グラップリングフックで建物の屋根に飛び乗り、眼下に見える敵プレイヤーをじっと観察する。相手が弓を構えた瞬間、こちらは刀を抜いて飛び込む——弱攻撃、強攻撃、受け流し、三すくみの読み合いが始まる。
これがNARAKA: BLADEPOINT(ナラカ:ブレードポイント)の醍醐味だ。60人が同じフィールドに降り立ち、銃ではなく剣や槍で戦う。バトルロイヤルというジャンルに「近接格闘」の面白さをぶち込んだ、世界でも珍しいゲームだ。
2021年8月に有料タイトルとしてSteamで正式リリースされた当初から、「銃がないバトルロイヤルなんて成立するのか?」という懐疑の声があった。しかしその懐疑はリリースから1ヶ月で黙らされた。Steam同接ピーク13万人超、累計600万本販売——中国の新興スタジオが作ったゲームが、世界中のアクションゲームファンを熱狂させた。
2023年7月に基本プレイ無料に移行すると、同接数が264,400人(2023年7月)に達し、史上最高値を更新した。さらに2024年7月にはなんと385,770人という驚異的なピークを記録。累計プレイヤー数は2,000万人を突破し、2026年現在も新シーズンを展開しながらサービスを継続している。
開発元の24 Entertainmentは中国・杭州のスタジオで、「東洋文化を世界に届けたい」というビジョンのもと設立された。「Devil May Cry(デビル メイ クライ)」の爽快なコンボアクション、「隻狼(Sekiro)」の死の読み合い、そして中国の武侠アクションゲーム「流星蝴蝶剣」——これらからの影響を開発チーム自身が語っている。
この記事では、NARAKA: BLADEPOINTの独自のゲームシステムと魅力、課題点、そして今プレイする価値があるかどうかを正直に書いていく。
こんな人におすすめ / こんな人には合わないかも

まず結論から確認しておこう。
- ApexやPUBGなどの銃撃バトルロイヤルに飽きた人——近接格闘の読み合いはまったく別の脳みそを使う
- 格闘ゲームやアクションRPGが好きな人——「武器の相性」と「技のタイミング」で勝負が決まる
- ヴィジュアルにこだわる人——東洋ファンタジーの美麗なグラフィックと衣装カスタマイズが充実している
- 基本無料で本格的なアクションゲームを遊びたい人——全ゲームモードと武器はお金なしでも使える
- 立体的な移動が好きな人——グラップリングフックとパルクールで、建物の上下を縦横無尽に動き回れる
- ソロでもチームでも遊びたい人——ソロ・デュオ・トリオのモードが揃っている
- DMCや隻狼のようなコンボアクションが好きな人——武器ごとのコンボチェーンは研究しがいがある
- eスポーツ・競技シーンに興味がある人——日本公式大会も開催されてきた実績がある
- 「エイムだけで無双したい」人——このゲームは銃がほぼ補助武器。近接格闘の技術習得は必須
- 日本語コミュニティを重視する人——プレイヤーの大半はアジア系で、日本人の割合は少ない
- すぐに上達したい人——三すくみシステムの習得、武器ごとのコンボ、グラップリングの使い方と覚えることが多い
- スペックが低いPCしかない人——東洋ファンタジーの描き込みが激しく、ある程度のスペックが必要
- チート・BOTが絶対に許せない人——中国系ゲームならではのこの問題は根絶されていない
- ソロで淡々と上達できない人——日本語攻略情報が少なく、英語・中国語の資料を参照する場面が多い
NARAKA: BLADEPOINTとは何か——「剣戟バトルロイヤル」という発明

NARAKA: BLADEPOINTを一言で説明するなら、「グラップリングフックで空を飛びながら、刀や槍で60人を倒し合うバトルロイヤル」だ。
バトルロイヤルというジャンルは、2017年のPUBGが世界に広めて以降、ApexやFortnite、Warzone、Bloodhuntなど多くのタイトルが続いた。しかしその大半が「銃撃をメインにした」ゲームで、「近接格闘をメインにしたバトルロイヤル」はほぼ存在しなかった。NARAKA: BLADEPOINTはその空白を埋めた。
FPSやTPS系のバトロワはやり尽くした感があったけど、NARAKAは「剣で戦う」という体験が新鮮すぎた。最初は格ゲーみたいで難しかったけど、コンボが決まったときの爽快感が他のゲームでは味わえない。
引用元:Steamレビュー
舞台は「モルス島(Morus Island)」と呼ばれる東洋ファンタジーの島だ。太古に2柱の神が衝突した地で、「不死のマスク」という伝説のアーティファクトが眠っている。世界中から武者が集まり、そのマスクをめぐって命がけの戦いが繰り広げられる——これがNARAKA: BLADEPOINTの世界観だ。
マップには東洋風の古代都市の廃墟、竹林、峰々に囲まれた山岳地帯、水上の建物など、中国や日本の武侠映画を思わせる景色が広がっている。同じ「東洋ファンタジー」をテーマにしたゲームでも、Black Myth: Wukong(黒神話:悟空)の重厚な中国神話の世界観とは異なり、NARAKAはもう少し明るく華やかなビジュアルだ。衣装のディテールがきわめて細かく、課金スキンを身にまとったキャラクターのクオリティは他のバトルロイヤルタイトルと比較しても高い。
ゲームの核心にあるのが「三すくみシステム」と「グラップリングフック」の2つだ。この2要素が組み合わさることで、他のバトルロイヤルにはまったくない体験が生まれている。
三すくみシステム——「読み合い」が全ての勝敗を決める
NARAKA: BLADEPOINTの戦闘の基本は、弱攻撃(通常攻撃)・強攻撃(チャージアタック)・受け流し(フォーカスアタック)の3つの関係性だ。
- 弱攻撃は受け流しに負ける(受け流しでカウンターを取られる)
- 受け流しは強攻撃に負ける(強攻撃で弾かれる)
- 強攻撃は弱攻撃に負ける(弱攻撃でインタラプトされる)
「じゃんけんじゃないか」と思うかもしれない。しかし実際に試合を経験すると、この単純なルールが恐ろしいほど深い読み合いを生む。
相手が連続で弱攻撃を出しているなら、受け流しで割り込む。しかし相手もそれを読んで強攻撃に切り替える可能性がある。こちらが強攻撃に合わせようとしたら、弱攻撃に変えられてインタラプトされる——この3つ巴の心理戦が、リアルタイムで高速に展開される。
格闘ゲームで言うところの「崩し」と「ガード」の攻防が、バトルロイヤルというマクロの戦略ゲームの上に乗っかっているのだ。
さらに、この三すくみに「キャンセル」という要素が加わることで複雑さが増す。攻撃モーションの途中で受け流し行動にキャンセルできる「フォーカスキャンセル」という技術があり、これを使うと相手の反応を騙すフェイントが作れる。上級者の試合を見ると、このキャンセルと三すくみの組み合わせで信じられないほど複雑な読み合いが展開される。
初心者は「まず弱攻撃と受け流しの2択から覚える」ことで十分スタートできる。三すくみの全体像を理解するのに数時間かかるが、理解が深まるほど「もっとやりたい」という気持ちが強くなっていく設計だ。
NARAKAは読み合いのゲーム。全て相手の行動を読み、先行入力した上で成立する。特に相手の青攻撃の発生を見てからパリィすることはできないため、「こうされたらこうする」を予め決めておくことが大事。
引用元:Steamコミュニティガイド
さらに各武器には独自のコンボがある。「大刀ならこのコンボから強攻撃で締める」「槍ならこのフェイントを混ぜる」という、武器ごとの戦術がある。プレイヤーは試合ごとに拾える武器が変わるため、「今日は大刀があったからこのスタイルで戦おう」という柔軟な適応力も求められる。
「DMC(デビル メイ クライ)のようなコンボアクションの爽快感を、バトルロイヤルでやりたかった」という開発チームの言葉は伊達ではない。武器のコンボチェーンは研究すればするほど深く、上達の実感を得やすい設計になっている。
グラップリングフックと3次元移動——「進撃の巨人」的な機動力

