「友達と遊んだら本気で怒鳴り合いになった」——Steamレビューにそう書いた人の気持ちが、プレイするとすごくよくわかる。
Ready or Not(レディ・オア・ノット)は、アイルランドのVOID Interactiveが開発したSWATシミュレーター系タクティカルFPS。2021年12月に早期アクセスを開始し、2023年12月13日に正式リリース。Steamの同接ピークは約5万5,000人を記録した。
このゲームは「射撃ゲーム」じゃない。敵を倒すだけなら簡単だ。でも、不法投棄された死体を傍目に証拠を集め、子供の密輸現場に踏み込み、乱射犯の立てこもりをクリアしながら民間人の安全も確保しなければならない。そのすべてを、交戦規定の範囲内で、5人のチームで、冷静にこなす必要がある。
怒鳴り合いになる理由は明快だ。ドアを開けた瞬間に1人が倒れ、カバーしていた仲間が焦って民間人に発砲し、スコアが地の底に沈む——そういうゲームだから。
プレイヤーが要求されるのはFPSの腕前ではなく、「冷静さ」と「判断力」と「コミュニケーション」だ。この三つが揃わないと、どれだけ射撃精度が高くても任務は失敗する。
2025年7月にはPS5・Xbox Series X|S版もリリースされ、コンソール版は発売から4日で100万本を突破。PC版も含めた累計販売は1,300万本を超え、タクティカルFPSというニッチジャンルとしては異例の規模になった。一方でコンソール展開に伴う「表現規制論争」も起き、Steamで大規模な低評価爆撃を受けるという騒動も2025年の夏を賑わせた。
光の面も影の面も、できる限り正直に書いていく。
「SWAT 4の後継作として20年待ち続けた人」「Co-opゲームに本気の連携を求めている人」「難しいゲームが好きな人」——この三種類のプレイヤーに向けて、このゲームが答えになるかどうかを確認するための記事だ。Ready or Notのすべてを網羅的に書くのは難しいが、購入判断に必要な情報を揃えることを目指した。
こんな人に刺さる / こんな人にはキツいかも

- 「SWAT 4」や初期Rainbow Sixシリーズが好きだった人
- Co-opで本物の連携プレイを体験したい人
- 即死&やり直しを楽しめる難しいゲームが好きな人
- リアルな犯罪捜査・警察オペレーションに興味がある人
- MODで遊べる自由度の高いゲームが好きな人
- 爽快感より「達成感」を求めるプレイヤー
- 「ゲームとしての完成度」より「体験の濃さ」を重視する人
- ラン&ガンで爽快感を求めるプレイヤー
- ソロで気軽に遊びたい人(ソロモードはあるがCo-opが本番)
- フレンドリーファイアや誤射に耐性がない人
- グロ表現・犯罪題材のリアルな描写が苦手な人
- 敵AIの理不尽な精度にストレスを感じやすい人
- チュートリアルで丁寧に教わりたい初心者
Ready or Notとは何か——SWATシムの系譜を引き継ぐ一作
SWATをテーマにしたタクティカルFPSの名作として今でも語り継がれるのが、2005年発売の「SWAT 4」だ。しかしそれ以降、このジャンルは長い空白期間に入った。Rainbow Sixシリーズはマルチプレイ特化の方向に舵を切り、純粋にSWAT体験を楽しめる作品はほぼ絶滅状態になっていた。
その空白を埋めようとしたのが、VOID Interactiveだ。アイルランドの小規模スタジオが2017年に開発を発表し、2019年にプレアルファ版を公開。Kickstarterではなく独自資金で開発を続け、2021年12月に早期アクセス版をSteamでリリースした。
舞台は架空の都市「ロススエノス(Los Suenos)」。ロサンゼルスをモデルにした治安の悪化した都市で、プレイヤーはLSPD(ロススエノス市警察)のSWATチームリーダーとして、人質救出・爆弾解除・立てこもり対応・捜索令状の執行などのミッションをこなしていく。
早期アクセス段階から「SWATシムの後継作が来た」と話題になり、リリース2日後にSteam同接が約1万5,000人に達した。当時のゲームコミュニティではSWAT 4のリバイバルとして熱狂的に受け入れられた。
SWAT 4以来ずっと待ってたゲームがついに出た。20年弱分の積み残しがようやく解消された気分
引用元:Steamレビュー
その後、2023年12月13日に正式版1.0がリリース。The Game Awards 2023でのサプライズ発表からわずか数日後のリリースということもあり、ゲームメディア・コミュニティで大きく取り上げられた。同接は一気に5万5,000人を超え、Steamの「非常に好評」評価を獲得した。
正式リリース後も複数のDLCが追加されており、2025年7月にはコンソール版(PS5 / Xbox Series X|S)もリリース。コンソール展開に合わせてクロスプレイが実装され、全プラットフォームのプレイヤーが同じサーバーで遊べる体制が整っている。
「交戦規定」が全てを変える——このゲームの核心

