「ドラゴンズドグマ2」レビュー:12年ぶりの続編は進化したのか、それとも開発者の夢が暴走したのか
2024年3月22日の発売日、Steamの同接プレイヤー数が22万人を超えた瞬間を覚えている。あの「ドラゴンズドグマ」が、12年の時を経てついに帰ってきた瞬間だった。
前作が2012年に発売された当時、「ポーンシステム」「グラブ戦闘」「夜の恐怖」という独自のコンセプトで熱狂的なファンを生んだにもかかわらず、続編の開発は長らく進まなかった。伊津野英昭ディレクターは公言していた——「いつかドラゴンズドグマ2を作る」と。その約束が、12年後に750億円規模のAAA作品として現実になった。
正直に言う。最初の10時間は「これだ」と思っていた。広大な世界を旅しながらポーンたちと語り合い、夜の闇の中で巨大なグリフィンと格闘し、道ばたの村人がひっそりとした一言を残して去っていく。あの独特の「生きている世界」の感覚は間違いなく本物だった。
ところが、だ。発売直後のSteamレビューが「賛否両論」に落ち込んだ理由も、また理解できてしまった。マイクロトランザクション(MTX)問題、ファストトラベルの設計、そして「こんなに縛られるとは思わなかった」という声——これらは単なるクレームではなく、この作品が何を重視し、何を切り捨てたかの本質的な問いを突きつけていた。
発売2週間で250万本、Steam同接22万人という数字は圧倒的な成功を示している。メタスコアは87点(PC版)。だがSteamの同時期レビューは「賛否両論」まで落ちていた——この矛盾が、ドラゴンズドグマ2というゲームのすべてを象徴していると思う。
公式トレーラー
Dragon’s Dogma 2 ローンチトレーラー(Capcom公式)
- 前作ドラゴンズドグマをプレイしたことがあり、続編がどう進化したか知りたい人
- オープンワールドARPGを探していて、本作が自分に合うか判断したい人
- 発売時のMTX騒動や辛口評価が気になって購入をためらっている人
- ポーンシステムやファストトラベル制限について詳しく知りたい人
- カプコンの大作ARPGをすべてチェックしている人
ドラゴンズドグマ2の基本情報
| タイトル | Dragon’s Dogma 2(ドラゴンズドグマ2) |
|---|---|
| 開発・販売 | カプコン |
| ディレクター | 伊津野英昭 |
| 発売日 | 2024年3月22日 |
| 対応プラットフォーム | PC(Steam)/ PS5 / Xbox Series X|S |
| ジャンル | オープンワールドアクションRPG |
| 使用エンジン | RE ENGINE |
| プレイ人数 | 1人(ポーンのオンライン共有あり) |
| 日本語 | テキスト・音声ともに対応(フルボイス) |
| メタスコア | 87点(PC版) |
| Steamレビュー | 概ね好評(発売直後は賛否両論まで落ちた時期あり) |
| 売上 | 発売2週間で250万本(2024年3月時点) |
| Steam同接 | 最大約22万3000人(2024年3月23日) |
| シリーズの位置づけ | 2012年作「ドラゴンズドグマ」から12年ぶりの正統続編 |

12年間という歳月——なぜ続編までこんなに時間がかかったのか
2012年にPS3・Xbox360で発売されたオリジナルの「ドラゴンズドグマ」は、当時の業界標準とはかなり異なるRPGだった。主流だった「大勢の仲間キャラと旅をするJRPG」でも、「広大な世界を自由に探索する洋ゲー風オープンワールド」でもない。その中間——というより、日本人クリエイターが考えた「自分たちがやりたいRPG」の形を追求した作品だった。
ポーン(Pawn)という概念はその象徴だ。プレイヤーは「覚者(アリズン)」として旅をするが、共に旅するのは完全にカスタマイズされた自分のメインポーンと、他のプレイヤーが育てたサポートポーン最大2体。AIが動くNPCではあるが、「借りてきた仲間」という感覚が独特の愛着を生んだ。モンスターの弱点を教えてくれるポーン、道案内をしてくれるポーン、戦闘で体を張って守ってくれるポーン——それぞれが「生きているキャラクター」として機能していた。
