に上げるのはフェアじゃない。今でも批判される点を正直に書いておく。

Firestorm(バトルロイヤル)の失敗

すでに触れたが、BFVの目玉機能として大きく打ち出されたFirestormは完全に失敗した。リリースタイミングが悪かったこと、マッチング時間が長かったこと、ゲーム性がBFのコアとずれていたことが重なって、あっという間に過疎化した。「Firestormのために購入した人への裏切り」という声は今でも出てくる。

コンテンツ追加の終了

2021年半ばに公式がBFVへのコンテンツ追加を終了することを発表した。「まだやることがある」「太平洋戦線をもっと充実させてほしかった」という声を残したまま開発が終了したことは、長年のファンにとって心残りだろう。特にドイツのDデイ(ノルマンディー上陸)の対ドイツ側マップが未実装のまま終わったことは惜しまれる。

TTK(キルまでの時間)変更の迷走

発売後、何度もTTK(Time to Kill:敵を倒すまでにかかる弾数・時間)の変更が行われた。変更のたびに賛否が分かれ、「射撃の感触がリセットされる」という不満が繰り返し起きた。最終的には発売当初のTTKに戻す方向で落ち着いたが、この変更迷走は「EAが数字でゲームを調整しすぎる」という批判の象徴になった。

歴史考証への割り切りが必要

女性兵士問題に代表されるように、BFVは「WW2の雰囲気は活かしつつ、ゲームとしての自由度も確保する」というスタンスをとっている。純粋な歴史シミュレーション・ドキュメンタリー的なゲームを求める人には物足りないかもしれない。

ただし「完全なリアリズムを求めるなら、そもそも対戦FPSに求めるのがおかしい」という声も当然ある。どこまでリアリズムを求めるかは個人の価値観によるが、「雰囲気のWW2」として楽しむ姿勢があれば問題にならない。

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Ready or Notはより高い戦術リアリズムを求める人向けの選択肢。BFVの「映画的なWW2体験」に対して、現代の特殊部隊としての精密な戦術行動を楽しむゲームだ。リアリズム志向が強ければ強いほどこちらも合う。

WW2ゲームの文脈でBFVを置く

第二次世界大戦を題材にしたゲームは数多くあるが、BFVはその中でどういう位置を占めているのか。

Call of Duty: WW2との違い

同時期(2017〜2018年)にリリースされたCoD: WW2との比較は当時からよく行われた。CoDが「中距離での撃ち合い中心の正統派FPS」なら、BFVは「乗り物・陣地構築・大規模戦闘を含む複合体験」という違いがある。

どちらが面白いかは好みによるが、「BFシリーズの大規模感が好き」なら迷わずBFV、「純粋なFPSの射撃感と1v1の勝負が好き」ならCoD向きという分け方でほぼ間違いない。

Hell Let Looseとの違い

歴史考証に厳密なWW2 FPSとして名高いHell Let Looseとの比較も頻繁にある。HLLが「無線・指揮系統・弾薬補給まで再現した超本格派」なら、BFVは「WW2の空気感を維持しつつエンタメとして楽しめる」というバランス派の位置にある。

HLLは習得難易度がかなり高く、最初の数十時間は「何をすればいいかわからない」という体験になりやすい。BFVはBFシリーズの伝統であるわかりやすさを維持しているため、WW2系FPSの入門としても機能する。

Medal of Honorシリーズとの精神的なつながり

2000年代にWW2 FPSの代名詞だったMedal of Honorシリーズを覚えている人には、BFVはある種の「帰ってきた感」があるかもしれない。もちろん全く別物だが、「WW2の戦場を一人称で歩く」という体験の原点をBFVでも感じられる。

BFVの「あの瞬間」——プレイヤーが語る忘れられない体験

BFVのコミュニティで繰り返し語られる「あの瞬間」がある。数字や評価ではなく、実際のプレイ体験として何が残っているのか。

「硫黄島に上陸した瞬間」

太平洋戦線アップデート以降、最も多く語られる体験が「硫黄島マップへの海岸上陸シーン」だ。LCT(上陸用舟艇)に乗って海を渡り、砲撃と機銃の嵐の中で海岸に踏み込む。目の前には白砂の浜辺と、そのはるか奥にそびえるすり鉢山。