Ready or Notが一般的なFPSと決定的に違うのは、スコアが「何人倒したか」ではなく「どう対応したか」で決まる点だ。
ミッションごとに「交戦規定(ROE: Rules of Engagement)」が設定されており、これを守らないとミッションをクリアしても低評価になる。具体的には:
- 民間人への不用意な発砲 → 大幅減点
- 容疑者が降伏の意思を示しているのに射殺 → 減点
- 証拠品の収集漏れ → 減点
- 死体への「死体撃ち」(確認射撃)→ 減点
- チームの損害 → 減点
- 容疑者の拘束が不完全なまま進む → 減点
容疑者を「殺す」より「制圧・逮捕する」方が評価が上がる設計になっているため、プレイの戦略が根本的に変わる。相手が銃を持っていても、まず「止まれ!手を上げろ!」と声をかけ、反応を見て対処する必要がある。実際の警察組織の交戦規定をベースにした仕組みで、「撃てるから撃つ」という判断が許されない。
降伏した容疑者に「念のため」追い打ちをかけたら思いっきり減点された。警察のゲームだからそりゃそうなんだけど、FPS慣れしてると反射的に撃ってしまう。慣れるまで何十回も同じミスをした
引用元:Steamレビュー
この仕組みは最初かなりフラストレーションを感じる。でも慣れてくると、容疑者の動きを読んで「ここで声かけすれば降伏させられる」「このルートから制圧すれば最小限の交戦で済む」という計算が面白くなってくる。「どうすれば最善の結果になるか」の正解を探す、パズル的な楽しさが生まれてくる。
声で動かすチーム指揮——指示システムの仕組み
ゲーム内では隊員への指示をコマンドシステムで出す。ドアの前で「突入!」を指示すれば隊員が突入し、「フラッシュバン投擲!」を指示すれば先にフラッシュバンが投げ込まれる。どういう順序でどの行動をとるかの組み合わせが、突入の成否を左右する。
Co-opプレイ時はゲーム内コマンドではなくボイスチャットでリアルタイムに連絡を取り合うことになる。「左のドア、右にカバー入ってる!」「フラッシュ投げてから突入!」「待って、2時方向に民間人!」——こういったやり取りが、現実のチームオペレーションに近い体験を作る。
ソロプレイではAI隊員にコマンドを出す形になるが、Co-op時の緊張感と達成感とは異なる体験になる。「Ready or Notはソロでも楽しめるが、真価はCo-opにある」というのはほぼ全てのプレイヤーが同意する点だ。
ミッションタイプの多様性——5種類の状況
ミッションは基本的に以下の5タイプに分類される:
- バリケード容疑者——建物に立てこもった容疑者の制圧。比較的ノーマル難易度
- レイド——捜索令状を持った強制捜査。証拠品の収集が重要
- アクティブシューター——現在進行中の銃乱射事件への対応。スピードが求められる
- 爆弾の脅威——爆弾テロへの対応。時間的プレッシャーが加わる
- 人質救出——人質が取られている状況での突入。最も難易度が高い
同じマップでも状況タイプが違えばプレイが変わる。「いつものミッション」がなく、毎回新鮮な判断を求められる設計になっている。
ソロでもCo-opでも、チームワークが問われる——という意味ではゲームのキャッチコピーになり得るかもしれない。AIと一緒でも「俺がもう少し良い指示を出せれば」という気になれる。
引用元:note ゲームレビュー「Ready or Not」INFO管理人

マップとミッションの多様性——犯罪社会の暗部を歩く
Ready or Notのマップは、単純な「建物クリアリング」に留まらない。それぞれのマップに背景となるストーリーがあり、犯罪の種類も多岐にわたる。正式リリース版のマップには以下のようなものがある。
本編マップの世界観
- 213 Park Homes——住宅街への家庭内暴力・立てこもり対応。ドアを開けた瞬間に子供がいる可能性がある
- 4U Gas Station——コンビニ・ガソリンスタンドでの武装強盗対応。狭い空間での近接戦闘
- Arden Dam——ダム施設でのテロ対応。屋外戦闘要素が入る大規模マップ
- Cherryessa Farm——農場での人身売買組織の摘発。広い屋外と屋内が入り混じる
- Neckties——パーティー会場での銃乱射事件対応。民間人が多数存在する混乱状況
- Streamer——人気配信者へのスワッティング(いたずら通報)対応。現代的な犯罪をテーマにしたユニーク設定
- Valley of Dolls——子供の人身売買組織の摘発。ゲーム内で最も重い内容のマップ
- Port Hokan——港湾施設での組織犯罪対応。広い屋外エリアと倉庫内部の二段構え
「Streamer」マップは配信者文化を題材にしたユニークな設定で、実際のスワッティング事件をモチーフにしている。人気配信者の自宅に通報が入り、SWAT部隊として現場に向かうが——という設定は、当時かなり話題になった。
「Valley of Dolls」はゲーム内でも最も重い内容のマップで、児童売買という現実の犯罪を直接扱う。クリアしたプレイヤーから「プレイ中に気が重くなった」「現実の問題を突きつけられた気分」という感想が多く寄せられている。ゲームが単なる「撃ち合いゲーム」じゃなく、現実の犯罪問題を素材にしているのがよくわかる。
マップ設計の丁寧さ
各マップには「複数の侵入ルート」が設けられており、どこから突入するかがミッションの難易度を左右する。正面玄関からの正攻法、窓や裏口からの奇襲、屋上からの降下など、チームで相談して突入ルートを決めることになる。
建物の構造を把握するために、突入前にドアの隙間からミラーで確認する「ミラーキット」を使う場面もある。相手の数・位置・装備を確認してから突入するか、あえて不確定のまま突入するか——この判断一つで結果が大きく変わる。
DLCでさらに広がるシナリオ
正式リリース後も、DLCで新マップが継続的に追加されている。
2024年7月の「Home Invasion」DLCでは、住居侵入関連のミッションが追加。3つの新マップと新武器が実装され、プレイヤーから好評を得た。
2024年12月の「Dark Waters」DLCでは、海上石油掘削施設Heavywell A-101 Rigを舞台にしたエコテロリスト対応ミッションが実装。水上戦闘という新要素が加わり、ゲームの舞台が陸上から海上へと広がった。新メカニクスとして「航空熱探知カメラ」や「武器キャッシュシステム」なども導入されている。
DLCのDark Watersは海の上というだけでマップが全然違う体験になる。建物クリアリングとは全く異なる動き方が必要で、本編と別ゲーみたいな感覚。それがいい意味で新鮮だった
引用元:Steamレビュー
装備と戦術の深み——ただの「良い銃を選ぶ」じゃない