しかしオリジナルは荒削りでもあった。ファストトラベルアイテム「ポートクリスタル」の管理が煩雑、マップ上の情報が少なすぎる、終盤の展開が唐突すぎる——こうした課題を引きずりながらも、それでも「ドラゴンズドグマにしかない体験」を求めるファンが世界中に生まれた。拡張版「Dark Arisen」が2013年に発売され、そちらが長くプレイされ続けたことも、このシリーズへの需要の根強さを示していた。
伊津野英昭ディレクターは、DDシリーズ完結後もカプコン内で別プロジェクトを担当しながら、ずっと「続編を作りたい」と語り続けていた。「前作で実現できなかったビジョンがある」と繰り返し述べていた言葉が、2022年の続編発表で現実になった。
12年待ち続けたゲームが発売された日の感動は忘れられない。ポーンたちとまた旅に出られると思うと、本当に胸が熱くなった。
出典:Steamユーザーレビュー
2022年6月のState of Play(ソニーのゲーム発表イベント)でのトレーラー公開は、前作ファンの間で文字通り爆発的な話題を呼んだ。RE ENGINEを使ったグラフィック、進化したポーンたちの会話AI、そして広大な世界——前作の課題を解決しながら本質は引き継ぐという約束が、映像から伝わってきた。
「生きている世界」をどこまで本気で追求したか
ドラゴンズドグマ2の核心は、「世界が動き続けている」という設計にある。これはオープンワールドゲームとしての当たり前の表現ではなく、設計の根幹にある思想だ。
昼夜サイクルはリアルタイムで進行し、夜になると視界が極端に狭まりモンスターの行動パターンが変わる。街の住人はそれぞれのスケジュールで動いており、昼間は市場で働いていた商人が夜には宿に戻っている。NPCは実際に移動し、時間経過によって状況が変化する。クエストを受けたNPCが後日別の場所で別の状況になっていることもある。

これが「持続的な世界(Living World)」と呼ばれる設計の実態だ。プレイヤーが何かをすると世界が反応する。逆に、何かをしないと世界が進んでいく。「後でやろう」としていたクエストが、後日訪れると状況が変わっていることがある——これはプレイヤーの一部には驚きと没入感を与え、別の一部には「見逃してしまった」という焦りを生んだ。
NPCの行動がリアルで、街を歩いているだけで物語を感じる。これこそ俺が求めていたRPGだよ。
出典:Steamユーザーレビュー(2024年3月)
フィールドの設計も同様の思想で作られている。道はあるが、モンスターが道をふさいでいることがある。拠点間の移動は徒歩が基本で、途中で遭遇した状況に対応しながら進む。オックスカート(馬車)という移動手段があるが、これも当然ながら「馬車が通れる道」しか進まないし、途中でモンスターに襲われることもある。
この設計に対する評価は真っ二つだった。「移動中に起きる出来事こそがドラゴンズドグマの醍醐味」という声と、「時間がかかりすぎて探索のテンポが悪い」という声が、発売直後から並列して存在していた。
ファストトラベル制限問題——設計の哲学とユーザーの本音
この作品が発売直後に最も激しく議論されたポイントのひとつが、ファストトラベルの制限だ。
DD2では、ファストトラベルは基本的に「ポートクリスタル」というアイテムを事前に置いた地点への転移に限られる。しかもそのアイテム「石英の大珠」は入手が限られており、使えば消費される。ゲーム進行で入手できる数には限りがあり、つまり「どこへでも簡単に飛べる」という現代オープンワールドの常識が通用しない。
移動に時間がかかりすぎる。マップを調べながら目的地に向かうだけで30分かかるのはさすがにきつい。
出典:Steamユーザーレビュー(2024年3月)
これはバグではなく、伊津野ディレクターが意図的に設計した仕様だ。「移動中に起きる出来事、出会う敵、発見する場所——それがドラゴンズドグマの本質的な楽しさだ」という哲学の表れとして、ファストトラベルを制限している。旅そのものを体験してほしいという強い意志がここに込められている。
ただしこれが、現代の忙しいゲーマーにとっての「ハードル」になっているのも事実だ。1日1〜2時間しかプレイできないプレイヤーにとって、移動だけで時間が溶けてしまう体験は辛い。「哲学はわかるが、もう少し配慮がほしかった」という声は、単なるわがままではないとも思う。
- ポートクリスタルを事前設置した場所へのみ転移可能
- 転移アイテム「石英の大珠」はゲーム内入手数に限りあり
- MTXで追加購入可能(これが炎上の一因になった)
