Among Us|宇宙船で繰り広げる騙し合いの心理戦マルチプレイゲーム
はじめて「インポスター」を引いたとき、手が震えた。
画面に「IMPOSTOR」と表示された瞬間、頭の中が真っ白になった。「え、どうすれば?」「バレたらどうする?」「自然に動かないと」。3秒後には、隣の部屋で作業していたクルーメイトをそっと追いかけていた。誰もいない廊下で、ボタンを押した。
そしてディスカッションが始まったとき、「電気室に誰もいなかったよ」と平然と発言している自分に驚いた。嘘をついている。Discordの向こうでは友達が「怪しいのは○○じゃない?」と話し合っている。心臓がドキドキしている。これ、ゲームなのに。
Among Usはそういう体験を生むゲームだ。宇宙船の乗組員として作業をこなすか、インポスターとして仲間を欺くか。シンプルなルールのなかに、人間心理の本質が詰まっている。グラフィックはペラペラの2Dキャラクターで、操作も移動してボタンを押すだけ。なのに、なぜあんなに面白いのか。2020年のブームを起点にして、なぜ5年以上たった今も世界中でプレイされ続けているのか。この記事でその理由を書いていく。
開発元はInnersloth。たった4人の小さなスタジオが作ったゲームが、世界中で5億本以上ダウンロードされた(2021年1月時点・iOS/Android含む)。Steamの同時接続数は2020年9月に50万人を超え、PCゲームとして異例の記録を打ち立てた。それだけじゃなく、2026年現在もSteamのアクティブプレイヤーは数万人規模を維持し続けている。
この記事では「なぜAmong Usはここまで刺さったのか」をプレイ体験を交えながら掘り下げていく。システムの話、コミュニティの話、アップデートの話、ネガティブな面も含めて正直に書く。
こんな人に読んでほしい
Among Usが刺さるのは、こういう人だ。
- 友達と通話しながら遊べるオンラインゲームを探している
- 人狼ゲームや嘘つきゲームが好き、または興味がある
- PCスペックが低くても動くゲームが欲しい
- 短時間(30分〜1時間)でサクッと遊べるゲームを探している
- Discordで友達グループと週末に遊ぶ定番タイトルを探している
- 2020年のブームで名前は知っているが、実際にプレイしたことがない
- 配信や動画でよく見るが、自分でやったことはないという人
逆に、ソロプレイがメインで友達と一緒に遊ぶ機会があまりない人や、激しいアクション・リアルタイム対戦を求めている人には少し物足りないかもしれない。Among Usは基本的に「話し合いと読み合い」のゲームで、アクションゲームではない。公開ロビーに一人で入ることもできるが、このゲームの真価はやっぱり知り合い同士でワイワイやる場面で発揮される。
あと「ゲームは得意でないと楽しめない」と思っている人にこそすすめたい。Among Usに操作の上手さはほぼ関係ない。大事なのは「どう振る舞うか」「何を言うか」「誰を信じるか」だ。ゲームが苦手な人でも、話術や観察力で活躍できる。そういう意味で、本当に誰でも楽しめる作りになっている。
Among Usの基本:シンプルなルールに詰まった深み
ゲームの基本ルールを説明する。知っている人も多いと思うが、改めて整理しておく。
プレイヤーは4〜15人(デフォルトは4〜10人)でロビーに集まり、ゲームが始まるとランダムで「クルーメイト」か「インポスター」に振り分けられる。インポスターは通常1〜3人で、残りは全員クルーメイトだ。
クルーメイトの目標は2つある。1つ目は宇宙船内に設定されたタスクをすべてこなすこと。電気系統の修理、書類の提出、燃料の補充など、マップ上の各所に設置されたタスクを一つずつクリアしていく。2つ目はインポスターを見つけて投票で排除すること。どちらかを達成すればクルーメイトの勝利だ。
インポスターの目標は、クルーメイトと同じ人数になるまで「キル」し続けること(正確には生存しているクルーメイトの数がインポスター以下になるまで)。あるいは、妨害活動でクルーメイトの作業を邪魔し続け、重要な妨害(原子炉メルトダウン・酸素切れなど)を修理させなければインポスターの勝利だ。
誰かが死体を発見するか、緊急ボタンを押すと「ディスカッション」フェーズが始まる。プレイヤー全員でテキストチャット(またはボイスチャット)を使って情報を共有し、怪しいと思う人を投票で決める。最多票を集めたプレイヤーは宇宙に放り出されて死ぬ。このとき、クルーメイトを追放してしまうとクルーメイト側が不利になるし、インポスターを追放できればクルーメイト側が有利になる。
このシンプルな構造の中に、とんでもない心理戦が詰まっている。
キルとサボタージュ:インポスターの2つの武器
インポスターには「キル」と「サボタージュ」という2つの行動手段がある。
キルは、クルーメイトに近づいてボタンを押すだけ。一定のクールタイムがあり、連続してキルすることはできない。重要なのは「目撃されないこと」だ。誰かに見られた状態でキルすると、ほぼ確実にそのセッションは終わる。逆に言えば、タイミングと場所を選べば何度でもキルできる。監視カメラの死角、他の人が作業で離れた一瞬、長い廊下の端。どこで誰をキルするかを常に考えながら動くことになる。
サボタージュは、マップ各所に仕掛けることができる妨害工作だ。通信切断(マップが見えなくなる)、扉ロック、電気切断(視界が暗くなる)、そして勝敗に直結する緊急妨害がある。緊急妨害は一定時間内に修理されなければインポスターの即勝利になる強力なもので、クルーメイトが分散している瞬間を狙って発動するのが定石だ。
この2つを組み合わせるのがインポスターの腕の見せ所だ。サボタージュで人を誘導し、孤立したクルーメイトをキル。その間に別のサボタージュを仕掛けて対応を分散させ、捜査の目が向かないうちに次のキルを狙う。うまくはまったときの快感は、他のゲームではなかなか味わえない。
ディスカッション:このゲームの本番
Among Usの心臓部はディスカッションだ。死体発見や緊急ボタンで始まるこのフェーズで、プレイヤーは持っている情報をもとに議論し、投票する。
情報の非対称性がゲームの面白さを生んでいる。クルーメイトは「誰がインポスターか知らない」、インポスターは「誰がクルーメイトか知っている」。この前提のもとで、それぞれが自分に有利な情報を出し、不利な情報を隠し、相手の発言から矛盾を見つけようとする。
たとえば死体発見後のディスカッションで「自分は電気室にいた」と言うプレイヤーがいたとする。電気室付近でキルが起きた場合、それは目撃者の証言なのか、インポスターのアリバイ偽造なのか。本当に電気室にいたとして、死体を踏んだのに報告しなかったのはなぜか。こういう問いが連鎖し、議論が深まっていく。
ボイスチャット(主にDiscord)で遊ぶと、声の調子や言い方まで情報になる。「焦った感じで話す」「言いたいことを言いよどむ」「不自然に誰かを庇う」。文字チャットだけでは伝わらない情報が飛び交い、心理戦がいっそう熱くなる。
「インポスター引いて必死に隠してたら声が震えてて、ディスカッション開始5秒でバレた。Among Usって究極の心理ゲームだと思う」
引用元:Steamレビュー
このレビューに共感する人は多いと思う。嘘をつくのは思ったより難しい。特に友達相手だと。
2020年の大爆発:なぜ突然世界中で流行したのか
Among Usがリリースされたのは2018年6月。2年以上、ほぼ無名のまま存在していた。Steamでの同時接続数は一桁から二桁の日が続いていた。Innerslothは当初、続編「Among Us 2」の開発を発表していたが、2020年9月に予告なく状況が変わった。
きっかけは韓国のストリーマーだった。2020年8月、韓国の有名配信者がAmong Usを配信し始めた。そこにSodapoppin、xQc、Pokimane、Disguised Toastといった英語圏の大手Twitchストリーマーたちが次々と参加。配信画面の視聴者数が一気に跳ね上がった。
タイミングも良かった。2020年は世界的なコロナ禍で、外出できない人々がオンラインのコミュニケーションを求めていた。Discordで友達と話しながら、一緒に「疑って、バラして、笑える」ゲームは、その需要に完璧に合っていた。
9月に入ると数字が爆発する。Steamの同時接続数が連日記録を更新し、9月初旬には50万人を超えた。月間プレイヤー数はSteamだけで数百万人、スマホ版を合わせると1億人以上が毎月プレイしていた時期もあったとされる。
InnerslothはAmong Us 2の開発を中止し、既存のAmong Usのアップデートと品質改善に注力することを発表した。「このゲームをもっとよくすることが自分たちの責任だ」とスタジオが公表したこの判断は、プレイヤーから圧倒的に支持された。
「2020年の秋、Among UsのためにわざわざスマホからSteamに移行した。PC版の方がチャットが快適だったから。あの頃は毎晩10人集まって深夜3時まで遊んでた」
引用元:Steamレビュー
この時期に「毎晩やってた」という思い出を持つプレイヤーは日本でも多い。学校の同級生、職場の同期、ゲーム配信を一緒に見ていたTwitterのフォロワー。Among Usはそういうグループの「定番の遊び」として定着した。
マップの多様性:4つのフィールドが生む戦略の幅
Among Usには現在4つのマップがある。それぞれ構造が異なり、インポスターとクルーメイト双方の立ち回りが変わってくる。
The Skeld(スケルド):最初の戦場
ゲームスタート時から使えるデフォルトマップ。宇宙船の内部を舞台にした定番の構成で、ほとんどのプレイヤーが最初に遊ぶのがこのマップだ。管理室(カフェテリア)を中心に、エンジン・電気・セキュリティ・メドベイなど各部屋が放射状につながっている。
比較的コンパクトな設計で、移動時間が短い。これはインポスターにとっては移動がしやすい反面、目撃されやすいということでもある。監視カメラがセキュリティルームに設置されており、クルーメイトが監視している場合は要注意だ。
「ベンツ」と呼ばれる通気口(ベント)システムもこのマップが最もシンプル。インポスターはベントを使って移動できるが、目撃されれば即バレになる。The Skeldで最も多く語られる「あるある」は、カフェテリアで複数人がたむろしているときにインポスターが緊急ボタンを押すことで生まれるカオス展開だ。
MIRA HQ(ミラ本部):開けた空間の緊張感
高層ビルの内部を舞台にしたマップ。The Skeldと比べてマップが縦に長く、移動距離が長い。ベントがネットワーク上につながっており、どこからどこへでも移動できる特殊な構造が特徴だ。
このマップは視線が通りやすく、インポスターが動きにくい。同時に、クルーメイト側も「誰がどこにいるか」を把握しにくい場面が多い。廊下が少なく、部屋同士が直接つながっている箇所が多いため、目撃されるリスクが高い。「デッドゾーン」と呼ばれる孤立したエリアでのキルが定番の戦略だ。
Polus(ポーラス):屋外フィールドの広大さ
氷の惑星の研究基地を舞台にした最も広いマップ。屋外エリアと屋内エリアが混在し、移動に時間がかかる。タスクの数が多く、クルーメイトが分散しやすいため、インポスターにとってはキルの機会が多い一方で、発見されたときに逃げ場が少ない。
死体が屋外に放置されると発見されにくいという特性もある。人通りの少ないエリアが多く、「気づいたらチームが半分になってた」という状況が起きやすいのがPolus特有の展開だ。
The Airship(エアシップ):最大のマップ
2021年3月に追加された4つ目のマップ。飛行船の内部を舞台に、これまでで最も大きなフィールドを誇る。複数階層にわたる立体的な構造と、はしごやロープを使った移動が新しい要素として加わった。
ゲーム開始時に「どの部屋から始めるか」を選べるシステムが導入されており、他のマップとは異なる開幕の自由度がある。タスク数も多く、広い分だけ立ち回りの選択肢が増えた。ただその分、初めて遊ぶ人には「どこに何があるか」を把握するまで時間がかかる。
マップ4つでプレイ感覚が大きく変わるため、「The Skeldに飽きてきたらPolusへ、それにも慣れたらAirshipへ」というように、新鮮さを保ちながら長く遊べる設計になっている。
ロールとカスタマイズ:2022年以降のアップデートで広がった世界
2022年以降、Among Usは大型アップデートを積み重ね、リリース当初からゲームの幅が大きく広がった。特に大きな変化が「新ロール(役職)システム」の追加だ。
初期のAmong Usはクルーメイトとインポスターだけだった。しかし2022年3月の「Roles & Cosmicubes Update」以降、複数のロールが実装された。これにより「クルーメイトの中に特殊能力を持つ人がいる」という新しい駆け引きが生まれた。
クルーメイトサイドの特殊ロール
「シェリフ(Sheriff)」はクルーメイトでありながら、インポスターと判断したプレイヤーをキルできる能力を持つ。ただし間違えてクルーメイトをキルしてしまうとシェリフ自身が死ぬ。強力だが、使い方を間違えれば自分のチームに損害を与える諸刃の剣だ。
「エンジニア(Engineer)」はクルーメイトでもベントを使える役職。インポスターの特権だったベント移動をクルーメイトが使えるようになることで、「ベントを使っているのがインポスターとは限らない」という新しい読み合いが生まれた。
「サイエンティスト(Scientist)」は、バイタルモニター(プレイヤーの生死確認)をどこからでも確認できる役職。情報収集に特化したロールで、いち早くキルを察知してチームに知らせることができる。
「ガーディアンエンジェル(Guardian Angel)」は死亡後のゴーストが持つ特殊能力で、生存中のクルーメイトを一時的にインポスターのキルから守れる。ゴーストになってもゲームに貢献できる珍しいシステムだ。
インポスターサイドの変化
インポスター側にも「シェープシフター(Shapeshifter)」が追加された。一定時間、他のプレイヤーの外見に変身できるという強力な能力で、「あの人を見たけど、実はシェープシフターだった」という新しい騙し方が可能になった。変身中のキルや行動が別人の証言として残るため、アリバイ工作の幅が格段に広がった。
さらに「トラッカー(Tracker)」「ノイズメーカー(Noisemaker)」など、バランスを調整するための役職が随時追加されており、2026年時点でも新ロールの実装は続いている。
「ロール追加されてからAmong Usの深みが変わった。昔はシンプルすぎて飽きてたけど、シェープシフターとエンジニアが入ってから読み合いが何倍も面白くなった」
引用元:Steamレビュー
このロールシステムの追加はコミュニティから好意的に受け取られている一方で、「シンプルだったから好きだった」という声も一定数あった。Innerslothは設定画面でどのロールを有効にするかを細かく選べるようにしており、「昔ながらのAmong Usがしたければロールをすべてオフにすればいい」という選択肢を残している。古参プレイヤーにも新規プレイヤーにも対応できる柔軟な設計だ。
心理戦の奥深さを求めて似たようなシステムを持つゲームを探している人には、キャラクター間のシナジーを考えながら仲間と協力するスタイルのゲームが合うかもしれない。

コスメティックとキャラクターカスタマイズ
Among Usのキャラクター(通称「豆」)はシンプルな見た目だが、カスタマイズの幅は意外なほど広い。帽子、スーツ、ペット、バイザー(顔まわりのアクセ)を組み合わせて自分だけの豆を作れる。
基本的なコスメは無料で入手可能だが、追加コスメは有料DLC(コスミックキューブ)または季節イベントで手に入る。課金しなくてもゲームプレイに影響はなく、あくまで見た目だけの要素だ。
人気のコスメには公式コラボも多い。マリオ(任天堂とのコラボ)、マインクラフト、Arcane(Riot Gamesとのコラボ)など、様々な版権キャラのコスメが登場している。Steamゲームの中にはコラボコスメを入手できるものもあり、Among UsのSteamページからバンドル購入するとシリアルコードが付いてくるケースもあった。
ペットは移動中にキャラクターの後ろをついてくるマスコット的な存在だ。犬、ハムスター、ロボットなど種類があり、動きが可愛くて「ペット目当てでコスメを買う」プレイヤーも多い。ゲームプレイ中にペットを連れた豆が静かに歩いているのを見ると、なんとも言えない和む感覚がある。
コスメによる差別化は「コミュニティ内での自己表現」という役割も持っている。「あの赤い帽子のやつがシェリフを持ってた」「ペット連れた緑が毎回インポスターを引いてる」という個人の記憶に紐づく体験が積み重なるのも、長期的にこのゲームで遊ぶ理由の一つになっている。
なぜAmong Usはこんなに長く遊ばれるのか
2018年リリース、2020年に爆発的ブーム、そして2026年現在も現役。これだけ長く遊ばれている理由は何か。いくつかの観点から整理してみる。
「毎回違う展開」が生む中毒性
Among Usには「このデッキ構成が最強」「このビルドが正解」という答えがない。毎回メンバーが違い、役割が違い、マップの使い方が違う。同じロビーで10回連続でやっても、同じ展開は一度もない。
特にボイスチャットで遊ぶグループは「前回のあの展開」の話をしながら次のゲームを始める。「あのときシェープシフターで変身したやつが空気を読みすぎてバレたよな」「お前が緊急ボタン押すのが早すぎるんだよ」。こういう会話がグループの内部文化として蓄積されていく。
ゲームの「思い出」が積み重なるタイプのゲームだ。それがコミュニティとの結びつきを強め、「また一緒にやろう」という動機になる。
学習コストの低さ
基本操作は移動とボタン押下だけ。コントローラーを持ったことのない人でも5分で遊べる。ルールを口頭で説明するのに3分もかからない。これは「全員が同じ土俵で楽しめる」という点で大きな強みだ。
「ゲームが得意な人と苦手な人が同じゲームで対等に楽しめるか?」という問いに、Among Usは「Yes」と答える。操作が上手い人も、話術に長けた人も、鋭い観察力を持つ人も、それぞれのやり方でゲームに貢献できる。
この間口の広さが、ゲームをあまりやらない人を引き込んだ大きな要因だ。「彼女と一緒に遊べるゲーム」「家族で遊べるゲーム」として選ばれることも多く、2020年のブームではゲームをほとんどやらない人がAmong Usだけをやり込むという現象も起きた。
Streamer文化との相性の良さ
配信映えするゲームであることも長寿命の理由の一つだ。インポスターの視点、クルーメイトの視点、それぞれに「見せ場」があり、視聴者も一緒になって「あいつ怪しい」と思いながら見られる。リアクションが見やすく、面白い場面が自然に生まれる構造だ。
大手配信者がやっている→視聴者がプレイしてみる→友達に紹介する、というループが2020年のブームで大規模に起きた。そしてそのループは規模を縮小しながらも今でも続いている。新しいアップデートがリリースされるたびに配信でとりあげられ、プレイヤーが戻ってくる。
無料プレイまたは低価格という入門のしやすさ
スマホ版は基本無料でプレイ可能(広告あり)。Steam版も定価数百円の低価格タイトルだ。「友達に誘われたけどゲームにお金を使いたくない」という人でもスマホ版で参加できる。これがグループ全員で遊ぶ際のハードルを下げている。
1,000円以下で何百時間も遊べるコストパフォーマンスは、Steamの中でも屈指だ。Steamでのプレイ時間の中央値は公表されていないが、レビューを見ると「気づいたら300時間超えてた」という声が一定数ある。

ネガティブな面も正直に書く
Among Usの好きな点ばかり書いてきたが、気になる点もある。正直に書く。
マッチメイキングと公開ロビーの問題
知らない人と遊ぶ「公開ロビー」は体験が安定しない。特定のプレイヤーが「ゲームを破壊すること(ルール無視・早期離脱・チートなど)」を目的にロビーに入ってくる場合がある。報告機能はあるが、対応が追いつかないケースもある。
これはAmong Us特有の問題ではなくオンラインゲーム全般の課題だが、「知り合いだけのプライベートロビーで遊ぶ」のと「公開ロビーで見知らぬ人と遊ぶ」のとでは体験の質が大きく異なる。「公開ロビーでやってみたけど微妙だった」という人が知り合いを集めて遊ぶと印象が180度変わることも多い。
言語の壁
ディスカッションフェーズは言語コミュニケーションが核心なので、テキストチャットの場合は言語が合わないと情報共有が難しくなる。英語圏の公開ロビーに日本語でコメントを打っても無視されたり、逆に日本のロビーで英語しか話せないプレイヤーが参加すると議論がかみ合わなかったりする。
ボイスチャットならDiscordのグループを使えば解決するが、公開ロビーでは言語設定でフィルタリングするか、同じ言語のプレイヤーが集まるコミュニティを探す必要がある。
「ブームが過ぎた感」への対応
「もう古いゲームじゃない?」という声はある。確かに2020年のピーク時から同時接続数は落ちている。ただこれはAmong Us固有の衰退ではなく、「ブームゲームの普通のライフサイクル」だ。Innerslothは継続的にアップデートを重ね、新ロールや新コスメ、新イベントを提供し続けている。「過去に流行ったゲーム」ではなく「今でも開発中の現役ゲーム」として見てほしい。
「2020年に比べて人は減ったけど、逆に言えば本気でやりたい人だけが残ってる感じ。変なプレイヤーが減って、ゲームの質は上がってる気がする」
引用元:Steamレビュー
繰り返しプレイによる飽き
何十時間も遊んでいると「読まれ方」が固定化してくることがある。同じグループで長く遊ぶと「あいつはインポスターのとき話が多くなる」という癖が読まれてしまい、心理戦の新鮮さが薄れてくることも。
この問題への対処としては、新しいロールを有効化する、プレイグループを変える、マップを変えるなどの方法がある。あるいは「飽きたら少し離れて、また戻ってくる」という遊び方で長期的に楽しんでいるプレイヤーも多い。
一定時間遊んで新鮮さを求めているなら、放置できる系のクリッカーゲームとの組み合わせで時間を使うプレイヤーもいる。

Among Usの設定項目を知っておくとゲームが変わる
Among Usのロビー設定はホストが細かく調整できる。デフォルト設定でも遊べるが、設定を変えることでゲームの難易度や方向性が変わる。主要な設定項目を知っておくと、グループに合った調整ができる。
プレイヤー速度とキルクールタイム
プレイヤーの移動速度とインポスターのキルクールタイム(再キルまでの待機時間)は、ゲームテンポに直結する重要な設定だ。
速度を速くするとマップを素早く移動できる半面、「誰かと出会う・追跡する」場面が増え、目撃リスクが上がる。速度が遅いと移動に時間がかかる分、ゆっくり考えながら動けるが、緊急サボタージュの修理が間に合わない可能性も出てくる。
キルクールタイムは短いほどインポスター有利、長いほどクルーメイト有利になる。「インポスターが強すぎてすぐ負ける」と感じたらクールタイムを長く、「なかなか誰も死なくてゲームが長引く」と感じたら短くするといい。
視野の広さ(視界設定)
クルーメイトの視野を広くすると状況把握がしやすくなり、インポスターが動きにくくなる。視野を狭くするとスリルが増すが、死角が増えて死体を見逃すことも増える。
インポスターの視野はデフォルトでクルーメイトより広く設定されており、この差がインポスターの有利点の一つだ。インポスターの視野を狭くする設定もできるが、あまりにも制限すると「インポスターが不公平に弱い」という感覚になることもある。
タスク数のバランス
タスクが多すぎると、クルーメイトがタスクに集中しすぎて観察・ディスカッションに時間が割けなくなる。タスクが少なすぎると、ゲームがあっという間に終わってしまう。
メンバーの人数と経験に合わせてタスク数を調整するのが大事だ。初めて遊ぶグループには少な目のタスク設定で、会話の時間を多く取る方が楽しめる場合が多い。慣れてきたら徐々にタスクを増やして難易度を上げていくといい。
「ビジュアルタスク」の設定
Among Usには「ビジュアルタスク」と呼ばれる、他のプレイヤーから見えるアニメーションが発生するタスクがある。メディベイでのスキャン(全身スキャンのアニメーション)、ゴミ排出(ゴミが飛び出すアニメーション)などがこれにあたる。
このアニメーションが発生しているプレイヤーはクルーメイト確定になるため、ゲームを大きく動かす情報になる。「ビジュアルタスクを有効にする」設定をオンにしていると、これらのアニメーションが発生し確認要素として使える。初心者グループはオンにしておく方が分かりやすい。上級者グループはオフにして情報の非対称性を高める遊び方もある。
匿名投票と確認時間
投票を「匿名」にする設定では、誰が誰に投票したかが分からなくなる。「あいつが私に入れた、怪しい」という二次情報が消えるため、より純粋に「誰がインポスターか」だけに集中した投票になる。
ディスカッション時間とトータル投票時間も設定できる。「ディスカッション20秒・投票30秒」という短めの設定にすると、素早い判断を迫られて緊張感が増す。逆に長めに取ると、じっくり議論できる分、情報が整理されて論理的な議論になる。グループの雰囲気によって変えてみると、同じゲームでも体験が変わる。
フレンドと遊ぶためのセットアップ:実践的な始め方
「友達と一緒にやってみたい」と思った人向けに、実際の準備を書いておく。
最低人数と推奨人数
ゲームは4人から始められるが、正直4人は少ない。インポスターが1人だと、キルが起きた瞬間「残り3人中1人がインポスター」という単純な絞り込みになりやすい。最低でも6〜7人、理想は8〜10人でやると心理戦の幅が出る。
「何人か集まったけど全員スケジュールが合わない」という場合は、6〜7人でも十分楽しめる。ただし10人超えるとディスカッションが混乱しやすくなり、発言が埋もれることもある。初心者グループなら8人前後が一番バランスがいい。
Discordの設定
Among Usを最大限楽しむなら、全員でDiscordのボイスチャンネルに入りながらプレイするのがベストだ。テキストチャットだけだと反応が遅れ、議論のテンポが落ちる。
重要な設定が「死亡時のミュート」だ。ゲームプレイ中に死んだプレイヤーはゴーストになり、生きているプレイヤーには声が聞こえなくなる設定がルール上は正しい。Among Usには「Automute」というDiscord連携ボットがあり、これを使うと死亡時に自動でミュートがかかる。手動でのミュート管理が不要になるため、複数人で遊ぶグループは入れておくと便利だ。
ロール設定のすすめ
初めてグループで遊ぶときは、ロールをすべてオフにしてシンプルなルールで始めることをすすめる。クルーメイトとインポスターだけのオリジナルAmong Usを数回やって、全員がルールを理解した段階で新ロールを少しずつ追加していくと混乱が少ない。
特にシェープシフターは初心者グループに入れると「あいつ変身してたの?!」という驚きが生まれて盛り上がるが、同時に「変身してたから信用できない」という情報過多になる場合もある。数回遊んでゲームになれてきたタイミングで導入するのがいい。
ルールの決め方
公式ルールは最低限の枠組みだけ提示しており、細かいルールはグループごとに違う。たとえばメタ行動(カメラを見続けてインポスターの動きを監視し続けるなど)を許可するかどうか、ビジュアルタスク(動きが見えるタスク)をゲーム設定でオンにするかどうか、などはグループの好みで変わる。
最初は「死んだ人はゲーム終了まで結果を口外しない」「ディスカッション中に他の画面を見ない」くらいの簡単なルールだけ決めておけば十分だ。遊ぶうちに自然と「うちのグループはこれアリ/ナシ」というルールが形成されていく。
Innerslothの姿勢:小さなスタジオが作り続けるゲーム
Among Usを語る上で、開発元のInnerslothについて触れておきたい。
Innerslothはもともとわずか4人のスタジオだった。2018年のリリース時点では、ゲームの仕組みを作ったNummy(デザイン・アート)、Forest Willard(エンジニア)、Marcus Bromander(エンジニア)の3人が中心。2020年のブームでスタジオ規模は徐々に拡大したが、大手ゲームメーカーと比べれば今でも小さなチームだ。
2020年のブーム時、Innerslothは当初「Among Us 2」の開発を進めていた。しかしプレイヤーが急増し、バグ修正や新機能の要望が爆発的に増えた状況を受けて、「新作ではなく現行タイトルの改善に集中する」という決断を下した。この判断はコミュニティから高く評価された。
「続編を中止して今のゲームを良くすると言ってくれたとき、このスタジオ本当に好きになった。大手なら絶対続編で稼ごうとするところを、別の選択をした」
引用元:Steamレビュー
その後のInnerslothは言葉通りに動いた。新マップ(The Airship)、新ロールシステム、コスメの定期追加、スマホ版でのクロスプレイ対応、コンソール移植と、継続的なアップデートを届け続けている。2025年・2026年も新コンテンツが追加されており、開発が止まっている様子はまったくない。
スタジオとして「楽しいゲームを作り続けることへの誠実さ」を感じさせる開発姿勢は、長期的なプレイヤーの信頼につながっている。
アクセシビリティ:誰でも遊べる工夫
Among Usは意外とアクセシビリティ面への配慮が細かい。色覚サポート、テキストのサイズ変更、色盲向けのシンボル表示など、プレイヤーが見やすい設定を選べるようになっている。
特に色覚対応は重要だ。デフォルト設定ではキャラクターの色で個人を識別するが、色の区別が難しいプレイヤーのために名前タグの常時表示やシンボル表示のオプションが用意されている。「ゲームを楽しみたいけど色の識別が難しい」という人でも、設定を変えることで快適にプレイできる。
操作面でも、マウスとキーボードだけでなくゲームパッドに対応しており、スマホタッチ操作でもプレイできる。クロスプレイ対応(PC・スマホ・コンソール間)でプラットフォームの壁もない。「友達はPC、自分はスマホ」という状況でも一緒に遊べる。
こういった間口の広さが「ゲーマーじゃない人も巻き込める」という強みにつながっている。日常的にゲームをやらない社会人グループでAmong Usだけやっている、というケースが生まれる理由もここにある。
インポスターを極める:上達するほど楽しくなる要素
Among Usは「誰でも遊べる」が、「上手くなる余地がある」ゲームでもある。特にインポスターとしての立ち回りは、経験を積むにつれて洗練されていく。
「作業を演じる」技術
インポスターはタスクをこなせないが、タスクをしているように「見せる」ことはできる。実際にはタスクバーが動かないので見破られる可能性はあるが、タスクが実施されているエリアに向かい、タスク実施アニメーションを見せないようにしながら「作業中のポーズ」を取り続けるという技術がある。
カメラのある部屋に積極的に入り、「私は確認されている」状態を作り出すことで信頼を得るインポスターもいる。「セキュリティルームで監視カメラを見ているように見せかけながら、実はカメラの死角からキルチャンスを探している」という二重の演技は、熟練インポスターならではの動きだ。
「アリバイの設計」を考える
上手いインポスターは「キルした後の自分の位置」を計算している。キルした場所から自然な移動先を把握し、「あそこでキルした人間がここにいるはずがない」という状況を作り出す。逃げた後に合流する、タスクをしている人の側にいる、緊急ボタンを自分で押すなど、アリバイ工作のバリエーションは豊富だ。
「緊急ボタンを押したのはインポスターではないはず」という先入観を利用して、インポスターが自ら通報するのも定番の戦略だ。ただこれは複数回やると「またお前か」と読まれるようになる。同じグループで長く遊ぶと「戦略のメタ読み合い」が発生するのも面白さの一つだ。
「誰を疑いの矢面に立てるか」
インポスターの仕事の一つは「自分以外の誰かを怪しく見せること」だ。ディスカッションで発言を誘導し、他のプレイヤーに疑いの目を向ける。「○○さん、さっき電気室の近くにいたよね?」と一言入れるだけで議論の流れが変わることがある。
完全な情報操作だけでなく、「沈黙」を使うインポスターもいる。議論が盛り上がってきたとき、あえて何も言わないことで「考えているふり」をしながら状況を観察する。発言が少ない人は「何も分からなかった」という理由として使えるし、逆に「無口なのが怪しい」と言われたら「作業に集中していたから気づかなかった」と弁解できる。この二重性が心理戦を深める。
複数インポスターの連携
インポスターが2人以上の場合、連携プレイが可能になる。「一方が通報し、もう一方を庇う」「一方がサボタージュを起こし、混乱中にもう一方がキルする」「互いにアリバイを証言し合う」という動きができる。
ただしこれには声を使わず文字チャットのみで阿吽の呼吸が必要で、初心者インポスターコンビが「連携しようとして不自然な動きをしてバレる」という失敗も定番だ。ゲームを重ねるにつれて、言葉なしに相方の意図を読めるようになっていく。これがAmong Usをリピートする動機の一つになっている。
クルーメイトとして勝つための思考法
インポスターの話ばかりしたが、クルーメイトの立ち回りにも深みがある。「インポスターを見つける」という一点のために、情報収集と論理的な推理が必要だ。
視覚情報の活用
Among Usで最も直接的な情報は「目で見たこと」だ。誰がどこにいたか、誰と誰が一緒に動いていたか、誰がベントを使ったか。これらを記憶し、ディスカッションで証言する。
特に「スタック」という状況に注意が必要だ。複数のプレイヤーが同じ場所に重なって動いているとき、インポスターがその中に隠れてキルのチャンスを狙っている場合がある。「人が集まっているエリアで死体が出た」という状況は、近くにいた全員が怪しいという状況だ。
「誰を信用するか」の組み立て
Among Usのディスカッションは情報戦だが、すべての情報が正確ではない。インポスターは嘘をつく。クルーメイトは勘違いをする。「○○と△△が一緒にいるのを見た」という証言も、見間違いや記憶の混乱である可能性がある。
信用できる情報を積み上げる方法の一つが「アリバイの相互確認」だ。「あの時間に一緒にいた人がいる」という二人の証言が一致しているなら、その二人がともにインポスターでない限り、少なくとも一人は白だという推論が成り立つ。この「確実にクルーメイトの人」を起点に議論を組み立てると、論理的に怪しい人を絞り込める。
タスク完了率を意識する
Among Usではタスクバーがゲーム画面に表示される。これはすべてのクルーメイトのタスク達成状況の合計を示す。タスクバーが満タンになれば、たとえインポスターを一人も排除できていなくてもクルーメイトの勝利だ。
これを知っているとゲームへの関わり方が変わる。「議論で投票で排除するより、黙々とタスクをこなした方が勝率が上がる」という状況も存在する。特にプレイヤー数が少なくなり、投票の精度が下がったタイミングでは、タスクを急いでこなすことがチームの最善手になることもある。
逆にインポスターにとっては「タスクバーの進みが速い」と感じたとき、サボタージュで妨害するかキルを急ぐかの判断が重要になる。この「タスク速度」という変数がゲームの展開に緊張感を生む。
死んでからもゲームを楽しむ
ゲーム中盤以降にクルーメイトとしてキルされると、ゴーストになる。ゴーストはゲームを観戦しながら、タスクをこなすことができる。ゴーストのタスク達成もタスクバーに反映されるので、「死んでからもチームに貢献できる」という設計だ。
観戦視点ではインポスターが誰かが分かるため、「どう動いているか」「どうやって騙しているか」を見届けることができる。この視点で見ることで自分のプレイの反省点が分かり、次のゲームに活かせる。「死んだ後に学ぶ」というサイクルが上達につながる。
他のパーティゲームとの比較
「同じような感覚で遊べるゲームは?」という視点で、いくつか比較してみる。
人狼ゲームとの違い
Among Usの「インポスターが騙す」という構造は人狼ゲームに近い。しかし人狼と大きく異なるのは、クルーメイトが「タスク」という行動目標を持っている点だ。
人狼では市民(クルーメイト側)は基本的に「話し合って投票する」だけで、昼フェーズに能動的にできることが少ない。Among Usではクルーメイトがタスクをこなすことで客観的にゲームを進められる。「タスクを早く終わらせる」という独立した勝利条件があるため、「議論が苦手な人でも行動で貢献できる」のだ。
逆に言えば人狼はより言語能力への依存度が高く、議論そのものに慣れたプレイヤーには人狼の方が濃い心理戦ができると感じるかもしれない。「話し合いと行動の両方で楽しみたい」という人にAmong Usはバランスがいい。
Fall Guysとの違い
Fall Guysはパーティゲームとして同じ棚に並ぶことが多いが、方向性はまったく違う。Fall Guysはアクション・プラットフォームゲームで、操作の上手さや反射神経が勝敗を左右する。心理戦の要素はほとんどない。
「ワイワイ楽しみたい」という目的は同じでも、「笑える失敗を楽しみたい人」にはFall Guys、「騙し合いを楽しみたい人」にはAmong Usという棲み分けがある。
Town of Salemnとの違い
より深い役職ゲームを求めるなら「Town of Salem」も選択肢に入る。プレイヤーに多様な役職が割り振られ、議論と情報収集でゲームが進むテキストベースのゲームだ。
役職の数と複雑さはTown of Salemの方が圧倒的に多く、推理の深みもある。一方、グラフィックがほぼなくテキスト中心なので、見た目の楽しさはAmong Usに軍配が上がる。「もっと本格的な役職ゲームをやりたい」と感じたプレイヤーが移行するゲームの一つだ。
仲間と一緒に助け合いながら進むタイプのゲームが好きで、別ジャンルも探しているなら、同じCoopゲームでも動物が主役のユニークな世界観のものもある。

Among Usコミュニティ:ファンカルチャーの広がり
Among Usはゲームの枠を超えてファン文化を生み出した珍しいタイトルだ。
ミームとしての浸透
「sus(サス)」という言葉がAmong Usから広まったことを知っている人は多いだろう。「suspicious(怪しい)」の略で、元々は英語圏のスラングだったが、Among Usのブームを経て日本語話者の間でも「なんかすすだよね」という使い方が広まった。
「死体を発見した場合のリアクション」「インポスターにキルされた直後の無表情なキャラクター」「ベントから出てくる豆」といったビジュアルがミームとして拡散し、ゲームを遊んだことがない人でも画像を見たことがある人は多い。これはAmong Usがゲームカルチャーを超えてインターネット文化に浸透した証明だ。
二次創作の豊かさ
ニコニコ動画、pixiv、Twitter/X、YouTubeなど、日本語コミュニティでも大量の二次創作コンテンツが存在する。「豆キャラのコスプレ」「インポスターが実は良いやつだった」系の漫画、音MAD、オリジナルソングなど、コンテンツの幅が広い。
Innerslothはファン創作に寛容なスタジオとして知られており、公式が二次創作を積極的に禁止した事例はほぼない。この姿勢がファンコミュニティの活発さを支えている。
教育現場への浸透
Among Usが「学校の授業や研修で使われた」という事例は国内外に複数ある。コミュニケーション、嘘の見破り方、グループでの意思決定、情報の非対称性、認知バイアスなど、ゲームプレイが社会的・心理的なテーマの学習ツールになるという観点だ。
大学の心理学の授業でAmong Usを使ったケーススタディ、企業の新人研修でのアイスブレイク、中学・高校のクラス活動。「ゲームを通じた体験学習」の事例として複数の研究者が取り上げている。
「ゲームが教育に使われる」という事例は増えているが、Among Usほど幅広い年齢層・職業層に普及したゲームが教育現場に入るのは珍しい。それだけ間口が広く、プレイヤー間のインタラクションに価値があるゲームだということだ。
ランダム要素とコミュニティが重なる形のゲームが好きな人なら、完全に自動化されたペット対戦ゲームも面白い比較対象になる。

ホラー要素とバランス:怖さと笑いの絶妙なライン
Among Usには薄いながらも「ホラー要素」がある。宇宙船という閉鎖空間、インポスターという存在、突然現れる死体、通気口から出現するキャラクター。これらが組み合わさって「誰が信用できるか分からない」という不安感を生む。
ただその「怖さ」は直接的なホラーではなく、心理的な緊張感だ。ゴアなシーンはなく、おどろおどろしい演出もない。「キルされる瞬間に画面が赤くなる」「死体が発見されたときの音楽」程度で、子供でも十分楽しめる。
むしろAmong Usが生み出す「怖さ」は笑いと隣り合っている。インポスターがバレた直後の焦り、必死の言い訳、理不尽な投票で排除されたときの怒り、全部が笑える体験に変わる。「怖かったけど笑えた」という感情は、ゲームならではの体験だ。
「怖いけど笑える」「緊張するけど楽しい」という体験がソーシャルゲームの中でここまで高密度で詰まっているのがAmong Usの特徴だ。友達グループとの思い出が「あの夜のキルで大爆笑した」という形で残り続けるのは、この感情の揺れ幅が大きいからだと思う。
緊張と笑いが混在するゲーム体験を持つ別タイトルとして、仲間との距離感が生む笑いを売りにするゲームもある。

2024年〜2026年のAmong Us:今も続く更新
2020年のブームから時間が経ち、「Among Usはもう終わったゲーム」と思っている人もいるかもしれない。実際のところはどうか。
Innerslothは現在も定期的なアップデートを続けている。2023年以降も新コスメ・新ロール・バグ修正が継続的に提供されており、特定のシーズンイベント(ハロウィン、正月など)に合わせたコスメが追加される流れは定着している。
2024年には新しいロールのバランス調整と、コミュニティからの要望に基づいた設定項目の追加が行われた。Innerslothの公式Discord、Reddit(r/AmongUs)では開発者が直接コミュニティと対話する場面も多く、フィードバックが実際のアップデートに反映されるサイクルが機能している。
Steam同時接続数のピーク時は50万人超えだったが、2026年時点では数千〜数万人規模に落ち着いている。ただこれは「廃れた」のではなく「定常運転」の数字だ。毎日一定数のプレイヤーがアクティブにプレイしており、新規プレイヤーも定期的に参入している。
新しいコンテンツが追加されるたびにSteamレビューの更新が増え、一時的に同時接続数が跳ね上がる。このサイクルを「引き続き追いかけていくゲーム」として遊んでいるプレイヤーは一定数いる。
「2年ぶりに戻ってきたら友達グループがまだやってて、自然に復帰できた。新ロールも増えてて新鮮だった。こういうゲームが続いてるのって嬉しい」
引用元:Steamレビュー
「一度やめたけど久しぶりに戻ってきた」という体験談が多いのもAmong Usの特徴だ。「離れていた期間が長くても戻りやすい」ゲーム設計は意図的なものだろう。ルールが変わっていないので復帰のハードルが低く、友達がいれば一緒に再起動できる。
同ジャンルで興味を持った人へ
Among Usで「パーティゲーム・心理戦ゲーム」に興味を持った人に、方向の違う体験ができるゲームをいくつか紹介する。
Among Usが「嘘をつく側・見破る側」の非対称対戦なら、デッキを使ってカードで戦う協力型ゲームも面白い。ターン制で考える時間があり、戦略的な思考とコミュニケーションが両方必要な作品がある。

完全にソロで楽しめる、心理的なテーマを扱うビジュアルノベルが好きな人にはこういう作品もある。プレイヤーの意表を突くストーリー設計で、初見の驚きを求める人に向いている。

心理戦から離れて、完全に1人でのんびり楽しめる作品も選択肢に入れるなら、バナナを何本買ったかという単純明快な仕組みで何十万人もがプレイしているゲームもある。Among Usのような「仕掛け」の裏返しで、シンプルの極致を体験できる。
まとめ:Among Usがなぜ残り続けるのか
Among Usは、ゲームの歴史の中でも特別な位置を占めるタイトルだ。4人のスタジオが作った小さなゲームが、コロナ禍という特殊な社会状況と重なり、配信文化の波に乗って世界規模のムーブメントになった。そして2026年現在、ピーク時の熱狂は落ち着きながらも、世界中で定常的に遊ばれ続けている。
理由を一言で言えば「人と遊ぶ体験の質が高いから」だと思う。勝ち負けより「あのときの展開」が記憶に残る。操作の上手さより「何を言ったか」「どう振る舞ったか」が光るゲームだ。グラフィックはペラペラで、動作要件はほぼないに等しい低スペック対応。それなのに、人間の心理という最も複雑なフィールドで勝負するゲーム設計になっている。
「まだやったことない」という人にはぜひ一度試してほしい。スマホ版なら無料で始められる。誰かを騙す感覚、騙される感覚、その両方を体験して笑えたとき、なぜこのゲームが5年以上経っても遊ばれているのかが分かると思う。
友達を6〜8人集めて、Discordで通話しながら、一晩。それだけで十分な体験が待っている。「今夜誰かキルしてやる」とワクワクしながら入室してほしい。
なお、今日遊んで「もっと仲間と遊べるゲームが知りたい」と思ったなら、Among Usとはまた違うテイストのCoopゲームもたくさんある。協力プレイで戦略を組み立てる面白さが好きな人にも、また違う角度から楽しめる作品がある。
Among Us
| 価格 | ¥500-40% ¥300 |
|---|---|
| 開発 | Innersloth |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | マルチ |