Ready or Notの装備選択は、ミッションの戦略に直結する。「強い装備」を選べばいいという話ではなく、状況に合わせた選択が求められる。
アーマーの選択
- ノーアーマー——最高の移動速度。狭い建物での素早い行動に向くが、被弾には非常に弱い
- ライトアーマー——速度と防御のバランス型。汎用性が高い
- ヘビーアーマー + バリスティックマスク——正面からの銃撃に強い。移動が鈍くなるが生存率は上がる
初心者にはヘビーアーマー + バリスティックマスクのセットが推奨されることが多い。頭部へのダメージが大きく軽減され、銃撃戦での生き残りやすさが上がる。ただし移動速度が落ちるため、素早い対応が必要な状況では不利になる場面もある。
武器の選択
主武器として選べるのはアサルトライフル・SMG・ショットガン・スナイパーライフルなど。マップの規模と戦闘距離によって使い分けが変わる。狭い室内ではSMGやショットガンの取り回しが活きる一方、開けたエリアが多いマップではアサルトライフルの射程が有利になる。
武器にはカスタマイズ要素もあり、サイト・サプレッサー・バーティカルグリップなどのアタッチメントで性能を調整できる。サプレッサーを付けると音が小さくなり、遠くの容疑者に気付かれにくくなる一方、弾の貫通力が落ちる場合がある。
装備品——突入の鍵を握るアイテム群
- フラッシュバン——部屋突入前に投げ込んで一時的に無力化。タイミングが重要
- スモーク——視界を遮り、安全に移動するカバーとして使う
- スタン弾(バングスティック)——扉越しに使えるスタン系装置
- ミラーキット——ドア下から使う偵察用ミラー。突入前の情報収集に使う
- C2爆薬——壁や扉を爆破して新たな侵入経路を作る
- バットラム——鍵のかかった扉を強制突破する近接ツール
非致死性装備——高評価への近道
交戦規定上、容疑者を「逮捕」する方がスコアが高い。そのためには非致死性装備が重要になる。
- ペッパーボール——対象を視覚的に無力化。遠距離から制圧できる
- テーザー——近距離で電気ショックを与えて制圧。確実だが距離が必要
- スタン弾(Beanbag Shotgun)——非致死性のショットガン弾。比較的安全に制圧できる
非致死性装備を使いこなすには容疑者との距離感と状況判断が必要だ。容疑者が武器を持っている状態で近づきすぎると射殺される。「制圧したいがリスクを取りたくない」という場面での判断が、プレイヤーの腕の見せどころになる。
ボイスチャット無しでやると地獄を見る。でもボイスチャットありでも地獄を見ることはある。それでもやめられないのがこのゲームの魔力
引用元:Steamレビュー

なぜここまで人気になったのか——需要と供給が一致した瞬間
Ready or Notが正式リリース直後に同接5万5,000人を叩き出した背景には、いくつかのはっきりした理由がある。
1. 長年の「ニッチの空白」を埋めた
SWAT 4(2005年)から約18年間、本格的なSWATシミュレーターは実質存在しなかった。Rainbow Sixシリーズがマルチ特化に路線変更して以来、「チームで連携してクリアリングを楽しむ」純粋なタクティカルCo-opゲームは飢餓状態だった。
その需要が一気にReady or Notに流れ込んだ。「SWAT 4の後継作をずっと待っていた」という声がSteamレビューに何百件も並んでいた。タクティカルシューターの市場で「PvEのCo-opシム」というカテゴリはほぼ空白地帯だったわけで、そこにきちんとした品質の作品が出てきたことで需要が一気に解放された形だ。
SWAT 4が好きで、ずっとこういうゲームを探していた。20年ぶりにあの感覚が戻ってきた
引用元:ファミ通.com BRZRKのコラム
2. 題材のリアリティと「見せる勇気」
このゲームが他のゲームと一線を画すのは、扱うテーマが徹底的にリアルであることだ。人身売買・スワッティング・家庭内暴力・薬物密売。「ゲームとして商品化すべきか」という議論が起きるレベルの題材を、真正面から扱っている。
これが批判を受けた面もあるが、同時に「社会問題を直視するゲームとして評価する」という見方も存在する。VOID Interactiveは実際の法執行機関と協力して設計したと明言しており、センセーショナリズムではなく現実への敬意として描いた、というのが開発の立場だ。
こんな場所に実際に踏み込む人たちがいるのかと思うと、プレイしながら気が重くなる。それがこのゲームの価値だと思う
引用元:4Gamerユーザーレビュー
3. ゲームAIの品質の高さ
敵AIは「ヘビーアーマーを着ていても頭を狙ってくる」と評される精度を持つ。建物内の構造を把握して回り込んでくるAIの動きは、FPS系ゲームの中でも高いレベルに達している。隠れている場所から素早く飛び出し、そのまま頭に一発——というシーンを繰り返し経験することになる。
このAI精度が「シビアさの根本」になっており、プレイヤーが慎重な行動をとらざるを得ない状況を作り出している。「走って突入→死亡→やり直し」というループを何度か繰り返すことで、「慎重に行動することの意味」が体で染み込んでくる。
ただし、この高精度AIが「理不尽」と感じられる場面もある。壁越しに反応したり、視界のはずの場所から正確に撃ってくる場面があり、この点はネガティブなレビューでも繰り返し指摘されている。「設計上のシビアさ」と「AIのバグ」の境界線が曖昧な部分は、現時点でも完全には解決されていない。
4. MODコミュニティの充実
Nexus ModsでのReady or Not向けMODは現在数千本以上が公開されており、内容は多岐にわたる。追加マップ・武器スキン・音声変更・難易度調整・UI改善など、コミュニティが開発に追いつく勢いでMODを供給し続けている。
Steamページには公式MODサポートの記載があり、VOID InteractiveがMODに対してオープンな姿勢を取っている。コミュニティ主導での遊び方の拡張が、タイトルの長期的な寿命に貢献している。正式リリースからすでに2年以上が経過しているが、MODの更新は今も活発に行われている。
5. 早期アクセス期間の誠実さ
2021年12月から2023年12月の約2年間の早期アクセス期間、VOID Interactiveはコンスタントにアップデートを継続した。大型パッチのたびにマップや武器が追加され、コミュニティの声を受けてゲームシステムが改善されてきた。
「早期アクセスのまま放置された」という印象を与えず、正式リリースに向けて確実に積み上げてきた開発姿勢が、コアなプレイヤー層の信頼を得た。