NARAKA: BLADEPOINTのもう一つの柱が、グラップリングフック(鈎縄)による3次元移動だ。
全プレイヤーがデフォルトでグラップリングフックを持っており、建物の屋根や崖、木の枝など、ほぼあらゆる場所に引っかけて高速移動できる。進撃の巨人の「立体機動装置」を想像してもらうとイメージが近い。
Apexにはパスファインダーやヴァルキリーのようなワープ系スキルがあるが、それはキャラクター専用の能力だ。NARAKAでは全員がグラップリングを持ち、全員が縦横無尽に動き回れる。
これが戦闘にどんな影響を与えるかというと——
高所に陣取ってフィールド全体を見渡す。敵が近づいてきたら屋根を飛び移りながら逃げる。一気に崖を駆け上り、上から奇襲する。追いつめられたら谷底に飛び降りてグラップリングで建物に張り付く。
「平面での撃ち合い」ではなく「3次元の立体機動戦」が展開されるため、常に360度から敵が来るという緊張感がある。Apexでも高所有利という概念はあるが、NARAKAの高所争いはもっと激しい——全員がフックで瞬時に高所に到達できるからだ。
グラップリングには「鈎縄の長さ」という概念があり、短い距離には引っかからない。また、フックを投げてから到達するまでに少しタイムラグがあるため、「今すぐ逃げたい」という瞬間に使うと間に合わないことがある。この「グラップリングが絶対的な逃げ手段ではない」という設計が、近接格闘の重要性をさらに高めている。
グラップリングの操作自体はシンプルで、「右クリックで投げて、着地したらジャンプで勢いを活かす」という基本操作は数時間で慣れる。しかし「どこに引っかけると移動効率が最大か」「戦闘中にどのタイミングでフックで逃げるか」という判断力は、何十時間ものプレイ経験が積み重なって磨かれる。
パルクール(壁走り・スライディング)との組み合わせも重要で、グラップリング→スライディング→ジャンプと繋げることで、地上移動の速度を大幅に上げられる。上級者はこの「グラップリング+パルクール連携」を自然にやっており、初見では「どうやって移動しているのかわからない」という速さで動き回る。これを習得したときの気持ちよさは格別だ。
最初はグラップリングが全然使いこなせなくて、平地でしか戦えなかった。でも慣れてくると屋根から屋根へ飛び移りながら戦えるようになって、急に勝率が上がった。この感覚がたまらない。
引用元:Steamレビュー
武器システム——近接が主役、弓は補助という逆転の発想
NARAKA: BLADEPOINTの武器体系は、普通のバトルロイヤルとは正反対だ。
近接武器(メイン武器)
フィールドに落ちている武器の大半は近接武器で、大刀・刀・槍・刀剣・拳・鎌など多彩な種類が用意されている。それぞれに異なるコンボと特性があり、「刀使い」「槍使い」のように自分の得意武器を磨く楽しみがある。
武器にはレアリティ(レア度)があり、青・紫・金の順に強くなる。強い武器ほどコンボが豊富で、フィニッシュムーブが派手になる。「金武器を装備したときの爽快感が別物」という声は多い。
各近接武器の特性はざっくりと以下のように分かれる。
大刀(グレートソード)は重くてリーチが長く、一撃が重い。コンボは遅めだが当たれば大ダメージ。敵を吹き飛ばしやすい。
刀(ロングソード)はオーソドックスな速さと威力のバランス型。コンボが豊富でプレイヤー人口が多く、攻略情報も充実している。初心者にも扱いやすい。
槍(スピア)はリーチが最長で、相手との距離を保ちながら戦える。グラップリングとの相性が良く、高所から降下しながら槍を突き刺す戦術が強力。
拳(手甲)は攻撃速度が最速で、コンボの繋ぎが素早い。リーチは短いため、相手に密着して戦うアグレッシブなプレイスタイルに向いている。
遠距離武器(補助武器)
弓や銃(マスケット銃、連発弩など)も存在するが、ダメージが低い補助武器として位置づけられている。Apex Legendsで言うと「ライフラインの回復銃」程度の役割で、これだけで戦い抜くのは難しい。
ただし弓は「牽制」「逃げ足の遅い敵への追撃」「遠距離から削る」という局面では有効で、近接+弓の組み合わせが標準的なロードアウトになっている。一部の上位プレイヤーは弓の精度を活かした遠距離戦スタイルも使うが、それは近接格闘の土台があってこその応用だ。
ソウルジェイド——試合ごとに変わるビルド構築
フィールドで拾える「ソウルジェイド」は、いわゆるパッシブ強化アイテムだ。「攻撃速度アップ」「回避距離延長」「ヒット時に回復」「強攻撃のダメージ増加」「グラップリング後の速度強化」など豊富な種類がある。
どのソウルジェイドを組み合わせるかで、同じキャラクターでもまったく異なる動きができる。「この武器にはこのビルドが強い」という定番構成がある一方、「自分だけのビルドを考える」楽しみもある。試合ごとに拾えるアイテムが変わるため、毎回ゼロから構成を組み立てる即興力も問われる。
このビルド構築の楽しさが、試合ごとに違う体験をもたらしている。「今日は運よく強いソウルジェイドを揃えられた」「逆に全然拾えなかった」という運要素もあるが、それがバトルロイヤルらしいドラマを生んでいる。
ヒーロー(キャラクター)システム——27人の武者から選ぶ

NARAKA: BLADEPOINTには2026年現在、27名以上のヒーローが実装されている。各ヒーローはFスキル(クールダウン付きのアクティブスキル)と奥義(アルティメット)の2つを持ち、戦闘スタイルを差別化している。
Kurumi(久留美)——チームの生命線となる回復役
日本の陰陽師の家系を持つヒーローで、「バインディングプレイヤー」というスキルでチームメイトを遠距離から回復・蘇生できる。奥義「聖円(Sacred Circle)」は範囲内の仲間のHPと防御力を回復する。
回復ができるヒーローはNARAKA: BLADEPOINTの中でもごく少数で、トリオモードで久留美がいるかいないかでチームの生存率が大きく変わる。初心者でも「仲間を回復する」という明確な役割があるため使いやすい。
日本のオンミョウジ文化をベースにしたキャラクターデザインで、和装の衣装スキンが豊富に用意されている。「日本のゲームファンが馴染みやすいキャラクターを入れたい」という開発チームの意図を感じる実装だった。
Temulch(テムルチ)——疾風を操る陣地型ファイター
草原の戦士で、「ゼファーウィスプ」という疾風の結界を展開できる。発動すると周囲に3つの竜巻の壁が出現し、弓矢などの遠距離攻撃を無効化できる。奥義「ゼファープリズン」では広範囲の竜巻を展開し、遠距離攻撃を完全にシャットアウトしながら戦える。
「弓が怖い」という場面でTemulchは特に輝く。高所から狙撃されているときにゼファーウィスプを展開して接近し、近接格闘に持ち込むという動きが強力だ。
Viper Ning(ヴァイパー寧)——盲目の剣士にして最高クラスの攻撃型
西崑崙の盲目の剣士という設定を持つ、攻撃特化のヒーローだ。Fスキル「玉山の謎」は前方に衝撃波を放ち、複数の敵をまとめてノックバックさせる。奥義「黄昏の猩々」は5秒間のチャネリング後、視界内の全ての敵をマークし、さらにスタンさせる。
奥義の効果がトップクラスに強力で、チームメイトと連携すればほぼ確実にキルを取れる。上位ランクのプレイヤーに人気が高い。
Tianhai(天海)——巨人に変身する近接特化ヒーロー
奥義でVajra(仏教の金剛杵をモチーフにした巨人)に変身し、周囲の敵を踏みつぶす豪快なヒーローだ。巨人形態では移動速度が上がり、ヒーロー形態のスキルとは別の強力な技が使えるようになる。「とにかく暴れたい」というプレイスタイルに向いている。
キャラクターの解放と課金の仕組み
ヒーローは課金(リアルマネー)で解放するか、ゲーム内通貨「ドラゴンジェイド」でアンロックするか選べる。ドラゴンジェイドはプレイを続けることで少しずつ貯まるため、時間をかければ無課金でも全キャラクターを解放できる設計だ。
ただし、ゲームの強さに影響するのはキャラクターのスキルのみで、武器はキャラクター共通。「このキャラクターを持っていないと使えない武器がある」ということはなく、フィールドに落ちている武器は誰でも拾って使える。課金しないとゲーム内で弱い、という状況にはならない設計は守られている。
人気の理由——他のバトルロイヤルにはない「読み合い」の快感
NARAKA: BLADEPOINTが世界規模で注目された理由は複数あるが、一番大きいのは「銃がなくても成立するバトルロイヤル」という発想の斬新さだ。
2021年時点で「近接格闘メインのバトルロイヤル」は存在しなかった。ApexやPUBG、Fortniteに疲れていたプレイヤーが「何か新しいものを求めて」NARAKAに来た——というのが初期の評判の広まり方だ。
弓は「援護武器」で、基本はみんな剣か槍で突っ込んでくる。最初は意味わからなかったけど、慣れてくると格ゲーみたいな読み合いが楽しくてやめられない。
引用元:Steamレビュー
2つ目の理由は東洋ビジュアルの圧倒的なクオリティだ。
武侠映画や時代劇のファンにとって「自分がその世界の主人公になれる」体験ができるゲームは少ない。中国・日本・韓国のアジア系ゲームファンを中心に「やっとこういうゲームが来た」という反応があった。衣装のデザインは特に高評価で、「コスメ目的でログインする」という声が多いほど、スキンの質が高い。
ファミ通の日本人レビュアー4人が10点・8点・8点・8点を付けてトータル34点を記録した(XSXバージョン)という実績も、日本での一定の評価を裏付けている。
3つ目は「上手くなる実感」の得やすさだ。
エイムが問われない分、「読み合いの予測が当たった」「グラップリングで敵の攻撃を完全に回避した」「コンボを全段当てた」という成功体験が積み重なりやすい。エイムは才能や練習時間の差が出やすいが、読み合いは「考え方」で伸びる部分がある。
エイム下手でもコンボと読み合いで勝てる瞬間がある。そのバランスが絶妙でやめられない。
引用元:Steamレビュー
そして4つ目に、eスポーツとしての展開の速さがある。
2021年リリースからすぐに公式大会が開催され、日本向けの公式トーナメントも早い段階から実施された。特に中国・アジア圏でのeスポーツシーンは活発で、高額賞金池の大会が継続的に開かれている。プロプレイヤーのプレイを見れば「ここまでNARAKAは深いのか」という発見があり、それが学習意欲を高める効果もある。
2023年の無料化——プレイヤー数が一気に爆発した転換点

リリースから約2年後の2023年7月13日、NARAKA: BLADEPOINTは基本プレイ無料(F2P)に移行した。同時にPS5版もリリースされ、Xbox Game Pass対応も進んでいた。
この決断は正解だった。
無料化した2023年7月、Steam同接は264,400人を記録し、史上最高値(当時)を更新した。翌月以降も高水準を維持し、「無料になったから試してみた」という層が一気に流入した。視聴者数も同月に310万時間を記録し、前月比804%の増加という驚異的な数字を叩き出した。
無料化を機に始めたけど、こんなゲームがあったのか……と衝撃を受けた。有料だったから敬遠していたのがもったいなかった。剣で戦うバトロワってこんなに面白いのか。
引用元:Steamレビュー
無料化に際して、既存の有料購入者には相応のボーナスコンテンツが提供された。課金した分の元を取れる内容で、「既存プレイヤーへの配慮が丁寧だった」と評価する声が多かった。有料ゲームの無料化はどうしても「既存プレイヤーを軽視している」という批判を受けやすいが、開発チームが誠実に対応した好例だ。
NieRコラボ——細部へのこだわりが話題に
2023年8月から10月にかけて、NieR(ニーア)シリーズとのコラボが実施された。
2BやA2、9S、ケインのコスチューム・武器スキンが実装され、キャラクターのフェイス・ヘアスタイル・武器の構え方まで忠実に再現。コラボ終了後に「ロボットの相棒ポッドがプレイヤーにお別れの手紙を送ってくる」という演出が話題になった。
一般的なゲームコラボはアイテムを実装して終わりになりがちだが、このポッドからの手紙という「物語の締め方」がNieRファン・NARAKAファン双方の心をつかんだ。「コラボの仕方が丁寧で感動した」という声が多く、コラボの質として業界内でも評価された。
その後もKOF(ザ・キング・オブ・ファイターズ)とのコラボ、大河原邦男氏(ガンダムや多数のSFメカデザインで著名)とのメカデザインコラボなど、意欲的なコラボが続いている。
さらなる記録更新——2024年7月に新ピーク
2024年7月にはSteam同接385,770人という新たなピークを記録した。2023年7月の264,400人をさらに上回る数字だ。基本無料化後も継続的にプレイヤーが増え、新コンテンツの追加が効果的に機能しているの証明だといえる。
ゲームモード——ソロからチームまで多彩な選択肢
NARAKA: BLADEPOINTには複数のゲームモードが用意されており、一人でも複数人でも楽しめる設計になっている。
バトルロイヤル(ソロ / デュオ / トリオ)
メインモード。60人(ソロ)または60人を2〜3人チームに分けた形式で、最後の1人/1チームを目指す。マップ上の安全区域は徐々に縮小し、「縮圈(ゾーン)」の外に出ると継続ダメージを受ける仕組みは他のバトルロイヤルと同じだ。
NARAKAには「試練(ソウル)」と呼ばれる独自のイベントがあり、試合中にフィールド上の特定ポイントで儀式を行うと強力なアイテムが入手できる。敵全員がそのポイントに集まりやすいため、「ここに行くべきか、無視すべきか」というハイリスクハイリターンな判断が求められる。この仕組みがゲームに独自のメリハリを生んでいる。
ランクマッチ
プレイヤーレベル20以上で解放されるランクモードで、勝敗に応じてランクポイントが増減する。ランク帯は下位から「銅」「銀」「金」「白金」「ダイヤ」「Immortal」「Eternal(エターナル)」と続く。
上位ランク(Immortal以上)では、同ランク帯のプレイヤーとのみマッチングするため、練度の高いプレイヤーと頻繁に対峙することになる。「上位プレイヤーの動きを見て学ぶ」という機会が多く、上達速度が加速する反面、中位ランクが壁になりやすいという側面もある。
ランクポイントはキル数と最終順位の両方から入手できる。「上位5人に残るだけでは1ポイントにしかならないが、5キルあれば順位が悪くても12ポイント取れる」というバランス設計で、消極的なプレイより積極的なキルを推奨する仕組みになっている。
Bloodbath(乱戦)
狭いフィールドで時間いっぱい戦い続けるモード。死んでも一定時間後に復活できるため、ランクマッチの緊張感なく「純粋に戦闘技術を磨く」ことができる。初心者が「とにかく戦闘に慣れたい」というときに最適なモードだ。「エンドレス試練」と並んで、初心者向け練習の場として活用されている。
Bloodbathでは「どの武器が自分に合うか」を探る場としても使いやすい。バトルロイヤル本番でいきなり未体験の武器を試すのはリスクが高いが、Bloodbathなら「今日は大刀だけで戦ってみよう」という実験ができる。プレイ時間に対してより多くの戦闘経験を積めるため、上達速度を上げたい人には積極的に活用してほしいモードだ。
Rift Traversal(霊境探索)
2024年以降に実装された新モードで、PvEダンジョン探索だ。ストーリー要素があり、南宋時代をテーマにしたマップで「双界の旅」と呼ばれるゲームプレイが特徴。バトルロイヤルとはまったく異なる遊び方ができ、「PvPが苦手だけどNARAKAの世界観は好き」というプレイヤーにも楽しめる設計だ。2026年のロードマップでは新ストーリーチャプター「River Runs Red」の実装も予定されている。
正直なネガティブ評価——課題と不満点

NARAKA: BLADEPOINTには明確な課題もある。忖度なく書いておく。
日本人プレイヤーが少なく、コミュニティが育ちにくい
プレイヤーの大半は中国・アジア圏で、日本語コミュニティは小さい。ボイスチャットで連携しようとしても外国語しか飛んでこない、攻略情報が日本語で少ない、一緒に練習する仲間を見つけにくい——という問題がある。
日本では流行っていないので、ノウハウを共有したり一緒に練習する仲間を見つけるのが難しい。海外勢と戦うのは楽しいが、コミュニケーションが取れないのが辛い。
引用元:OnlineGamer レビュー
ボイスチャットで外国語のコールアウトが飛んでくること自体は、Apex Legendsでも経験する人が多い。しかしNARAKAは特にアジア系プレイヤーが多く、中国語圏のコミュニケーションが主流になりがちだ。
学習コストが高い
三すくみシステム、各武器のコンボ、グラップリングフックの操作、ソウルジェイドのビルド——覚えることが多すぎて、最初の数時間は「何をしていいかわからない」という状態になりやすい。ApexやPUBGの「とりあえず撃てばいい」という感覚でプレイすると、ボコボコにされる。
公式チュートリアルは用意されているが、「三すくみを体感として理解する」までには実戦での繰り返しが必要で、入門の壁は決して低くない。「始めの数日が一番つらい」という声はSteamレビューでも一定数ある。
Throne and Libertyのような大型MMORPGも最初の学習コストが高いゲームだが、NARAKAの場合は「リアルタイムの対人戦で負け続ける」ストレスが加わるので、挫折しやすい時期がある。

チート・BOT問題
中国系のゲームでバトルロイヤルという組み合わせは、チーター問題と切り離せない。公式はチーター報告フォームを設けており、対策も継続的に行われているが、根絶には至っていない。
高ランク帯ではたまに動きがおかしいプレイヤーと遭遇する。初中級帯では気にならないことが多いが、上位を目指すと気になってくる。
引用元:Steamレビュー
また「BOTが多い」という指摘もある。序盤のマッチングにAIが含まれることがあり、「人間と戦っていると思ったらBOTだった」という体験が初心者のモチベーションを下げるケースがある。ただしこれは「初心者が実戦に慣れるための救済措置」とも解釈でき、一概に否定的ではない。
課金コスメの価格設定
ゲームプレイ自体は無料でできるが、衣装・スキン・エモートなどのコスメティックアイテムは比較的高価に設定されている。「有料ゲームだったのにガチャもあるの?」という批判は2021年のリリース時からあった問題で、無料化後も課金要素の多さを指摘する声はある。
ただし戦闘力に関係するアイテムは課金なしで全て入手可能という原則は守られており、「Pay to Win」ではない設計は一貫している。課金するかどうかは純粋に「見た目への投資」という位置づけだ。
Apex Legends・CS2との違い——NARAKAが埋める唯一の空白
NARAKA: BLADEPOINTが「Apex Legendsの対抗馬」と言われることがある。しかし実際には、競合するジャンルが異なる。
Apex Legendsは「移動と銃撃のスピード感」が核心で、レジェンドのアビリティはあくまで補助的な役割だ。撃ち合いの精度(エイム力)が最終的な勝敗を分ける、シューターゲームの延長線上にある。プレイヤーの技量差が「エイム」という単一の軸で測られやすい。

一方NARAKAは、銃はほぼ使わない。全ての駆け引きが「刀をいつ振るか」「強攻撃か受け流しか」という近接格闘の読み合いで行われる。エイム力より「反射神経と予測力」が問われるゲームだ。これは銃撃系シューターとは根本的に異なる能力セットを要求する。
CS2(Counter-Strike 2)との違いはさらに根本的だ。CS2は「止まって正確に撃つ」ことが原則のタクティカルシューターで、マップ構造の把握と経済管理が重要になる。NARAKAは「動き続けて近接格闘する」ゲームで、プレイ感が真逆と言っていい。

Call of Dutyシリーズに慣れたプレイヤーがNARAKAに来ると、「銃が弱すぎる」「近づかないと戦えない」という戸惑いを覚えることが多い。しかし逆に言えば、「格闘ゲームが好きだけどバトルロイヤルもやってみたい」という人にとって、NARAKAはほぼ唯一の選択肢だ。

Bless Unleashed(ブレスアンリーシュド)がMMORPGとして展開した「近接ファンタジー戦闘の気持ちよさ」を、NARAKAはバトルロイヤルというジャンルで実現した。アクション性の高い近接戦闘を求めるプレイヤーにとって、どちらも「銃で戦うゲームには興味がない」層を取り込もうとしたが、NARAKAはそれをバトルロイヤルという競技フォーマットで成功させた点が異なる。Bless Unleashed はMMORPGとしてのコミュニティ形成とクエスト・成長系コンテンツに力を入れてきた一方、NARAKAはPvP競技性とeスポーツシーンの構築に力を入れた。「どちらが好みか」はプレイスタイルによる部分が大きいが、バトルロイヤルという即興の競技形式を楽しみたいなら、NARAKAの方が向いている。

この「近接バトルロイヤル」というジャンル自体、2021年時点ではNARAKAが世界でほぼ唯一の本格的なタイトルだった。同ジャンルの競合が出てこない状況が続いており、「剣で戦うバトルロイヤルをやりたいならNARAKAしかない」という強みは2026年現在も変わっていない。ブルーオーシャンを独占している状況が5年以上続いているという事実は、このゲームのコンセプトがいかに強固かを示している。競合が現れるとすれば「NARAKAが作った市場」を狙う後発タイトルだが、先行者優位は大きい。
戦闘システムの深さ——「上達の実感」がやめられない理由

NARAKA: BLADEPOINTがリリースから5年経っても継続して支持されている理由の一つは、「上達の実感」が得やすいゲームデザインだ。
シューターゲームでは、エイム力の向上が最も重要なスキルになる。エイムは練習で伸びるが、才能差や機材差(ゲーミングマウスの性能など)も影響する。一方NARAKAの近接格闘では、「読み合いの予測精度」と「コンボの完遂率」が重要なスキルで、これらは純粋に「考え方」と「繰り返しの練習」で伸びる。
コンボの習得——武器ごとに異なる「型」を覚える
各武器には「コンボルート」があり、「弱攻撃2回→強攻撃でフィニッシュ」「弱攻撃でヒット確認→フォーカスアタックでキャンセル」などのパターンがある。これらは格闘ゲームの「技の連携」と同じ感覚で、練習すれば確実に手が覚える。
重要なのは「コンボの選択が状況依存」という点だ。相手がグラップリングで逃げようとしているならフックで追いかける、相手が強攻撃を予備動作中なら弱攻撃で割り込む——刻々と変わる状況に応じてコンボを変える判断力が、上位プレイヤーとの差を生む。
フォーカスアタック(受け流し)のタイミング
三すくみの核心にある「受け流し」は、タイミングがシビアな技だ。相手の攻撃の発生前に入力する必要があり、「目で見てから」反応するのは難しい。
「この相手はここで強攻撃を出してくる」という予測を、過去の経験から積み上げる必要がある。プレイヤーごとの「癖」を読む能力、武器ごとの「攻撃の出るタイミング」の知識——これらが積み重なると、読み合いの成功率が上がる。「今日は全然受け流しできなかったけど、昨日より読めるようになった」という成長の実感が、モチベーションを維持させる。
グラップリングの応用——移動から戦闘への変換
上級者のプレイを見ると、グラップリングが移動手段だけでなく戦闘技術として機能していることがわかる。「フックで飛んで急降下攻撃を当てる」「フックを途中でキャンセルしてフェイントを作る」「逃げるふりをしてカウンターポジションに移動する」といった使い方が、戦闘の幅を大幅に広げる。
この「グラップリングを戦闘に組み込む」技術は一朝一夕で身につくものではないが、身についたときの「やれることの広さ」は他のゲームでは得られない体験だ。
NARAKAはプレイすればするほど「まだこういう使い方があったのか」という発見がある。100時間やって、まだ上手い人を見ると学ぶことがある。それがたまらない。
引用元:Steamレビュー
初心者がNARAKAを始めるときのコツ
「無料だし試してみようか」と思った人向けに、つまずかないためのポイントをまとめておく。
まず「エンドレス試練」か「Bloodbath」で慣れる
いきなりバトルロイヤルに飛び込まず、まず練習モードで基本操作に慣れよう。「エンドレス試練」はゾーンが縮小せず、最初から紫武器が支給された状態でスタートする。グラップリングの感触と、近接コンボの基本を体に覚えさせるのに最適だ。
「Bloodbath」は死んでも復活できる乱戦モードで、純粋な戦闘練習に向いている。「負けても経験を積める」環境が精神的に楽で、ビルド環境がない分「戦闘の読み合い」だけに集中できる。
武器は1〜2種類に絞って深掘りする
最初から全武器を試しすぎると、どれも中途半端になる。まず「刀(ロングソード)」か「大刀(グレートソード)」のどちらかを選んで、そのコンボと三すくみの使い方を徹底的に練習することをおすすめする。この2種類は攻略情報も多く、初心者が上達しやすい武器として定評がある。
グラップリングは「逃げ」に使うことから覚える
攻撃的なグラップリング(空中から降下奇襲)は上級テクニックだ。最初は「やばいと思ったらすぐフックで逃げる」という生存優先の使い方から覚えると、余裕が生まれて他の技術も習得しやすくなる。
ヒーローはまず久留美(Kurumi)かTemulchから
久留美はトリオで「仲間を回復する」という明確な役割があり、自分の動きが下手でもチームに貢献できる。Temulchは「竜巻の壁で遠距離攻撃を防ぐ」というスキルが初心者の弱点(遠距離から一方的に削られること)を補ってくれる。どちらも初心者期のストレスを軽減してくれるヒーローだ。
eスポーツシーン——世界大会の賞金総額150万ドルの本格競技

NARAKA: BLADEPOINTのeスポーツシーンは、バトルロイヤルタイトルの中でも本格的な部類に入る。
J Cup(NARAKA: BLADEPOINT World Championship)は24 Entertainmentが主催する年次世界大会で、世界6地域から選ばれたソロ24名・トリオ24チームが賞金総額150万ドル(約2億2,500万円)をかけて争う。J Cup 2025は2025年11〜12月に開催され、世界トップクラスの戦いが繰り広げられた。
2025年にはさらに大きな舞台への進出が実現した。Esports World Cup Festival 2025でNARAKA: BLADEPOINTが採用され、MSC(Mid-Season Championship)がEWCフェスティバルで開催された。ソロ競技の賞金総額15万ドル、トリオ競技の賞金総額35万ドルで、Apexやヴァロラントが名を連ねるEWCにNARAKAが参加したことは、国際的な競技タイトルとしての認知が高まったことを意味する。
また、NBPL(Naraka Bladepoint Pro League)は2025年に本格始動したプロリーグで、年間を通じたグローバル競技シリーズとして機能している。地域リーグからの昇格システムがあり、アマチュアから世界大会への道が整備されている。
日本向けには「J Cup」という名称で国内大会も開催されており、日本人プレイヤーが世界舞台を目指せる仕組みが作られている。プロプレイヤーのプレイを見ると——グラップリングと近接格闘を組み合わせた動きが信じられないほど洗練されており、「こういう動きができるようになりたい」というモチベーションにつながる。
プロの試合を見たら、自分が今まで近接格闘を全然理解していなかったことに気づいた。グラップリングとコンボの組み合わせがあそこまで深いとは思っていなかった。
引用元:Steamコミュニティ
eスポーツシーンが存在することは、ゲームの長期的な運営継続を保証する要素でもある。大会が続く限り、開発チームはアップデートを止められない。その意味で、NARAKAのeスポーツ展開は「このゲームはまだ死んでいない」という証明でもある。
マップと世界観——武侠ファンタジーの美しい舞台
NARAKA: BLADEPOINTのフィールドは、単なる「試合の舞台」ではなく、世界観を語る重要な要素だ。
モルス島(Morus Isle)——メインマップ
太古に2柱の神が衝突した伝説の地。東洋風の古代都市廃墟、竹林、峰々に囲まれた山岳地帯、水上の建物など、中国・日本の武侠映画をベースにした景色が広がっている。ランドマークには「唐安城」「紫府宮」「天仁橋」など、東洋ファンタジーらしい固有名詞が付いており、それぞれ地形・アイテム出現率・戦闘の起きやすさが異なる。
人気の降下ポイントは戦闘が集中し、最序盤から激しい戦いになる。逆に端のエリアはアイテムが少ないが、序盤は安全に装備を整えられる。どこに降りるかの判断がバトルロイヤルとしての戦略性を生んでいる。
Holoroth——雪と廃墟の古代戦場
モルス島とは異なる雰囲気の、雪に覆われた廃墟マップ。遺跡の柱が立ち並ぶ壮大な景観で、高低差が大きく、グラップリングを活かした立体機動がより重要になる。
Perdoria——草原と砂漠の混合地帯
広大な草原地帯で、見通しが良い分だけ弓による遠距離戦が増えるマップ。近接主体のプレイスタイルより、遠距離を交えた戦略が有効な場面が増える。モルス島と比べると「オープンフィールドでの立ち回り」が問われる。
The Maelstrom——2025年実装の新マップ
2025年のシーズンアップデートで実装されたシャッフルマップ(ランダム要素が高いマップ)。「NARAKAのファーストシャッフルマップ」として発表されており、毎試合ごとに地形要素が変わるという実験的な設計だ。マップへの慣れが通用しにくく、より即興の判断力が試される。
フィールドの縮小とゾーン戦略
他のバトルロイヤルと同様、試合の経過とともに安全エリアが縮小する。ただしNARAKAのゾーンは比較的ゆっくり縮まり、移動より戦闘に時間を使える設計になっている。グラップリングがあるため、急いで移動する必要性が少ない——縮圈の外にいても、フックで瞬時に安全圏に戻れるからだ。
ゾーンが縮小する終盤は、高所争いと「誰が誰を狙うか」の駆け引きが激しくなる。最後の5〜10人になると、武者たちがそれぞれ牽制しながら「動いた者から狙われる」という緊張感のある膠着状態が生まれることもある。この「終盤の詰め将棋感」はNARAKAならではの体験だ。
2026年現在の状況——まだ遊べるのか?

