Dragon Age: The Veilguard レビュー|10年待った続編は「進化」か「迷走」か、プレイして見えた正直な評価
「BioWareが帰ってきた」——発売前、そう言われ続けた。
Anthemの失敗から5年、Mass Effect: Andromedaの低評価から7年。かつてRPGの頂点に君臨したBioWareが、シリーズ10年ぶりの新作Dragon Age: The Veilguard(ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者)を2024年10月31日に発売した。メタスコア82点、Steam最高同接8.9万人。数字だけ見れば十分な滑り出しに見えた。
でも実際にプレイしてみて、複雑な気持ちになった。
戦闘は確かに進化していた。フロストバイトエンジンで描かれる世界は美しく、7人のコンパニオンには個性があった。でも、かつてDragon Age: Originsをプレイしたときのあの重さ、薄暗い世界で選択を迫られる緊張感、仲間との関係に本当に悩まされたあの感覚——それはどこかに消えてしまっていた気がした。
本記事では、Dragon Age: The Veilguardを実際に長時間プレイして感じた本音を書く。メタスコア82点の実態、賛否両論が起きた理由、そしてBioWareが今どんな状況にあるかまで含めて、包み隠さずレビューする。
- Dragon Ageシリーズを過去にプレイしたことがある人
- BioWareのRPGが好きで、本作が「買い」かどうか迷っている人
- メタスコア82点と賛否両論の背景を知りたい人
- Steam・PCでプレイしようか検討中の人
- BioWareの現状に興味がある人
公式トレーラー
Dragon Age: The Veilguard 公式ローンチトレーラー(BioWare / EA)
基本情報
| タイトル | Dragon Age: The Veilguard(ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者) |
|---|---|
| 開発 | BioWare |
| 販売 | Electronic Arts(EA) |
| 発売日 | 2024年10月31日 |
| 対応プラットフォーム | PC(Steam / Epic Games Store / EA app)/ PS5 / Xbox Series X|S |
| ジャンル | アクションRPG |
| 日本語対応 | 日本語字幕あり(PC版) |
| プレイ時間目安 | メインクリア:約40時間 / サイドコンテンツ込み:100時間超 |
| メタスコア | 82点(PC)/ 84点(PS5)/ 83点(Xbox Series X) |
| Steam最高同時接続 | 約89,000人(発売直後) |
| Steamユーザー評価 | やや好評(約72%がポジティブ) |
| エンジン | Frostbite(フロストバイト) |
そもそも「Dragon Age」とはどんなシリーズか
Dragon Ageは、BioWareが2009年に生み出したダークファンタジーRPGシリーズだ。Mass Effect、Baldur’s Gateと並んでBioWareの代表作と言えるシリーズで、「選択と結果」「仲間との絆」「重厚な世界観」を三本柱にしてきた。
初代Dragon Age: Originsはその暗い世界観と容赦ない選択肢で多くのRPGファンを虜にし、続くDragon Age IIはリソース不足による粗さが批判を浴びながらも独自の物語で評価を得た。Dragon Age: Inquisitionは2014年にThe Game Awardsのゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞し、シリーズの最高峰とも呼ばれた。
そして、Inquisitionから約10年。その間にBioWareが経験したこと——Anthemの惨敗、Mass Effect: Andromedaへの失望、スタジオの縮小——を経てThe Veilguardは生まれた。
だからこそ、このゲームへの期待値は異常なほど高かった。
Anthemの失敗がThe Veilguardを生んだ
The Veilguardを語るうえで、Anthemの話を避けることはできない。
2019年発売のAnthemは、BioWareがライブサービス型のシューターゲームに挑戦した作品だった。結果は惨憺たるものだった。発売時から深刻なバグ、薄いコンテンツ、RPGとしての物語性の欠如が批判を浴び、わずか2年後にBioWareは今後の開発を正式に中断。業界全体で「BioWareはもう終わった」という声が広がった。
The Veilguardのディレクターを務めたコービン・モスは、当時のことをこう振り返っている。「Anthemから学んだ最大の教訓は、自分たちが得意なことを知り、それに集中することだ」(PC Gamer誌インタビューより)。
その言葉通り、The Veilguardはマルチプレイ要素なし、マイクロトランザクションなし、ライブサービスなし——純粋なシングルプレイヤーRPGとして設計された。EAのCEOアンドリュー・ウィルソンも2025年の株主向けレポートで「BioWareは本来のBioWare型ゲームに回帰する」と明言している。
