馬に乗って、草原を走っていた。夕焼けが西の空を焼いて、遠くのグリズリー山がオレンジ色のシルエットになった。BGMはなく、聞こえるのは馬の蹄の音と風の音だけ。気づいたら20分くらいそのまま走り続けていた。目的地なんて忘れていた。
Red Dead Redemption 2(以下RDR2)を初めてプレイしたとき、最初の数時間は正直に言って「何をすればいいのかわからない」状態だった。操作は重いし、馬は岩にぶつかるし、UIは見づらいし、チュートリアルの雪山パートはひたすら寒そうで窮屈だった。
でもチャプター2に入って世界が開けた瞬間——すべてが変わった。「このゲーム、とんでもないものだ」と。
Rockstar Gamesが8年の歳月と推定5億ドル以上の開発費を投じて作り上げた、1899年のアメリカ西部。約2,000人のスタッフが関わった巨大プロジェクトの成果物が、このゲームだ。累計販売本数は7,900万本を超え、Metacriticスコア97点。発売から7年以上が経った2026年4月現在でも、Steamの月間平均同時接続者数は約30,000人を維持し、2025年1月にはSteamセール中に過去最高の86,000人を記録した。
数字だけ見れば文句なしの名作。でも、Amazonのユーザー評価は3.6点、MetacriticのユーザースコアはPS4版7.6点、Xbox One版6.9点。メディアスコアとの明確な乖離がある。「神ゲー」と「クソゲー」の両方の声が出る理由も、実際にプレイするとよくわかる。
この記事では、RDR2のストーリーの魅力、オープンワールドの作り込み、やりこみ要素、Red Dead Onlineの現状、PC版の注意点、そして「操作性問題」の正体まで、全部正直に書いていく。広告案件じゃないので、忖度なしでいく。
「Red Dead Redemption 2」公式トレーラー
こんな人に読んでほしい

おすすめできる人
- ストーリー重視のゲームが好きな人——メインストーリーだけで60時間超。ゲーム史に残る脚本だと断言できる
- 世界観にどっぷり浸かりたい人——「ゲームの中で暮らす」体験を求めるなら、これ以上のタイトルは今のところ存在しない
- ウィッチャー3やスカイリムにハマった人——「気づいたら100時間経ってた」系の中毒性がある
- 西部劇やアウトロー映画が好きな人——ジャンゴ、許されざる者、明日に向って撃て。これらの映画が好きならドンピシャ
- 狩り、釣り、キャンプなどスローライフ的な遊びも好きな人——メインストーリーを完全に放置しても100時間遊べるやりこみがある
合わない人
- テンポの速いゲームが好きな人——移動も戦闘も会話も、すべてが「リアルな速度」で進む。このゲームに「サクサク」という概念はない
- 操作の快適さを最重要視する人——キャンプ内でダッシュ不可、ダッシュが連打式、UIが独特。ここに耐えられないと厳しい
- PCのスペックに余裕がない人——2026年現在でもかなりの高スペックを要求する。最高設定はRTX 4060〜4070クラスが欲しい
- オンラインメインで遊びたい人——Red Dead Onlineの大型アップデートは事実上終了している
- 短時間でクリアしたい人——メインストーリーだけで60時間、寄り道込みだと200時間超。「週末にサクッと」は無理
RDR2は「好き嫌いが分かれるゲーム」だと思われがちだけど、実態はちょっと違う。「最初の壁を越えられるかどうか」で評価が180度変わるゲームだ。壁の向こう側に辿り着いた人の多くが「人生で最高のゲーム体験だった」と言う。その壁が10時間前後にあるのが、このゲームの唯一にして最大の問題点だと思っている。
1899年のアメリカを「生きる」——これがオープンワールドの到達点

RDR2の舞台は1899年のアメリカ。西部開拓時代の末期、「フロンティア」が消滅しつつある時代だ。鉄道が延伸し、連邦政府の力が強まり、無法者(アウトロー)たちの居場所がどんどん狭まっていく。文明化の波が西部の荒野を飲み込んでいく——そういう時代の空気が、ゲーム全体に漂っている。
プレイヤーは主人公アーサー・モーガンとして、ダッチ・ファンデリンデ率いるギャング団の一員になる。ダッチギャングは約20人のメンバーで構成され、各地を転々としながら列車強盗や銀行強盗で生計を立てている。西部劇でいう「最後のアウトローたち」だ。
まず言いたいのは、このゲームの世界は本当に「生きている」ということ。これは比喩でも誇張でもない。
NPCは約1,200体が個別のスケジュールを持って生活している。朝に酒場に行くと店主が掃除をしていて、昼になると客がポツポツ入り始め、夜になると酔っ払いが喧嘩を始める。牧場主は朝から牛の世話をして、夕方に家に帰る。鍛冶屋は金属を叩き続け、火花を散らしている。全部が「そこにある日常」として動いている。
道端で困っている旅人を助けると、10時間後くらいに街で再会して「あのとき助けてもらった者です」と武器をプレゼントしてくれることがある。逆に、街で暴れまわると指名手配されて、賞金稼ぎが追いかけてくる。その賞金稼ぎにも名前とバックストーリーがある。
動物のAIも異常な作り込みだ。鹿は風向きを感知して逃げる。狼は群れで行動して連携攻撃を仕掛けてくる。鳥は種類ごとに飛び方が違う。馬には信頼度システムがあって、長く一緒にいるとパニックを起こしにくくなり、危険な場面でも踏ん張ってくれるようになる。ブラッシングや餌やりで絆が深まるし、名前をつけることもできる。多くのプレイヤーが「馬に感情移入した」と語っている。
もう何十時間やったかわからないけど、まだ知らないイベントに出くわす。このゲームの密度おかしいだろ
引用元:Steamレビュー
マップの広さは約75平方キロメートル。5つの架空の州にまたがる広大なエリアで、雪山(アンバリーノ)、大平原(ニューハノーバー)、南部の湿地帯(ルモワン)、砂漠(ニューオースティン)、都市部(サンドニ)など、ひとつのマップの中にまったく異なる風景と気候が共存している。
