「Persona 5 Royal」現代東京を舞台に怪盗団が心を盗むターン制RPG

「放課後にダンジョン潜って、テスト勉強もして、バイトもして、友達と飲み物飲みながら話を聞いて……気づいたら深夜2時になってた」

Persona 5 Royal(ペルソナ5 ロイヤル)をSteamで起動した最初の週末、自分はそんな時間の使い方をしてしまった。ゲームの中の主人公は「時間を大切に使え」みたいなことを言っているのに、現実の自分の時間が消えていくという皮肉。でも後悔はまったくない。それくらいこのゲームには引力がある。

2020年に国内でリリースされたPS4版から遅れること約2年、2022年10月にSteam版が配信された。PC版が出るとは思っていなかったファンも多く、リリース直後からSteamのランキングを駆け上がった。同時接続者数は最大で5万人超を記録し、「圧倒的に好評」のレビューが積み重なった。

この記事では、ペルソナ5 ロイヤルが「なぜそこまで人を惹きつけるのか」を、実際にプレイした体験をもとに掘り下げていく。システムの解説、ストーリーの魅力、オリジナル版との違い、そして向いている人・向いていない人まで正直に書く。購入を迷っている人の参考になれば。

目次

Persona 5 Royalとはどんなゲームか

ペルソナ5 ロイヤルは、アトラスが開発した日本製RPGだ。もとになったペルソナ5は2016年にPS3/PS4向けに発売され、その増強版がこのロイヤル。新要素・新シナリオ・新キャラクターが追加されている。

舞台は現代の東京。主人公は訳あって東京に引っ越してきた高校生で、とある事件をきっかけに「怪盗団」を結成する。昼は普通の学校生活、夜はペルソナ(精神の怪物)を使って人の心の中にある「認知世界(パレス)」に潜り込み、悪人の心を改心させる——これがゲームの大まかな流れだ。

ジャンルを一言で言うと「ダンジョンRPG×生活シミュレーション」。この二つが絶妙に絡み合っているのがこのシリーズの特徴で、ダンジョンを攻略するだけでも、友達と過ごすだけでも成立しない。両方を上手くこなすことでキャラクターが強くなり、物語が進んでいく。

プレイ時間の目安は、メインストーリーだけで100時間前後、コミュ(コープ)要素を含めると120〜150時間かかることも珍しくない。ボリュームは相当なもので、JRPG好きなら時間を忘れて没頭できる。

オリジナル版「ペルソナ5」との違い

「ロイヤル」はいわゆる「完全版」にあたるアップグレードだ。オリジナル版との主な違いは以下の3点に集約できる。

まず、新キャラクターの追加。カスミ(芳澤かすみ)という芸術科の少女が仲間として加わり、彼女にまつわるシナリオが丸ごと追加された。また丸喜拓人という新キャラクターが登場し、物語終盤の展開が大きく変わっている。

次に、第3セメスターと呼ばれる新ルートの追加。元のゲームでは冬に物語が終わっていたが、ロイヤルでは「もしここで別の選択をしたら」という枝葉が生えていて、完全に別のエンディングが用意されている。この追加シナリオのために「ロイヤルを買う価値がある」と断言するプレイヤーも多い。

そして、クオリティ・オブ・ライフの改善。UIの見直し、バトルの快適化、移動の短縮など、遊びやすさが全体的に向上している。オリジナル版を遊んだ人でも、ロイヤルから入った人でも「最初からこれで遊んでよかった」と言えるレベルに仕上がっている。

Steamのレビューにはこんな声があった。

PS4で元のペルソナ5を500時間以上遊んでいたのに、ロイヤルをSteamで買ってまた150時間遊んでしまった。新シナリオが本当に良かった。あのエンディングは反則。

引用元:Steamレビュー

オリジナルを知っている人ほど、追加要素の「差分」に感動できるという逆説的な楽しみ方もある。

「怪盗団」として悪を裁く——物語の核心

ペルソナ5 ロイヤルのストーリーは、現実社会への批判をベースに構築されている。腐敗した教師、権力を濫用する大人、歪んだ欲望を持つ有名人……主人公たちはそういった「心が歪んだ大人」のパレスに潜り込み、心の中の「オタカラ(トレジャー)」を盗むことで改心させる。

この「改心」というモチーフが本当に面白い。直接叩きのめすのではなく、心を変えることで悪を正す。暴力ではなく、心への介入。そこに怪盗団の美学がある。

物語は全体で8つの章(パレス)に分かれている。各章ごとに独立した「悪役」がいて、それぞれのパレスの世界観・ギミック・ボスバトルが用意されている。学校の体育教師の心の中は「城」になっていたり、美術家のパレスは「美術館」だったり——悪役の歪んだ自己認識がそのままダンジョンのデザインに反映されているのが面白い。

各章のターゲットはリアルな問題に根ざしていて、「あ、こういう人いるよな」という共感を引き出す。ゲームの悪役なのに妙にリアルで、プレイしながら現実の腐敗構造について考えてしまうことも一度や二度じゃなかった。

仲間キャラクターの魅力

怪盗団のメンバーは主人公を含めて9人いる。それぞれにバックグラウンドがあり、傷があり、成長がある。

竜司(サカモト・リュウジ)は元陸上部の不良で、腐った教師に人生を狂わされた過去を持つ。最初は粗っぽくて短気に見えるが、仲間への思いやりが深く、後半になるほど好きになるキャラクターだ。

アン(高巻杏)は日本育ちのハーフで、外見のせいで誤解されてきた過去がある。彼女の物語は特に共感を集めやすく、「アンが好きでやめられない」というプレイヤーはSteamレビューにも何人も見かけた。

双葉(佐倉双葉)はハッカーの引きこもり少女で、彼女のシナリオはストーリー全体でも屈指の感情的な重さを持つ。特に彼女の過去が明かされる場面は、「JRPGでこんなに刺さる展開があるのか」と驚いた。

ロイヤルから追加されたカスミは、表面的には明るく礼儀正しいキャラクターだが、彼女の内面には深い謎が隠されている。第3セメスターに入るまでは「どこかミステリアスな子だな」という印象が続き、真相が明かされたとき「そういうことだったのか」という驚きがある。

仲間全員に固有のペルソナと戦闘スタイルがあり、「どのメンバーを連れて行くか」という編成の自由度もある。使い込んでいくうちにキャラクターへの愛着が生まれ、バトルでも感情移入しながら戦える。

ストーリーの深度——賛否両論になる理由

正直に書く。ペルソナ5 ロイヤルのストーリーは賛否が分かれる。

後半の展開はかなり大げさで、「スケールが急に宇宙になった」と感じるプレイヤーもいる。社会問題から始まったはずの物語が、終盤では神々の意志とか集合無意識とかいった話になっていく。「最初のテーマはどこへ?」という戸惑いは理解できる。

ただ、「ペルソナ」シリーズはそもそもユング心理学をベースにしたシリーズで、集合無意識というテーマは根幹にある。知って入ればスケールアップが「お約束」として受け入れられる。知らないと唐突に感じるかもしれない。

いずれにせよ、物語の完成度がもっとも高いのはロイヤルの追加シナリオ「第3セメスター」だという評価が多い。あの30〜40時間は本当に別格で、「ここがあるからロイヤルを選んだ」という声が絶えない。

昼と夜のサイクル——ゲームのリズムを理解する

ペルソナ5 ロイヤルのゲームプレイには「時間」という概念がある。1年間(4月から翌年1月)という制限の中で、主人公は日々の生活を送りながら怪盗団の活動を進めていく。

一日は大まかに「昼(放課後)」と「夜」に分かれていて、それぞれ行動を1回ずつ選択できる。何をするかは自由——ダンジョンに潜る、コープを進める、アルバイトをする、本を読む、ゲームをする(ゲーム内でゲームをする)、ジムで鍛える、ランニングをする……。

この選択が毎日積み重なっていくのが気持ちいい。「今日は竜司と話したかったけど双葉のコープも進めたい、でもダンジョンの期限もあるし……」というジレンマが常にある。時間は有限で、全部はできない。その取捨選択が、プレイヤーごとに違う「自分の物語」を作り出す。

ただ、初見では「何が重要で何が後回しにできるか」がわかりにくい。コープを育てると戦力が上がる仕組みになっているので、「ダンジョン攻略だけ集中」という戦略は実は非効率だったりする。最初のプレイは「何となくやっていたらクリアできた」でも十分楽しめるが、2周目以降は「あの選択は正解だったのか」と振り返る楽しさもある。

コープ(コミュニティ)システムの深み

ペルソナシリーズのコミュ(ペルソナ5ではコープと呼ばれる)は、主人公が特定のキャラクターと友情・絆を深めていくシステムだ。ランクが上がるほど特典が解放され、戦闘が有利になる。

怪盗団メンバーとのコープは物語と直結していて、ランクを上げるほどそのキャラクターの過去や内面が明かされる仕組みになっている。「なぜ双葉は引きこもっているのか」「アンが外見について敏感な理由は何か」——コープを進めることで初めてわかることが多い。

怪盗団外のコープも個性的で面白い。タロットカードをモチーフにした22種類のコープキャラクターがいて、それぞれの人生観・問題・成長が描かれる。占い師、医者、弁護士、クリーニング屋のおじさん……彼らのミニストーリーが積み重なって、世界の奥行きが生まれる。

なかには「このコープが人生で一番刺さったJRPGエピソードかもしれない」と語るプレイヤーもいる。Steamレビューには次のような声があった。

大岡厚子のコープ(「正義」のアルカナ)が予想外に刺さった。あのキャラクターのバックグラウンドを知ったとき、普段NPC扱いしていた大人のキャラクターへの見方が変わった。

引用元:Steamレビュー

こういった一つひとつの体験が積み重なって、100時間プレイしても「まだ語れることがある」ゲームになっている。

バトルシステム——ターン制RPGの教科書

ペルソナ5 ロイヤルの戦闘はターン制だ。行動速度によって順番が決まり、攻撃・スキル・アイテム・戦略コマンドを選んで戦う。ソウルライクのリアルタイム回避もなければ、アクションゲームの複雑な入力もない。ターン制が好きな人には馴染みやすい設計だ。

このゲームの戦闘の核にあるのが「弱点突破→ダウン→1MORE(追加行動)」というシステムだ。敵の弱点属性で攻撃すると相手をダウンさせられ、そのターンに追加行動が得られる。全員をダウンさせると「総攻撃(ALL OUT ATTACK)」が発動し、派手な演出とともに大ダメージを与えられる。

逆に自分が弱点を突かれると追加行動を与えてしまう。だから「敵の弱点は何か」「自分が今どの属性に弱いか」を把握することが戦闘の基本戦略になる。属性の読み合いがテンポよく進むので、戦闘が作業になりにくい。

ペルソナを「フュージョン(合体)」して強化・新規作成する仕組みも面白い。ペルソナは複数所持でき、特定の組み合わせで強力な新ペルソナを生み出せる。「どんなビルドで組むか」を考えるのが好きな人には、この要素だけで何十時間も遊べる沼になっている。

Slay the Spireのようなカードビルド系と違い、ペルソナのシステムはより「RPG的なキャラクター育成」に近いが、選択肢の多さと自由度という点では共通する楽しさがある。

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難易度設定の幅広さ

ペルソナ5 ロイヤルには5段階の難易度が用意されている。一番低い「セーフティ」では死亡してもそのままゲームが続き、ほぼストーリーを追うだけになる。一番高い「メルシーレス」では敵が強化され、弱点突破の恩恵が自分には適用されず(敵には適用される)かなりシビアな戦いになる。

中間の「ノーマル」「ハード」あたりが標準的な体験として設計されているが、初見では「ノーマル」から始めることをすすめる。ボス戦はそれなりに頭を使う設計になっていて、弱点を無視して力押しすると詰まることがある。

難易度はゲーム中に変更できるので、「詰まったら下げる」という柔軟な対応が可能。ストーリーを楽しみたい人も、歯ごたえを求める人も、同じゲームで違う体験ができる設計になっている。

モルガナのいる毎日——ゲームのテンポとリズム

ペルソナ5 ロイヤルのゲーム体験を語るとき、「モルガナ」という猫(?)の存在は避けて通れない。主人公と行動をともにするこの相棒は、物語の語り部でもあり、怪盗団のメンバーでもある。

モルガナは毎晩「もう休もう」と言ってくる。これは「夜の行動を消費したら強制的にベッドに入る」という設計の演出で、「もう一つだけ!」とプレイヤーが思っている瞬間に「今日はここまで!」と切られる。これに最初は若干ストレスを感じたが、振り返るとゲームの区切りをうまく作ってくれていた。

実際、「モルガナに寝かしつけられる」というのはペルソナ5プレイヤーの共有体験で、Steamコミュニティでは今でもネタにされている。不満として語られることも多いが、「あのシステムがあるから毎日少しずつ進める生活サイクルが作れた」という肯定的な声も根強い。

ゲーム全体のテンポは、パレス攻略中は「緊張感のある探索」、その前後の日常シーンは「のんびりした会話」、という緩急がうまく設計されている。連続する緊張感で疲弊させることがなく、自然にメリハリがついている。

スタイリッシュな演出とUIデザイン

このゲームを語るとき、演出の完成度に触れないわけにはいかない。

UIのデザインからして別格だ。赤と黒を基調にした画面、斜めに入るテキスト、ポップアップするメニュー、アニメーションする選択画面……すべてが「このゲームの世界観」として機能している。ただ見やすいだけでなく、そのUIを見ているだけで「怪盗団の雰囲気」を感じられる。

バトルの演出も派手で、キャラクターが技を使うたびにアニメーションが入る。「総攻撃」の演出は何百回見ても気持ちいい。テンポよく進むので「演出が長くてだるい」とはならない、ちょうどいい塩梅になっている。

サウンドトラックの完成度も高い。菅野祐悟氏が手がけた楽曲は、戦闘曲「Life Will Change」「Last Surprise」、日常曲「Tokyo Daylight」「Beneath the Mask」など、一度聴けば忘れられないものばかり。プレイ後しばらくは脳内でLoopしていた。

視覚・聴覚・操作感のすべてが一つの「スタイル」として統合されているゲームは珍しい。「遊んでいるだけで気持ちいい」という体験がずっと続く。

パレス攻略——謎解きとダンジョン探索

ペルソナ5 ロイヤルのダンジョン(パレス)は、悪役の「歪んだ自己認識」がそのまま空間として具現化したものだ。全部で8つのパレスがあり(ロイヤルで1つ追加)、それぞれ独自のギミックと世界観を持っている。

パレスの特徴は「潜入フェーズ」と「戦闘フェーズ」が混在していることだ。敵の目をかいくぐって先に進む「ステルス要素」があり、背後から奇襲すれば先手を取れる。正面から挑めば相手に先手を取られる。この立体的な攻防がダンジョンの緊張感を作り出している。

ギミックはパレスごとに全く異なる。スイッチを使ってルートを変えるもの、ある謎を解かないと先に進めないもの、特定の手順でボスに近づくもの……バラエティが豊かで「また同じことの繰り返し」になりにくい。

「メメントス」というもう一つのダンジョンもある。こちらはランダム生成の無限ダンジョンで、コープキャラクターから頼まれるミッションをこなす場所だ。パレスと違って作業感が出やすい部分だが、ロイヤルではメメントスの深層に新要素が追加されていて、ストーリー的にも重要な場所になっている。

「期限」の設定がゲームに緊張感を与える

各パレスには「期限(締め切り)」が設定されている。この日付までにオタカラを盗まないと、ゲームオーバーになる。この仕組みが日々の時間配分に切迫感を与える。

ただし、期限の設定は比較的余裕があることが多い。「全部の行動をパレスに費やせばギリギリ」ではなく、コープや日常活動に時間を使いながらでも十分クリアできる設計になっている。「時間が足りなくなる怖さ」を演出しながら、実際にはプレイヤーを追い詰めすぎない絶妙なバランスだ。

難易度「メルシーレス」でもこの設計は変わらないが、敵が強くなることでパレス攻略に時間がかかり、結果的に期限が厳しくなることはある。

Steam版の特徴——PC移植の完成度

2022年10月にSteamでリリースされたPC版ペルソナ5 ロイヤルは、コンシューマー版からの移植として高い完成度を持っていた。

解像度はフルHDからフルHDを超える設定まで対応しており、PS4版では見えなかったテクスチャのディテールが確認できるようになった。フレームレートは60fps固定で動くため、アニメーション・戦闘・カットシーンがすべて滑らかに見える。

コントローラーはPS系、Xbox系ともに対応している。マウス+キーボードでのプレイも可能だが、このゲームはコントローラーでの操作感が最適化されているため、持っているならコントローラーを使うことをすすめる。

動作推奨スペックはそれほど高くなく、ミドルレンジの構成であれば60fps安定で動く。比較的古いPCでも遊べるのも利点だ。

リリース当初は一部のNvidiaドライバーとの相性問題が報告されたが、パッチで対応された。現状では「動作が重い」「クラッシュする」といった報告は大幅に減っており、安定してプレイできる状態になっている。

日本語フルボイス・字幕の充実

Steam版は日本語フルボイスに対応している。英語音声も選べるが、このシリーズは日本語ボイスが元だということが分かる演技の細かさがある。主人公が無言の場面でも、仲間のセリフ回しや間の取り方が日本語のほうが原作の意図に近い。

字幕は日本語・英語のほか複数言語に対応。海外のプレイヤーが日本語音声で英語字幕を選ぶパターンが多く、Steamのグローバルなコミュニティでも人気が高い。

膨大なセリフ量があるにもかかわらず、主要シーンはほぼすべてボイスがついている。これほどのボリュームのゲームで音声の密度がここまで高いのは、制作側の本気度を感じる部分だ。

ペルソナシリーズのほかのタイトルとの関係

ペルソナシリーズの番号作品はそれぞれ独立したストーリーを持つ。ペルソナ5 ロイヤルを遊ぶために、3や4を先にプレイする必要はない。いきなり5から入っても問題なく楽しめる。

ただし、シリーズを通じて共有される概念がある。「ペルソナ」という精神の怪物の概念、「シャドウ」という敵、「コープ(コミュ)」システム、ターン制バトル……これらは5でも変わらずシリーズの核になっている。

5をクリアして「もっとペルソナを遊びたい」と思ったとき、次に何を選ぶかは好みによる。4(通称P4G、ゴールデン)は5より牧歌的な雰囲気で、田舎の高校生が舞台の青春推理RPGだ。Steamでも好評を持って配信されている。3(ペルソナ3 Reload)は最新のリメイク版があり、重厚なテーマと独特の戦闘システムを持つ。

シリーズ間でキャラクターが交差することはないが、「思想的な一貫性」はある。「自分自身の心と向き合う」「仮面(ペルソナ)を外したとき何が残るか」というテーマが繰り返し扱われる。

ペルソナ5をクリアして次のゲームを何にしようか迷っていたら、気づいたらP4Gを買っていた。そしてまた100時間が消えた。このシリーズは沼だと思う。

引用元:Steamレビュー

感情移入できる「現代日本」の舞台

ペルソナ5 ロイヤルの舞台は渋谷・新宿・池袋・浅草・アキバ・横浜(ロイヤル追加)など、実在する東京のエリアをモデルにしている。

電車で移動する、コンビニでアルバイトをする、本屋で本を買う——日常描写の解像度が高く、日本在住のプレイヤーには「あそこだ」と思える場面が多い。海外プレイヤーにとっては「異文化体験」として楽しめるようで、「このゲームで日本の高校生活について詳しくなった」という感想もよく見かける。

東京という都市の持つ「群衆の中の孤独」「誰もが何かを隠して生きている」という空気感が、このゲームのテーマとよく合っている。都市の中で孤立した高校生が仲間を見つけていく物語に、東京という舞台はぴったりだ。

こんな人に向いている——正直な評価

ペルソナ5 ロイヤルを心からすすめられる人と、すすめにくい人を正直に書く。

まず向いている人。ターン制RPGが好きな人には間違いなく刺さる。日本のアニメ・ゲームの雰囲気が好きな人、キャラクターへの愛着を大切にするタイプのプレイヤー、100時間以上の長編ゲームを苦に思わない人、「社会批判」や「心理学」を絡めたテーマが好きな人にも強くすすめたい。

音楽にこだわりのある人にも刺さる。BGMの完成度が高く、プレイ中ずっと心地よい音楽が流れている。OST(サウンドトラック)を別で購入して聴いているプレイヤーも多い。

逆に向いていない人もいる。アクションゲームやシューターが好きで、リアルタイムの操作感を求める人には物足りないかもしれない。ストーリーのテンポが「日常シーン多め」なので、「早くバトルしたい」というプレイヤーには冗長に感じる部分もある。

また、日本語のセリフ量が膨大なので、英語音声で遊ぶ場合でも「読む量が多い」ことは覚悟が必要だ。映画やアニメのような感覚で「眺めながら楽しむ」には少し向かない。きちんと読んで理解していかないと、後半のストーリーが意味を持たなくなる。

Doki Doki Literature Clubとの比較

日常と青春をテーマにしたゲームで、プレイヤーの予想を大きく裏切る展開を持つという共通点で言えば、Doki Doki Literature Clubとペルソナ5 Royalを比較する声がある。

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ドキドキ文芸部がビジュアルノベル形式で「意図的に安全に見せてから崩す」手法を取るのに対し、ペルソナ5 Royalは「最初からスタイリッシュで高密度」な体験を提供する。どちらも心理的なテーマを扱うが、アプローチは全く違う。ペルソナ5 Royalのほうがゲームとしての自由度が高く、双方向的な体験ができる。

BGMとサウンドデザイン——聴くだけで世界に入れる

菅野祐悟氏が手がけたサウンドトラックは、ペルソナ5 ロイヤルの体験の中でも特に語られることが多い要素だ。

戦闘曲「Last Surprise」はR&Bとロックが混ざったような独特のサウンドで、ターン制バトルの開始とともに流れるたびに「よし、やるか」という気持ちにさせてくれる。100時間聴いても飽きない耐久性がある。

ボス戦の曲「Rivers in the Desert」は特に評価が高く、第三幕のクライマックスで流れた瞬間の体験は今でも覚えている。「音楽が劇的な演出を完成させる」という体験を久しぶりにした。

日常のBGM「Beneath the Mask」は夜の東京を歩きながら流れるアコースティックな曲で、しみじみとした切なさがある。「このゲームの音楽を聴くだけで、あの時間に帰れる気がする」という感想はよくわかる。

ロイヤル版では新しいトラックがいくつか追加されており、新キャラクターのカスミにまつわる曲は独特の透明感を持っている。

メタバース(メタファー)としての「心の宮殿」

パレスという概念——「人の心が実空間として現れる」という設定は、哲学的に見ても興味深い。

体育教師が自分を「城の支配者」と認識しているから城が現れる。美術家が自分を「天才の守護者」と思っているから美術館になる。悪役自身がどのように自分の欲望・権力・恐れを内面化しているかが、パレスのデザインに直結している。

このメタファーは、「人は自分の認知が作り出した世界の中で生きている」というユング的な考え方とつながっている。ゲームとしてのギミックである以上に、「なぜこのダンジョンはこういう形なのか」を考えることで悪役の心理に深く踏み込める。単純に「次のステージ」として処理すると勿体ない設計だ。

怪盗団の美学——「盗む」という行為の意味

怪盗、というキャラクター設定はJRPGでも珍しい。勇者でも傭兵でも探偵でもなく、「怪盗」。この選択がゲーム全体のトーンを決定している。

怪盗は社会的なはみ出し者だ。法律の外で動き、権力に従わず、自分たちの正義で動く。それゆえに既存の権力構造と衝突し、社会から追われる。この「アウトサイダーの正義」というモチーフが、思春期のアイデンティティ探索と重なる。

「盗む」という行為をテーマにしながら、実際に怪盗団が盗むのは「心」だ。物理的な財宝ではなく、歪んだ欲望そのものを消す。これが「怪盗」という選択に深みを与えていて、「カッコいい悪役風の正義の味方」ではなく「心への介入という荒療治を選んだ者たち」という微妙な立場を生み出している。

この「自分たちは正しいのか」というテーマは終盤で掘り下げられ、「改心させることは本当に正義なのか」という問いが突き付けられる。单纯なヒーロー譚ではなく、倫理の曖昧さを問うゲームとして完成している。

ギルティギア ストライブとの世界観比較

アニメ調のビジュアルと濃厚なストーリーという軸で言えば、格闘ゲームの世界ではGUILTY GEAR STRIVEが似たポジションにある。

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ただし格闘ゲームとRPGでは楽しみ方の軸が全く違う。ペルソナ5 Royalはターン制バトルと生活シミュレーションが融合した一人用(またはCo-op)の体験で、「物語を全力で楽しむ」ことにフォーカスしている。GUILTY GEAR STRIVEはPvPの対戦ゲームで、勝敗を競う楽しさが主軸だ。双方の世界観は濃厚で個性的だが、求められるスキルセットは全く別物だ。

Steamコミュニティの評価——10万件を超えるレビューが語ること

Steam版ペルソナ5 ロイヤルは「圧倒的に好評」を維持し続けており、レビュー数は10万件を超えている。

高評価レビューに頻繁に登場するキーワードは「ストーリー」「音楽」「キャラクター」「時間を忘れる」「何周もした」あたりだ。一方、低評価レビューで多いのは「後半のテンポ」「メメントスの繰り返し」「最初のキャラクター設定が古い」という指摘。

低評価レビューの中にも「5点満点中3点くらいだけど、でも120時間遊んだ」という声があって、「嫌いになれない」ゲームとしての特性が滲み出ていた。

「このゲームには欠点もある。でも欠点も含めて愛せる。それがペルソナ5だと思う」

引用元:Steamレビュー

高いレビュー評価を持つゲームのなかでも、「感情的な語り口のレビューが多い」という特徴がある。ゲームのスペックではなく、体験について語っているレビューがほとんどだ。プレイヤーに「語りたい」と思わせる体験の質の高さが伝わってくる。

Across the Obeliskとのジャンル比較

ターン制で戦略的なバトルを楽しみながらストーリーも追いたい、という層に向けては、Across the ObeliskというローグライクRPGも選択肢になる。

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Across the Obeliskはカードベースの戦略性が高く、協力プレイに対応している。一方ペルソナ5 Royalはキャラクター固有の成長とストーリーが密接に絡み合う深い一本道の体験だ。「繰り返しプレイでルートを変える」のを楽しむか、「一度の旅で完結した物語を楽しむ」かで、どちらを選ぶかが変わってくる。

セールと価格——お得に買えるタイミング

ペルソナ5 ロイヤルのSteam通常価格は6,490円(2024年時点、変動することがある)。コンテンツ量と完成度を考えれば、この価格でも十分な元が取れるゲームだ。100時間で割ったら1時間65円になる。

Steamでは定期的にセールがある。ウィンターセール・サマーセール・ゴールデンウィークセール・ハロウィンセール等で30〜50%オフになることが多い。「絶対に今すぐやりたい」でない限り、セールを待ってから買うとかなりお得になる。

PC版のDLCとして「追加コンテンツパック」がある。BGMの追加楽曲やコスチュームDLCが中心で、ゲームの本質的な体験には影響しない。コスチュームは好みによるが、特に「絶対に欲しい」と感じるまで買わなくていい。本体だけで完結している。

SteamのウィッシュリストにADDしておくと、セール開始時に通知が来る。購入を急がないなら、ウィッシュリストに入れておいてタイミングを待つのが賢い。

Divinity: Original Sin 2との価格帯比較

100時間超の長編RPGをコスパで比較するとき、Divinity: Original Sin 2もよく名前が上がる。

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ディヴィニティ:オリジナルシン2はCo-opに強く対応しており、友人と一緒に遊ぶ楽しさが際立つ。ペルソナ5 Royalは基本的にソロの体験設計で、物語の密度と個人的な感情移入を重視する。「友達と同じ画面で冒険したい」ならDivinity、「自分だけの旅として深く味わいたい」ならペルソナ5 Royalというように、楽しみ方の方向性が違う。

2周目以降の楽しみ方

ペルソナ5 ロイヤルには「ニューゲームプラス(NG+)」がある。クリア後に引き継ぎ要素を選んでもう一周できる仕組みだ。

1周目では「時間が足りなくて全部のコープを最大にできなかった」ということが起こる。NG+では引き継いだ強さで余裕を持って2周目に挑めるため、見逃したコープやイベントを回収できる。

また、「このコープのランク10のエンディングが見たいから2周する」というプレイヤーは珍しくない。特定のキャラクターとの関係をとことん深めたい、という動機で2周目に突入するファンが多い。

トロフィー(Steamの実績)コンプリートを目指す場合は3周以上必要な条件もある。「実績コレクターにとっては長い旅の始まり」と言える。実際に複数の実績コンプ勢がSteamコミュニティにいて、「完走感が凄い」という感想を投稿している。

Civilization Vとの「時間泥棒」比較

「始めたら止まれない」という点で、ペルソナ5 Royalと並んでよく挙がるのがCivilization Vだ。

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Civilization Vは「もう1ターンだけ」という中毒性でプレイヤーを縛り付ける。ペルソナ5 Royalは「もう1日だけ」「もう1コープだけ」という形で似た体験を生む。どちらも「やめ時が作れない」ゲームとして悪名高い。シミュレーションで戦略的に楽しみたい人にはCiv V、物語とキャラクターに浸りたい人にはペルソナ5 Royalと使い分けるのがいいと思う。

よくある疑問——プレイ前に気になること

「ペルソナ5 Royal、面白そうだけど……」と思いながら購入を迷っている人がよく聞く疑問をまとめた。

ペルソナシリーズ未経験でも大丈夫?

まったく問題ない。5は完全に独立したストーリーで、1〜4の知識は不要だ。「ペルソナ」という概念はゲーム内で丁寧に説明される。シリーズ未経験の人が5から入って、シリーズのファンになるケースは多い。

英語力が必要?

Steam版は日本語テキスト・日本語ボイスに完全対応している。日本語だけで全コンテンツを楽しめる。英語力は不要だ。

100時間以上かかるのに本当に飽きない?

これは正直「人による」としか言えないが、飽きにくい設計であることは確かだ。日常シーン・パレス攻略・バトル・会話イベントがローテーションするので、一つのことをずっとやり続ける単調さが出にくい。ただし「テキスト量が多いゲームが苦手」な人は中盤あたりで速度が落ちることもある。

マルチプレイはできる?

基本的にソロゲームだ。「DLC」として他のプレイヤーのデータを参照する機能があるが、リアルタイムの協力プレイはない。友人と「一緒にプレイする」形ではなく、それぞれが自分の旅をして語り合うタイプのゲームだ。

スマホ・タブレットでは動かない?

PC・PS4/5・Xbox・Nintendo Switch向けのタイトルだ。スマホ版は存在しない。Steam DeckにはおおむねCompatibleとして認定されており、携帯モードでも動作するという報告がある。

Hero Siegeとの比較——ローグライクとの違いを整理する

ターン制バトルで強キャラを育てる楽しさ、という切り口で言えば、Hero Siegeのようなサバイバー系ゲームとも共通する要素がある。

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Hero Siegeはローグライク的なランダム性と無限の成長が楽しさの核で、繰り返しプレイに向いている。ペルソナ5 Royalはキャラクターとストーリーの深みが楽しさの核で、一度の体験の質を重視する。「強くなっていく感覚を繰り返し楽しみたい」ならHero Siege、「仲間との旅の記憶として残したい体験を求めている」ならペルソナ5 Royalという選び方になる。

Dragon Age: Inquisitionとの比較——大作RPGの方向性の違い

100時間超の大作RPGとして、Dragon Age: Inquisitionと比較されることもある。

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Dragon Age: Inquisitionは広大なオープンワールドと複雑な政治シナリオ、リアル寄りのグラフィックが特徴のファンタジーRPGだ。ペルソナ5 Royalはアニメ調ビジュアルで現代日本が舞台、「心の世界」に潜るという独特の設定を持つ。どちらも「キャラクターとの関係性を深める」要素が強いが、世界観・ビジュアル・バトルシステムはまったく異なる。重厚なファンタジー政治劇が好きな人はDragon Age、スタイリッシュな現代日本RPGが好きな人はペルソナ5という方向性で選んでいい。

Last Epochとの比較——成長システムの深さという共通点

キャラクターの「成長システムを深く掘り下げる楽しさ」という点で言えば、Last Epochのような本格ARPGとペルソナ5 Royalを比べるユーザーもいる。どちらもビルドを考える楽しさ、スキルを組み合わせる奥深さを持っているからだ。

Last Epochはリアルタイムアクションとタイムトラベルをテーマにした深いビルド構築が特徴のARPGだ。ペルソナ5 Royalはターン制バトルとペルソナフュージョンを組み合わせたビルドの楽しさがある。「動きながら考えたい」ならLast Epoch、「じっくり戦略を立てながら物語を楽しみたい」ならペルソナ5 Royalという方向性になる。成長システムの奥深さという点では両方とも本物の濃さを持っている。

ペルソナ5 Royalで「最初に詰まりやすい場面」と対策

100時間以上のゲームだから、どこかで詰まることはある。特に初見プレイヤーが躓きやすい場面をいくつか挙げておく。

序盤が長すぎて本編に入れない

ペルソナ5 Royalは序盤の導入がかなり長い。最初の10〜15時間は「チュートリアル」の要素が多く、バトルも少なく、「これがずっと続くのか」と心配になるプレイヤーがいる。

結論から言うと、第1パレスをクリアするあたりから一気にゲームのリズムが安定して面白くなる。具体的には「ゲーム開始から15〜20時間」が山場だ。ここを超えると「なるほど、こういうゲームか」という感覚が定まる。序盤の長さに不安を感じても、もう少しだけ続けてみてほしい。

Steamコミュニティにも「序盤15時間我慢したら止まれなくなった」という書き込みが定期的に出てくる。「最初だけ我慢」というアドバイスはこのゲームの定番になっている。

コープの育て方がわからない

最初は「コープ(絆)を育てるとどんないいことがあるのか」が見えにくい。ゲームは「コープを進めよう」と促してくるが、なぜやるべきかが序盤では説明が薄い。

コープのメリットは主に2つある。一つはキャラクターの詳細なストーリーが解放されること(怪盗団メンバーなら戦闘で強化もある)、もう一つはペルソナの合体時にボーナス経験値が入り、強いペルソナを作りやすくなること。

特に「死神のアルカナ」(武器屋)のコープを早めに進めると武器のアップグレードが充実する、「塔のアルカナ」(ジムの先生)を進めると魅力のパラメータを上げやすくなるなど、攻略に直接影響するコープもある。序盤から意識しておくと後半が楽になる。

ペルソナのフュージョンで何を作ればいいかわからない

ベルベットルームでのフュージョン(合体)は、最初はルールが複雑に見える。二体合体、三体合体、特別合体……選択肢が多くて何から始めればいいかわからなくなる。

まずは「おすすめ合体」を使えばいい。ゲームがレベル帯に合った強いペルソナを自動で提案してくれる。それを参考にしながら、慣れてきたら自分でスキルを継承させる「カスタム合体」に挑戦するといい。スキルの引き継ぎこそがペルソナビルドの醍醐味で、「回復スキルと攻撃スキルを一体のペルソナに集約する」「ボスの弱点に合わせた最強ペルソナを作る」という楽しさが出てくる。

2周目以降はマハラガダイン(核熱の全体攻撃)を持ったペルソナを作り込むのが定番ビルドになっており、フュージョン研究に特化した動画やコミュニティが山ほどある。フュージョム自体が一つの遊びとして機能している。

ボスで詰まったとき

ある時期のボスは「属性を知らないと理不尽に感じる」設計になっている。特に第4〜5パレスあたりのボスは、特定の攻撃パターンへの対処法を理解していないと繰り返しゲームオーバーになる。

対処法としては、「ボスの行動を一度観察する」「パーティ全員の弱点を確認する(自分が弱点を突かれるとダウンする)」「適切な回復アイテムを準備する」の3点が基本だ。それでも詰まるなら、難易度を一つ下げることを恐れないでほしい。ゲーム内でいつでも変更できる仕様がある。

第3セメスター——ロイヤル最大の「上乗せ」部分

ペルソナ5 Royalを語るときに最も「必ず触れる」べき要素が、第3セメスターだ。

オリジナルのペルソナ5では、物語は2月ごろ(ゲーム内時間)に大きな山場を迎えてエンディングを迎える。しかしロイヤルでは、特定の条件を満たすとさらに「第3セメスター(三学期)」に突入する。1月からの新たな展開が始まり、新キャラクター・新パレス・新ラスボス・新エンディングが待っている。

第3セメスターのテーマは「幸福とは何か」だ。新キャラクターの丸喜拓人は、「みんなが幸せな夢の中で生きていけるなら、現実の苦しみは必要ない」という思想を持つ。これに対して怪盗団が何を選ぶか——その問答がシリーズを通じても屈指の重厚な哲学的議論として展開される。

「逃げることのできない完璧な幸福」と「不完全でも現実の生」、どちらを選ぶか。この問いは2020〜2022年のコロナ禍に重なるとよく言われていて、「なぜ今このシナリオが刺さるのか」という文脈でも語られた。

Steamのレビューで第3セメスターについての言及は山のように多い。

第3セメスターをプレイするために150時間かけてロイヤルを遊んだ。あの結末は予想できなかった。そしてあのラスボス戦の選曲は本当に反則。

引用元:Steamレビュー

第3セメスターに入るための条件は、特定のコープをランク9以上まで育てること(丸喜・双葉・アルセーヌ関連のコープ)と、11月5日以前にあるイベントをこなすことだ。ゲーム内で明示されないため、初見では気づかずにオリジナルルートのエンディングに入ってしまうことがある。

ロイヤルを買ったなら、必ず第3セメスターを体験してほしい。あれが「なぜロイヤルを買う価値があるのか」の答えだ。

第3セメスターのカスミの真相

ロイヤルで追加されたカスミ(芳澤かすみ)は、第3セメスターに入るまでは「少し謎めいた後輩」という印象だ。しかし第3セメスターに突入した瞬間、彼女にまつわるある事実が明かされて、プレイヤーの記憶が一気に塗り替えられる。

ここから先は詳しく書かない。ただ、「カスミはただのサービスキャラかな」と思っていたプレイヤーほど驚く仕掛けになっている。第3セメスターはカスミを軸に動くシナリオであり、第3セメスターをクリアして初めてカスミというキャラクターの全貌が見える。

「第3セメスターのカスミが一番好き」というファンも多く、彼女のためにロイヤルを遊んだという声も少なくない。

ゲームの「学校生活」描写——JRPGで一番リアルな高校

ペルソナ5 Royalの舞台は秀尽学園高校だ。主人公は転校生として入学し、最初は完全な孤立状態から始まる。不良の噂を背負い、誰も話しかけてこない、先生にも冷たくされる——その孤立から少しずつ居場所を見つけていく過程が序盤の骨格になっている。

授業中に先生の質問に答えるミニゲーム(知識パラメータが上がる)、試験前の追い込み期間、学校祭(文化祭・体育祭)のイベント……日本の高校生活のリアルが細かく再現されている。試験期間前に「勉強しなきゃいけないのにパレスに潜りたい」というジレンマは、実際の高校生のそれと重なる。

授業中に問題を正解すると「よく覚えてた!」と仲間にLINE(ゲーム内のメッセージアプリ)で褒められる。小さい演出だが、これが「このゲームの世界の中で生活している」という感覚を作り出している。

「学校という閉鎖空間のしんどさ」も描かれている。体育教師の件、担任の問題、スクールカースト……学校生活を経験した日本人ならどこかで共感できる描写が散りばめられている。「あのシーンで当時の自分を思い出した」という感想はSteamレビューに頻繁に見かける。

主人公の「成長」パラメータシステム

ペルソナ5 Royalには「知識・勇気・魅力・優しさ・器用さ」という5つのパラメータがある。これらは日常活動(本を読む、ゲームをする、バイトをする、授業に集中する等)によって上がっていく。

パラメータが高いと「コープのランクが上げやすくなる(特定のセリフを選べる)」「バイトに応募できる」「特定のカスタマイズが解放される」などの恩恵がある。

特に「魅力」は多くのコープで要求されるため、序盤から意識してバイトや映画鑑賞で上げておくと後半が楽になる。「知識」は試験の成績に影響し、好成績を取ると翌月のメリット(仲間からの反応など)がある。

このパラメータシステムが「バイトをする理由」「本を読む理由」「映画を見る理由」を与えてくれて、日常活動の一つ一つに意味が生まれる。「今日は本を読んで知識を上げるか、バイトで魅力を上げるか、ジムで体力を上げるか」というミクロな意思決定が毎日積み重なる。

「怪盗」というモチーフと現代社会への問い

ペルソナ5 Royalがリリースされた2019年(ロイヤル版)〜2022年(Steam版)という時期は、世界的に「権力構造への不信感」が高まった時代だった。政治不信、教育機関の腐敗、ハラスメント問題……このゲームが描くテーマは、現実のニュースと並走するように共鳴した。

第1パレスの悪役は体育教師で、生徒への暴力と権力の濫用が原因だ。第3パレスは芸能界の性的搾取が絡む。第5パレスは汚職と金融の腐敗が絡む。これらのテーマはゲームの中だけの話ではなく、「現実でこういう構造があるよね」という共感の上に乗っている。

「怪盗団が戦う悪は、ゲームのファンタジーではなくて現実の問題のメタファーだ」という読み方をするプレイヤーは多い。このゲームをプレイして「社会構造について考えるようになった」という感想がSteamレビューにも散見される。

それがこのゲームの持つ力だと思う。楽しいだけで終わらない。遊んだ後に「自分はこの社会の中でどう生きるか」という問いが残る。それは娯楽としてのゲームを超えた体験だ。

「反抗」という思春期のテーマ

怪盗団のメンバーはみんな、社会や大人の理不尽と戦う「反抗者」だ。竜司は不正をした教師に潰された。アンは外見で消費された。双葉は社会から切り離されて引きこもっていた。真(まこと)は学校のルールに縛られて息ができなかった。

そしてそれぞれが、「怪盗団」という形で自分なりの抵抗の仕方を見つけていく。システムに従い続けるのではなく、自分のやり方で正義を示す。これは思春期の本質的な問い——「社会に合わせるか、自分を貫くか」——を扱っている。

プレイヤーが高校生のころにやればアイデンティティの共鳴として刺さるし、大人になってからやれば「あの頃の感覚」への懐かしさとして刺さる。どの年代でもそれぞれの刺さり方がある。

「高校生のとき遊べなかったけど30代になってやってみたら全然刺さった」というSteamレビューがある。「子どもっぽい話だと思っていたら、大人になってから見るとより深く感じた」という感想もある。年齢によって違う読み方ができるのも、この作品の懐の深さだ。

ペルソナ5 Royalのビジュアルデザインについて

ゲームのキャラクターデザインは副島成記氏が担当している。アニメ調でありながら独自の「ハイファッション感」があり、怪盗団のコスチュームは特に特徴的だ。黒とレッドを基調とした、現実の怪盗のイメージを大胆にスタイライズしたデザインで、「着てみたい」と感じるプレイヤーが世界中にいる。

アニメ版(「ペルソナ5 ジ・アニメーション」)も存在し、ゲームのビジュアルをそのまま動画化したような作品だ。ただし、アニメ版よりもゲーム版のほうが圧倒的に評価が高い。アニメはゲームへの入口として機能するが、本筋の体験はゲームで得るべきものだという意見が主流だ。

UIのデザインは2016年のオリジナル版から変わっていないが、まったく古く感じない。それだけ先進的なデザインだったともいえる。「このゲームのUIのセンスが好きすぎてスクリーンショットをずっと撮ってた」というプレイヤーも珍しくない。

パレスのアートディレクション

各パレスのビジュアルも秀逸だ。第1パレスは「城」でゴシック調の重厚な空間。第2パレスは「マハラジャの宮殿」でインド・中東ミックスの絢爛さ。第3パレスは「エジプトのピラミッド」でミステリアスな古代遺跡風。第4パレスは「宇宙船」で近未来的なデザイン……。

悪役の「自分をどう見ているか」がパレスのデザインに反映されているので、各パレスに入るたびに「なるほど、こいつはこういう自己像を持っているのか」という読み取りができる。ビジュアルがキャラクター理解と直結している。

ロイヤルで追加されたパレスは「美術館」と「宮殿」が融合したような独特のデザインで、新しいキャラクターの内面を体現している。追加パレスの完成度はオリジナルに引けを取らない。

「怪盗団の予告状」——演出と没入感

各パレス攻略の前に「予告状」を送るというイベントがある。怪盗団が標的の悪人に「あなたの心を盗む」と宣告する手紙を送り、改心を要求するのだ。

この予告状の送り方、文面の作り方、そして実際に悪人が「本当に改心するのか」という緊張感——これがゲームの区切りとして機能している。予告状を送った後、パレス内のシャドウが活性化して難しくなる代わりに、「タイムリミットが設けられた」という緊張感が生まれる。

そして改心が成功したとき、現実世界で悪人が公衆の面前で「自分がやったことの全てを告白する」という演出が入る。この「告白」のシーン、毎回「やった、成功した!」という達成感があって気持ちいい。

怪盗団が「心を盗む」という間接的な手法を取っているため、現実世界では「謎の怪盗団が悪人を改心させている」という噂として広まり、一般市民の間で人気になっていく。このメタ的な構造——「主人公たちが現実世界の民衆にとって伝説的な存在になっていく」——がゲームを通じて続いていく楽しさがある。

「決算の場」の演出——ゲームのピーク体験

各パレスのラストを飾るボス戦前の演出は、このゲームで最も記憶に残る瞬間の一つだ。怪盗団が名乗りを上げ、音楽が切り替わり、テンションが上がる——「さあ、始まるぞ」という感覚が毎回ある。

特に第5パレスのボス戦前の演出は、多くのプレイヤーが「これが一番好き」と語る場面だ。詳しくは書かないが、あのシーンのカタルシスは本物だった。演出・音楽・展開の三つが完璧に一致した瞬間があって、「ゲームをやってきてよかった」と思える。

ペルソナ5 Royalを最大限楽しむための心構え

最後に、ペルソナ5 Royalを最大限楽しむために意識しておくといいことをまとめる。

まず、「急がない」。このゲームは急いでクリアするより、日々の行動をじっくり選んで進める方が楽しい。「今日どこへ行こう」「誰と話しようか」という日常の選択を楽しむゲームだ。

次に、「コープを軽視しない」。バトルが難しくて詰まる場合、コープを育てていないことが原因のケースがある。仲間のコープは戦力に直結するので、パレス攻略と並行して進めることが重要だ。

そして、「第3セメスターへの条件を意識する」。ロイヤルを買ったなら、必ず第3セメスターに入ってほしい。入るための条件を事前に調べておくと、見逃さずに済む。後悔するとしたら「第3セメスターを見逃したとき」だという声は多い。

最後に、「音楽をちゃんと聴く」。BGMを流しながら別のことをする「ながら作業」には向いていないゲームだ。音楽がシーンの感情を増幅させる設計になっているので、ちゃんとスピーカーかヘッドフォンで聴くと体験の質が全然違う。

「初プレイは攻略を見ずに全部自分で選択した。200時間かかったけど、それが正解だったと思う。自分の選択でできた物語だから。」

引用元:Steamレビュー

攻略情報を見るかどうかは好みだが、少なくとも第3セメスター突入条件だけはチェックしておくことを個人的にはすすめたい。それ以外は自分の感覚で動いても十分楽しめる。

まとめ——ペルソナ5 Royalは誰のためのゲームか

100時間以上かかるゲームに、それだけの時間を割く価値があるかどうか——それはプレイヤー自身が決めることだ。でも「その時間を後悔するか」について言えば、このゲームはほとんどの人が後悔しないと思う。

ペルソナ5 Royalが提供するのは、単なる「ゲームをクリアした」という体験ではない。怪盗団の仲間たちと過ごした1年間の記憶、菅野祐悟の音楽が染みついた体験、「社会の歪みと戦ったことがある」という不思議な感覚——それがプレイを終えた後に残るものだ。

Steamのレビューに「このゲームはもう終わったけど、怪盗団のことがまだ好きだ」と書いたプレイヤーがいた。クリアしても愛着が残る。そういうゲームはそれほど多くない。

ターン制RPGが好きで、長編ストーリーを楽しむ時間がある人なら、まずやってみてほしい。「始めたら止まれない」という体験を、久しぶりにしてほしい。

「ゲームをクリアして泣いたのは久しぶりだった。あのラストは反則だと思う。でも本当にありがとう、アトラス。」

引用元:Steamレビュー

今セール中か、あるいはセールを待ちながらウィッシュリストに追加しておくだけでもいい。いつか手が届いたとき、その旅が待っている。

ペルソナ5 ザ・ロイヤル

ATLUS
リリース日 2022年10月20日
サービス中
価格¥7,678
開発ATLUS
販売SEGA
日本語非対応
対応OSWindows
プレイ形式シングル
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