Anthemから一転、BioWareは得意分野であるストーリー重視のRPGに全力を注いだ。それがThe Veilguardだった。
AnthemはBioWareが積み上げてきた信頼を一夜にして壊した。でもVeilguardで、その傷を少し回復できたと思う。完璧じゃないけど、少なくともBioWareがまだ「物語を語れるスタジオ」であることは証明してくれた。
出典:Steamユーザーレビュー
10年ぶりの新作が描く世界——フェレルデンからテヴィンターへ
The Veilguardの舞台は、おなじみのテダス(Thedas)大陸だ。ただし、これまでのシリーズが舞台にしてきたフェレルデンやオーランを飛び出し、今作では北部テヴィンターまで世界観が広がった。テヴィンターは魔術師が支配する帝国として過去作でも言及されてきた場所で、シリーズファンには念願の舞台だ。
プレイヤーはRook(ルーク)という名の主人公を操作する。前作InquisitionのInquisitorとは異なり、RookはElven Godsの復活を阻止するために結成された組織「ヴェイルガード」のメンバーとして冒険に挑む。
マップはオープンワールドではなく、「クロスロード」と呼ばれる次元空間を介してつながる複数の大型エリアで構成されている。Inquisitionのような広大な平原を延々と歩き回る必要はなく、目的地へのアクセスがスムーズになっている。この設計変更は「ボリューム削減」と批判する声もあったが、個人的にはプレイテンポが上がって悪くなかった。
テヴィンターの都市デルフォントがとにかく美しかった。フロストバイトエンジンで描かれた夜景、魔術の光が反射する水面——ここだけで10時間過ごせた。
出典:Steamユーザーレビュー
戦闘システムは本当に進化したのか
最も大きな変更点は戦闘だろう。The VeilguardはInquisitionからさらにアクション寄りに振り切った。
基本的な構成はこうだ。通常攻撃、チャージ攻撃、スキル(ショートクールダウン)、アルティメット(長クールダウン)を組み合わせて戦う。近接攻撃に合わせたパリィ、タイミングを合わせたドッジ、スキルを連打してコンボをつなぐ爽快感——この辺りは明確に良くなっている。
ウォリアー、メイジ、ローグの3クラスそれぞれが異なる操作感を持ち、メイジならば呪文を詠唱しながら遠距離で戦い、ローグは素早く接近してスキルをばらまく。初代Dragon Ageの「ポーズして指示を出す戦術的なRTS風」とはまったく別物のゲームだ。
コンパニオン2人を連れていく構成は変わらないが、指示の自由度は下がった。過去作では「コンパニオンにこのスキルをこのタイミングで使わせる」という細かい戦術が楽しめたが、The Veilguardでは基本的にAIに任せる形になっている。この点をシリーズファンが「深みが減った」と評価するのは当然だろう。
戦闘はようやくまともになった。でも代わりにタクティクスが消えた。BioWare RTSとしてのDragon Ageはもうない、という割り切りが必要。
出典:Steamユーザーレビュー
純粋なアクションゲームとして見れば十分に楽しめる。でもそれは「Dragon Ageとして楽しめるか」とは別の話だ。
7人のコンパニオン——個性は豊か、でも物語の重さが足りない
BioWareゲームの最大の魅力は仲間だ。The Veilguardには7人のコンパニオンが登場する。
- ハーディング(ドワーフのスカウト。Inquisitionからの続投)
- ネーヴ・ガルス(人間の探偵。信頼を勝ち取るまで時間のかかるタイプ)
- エムリッヒ・フォルカリン(人間のネクロマンサー。骸骨の相棒マンフレッドを連れている)
- タッシュ(クナーリのドラゴンハンター。リスクを厭わない冒険家)
- ダヴリン(エルフのグレイ・ウォーデン。魅力的なモンスターハンター)
- ベラーラ・ルターレ(エルフのヴェイル・ジャンパー。古代の謎に取り憑かれた夢想家)
- ルカニス・デッラモルテ(人間の暗殺者。アンティヴァン・クロウズの出身)
キャラクターの造形は凝っている。特にエムリッヒとルカニスは批評家からも高い評価を受けており、それぞれの個人クエストはシリーズの中でも良質な部類だ。ハーディングの再登場は、Inquisitionファンへのサービスとして機能していた。
ただ、問題はある。批評家の一部が指摘するように、各コンパニオンが「1つの定義された性格特質」に縛られすぎているのだ。エムリッヒは「知的で穏やかな老人」、タッシュは「向こう見ずな冒険家」——そのイメージを最後まで壊さないし、壊そうとしない。
対してOriginsのモリガンやアリスター、Inquisitionのソラスには「この人はなぜこうなのか」という背景の重みがあった。プレイヤーが選択を重ねるたびに、仲間の本質が少しずつ見えてくる構造になっていた。The Veilguardのコンパニオンはそこに至らない、と感じた。
7人の仲間はみんな「いい人」すぎる。初代の仲間に漂っていたグレーな空気感、「こいつ本当に信用できるのか?」という緊張感がない。BioWareは尖った部分を削りすぎた。
出典:Steamユーザーレビュー
キャラクタークリエイター——これは本当によく作られている
一方で、キャラクタークリエイターの完成度は本物だ。
ヒューマン、クナーリ、ドワーフ、エルフの4種族から外見を細かくカスタマイズできる。肌の色、顔のシワ、タトゥー、髪の毛の質感まで調整可能で、「生きているような髪」とEAが謳うだけあって表現の幅が広い。性別、体型、声のカスタマイズも充実しており、ノンバイナリーの外見を作れる仕様になっている。
発売前にはキャラクタークリエイターの無料体験版が配布され、これが話題を呼んだ。Steamでは専用のダウンロードページが設けられ、何十万もの人がキャラを作って遊んでいた。「ゲーム買う前からキャラメイクに3時間溶かした」というユーザーの声が多数上がっていたのも印象的だった。
4種族(Human / Qunari / Dwarf / Elf)から選択 / 顔・肌・髪・タトゥーを細かく調整 / 3クラス(Warrior / Mage / Rogue)/ 派閥バックストーリーがダイアログと関係性に影響 / ロマンス相手は全員パンセクシャル設定
物語の「薄味」問題——ファンが怒った本当の理由
The Veilguardで最も議論を呼んだのは、物語のトーンの変化だ。
Dragon Age: Originsを思い出してほしい。ダークスポーンの侵略、仲間の裏切り、灰色の道徳選択——あのゲームは「正しい答えのない選択」を繰り返し突きつけてきた。味方を見捨てるか、街を犠牲にするか。プレイヤーは物語の重さに押しつぶされそうになりながらも、それがRPGとしての醍醐味だった。
The Veilguardはその重さを大幅に軽くした。敵はわかりやすい悪で、仲間はポジティブで、選択肢は概ね「どちらを選んでも大体うまくいく」設計になっている。ストーリーの暗さよりも、キャラクターの成長とチームの絆が前面に押し出されている。
これを「明るくなって遊びやすい」と歓迎するプレイヤーもいれば、「Dragon Ageの魂が死んだ」と嘆くシリーズファンもいる。評価が真っ二つに割れるのは、この方向性の変化に起因している部分が大きい。
Veilguardのストーリーはメインが約40時間。でも「感情が揺さぶられる場面」がほとんどない。Originsで「どちらの仲間を犠牲にするか」選ばされたときのあの重さが、このゲームには一切ない。
出典:Steamユーザーレビュー
正直に言えば、ゲームとしての完成度は高い。ただ「Dragon Ageとしての文脈」を期待して買うと、どこか物足りなさが残る。これは「良いゲームか悪いゲームか」ではなく、「どんなゲームを期待していたか」の問題だ。
グラフィックとビジュアル——フロストバイトエンジンの本領
視覚的な完成度は、シリーズ最高水準だ。
フロストバイトエンジンで描かれるテダス北部の街並み、魔法が飛び交う戦場、そして光と影のコントラストが際立つダンジョン——画面を見ているだけで楽しめるレベルのクオリティがある。特に称賛が集まったのは、「ネヴァラ」地域の墓地と「ミナター」のゴシック建築だ。
フレームレートも安定しており、Nvidiaの最新GPUを必要とするほどではなく、RTX 3070クラスがあれば1440pで快適に動作した。PCのスペック要求は良心的な設定と言えるだろう。
ただし、キャラクターのフェイシャルアニメーションには賛否が出た。カットシーン中の表情が「のっぺり」していると感じた場面があり、特にメインキャラクターの感情表現が弱いという声が複数あった。フロストバイトエンジンがBioWareにとって使い慣れない技術である点が、そこに表れたのかもしれない。
Steamの「やや好評」は何を示しているのか
The VeilguardのSteam評価は、発売当初から「やや好評(約72%がポジティブ)」に落ち着いた。これはメタスコア82点と比較すると、かなり低い。
その背景には、ポリティカルコレクトネス(いわゆるポリコレ)に関する議論がある。トランスジェンダーの登場人物、ノンバイナリーのキャラクター設定、全コンパニオンのパンセクシャル仕様——これらに対して「押しつけがましい」と感じるユーザーが低評価を入れる一方で、「ゲームの質とは無関係だ」と反論するユーザーも多い。
この手のレビュー爆撃(ボム)はSteamの仕様上、評価全体を下げる効果がある。実際、ゲームメディアのレビューと一般ユーザーの評価の乖離がここまで大きくなったのは、その影響が少なくないだろう。
中立的に見れば、純粋な「ゲームとしての完成度」への不満ではなく、文化的・政治的な論争が評価に混入している状況だ。ゲームの質を判断したい人は、批評家レビューと「ゲームの中身への具体的な言及がある」ユーザーレビューを選んで読む方がいい。
ポリコレ賛否はともかく、純粋にゲームとして楽しめるかを聞かれたら「面白い」と答える。戦闘は気持ちいいし、ルカニスのサイドクエストは涙が出た。ただしOrigins信者には別物として受け入れが必要。
出典:Steamユーザーレビュー
売上は「失望」——EAが下した結論と、BioWareの今
The Veilguardの発売後、2025年1月のEA株主会議でアンドリュー・ウィルソンCEOはこう述べた。「Veilguardの販売は我々の期待を約50%下回った」。
初週で全プラットフォーム合わせて150万本前後という推定数字は、EAが事前に想定していた300万本程度の水準に達しなかった。SteamではEA史上最大のシングルプレイヤーゲームのローンチを達成したが、それでも会社全体の目標ラインには届かなかった。
その結果、2025年1月にBioWareは大規模なリストラを実施した。The Veilguardの開発メンバーの多くが解雇され、一部は他のEAスタジオに移籍。スタジオの人員は最盛期の300人以上から100人以下まで縮小された。リードライターを含む多くのベテランが職を失い、業界に衝撃が走った。
BioWareは現在、次期Mass Effectの開発に全力を集中させる方針だ。Dragon Ageシリーズの次回作については、何もアナウンスされていない。The Veilguardがシリーズ最後の作品になる可能性は、決して低くない。
人員:推定100人以下(最盛期の1/3以下)
現在の開発:次期Mass Effect
Dragon Ageの次回作:未発表・不明
The Veilguardのアップデート・DLC:なし(開発終了とみられる)
前作経験者はどこまで楽しめるか
Dragon Age未経験者への回答は簡単だ。普通に楽しめる。本作はある程度スタンドアローンに設計されており、前作をプレイしていなくてもメインストーリーは理解できる。
ただし前作経験者——特にOriginsとInquisitionを深くプレイした人——には、条件付きで勧めたい。
「Dragon Ageというブランドに期待せず、新しいBioWareのアクションRPGとして接することができるか?」——この問いに「Yes」と答えられるなら、十分に楽しめる。戦闘は気持ちいいし、ビジュアルは美しく、ルカニスやエムリッヒとの絆はちゃんと積み上げられる。
でも「Originsのような暗さと重みを求めて」いるなら、そのゲームは存在しない。The Veilguardはその方向性を意図的に捨てている。
良かった点・気になった点まとめ
- 戦闘の爽快感が大幅向上。アクションとして純粋に楽しい
- フロストバイトエンジンによるビジュアルの美しさ
- キャラクタークリエイターの充実度は過去最高水準
- ルカニス、エムリッヒなど一部コンパニオンの個人クエストは良質
- PCスペック要求が良心的、動作が安定
- マイクロトランザクションなし、DLCなし(本体完結)
- メインクリア約40時間 + サイドコンテンツ100時間超のボリューム
- 物語のトーンが前作比で大幅に軽くなり、重みのある選択肢が減少
- コンパニオンの人格が単純化されており、成長・変化の幅が狭い
- タクティクス(戦術)系の指示システムが廃止され、戦略的深みが減った
- 一部カットシーンのフェイシャルアニメーションが表情に乏しい
- 前作プレイヤーが期待する「テヴィンターの政治劇」が思ったより薄い
- EAの販売期待未達により、DLC・続編の可能性がほぼ消えた
似たタイプのゲームを探している人へ
The Veilguardのような「物語重視の西洋RPG」を探しているなら、同時期にBioWareが手がけた別シリーズも候補に上がる。特にキャラクターへの感情移入と選択の重さで並んだゲームを探しているなら、こちらも一度触ってみてほしい。
戦闘の爽快感とアクション要素を重視するなら、同じく2024年に好評を得た作品が参考になる。アクションRPGとして純粋に楽しむ視点で探してみてほしい。
選択と道徳的な判断を楽しむクラシックなCRPGの重みを求めるなら、こちらが近い体験を提供してくれる。
まとめ——The Veilguardは「失敗作」じゃないが、「Dragon Age」ではなかった
Dragon Age: The Veilguardを40時間以上プレイして、最終的に出た結論はこうだ。
このゲームは「良いアクションRPG」だ。でも「Dragon Ageらしい作品」ではない。
メタスコア82点は妥当だと思う。戦闘は良くなり、ビジュアルは美しく、一部コンパニオンの物語は心を動かす。ゲームとして壊れていないし、楽しめる要素は多い。
でもシリーズを愛してきた人間として、寂しさが残るのも事実だ。BioWareが10年間積み上げてきたものを、どこかに置いてきてしまった気がした。
さらに辛いのは、EAの「期待を50%下回った」という評価によって、その続きを見ることがほぼできなくなったことだ。Originsのような暗さとInquisitionのようなスケールを融合した作品が生まれる可能性は、今のBioWareには残っていない。
The Veilguardは、ある意味でBioWareが「生き残るために妥協した」結果かもしれない。そしてその妥協では、生き残れなかった。
とはいえ、ゲームそのものは今でもSteamで購入できる。セール時には値段が下がることもある。「Dragon Ageへの思い入れがない人」が「良質なアクションRPG」として手に取るなら、その選択を後悔することはないはずだ。
- Dragon Ageを未プレイで、2024年のBioWare最新作を試してみたい人
- アクションRPGとして気軽に楽しみたい人
- コンパニオンとのロマンスやキャラクター絆要素を楽しみたい人
- フロストバイトエンジンの美しいビジュアルを体験したい人
- Dragon Age: Originsの「暗くて重い物語」を期待している人
- Inquisitionの「タクティカルな戦闘指示」を楽しんでいた人
- 道徳的に複雑な選択肢と重いテーマを求めるRPGファン


Dragon Age: The Veilguard レビュー|10年待った続編は「進化」か「迷走」か、プレイして見えた正直な評価
「BioWareが帰ってきた」——発売前、そう言われ続けた。
Anthemの失敗から5年、Mass Effect: Andromedaの低評価から7年。かつてRPGの頂点に君臨したBioWareが、シリーズ10年ぶりの新作Dragon Age: The Veilguard(ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者)を2024年10月31日に発売した。メタスコア82点、Steam最高同接8.9万人。数字だけ見れば十分な滑り出しに見えた。
でも実際にプレイしてみて、複雑な気持ちになった。
戦闘は確かに進化していた。フロストバイトエンジンで描かれる世界は美しく、7人のコンパニオンには個性があった。でも、かつてDragon Age: Originsをプレイしたときのあの重さ、薄暗い世界で選択を迫られる緊張感、仲間との関係に本当に悩まされたあの感覚——それはどこかに消えてしまっていた気がした。
本記事では、Dragon Age: The Veilguardを実際に長時間プレイして感じた本音を書く。メタスコア82点の実態、賛否両論が起きた理由、そしてBioWareが今どんな状況にあるかまで含めて、包み隠さずレビューする。
- Dragon Ageシリーズを過去にプレイしたことがある人
- BioWareのRPGが好きで、本作が「買い」かどうか迷っている人
- メタスコア82点と賛否両論の背景を知りたい人
- Steam・PCでプレイしようか検討中の人
- BioWareの現状に興味がある人
公式トレーラー
Dragon Age: The Veilguard 公式ローンチトレーラー(BioWare / EA)
基本情報
| タイトル | Dragon Age: The Veilguard(ドラゴンエイジ:ヴェイルの守護者) |
|---|---|
| 開発 | BioWare |
| 販売 | Electronic Arts(EA) |
| 発売日 | 2024年10月31日 |
| 対応プラットフォーム | PC(Steam / Epic Games Store / EA app)/ PS5 / Xbox Series X|S |
| ジャンル | アクションRPG |
| 日本語対応 | 日本語字幕あり(PC版) |
| プレイ時間目安 | メインクリア:約40時間 / サイドコンテンツ込み:100時間超 |
| メタスコア | 82点(PC)/ 84点(PS5)/ 83点(Xbox Series X) |
| Steam最高同時接続 | 約89,000人(発売直後) |
| Steamユーザー評価 | やや好評(約72%がポジティブ) |
| エンジン | Frostbite(フロストバイト) |
そもそも「Dragon Age」とはどんなシリーズか
Dragon Ageは、BioWareが2009年に生み出したダークファンタジーRPGシリーズだ。Mass Effect、Baldur’s Gateと並んでBioWareの代表作と言えるシリーズで、「選択と結果」「仲間との絆」「重厚な世界観」を三本柱にしてきた。
初代Dragon Age: Originsはその暗い世界観と容赦ない選択肢で多くのRPGファンを虜にし、続くDragon Age IIはリソース不足による粗さが批判を浴びながらも独自の物語で評価を得た。Dragon Age: Inquisitionは2014年にThe Game Awardsのゲーム・オブ・ザ・イヤーを受賞し、シリーズの最高峰とも呼ばれた。
そして、Inquisitionから約10年。その間にBioWareが経験したこと——Anthemの惨敗、Mass Effect: Andromedaへの失望、スタジオの縮小——を経てThe Veilguardは生まれた。
だからこそ、このゲームへの期待値は異常なほど高かった。
Anthemの失敗がThe Veilguardを生んだ
The Veilguardを語るうえで、Anthemの話を避けることはできない。
2019年発売のAnthemは、BioWareがライブサービス型のシューターゲームに挑戦した作品だった。結果は惨憺たるものだった。発売時から深刻なバグ、薄いコンテンツ、RPGとしての物語性の欠如が批判を浴び、わずか2年後にBioWareは今後の開発を正式に中断。業界全体で「BioWareはもう終わった」という声が広がった。
The Veilguardのディレクターを務めたコービン・モスは、当時のことをこう振り返っている。「Anthemから学んだ最大の教訓は、自分たちが得意なことを知り、それに集中することだ」(PC Gamer誌インタビューより)。
その言葉通り、The Veilguardはマルチプレイ要素なし、マイクロトランザクションなし、ライブサービスなし——純粋なシングルプレイヤーRPGとして設計された。EAのCEOアンドリュー・ウィルソンも2025年の株主向けレポートで「BioWareは本来のBioWare型ゲームに回帰する」と明言している。
Anthemから一転、BioWareは得意分野であるストーリー重視のRPGに全力を注いだ。それがThe Veilguardだった。
AnthemはBioWareが積み上げてきた信頼を一夜にして壊した。でもVeilguardで、その傷を少し回復できたと思う。完璧じゃないけど、少なくともBioWareがまだ「物語を語れるスタジオ」であることは証明してくれた。
出典:Steamユーザーレビュー
10年ぶりの新作が描く世界——フェレルデンからテヴィンターへ
The Veilguardの舞台は、おなじみのテダス(Thedas)大陸だ。ただし、これまでのシリーズが舞台にしてきたフェレルデンやオーランを飛び出し、今作では北部テヴィンターまで世界観が広がった。テヴィンターは魔術師が支配する帝国として過去作でも言及されてきた場所で、シリーズファンには念願の舞台だ。
プレイヤーはRook(ルーク)という名の主人公を操作する。前作InquisitionのInquisitorとは異なり、RookはElven Godsの復活を阻止するために結成された組織「ヴェイルガード」のメンバーとして冒険に挑む。
マップはオープンワールドではなく、「クロスロード」と呼ばれる次元空間を介してつながる複数の大型エリアで構成されている。Inquisitionのような広大な平原を延々と歩き回る必要はなく、目的地へのアクセスがスムーズになっている。この設計変更は「ボリューム削減」と批判する声もあったが、個人的にはプレイテンポが上がって悪くなかった。
テヴィンターの都市デルフォントがとにかく美しかった。フロストバイトエンジンで描かれた夜景、魔術の光が反射する水面——ここだけで10時間過ごせた。
出典:Steamユーザーレビュー
戦闘システムは本当に進化したのか
最も大きな変更点は戦闘だろう。The VeilguardはInquisitionからさらにアクション寄りに振り切った。
基本的な構成はこうだ。通常攻撃、チャージ攻撃、スキル(ショートクールダウン)、アルティメット(長クールダウン)を組み合わせて戦う。近接攻撃に合わせたパリィ、タイミングを合わせたドッジ、スキルを連打してコンボをつなぐ爽快感——この辺りは明確に良くなっている。
ウォリアー、メイジ、ローグの3クラスそれぞれが異なる操作感を持ち、メイジならば呪文を詠唱しながら遠距離で戦い、ローグは素早く接近してスキルをばらまく。初代Dragon Ageの「ポーズして指示を出す戦術的なRTS風」とはまったく別物のゲームだ。
コンパニオン2人を連れていく構成は変わらないが、指示の自由度は下がった。過去作では「コンパニオンにこのスキルをこのタイミングで使わせる」という細かい戦術が楽しめたが、The Veilguardでは基本的にAIに任せる形になっている。この点をシリーズファンが「深みが減った」と評価するのは当然だろう。
戦闘はようやくまともになった。でも代わりにタクティクスが消えた。BioWare RTSとしてのDragon Ageはもうない、という割り切りが必要。
出典:Steamユーザーレビュー
純粋なアクションゲームとして見れば十分に楽しめる。でもそれは「Dragon Ageとして楽しめるか」とは別の話だ。
7人のコンパニオン——個性は豊か、でも物語の重さが足りない
BioWareゲームの最大の魅力は仲間だ。The Veilguardには7人のコンパニオンが登場する。
- ハーディング(ドワーフのスカウト。Inquisitionからの続投)
- ネーヴ・ガルス(人間の探偵。信頼を勝ち取るまで時間のかかるタイプ)
- エムリッヒ・フォルカリン(人間のネクロマンサー。骸骨の相棒マンフレッドを連れている)
- タッシュ(クナーリのドラゴンハンター。リスクを厭わない冒険家)
- ダヴリン(エルフのグレイ・ウォーデン。魅力的なモンスターハンター)
- ベラーラ・ルターレ(エルフのヴェイル・ジャンパー。古代の謎に取り憑かれた夢想家)
- ルカニス・デッラモルテ(人間の暗殺者。アンティヴァン・クロウズの出身)
キャラクターの造形は凝っている。特にエムリッヒとルカニスは批評家からも高い評価を受けており、それぞれの個人クエストはシリーズの中でも良質な部類だ。ハーディングの再登場は、Inquisitionファンへのサービスとして機能していた。
ただ、問題はある。批評家の一部が指摘するように、各コンパニオンが「1つの定義された性格特質」に縛られすぎているのだ。エムリッヒは「知的で穏やかな老人」、タッシュは「向こう見ずな冒険家」——そのイメージを最後まで壊さないし、壊そうとしない。
対してOriginsのモリガンやアリスター、Inquisitionのソラスには「この人はなぜこうなのか」という背景の重みがあった。プレイヤーが選択を重ねるたびに、仲間の本質が少しずつ見えてくる構造になっていた。The Veilguardのコンパニオンはそこに至らない、と感じた。
7人の仲間はみんな「いい人」すぎる。初代の仲間に漂っていたグレーな空気感、「こいつ本当に信用できるのか?」という緊張感がない。BioWareは尖った部分を削りすぎた。
出典:Steamユーザーレビュー
キャラクタークリエイター——これは本当によく作られている
一方で、キャラクタークリエイターの完成度は本物だ。
ヒューマン、クナーリ、ドワーフ、エルフの4種族から外見を細かくカスタマイズできる。肌の色、顔のシワ、タトゥー、髪の毛の質感まで調整可能で、「生きているような髪」とEAが謳うだけあって表現の幅が広い。性別、体型、声のカスタマイズも充実しており、ノンバイナリーの外見を作れる仕様になっている。
発売前にはキャラクタークリエイターの無料体験版が配布され、これが話題を呼んだ。Steamでは専用のダウンロードページが設けられ、何十万もの人がキャラを作って遊んでいた。「ゲーム買う前からキャラメイクに3時間溶かした」というユーザーの声が多数上がっていたのも印象的だった。
4種族(Human / Qunari / Dwarf / Elf)から選択 / 顔・肌・髪・タトゥーを細かく調整 / 3クラス(Warrior / Mage / Rogue)/ 派閥バックストーリーがダイアログと関係性に影響 / ロマンス相手は全員パンセクシャル設定
物語の「薄味」問題——ファンが怒った本当の理由
The Veilguardで最も議論を呼んだのは、物語のトーンの変化だ。
Dragon Age: Originsを思い出してほしい。ダークスポーンの侵略、仲間の裏切り、灰色の道徳選択——あのゲームは「正しい答えのない選択」を繰り返し突きつけてきた。味方を見捨てるか、街を犠牲にするか。プレイヤーは物語の重さに押しつぶされそうになりながらも、それがRPGとしての醍醐味だった。
The Veilguardはその重さを大幅に軽くした。敵はわかりやすい悪で、仲間はポジティブで、選択肢は概ね「どちらを選んでも大体うまくいく」設計になっている。ストーリーの暗さよりも、キャラクターの成長とチームの絆が前面に押し出されている。
これを「明るくなって遊びやすい」と歓迎するプレイヤーもいれば、「Dragon Ageの魂が死んだ」と嘆くシリーズファンもいる。評価が真っ二つに割れるのは、この方向性の変化に起因している部分が大きい。
Veilguardのストーリーはメインが約40時間。でも「感情が揺さぶられる場面」がほとんどない。Originsで「どちらの仲間を犠牲にするか」選ばされたときのあの重さが、このゲームには一切ない。
出典:Steamユーザーレビュー
正直に言えば、ゲームとしての完成度は高い。ただ「Dragon Ageとしての文脈」を期待して買うと、どこか物足りなさが残る。これは「良いゲームか悪いゲームか」ではなく、「どんなゲームを期待していたか」の問題だ。
グラフィックとビジュアル——フロストバイトエンジンの本領
視覚的な完成度は、シリーズ最高水準だ。
フロストバイトエンジンで描かれるテダス北部の街並み、魔法が飛び交う戦場、そして光と影のコントラストが際立つダンジョン——画面を見ているだけで楽しめるレベルのクオリティがある。特に称賛が集まったのは、「ネヴァラ」地域の墓地と「ミナター」のゴシック建築だ。
フレームレートも安定しており、Nvidiaの最新GPUを必要とするほどではなく、RTX 3070クラスがあれば1440pで快適に動作した。PCのスペック要求は良心的な設定と言えるだろう。
ただし、キャラクターのフェイシャルアニメーションには賛否が出た。カットシーン中の表情が「のっぺり」していると感じた場面があり、特にメインキャラクターの感情表現が弱いという声が複数あった。フロストバイトエンジンがBioWareにとって使い慣れない技術である点が、そこに表れたのかもしれない。
Steamの「やや好評」は何を示しているのか
The VeilguardのSteam評価は、発売当初から「やや好評(約72%がポジティブ)」に落ち着いた。これはメタスコア82点と比較すると、かなり低い。
その背景には、ポリティカルコレクトネス(いわゆるポリコレ)に関する議論がある。トランスジェンダーの登場人物、ノンバイナリーのキャラクター設定、全コンパニオンのパンセクシャル仕様——これらに対して「押しつけがましい」と感じるユーザーが低評価を入れる一方で、「ゲームの質とは無関係だ」と反論するユーザーも多い。
この手のレビュー爆撃(ボム)はSteamの仕様上、評価全体を下げる効果がある。実際、ゲームメディアのレビューと一般ユーザーの評価の乖離がここまで大きくなったのは、その影響が少なくないだろう。
中立的に見れば、純粋な「ゲームとしての完成度」への不満ではなく、文化的・政治的な論争が評価に混入している状況だ。ゲームの質を判断したい人は、批評家レビューと「ゲームの中身への具体的な言及がある」ユーザーレビューを選んで読む方がいい。
ポリコレ賛否はともかく、純粋にゲームとして楽しめるかを聞かれたら「面白い」と答える。戦闘は気持ちいいし、ルカニスのサイドクエストは涙が出た。ただしOrigins信者には別物として受け入れが必要。
出典:Steamユーザーレビュー
売上は「失望」——EAが下した結論と、BioWareの今
The Veilguardの発売後、2025年1月のEA株主会議でアンドリュー・ウィルソンCEOはこう述べた。「Veilguardの販売は我々の期待を約50%下回った」。
初週で全プラットフォーム合わせて150万本前後という推定数字は、EAが事前に想定していた300万本程度の水準に達しなかった。SteamではEA史上最大のシングルプレイヤーゲームのローンチを達成したが、それでも会社全体の目標ラインには届かなかった。
その結果、2025年1月にBioWareは大規模なリストラを実施した。The Veilguardの開発メンバーの多くが解雇され、一部は他のEAスタジオに移籍。スタジオの人員は最盛期の300人以上から100人以下まで縮小された。リードライターを含む多くのベテランが職を失い、業界に衝撃が走った。
BioWareは現在、次期Mass Effectの開発に全力を集中させる方針だ。Dragon Ageシリーズの次回作については、何もアナウンスされていない。The Veilguardがシリーズ最後の作品になる可能性は、決して低くない。
人員:推定100人以下(最盛期の1/3以下)
現在の開発:次期Mass Effect
Dragon Ageの次回作:未発表・不明
The Veilguardのアップデート・DLC:なし(開発終了とみられる)
前作経験者はどこまで楽しめるか
Dragon Age未経験者への回答は簡単だ。普通に楽しめる。本作はある程度スタンドアローンに設計されており、前作をプレイしていなくてもメインストーリーは理解できる。
ただし前作経験者——特にOriginsとInquisitionを深くプレイした人——には、条件付きで勧めたい。
「Dragon Ageというブランドに期待せず、新しいBioWareのアクションRPGとして接することができるか?」——この問いに「Yes」と答えられるなら、十分に楽しめる。戦闘は気持ちいいし、ビジュアルは美しく、ルカニスやエムリッヒとの絆はちゃんと積み上げられる。
でも「Originsのような暗さと重みを求めて」いるなら、そのゲームは存在しない。The Veilguardはその方向性を意図的に捨てている。
良かった点・気になった点まとめ
- 戦闘の爽快感が大幅向上。アクションとして純粋に楽しい
- フロストバイトエンジンによるビジュアルの美しさ
- キャラクタークリエイターの充実度は過去最高水準
- ルカニス、エムリッヒなど一部コンパニオンの個人クエストは良質
- PCスペック要求が良心的、動作が安定
- マイクロトランザクションなし、DLCなし(本体完結)
- メインクリア約40時間 + サイドコンテンツ100時間超のボリューム
- 物語のトーンが前作比で大幅に軽くなり、重みのある選択肢が減少
- コンパニオンの人格が単純化されており、成長・変化の幅が狭い
- タクティクス(戦術)系の指示システムが廃止され、戦略的深みが減った
- 一部カットシーンのフェイシャルアニメーションが表情に乏しい
- 前作プレイヤーが期待する「テヴィンターの政治劇」が思ったより薄い
- EAの販売期待未達により、DLC・続編の可能性がほぼ消えた
似たタイプのゲームを探している人へ
The Veilguardのような「物語重視の西洋RPG」を探しているなら、同時期にBioWareが手がけた別シリーズも候補に上がる。特にキャラクターへの感情移入と選択の重さで並んだゲームを探しているなら、こちらも一度触ってみてほしい。
戦闘の爽快感とアクション要素を重視するなら、同じく2024年に好評を得た作品が参考になる。アクションRPGとして純粋に楽しむ視点で探してみてほしい。
選択と道徳的な判断を楽しむクラシックなCRPGの重みを求めるなら、こちらが近い体験を提供してくれる。
まとめ——The Veilguardは「失敗作」じゃないが、「Dragon Age」ではなかった
Dragon Age: The Veilguardを40時間以上プレイして、最終的に出た結論はこうだ。
このゲームは「良いアクションRPG」だ。でも「Dragon Ageらしい作品」ではない。
メタスコア82点は妥当だと思う。戦闘は良くなり、ビジュアルは美しく、一部コンパニオンの物語は心を動かす。ゲームとして壊れていないし、楽しめる要素は多い。
でもシリーズを愛してきた人間として、寂しさが残るのも事実だ。BioWareが10年間積み上げてきたものを、どこかに置いてきてしまった気がした。
さらに辛いのは、EAの「期待を50%下回った」という評価によって、その続きを見ることがほぼできなくなったことだ。Originsのような暗さとInquisitionのようなスケールを融合した作品が生まれる可能性は、今のBioWareには残っていない。
The Veilguardは、ある意味でBioWareが「生き残るために妥協した」結果かもしれない。そしてその妥協では、生き残れなかった。
とはいえ、ゲームそのものは今でもSteamで購入できる。セール時には値段が下がることもある。「Dragon Ageへの思い入れがない人」が「良質なアクションRPG」として手に取るなら、その選択を後悔することはないはずだ。
- Dragon Ageを未プレイで、2024年のBioWare最新作を試してみたい人
- アクションRPGとして気軽に楽しみたい人
- コンパニオンとのロマンスやキャラクター絆要素を楽しみたい人
- フロストバイトエンジンの美しいビジュアルを体験したい人
- Dragon Age: Originsの「暗くて重い物語」を期待している人
- Inquisitionの「タクティカルな戦闘指示」を楽しんでいた人
- 道徳的に複雑な選択肢と重いテーマを求めるRPGファン