結論から言うと、2026年現在もNARAKA: BLADEPOINTは普通に、そして十分楽しく遊べる。
2026年1月、開発チームが2026年ロードマップを公開した。新シーズン、新ヒーロー、新モード、そして「Naraka武侠ユニバース」として世界観を拡張するプランが発表された。2026年夏には中国の武侠小説家・古龍(グー・ロン)とのコラボ第3弾も予定されており、コンテンツ開発の意欲は衰えていない。
現在のプレイヤー数と快適性
Steam同接は平均29,000人前後(2026年時点)でも快適にマッチングできている。ピークの385,770人と比べると小さく見えるが、これでも世界規模のバトルロイヤルとして十分な数字だ。アジア圏のプレイヤー人口が厚いため、時間帯を選ばずマッチングできる。
始めるなら今でも全然遅くない。無料だし、新規プレイヤーへの救済として序盤はBOTとのマッチングも多い。慣れたら対人に出ていけばいい。
引用元:Steamレビュー
2025年12月には日本国内の公式大会「J Cup 2025」が盛況のうちに終了した。日本語コミュニティは小さいながらも、熱心なプレイヤー層が形成されており、Discordサーバーや攻略情報サイトも存在する。
2026年ロードマップの注目点
2026年のロードマップで特に注目されているのは「Naraka武侠ユニバース」の拡張だ。単なるゲームコンテンツの追加ではなく、ゲームの世界観を中心に「武侠アニメとの連携」や「新しいWuxiaストーリー」を展開する野心的なプランだ。
Rift Traversal(霊境探索)モードの新ストーリーチャプター「River Runs Red」も2026年内の実装が予定されており、PvEコンテンツへの本格的な投資が続いている。「バトルロイヤルだけじゃなく、NARAKAの世界観自体が好き」というプレイヤーにとって、嬉しい方向性の展開だ。
「今から始めるのは遅い?」という不安へ
NARAKAに限らず、長く続いているゲームに新しく参入するときは「今から始めても周りが強すぎて楽しめないのでは?」という不安がある。これはある程度事実で、ランク上位帯のプレイヤーは2021年からの経験者が多い。
ただし、NARAKAのマッチメイキングは序盤に新規プレイヤー同士をマッチングする仕組みがある。最初の数十時間は「同じくらいの練度のプレイヤーと戦う」機会が確保されているため、「最初から上級者にボコボコにされ続ける」という状況にはなりにくい。
無料になった今こそ始めるベストタイミング。課金ゼロで全ゲームモード遊べるし、最初はBOTも混じるから練習しやすい。1週間真剣にやれば、読み合いの感覚が少しずつわかってくる。
引用元:Steamレビュー
ただし「ランク上位を目指す」という目標でプレイするなら、高レベル帯の壁は覚悟が必要だ。上位にいるのは2021年からのベテランプレイヤーが多く、追いつくには相応の時間投資が必要になる。それでも「Immortalランクを目指して毎日少しずつ上達する」というゲームライフは、2026年現在でも十分成立する。
課金要素と収益モデル——Pay to Winは本当にないのか?
NARAKA: BLADEPOINTが基本無料になったとき、多くのプレイヤーが気にしたのが「課金でゲームが有利になるのでは?」という点だ。結論を先に言うと、戦闘力に関わるアイテムは全て無課金でも入手可能だ。
課金コンテンツは主に以下の3種類に分かれる。
コスメティック(外見アイテム)
衣装・武器スキン・エモート・プレイヤーカードなど、ゲームプレイに影響しない見た目系アイテム。これが課金の大部分を占める。品質は高く、特にコラボスキン(NieR、KOF、大河原邦男コラボなど)のクオリティはファンから高く評価されている。「スキン目的で課金したい」と思わせる出来栄えだ。
ヒーローの解放
新ヒーローは課金で即時解放するか、ゲーム内通貨「ドラゴンジェイド」を貯めてアンロックするかを選べる。ドラゴンジェイドはデイリークエストや試合報酬で入手でき、時間をかければ全ヒーローを無課金で解放できる。新ヒーローは強力なスキルを持つことが多いため、「課金した方が有利では?」という声もあるが、環境が落ち着くとバランスが取れるケースが多い。
バトルパス
シーズンごとに販売されるバトルパスは、プレイ報酬を増やす仕組みだ。バトルパスなしでも基本的な報酬は受け取れるが、パスを購入するとスキンや追加コンテンツが手に入りやすくなる。コスメ目的のコンテンツが中心で、戦闘力への影響はない。
正直なところ、「完全無課金でも勝てる」は事実だが、「課金者との見た目格差」は存在する。豪華な衣装を身にまとった相手と、デフォルトスキンの自分——という状況は起きる。ゲーム内での強さには関係ないが、視覚的なモチベーション差は少なからずある。
「勝つ」ためのお金は一切不要だが、「かっこよく見える」ためのお金は使えばキリがない——これがNARAKA: BLADEPOINTの課金構造だ。
まとめ——「銃なしのバトルロイヤル」を一度は体験する価値がある
NARAKA: BLADEPOINTは、バトルロイヤルというジャンルの「常識」を一つひっくり返した。
銃が主役ではない。グラップリングフックで空を飛ぶ。刀と槍で60人を倒し合う。三すくみの読み合いが勝敗を分ける——こういう体験を提供できるゲームは、2026年現在もNARAKAしかない。
改めて、このゲームの強みを整理する。
最大の強み:唯一性。「近接格闘バトルロイヤル」というジャンルでNARAKAに並ぶ競合タイトルは2026年時点で存在しない。「剣で戦うバトルロイヤルをやりたい」と思ったら、選択肢はNARAKAのみだ。
二番目の強み:上達の手応え。三すくみの読み合い、武器コンボの習熟、グラップリングの戦闘組み込み——どれも「繰り返しで伸びる」技術で、プレイ時間に比例して「できることが増えていく」実感がある。エイムゲームと違い「才能や機材の差」が結果を決めにくく、純粋な思考と経験の積み重ねが上達に直結する。
三番目の強み:ビジュアルクオリティ。東洋ファンタジーのグラフィックは美しく、コスメティックのデザインレベルが高い。「見ていて気持ちいい」ゲームだ。
課題としては、学習コストの高さ、日本語コミュニティの小ささ、そして中国系ゲームならではのチーター問題が続く。これらは「許容できるか」「許容できないか」でプレイを続けるかどうかが決まる部分だ。
学習コストについては、「最初の20〜30時間が一番つらい」という前提でプレイすることをおすすめする。その壁を越えると、三すくみの読み合いが体に馴染み、グラップリングが自然に使えるようになり、「もっとうまくなりたい」という気持ちが勝手に湧いてくる。この「20〜30時間の投資でゲームが急に面白くなる」という体験は、多くのSteamレビューで共通して語られている。「もう少し早く教えてほしかった」と感じる人が多いほど、乗り越えた後の体験が良いゲームだということでもある。
日本語コミュニティの小ささは、逆説的に「英語・中国語の情報に触れる機会が増える」という側面もある。攻略動画やガイドは英語・中国語に多く存在し、そちらを参照する習慣がつくと情報収集の幅が広がる。
最初の1週間でやめなかったことが正解だった。三すくみの感覚がわかってきた途端、急にゲームが面白くなった。あの「理解した瞬間」の気持ちよさは特別だった。
引用元:Steamレビュー
2026年現在のNARAKA: BLADEPOINTは、リリース時より洗練されたゲームになっている。新マップ、新モード、新ヒーロー、eスポーツシーンの充実——5年間のアップデートが積み重なった結果、ゲームとしての完成度は高い。
「Apexに飽きた」「格闘ゲームの読み合いがバトルロイヤルにあったら最高なのに」と思ったことがある人には、一度触れてほしいタイトルだ。今は基本無料なので、まずダウンロードするコストはゼロ。「つまらなければ消せばいい」というくらいの気軽さで試して、その刀の感触を確かめてほしい。
東洋ファンタジーの世界で、剣を振り回して60人を倒す——その体験は、他のどのゲームでもできない。グラップリングで空を舞い、三すくみを読んで一撃を決める。その瞬間の気持ちよさが、このゲームを5年間支え続けてきた。





NARAKA: BLADEPOINT
| 価格 | 基本無料 |
|---|---|
| 開発 | 24 Entertainment |
| 販売 | NetEase Games |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | マルチ |