コンソール展開と「表現規制論争」——2025年の最大の騒動

Ready or Notが2025年に最も注目されたのは、ゲームの内容よりもコンソール版リリースに伴う表現規制の問題だった。
2025年4月、VOID InteractiveがPS5・Xbox Series X|S版の2025年夏リリースを発表。同年6月末、コンソール版の年齢レーティング(ESRB M相当)に合わせて、PC版でも一部の表現を調整すると告知した。
変更内容と開発の説明
具体的な変更点は:
- 死体への「死体撃ち欠損」廃止
- ヌードで描かれていた一部キャラクターの調整
- 一部の残虐描写の変更
開発元は「指摘されなければ気付かない程度の変更」「誤解や誤情報が広まっている」と説明したが、コアプレイヤーの反応は激しかった。
Ready or Not、コンソール版を出すにあたって表現規制が入るから案の定荒れてるな コンソールとPCのコミュニティ間でまた新しい溝を作っちゃったね
引用元:Twitter @DagaTheRat
本作がこれまで評価されてきた最大の理由の一つが「現実の犯罪を直視する描写の徹底さ」だった。ゴアな表現にとどまらず、女性や子供に対する暴力、社会の暗部を容赦なく見せるリアリティが「このゲームでしかできない体験」として受け入れられてきた。そのアイデンティティが、別プラットフォーム展開のために変更されることへの反発が大きかった。
低評価爆撃と同接増加という逆説
6月末から1週間で、Steamの直近レビューは好評321件に対して不評2,562件という状況になった(約8倍の不評比率)。ゲームの長期評価を「非常に好評」から「おおむね好評」に引き下げるほどの規模だった。
同時に「規制の実態を自分で確認したい」という人が流入し、同接数が約6,000人から約1万3,000人に跳ね上がるという皮肉な事態も起きた。
「Uncensored or Not」という規制前の表現に戻すMODも登場したが、公開からわずか2日で削除された。削除の理由は明かされていない。
コンソール版は大ヒット——騒動をよそに売上は快走
こうした騒動の中でも、コンソール版(PS5 / Xbox Series X|S)は2025年7月15日の発売からわずか4日で100万本を突破。PC版が100万本達成に36日かかったのと比べると、約10倍の速さだ。さらに2週間で200万本、その後も300万本を突破し、PC版を含む累計販売は2025年9月時点で1,300万本に達した。
VOID InteractiveのCEOは「ゲームのレビューは好調を維持している」とコメントし、コンソール展開が成功したことへの感謝を表明した。
コンソール版は最大5人のマルチプレイ対応で、全プラットフォームでクロスプレイに対応している。PC版プレイヤーとコンソール版プレイヤーが同じマッチで遊べる体制が整った。

ネガティブな点も正直に——クリアな弱点
Ready or Notには、熱烈なファンがいる一方でクリアな弱点もある。批判的なレビューを丁寧に見ていくと、繰り返し登場する課題がある。
AIの精度と「理不尽さ」の問題
敵AIの高精度が「理不尽」と感じられる場面が存在する。壁越しや視覚的には見えないはずの場所からの正確な攻撃が報告されており、「チーターと戦っているみたい」「ゲームがバグってる」というレビューも見られる。
これはゲームが設計上かなりハードな難易度を目指しているためでもあるが、「設計上の難しさ」と「AIの不具合」が混在しているため、プレイヤー側で判断が難しい。「死んだ理由がわからない」という体験はストレスになりやすく、繰り返されると離脱の原因になる。
理不尽な死が多すぎる。壁の向こうから正確に頭を撃ってくるAIとか、見えるはずなのに先に撃たれるとか。難しいのはいいけど、納得感がない死が多い
引用元:Steamネガティブレビュー
敷居の高さとチュートリアル不足
最初に手引きしてくれる丁寧なチュートリアルはほぼない。「交戦規定とは何か」「スコアシステムがどう動くか」「各装備品の使い方」——これらを自分でゲーム内ガイドやコミュニティのWikiで調べる必要がある。
Steam Communityには日本語のガイドもいくつか公開されており、「新人隊員向けの基本・補足事項説明」「装備一覧と活用ガイド」「マップとミッション概説」など、コミュニティが丁寧にまとめてくれている。これらを読んでから始めることを強くすすめる。
交戦規定とかスコア評価の仕組みをちゃんと理解しないままやり始めると、何でミッション失敗したかもわからないまま終わる。最低限ゲーム内ガイドは読んでから始めたほうがいい
引用元:Steamコミュニティガイド
ソロプレイの限界
AIチームメンバーと一緒のソロプレイは機能するが、本来の体験のかなり薄いバージョンだ。AIはコマンドへの応答はするが、臨機応変に対応する柔軟性は限られている。「友達に勧めて一緒にやろう」というゲームの性質上、一人プレイ環境には向いていない。
一方で「ソロでのんびりクリアリングする」という楽しみ方をしているプレイヤーも一定数おり、プレイスタイル次第という面もある。
ゴア表現・重い題材への耐性
フィクションとはいえ、人身売買・家庭内暴力・子供が関わる犯罪の現場を再現したゲームだ。これが「意義ある描写だ」と受け取るか、「不快だ」と感じるかはプレイヤーによって完全に分かれる。内容について事前に調べてからプレイを判断することをおすすめする。
2025年のコンソール展開後は一部の表現が調整されたが、それでも他の一般的なFPSと比べると重いテーマを扱っていることに変わりはない。

