Cinderia|魔女が焼いた廃墟で自分だけのビルドを組むローグライトACT
最初の数回のランは、正直つらかった。
ダッシュでかわしたと思った敵の攻撃が当たる。ボスの連続攻撃をくらったら、一瞬でHPが0になる。「あれ、無敵時間はどこ?」と首をかしげながら、気がつけば同じボスに10回は倒されていた。
それでも、やめられなかった。
理由はシンプルで、スキルの組み合わせを考えるのが楽しすぎたからだ。「このスキルをこのパッシブと合わせたら……?」「装備にこの効果がついてたら爆発するんじゃないか?」という計算が頭の中で止まらない。そしていくつかのランをこなしたあと、初めてシナジーがガチッとはまったとき——敵が画面から吹き飛んでいく様子を見ながら「これだよ、これ!」と思わず声が出た。
Cinderiaは2026年3月30日にSteam早期アクセスを開始したダークファンタジーローグライトアクションゲームだ。開発はMyACG Studio(中国・上海拠点)、パブリッシュはMyACG StudioとNPC Entertainment。リリースから数日でSteamレビューが1,800件を超え、87%が好評という数字をたたき出している。Steamの評価は「Very Positive(ほぼ好評)」を獲得しており、早期アクセス段階のゲームとしては異例の高評価だ。
ゲームの舞台は「魔女が世界を焼き払った夜」のあとの廃墟。あの夜、古き秩序は崩れ去り、王国は焦土と化し、廃墟にはただ灰だけが降り続けた——というダークな設定のなかで、プレイアブルキャラクター4人のうち1人を選び、スキルと装備を組み合わせながら廃墟を駆け抜けていく。
180種類以上のスキル、500以上のアップグレードバリエーション、130種類以上の装備アイテム、固有のエンバーフュージョンシステム。「自分だけのビルドを作る」という体験に全振りしたゲームで、これがハマるとランの周回が止まらなくなる。一方で、難易度は中々に厳しく、序盤から「ゲームにふるいにかけられてる感」はある。
早期アクセス開始から数日で同時接続プレイヤーが最大5,075人(2026年4月2日)を記録したこのゲームについて、システムの面白さと気になる部分を正直に書いていく。
「Cinderia」公式トレーラー
こんな人に読んでほしい

Cinderiaが刺さる人のイメージを先に書いておく。
- ローグライトのビルド構築が好きで、試行錯誤できるゲームを探している人
- Hadesをプレイして「もっとビルドの幅が広いゲームが欲しい」と思った人
- ダークファンタジーの世界観・雰囲気が好きな人
- アクションゲームに慣れていて、高難易度に挑戦するのが苦じゃない人
- 美麗なビジュアルと爽快感のある戦闘アニメーションを楽しみたい人
- 新キャラクターを解放しながら長期間遊べるゲームを探している人
- メタ進行(永続強化)要素があって、やりこめるゲームが好きな人
- 「かわいい見た目なのにゲームプレイが硬派」というギャップが好きな人
逆に、向かない人もはっきりしている。
まず、「無敵時間がほぼない」というアクション設計に慣れる必要がある。通常のアクションゲームでは被弾後に一瞬の無敵時間があり、その間は追加ダメージを受けない。Cinderiaはこの常識を意図的に外している。ボスの連続攻撃をくらうと、あっという間にHPが0になる。これを理不尽と感じる人は多いし、実際に低評価レビューの大半がこの点への不満だ。
また、序盤はビルドが完成しないため、爽快感を感じにくい。「強くなった!」という感覚がくるのは、スキルと装備のシナジーが組み合わさった中盤以降だ。早い段階で楽しさを感じられないと離脱しやすい設計になっている。
さらに、早期アクセスであるため、パフォーマンスやバグ面での粗さがある。長時間プレイ時のメモリリークや、翻訳の不備など、完成版であればないはずの問題がいくつか存在する。これを許容できない人は、1.0リリースまで待つほうがいい。
長文になるが、このゲームを気に入ってくれそうな人には全部読んでほしい。どんなゲームなのか、何が面白くて何がつらいのか、できるだけ正確に伝えようと思う。
世界観:魔女が焼き払った廃墟という舞台
Cinderiaの世界は「崩壊したダークファンタジー童話」という言葉が一番近い。明るい冒険の物語ではなく、すでに一度終わった世界の残骸を舞台にした物語だ。
設定はこうだ。かつてこの世界には秩序と魔法が共存していた。しかし「魔女が世界を焼き払った夜」に、すべての均衡が崩れた。王国は焦土と化し、古き秩序は消え去り、廃墟には灰だけが降り続けるようになった。そして廃墟には「侵蝕(エロージョン)」と呼ばれる黒魔法の汚染が広がり、多くの者がその力に呑み込まれていった。
かつての王国の残骸。かつての森。かつての城。ゲームに登場するステージはすべて「かつては何かだったもの」が廃墟になった場所だ。生き残っている者は少なく、侵蝕の影が常に背景にある。この「世界が終わった後」という設定が、ゲーム全体の空気感を決定している。
そんな世界の中で、侵蝕に抗いながらも生き続ける少数の者たちがいる。黒魔法の残滓を取り込みながらも、完全に支配されることなく、その危うい力を手に戦い続けている人物たちだ。プレイヤーはその中の1人を操り、廃墟を駆け抜けながら世界崩壊の真実に近づいていく。
ゲームのビジュアルは、暗い世界観のわりに美麗だ。キャラクターデザインはアニメ調で、かわいらしさと怪しさが同居している。背景アートは廃墟・森・城と場所ごとに雰囲気が異なり、どこか寂れた美しさがある。エフェクトも派手で、スキルが炸裂するときの光とエフェクトは見ていて気持ちいい。暗い世界観に対して戦闘エフェクトが鮮やかなのは意図的なコントラストで、「灰色の廃墟に色鮮やかな魔法が弾ける」という絵面が独特の格好良さを生んでいる。
キャラクターのデザインは、ダークファンタジーの文脈でよくある「厳つさ」ではなく、アニメ的なかわいらしさを前面に出している。Rueは赤ずきんを連想させるデザイン、Rivetは機械的なガンナー、IsdraはツノのあるナイトとUmaは野性的なビーストマスターと、4人ともキャラクターの方向性が明確だ。この「かわいい見た目とダークな世界のギャップ」がCinderiaの個性の一つになっている。
ストーリーについては、1.0リリース時にトゥルーエンディングを実装する予定だとMyACG Studioは明かしている。早期アクセスの現時点では断片的な情報しか語られないが、キャラクターごとに異なるバックストーリーがあり、会話や端々に世界観の破片が散らばっている。「世界はなぜ崩壊したのか」「魔女は何を目的としていたのか」という謎が1.0でどう回収されるか、今から楽しみにしているプレイヤーは多い。MyACG Studioはストーリーや雰囲気づくりに関する要素を1.0でさらに充実させると予告しており、現在の世界観の骨格の上に肉付けされていくことになる。
4人のキャラクター:誰を選ぶかでまったく変わるゲーム体験