しかも、ただ広いだけじゃない。どこを切り取っても「そこにしかないもの」が配置されている。断崖の上にポツンと建つ小屋を覗いてみたら、そこに住んでいた人の日記が残っていて、悲しい物語が読み取れる。洞窟に入ったら予想外の深さで、奥に隠された宝と白骨死体を発見したり。廃墟の教会で幽霊に出会ったり。マップの端にある孤島に泳いで渡ったら、そこにも何かが用意されていたり。
天候システムもリアルで、雷雨が来ると地面がぬかるんで馬の速度が落ちる。吹雪の中では体力が削られていく。霧が出ると視界が悪くなって、崖から落ちそうになる。朝靄の湖畔で釣りをしているときの静けさは、ゲームであることを忘れるほどだ。
Rockstar Gamesの作り込みは「異常」としか表現しようがない。銃を撃った後に薬莢が地面に落ちてカランと音を立てる。吹雪の中で馬が白い息を吐く。雨に濡れた革のジャケットが光る。泥の上を歩くとブーツに泥がつく。アーサーの髭は時間経過でリアルタイムに伸びていく。こういう細部の積み重ねが、「ゲームをプレイしている」という意識を薄れさせて、「この世界にいる」という感覚を生み出している。
同じオープンワールドでも、ウィッチャー3が「物語を追いかける旅」だとしたら、RDR2は「その世界で暮らす体験」に近い。どちらも素晴らしい作品だけど、ベクトルが全然違う。
「グラフィック」ではなく「空気」を作るビジュアル
RDR2のグラフィックは、2018年発売のゲームとしては飛び抜けたクオリティだった。だが、本当にすごいのは「グラフィックが綺麗」ということではない。「空気が見える」ということだ。
朝靄のかかった湿地帯では、霧が地面すれすれを漂っている。夕方の大平原では、太陽が地平線に沈む瞬間にすべてが黄金色に染まる。吹雪の雪山では視界が白く潰れて、3メートル先すら見えなくなる。こういう「空気感」の表現が、RDR2を「ただ綺麗なゲーム」とは別次元に押し上げている。
Game Watchのレビューで「西部開拓時代にタイムスリップしたかのような体験」と評されていたが、大袈裟ではない。馬で野営地に戻る道すがら、オレンジ色の夕日を浴びながら「もうちょっとだけ走っていたい」と思う瞬間がある。目的地に着くのがもったいなくなる。これはスペック表で測れないタイプの美しさだ。
ライティングに関してはRDR2は今でも業界のベンチマークだと言われていて、後発のオープンワールドゲームが「RDR2レベルのグラフィック」を比較対象にされることが多い。2026年の新作と並べても見劣りしないのは、テクスチャの解像度ではなく「光と空気の表現」で勝負しているからだろう。

ウィッチャー3は「世界を旅しながら物語を体験するゲーム」として今でも多くのファンに愛されている。RDR2が「その世界に住む」ゲームだとすれば、ウィッチャー3は「その世界を旅するゲーム」だ。どちらも100時間級の時間泥棒であることに変わりはない。
アーサー・モーガンの物語——なぜ「ゲーム史に残る」と言われるのか
RDR2のストーリーは全6チャプター+エピローグ2部構成。メインストーリーだけで約60時間。サブクエストや探索を含めると100〜200時間は余裕で遊べる。
主人公のアーサー・モーガンは、13歳の頃にダッチ・ファンデリンデとホゼア・マシューズに拾われ、以来20年以上ギャングの一員として生きてきた男だ。ダッチを父親のように慕い、ギャングの「実働部隊」として誰よりも頼りにされている存在。冒頭では典型的な「荒くれ者」として描かれるんだけど、物語が進むにつれて、この男の内面がどんどん深く見えてくる。
序盤——馴染むまでの壁
チャプター1は雪山のコルターが舞台。ブラックウォーターでの仕事が失敗し、吹雪の中を逃げてきたダッチギャングが、山小屋で息を潜めている。ここは実質的にチュートリアルで、基本操作や戦闘の説明が中心。正直、テンポは遅い。「いつまで雪山にいるんだ」と思った人は多いはず。
チャプター2に入ると、ようやく世界が開放される。ハートランドオーバーフロー近くのホースシュー・オーバールックにキャンプを構え、自由に探索できるようになる。ここからが本番だ。ただし、チャプター2〜3あたりは「ギャングの日常」を描くパートで、物語の核心に触れるまでにはもう少し時間がかかる。
この「序盤の遅さ」が、RDR2の最大のハードルだと思う。10時間以上プレイしないと物語のエンジンがかからない設計は、現代のゲームとしては異例だ。
チャプター3後半——歯車が回り始める
チャプター3のクレメンス・ポイント以降、物語が加速する。ダッチのリーダーシップに綻びが見え始め、仲間内に不和が生まれる。サウスフィールド・フラッツでの一件、グレイ家とブレイスウェイト家の抗争に首を突っ込んだ結果、取り返しのつかない事態が起きる。
そして、中盤以降にアーサーの身に起きるある出来事が、物語全体の色を根本から変える。
後半——「死を意識した男」の物語
ネタバレになるので詳しくは書けないが、物語の折り返し地点でアーサーは自分の死を意識することになる。ここからがRDR2の真骨頂だ。
序盤では粗暴でどこか無関心だったアーサーが、残された時間の中で「自分は何のために生きてきたのか」に向き合い始める。かつて借金の取り立てで脅した家族を気にかけるようになったり、弱い立場にある人を助けることに意味を見出したり。ギャングのためではなく、自分の意志で「善い行い」を選ぶようになっていく。
プレイヤーの選択によってアーサーの「名誉値」(善悪の指標)が変動するシステムがあるんだけど、物語後半になるほど「善い行いをしたい」という気持ちが自然に芽生えてくる設計になっている。ゲームシステムと物語が完全に噛み合っている瞬間だ。
物語終盤、走馬灯のように流れるのはギャングとしての荒事の記憶ではなく、自分の意志で助けた人々の感謝の言葉だ。あるレビュアーが「ダッチギャングの中で誰よりも真っ当な人生を望んでいたのは、他でもないアーサーだったのかもしれない」と書いていたが、この解釈は的を射ていると思う。
ゲームでここまで泣いたの初めてかもしれない。アーサーの最後の旅路で走馬灯が流れるシーンは、プレイヤーとキャラクターが完全にシンクロする瞬間だった