タクティカルFPSの中でのReady or Notの立ち位置

タクティカルFPSというジャンルの中で、Ready or Notはどこに位置づけられるのかを整理しておく。
CS2やVALORANTは「プレイヤー同士のPvP対戦」が基本で、チームのスキルを競う。5対5でラウンドをこなしていく完成されたフォーマットは、今もFPS競技シーンの中心にある。

一方のReady or Notは、PvE(プレイヤー vs 環境)が基本。同じ内容のミッションを繰り返し練習して攻略していく形で、「ランダムマッチで見知らぬ人と戦う」という要素がない。これが心理的な敷居を下げている面もあるし、反面「マッチを重ねるごとに腕が上がっていく」競争的な楽しさはない。
Gray Zone Warfareのような抽出系FPSとも根本的に異なる。Gray Zoneはオープンワールドで資源を管理しながら生き残りを図るサバイバル要素があり、PvEvPの緊張感が核心だ。Ready or Notはミッション完結型で、「任務を正しく遂行する」という目的が明確だ。

似た系統のゲームとしてよく比較されるのがEscape from Tarkov(EFT)だ。どちらも「リアリスティックなFPS」「一発死」「高い難易度」という共通点があるが、EFTはエクストラクション要素(資源持ち帰り)が核心でPvPリスクが常に存在する。Ready or Notは純粋なPvEで、エクストラクションの概念はない。「どちらが正しい選択か」ではなく、求めている体験に合わせて選ぶ話だ。
もっとも近い系統はArmAシリーズのCo-opシナリオかもしれない。ただしArmAは軍事シミュレーターとして設計が複雑で、「SWATオペレーション」という特定のテーマに特化したReady or Notとは方向性が違う。Ready or Notの方がゲームとして整理されており、ArmAほどのシステム習得コストはかからない。
まとめると:
- CS2 / Valorant——対人戦特化。「相手に勝てるか」が主眼
- Gray Zone Warfare——オープンワールド抽出。資源管理・リスクマネジメントが核心
- Escape from Tarkov——抽出+PvPリスク。「生き残れるか」が主眼
- Ready or Not——ミッション型Co-opシム。「正しく任務を遂行できるか」が主眼
「Co-opで本物の連携をやりたい」「SWATオペレーションに特化した体験をしたい」という人に、Ready or Notが唯一に近い選択肢になっている場面がある。
日本語対応と国内プレイヤー事情
Ready or Notは2024年1月に日本語対応を追加した(正式リリースの約1か月後)。ゲーム内の音声指示も日本語化されており、国内プレイヤーが遊びやすい環境が整ってきた。
日本語版のSWATコマンドは「止まれ!」「伏せろ!」「手を上げろ!」など、実際の法執行機関の現場を想起させる日本語になっており、ゲームへの没入感を高める要素になっている。
Steamの日本語レビューは約780件で「おおむね好評」評価。コンソール版が2025年7月に発売されたことで、国内のコンソールユーザーからも新たなプレイヤーが流入している。
日本語向けのボイスコマンドツールを開発したコミュニティメンバーもいて、日本語で「突入!」「動くな!」と実際に声を出すとゲーム内の部隊が動くようになっている。日本語プレイヤーが少ない時間帯でも、ソロプレイなら快適に遊べる環境はある。
日本語対応してくれて本当に助かった。英語でボイスコマンドするのきつかったから。チームとのコミュニケーションも今はDiscordで日本語でできるし、日本語勢のコミュニティも育ってきてる感じがする
引用元:Steamレビュー(日本語)
国内のDiscordコミュニティも存在しており、フレンドがいない状態でもグループを見つけてCo-opプレイができる環境は整いつつある。「日本語話者のReady or Notコミュニティ」で検索すると、定期的に募集を行っているグループが複数見つかる。コンソール版のリリース後に国内プレイヤーが増えたことで、以前より仲間を見つけやすくなっているのも好材料だ。
MODシーンの活発さ——コミュニティが伸ばし続ける寿命

Ready or Notのもう一つの大きな魅力が、MODコミュニティの豊かさだ。Nexus Modsには現在数千本を超えるMODが公開されており、ゲームの多彩な楽しみ方を提供している。
主なMODカテゴリ
- 追加マップ——コミュニティ制作の新マップ。実在の建物や架空の施設など多種多様
- 武器スキン——銃のビジュアルを変更するカスタマイズMOD
- 音声・BGM変更——デフォルトの音声や効果音を別のものに置き換える
- 難易度調整——敵AIの強さや行動パターンを変更して難易度を上下できる
- UI改善——HUDやインターフェースをより使いやすく改善するMOD
- 新武器追加——本編にない武器を追加するMOD
「6人以上で遊べるようにするMOD」も存在しており、デフォルトの最大5人を超えるプレイ人数を可能にしている。ただし非公式の変更であるため、安定性の保証はない。
開発元VOID Interactiveは公式MODサポートを明言しており、Steamの「MODローダー対応」の記載がある。コミュニティのMOD活動を制限する動きは今のところなく、むしろ長期的な寿命のために必要な要素として見なしているとも解釈できる。
MODのおかげで何年も飽きずに続けられている。本編マップを全部クリアした後でも、コミュニティマップで全然新しい体験ができる
引用元:Steamレビュー
2026年現在のReady or Not——現役タイトルとして生きている
2026年4月現在、Steamの同接数は約1万2,000人前後で推移している。正式リリース直後のピーク5万5,000人と比べると落ち着いているが、タクティカルFPSというニッチジャンルとしては十分な水準だ。
コンソール版は2025年7月の発売から数か月で累計300万本を突破し、PC版を含む全プラットフォームの販売本数は1,300万本を超えた。新規プレイヤーの流入は続いており、マルチプレイのマッチは現時点でも安定して成立している。
コンソール版のリリースでクロスプレイが実装されたことで、PC版プレイヤーとコンソール版プレイヤーが同じマッチで遊べるようになった。これがマッチ成立の速さに貢献しており、以前と比べてウェイト時間が短くなっているという声もある。
DLCの追加や無料アップデートも続いており、VOID Interactiveが開発継続の姿勢を見せている。何より、MODコミュニティが活発なため、コミュニティ主導での寿命延長が続いている。
発売から何年もたつけどプレイヤーが減っていない。それがこのゲームの答えだと思う。本物のゲーム体験は流行に左右されない
引用元:Steamレビュー
タクティカルFPSとしての需要は、CoD系の大規模FPSとは別の場所に存在している。後者が「大衆向けのアクション体験」だとすれば、Ready or Notは「少数派が求める本物のシミュレーション体験」だ。その需要は小さいが、根強い。正式リリースから2年以上経過しても安定したプレイヤー数を維持しているのが、その証明だ。
初心者が最初の1時間でやるべきこと——挫折しないための準備

Ready or Notは最初の1時間が鬼門だ。何の準備もなしに始めると、何が起きているかわからないままミッション失敗を繰り返し、「このゲームは自分に合わない」と判断してしまうことがある。それは非常にもったいない。
最初にやっておくべき準備を整理する。
1. ゲーム内チュートリアルから始める
メインメニューから「トレーニング」を選択し、射撃練習・突入練習・装備の使い方を一通り確認する。30分もあれば基本操作は把握できる。「どのボタンが何をするか」を最初に確認しておくだけで、ミッション中の焦りが大幅に減る。
2. 交戦規定を理解してからミッションに入る
ゲームのスコアシステムと交戦規定について、最低限以下を把握しておく:
- 容疑者が降伏の意思を示したら射撃を止める(そのまま倒すと減点)
- 制圧した容疑者は手錠(プラスティックカフ)で拘束する
- 証拠品(Evidenceマーク)は拾って収集する
- 民間人には声をかけて安全を確認する
この4点だけ意識するだけで、スコアが大幅に変わる。
3. 最初のミッションは「Meth Lab」か「Wenderly Hills Hotel」
最初の選択として、比較的シンプルな構造のマップから始めることをすすめる。Meth LabやWenderly Hills Hotelは比較的狭く、容疑者の数も少ないため、基本を練習するのに適している。いきなり農場系の大規模マップや人身売買系のミッションから始めると、何が正しいかわからないまま終わることが多い。
4. Steam Communityのガイドを読む
Steamコミュニティには日本語のガイドが複数あり、装備一覧・難易度の違い・初心者向け講座が丁寧にまとめられている。「新人隊員向けの基本・補足事項説明」というガイドは、ゲームを始める前に読んでおくと理解が深まる。
5. フレンドと始めるなら事前に役割を決める
Co-opで始める場合は、突入前に「誰が先に入るか」「フラッシュバンを誰が投げるか」「カバーはどこから」を最低限決めておく。何の取り決めもなしに全員が突入すると、同じ方向にカバーが重なって機能しない。
最初の3回はほぼ何もわからないまま終わった。4回目でやっとゲームの流れが見えてきて、「あ、このゲームはそういうことか」と気付いた。1〜3回は捨て試合だと思って試行錯誤するのが正解
引用元:Steamレビュー
VOID Interactiveという開発スタジオについて
Ready or Notを語る上で、開発元VOID Interactiveの存在を外せない。アイルランドの小規模スタジオが、大手パブリッシャーなしで資金を調達し、7年以上かけてここまでのタイトルを完成させた。
開発が発表されたのは2017年。当時の開発チームは10人未満だったとされる。Kickstarterを使わず独自の資金調達で開発を継続し、2021年12月に早期アクセスをリリース。その後2年間の早期アクセス期間を経て、2023年12月に正式版をリリースした。
開発中は何度も「本当に出るのか」という懐疑的な声があった。7年という開発期間は長く、アップデートが遅れることもあり、コミュニティの不満が高まった時期もあった。それでも開発を続け、最終的に「非常に好評」を獲得したことは、小規模スタジオの粘り強さを示している。
実際の法執行機関との協力についても、VOID Interactiveは明言している。警察の現場でどのような手順が行われるか、どのような装備が使われるかについて、専門家のアドバイスを取り入れた。この姿勢がゲームのリアリティに直結しており、「ただの銃撃ゲームではない」という評価の根拠になっている。
2025年のコンソール版リリースで知名度が大幅に上がり、全プラットフォーム合計で1,300万本という規模になった今、VOID Interactiveは小規模スタジオの枠を超えた存在になっている。今後の新作や新DLCへの期待も、コミュニティの間で高まっている。
小さいスタジオがここまで作り込んだことに、まず敬意を表したい。完璧じゃないけど、このゲームにしかない体験があることは間違いない
引用元:Steamレビュー
「SWAT 4」との比較——20年越しの後継作として評価できるか

Ready or Notは常に「SWAT 4の後継作」として語られる。その評価は正当か。両タイトルを比較する。
SWAT 4(2005年)について
SWAT 4はIrrational Games(後のGhost Story Games、BioShock開発元)が手がけたSWATシミュレーター。プレイヤーはSWAT隊員のリーダーとして、様々な犯罪現場に突入するミッションをこなす。Co-opマルチプレイ対応で、最大5人でプレイ可能。
特徴は「非致死性装備による制圧を優先する」システム——これはReady or Notとほぼ同じだ。命令(Comply!)を容疑者に出し、従わなければ非致死性装備で制圧し、それでも抵抗するなら致死性武器を使う。この判断のフローがゲームの核心だった。
2005年当時「リアルすぎる」と評価されたSWAT 4は、今でも「歴史的名作」として語られる。20年後も定期的に「SWAT 4みたいなゲームはないか」という質問がフォーラムに投稿されるほどの影響力を持つ。
Ready or NotはSWAT 4を超えたか
グラフィックス・マップ数・装備の幅・MODエコシステムという点では、Ready or NotはSWAT 4を大きく上回る。2005年と2023年の技術差があるため、これは当然だ。
ゲームシステムの面では、どちらが優れているかという一辺倒な答えは出しにくい。SWAT 4の「命令→非致死性→致死性」という明確なフローに対して、Ready or Notはより複雑な状況判断を求める。どちらが「良いシステム」かは、プレイヤーの好みによる。
「SWAT 4が好きだった人がReady or Notをプレイして満足するか」——この問いに対するSteamレビューの答えは概ねYESだ。完全に同じ体験ではないが、「SWATシミュレーターとして同じ方向性」という評価が多い。
「SWAT 4の代替としては十分。完全に同じ体験ではないが、2026年に遊べるSWATシムとしての選択肢はこれしかない」というのが、コアプレイヤーのコンセンサスに近い。
SWAT 4が大好きだったから20年待ち続けた。Ready or Notはあの感覚を完全に再現はしていないけど、「SWATオペレーションを体験する」という本質は同じだと思う。十分満足している
引用元:Steamレビュー
実際にどれくらい難しいのか——難易度の実態
「難しいと聞いたけど、どれくらい難しいのか」という疑問は、購入前に多くの人が持つ。具体的に整理しておく。
初回ミッションの体験
装備の使い方も戦術も何も知らない状態で最初のミッションに入ると、ほぼ間違いなく死ぬ。ドアを開けた瞬間に撃たれる、部屋に踏み込んだ瞬間に後ろから撃たれる、民間人への対応方法がわからずスコアが0点になる——こういった体験が最初の1〜2時間の標準だ。
これを「理不尽」と感じるか「試練」と感じるかで、このゲームが合うかどうかが決まる。
難易度の段階
ミッションには明示的な難易度設定がある。ソフト・ノーマル・ハード・リポーター(実績向け)など複数の段階があり、最初はソフトから始めることをすすめる。ソフトでも甘くはないが、ノーマル以上は初心者には本当に厳しい。
Ready or Notには「ノーマル」という言葉の意味が一般的なゲームと大きく違うことを理解しておく必要がある。一般的なゲームのノーマルは「標準的な難しさ」だが、このゲームのノーマルは「SWATシミュレーターとして設計された標準難度」だ。慣れていないプレイヤーにとっては相当に高い壁になる。
慣れるまでの時間
「ゲームの流れがわかってきた」と感じるまでに必要なプレイ時間は、プレイヤーによってかなり差がある。早い人で10時間、平均的には20〜30時間というイメージだ。この段階では「なぜ死んだか」が理解できるようになり、同じミスを繰り返さなくなる。
「SWATとして機能できる」感覚が出てくるのは50〜100時間以上のプレイヤーが多い。ただし、それだけの時間をかけた後の達成感は相当のものだ。
Co-opと難易度の関係
5人のCo-opでは、プレイヤーの腕前のばらつきが難易度に直接影響する。全員が慣れていると「流れるような突入」ができるが、1人でも不慣れな人がいると連携が崩れてミッション失敗に直結する。「慣れた友達と初心者の友達が混在する」状況が最も難しいケースの一つかもしれない。
一方で、全員が初心者の状態で始めて一緒に慣れていくという体験は、「一緒に成長するCo-op」として非常に価値が高いという声も多い。「5人全員でSteam同時起動してゼロから始めた」というグループが楽しんでいるレビューは多数存在する。
最初は全員でボコボコにされて笑い話だったけど、20時間くらいで突然「あ、俺たちちゃんとSWATっぽく動けてる」という瞬間が来た。その瞬間のために20時間ある
引用元:Steamレビュー
プレイ時間とコスパについて——長く遊べるゲームか

タクティカルFPSへの投資として、Ready or Notはコストパフォーマンスが良いのか。プレイ時間の観点から確認しておく。
クリアまでの目安
本編マップを全てソロでクリアするだけなら、慣れたプレイヤーで30〜50時間程度。しかし「クリアした」だけで終わるゲームではない。同じマップを難易度を上げて再挑戦したり、Co-opで友達と試したりと、繰り返しプレイが設計されている。
Steamの実績システムを使うと「全ミッションSスコアで完了」「一定時間以内クリア」など追加の目標ができ、やり込み要素が増える。
長期プレイヤーの実態
Steamのプレイ時間を見ると、300〜500時間以上のプレイヤーがレビューを書いているケースが珍しくない。「まだ遊んでいる」という長期プレイヤーの存在が、ゲームの寿命を示している。
長期プレイの主な要因は:
- MODコミュニティによる新マップや新コンテンツの継続追加
- Co-opメンバーの変化(毎回違うプレイヤーと組む体験)
- 高難易度への挑戦(「Sスコア全マップ制覇」「ノーダメージクリア」など)
- DLCによる公式マップの追加
一緒に遊ぶ友達がいない場合
ソロプレイも機能するが、Co-opの楽しさには届かない。「友達が一人もいない状態でもう一人で楽しめるか」という質問への正直な答えは「長期間は難しい」だ。
ただし、Steamのフレンドグループ機能やDiscordコミュニティを通じて、同じゲームをプレイしたい見知らぬ人とマッチングする方法はある。日本語話者のコミュニティも存在しており、「友達がいないのでグループを探している」という投稿にも反応してくれる人がいる。
フレンドがいなかったのでSteamグループで募集したら、すぐに5人集まった。今はそのメンバーと定期的にプレイしている。このゲームは「フレンドを作るきっかけ」にもなる
引用元:Steamレビュー
購入前に確認しておくべきこと——スペックと価格
Ready or Notは決して軽いゲームではない。購入前にPCスペックを確認しておくことをすすめる。
推奨スペック
- OS——Windows 10(64bit)
- CPU——Intel Core i7-8700K / AMD Ryzen 5 3600X
- RAM——16GB
- GPU——NVIDIA GTX 1080 / AMD RX 5700
- ストレージ——70GB以上の空き容量
最低スペックはこれより低いが、FPSの低下やロード時間の長さが顕著になるため、快適にプレイするためには推奨スペック相当の環境を用意することをすすめる。マップが複雑で建物内部の描画負荷が高いため、GPUへの負担は大きい。
価格について
Ready or NoteはSteamで有料タイトルとして販売されており、本編価格は定価3,900円(2024年時点)。DLC「Home Invasion」「Dark Waters」は各別売りだ。セール時には大幅値引きされることがあり、スチームのウィッシュリストに追加しておくとセール通知が届く。
コンソール版(PS5 / Xbox Series X|S)は7,480円(日本版定価)。「デラックス版」はDLC付きのバンドルになっており、DLCも含めて遊びたい場合はバンドルが割安になる場合がある。
基本無料タイトルではないため、「試しに遊んでみる」の敷居は高いが、Steamのストア評価と大量のレビューを事前に確認できるのは判断材料として十分だ。
まとめ——「正しく動けるか」を試されるゲーム
Ready or Notは、タクティカルFPSの中でも特殊な立ち位置のゲームだ。うまい・下手ではなく、「規律ある行動ができるか」「チームとして機能できるか」を問われる。
爽快感を求めるプレイヤーには向かない。ラン&ガンが好きな人、競技シーンで腕を磨きたい人、ソロでのんびりプレイしたい人には合わないと正直に言える。
でも「本物の連携」と「達成感」を求めるプレイヤーには、なかなか替えが効かない体験を提供する。「友達と一緒にやって、ミッションが終わったあとに全員で反省会になる」——そういう濃い体験ができるゲームは、探してもそうそう見つからない。
このゲームが長期間プレイヤーコミュニティを維持できている理由は、シンプルだ。「達成した感覚」が本物だからだ。5人で声を合わせて突入し、民間人を守りながら容疑者を全員逮捕し、ミッション成功のスコア画面が出た時の達成感は、他のゲームで代替できるものではない。
2026年4月の時点でも新しいプレイヤーがSteamのレビューを書き続けている。コンソール版の100万本突破で新規ユーザーが大量流入したことで、コミュニティの新陳代謝が起きている。「今から始めても遅くない」と感じさせるタイトルだ。
Steamの全体評価は「おおむね好評」。2025年の低評価爆撃の影響を受けて「非常に好評」から降格した形だが、ゲーム本体の内容への評価は高い。低評価レビューの多くがコンテンツ変更への抗議として書かれたものであり、実際のゲームプレイへの評価とは分けて考える必要がある。
VOID Interactiveは小規模スタジオながら本作を通じて大きな成功を収め、今後の展開への期待がコミュニティの中で高まっている。2026年時点でDLCや追加コンテンツの情報が随時更新されており、開発が現役で続いていることは確認できる状況だ。タクティカルFPSのジャンルで長く現役であり続けることができるタイトルは少ない。Ready or Notがその一つとして確実に定着しつつある。
20年近く空白だったSWATシミュレーターのジャンルを一手に引き受け、2026年の今も現役で動いている。コンソール版の騒動や表現規制の議論はあったが、ゲーム本体の完成度は高く、プレイヤーコミュニティも根付いている。
このゲームが「向いている人」に最後にだけ伝えたいこと
もし「SWAT 4が好きだった」「Co-opで本物の連携をやりたい」「難しいゲームに時間を投資したい」という人なら、このゲームは今すぐ買っていい。後悔する可能性は低い。
逆に「FPSをさくっと楽しみたい」「友達を誘いにくい」「重いテーマが苦手」という人には、現時点での購入はすすめない。ゲームの性格がはっきりしているため、合う・合わないが明確に出る作品だ。
準備ができているなら、ロススエノスで待っている仕事がある。準備ができていないなら、まずSteamのレビューページを1時間かけて読んでほしい。「自分が求めているゲームかどうか」を判断できる情報は十分揃っている。
気になっているなら、まずSteamのレビューを1時間読んでみることをおすすめする。「自分が求めているゲームかどうか」は、プレイ前に判断できる数少ない作品の一つだ。
「Ready or Not」——準備はいいか、という問いかけに答えられるかどうかは、やってみるまでわからない。
ただ一つ言えることがある。このゲームでSWATとして冷静に動けるようになった時、「準備ができた」という感覚は確かに訪れる。その瞬間に向けて時間を投資できる人には、間違いなく深く刺さる一作だ。タクティカルFPSを長く探しているなら、今がまだ遅くない時期だ。

Ready or Not
| 価格 | ¥7,150 |
|---|---|
| 開発 | VOID Interactive |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル / マルチ |