Cinderiaのプレイアブルキャラクターは現在4人。それぞれ独自のスキルプール、固有の戦闘スタイル、そして専用のゲージシステムを持っていて、誰を選ぶかでゲームの手触りがガラッと変わる。ローグライトとして同じゲームを4回遊んでいるような感覚になる、それぞれのキャラクターの独立性が高い設計になっている。
Rue(ルー):速度とエネルギーで戦うアタッカー
4人の中で最も動きが速いキャラクターで、5連撃の素早いコンボと、短い間隔でのナイフ投げが基本攻撃になる。彼女固有のシステムが「エネルギーゲージ」で、エネルギーが溜まるほどスキルが強化される仕組みだ。スキル使用時にエネルギーを消費し、攻撃を重ねることで補充される。
スキルのクールダウンが全員の中で最も短く、テンポよくスキルを回すプレイが可能。コスト(エネルギー)管理と素早い立ち回りが噛み合ったとき、画面が吹き飛ぶような爆発力を発揮する。近距離も遠距離もこなせる汎用性の高さも魅力で、初めてCinderiaを遊ぶ人が最初に選ぶキャラクターとしても人気がある。
Rueのビルドで人気があるのは「クールダウン短縮を積み上げてスキルを連発する」方向性だ。クールダウンが実質ゼロに近くなると、スキルを使い続ける爽快感が生まれる。エネルギーを高速で溜めてスキルの威力を最大化するビルドも強く、こちらはより高いダメージを叩き出す方向性になる。
Rivet(リベット):タレット召喚で「置いて逃げる」スタイル
リベットの核心は「タレット(砲台)設置」にある。スキルでフィールドにタレットを設置し、そこから攻撃を自動で放ちながら自分は距離をとって立ち回るプレイスタイルだ。銃を持ったキャラクターで、弾は自動リロードされ移動を妨げない。
タレットをいかに有効な位置に置くか、どのスキルでタレットを強化するか、を考えながら立ち回る戦略的なキャラクターだ。ビルドが完成したとき、フィールドに5台以上のタレットが展開され、ボスが画面から出てこれない状況が生まれる。この「置いて逃げる」プレイスタイルは、他の3人にはない独特の体験だ。
一方で、タレットを設置する前に倒されると一気に弱くなるため、序盤の生存力をどう確保するかが課題になる。タレット設置のためのポジション取りを学ぶ必要があり、初心者には少し難しい部分もある。しかしビルドが噛み合ったときの「何もしてないのに全部倒れてる」という感覚は、Cinderiaの中でも屈指の気持ちよさだ。
リベットのタレットビルドが完成したときの爽快感がやばすぎる。ボスが動き回ってるのにタレット5台がフルボッコにしてる光景、最高だった。
引用元:Steamレビュー
Uma(ウマ):召喚ビーストで戦うビーストマスター
Umaは「召喚ゲージ」を溜め、動物を呼び出して共に戦うビーストマスタータイプだ。コンボ数は少なめだが、スキルを使うたびにゲージが増え、一定まで溜まったところでビーストを召喚できる。
召喚した動物が自動的に敵を攻撃してくれるため、自分はポジショニングと召喚タイミングに集中できる。ビルドによって召喚するビーストの種類や強さが変わり、どのビーストを出すかによって戦術が大きく変わる。スキルとビーストの組み合わせを考える深みがあり、「自然の力を束ねる」という世界観とのマッチングも良い。
Umaは初心者向けとして推薦される機会が多い。遠距離から自然の力(爆発物を放つ射撃系スキル)で戦えるため、「近づかなくていい」状況が多く作れるからだ。序盤でボスに近づいて死ぬケースが多いCinderiaでは、一定の距離を保って戦える能力が序盤の生存率を上げてくれる。
Isdra(イスドラ):パリィと氷で攻守一体のファイター
4人の中で唯一、遠距離攻撃を持たないキャラクターだ。代わりに強力な「ブロック(受け)」と「パリィ」を持っている。敵の攻撃をパリィで受け止めると、ダメージを無効化してカウンターダメージを与えられる。成功すれば大ダメージのカウンターを叩き込めるが、パリィのタイミングはシビアだ。
「フロストゲージ」が固有のシステムで、攻撃を重ねるごとにゲージが溜まり、一定以上になると攻撃力が増強される。ローグライトACTでよくある「近距離ゴリ押し」とは違い、受けと返しの読み合いが求められる戦闘スタイルになっている。上手く扱えば圧倒的な強さを発揮でき、パリィを決め続けたランはまるで「敵の攻撃を全部食らいながら勝つ」という爽快感がある。
ただし、Cinderiaの「無敵時間がほぼない」という設計と、近距離での生存が求められるIsdraの組み合わせは、序盤は特にきつい。パリィのタイミングが合わず、ボスの連続攻撃を正面から全部受けてしまうと即死する。腕前と知識が求められるキャラクターで、慣れたプレイヤーほど真価を発揮できる。
4人ともキャラクターのスキルプールが独立していて、同じ「攻撃スキル」でもキャラクターによって全然違う働きをする。Steamのコミュニティでは「Uma最強候補」「Rivetが完成すると別ゲーになる」などの議論が盛んで、今でもキャラランクの入れ替わりが頻繁に起きている。早期アクセス中のバランス調整によって今後も変動する部分なので、特定のキャラクターに愛着を持って使い続けることにも意味がある。
エンバーフュージョンシステム:ビルドの核心はここにある
Cinderiaのビルド構築で最も重要なシステムが「エンバーフュージョン(Ember Fusion)」だ。これがこのゲームをただのアクションゲームと違うものにしている。エンバーフュージョンなしのCinderiaを想像すると、普通のアクションゲームになってしまうくらい、このシステムがゲームのアイデンティティを形成している。
ランを進めるなかで「エンバー(余燼)」を集める。このエンバーをスキルカードと組み合わせることで、スキルが新しいバリエーションに変化する。スキル1つにつき最大5つのアップグレード選択肢があり、ランのたびに異なるバリエーションが提示される。選択肢はランダムなため、毎回まったく同じビルドにはならない。
さらに、必要ないスキルは「フュージョン(融解)」できる。不要なスキルを溶かして既存スキルの強化素材にする仕組みで、ピックアップしたくないスキルを引いてしまったときのリカバリー手段として機能する。デッキ構築ゲームの「カード除外」に近い感覚だ。これがあることで、「引きが悪かったから終わり」という状況を緩和できる。
スキルが最大レベルに達すると「分岐選択」が発生する。この段階で方向性が大きく変わることが多く、「育てていたスキルが全然違う性質に変化する」こともある。たとえばシンプルな攻撃スキルが「範囲爆発型」に変わったり、「状態異常付与特化型」に変わったりする。この予測不能な変化がビルドに奥行きをもたらしている。
攻略サイトで紹介されているビルドを参考にするのも有効だが、Cinderiaの真の面白さは「自分で発見した組み合わせがガチッとはまった瞬間」にある。既存のビルド情報を参考にしながら、自分なりのアレンジを加えていく楽しさがある。
エンバーフュージョンの組み合わせが本当に無限で、同じキャラ100時間遊んでもまだ見たことないビルドが出てくる。これが一番の中毒性だと思う。
引用元:Steamレビュー
ゲームが謳う「100種類以上のアクティブスキル×500以上のアップグレードバリエーション」という数字は伊達ではなく、実際にランを重ねるほど「まだこんな組み合わせがあったのか」という発見が続く。ひとつのキャラクターだけで50時間遊んでも飽きない、という声が複数の海外レビューでも言及されていた。
Slay the Spireのデッキ構築と比較すると、Cinderiaのビルド構築はよりリアルタイムアクションとの連動が強い。スキルのクールダウン中に立ち回り、攻撃が戻ったタイミングで叩き込む、という時間軸での計算が必要になる。デッキ構築の戦略性とアクションゲームの反射神経が両方必要なのが、Cinderiaの難しさでもあり面白さでもある。