引用元:noteユーザーレビュー
海外メディアの評価は圧倒的で、Metacriticスコア97点は歴代ゲームの中でもトップ5に入る。「史上最高のストーリーテリング」「真にユニークなゲーム体験」「この世代で最高の没入感」といった賛辞が並ぶ。ファミ通は「芸術的な完成度」と評しており、Game Watchのレビューでは「西部開拓時代にタイムスリップしたかのような体験」と書かれていた。単なる「ゲームのストーリー」の枠を超えた、文学作品や映画にも匹敵する表現力がここにある。
ただし、2018年のThe Game Awards(TGA)ではGOTY(Game of the Year)を逃している。受賞したのは「ゴッド・オブ・ウォー」。この結果は今でも議論が続いていて、「RDR2こそGOTYだった」という声は根強い。ゲーム業界にとって、2018年は名作が渋滞した年だった。
前作を知らなくても大丈夫
RDR2は時系列的に前作「Red Dead Redemption」(2010年発売)の前日譚にあたる。前作の主人公ジョン・マーストンも重要な役割で登場するが、RDR2単体でストーリーは完結しているので、前作未プレイでもまったく問題ない。
むしろRDR2をクリアしてから前作をプレイすると、ジョンの物語がさらに重く響く。「あの後、ジョンがどうなったのか」を知ることで、RDR2のエピローグの意味が深まる。2023年にPS4/Switch向けにリマスター版が発売されたので、今からプレイする環境は整っている。
仲間たちの物語
RDR2のストーリーを語る上で忘れてはいけないのが、ダッチギャングの仲間たちだ。約20人のメンバーにはそれぞれ独自のバックストーリーと個性がある。
リーダーのダッチ・ファンデリンデは、理想家であり扇動家。「自由のために戦う」というスローガンを掲げながら、次第にその判断がおかしくなっていく。プレイヤーの目には「この人、大丈夫なのか?」という疑念が少しずつ積もっていく。
知恵袋であるホゼア・マシューズ、荒くれ者のビル・ウィリアムソン、裏切り者のマイカ・ベル、若きジョン・マーストンとその家族。全員がそれぞれの立場で「時代の終わり」に向き合っている。キャンプでの何気ない会話、焚き火を囲んでの歌、喧嘩、和解。こういう日常の積み重ねが、クライマックスでの感情の爆発に繋がっている。
特にマイカ・ベルというキャラクターは、ゲーム史上でも屈指の「嫌われキャラ」だと思う。プレイヤーの間で「マイカだけは許さない」という声が今でも絶えない。それだけキャラクター造形が巧みだということだ。
「名誉システム」がプレイヤーを変えていく
RDR2にはアーサーの行動によって変化する「名誉システム」がある。善い行い(困っている人を助ける、捕らえた敵を見逃す、寄付をする)をすれば名誉値が上がり、悪い行い(無辜の市民を撃つ、強盗する、家畜を殺す)をすれば下がる。
名誉値はゲームプレイに実際に影響する。高名誉だと店の割引が大きくなったり、NPCの反応が好意的になったりする。低名誉だとデッドアイのゲージ回復が速くなるなど、戦闘面でのメリットがある。そしてエンディングにも影響する。
面白いのは、序盤では何も考えずに悪事を働いていたプレイヤーの多くが、物語の中盤以降に「善い行いをしたくなる」と口を揃えることだ。これはゲームシステムとしての報酬の問題ではなく、物語がプレイヤーの心を動かした結果だ。アーサーが変わっていくのと同じタイミングで、プレイヤー自身の選択も変わっていく。この「キャラクターとプレイヤーのシンクロ」が、RDR2のストーリーが特別だと言われる本質的な理由だと思う。
最初は賞金首を全部殺して金を稼いでたのに、後半は見逃してばかりだった。ゲームにここまで自分の行動を変えられたの初めて
引用元:Steamレビュー
エピローグ——「もうひとつの物語」
メインストーリーのクリア後に始まるエピローグは、2部構成で約10〜15時間のボリュームがある。主人公が交代し、全く異なるトーンの物語が展開される。ネタバレになるので詳細は書けないが、このエピローグ自体が独立した一本のゲームに匹敵する完成度だ。
エピローグでは「牧場経営」が大きなテーマになっていて、家を建てたり、牛の世話をしたり、柵を修理したりする。アウトローの物語の後に訪れるこの穏やかな日常が、プレイヤーに深い余韻を残す。「ああ、こういう生活がしたかったんだな」と。
前作をプレイ済みの人にとっては、エピローグの最後の展開で涙が止まらなくなるはず。時系列的に前作の直前に接続する構造になっているので、「この後にジョンに何が起きるか」を知っているかどうかで、エピローグの重みがまったく変わる。
「主人公の選択が物語を変える」タイプのRPGとして、RDR2の名誉システムとストーリーの連動は見事だ。ウィッチャー3も選択分岐型のストーリーが評価されているタイトルで、プレイヤーの判断がエンディングだけでなく世界の有り様を変えていく。どちらも「自分が選んだ結果」を受け止めさせる力のある作品だ。

狩り、釣り、サバイバル——メインストーリーを忘れるほどのやりこみ要素

RDR2を語る上で絶対に外せないのが、メインストーリー以外のコンテンツの充実度だ。はっきり言って、異常なレベルで作り込まれている。「メインストーリーそっちのけで50時間」なんて話は珍しくない。
狩猟——単なるミニゲームではない本気の狩りシステム
RDR2の狩りは「フィールドで動物を撃つ」だけの単純なものじゃない。一本のゲームとして成立するレベルの深さがある。
まず、動物には「品質」の概念がある。「最良」「良」「粗悪」の3段階で、毛皮を最良の状態で入手するには正しい武器と正しい部位への命中が求められる。例えば鹿を最良品質で仕留めるなら、ライフルで頭部か心臓を一撃で仕留める必要がある。ショットガンで胴体を撃つと毛皮がボロボロになって価値が下がるし、何発も撃ち込むとさらに品質が落ちる。
小動物(ウサギ、リスなど)にはヴァーミントライフルを使い、大型動物(バイソン、ムースなど)にはスプリングフィールドライフルを使い、弓矢なら矢の種類を使い分ける。「この動物にはどの武器がベストか」を考える楽しさがある。
風向きも重要だ。風上に立つと動物に匂いを感づかれて逃げられる。画面上のミニマップで風向きを確認しながら、風下からゆっくりと接近する。「イーグルアイ」というスキャンシステムで動物の足跡や糞、食い散らかした草などの痕跡を追跡できるんだけど、この追跡がハマると30分くらい平気で溶ける。ハンティングシミュレーターをやっているような感覚になる。
伝説の動物は全16種類。伝説のグリズリー、伝説のバイソン、伝説のムース、伝説のクーガーなど、それぞれ決まった場所に出現条件がある。伝説の動物の素材は「罠師」というNPCに持っていくと、世界にひとつだけのユニークな衣装や帽子に加工してもらえる。伝説のグリズリーの頭を帽子として被れるようになったときの達成感は格別だ。コンプリートを目指すと数十時間は余裕でかかる。
狩りで得た素材は多目的に使える。肉は焚き火で調理して回復アイテムにできるし(調理方法で効果が変わる)、毛皮はキャンプのピアソンに渡すとキャンプの設備を改善してくれるし、街の肉屋に売れば金にもなる。この「狩り→素材→加工」のループがしっかり経済システムと結びついている。
釣り——朝靄の湖畔で過ごす贅沢な時間
釣りはチャプター2のミッション「人間をとる漁師」で解放される。チャプター2の序盤なので、比較的早い段階で遊べるようになる。
全15種類の伝説の魚がマップ各所の特定の水域に生息していて、それぞれ専用の餌やルアーが必要になる。天候や時間帯で釣れる魚の種類が変わるのもリアルで、「朝に川で鱒を狙う」「夜に湖でナマズを釣る」みたいな使い分けがある。
釣りのメカニクス自体もよくできていて、リールを巻くタイミング、竿を倒す角度、魚が暴れたときの対応——純粋に「釣りゲーム」として楽しめるレベルの完成度がある。大物がかかったときの引きの強さは本当にテンションが上がる。
15種類の伝説の魚をすべて釣り上げると特別な報酬が得られるんだけど、中には「この魚どうやって釣るんだ」と数時間格闘するものもあって、やりこみ派にはたまらないコンテンツだ。
キャンプ——ダッチギャングの「家」
ダッチギャングの拠点であるキャンプは、RDR2のもうひとつの「ホーム」だ。物語の進行に合わせてキャンプの場所は移動するが、いずれの場所でも仲間たちがそれぞれの生活を営んでいる。
話しかけると日によって違う会話が発生し、物語の進行に応じて話す内容が変わる。狩りで得た食料を提供するとキャンプ全体の士気が上がり、資金を寄付すると設備がアップグレードされていく。薬箱の補充ができるようになったり、ファストトラベル用のマップが使えるようになったり。
夜になるとキャンプファイヤーの周りで仲間たちが歌い出す。ギターを弾くハビア、口笛を吹くショーン。アーサーもリクエストすれば一緒に歌える。おでん屋のピアソンとの掛け合い、スーザンの小言、ジャックへの絵本の読み聞かせ。このシーンを見るためだけにキャンプに帰りたくなる——そういう感覚がある。
キャンプの仲間は物語が進むにつれて状況が変化していく。その変化を見届けるのも、RDR2をプレイする大きなモチベーションの一つだ。
ストーリーそっちのけで狩りと釣りばっかりやってたら50時間経ってた。メインクエスト全然進んでないのに充実してる。このゲーム怖い
引用元:Steamレビュー
その他のやりこみ要素
戦闘——デッドアイと西部劇の銃撃戦
RDR2の戦闘は、一言で言うと「映画の銃撃戦を自分で体験する」感覚だ。カバーシステム(遮蔽物に隠れて撃つ)を軸にした三人称シューターで、リボルバー、リピーターライフル、ショットガン、スナイパーライフル、弓など多彩な武器を使い分ける。
最大の特徴は「デッドアイ」システム。発動すると時間がスローモーションになり、敵の急所を冷静に狙える。レベルが上がると、スローモーション中に自分でターゲットをマーキングしてから一斉射撃する——というまさに西部劇の早撃ち決闘を体現した演出になる。6人の敵に囲まれた状態からデッドアイを発動し、全員の頭を順番にマーキングしてから一気に撃ち抜く。これが決まったときの爽快感は、他のシューターでは味わえない種類のものだ。
武器にはメンテナンスの概念があって、使い続けると性能が劣化する。ガンオイルを塗って手入れをすると性能が回復する。この手入れのモーション自体がまた丁寧に作られていて、「自分の武器を大事にする」という感覚が生まれる。武器ごとにカスタマイズも可能で、銃床の素材、彫刻、金属の色などを変えられる。お気に入りのリボルバーを自分だけの一丁に仕上げる楽しみもある。
戦闘の難易度は控えめで、デッドアイを使えば苦戦する場面は少ない。「死にゲー」的な緊張感を求める人には物足りないかもしれないが、RDR2の戦闘は「勝つか負けるか」ではなく「いかにカッコよく決めるか」を楽しむものだと思った方がいい。
その他のやりこみ要素
他にもやりこみ要素は山ほどある。ポーカー、ブラックジャック、ファイブフィンガーフィレット、ドミノなどのミニゲーム。動物図鑑のコンプリート(178種類の動物をすべて発見・記録する)。チャレンジ達成(射撃手、ハーバリスト、ギャンブラーなど9カテゴリ各10段階)。見知らぬ人イベント(ランダムエンカウント)は100件以上。
恐竜の骨を発見するサブクエスト、石刻彫刻を探すサブクエスト、各地に隠された宝の地図を辿る宝探し。どれもメインストーリーとは独立した「別のゲーム」と呼べるほどのボリュームがある。
個人的に印象に残っているのは「見知らぬ人」シリーズだ。マップ上にアイコンとして表示されるものもあるが、多くはただ歩いていたら偶然出会うタイプのイベント。道端で蛇に噛まれて倒れている男を助けると、後日サンドニの街で再会して銃をプレゼントしてくれたり。逆に、助けた相手が実は罠を仕掛けた盗賊で、持ち物を奪われたりもする。「この世界では何が起きるかわからない」という緊張感と期待感が、探索のモチベーションを持続させている。
RDR2は「メインストーリーのためのサブコンテンツ」ではなく、「サブコンテンツそのものが一本のゲームになりうる密度」で作られている。100%クリアを目指すなら200時間以上は覚悟した方がいい。そしてそれでも、まだ見ていないイベントが残っているかもしれない。
Fallout76も荒廃したアメリカを舞台にしたサバイバル要素の強いオープンワールドで、キャンプ建設や素材収集などスローライフ的な楽しみ方ができるタイトルだ。RDR2の「世界の中で暮らしながら生きる」感覚が好きなら、方向性は違うけどハマる可能性がある。

Red Dead Onlineの現状——大型アプデは終了したが、世界はまだ生きている
RDR2にはマルチプレイモード「Red Dead Online(レッド・デッド・オンライン)」が搭載されている。2018年11月にベータ版としてスタートし、2020年12月にはスタンドアロン版(RDR2本体を持っていなくても単体購入で遊べるバージョン)もリリースされた。
で、ここは正直に書く。Red Dead Onlineは2026年現在、事実上のメンテナンスモードだ。
何が起きたのか——大型アプデ終了の経緯
2022年7月、Rockstar Gamesは「Red Dead Onlineの大規模なテーマ性のあるコンテンツアップデートを終了する」と公式に発表した。理由は明言されていないが、GTA6の開発とGTA Onlineの運営にリソースを集中させるためだと広く解釈されている。
この発表に先立つ2022年1月の時点で、既にアップデート頻度の低下に不満を持つプレイヤーたちが「#SaveRedDeadOnline」をSNSで展開して大規模な抗議を行っていた。AUTOMATONの報道によると、コンテンツ追加が少ないことへのフラストレーションは長期間にわたって蓄積されていた。
公式発表後、ファンコミュニティの呼びかけでゲーム内葬儀イベントが開催され、大勢のプレイヤーが黒い服を着てキャラクターを弔うという異例の光景が生まれた。NME Japan Gamingも「プレイヤーたちがゲーム内葬儀で抗議」と報じていた。これはRed Dead Onlineというコンテンツへの愛情がいかに深かったかを象徴するエピソードだ。
その後も最低限のサポートは継続されていて、2023年には8件ほどの月間イベントが追加された。2023年8月の「Rough Justice」というテレグラムミッション、2025年7月には「Tales of the West Volume 1」という新ミッションも配信されている。完全にサーバーが停止しているわけではないが、GTA Onlineのような大規模アップデートはもう来ないのが現実だ。
それでも遊ぶ価値はあるのか
結論から言うと、フレンドと一緒にRDR2の世界を楽しみたいなら、今でも十分に遊べる。
Red Dead Onlineには5つの「役割」がある。賞金�kind人(指名手配犯を追うバウンティハンター)、放浪商人(狩猟と素材売買で稼ぐトレーダー)、収集家(各地のアイテムを収集して売るコレクター)、密造酒製造者(ムーンシャイナー)、自然研究家(動物の研究と保護に取り組むナチュラリスト)。これらの役割ごとに専用のミッション、スキルツリー、報酬が用意されていて、全部を最大レベルまで上げるだけでも数十時間はかかる。
ストーリーミッション、伝説の動物の狩猟、ムーンシャイナーの事業拡大、各地のアウトロー拠点の制圧。RDR2の美しい世界をフレンドと馬で駆け回るだけでも楽しいし、ランダムイベントに遭遇する面白さもある。ソロでもNPC主導のミッションは十分に遊べる。
RDOはコンテンツ的にはもう止まってるけど、景色見ながら友達と馬で走ってるだけで楽しいんだよな。こういう体験は他のゲームじゃできない
引用元:Steamコミュニティ
ただし、「長期的にハマりたい」「新しいコンテンツがどんどん追加されるのを期待したい」という人には正直おすすめしづらい。GTA Onlineと比較すると、運営への力の入れ方に明確な差がある。既存コンテンツを一通り遊び尽くしたら、次に遊ぶものがなくなるのは事実だ。もしオンラインで長期的に遊べるオープンワールドを探しているなら、Fallout76の方がアップデート頻度やコミュニティの活発さでは上かもしれない。
あくまで「RDR2のオンライン版」として、シングルプレイの延長線上で楽しむ——そういう向き合い方がベストだと思う。「オンラインゲームに期待するもの」をフルセットで求めると、どうしても物足りなさが残る。
ちなみに、Red Dead Onlineでしか体験できない要素として「ムーンシャイナー」のストーリーミッションはなかなか出来がいい。密造酒の製造所を運営しながら、フランスからやって来た謎のマダムの依頼をこなすストーリーで、RDR2本編とは雰囲気の違うユーモラスな展開がある。これだけでも10時間くらい遊べる。
Red Dead Onlineの大型アプデ終了は残念だったが、Rockstar Gamesの次回作であるGTA6がリリースされれば、その後にRDR2のリマスター版や次世代機対応が発表される可能性もゼロではない。ファンの間では「RDR2のPS5/次世代PC向けアップグレード」への期待が根強く、GameRantなどの海外メディアでも定期的に取り上げられている。
PC版の注意点と魅力——美しさの代償と、それを上回るメリット

RDR2のPC版は2019年11月5日にリリースされた。コンソール版(PS4/Xbox One)から約1年遅れだったが、PC版ならではの大きなメリットがある。4K解像度以上の対応、HDR対応、高フレームレート、グラフィック設定の細かなカスタマイズ、MODサポート(非公式)。最高設定で動かしたRDR2のビジュアルは、2026年現在でもオープンワールドゲームの中でトップクラスだ。
ただし、PC版にはいくつかの注意点がある。これから始める人は知っておいた方がいい。
要求スペックが高い——2026年でも「重い」ゲーム
RDR2は発売当初から「PCに優しくないゲーム」として有名だった。GIGAZINEが発売直後に実施したベンチマークテストでは、当時15万円以上のハイエンドGPUでも最高設定+最大解像度で安定60fpsを出すのが困難だったと報告されている。
2026年の基準で言えば、以下が目安になる。
- 最低限プレイ可能:GTX 1060 / RX 580クラス、RAM 8GB。低設定で30〜40fps程度
- 快適にプレイ:RTX 3060 / RX 6600 XTクラス、RAM 16GB。中〜高設定で50〜60fps
- 最高設定で60fps安定:RTX 4060〜4070クラス、RAM 16GB以上。グラフィック設定の最適化も必要
- 4K最高設定:RTX 4080以上。ここまで来るとストレスフリー
特にMSAA(マルチサンプルアンチエイリアシング)は負荷が極端に高い。MSAAをTAA(テンポラルアンチエイリアシング)に切り替えるだけで、画質を大きく落とさずにフレームレートを10〜20fps改善できる。V-SYNC(垂直同期)もオフ推奨。水面の反射品質、照明品質、粒子品質あたりを「高」から「中」に下げるだけでも体感は大きく変わる。
デフォルト設定のまま起動して「重い」と感じてそのまま投げてしまう人が一定数いるが、グラフィック設定を詰めればミドルクラスのPCでも十分快適に遊べる。設定の最適化は面倒だけど、やる価値は間違いなくある。
グラフィック設定を詰めればミドルスペックでも快適に遊べるけど、デフォルト設定のまま起動して「重い」って投げる人が多い気がする。最適化は必須だけど、やれば別世界
引用元:Steamレビュー
Rockstar Games Launcherの問題
PC版RDR2をプレイするには、SteamとRockstar Games Launcher(ロックスターの専用ランチャー)の二重起動が必要になる。ここが曲者だ。
発売当初から「Rockstar Games Launcherが起動しない」「ランチャーがクラッシュしてゲームが起動できない」「The Rockstar Games Launcher failed to initialize」というエラーが頻発し、PC版のローンチはかなり荒れた。AUTOMATONが「技術的なトラブル発生、Rockstar Gamesは連日対応中」と報じたほどだ。
2026年現在ではかなり安定しているものの、Windows 11の特定バージョンとの互換性問題や、アンチウイルスソフトとの干渉で起動できないケースがまだ報告されている。Microsoftの公式サポートでは「Windows 11 22H2以降へのアップデート」が推奨されていた。
起動できない場合の対処法として知られているもの:
- アンチウイルスソフトの除外リストにRDR2のインストールフォルダを追加する
- グラフィックドライバを最新版に更新する
- Steamの「ゲームファイルの整合性を確認」を実行する
- 起動オプションに「-sgadriver=d3d12」を追加してDirectX 12モードで起動する
- OneDriveの同期フォルダとの競合がある場合、同期設定を見直す
ランチャー二重起動問題はRockstar Games製品の宿命みたいなところがあって、GTA5でも同様の声が多かった。「Steam単体で起動させてくれ」はPC版プレイヤーの永遠の願いだと思う。ただ、一度起動してしまえばゲーム中のパフォーマンスは安定しているので、最初のハードルさえ越えれば問題ない。
PC版ならではのメリット
問題点ばかり書いたので、PC版のメリットもしっかり伝えておきたい。
まずMOD。RDR2は公式にMODをサポートしているわけではないが、シングルプレイ向けのMODコミュニティは活発だ。グラフィックをさらに美しくするReshadeプリセット、リアリズムを追求するゲームプレイ変更MOD、NPCの挙動を改善するMOD、コンソール版では不可能な操作性の改善MOD。「RDR2を自分好みにカスタマイズして遊び直す」という楽しみ方は、PC版だけの特権だ。
次にフォトモード。PC版の高解像度環境で撮影するRDR2のスクリーンショットは、本当に写真と見分けがつかないレベルの出来栄えになる。Steamコミュニティのスクリーンショットセクションにはプロカメラマン顔負けの作品が並んでいて、「このゲーム、撮影するためだけに起動する日がある」というプレイヤーも少なくない。4K+ウルトラワイドで撮影された夕焼けの大平原は、デスクトップの壁紙にしたくなる美しさだ。
そしてマウス+キーボード操作。コントローラーではオートエイム(ロックオン)に頼ることが多い射撃だが、マウス操作ならエイムの自由度が格段に上がる。デッドアイ中に自分で狙いをつけてヘッドショットを決める快感は、マウス操作ならではのもの。シューターに慣れている人には、こちらの方が肌に合うかもしれない。
ストレージ容量は約150GBが必要。SSDへのインストールが強く推奨される(HDDだとロード時間が体感2〜3倍になる場面がある)。150GBというのは最近のAAAタイトルとしてはそこまで突出してはいないが、他のゲームとの共存を考えると、500GB以上のSSDを用意しておきたいところだ。
PC版とコンソール版、どちらで遊ぶべきか
2026年現在、RDR2はPC(Steam/Epic)、PS4、PS5(後方互換)、Xbox One、Xbox Series X|S(後方互換)で遊べる。どの環境が最適かは人によるが、いくつかポイントを整理しておく。
PC版の強みは、グラフィック品質の上限が高いこと、MODが使えること、マウス操作が可能なこと。弱みは、要求スペックの高さとランチャー問題。コンソール版の強みは、起動の安定性と手軽さ。特にPS5やXbox Series Xの後方互換では、オリジナルのPS4版よりも読み込みが速く、フレームレートも安定する。
「設定を詰めるのが面倒」「とにかく安定した環境で遊びたい」ならコンソール版。「最高のビジュアルで遊びたい」「MODやフォトモードを楽しみたい」「マウスで射撃したい」ならPC版。どちらを選んでも、RDR2の体験の核心——アーサーの物語と世界の作り込み——は変わらないので、自分の環境に合った方を選べばいい。
操作性問題の正体——「不便」は「没入」の代償か
ここまで読んで気になっている人も多いと思うので、RDR2最大の賛否両論ポイントについてちゃんと書く。
RDR2のSteamレビューは94%が好評という数字の裏に、Metacriticのユーザースコア7.6点、Amazonの3.6点という別の数字がある。メディアスコア97点との乖離は明らかだ。そして、この乖離のほぼすべてが「操作性」に起因している。
アーサーの動きは重い。走り出すまでにワンテンポあるし、止まるときも慣性がかかる。方向転換にも一瞬のラグがある。棚から物を取るモーション、馬に乗り降りするモーション、動物の皮を剥ぐモーション、武器を整備するモーション——すべてが「リアルな速度」で再生される。スキップできないものも多い。
操作性悪すぎ、動きモッサリ、字幕追うのキツ過ぎ。これに満点は絶対「無い」
引用元:ゲームレビューサイト
具体的に何が問題として指摘されているか、リストアップしてみる。
- キャンプ内でダッシュできない——拠点を歩いて移動するのが地味にストレス
- ダッシュがボタン連打式——スティック倒しっぱなしでは走れない。ボタンを連打し続ける必要がある
- アイテムホイールのUI——武器や薬品の切り替えが煩わしく、目的のものを選ぶのに手間取る
- 馬の操作——木や岩にぶつかりやすい。序盤は特に言うことを聞いてくれない
- ルーティング(物品漁り)が一つずつ——引き出しを開けて→一つ取って→閉めて→次の引き出しを開けて、の繰り返し
- 皮剥ぎなどの長いアニメーション——毎回同じモーションを見ることになる
- NPCとの会話開始がワンクッション——L2で注目してからボタンを押す必要がある
これだけ列挙すると「マジでクソゲーじゃん」と思うかもしれない。実際、ここで脱落する人は少なくない。チャプター2の序盤あたりで「もう無理」と投げた人のレビューが、低評価の大部分を占めている印象がある。
でも、ここからが重要なんだけど——この「不便さ」はバグでも手抜きでもなく、Rockstar Gamesが意図的にデザインしたものだ。
あるレビュアーが「制作側がこだわりたいと思ったものをとことん突き詰めているために、遊びやすさを意図的に犠牲にしている節がある」と書いていたが、これは核心を突いている。RDR2は「快適にゲームをプレイする」体験ではなく、「1899年のアメリカ西部で生きる」体験を作ろうとしている。その目標のために、現代のゲームデザインの常識を意図的に無視している。
馬の乗り降りが遅いからこそ、馬に乗って走る時間に価値が生まれる。皮を剥ぐモーションが長いからこそ、命を奪うという行為の重みを感じる。キャンプでダッシュできないからこそ、仲間の横を通り過ぎるときに自然と会話が耳に入ってくる。ルーティングがゆっくりだからこそ、「この家に住んでいた人はどんな生活をしていたんだろう」と想像する余地が生まれる。
これは「慣れれば気にならなくなる」というレベルを超えて、「慣れた後にはむしろ必要なものだと感じるようになる」設計だ。10時間を超えたあたりから、あの「もっさり」がこの世界のリアリティを支えていることに気づく。少なくとも、自分はそうだった。
ただ、だからといって「最初のストレスを我慢しろ」と言い切るのも違う気がする。10時間はゲームとして長い。もう少し序盤の操作感をスムーズにしつつ、後半で「リアルな速度」に移行する設計ならば、もっと多くの人がこの名作にたどり着けたのにと思う。Rockstar Gamesの「こだわり」と、プレイヤーの「快適さ」のバランスは、RDR2が唯一達成できなかった課題だと思っている。
操作感のクセが強いゲームという点では、ドラゴンズドグマ2にも通じるところがある。あちらもポーンAIの挙動や独特のシステムに賛否が分かれたタイトルだが、「慣れた先に広がる体験が唯一無二」という意味ではRDR2と共通している。

Hogwarts Legacyもオープンワールドで「世界に浸る」体験ができるタイトルだ。あちらはRDR2ほど操作にクセがないぶん、間口は広い。ホグワーツの校内を歩き回っているだけで時間が溶ける感覚は、RDR2の荒野を馬で走る楽しさに通じる。

「日本と海外で評価が割れる」理由
RDR2の評価を語る上で避けて通れないのが、「日本での評価が海外より低い」という現象だ。Metacriticのメディアスコア97点に対して、日本のAmazonレビューは星3.6前後。海外でも批評家とユーザーの間に乖離があるが、日本ではそれがさらに大きい。
理由はいくつか考えられる。まず「操作性への許容度の違い」。日本のゲーム文化では、操作のレスポンスの良さが重視される傾向がある。マリオやモンスターハンターに代表される「手触りの良い操作」に慣れたプレイヤーにとって、RDR2の「もっさり」は受け入れがたいストレスだったのだろう。
次に「テンポ感への期待の違い」。日本のRPGは物語をテンポよく進めていく設計が多い。RDR2のように「10時間遊んでようやく面白くなる」という構造は、ポジティブに受け取ってもらいにくい。
そして「西部劇への親しみの差」。アメリカでは西部劇は国民的なジャンルであり、カウボーイ文化への郷愁やロマンがベースにある。日本ではそのバックグラウンドが薄いぶん、世界観への没入にワンクッション必要になる。
ただし、これらは「日本人にはRDR2が合わない」ということではない。実際に日本でも熱狂的なファンは大勢いるし、「人生で一番のゲーム」と語る日本人プレイヤーも少なくない。あくまで「評価のレンジが広くなりやすい」という傾向の話だ。
神ゲーかクソゲーかで言えば「スゲェ」。面白いかつまらないかで聞かれても「スゲェ」としか答えられない。評価軸そのものが壊れるゲーム
引用元:ゲームレビューブログ
これから始める人へのアドバイス
ここまで読んで「やってみようかな」と思った人向けに、プレイ前に知っておくと楽になるポイントをまとめておく。
序盤の雪山パートは「チュートリアル」と割り切る。チャプター1は雪山のコルターが舞台で、移動が遅く、できることも限られている。「なんだこのゲーム」と思うのは正常な反応だ。チャプター2に入った瞬間にゲームの印象が一変するので、最初の2〜3時間は「まだ始まってない」と思ってほしい。
馬は最初から大事にする。馬は単なる移動手段じゃない。ブラッシングや餌やりを通じて絆を深めると、操作性が向上し、戦闘中にパニックを起こしにくくなる。序盤から一頭の馬を大事に育てると、ゲーム中盤以降の体験が大きく変わる。馬の名前をつけることもできるので、愛着が湧く。
デッドアイを出し惜しみしない。スローモーション射撃の「デッドアイ」は、RDR2の戦闘の核となるシステム。序盤はゲージが少なくて温存したくなるが、戦闘では積極的に使った方がいい。タバコやお酒、肉料理でゲージは回復できるし、レベルが上がれば自分で狙う場所を指定できるようになる。
オートセーブに頼りすぎない。RDR2にはオートセーブ機能があるが、セーブのタイミングが微妙なことがある。伝説の動物を仕留めた後や、良い結果が出たサブイベントの後は、こまめに手動セーブしておくのが安全だ。
寄り道を恐れない。メインストーリーの黄色いマーカーだけを追っていると、RDR2の本当の魅力の半分も味わえない。マップ上のアイコンが少ない場所にこそ、印象的なランダムイベントや隠された発見がある。目的地に向かう途中で気になる場所があったら、迷わず寄り道してほしい。大抵の場合、寄り道の方が面白い。
グラフィック設定は最初に調整する(PC版)。デフォルト設定のままだと多くのPCで重くなる。MSAA→TAAへの変更、V-SYNCオフ、テクスチャ品質の調整だけでもフレームレートが大幅に改善される。最初に10分かけて設定を詰めるだけで、その後の数十時間が快適になる。
まとめ——7,900万本が証明する「不便だけど、忘れられないゲーム」
RDR2は万人に手放しでおすすめできるゲームではない。操作は重いし、テンポは遅いし、PC版は要求スペックが高いし、Red Dead Onlineの将来性はほぼない。序盤の10時間は「このゲーム面白いのか?」と疑いながらプレイすることになるかもしれない。
でも、この「不便さ」こそがRDR2の核心だと、プレイすればするほど思う。
馬の乗り降りが遅いからこそ、馬に乗って走る時間に価値が生まれる。皮を剥ぐモーションが長いからこそ、狩猟という行為の重みを感じる。キャンプでダッシュできないからこそ、仲間の歌声に耳を傾ける時間ができる。RDR2は「効率」を捨てて「体験」を取ったゲームだ。それが合う人にとっては、間違いなく人生最高のゲーム体験になる。
アーサー・モーガンの物語は、ゲーム史に残る名作ストーリーだと断言できる。チャプター3以降の怒涛の展開、死を意識した男の変化、最後の瞬間に流れる走馬灯。プレイしたことがある人なら全員が「あのシーン」を語れるほど強烈なのだ。累計7,900万本、Metacritic97点、発売8年目にしてSteam同接3万人。どの数字を取っても、このゲームの実力を裏付けている。
今更RDR2始めたけど、なんでもっと早くやらなかったんだろう。ストーリーがここまで心に残るゲーム久しぶりだった。やっぱ名作は色褪せないんだな
引用元:Twitter
発売から7年以上が経った2026年4月、RDR2はまだセールのたびにSteamのトップ10に顔を出し、新規プレイヤーを獲得し続けている。2025年1月のSteamセールで過去最高同接86,000人を記録したという事実が、このゲームの「旬が終わらない」強さを象徴している。
もし「興味はあるけど操作が重いって聞いて迷ってる」という人がいたら、一つだけ伝えたい。チャプター3まで、なんとか続けてみてほしい。あの世界の住人になった感覚、アーサーの旅路に心を寄せる体験は、他のどのゲームでも味わえないものだから。
RDR2の「世界そのものの密度」で感動した人なら、重厚なストーリーを軸にしたRPGとしてDragon Age: The Veilguardも選択肢に入る。BioWareが手がける選択分岐型の物語は、RDR2のアーサーの旅路とはまた違ったベクトルで心に刺さる。仲間との関係性を軸にしたドラマが好きなら、こちらもおすすめだ。

RDR2と同じく「発売から年数が経っても愛され続けるオープンワールドゲーム」という点では、Fallout76も近いポジションにいる。あちらはポストアポカリプスの世界で、最初はバグまみれで酷評されたが、長年のアップデートを経て今では「やっと面白くなった」と再評価されている。「時間をかけて化けるゲーム」という意味では、RDR2の「最初の10時間の壁」と通じるものがあるかもしれない。
2026年になっても、「最高のオープンワールドゲームは何か」という問いに対して、RDR2は最も有力な答えの一つであり続けている。GTA6の発売が近づくにつれて「Rockstar Gamesの前作」としてRDR2に再び注目が集まる可能性も高い。実際、2025年のSteamセールで過去最高同接を更新したのは、GTA6への期待からRockstar Games作品を改めて遊ぼうとする層が増えたことも一因だと見られている。
7年前のゲームが今なお現役で戦えているという事実。それ自体が、Rockstar Gamesが8年間の歳月と5億ドルの開発費を注ぎ込んだ価値を証明している。RDR2は「不便だけど忘れられないゲーム」であり、「一度ハマったら二度と抜け出せないゲーム」でもある。アーサー・モーガンの旅路は、あなたの記憶に一生残るものになるはずだ。
Red Dead Redemption 2
| 価格 | ¥8,618 |
|---|---|
| 開発 | Rockstar Games |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル / マルチ |