映画「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」のあのシーンが頭をよぎる、という感覚はWW2好きなら誰でも持つ。「ゲームでここまでの体験ができるとは」という驚きが、この瞬間に集約されている。

上陸したとき「これが硫黄島か」と思って思わず手が止まった。ゲームの中なのに、ちゃんと「戦場にいる怖さ」を感じた。こういう体験を作ってくれたDICEには本当に感謝している。

引用元:Steamレビュー

「MG42で全員を抑えた瞬間」

サポートクラスでMG42を設置し、通路を単独で制圧する体験は、BFV屈指の「一人で戦局を変えた」感覚だ。1分間1,200発の連射が生み出す制圧射撃——これで攻撃側の前進を止め、チームが拠点を守りきった瞬間の達成感は格別。

「リアル世界で機関銃兵ってこんな役割だったんだな」という歴史理解とゲーム体験が一致する瞬間でもある。

「零戦でスピットファイアを撃墜した瞬間」

太平洋の空での空中戦。零戦の高い旋回性能を活かして、スピットファイアの後ろを取り、撃墜する。「WW2の空中戦が実際こんな感じだったのか」という体感が、ゲームを通じて届く瞬間だ。

航空機の操作は習得難易度が高いが、「空中戦で相手機を仕留めたとき」の達成感は他のモードでは味わえない。

「吹雪の中でのナイフキル」

Narvikの吹雪の中、視界がほぼ0になった状況で、偶然同じ場所に入り込んだ敵兵とばったり遭遇。反射的にナイフで倒す。この「混乱の中での偶発的な出来事」がBFの戦場らしさを象徴している。

「計画通りにいかないのが戦場」というBFの設計思想が、こういう偶然を生む。

BFVで初めて遊ぶなら——実践的な始め方

BFVを買ったばかりの人・これから始める人に向けて、実際の始め方を整理しておく。

まずはコンクエストの「練習」から

いきなりオンラインで人間と戦うのが不安なら、AIとの練習試合(オフラインモード)でマップの構造・兵科の操作感・乗り物の扱い方を確認するのが安全だ。BFVにはAI相手で練習できる「コンバット」モードがあり、ここで基本を固められる。

最初に選ぶ兵科はアサルトかメディック

初心者に最もとっつきやすいのはアサルト(攻撃力が高く単純に使いやすい)かメディック(仲間を回復できるので「チームへの貢献実感」が得やすい)。サポートは弾薬管理の理解が必要、リコンは前線から離れた動きが必要なので、ある程度マップを覚えてからのほうがいい。

分隊を組む重要性

BFVは孤立した1v1よりも、分隊(4人1組)で動いたほうが圧倒的に楽しい。分隊長についていくだけでリスポーン地点が増えるので、「分隊長の近くで戦う」という単純な行動がチームへの貢献につながる。フレンドがいれば分隊を組んで入るのがベスト。

おすすめの入門マップ

複雑な地形よりシンプルなマップのほうが最初は把握しやすい。「Rotterdam」や「Twisted Steel」は比較的コンパクトで、どこで何が起きているかを把握しやすい。「Panzerstorm」や「Hamada」のような超広大マップは慣れてから。

設定の最適化

BFVは7年前のゲームなので、現代の中スペックPCであれば「最高設定」でも問題なく動く場合が多い。ただしFPSゲームなので、グラフィックより「フレームレートの安定」を優先する設定調整は有効だ。影や反射光の設定を下げることでフレームレートが大幅に改善されることがある。

2025年現在のBFV——プレイヤーはまだいるのか

2021年にコンテンツ追加が終了して以降、BFVは新しいコンテンツが追加されない状態が続いている。では現在のプレイヤー環境はどうなっているのか。

Steam同接の現状

2025年現在、BFVのSteam同接は平日2,000〜3,000人台、週末は3,000〜5,000人台を維持している。7年前のゲームとしては驚異的な数字で、「まだこれだけの人が遊んでいる」という事実がゲームの質を物語っている。

ただし、ピーク時間帯(夜20〜24時あたり)を外れると人数が減り、特定のモードではマッチングに時間がかかることもある。

コミュニティサーバー

公式サーバーと並んで、コミュニティが運営するカスタムサーバーが今でも活動している。特定のルール縛り(弾数制限・特定兵科のみ・特定マップのローテーション)でプレイするグループが複数存在し、「公式よりコミュニティサーバーのほうが好き」という古参プレイヤーは多い。

チート環境

古いゲームということもあり、一部のモードではチーターが出現することがある。ただし、新作タイトルと比べてチーター数は少なく抑えられているという声が多い。チーター報告機能も一応機能している。

「セール価格」という圧倒的なコスパ

Steamのセール時には数百円で買えることが多く、コンテンツ量を考えると異常なコスパになる。「迷っているならセールのタイミングで買うのが一番」という意見はコミュニティで繰り返し出てくる正しいアドバイスだ。

BF2042が2,000円のセールで買ったのに、BFVが800円のセールで出てて2本目を買った。結果的にBFVのほうが10倍以上遊んでいる。WW2の空気感とマップの質が全然違う。

引用元:Steamレビュー

BFVと「戦争の描き方」——ゲームとしての倫理問題

BFVが受けた批判の中で、最も根深いのは「戦争のゲーム化をどこまで許容するか」という問いだろう。これはBFV固有の問題というより、戦争ゲーム全体に通じる永遠のテーマだ。

エンタメとしての戦争vs歴史教育としての戦争

BFVは「第二次世界大戦」という実際に起きた歴史的事件を舞台に、プレイヤーが「楽しむ」ことを前提に設計されている。これ自体を否定する声は一定数存在する。

「実際に何千万人もの命が失われた出来事を、ゲームとして楽しむのは不謹慎ではないか」という問いだ。これに対するBFVの答えは「WW2を舞台にした映画・小説と同じで、物語の媒体が変わっただけ」というものだろう。

実際、プライベート・ライアン・大脱走・ナチュラルボーンキラーズ——WW2を題材にした優れた映画は山ほどある。それが映画なら許されてゲームなら問題、というダブルスタンダードへの疑問は当然出てくる。

「敵側の視点」が生む共感の倫理

ウォーストーリーズ「The Last Tiger」が示したように、BFVはドイツ軍側の視点を描いた。「敵側の兵士に感情移入させる」という試みは、「戦争に善悪はなく、双方に人間がいる」という普遍的なメッセージにつながっている。

これは純粋に評価できる試みだ。「敵キャラは単なる標的」ではなく、「同じように恐れ、疑い、戦っていた人間」として描く——こういうアプローチは戦争テーマの成熟を示している。

BFVが持つ歴史教育的な側面

「Nordlysのノルウェー・レジスタンス運動を知らなかったが、BFVで遊んでから調べるようになった」「ティライユールを通じてフランス植民地軍の存在を初めて知った」という声は少なくない。

ゲームが歴史への入口になる——これはBFVが(意図せずしても)達成した成果のひとつだ。

BFV購入ガイド——今買うべき?セール待ち?

「BFVを今から買うのはありか」という問いへの答えを出しておく。

価格と購入タイミング

通常価格はSteamで3,990円だが、Steamの大型セール(夏・冬)では75〜80%オフになることが多く、その場合は800〜1,000円程度で購入できる。

「今すぐ遊びたい」という強い理由がないなら、セールを待つのが賢明だ。このゲームはすでにコンテンツ追加が終了しているため、セールを逃してもすぐに次が来る(毎回大型セールでは登場している)。

EAのサブスクリプションサービス「EA App(旧EA Play)」のメンバーであれば、月額数百円のサービスで一部タイトルが対象になる場合もある。加入している人は確認してみる価値がある。

必須DLCはあるか

BFVはDLCが基本的にゲーム内に含まれており(太平洋戦線・各マップ追加はすべて無料)、本体を買えばコンテンツのほとんどにアクセスできる。追加購入が必要な有料コンテンツはコスメティック(外見)系のみで、ゲームプレイに影響するDLCは存在しない。「本体だけ買えばOK」というシンプルな構造だ。

スペックはどれくらい必要か

推奨スペックは2018年当時のもので、現代の基準だと中スペックPCでも「高設定」以上で動かせることがほとんど。具体的にはGTX1060以上のGPU、8GB以上のRAM、Intel Core i7-4790以上のCPUがあれば快適に動く。最近のPC(2020年以降)であれば大多数が条件を満たしているはずだ。

「ゲーミングPCを持っていないが、それほど高くない普通のPC」でもある程度遊べるのは、古いゲームならではのメリットだ。

マッチングの現状

2025年現在、コンクエストとブレイクスルーは夜の時間帯であれば比較的すぐにマッチングできる。ただし一部のモード(グランドオペレーション等)は人数が集まりにくい時間帯もある。

「いつでも好きなモードがすぐ遊べる」という状況ではなくなってきているのは事実で、「メインのコンクエストだけ遊ぶ」という姿勢のほうがストレスが少ない。

BF6(Battlefield Labs)との関係——次世代BFへの期待と不安

2025年、BFシリーズの次作「Battlefield Labs」がテスト段階に入ったことが報告された。詳細はまだ限られているが、ファンの間では「BF6がBFVの評価を継承できるか」という議論が早くも始まっている。

BFVが「発売当初に酷評されながら後で再評価された」という経緯があるだけに、「次作も同じ轍を踏むのではないか」という心配の声は当然出てくる。一方で「DICEがBFVの失敗から何を学んだか」に期待するファンも多い。

次作への期待と不安は、BFVへの愛着の裏返しでもある。「BFVがあそこまで良かったから、次作にも期待したい——でも傷つきたくない」というのが多くのBFファンの正直な気持ちだろう。

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BioShockはFPS+探索の全く異なるジャンルだが、「優れたビジュアル・サウンドとともに独特の世界観に浸れる体験」という共通点がある。「映像体験としてのFPS」を求める層には、BFVと並んで語られることが多い。

BFVとストラテジーゲームの意外なつながり

第二次世界大戦という時代を別のゲームジャンルでも楽しみたい、という場合は戦略シミュレーションにも名作がある。

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Civilization Vも文明の歴史を一から作り上げる大戦略ゲーム。BFVで「第二次世界大戦の前後の時代の歴史」に興味が湧いた人が、こうしたゲームに流れるケースは珍しくない。

BFVが与えた影響——WW2 FPSの再評価

BFVの発売は、ゲーム業界における「第二次世界大戦テーマの見直し」という流れを作ったという側面がある。

2010年代は「現代戦・近未来戦」が大型FPSの主流だった。BF4・BF1(第一次世界大戦)・BFVという流れで、「リアル系大規模FPSには歴史的な戦場が合う」という評価が出てきた。

この流れはHell Let Loose・Post Scriptum・Enlisted(エンリステッド)といったより本格的なWW2 FPSの台頭にもつながっており、「BFVがWW2系FPSの需要を再発掘した」という見方もできる。

批判も多く受けたが、「WW2のゲームとしてここまでのクオリティと規模を実現したのはBFVが初めて」という点は正当に評価されるべきだろう。

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Cry of Fearはホラー系FPSで全く別ジャンルだが、「古いゲームが今でも遊ばれ続けるのはなぜか」という問いかけをする意味では示唆的だ。BFVとCry of Fearは両方とも、「新しいゲームが出ても置き換えられない独自の体験」を持ったゲームという点で共通している。

まとめ——BFVはどんな人に刺さるゲームなのか

発売から7年以上が経過したBFVは、今でも「WW2大規模FPSとしての唯一解」に近いポジションを保っている。

発売当初の炎上・Firestormの失敗・コンテンツ追加の早期終了——これだけの逆風があっても、ゲームの本質的な部分——マップの作り込み、銃器・兵器の再現度、サウンドデザイン、大規模戦のカタルシス——は本物だった。だから7年後の今もプレイヤーが残っている。

「BFVは歴代BFの名作」という再評価は、Steamのレビューでも年々積み上がっている。発売当初は「最低評価」だったのに、今は「全体:やや好評」というアンバランスな状況も、それを示している。

WW2の戦場を大規模な対戦FPSで体験したいなら、BFVはいまだに最良の選択肢のひとつだ。Steamセール時の価格を考えれば、試してみない理由はほとんどない。

「バトルフィールドがなぜ今でも刺さるのか」——その答えを知りたいなら、ナルビクの雪山か硫黄島の海岸で、自分の目で確かめてほしい。

発売当初は「EAはもうBFを作るな」くらいの気持ちで批判していたけど、太平洋が来てから考えが変わった。今では「なんであんなに怒っていたんだろう」と思う。WW2のBFとしては、これ以上のゲームを私は知らない。

引用元:Steamレビュー

Battlefield™ V

DICE
リリース日 2020年10月22日
サービス中
価格¥5,600
開発DICE
販売Electronic Arts
日本語非対応
対応OSWindows
プレイ形式シングル / マルチ
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