130種類以上の装備:ビルドに奥行きをもたらすアイテムたち

スキルとエンバーフュージョンによるビルド構築に加え、130種類以上の装備アイテムがゲームにさらなる深みをもたらしている。
装備アイテムにはそれぞれ固有の効果があり、単純なステータス上昇だけでなく、戦闘の仕組みを変えるものが多い。「クリティカルヒット時に猫を召喚する」という効果はゲーム内でも話題になっているユニークな装備の例で、この猫が周囲の敵を攻撃してくれる。単純に強いというより、「こんなこともできるのか」という驚きを提供している。同様に「スキル使用時に追加の爆発物を投げる」「特定の条件が揃うとHP回復が発動する」といった、状況に応じて勝手に何かが起きる装備も多い。
装備のレアリティは複数段階あり、レアリティが高いほど効果が強力になる。さらに装備自体もアップグレードが可能で、ゲーム内通貨を使ってより強力な効果に強化できる。「この装備をここまで強化したらどうなるんだろう?」という実験の楽しさがある。稀に引ける高レアリティの装備は、ビルドの方向性を一気に変えるパワーを持っているものもある。
装備選択の醍醐味は「スキルとの組み合わせを考える」部分にある。スキルがクールダウン短縮方向に育っているなら、クールダウンをさらに縮める装備を選ぶ。状態異常を多く付与する方向のビルドなら、状態異常の効果を強化する装備を優先する。「スキルの方向性→それを補強する装備」という思考プロセスが、ビルドの一貫性を高めていく。
逆に「ぐちゃぐちゃに装備を拾った結果、何がしたいのかわからないビルドになってしまった」という失敗も、学習の一部だ。Cinderiaの難しさの一面は「何でもとりあえず拾う」プレイヤーに対して容赦がないことにある。選択と集中がビルド完成の鍵で、それを判断できるようになるまでが序盤の学習曲線になっている。
ショップでは灰貨(ゲーム内通貨)を使って装備を購入できる。欲しい装備が並ぶこともあれば、全部いらないという状況もある。資金の使い方——「装備購入に使うか、スキルアップグレードに使うか、回復に使うか」という判断が、ランの中盤以降の重要な意思決定になる。資金が潤沢にあるとき、欲しい装備をすべて購入してしまうか、それとも回復を優先するかという判断は、経験を積まないとなかなか感覚がつかめない部分だ。
装備とスキルのシナジーを体感するたびに「このゲーム、まだこんなに組み合わせがあるんだ」という発見がある。130種類という数字は多いようで、実際にすべての組み合わせを試しきれないほど深い。長期的なやり込みのモチベーションを支える要素として、この装備の多様性は重要な役割を果たしている。
侵蝕(エロージョン)システム:諸刃の刃のリスク管理
Cinderiaのゲームプレイに独特の緊張感をもたらしているのが「侵蝕(エロージョン)」システムだ。
ランを進めるなかでエンバーを集めると、キャラクターの侵蝕ゲージも上昇する。侵蝕が一定値に達すると、ランダムな「呪い(カース)」が発動する。呪いはデメリットとして機能するものが多く、被ダメージ増加、スキルのクールダウン延長、移動速度低下といった効果がある。
しかし、同時に「祝福(ブレス)」も付与されることがある。侵蝕が高いほど呪いの頻度も増えるが、一部の呪いは使いこなせれば逆に強化に転じるものもある。リスクとリターンをどう管理するかが、中上級者向けの戦略要素になっている。
「エンバーをできるだけ多く集めてビルドを強くしたい」という欲求と、「侵蝕が上がりすぎると呪いが増えてリスクが高くなる」というトレードオフ。この設計が序盤から中盤にかけての意思決定に緊張感を生んでいる。侵蝕のコントロールは単純に「低く抑える」だけが正解ではなく、「どの呪いが来てもビルドで対処できるか」を考えながら攻めていくスタイルが、上級者の楽しみ方になっている。
この侵蝕システムについては、コミュニティ内でも意見が分かれている。「難易度を面白く変化させている」という肯定的な声がある一方で、「せっかくのシステムが生かしきれていない部分がある」という声もある。将来的なアップデートで、Hadesのヒートゲージに近い「カスタム難易度システム」が実装される予定だとMyACG Studioは示唆しており、この方向性での強化が期待されている。難易度の自分でのカスタマイズができれば、初心者には易しく、上級者にはより厳しく、という幅広いプレイヤー層に対応できる設計になるだろう。
ゲームの進め方:1回のランで何が起きるのか

Cinderiaは典型的なローグライト構造を持っている。各ランは「スタート→ランダム生成マップを進む→複数のボスを倒す→エンディング(またはゲームオーバー)」という流れだ。1ランの所要時間は慣れてくれば1〜2時間程度、序盤は何度もゲームオーバーになりながら感覚をつかんでいくことになる。
マップには戦闘ノード、ショップ、イベント、回復地点などが配置されており、どのルートを通るか選択できる。数十種類のランダムイベントが用意されているため、同じルートを通ってもプレイのたびに異なる体験ができる。イベントの選択肢によってはアイテムを得たり、逆にリスクを負ったりすることもある。
ランの流れはおおよそこうなっている。
まず戦闘を繰り返してエンバーを集め、スキルをアップグレードしていく。初期スキルはそれほど強くないが、アップグレードを重ねるごとに効果が強化されていく。「どのスキルを育てるか」という方針を早い段階で決めることが、ビルドの完成速度に直結する。
途中のショップでは「灰貨(ゲーム内通貨)」を使って装備アイテムを購入できる。装備アイテムは130種類以上あり、なかには「クリティカルヒット時に猫を召喚する」「スキル使用時に爆発物を投げる」「特定の条件でHP回復が発動する」といったユニークな効果を持つものもある。こういった装備がスキルと噛み合ったとき、想定外の爆発力が生まれる。
現在の早期アクセス版では5章構成(チャプター1〜5)で、各章の終わりにボスが待ち受けている。ボスはそれぞれ固有の攻撃パターンを持っており、初見では必ず何かしらの洗礼を食らう設計になっている。ブラックナイトや邪悪な魔法使いといったボスキャラクターが登場し、見た目のデザインと攻撃パターンが世界観と合致している。
学習コストは高いが、パターンを把握すれば対処法が見えてくる。初心者が「理不尽」と感じた部分が、数回プレイ後には「ここで回避すればいい」に変わる。この学習体験そのものが、Cinderiaの遊びの一部になっている。
ランに失敗してもゲームは終わりではない。「霊火の祈り(Spirit Fire Prayers)」と「魔女の手帳リサーチ(Witch’s Notebook Research)」という2つのメタ進行システムで、恒久的な強化が積み上がっていく。HP上昇、装備スロット追加、スタート時のアイテム強化など、ランをこなすほど次のランが有利になる構造だ。
序盤に優先してアンロックしたいのは「復活回数」と「装備スロット上限」だ。復活回数があれば1回のミスで即死という場面を減らせるし、装備スロットが増えればビルドの幅が広がる。この2つを早期に解放するだけで、序盤の難易度が体感でかなり下がる。
ビルドが完成する快感:これが中毒性の正体
Cinderiaの最大の魅力は「ビルドが完成したときの爆発力」だ。これについては多くのプレイヤーが口を揃えている。
序盤は貧弱で、スキルも中途半端で、少し油断すれば即死する。しかし中盤以降、スキルのシナジーが噛み合い始めると状況が一変する。「このスキルとあの装備の組み合わせで、クールダウンが実質ゼロになる」「この連鎖が決まると雑魚が全滅する」という瞬間が来たとき、ゲームは一気に「暴力的な無双ゲー」に変わる。
この「苦行→無双」の落差がCinderiaの中毒性の核心だ。苦しい序盤があるからこそ、完成したときの快感が際立つ。さるサルゲームぶろぐの分析によると、低評価の大半が「序盤の難易度の高さ」への不満である一方、高評価の多くは「ビルド完成後の圧倒的な爽快感」への絶賛だという。まさに「神ゲーの皮を被った理不尽な灰」という表現が的確で、どちらの感想も同じゲームを遊んでいることが面白い。
最初の3回のランはボスに全然勝てなくて「これ難しすぎる」ってなってたけど、5回目のランで初めてシナジーが決まって、ボスを10秒で倒したとき声が出た。こういうゲーム、久しぶりだった。
引用元:Steamレビュー
Hadesをプレイしたことがある人なら「神の恩寵(Boon)のシナジーが決まったとき」の感覚がわかると思う。Cinderiaはその感覚を、さらに深いビルド構築レイヤーの中に埋め込んでいる。プレイヤーが設計できるコンボの範囲が格段に広く、「誰もやっていないビルドを自分で発見する」体験ができる。
GameWithの記事でも「SNSでも面白いと話題に」と紹介されており、X(旧Twitter)では「寝れない、これやばい」「気づいたら朝だった」という投稿が続いていた。特にビルド完成の瞬間を切り抜いた動画は、X上でも拡散されていた。これがリリース直後に1,800件を超えるレビューを集めた理由の一つだろう。
Steamレビューには「とある人が開発してくれた素晴らしいゲームに感謝。本当に楽しい時間を過ごさせてもらっています」という声もあり、MyACG Studioへのリスペクトがにじんでいる。インディーゲームのチームが、ここまでビルド構築の深みを実現していることへの驚きを感じる。
難易度の話:理不尽な死と、その向こうにある快感