- オックスカート(馬車)による長距離移動はあるが時間がかかる
- 宿屋や篝火でのセーブポイントが分散しており、ファストトラベル制限の影響をさらに強める
さらに問題を複雑にしたのが、このファストトラベルアイテムがDLC(有料追加コンテンツ)として購入できるという事実だ。これが「ペイ・トゥ・コンビニエンス(利便性を金で買う)」として強く批判された。
MTX(マイクロトランザクション)騒動の全貌
発売直後のSteamレビューが「賛否両論」まで落ちた最大の原因は、DLC問題だった。
カプコンはDD2の発売と同時に、複数の有料DLCをSteamに出品した。内容は以下のようなものだ。

- 転移の石英(ファストトラベルアイテム×3):約150円
- リムの欠片(ポーン雇用コスト軽減):約150円
- キャラクター編集アイテム:約260円
- エクスパンション・クエスト(追加クエスト):約600円
- その他コスメティックDLCなど複数
単体で見れば「どのゲームにもあるようなDLC」かもしれない。しかし問題は、転移アイテム(ファストトラベル用)やキャラクター編集アイテムがゲーム内でも入手できる上に有料DLCとしても販売されていたこと、そして「キャラクター編集」は一度作成したキャラクターの見た目を変えるためにも必要だったことだ。
フルプライスのAAA作品でこれをやるのは信頼を損なう。ゲーム自体は素晴らしいのに、なぜこんなことをするんだ。
出典:Steamユーザーレビュー(2024年3月、賛否両論期)
カプコンはこの批判に対して「すべてのDLCはゲーム内でも入手可能」と説明したが、プレイヤーの怒りは簡単には収まらなかった。特に転移アイテムの販売は「移動を不便にしてDLCを買わせる設計ではないか」という疑念を生んだ。伊津野ディレクターの「移動の哲学」が、こうした文脈で語られると別の意味を帯びてくる。
ただし時間が経つにつれて、Steamレビューは「概ね好評」に回復した。実際にプレイしたユーザーからは「DLCなしでも十分に楽しめる」「ゲーム自体の質は本物」という声が積み重なっていった。発売直後の炎上は、内容の問題というよりも「信頼の問題」だったとも言える。
ポーンシステムの進化——12年分の技術がここに凝縮されている
DD2で最も大きく進化したのは、このゲームの象徴であるポーンシステムだ。
前作でも十分に独自性があったポーンだが、DD2のポーンたちはまず「喋り方」が変わった。前作では繰り返しの定型文が多く、長時間プレイするとセリフが被りすぎるという問題があった。DD2では文脈に応じた発話が大幅に増え、「初めて訪れる地域での観察コメント」「戦闘中の状況への即応」「クエストの手がかりについての考察」など、よりナチュラルな会話が生まれやすくなった。

ポーンは他のプレイヤーの世界に「貸し出し」される仕組みも継続している。自分のメインポーンが別プレイヤーに借りられ、その世界で活動して帰ってくると「○○という場所を訪れた」「○○という情報を学んだ」という形でポーンが成長する。情報をゲームシステムとして扱うこの仕組みは、単なるオンライン要素を超えた「間接的なプレイヤー同士のつながり」を生んでいる。
他のプレイヤーが育てたポーンを借りて旅するのが楽しくて。「このポーンはどんな人が育てたんだろう」と想像しながら冒険できる。ソウルシリーズのメッセージシステムに近い温かみがある。
出典:Steamユーザーレビュー(2024年4月)
ポーンの職業(ボケーション)も前作から大幅に拡充された。戦士(ファイター)や魔法使い(メイジ)といった基本職に加え、前作でも存在したポーン限定の「スペシャリスト」系に相当する職業がDD2でも存在する。各職業は単なる「攻撃役」「回復役」という分け方ではなく、「ハンター」(弓使い)の戦闘スタイル、「ウォリアー」の大振りな一撃重視スタイルなど、それぞれ異なる戦闘感覚を持っている。
戦闘の「グラブ戦闘」——前作から変わったこと、変わらなかったこと
ドラゴンズドグマシリーズ最大の特徴と言えば「グラブ戦闘」だろう。巨大なモンスターの体に掴みかかり、弱点部位をよじ登りながら攻撃するというシステムは、前作でも強烈な印象を残した。モンスターの体の上で戦うというゲームプレイは、当時の業界では類を見ないものだった。
DD2ではこのグラブ戦闘がさらに洗練された。RE ENGINEによる物理演算の向上で、モンスターの体の揺れや挙動がよりリアルになり、「しがみついている感覚」が格段にアップした。飛竜(ドレイク)の背中に飛び乗り、翼の付け根を剣で刺し続けながら空中をともに飛ぶ——そんな体験は他のARPGではなかなか味わえない。
グリフィンの首に掴みかかって空を飛びながら戦う体験は本当に最高だった。こういうことができるARPGはDD2しかない。
出典:Steamユーザーレビュー(2024年3月)
一方で戦闘の「深さ」については賛否が割れた。前作では「スタミナ管理」がかなりシビアで、攻撃しすぎるとスタミナ切れで戦略的な判断が求められた。DD2では全体的に戦闘がやや緩やかになり、前作ファンの一部からは「緊張感が薄れた」という声も出た。
ただしこれはトレードオフだ。前作のスタミナ管理は「独特の緊張感」を生む一方、カジュアルなプレイヤーには「不親切なシステム」として機能していた。DD2では新規プレイヤーが入りやすいよう設計を調整しつつ、モンスターのバリエーションや戦闘ギミックを増やすことでリプレイアビリティを高めようとしている。

- ゴブリン・ホブゴブリン:序盤からの基本エネミー、群れで行動
- グリフィン:飛行するため掴みかかりが重要な戦闘
- サイクロプス:1ツ目の巨人、目を攻撃する戦略が有効
- ドレイク(飛竜):シリーズの象徴、背中に乗って戦える
- メドゥーサ:石化攻撃が強力、視線を避けながら戦う
- キメラ:複数の動物が合体したモンスター、各部位に特性あり
- スフィンクス:謎かけで対話する特殊エンカウント
スフィンクスとの「謎かけ」は、DD2の中でも特に語り草になったコンテンツだ。巨大なスフィンクスが謎かけを出し、正解すれば報酬が手に入るというシステムだが、答えが一筋縄ではいかず、プレイヤーコミュニティでの情報共有が活発に行われた。こういったユニークな仕掛けは、DD2が「戦闘だけのARPG」ではないことを示している。
職業(ボケーション)システム——どれを選ぶかで世界の見え方が変わる
DD2のボケーション(職業)システムは、プレイスタイルを大きく変える要素だ。覚者(プレイヤーキャラ)が選べる職業と、ポーンが選べる職業は一部異なり、それぞれの特性が冒険の質感を決定づける。

| ボケーション名 | 特徴 | 覚者/ポーン |
|---|---|---|
| ファイター | 盾と剣の基本戦士。防御と反撃が得意 | 両方可 |
| シーフ | 高機動でアジャイルな近接戦。ダガー使い | 両方可 |
| アーチャー | 弓による遠距離攻撃。状況把握能力が高い | 両方可 |
| メイジ | 回復・バフ・魔法攻撃。ポーンとして非常に重要 | 両方可 |
| ソーサラー | 大魔法の詠唱特化。チャージ時間が長いが威力絶大 | 両方可 |
| ウォリアー | 大剣・ハンマー使いの力押し系 | 覚者のみ |
| ハンター | 弓と近接の中間。機動力と射撃を組み合わせ | 覚者のみ |
| マジックアーチャー | 魔法矢を駆使する上級職。多彩な追尾弾が強力 | 覚者のみ |
| マジックスピアハンド | 魔法槍使いの特殊上級職 | 覚者のみ |
| テンス | タロット(カード)を使った特殊上級職 | 覚者のみ |
特に「マジックアーチャー」は前作でも人気の高かった職業で、複数の追尾弾を一度に放つ戦闘スタイルがDD2でも健在だ。「ソーサラー」は詠唱時間が長いため、ポーンに守ってもらいながら大魔法を放つという「守られながら戦う」体験が独特で、ポーンシステムとの相性が特に良い。
マジックアーチャーで遠距離から誘導弾を撃ちながら、ポーン3人が前線を張ってくれる体験が最高に気持ちいい。ポーンシステムとのシナジーが完璧な職業。
出典:Steamユーザーレビュー(2024年4月)
世界の設計——エルフの森から滅びた都市まで
DD2の世界は、主に「ヴェルムンド王国」と「バタール帝国」という二つの国家を中心に構成されている。それぞれ異なる文化・政治・社会構造を持ち、プレイヤーはその間を旅しながら物語を進める。
フィールドのバリエーションは豊富だ。開けた草原、切り立った崖と峡谷、霧の立ち込める湿地、砂漠地帯、エルフが住む深い森、海辺の港町——前作よりも明らかに地形の多様性が増している。特にエルフが住む「高地の森」エリアは視覚的に美しく、エルフたちの言語(エルフ語)が存在するというロールプレイ要素もあって、「別の文化圏に迷い込んだ感覚」がよく出ていた。

ダンジョンの設計も前作から進化した。単純な一本道ではなく、分岐があり隠し部屋があり、探索の余地がある構造になっている。「ここを調べたら宝があった」という発見の喜びは、オープンワールドARPGの中でも特に密度が高い。
一方で、「街の数が少ない」という指摘もあった。広大なマップに対して、プレイヤーが拠点にできる規模の街は限られており、「マップの割に寄れる場所が少ない」という声が一部から上がった。これもファストトラベル制限と組み合わさって「移動の単調さ」として感じられた可能性がある。
ストーリーと世界観——前作ファンへのリスペクトと新たな物語

DD2のストーリーは、前作とは独立した新たな世界「かつて竜が世界を終わらせた」という神話的設定から始まる。覚者は「竜に心臓を抜かれた者」として特別な力を持ち、その運命に向き合いながら旅をする。
前作のDDをプレイしていなくても楽しめるよう設計されているが、前作を知っているプレイヤーには「あのシステムがこういう形で続いているのか」という発見もある。ポーンの存在理由、覚者の宿命、竜との関係——これらのテーマはシリーズを通じて引き継がれており、前作ファンは「DDの世界に戻ってきた感覚」を強く感じられる。
ストーリーについては「前半の密度が高く、後半が駆け足気味」という声がある。広大な世界の探索に時間を使えるように設計されている分、メインストーリーのボリューム自体はそれほど長くない。「クリア後の余韻はあるが、物語的な満足感については人によって差がある」という評価が多く見られた。
メインストーリーが思ったより短かったのは残念。でも世界の隅々まで探索したくなる引力がある。ストーリー目当てではなく「世界を旅する体験」目当てで遊ぶゲームだと思う。
出典:Steamユーザーレビュー(2024年3月)
ゲームの終盤には「ファルクール(後日談エリア)」と呼ばれる特殊な高難度エリアが存在し、前作の「ビタートラックダウン」や「バンタム島」に相当するやり込み要素として機能している。ここでの探索はメインストーリーとは別の充実感を提供しており、「本当のドラゴンズドグマはここから始まる」とも言われるほどだ。
技術面の評価——RE ENGINEが実現したものと、残った課題
RE ENGINEはカプコンが自社開発した高性能ゲームエンジンで、バイオハザードシリーズやデビルメイクライ5などで実績を積んできた。DD2はこのエンジンを使った初のオープンワールド大作として、技術的な挑戦でもあった。
その成果は明確に出ている。街中に数十人のNPCが同時に動き回り、それぞれが独立したAIで行動している。夜の光源表現、水面の反射、モンスターの体の質感——視覚的なクオリティは一流だ。RE ENGINEのモーションキャプチャ技術によるキャラクターアニメーションは、ポーンたちの「生きている感覚」に大きく貢献している。
- 街中でのNPC密集エリアでフレームレート低下が報告されていた
- 特に城下町など人口密度の高いエリアでの処理負荷が高い
- 高性能なCPUが必要(街中ではGPUよりCPU依存度が高い傾向)
- 発売後のパッチで順次改善が図られた
発売当初、PC版では街中のパフォーマンス問題が話題になった。多数のNPCが同時に動く設計上、CPU負荷が高く、特に城下町などの人口密集地域でフレームレートが下がるという報告が多く出た。カプコンは発売後のパッチで改善に取り組み、時間経過とともに状況は改善されたが、発売当初にこれを経験したプレイヤーにとっては印象に残る問題だったことは確かだ。
また「セーブデータが1ファイルしかない」という仕様も話題を呼んだ。別キャラクターで最初からやり直したい場合、既存のセーブデータを削除するしかないという制限は、「違うビルドで遊びたい」というプレイヤーにとって不便だった。これもカプコン側の意図的な設計だったが、モダンなゲームの常識からすると異質な仕様として受け取られた。
DD2が生み出した「冒険の記憶」——プレイヤーたちの物語

ドラゴンズドグマ2というゲームが特別なのは、「語れる体験」を生み出す設計にある。プレイヤーそれぞれが「あのときこういうことが起きた」という個人的な物語を持ちやすいゲームだ。
夜間に篝火もなく野宿を強いられ、モンスターの群れと格闘しながら夜明けを待った体験。道に迷って気づいたら別の街に辿り着いていた体験。ポーンが突然「ここに宝が眠っているかもしれない」と言い出して探したら本当に隠し部屋があった体験——こういった「計画外の冒険」が起きやすい設計は、ドラゴンズドグマシリーズ独特のものだ。
ゲーム内で「道に迷って3時間彷徨ったが、それが一番楽しかった」という体験をしたのはDD2が初めて。移動の不便さすら愛しく感じる不思議なゲーム。
出典:Steamユーザーレビュー(2024年4月)
ポーンに名前をつけて、自分だけの仲間として育てていく体験が他のゲームにはない温かさがある。借りてきたポーンが「この場所には宝がある」と教えてくれるのが、まるで本当の仲間みたいで。
出典:Steamユーザーレビュー(2024年5月)
こういった声が積み重なることで、発売直後に「賛否両論」まで落ちていたSteamレビューは「概ね好評」に回復していった。騒動が落ち着き、実際にゲームをプレイしたユーザーの率直な評価が積み上がった結果だ。
辛口評価——前作から12年経っても変わらなかった「欠点」
ここまで良い点を中心に書いてきたが、正直に言うべきことも書く。
DD2には「前作から改善されなかった部分」がある。ファストトラベル制限については前述したが、それ以外にも「マップ上の情報が少ない」問題は依然として残った。目的地がどこにあるのかわかりにくい、サブクエストの場所が不明瞭——これらは前作でも指摘されていた課題で、12年経っても根本的には解決されなかった。
クエストの場所を探すのに時間がかかりすぎる。マーカーがなくてNPCの会話だけを手がかりに探すのは、ある意味リアルだけど、仕事が忙しい社会人には辛い。
出典:Steamユーザーレビュー(2024年3月)
NPCの会話AIも、進化は感じるものの「繰り返しが多い」という批判は完全には払拭されなかった。長時間プレイすると同じセリフが重なり、没入感が少し薄れる。もちろんこれは全てのオープンワールドが抱える問題だが、「ポーンが生きている感覚」を売りにしているDD2だけに、期待値との差が目立ちやすかった。
UIとメニュー操作についても改善の余地がある。インベントリ管理や装備の比較が直感的でなく、「どのアイテムが強いのかわかりにくい」という声は継続している。カジュアルなプレイヤーが増えた現代のRPG市場において、この部分はもう少し洗練されてほしかった。
- ファストトラベルの制限(ゲームデザインとしては意図的だが不便)
- 発売時のMTX(有料DLC)問題による信頼低下
- マップ情報の少なさ・クエスト目的地の不明瞭さ
- 発売当初のPC版パフォーマンス問題(街中でのフレームレート低下)
- セーブデータが1ファイルのみという制限
- ストーリー後半が駆け足になりがち
- UIとインベントリ管理の煩雑さ
「ドラゴンズドグマ2」は誰のためのゲームか——プレイヤー適性の正直な話
これほど評価が割れるゲームだから、「自分に向いているかどうか」を事前に確認することが重要だと思う。
DD2は「移動の旅程そのものを楽しめるプレイヤー」に向いている。目的地に向かう途中で起きる出来事、出会うモンスター、発見する場所——これらを「邪魔」ではなく「本番」として楽しめるかどうかが、このゲームを愛せるかどうかの分岐点だ。
逆に「ストーリーを効率よく進めたい」「明確な目標に向かって一直線に進みたい」というプレイヤーには、DD2の設計は根本的に合わない可能性が高い。これはゲームとしての「良し悪し」ではなく、「合う・合わない」の問題だ。伊津野ディレクターが作りたかったゲームと、あなたが遊びたいゲームが一致するかどうかだ。
- ポーンシステムという独自のコンパニオン体験を楽しみたい人
- 移動・探索・偶発的な冒険に価値を感じられる人
- 前作DDファンで「あの体験の続き」を求めている人
- 戦闘での「乗り越えた感」よりも「世界に浸る感」を求める人
- 時間をかけてじっくりとフィールドを歩き回るプレイスタイルの人
- ファストトラベル前提で効率的に進めたいプレイヤー
- 1日30分〜1時間しか確保できない忙しいプレイヤー(時間効率が悪い)
- ソウルライクの高難度アクションを求めているプレイヤー
- マップ情報が整理されていないと迷子になってストレスを感じる人
- 複数キャラクターで遊びたい人(セーブデータ1ファイル制限)
PC版の動作要件と推奨スペック

| 最低動作環境 | 推奨環境 | |
|---|---|---|
| OS | Windows 10/11(64bit) | Windows 10/11(64bit) |
| CPU | Intel Core i5-10600 / AMD Ryzen 5 3600 | Intel Core i5-10600 / AMD Ryzen 5 3600 |
| メモリ | 16GB | 16GB |
| GPU | NVIDIA GeForce GTX 1070(VRAM 8GB) | NVIDIA GeForce RTX 2080 / AMD RX 6700 |
| ストレージ | 60GB以上(SSD推奨) | 60GB以上(SSD) |
| DirectX | DirectX 12 | DirectX 12 |
注意点として、特に街中のNPCが密集するエリアではCPU負荷が高くなる傾向がある。GPU性能だけでなくCPU性能も重要なタイトルであり、「GPUは強力だがCPUが旧世代」という構成の場合、街中でのパフォーマンスに影響が出ることがある。SSDへのインストールも強く推奨される。
発売から1年以上経った現在のDD2——コミュニティはどうなっているか
2026年4月現在、DD2は発売から2年以上が経過した。発売直後の混乱——MTX炎上、レビュー「賛否両論」転落、パフォーマンス問題——はある程度整理され、ゲームへの評価は「本質的なコンテンツの質」で語られるようになっている。
Steamレビューは「概ね好評」で安定しており、定期的なセール期間には新規プレイヤーが流入している。コミュニティではポーンの「育て方」の情報交換、ボケーション別の攻略情報、隠しコンテンツの発見などが活発に共有されている。発売直後の炎上と比べると、ゲームそのものへの肯定的な声が積み上がってきた印象だ。
大型DLCや続編については、2026年4月時点では公式発表はない。伊津野ディレクターが何かを示唆するようなコメントも出ていないが、DD2の世界観やシステムがさらに発展した形で続いてほしいと願うファンは多い。
発売から1年以上経って、今も時々起動している。「あの森の奥に何があったっけ」と思い出して探索するたびに、新しい発見がある。これだけ「また行きたくなる」ゲームは珍しい。
出典:Steamユーザーレビュー(2025年)
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まとめ——ドラゴンズドグマ2は「愛されるゲーム」になったのか
12年待ち続けたファンへの回答として、ドラゴンズドグマ2は及第点以上の作品だと思う。前作の「生きている世界」という核心的な体験は確かに引き継がれ、RE ENGINEによるグラフィックとポーンシステムの進化は本物だった。
MTX騒動は発売当初の印象を大きく傷つけた。これは事実であり、カプコンへの批判として残り続ける出来事だ。同時に、その騒動がゲームの本質的な面白さとは別の話だったことも、時間が証明した。
ファストトラベル制限については、「これが嫌なら向いていない」という正直な基準として使えばいいと思う。伊津野ディレクターのビジョンは一貫していて、それに共鳴できるプレイヤーには唯一無二の体験を提供している。共鳴できないプレイヤーには「なぜこんな不便なゲームを」という感想になる。そこに善悪はない。
「ドラゴンズドグマ2」はポーンと旅をするゲームだ。自分が育てたポーンに名前をつけ、彼女(あるいは彼)と一緒にモンスターと戦い、未知の場所を歩き、夜明けを共に待つ——そういう体験が好きなら、このゲームはずっと遊び続けられる一本になるだろう。
- ここが最高:ポーンシステムの完成度、グラブ戦闘の爽快感、「生きている世界」の没入感
- ここが惜しい:発売時MTX問題、ファストトラベル制限の不便さ、UIの洗練度
- こんな人には刺さる:旅そのものを楽しめる人、前作DDファン、「偶発的な冒険」好き
- こんな人には合わないかも:効率重視のプレイヤー、時間が少ない社会人、ソウルライク求めてる人
Dragon's Dogma 2 カスタムサウンド「ドラゴンズドグマ サウンドセット」
| 価格 | ¥300 |
|---|---|
| 開発 | CAPCOM Co., Ltd. |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル |
