FIFAシリーズの後継機、2つのプレイスタイルで楽しめるサッカーゲーム
2023年からFIFAの名前を捨てて「EA SPORTS FC」に生まれ変わったシリーズ。その3作目にあたるFC 26が2025年9月に登場した。発売直後のSteamピーク同時接続は10万人超。FIFA時代から30年近く世界中のサッカーファンを引き寄せてきたシリーズが、「Authentic」と「Competitive」という2つのゲームプレイプリセットを引っさげて、さらに進化を遂げた。
「なんとなくFIFAってサッカーゲームの定番でしょ」と思っていた自分が、FC 26を実際に触り始めてまず驚いたのは操作の軽さだ。前作FC 25まではパスを出してもレスポンスがもたついて「なんか重いな」という感触があった。FC 26でオーセンティックプリセットを選んでキャリアモードを起動すると、ドリブルに体が素直についてきて、爆発的なダッシュが以前より確実に鋭い。
もちろん全員が手放しで褒めているわけじゃない。Steam全体のレビューは「賛否両論」で51,000件以上が積み重なっていて、PC版のバグやパフォーマンス問題への不満も相当数ある。だからこそ、何がどう変わって、どこがまだ課題なのかを正直に書いておきたい。
FC 26を買うべきか迷っている人、久しぶりにサッカーゲームを触ってみようか考えている人、Ultimate Teamに沼りそうで怖い人——そのあたりに刺さる話を全部まとめた。
こんな人に向けて書いた。
- FIFAシリーズをやったことはあるが、FC 26が前作と何が違うのか気になっている人
- キャリアモードを中心にオフラインで楽しみたいサッカーファン
- Ultimate Teamに興味があるが、課金の沼がどれくらい深いのか知りたい人
- eFootballと比較してどちらを選べばいいか悩んでいる人
- PC版の動作状況やバグの現状を確認してから買うか決めたい人
FIFAからFC 26へ——30年のブランドが変わった経緯

そもそもなぜ「FIFA」という名前がなくなったのか。この経緯を知らないと、FC 26の立ち位置が分かりにくいので最初に整理しておく。
EAとFIFA(国際サッカー連盟)は1993年から「FIFA International Soccer」という形でゲームを作り続けてきた。2023年版「FIFA 23」まで、実に30年近くにわたって「FIFA」というブランドを使い続けてきたわけだ。しかし2022年5月、EAとFIFAの決別が電撃的に発表された。
理由は端的に言えば「FIFA側のライセンス料と条件が拡大の足かせになっていた」から。EAのCEOは「FIFAとのパートナーシップが我々のアンビションを妨げていた」と明言した。具体的にはNikeなどのスポーツブランドとの独自パートナーシップを結びたかったが、FIFAの規約がそれを阻んでいた。報道では年間のライセンス料が約1億5,000万ドルとも言われていて、FIFAはさらにその2倍以上を要求していたという話もある。
FIFAはその後、独自のサッカーゲームを2025年にリリースすることを発表しているが、EA側は「FIFA」というブランドを手放す代わりに、それ以外のすべてのライセンス——プレミアリーグ、ラ・リーガ、ブンデスリーガ、セリエA、UEFAチャンピオンズリーグなど——を維持することに成功した。選手20,000人以上、クラブ・代表チーム750以上、スタジアム120以上というライセンスの規模は変わっていない。つまりゲームの中身で体験できる「リアルなサッカー」の幅は従来から縮んでいない。

ブランド名の変更はFC 24(2023年リリース)からスタートし、FC 25、そして今作のFC 26へと続く。FC 26はこのシリーズとして3作目にあたり、「ゲームプレイの抜本的な見直し」というコミュニティからの強い要望を受けて、かなり大胆なアップデートを行ったタイトルだ。
2つのゲームプレイプリセット——キャリアとオンラインで別のゲームになる

FC 26最大の変化として多くのレビューが挙げるのが、「Competitive(対戦)」と「Authentic(オーセンティック)」という2つのゲームプレイプリセットの導入だ。
これは端的に言うと「遊び方によってゲームの挙動そのものを切り替える」仕組みだ。
Competitiveプリセットはその名の通り、Ultimate TeamやClubsでのオンライン対戦向けに最適化されている。パスのレスポンスが速く、ドリブルの操作が直接的で、試合のテンポが高い。操作に対してキャラクターが即座に反応してくれるから、ハイレベルな対人戦でのコントロール性が上がる。
一方のAuthenticプリセットはキャリアモードやキックオフ(1人プレイ)向けで、リアルなサッカーの手触りに寄せてある。GKが自然なポジショニングをとって、守備のAIがより忠実にポジションを維持する。セットプレーの成功率もよりリアルな数字になっていて、「FIFAっていつもゴールが量産されすぎじゃない?」という指摘を意識した調整がされている。
キャリアモードでオーセンティックに切り替えたらゲームが別物になった。ロースコアの試合も増えて、守備の緊張感がある。こっちのほうがサッカーっぽい
引用元:Steamレビュー
このプリセット制を導入したことで、FC 26は「本格的なサッカー体験を求める層」と「スピード感あるオンライン対戦を楽しみたい層」の両方に対して、それぞれ別のチューニングで答えようとしている。
ただし現実には、オンライン対戦でCompetitiveを使っている対戦相手に対してAuthenticで戦うと不利になる、という指摘もある。2つのプリセットが別々のルームで管理されているわけではなく、互いに乗り入れられる状況では「どちらが有利か」という話になってしまう。競技志向のプレイヤーの間では「結局Competitiveしか選ばない」という意見も多い。
それでも「プリセットを目的ごとに分ける」という設計思想は正しい方向で、特にキャリアモード派には大きく刺さる変更点だ。
Ultimate Team——沼は深く、でもやめられない
FC 26のメインコンテンツのひとつがUltimate Team(FUT)だ。選手パックを開けてチームを作り、オンラインで他プレイヤーと対戦するモードで、FIFAシリーズの時代から最大の集客力を誇るコンテンツとして君臨してきた。
FC 26のUltimate Teamでは、いくつか新しい試みが導入されている。
まずTournamentsモード。最大4ラウンドのノックアウト形式で争うこの競技は、従来のWeekend Leagueより参加ハードルが低く設定されている。ライバルでのポイント消費なしにチャレンジできる。初心者やカジュアルプレイヤーが参加しやすい入口として機能している。
次にChallengers(チャレンジャーズ)。これは下位ディビジョン(Division 6以下)専用の週末競技で、同レベルのプレイヤー同士が競い合う。「Championsが廃課金ガチ勢の場になっていて、中級者が入る場所がなかった」という長年の不満への回答だ。
Bountiesという要素では、試合中に特定の条件を達成すると追加報酬がもらえる。「このハーフでシュート3本打つ」「ドリブル突破を2回成功させる」といったチャレンジで、試合の中に別軸の目標ができるのは面白い試みだ。
文句は色々あるが確実に前作前々作よりは改善されてる。ただUTの沼は相変わらず深くて、パックを引くときの興奮はやめられない
引用元:Steamレビュー
正直に書くと、Ultimate Teamの課金圧力は依然として強い。最高レアリティの選手パックを課金で引くかどうかによって、競技的なレベルに到達するまでの時間が大きく変わる。「無課金でもDiv1に到達できる」とFUTプレイヤーは言うが、必要なプレイ時間は相当なもの。完全無課金でトップ層に食い込むのは、それ自体が一種のゲームになっている。
FC Points(課金通貨)を一切使わずにUTを楽しむなら、Squad Battles(AIと戦うモード)でコインを地道に稼ぎ、マーケットで割安な選手を見つけて揃えていく、という長期戦になる。それがしんどいと感じるなら、キャリアモード中心で遊ぶほうが精神的に健全かもしれない。

キャリアモード——監督ライブキャリアとアーキタイプが面白い

課金と無縁で楽しみたい人にとって、FC 26のキャリアモードはかなり充実したコンテンツだ。
FC 26のキャリアモードで最も大きな新要素が「Manager Live Challenges(監督ライブチャレンジ)」だ。シーズン中に現実世界のサッカーと連動したチャレンジが毎週・毎月追加され、それに取り組むことでシーズンポイントや報酬(ICONやVanityアイテムなど)が手に入る。
たとえば「今週の実際の試合結果に絡めた代替シナリオを完成させろ」というチャレンジがあったり、「3連敗から立て直せ」という状況を再現してクリアするものだったり。ゲーム内のキャリアが現実のサッカー界とゆるく連動することで、「試合をするだけ」ではなかった豊かさが加わっている。
Archetypes(アーキタイプ)はラウール・ゴンサレス、ディディエ・ドログバ、ロナウド・フェノメノといったレジェンドたちにインスパイアされた選手成長の型だ。若手選手がどの方向性に成長するかを設定できて、育て方によって全然違う選手像になる。長期キャリアで「このストライカーをドログバ型に育てたい」という目標ができるのは、育成ゲームとしての深みを増している。
監督が試合中に解雇・交代されるリアルタイムイベントも導入されていて、レアルマドリーの監督をやっていたら「不振により解雇」→別の名門クラブからオファーという流れが発生することもある。こういった予期しないドラマがキャリアに彩りを加えている。
監督ライブキャリアで急に解雇通告されてびっくりした。そのままバルサから声がかかって転職したら選手が豪華すぎて笑った。こういうドラマが楽しい
引用元:Steamレビュー
選手キャリアモードでは、プレイヤーが1人の選手として成長していくシングルプレイが楽しめる。年齢によるパフォーマンスの変化、チームへの適合度、オファーへの対応など、選手の視点でサッカー界を渡り歩く体験は、監督モードとはまた違う面白さがある。
Clubs・RUSHモード——フレンドと楽しむ5人制サッカー
FC 26にはオフラインのキャリアモードやUltimate Teamの他に、フレンドと一緒にオンラインで遊べるClubsモードがある。
Clubsは自分のアバター選手を育てながら、他のプレイヤーと組んで11対11のオンライン対戦クラブを運営するモードだ。現実のサッカークラブのように、メンバーを集めて試合に臨み、昇格・降格を繰り返しながら上のリーグを目指す。
FC 26では最大3クラブへの所属が可能になった。複数のフレンドグループとそれぞれ別のクラブで活動できるのは地味に便利な変更だ。また、GoalkeeperのVR視点やBe-A-Goalkeeperシステムがリニューアルされて、GK専門でプレイするのが以前より面白くなっている。
RUSHは5対5の小規模形式で行うフットサル的なモードで、4人のプレイヤー+1人のGKという構成でプレイする。通常の11対11より試合テンポが速く、ゴール前の攻防が頻繁に発生する。短い試合時間でサクッと楽しめるのが特徴で、フレンドと集まって「とりあえずRUSHだけやろう」という使い方ができる。
RUSH Live EventsはシーズンのUltimate Teamとも連動していて、参加することでFUT向けの報酬も手に入る。競技志向のUTプレイヤーにとっても、気分転換に使えるコンテンツとして機能している。
PC版の現実——バグと最適化問題の正直なところ
FC 26をPC(Steam)で遊ぼうとしている人に向けて、正直に書いておかなければならない部分がある。
発売直後のPC版は、かなり荒削りな状態だった。報告されていた主な問題を列挙する。
グラフィック設定が起動のたびにリセットされる問題が複数ユーザーから報告された。フレームレートが前半は120FPSで動いていたのに、ハーフタイムを境に5〜10FPSまで落ちるというパフォーマンス問題も相次いだ。EAのアンチチートプログラム(EA Javelin)がWindows 11 24H2と競合してブルースクリーンを引き起こす、というかなり深刻な問題もあった。コントローラーの認識が不安定で、PS5やXboxコントローラーが途中で接続切れを起こすケースも多かった。
発売直後にWindows 11と相性問題でブルースクリーン連発した。PCが壊れるかと思ってしばらく起動するのをやめた。今はパッチで直っているけど最悪だった
引用元:Steamレビュー
ただしこの状況は時間とともに改善されている。EAは発売後2週間で複数のパッチを投入し、1.5.3までのアップデートでゲームプレイのエクスプロイト修正、キャリアモードのバグ修正、Ultimate Teamの不具合改善を実施した。2026年4月時点のUpdate 1.5.0ではゲームプレイ全般とキャリアモードの改善が行われている。
「発売直後に飛びつかずに数か月待てばかなり安定する」というのが、シリーズを追いかけてきたプレイヤーの一般的な見解だ。Steamでは75%オフのセールが実施されていることもあって、来年のFC 27が出る頃には大幅値下がりしている可能性も高い。急いでプレイする理由がなければ、セール時期を狙って買うのが賢い選択かもしれない。
eFootballとの比較——無料で遊ぶかリアルに課金するか

PC版サッカーゲームを選ぶ際に、FC 26の対抗馬として必ず出てくるのがコナミの「eFootball」だ。
eFootballは基本プレイ無料で、ゲーム内コンテンツの一部を課金で拡張する形のタイトル。初期コストがゼロなので、まずサッカーゲームを試してみたい人には入りやすい。一方でFC 26は通常版9,800円(PC版)のパッケージ購入ゲームで、そこからUltimate Teamでのパック課金が上乗せされうる構造になっている。
ライセンス面では、FC 26が圧倒的に優勢だ。チャンピオンズリーグ、プレミアリーグ、ラ・リーガといった主要リーグの独占的パートナーシップを持ち、本名・本ユニフォーム・本スタジアムで楽しめるクラブ数が750以上ある。eFootballはブンデスリーガなど一部リーグのライセンスを欠いていて、代替チーム名で収録しているクラブもある。
ゲームプレイの質で言うと、eFootballはPESシリーズの時代から培ったリアルな選手の動き・物理演算の精密さに定評がある一方、UI・システム面での煩雑さや課金モデルへの批判も多い。FC 26はゲームスピードとレスポンスを重視した、よりエンターテイメント寄りの体験を提供している。
「ガチでサッカーが好きで、お金を出してでも本物のライセンスでプレイしたい」ならFC 26、「まず無料でサッカーゲームを試したい」ならeFootballという選択が自然だろう。

Football Managerのように「実際にプレイしてピッチに立つ」より「監督として采配を振るう」シミュレーション志向の人には、そちらを候補に加えることもできる。
FC 26のポジティブな評価と残る課題
ここまで書いてきた内容を整理しながら、FC 26を総括してみたい。
前作FC 25は「シリーズ最低の作品」と呼ぶレビューが目立つほど不評で、コミュニティからの批判が集中した。FC 26はその反省を踏まえてユーザーフィードバックを積極的に取り込んでいて、「FC 25よりは確実に改善されている」というのはポジティブ・ネガティブ両方のレビュアーが口をそろえる点だ。
操作レスポンスの改善はほぼ全員が認めている。特にドリブルの追従性とパスの出タイムラグが大幅に改善されて、「プレイしていてストレスになる部分が減った」という声が多い。ゲームプリセットの2分割は設計思想として正しく、特にキャリアモード派にとって恩恵が大きい。Ultimate Teamの新コンテンツ(Tournaments、Challengers、Bounties)も評価されている。
一方で課題も正直に挙げておく。PC版の最適化は発売から数か月で改善されたものの、EA製ゲームの「PC版は後回し感がある」という伝統は引き継いでいる。守備AIについては「ミッドフィールダーが棒立ちになる」「サイドバックがスペースを埋めない」という批判が継続しており、tiki-takaの強さと守備の難しさのバランスはまだ調整途中とも言える。
守備のAIが本当にひどい。中盤が動かないから前からプレスしても後ろがスカスカになる。あとGKが理不尽に動かないシーンがある。ゲームプレイ自体は改善してるんだけどここが残念
引用元:note @crisp_mint2188
2週間プレイした感想。操作感はFC25より絶対良くなってる。ただ防御がかなり難しくて高得点になりやすい。サッカーというよりバスケみたいな試合になることもある
引用元:note @ash3104jp
FIFAシリーズの時代から続く課金モデルへの批判は根強い。FC PointsとFUTパックの関係性は変わっておらず、「ガチャで強い選手を引く」構造は維持されている。これを許容できるかどうかは個人差が大きい部分だ。

まとめ——FC 26は「改善の途中」のサッカーゲーム
EA SPORTS FC 26はFIFAシリーズの実質的な後継として、2025年9月26日にリリースされたサッカーゲームだ。旧FIFA時代から数えると30年以上の歴史を持つシリーズが、FIFAという名前を手放してもライセンスを守り、新しい遊び方を模索している。
Competitive/Authenticの2プリセット制、監督ライブチャレンジ、Archetypes育成、Challengers競技——FC 26はFC 25への批判を受け止めた結果、かなり手の込んだアップデートを実施している。「FC 25と比べれば改善されている」という評価は、批判的なレビュアーも含めて一致している部分だ。
ただし完成度という意味では、まだ「改善の途中」という印象が正直なところ。PC版の最適化問題、守備AIのバランス、GKの挙動——これらはパッチ対応が続いているが、2026年4月時点でも完全に解決しているとは言い切れない。FUTの課金圧力も相変わらず存在する。
それでも、サッカーゲームとして楽しめるコンテンツ量は間違いなく豊富だ。キャリアモードだけで数十時間は遊べるし、UTに沼ったら三桁時間でも足りない。Clubsでフレンドと5人制を楽しむだけでも、十分な娯楽になる。
「FIFAシリーズを昔やっていた人がまた触れるとしたら、今作は悪くない入口」というのが率直な評価だ。2026年現在、セールで75%オフになっている状況なら、お試しとして購入するハードルはかなり下がっている。
FIFAを最後にやったのはFIFA17のとき。久しぶりにFC26触ったら画面の綺麗さに驚いた。キャリアモードで始めたけど監督ライブキャリアが楽しくてしばらくハマりそう
引用元:Steamレビュー
サッカーファンで、操作してピッチに立つゲームが好きなら一度試してみる価値はある。課金とどう向き合うかだけ、最初に決めておくといい。
「FIFA17のころが一番面白かった」という声は今でもよく聞く。あの時代の操作感と比べてFC 26がどう変わったか、気になる人はこちらも参考にしてほしい。


EA SPORTS FC™ 26
| 価格 | ¥12,900-75% ¥3,225 |
|---|---|
| 開発 | EA Canada, EA Romania |
| 販売 | Electronic Arts |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル / マルチ |