Cinderiaの難易度は高い。これは正直に書いておく必要がある。
特に初心者にとって最初の関門となるのが、前述の「無敵時間がほぼない」という設計だ。一般的なアクションゲームでは被弾後に0.5〜1秒程度の無敵時間がある。この間は追加ダメージを受けないため、連続攻撃でHPが根こそぎ削られるという事態を防げる。
Cinderiaはこれを意図的に省いている。そのため、ボスの多段ヒット攻撃をくらうと、コンボが全部入り切るまでダメージが積み重なる。ちょっと油断したら一瞬でゲームオーバー、という場面が序盤から頻繁に起きる。これはゲームの設計として意図的なものだが、知らないと「なんで死んだ?」という混乱を生む。
ボスの攻撃パターンを覚えきる前に何回も死ぬのはつらい。でも覚えた後の達成感はHadesより大きい気がする。自分が成長してるのを実感できる。
引用元:Steamレビュー
この難しさをどう受け止めるかで、Cinderiaに対する評価が大きく分かれる。
低評価レビューの大多数が「ボス・敵の強さ」への不満で、「理不尽」「バランスが崩壊している」という言葉が繰り返し出てくる。特に後半のボスやエリート敵は、事前知識がない状態では手が出ない設計になっている部分もある。長時間遊んでようやく攻略法がわかるボスもあり、「そこまで付き合い続けられるか」が一つのふるいになっている。
一方で高評価レビューの多くは「難しいが乗り越えられる設計になっている」「死んでも学べる」という評価をしている。実際、ビルドが噛み合ったランでは信じられないくらい楽になる瞬間がある。「難しいのはビルドが完成していないからであって、システムを理解すれば対処できる」というのが高評価派の意見だ。
遠距離特化のビルドが安定しすぎるという指摘もある。Steamレビューの一人は「遠距離攻撃に特化したビルドが安定しすぎて正直つまらなくなってきた。でも試しに近接ビルドを探ってみたら、これが信じられないくらい強くて、もはやほとんどチート状態になった」という体験を書いていた。表面的には「バランスが悪い」ように見えるが、正しいビルドを見つけたときに感じる「ゲームが変わる感覚」もCinderiaの面白さの一つだ。
MyACG Studioは開発コミュニティと継続的に交流しており、Discordでのフィードバックを収集してバランス調整に反映させていく姿勢を示している。早期アクセス開始直後の言語切替クラッシュ問題も迅速に修正されており、開発チームのレスポンスの速さは評価されている。難易度設計についても、コミュニティの声を聞きながらアップデートを重ねていくことが期待される。
パフォーマンスと技術面:早期アクセスのリアル
早期アクセスのゲームである以上、技術的な問題についても書いておく必要がある。
一番多く報告されているのが「長時間プレイ時のメモリリーク」だ。数時間プレイし続けるとメモリ使用量が増加し、フレームレートが落ちたりクラッシュしたりするという報告がある。特にCPU使用量がHadesと比較して約2倍、メモリ使用量も1.5倍ほど高いという計測結果も出ており、スペックが低めのPCでは影響が出やすい。「1ランが終わったらゲームを再起動する」という回避策を取っているプレイヤーも一部いる。
バグについては、リリース直後の言語切替クラッシュは修正済みだ。セーブデータ破損の問題も報告されており、開発チームが原因調査中としている。翻訳の不備も一部あるが、日本語対応自体はされているため、プレイ上の大きな支障にはなっていない。
グラフィックの完成度は高く、エフェクトや背景アートは早期アクセスのレベルとは思えない質だ。フレームレートについても、上記のメモリリーク問題がなければ安定して動作する場合が多い。スキルが多数発動する激しい戦闘中も、比較的安定したパフォーマンスを維持している。
動作スペックとしては、i7クラスのCPUと8GB以上のRAM、独立したグラフィックカード(GTX 1060相当以上)があれば快適に動作する。リリース時点の推奨スペックは一般的なゲーミングPCで問題ないレベルだが、メモリリーク問題があるため、できれば余裕のあるスペックのPCで遊ぶことをすすめる。
「早期アクセスだから多少は覚悟してほしい」というのが正直なところだが、コアゲームプレイの完成度は高く、メモリリーク以外の致命的な問題はそれほど多くない印象だ。MyACG Studioはパフォーマンス改善を優先項目として取り組んでいる旨をコミュニティで表明しており、今後のアップデートで改善されていくことが期待できる。
メタ進行と長期的なやり込み要素

Cinderiaには2つのメタ進行システムがあり、どちらもランをこなすことで強化されていく。
「霊火の祈り(Spirit Fire Prayers)」は、ゲーム内通貨「魂火(ソウルファイア)」を使って恒久的なボーナスを解放するシステムだ。最大HP増加、スタート時の装備枠数、特定スキルの初期強化など、ランに直接影響するボーナスが揃っている。「復活回数の追加」と「装備スロット上限」は序盤に最優先でアンロックしたい項目だ。
「魔女の手帳リサーチ(Witch’s Notebook Research)」はより長期的な強化システムで、特定のキャラクターや特定のスキルタイプに特化したボーナスを解放できる。特定のビルドを極めたい場合、このリサーチを育てることでそのビルドがより完成しやすくなる。あるビルド方向に特化したプレイヤーが、リサーチを積み上げることで「自分のプレイスタイルに最適化されたキャラクター」を作り上げていくイメージだ。
これらのシステムが存在するため、たとえランに失敗してもプレイがまったく無駄にならない。「このランでどれだけ素材を集められるか」という目標意識が生まれるため、失敗しても「もう一回やろう」という気持ちになりやすい。ローグライトの「失敗から学ぶ・積み上げる」という設計の良い部分が、この2つのシステムによってしっかり機能している。
新キャラクターのアンロック条件も、このメタ進行と絡んでいる部分がある。現在のロードマップでは、早期アクセス中に追加キャラクターの実装も予定されており、遊び続けるほどコンテンツが広がっていく設計になっている。
やりこみ系のローグライトが好きな人なら、Across the Obeliskのような「デッキ構築×永続強化」で200時間消えるゲームの気持ちよさをイメージするとわかりやすいかもしれない。Cinderiaはその感覚をよりアクション寄りにしたものだ。

初心者向け:序盤を乗り越えるヒント
「序盤がつらすぎて挫折しそう」という声が多いので、序盤を乗り越えるためのヒントをいくつか書いておく。
まず最初のキャラクター選びについては、RueかUmaが初心者に最も適していると言われている。Rueはスキルのクールダウンが短く、近距離・遠距離どちらでも動きやすく、エネルギーゲージの管理も直感的だ。Umaは遠距離から戦えるため、近づいて死ぬ場面を避けやすい。Isdraは強力だがパリィのタイミングが難しく、Rivetはタレット設置のポジショニングに慣れが必要なため、まずはRueかUmaで感覚をつかむのがいい。
序盤のメタ進行では「復活回数の増加」から解放することを強くすすめる。通常1回のランで死ぬと即終了だが、復活回数を増やしておくとリカバリーできる場面が増える。次に「装備スロット上限」を解放すると、中盤以降のビルドの幅が格段に広がる。この2つをアンロックするだけで、ゲームの体感難易度がかなり下がる。
スキル選択では、序盤から「1つのコアスキルを徹底的に育てる」方針が有効だ。強そうなスキルを引いたら、そこに全振りする。複数のスキルに分散してしまうと、シナジーが薄くてどれも中途半端になりがちだ。シナジーの核になるスキルを1つ決め、それを補強する装備とパッシブを選んでいく。「今日はクールダウン短縮でスキル連発ビルドにする」という方針が決まれば、それに沿って選択するだけでいい。
不要なスキルは「フュージョン(融解)」して既存スキルの強化素材にする。この「捨てる」判断がビルドの完成度を大きく左右する。序盤は捨てることへの抵抗感があるが、全部使おうとするとシナジーが分散するので、思い切って不要なものは溶かす判断を積極的にしてほしい。「これは自分のビルドに合わない」と判断したスキルを素材として使い切ることで、コアスキルが一段と強化される。
ボス戦については、最初は攻略情報を調べることをためらわないでいい。Cinderiaの公式Wiki(cinderia.wiki)にはボスの攻撃パターンや対処法がまとめられているので、何度も同じボスに詰まったときは参照してみるといい。パターンを知っているかどうかで体感難易度が大きく変わる。「攻略を見るのはずるい」という感覚は捨てて、まずゲームのシステムを楽しむことを優先してほしい。
ある程度慣れてきたら、Discordの公式サーバーも覗いてみることをすすめる。海外プレイヤーを中心にビルドの情報交換が活発で、「こんな組み合わせを試してみた」という実験報告が毎日上がっている。自分のビルドの方向性を考えるヒントが見つかることが多い。
序盤は死ぬことを前提に考えるといい。「このランで絶対クリアする」ではなく「このランでどこまで進めるか試してみる」という気持ちで臨むと、死んだときのストレスが減る。ローグライトのゲームは「死ぬことで学ぶ」設計になっているものが多く、Cinderiaも例外ではない。10回死ねば10回分の学びがあり、次のランは必ず少し遠くまで進める。
スキルのシナジーについては、最初から考えすぎなくていい。まずは「なんかこのスキル強そう、育ててみよう」という直感で進んでいけば、ある時点で「あ、これとこれが合わさってる!」という発見が生まれる。その発見の積み重ねが、Cinderiaを理解していくプロセスだ。理論から入るより、実践を重ねながら感覚をつかんでいくほうが多くのプレイヤーには合っている。
開発チームMyACG Studioについて

Cinderiaを開発したMyACG Studioは、中国・上海を拠点とする独立系スタジオだ。「プレイヤー中心の実験」と「高エネルギーのアクション体験」を軸に開発を進めてきたチームで、タイトなコンバット、表現力豊かな動き、そして深いビルドクラフトシステムの融合を目指している。
早期アクセスの開始にあたって、MyACG Studioは自分たちの開発方針をこう語っている——「優秀なゲームの多くは、開発者とプレイヤーが約1年をかけてコミュニティ内で密接に関わり合い、繰り返し調整・改善・追加していくプロセスを経ている。Cinderiaも同じように、完成したものを一度リリースするのではなく、プレイヤーと一緒に磨いていきたい」と。
この姿勢は実際の行動にも表れており、Discordでのコミュニティ交流、リリース直後のバグ対応の速さ、1〜2ヶ月ごとの短期開発計画の公表など、オープンな開発文化が感じられる。インディースタジオとしての規模を考えると、このレスポンスの速さはかなり好印象だ。
「6〜8ヶ月で1.0を出したい、ただし15ヶ月かかる可能性もある、2年は超えない予定」という正直な見通しの提示も、信頼感を高めている。「6ヶ月でリリース!」とだけ言って引き伸ばすスタジオより、リスクを正直に伝えた上でコミットしてくれるスタジオのほうが長期的な信頼関係を築きやすい。
1.0に向けてトゥルーエンディング、新キャラクター、新チャプター、高難易度モードと計画されているコンテンツは多い。これらが実現すれば、現在の「完成度の高い早期アクセス」からさらに飛躍した1.0になる可能性が高い。
中国のインディーゲームスタジオが、ここまでのクオリティのローグライトを作り上げたことは、業界全体で注目されている。アジア圏のインディースタジオが世界的に評価されるゲームを生み出すケースは増えているが、MyACG StudioのCinderiaはその中でも完成度の高さが際立っている。開発チームへのリスペクトとともに、今後の動向に注目したいスタジオだ。
早期アクセスのロードマップ:今後の展開
MyACG Studioが公表しているロードマップでは、早期アクセス期間を6〜15ヶ月と見込んでいる(最長で2027年頃の1.0リリース)。この期間中に計画されているアップデートをまとめる。
コンテンツ面では「チャプター6以降の追加」「新しいプレイアブルキャラクターの実装」「新スキル・新装備の追加」「新ボスの実装」が予定されている。現在の5章構成からさらに物語が展開し、世界崩壊の真相に近づいていくストーリーが追加される予定だ。1.0リリース時にはトゥルーエンディングも実装される。
システム面では「高難易度モードの追加」が計画されており、Hadesのヒートゲージに近い仕組みになるとされている。現時点では難易度カスタマイズが限られているため、やり込みプレイヤーからのリクエストに応える形での実装が期待されている。侵蝕システムのさらなる活用と、難易度の段階的な調整も含まれる見通しだ。
さらに長期的には「マルチプレイヤーの実装可能性」も示唆されている。ただし、これはコアのシングルプレイヤー体験が完成した後、という位置付けで、確約はされていない。実現すれば、RivetのタレットビルドとUmaの召喚ビルドを組み合わせたCo-opなど、新しい遊び方が生まれる可能性がある。
コスメティック(キャラクターのコスチュームなど)の追加も計画に含まれている。世界観に合ったキャラクターのビジュアルバリエーションが増えれば、長期プレイのモチベーションがさらに高まる要素になるだろう。
早期アクセスの段階でここまでの完成度を持ちながら、さらに継続的なアップデートが予定されているゲームは珍しい。今後のアップデートで難易度バランスの調整とパフォーマンス改善が進めば、「インディーローグライトの傑作」として記憶されるゲームになる可能性がある。
同ジャンルの別タイトルとの違い:Cinderiaが選ばれる理由

ローグライトアクションのジャンルは競合が多い。HadesやVampire Survivors、Brotato——どれも優れたゲームだ。その中でCinderiaが選ばれる理由を整理しておく。
Hadesとの最大の違いは「ビルドの自由度」だ。Hadesは神の恩寵(Boon)の組み合わせによるビルド構築があるが、選択肢はある程度収束していく傾向がある。Cinderiaはエンバーフュージョンと130以上の装備によって、ビルドの方向性が毎回大きく変わる。「自分だけのビルドを発明する楽しさ」はCinderiaのほうが上だという声が多い。note(【Cinderia】Kawaii HADESと侮るなかれ)でも「見た目でHadesの劣化版かと思ったが、ゲームプレイの深みはむしろ上回っている部分がある」という評価が出ている。
一方で、ストーリーとキャラクターの深みではHadesに軍配が上がる意見もある。Cinderiaのキャラクターは魅力的だが、現時点の早期アクセス版ではストーリーの肉付けが薄い部分がある。1.0でトゥルーエンディングが実装されると、この評価は変わるかもしれない。
Guilty Gear Striveなどの格闘ゲームと比較すると、Cinderiaはリアルタイムアクションとしての爽快感は似ているが、ゲームの構造が根本的に違う。格闘ゲームは対戦相手との読み合いが主軸なのに対し、Cinderiaはビルド構築と敵パターン理解が主軸だ。どちらが好みかは人によって分かれる。

Hero Siegeのようなハックアンドスラッシュ系ローグライトと比較すると、Cinderiaはより「アクション」寄りで反射神経が求められる設計だ。ハックアンドスラッシュの「大量の敵を蹴散らす爽快感」を求めている人には、どちらも違う方向からその欲求を満たしてくれる。

Cinderiaコミュニティ:プレイヤーたちの声
Cinderiaのコミュニティは早期アクセス開始から活発で、Steamの掲示板とDiscordを中心に議論が盛んに行われている。
最も多く投稿されているのは「ビルド共有」だ。「このキャラのこのスキルとこの装備の組み合わせがとんでもなく強い」という発見を共有する投稿が毎日複数上がっており、プレイヤー間で情報交換が活発だ。コミュニティを通じて「まだ誰も試していない組み合わせ」を発見する楽しさがある。
ビルドが噛み合ったランの録画を見返すのが楽しい。同じキャラ使ってるのに、自分では思いつかなかった方向のビルドを他のプレイヤーが作ってるのを見て「その発想はなかった」ってなる。
引用元:Steamレビュー
一方で、難易度への不満も定期的に投稿されている。特に特定のボスや特定の組み合わせに対して「これは調整してほしい」という声がコミュニティに届いており、MyACG StudioがDiscordで回答するケースも見られる。開発チームとコミュニティの距離が近いことは、このゲームの強みの一つだ。
Xでも「Cinderia」のタグで多くの投稿がある。特にビルドが完成した瞬間の動画投稿が目立ち、「次のランやろう」「もう朝か」という呟きが散見される。日本語のプレイヤーからも「ローグライト好きに刺さりすぎる」という声が多い。
海外コミュニティでは「Kawaii Hades」というニックネームで語られることがある。見た目のかわいらしさとゲームプレイの硬派さのギャップを表した言葉で、初見のプレイヤーがビジュアルのイメージとゲームプレイのギャップに驚く場面を表している。このニックネームがコミュニティに定着していること自体、ゲームの個性が明確に伝わっている証拠だ。
このコミュニティの熱量は、ゲームの中毒性を端的に表している。完成していない早期アクセス段階でここまでの盛り上がりを見せているゲームは、2026年の新作の中でも特に注目されるタイトルだ。同時接続5,000人超えという数字も、インディーローグライトとしては十分な存在感を示している。
Sons of the ForestとCinderia:生き残るゲームの共通点と違い

まったくジャンルが違う話に見えるが、Sons of the Forestのような「過酷な環境で生き残る」ゲームと、Cinderiaのような「ローグライトで何度も挑戦する」ゲームは、根底にある体験として通じる部分がある。どちらも「準備してから挑む」「失敗から学ぶ」「じゃあもう一回」というサイクルが楽しさの核にある。

違いは生と死の感覚だ。Sons of the Forestは1つのセーブデータを守りながら徐々に強くなっていくのに対し、Cinderiaはランのたびにリセットされる。「失うものがある恐怖感」を楽しみたいならSons of the Forest、「リセットしながら試行錯誤する気軽さ」を楽しみたいならCinderiaという選び方もできる。
ICAROSとの比較:過酷な世界への挑戦というテーマで
ICAROSのような「過酷な惑星環境に挑む」ゲームと、Cinderiaの「侵蝕に汚染された廃墟に挑む」ゲームは、「準備を整えてから過酷な環境に臨む」という体験を共有している。ICAROSはオープンワールドサバイバルとして広大な世界を探索する時間がかかるのに対し、Cinderiaは1〜2時間のランを繰り返すテンポの速さが特徴だ。

「腰を据えてじっくり遊ぶ時間がある」人にはICAROSが、「短い時間でもプレイできるゲームが欲しい」人にはCinderiaが向いている。どちらも過酷な環境への挑戦という軸は同じだが、体験の密度と時間感覚がまったく異なる。
Doki Doki Literature Clubとの世界観比較:ダーク系の文脈で
全然違うジャンルの話をする。ダークな雰囲気を持つゲームとして、Doki Doki Literature Clubが記憶に残っている人もいるかもしれない。あちらは表向きは恋愛ADVでありながら、実態はメタ的な恐怖体験という構造を持っていた。

Cinderiaはそういったメタ的な仕掛けはないが、「かわいいビジュアルとダークな世界観の同居」という点では似た感触がある。見た目のかわいらしさで初見プレイヤーを引き込み、実際にプレイしてみると硬派で容赦ない設計に驚かされる。このギャップ自体が体験の一部になっている。「Kawaii Hades」というニックネームが生まれた背景には、このビジュアルとゲームプレイのコントラストへの驚きがある。
まとめ:Cinderiaはこんなゲーム
Cinderiaについて長く書いてきたが、最後にシンプルにまとめる。
このゲームの面白さは「自分だけのビルドを作り上げる体験」に凝縮されている。180種類以上のスキル、500以上のアップグレードバリエーション、130種類以上の装備——これらが組み合わさって生まれる「自分だけのコンボ」を発見したとき、ローグライトとしての喜びが最大化される。そしてその喜びは、何度でも形を変えて繰り返される。
難しさは本物だ。「無敵時間のなさ」は最初は戸惑うが、ゲームの設計として意図されたものだと理解すれば、ボスのパターン把握とビルド完成への集中に変換できる。メタ進行でキャラクターが強化されていくにつれ、難易度の体感は着実に下がっていく。
早期アクセスの段階で87%の好評率を維持し、同時接続ピーク5,075人を記録したことは、ゲームのコア体験の完成度を証明している。今後のアップデートでキャラクター追加、チャプター追加、難易度調整が加わっていくと、さらに良くなる余地が大きい。
Civilization Vのように、長期間にわたってプレイされ続けるゲームにはコアシステムの深みがある。Cinderiaのビルド構築の深みは、そういった長期プレイに耐えうるだけのポテンシャルを持っている。

パフォーマンス問題や難易度への不満が解消されてから遊びたいという人は、1.0まで待つのも一つの選択だ。ゲーム自体は今後のアップデートで間違いなく良くなっていく方向にある。MyACG Studioが誠実にコミュニティと向き合っている開発チームだということは、今の段階でも十分に伝わってくる。
一方で、今の早期アクセス段階から遊ぶことには「ゲームが育っていく過程を一緒に体験できる」という独自の価値がある。アップデートのたびに「前より良くなってる」を実感しながら、自分の腕前とゲームが同時に育っていく体験は、完成版が出てから遊いときには味わえないものだ。早期アクセスのゲームとしての賭けを楽しめる人には、今が最も面白い時期かもしれない。
「ビルドが完成したとき、ボスが一瞬で消えた」——この体験を求めているなら、Cinderiaはその答えになる。
序盤の難しさを乗り越えた先に、ローグライトとして本物の体験が待っている。そこに辿り着いたとき、「あの苦しかった最初の数ランが必要だった」と思えるはずだ。そしてその先にも、まだ誰も試していないビルドの組み合わせが無数に待っている。それがCinderiaというゲームの本質だ。
Cinderia
| 価格 | ¥2,000-10% ¥1,800 |
|---|---|
| 開発 | MyACG Studio |
| 販売 | MyACG Studio, NPC Entertainment |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル |

