3日で400万人がシロディールに戻った――『Oblivion Remastered』が最高のリマスターと最悪のPC動作を同居させた理由【新作PCゲーム・オープンワールドRPG】

2025年4月22日。Bethesdaが突然、1時間のライブ配信を告知した。

配信が始まり、画面に映し出されたのは――19年前のあのシロディールが、Unreal Engine 5で完全に生まれ変わった姿だった。

そして配信終了と同時に、「今すぐプレイできます」のアナウンス。

事前の大々的なマーケティングは一切なし。リークはあったものの、まさか本当に「発表即リリース」をやるとは誰も思っていなかった。Bethesda Game Studios ディレクターのTom Mustaine は後にこう語っている。「あの日、僕たちはインターネットを1日支配した」と。

結果は数字が物語っている。発売からたった3日で400万プレイヤーを突破。Steam同時接続は216,784人に達し、Skyrimが8年かけて打ち立てた69,906人というTESシリーズ記録をあっさり塗り替えた。3ヶ月後には累計900万プレイヤー。オリジナル版が同じ数字に到達するまで約10年かかったことを考えると、この初速のすさまじさがわかる。

ただし、手放しで「神ゲー」と言えるかというと――そうでもない。

Digital Foundryは「テストした中で最悪レベルのPC動作」と評し、Steamレビューは発売4ヶ月で「ほぼ好評」から「賛否両論」に転落した。美しさと引き換えに、とんでもないパフォーマンス問題を抱えている。

この記事では、オブリビオン リマスターの魅力と問題点をすべて正直に書く。購入を迷っている人が「自分に合うかどうか」を判断できるように。

公式トレーラー


目次

こんな人におすすめ / こんな人には合わない

おすすめできる人

  • オリジナル版Oblivionに思い入れがある人(ノスタルジーだけで元が取れる)
  • Skyrimが好きで、その「原点」を体験したい人
  • 200時間クラスのオープンワールドRPGを腰を据えてやりたい人
  • Xbox Game Passに加入している人(追加費用ゼロ)
  • MOD文化が好きで、自分でカスタマイズして遊びたい人

合わない人

  • 最新ゲームのスムーズな動作を期待する人(パフォーマンス問題が深刻)
  • PCスペックに余裕がない人(推奨RAM 32GB、ストレージ125GB)
  • 「リメイク」としての抜本的なゲームデザイン変更を期待する人
  • バグへの耐性が低い人(2006年のバグが一部そのまま残っている)
  • アクション性の高い戦闘を求める人(改善はされたが、根本は2006年設計)

基本情報

タイトル The Elder Scrolls IV: Oblivion Remastered
開発 Virtuos / Bethesda Game Studios
エンジン Unreal Engine 5(バックエンドにオリジナルのGamebryo)
発売日 2025年4月22日(サプライズリリース)
対応機種 PC(Steam / Microsoft Store)/ PS5 / Xbox Series X|S
価格 スタンダード版 6,930円 / デラックス版 7,980円
Game Pass 初日対応(PC / Xbox)
ジャンル オープンワールド アクションRPG
日本語対応 フル対応(音声・テキスト)
同梱DLC Shivering Isles / Knights of the Nine / 全小規模DLC
Metacritic 80(批評家) / 7.5(ユーザー)
Steam評価 やや好評(77%肯定的 / 約57,000件)
プレイヤー数 累計900万人以上(2025年7月時点)
受賞 Golden Joystick Awards 2025「Best Remake/Remaster」

そもそも「オブリビオン」とは何か

2006年にBethesda Game Studiosが開発したオープンワールドRPG。The Elder Scrolls(TES)シリーズの第4作目にあたる。

舞台はタムリエル大陸の中心に位置する帝国の本拠地「シロディール」。皇帝暗殺をきっかけに魔界「オブリビオン」のゲートが各地に開き、デイドラの侵攻が始まる。プレイヤーは皇帝の遺志を継ぐ者として、世界を救う旅に出る――というのがメインストーリーだが、正直、メインクエストをほとんど進めなくても100時間遊べるのがこのゲームの本質だ。

盗賊ギルドに入って街中の家をしらみつぶしに漁ってもいい。闇の一党(ダークブラザーフッド)に加入して暗殺者として暗躍してもいい。魔術師ギルドで魔法の研究に明け暮れてもいい。戦士ギルドの依頼をこなしながら各地のダンジョンを冒険してもいい。あるいは、ただシロディールの草原を馬で駆け回り、見知らぬ遺跡に飛び込んでもいい。

「何をしてもいいオープンワールド」という概念を、現在のゲームシーンに定着させた作品のひとつがオブリビオンだ。

続編のSkyrimが世界的大ヒットを記録したため、知名度ではSkyrimに譲る部分もある。だが、「ギルドのクエストラインはオブリビオンの方が面白い」「NPCとのやり取りが独特で味がある」と根強いファンが多い。あの不気味なNPCの表情、唐突に始まる会話、チーズを大量に懐に入れるプレイヤー。そのすべてが、TESファンにとって「Oblivionらしさ」として愛されてきた。


リマスターで何が変わったのか

Oblivion Remastered UE5で美しく生まれ変わったシロディールの風景とインペリアルシティ

1. Unreal Engine 5による完全ビジュアル刷新

最大の変化は見た目だ。これは「リマスター」と名乗っているが、ビジュアル面に関しては実質リメイクと言っていい。

キャラクターモデル、武器、防具、建築物、自然環境――目に見えるほぼすべてのアセットがゼロから作り直されている。UE5のLumen照明によるリアルタイムグローバルイルミネーション、ダイナミックシャドウ、広がりのある空と鮮やかなカラーパレット。2006年の「あの草原」が、2025年の目で見ても息を呑むほど美しい風景に生まれ変わっている。

GameSpotのJake Dekkerは「Bethesda RPGの新基準を確立するビジュアル」と評した。実際にプレイするとわかるが、インペリアルシティの城壁から見渡す夕暮れのシロディール、闇に沈むアイレイドの遺跡、Shivering Islesの狂気に彩られた風景は、写真のようなリアルさとファンタジーの美しさが共存する。

ただし、ここが重要なのだが、技術基盤はオリジナルのGamebryoエンジンがバックエンドで動いている。UE5はあくまでレンダリング(描画)を担当しているだけで、ゲームのシステムやロジックは2006年のコードがそのまま走っている。これは良い面(ゲームプレイの再現度が高い)と悪い面(旧エンジンのバグも引き継ぐ)の両方を意味する。

2. レベリングシステムの大改革

オリジナル版Oblivionのレベリングシステムは、シリーズファンの間で長年の議論の種だった。

旧システムでは、メジャースキル(自分が選んだ主要スキル)を上げるとレベルが上がるが、レベルアップ時の能力値ボーナスは「どのマイナースキルをどれだけ上げたか」で決まるという仕組み。つまり効率的に強くなるためには、「普段使わないスキルをメジャースキルに設定して、本当に使いたいスキルはマイナーに回す」という本末転倒な戦略が必要だった。

リマスター版では「美徳(Virtue)」システムを新たに導入。以下のように変更された。

  • マイナースキルでもキャラレベルの経験値を獲得可能に。どのスキルを上げても無駄にならない
  • レベルアップ時に好きなステータスを任意で上昇できるようになった。メジャースキルと能力値の紐付けが解消
  • 結果として、「好きなプレイスタイルで遊んでも不利にならない」設計に

これは間違いなく、リマスター版で最も歓迎されている変更のひとつだ。オリジナル版で「効率レベリング」のために攻略サイトとにらめっこしていた人にとっては、解放感がすさまじいと思う。

3. 戦闘システムの改善

正直に言って、オリジナル版の戦闘は2025年の基準では厳しい。剣を振っても手応えがなく、敵は棒立ちで殴り合うだけ。「RPGの戦闘としてはまあこんなもん」で許されていた2006年の水準を、リマスター版はかなり引き上げている。

  • 新しい攻撃アニメーションで近接戦にフレアが追加。剣戟に重みが出た
  • 敵がヒットに反応するようになり、攻撃の手応えが生まれた(オリジナルは殴ってもほぼ無反応だった)
  • 弓のエイムが大幅改善。狙いやすくなり、弓プレイの楽しさが倍増
  • スプリント(ダッシュ)の追加。Skyrim以降なら当たり前の機能が、ようやくオブリビオンにも
  • 三人称視点がショルダーカメラに。操作性が劇的に改善
  • PS5ではハプティックフィードバック対応

ソウルライクゲームに着想を得たとされるブロッキングメカニズムや、スタミナシステムの調整も加わり、戦闘はオリジナルとは比べものにならないほどダイナミックになった。ただし、これは「2006年のゲームをベースに改善した戦闘」であって、「2025年の最先端アクションRPG」ではないことは理解しておいた方がいい。根本的な戦闘デザインはTES4のまま。Elden RingやDragon’s Dogma 2のような戦闘を期待すると肩透かしを食らう。

4. UIの刷新

インベントリ、マップ、ジャーナルなどのUIが全面的に作り直された。ロックピッキングと会話ミニゲームは健在だが、UIだけ現代風に。NPCのリップシンク技術も更新され、会話シーンの違和感は大幅に減っている(ただし「あのオブリビオンNPCの顔」は健在なので、そこは安心してほしい)。

5. その他の変更点

  • 全DLC同梱(Shivering Isles、Knights of the Nine、Horse Armor含む全小規模DLC)
  • NPCに新しい音声・セリフが追加(ただしオリジナルの名セリフはすべて残っている)
  • デラックス版にはアカトシュの化身・メエルーンズ・デイゴンの武器防具セット、デジタルアートブック、サウンドトラック付き

ゲームの全体像——200時間を溶かすコンテンツ量

Oblivion Remastered ミノタウロスとの戦闘シーン

メインストーリーだけなら20〜28時間で終わるが、このゲームの真価はそこではない。

クエスト総数はベースゲームだけで223。Knights of the Nineと小規模DLCで19クエスト追加、大型拡張Shivering Islesで35クエスト追加。合計で277以上のクエストが待っている。

ギルドクエストライン

Oblivionの目玉コンテンツと言えば、各ギルドのクエストラインだ。

  • 闇の一党(ダークブラザーフッド):34クエスト。暗殺組織の一員として依頼をこなす。TESシリーズ屈指の名クエストラインで、脚本の完成度はSkyrimのダークブラザーフッドを上回るという声も多い
  • 魔術師ギルド:22クエスト。魔法の研究と政治的陰謀が絡む
  • 戦士ギルド:21クエスト。正統派の冒険活劇
  • 盗賊ギルド:14クエスト。「グレイ・フォックス」の秘密に迫る
  • 闘技場:帝都のグランドチャンピオンを目指す

各ギルドのクエストラインは独立した物語を持ち、それぞれに印象的なNPCと意外な展開がある。特にダークブラザーフッドのクエストは「自分以外の暗殺者が全員集まったパーティ会場で、一人ずつ始末していく」というミッションが語り草で、ゲーム史上最も記憶に残る暗殺ミッションのひとつと言っても過言ではない。

メインクエスト——オブリビオンゲートを閉じる旅

皇帝Uriel Septim VII暗殺から始まる帝国の危機。魔界オブリビオンのゲートが各地に出現し、デイドラの軍勢が押し寄せる。プレイヤーは皇帝の隠し子を探し出し、帝国を救う使命を負う。

メインクエストの評価は「良くも悪くもオブリビオン」。壮大なスケールのストーリーだが、中盤のオブリビオンゲート攻略が繰り返しになりがちで、ここで中だるみする人は多い。ただし、終盤のクライマックスは圧巻で、リマスター版のグラフィックで見るとさらに迫力がある。

Shivering Isles——狂気の神の領域

大型拡張Shivering Islesは、狂気のデイドラ王子シェオゴラスが支配する異世界が舞台。メインゲームとは一線を画すぶっ飛んだ世界観が特徴で、「Mania(躁)」と「Dementia(鬱)」に分かれた世界を探索する。

35クエストに10〜15時間のプレイ時間。単体DLCとしての評価は極めて高く、「本編より面白い」という意見すらある。リマスター版のグラフィックで見るShivering Islesの異形の風景は、UE5の表現力が存分に活かされている。

プレイ時間の目安

プレイスタイル 目安時間
メインストーリーのみ 20〜28時間
メイン + サイドクエスト 70〜85時間
全ギルド + DLC含む 85〜100時間以上
探索・やりこみ含む 150〜200時間以上

Skyrimとの比較——どっちが「上」ではなく、何が「違う」のか

Oblivion RemaseredとSkyrimを比較するのは避けられない話題だ。ただし、「どっちが上」という比較にはあまり意味がない。19年前のゲームと2011年のゲーム(それも今やSkyrimもリマスター・MOD込みで別物になっている)を比べて優劣をつけるのはフェアじゃない。重要なのは「何が違うのか」を知ることだ。

要素 Oblivion Remastered Skyrim
世界の雰囲気 牧歌的なファンタジー。緑豊かな草原と中世ヨーロッパ風 北欧風の厳しい雪山。ヴァイキング的な世界観
ギルドクエスト 脚本の質が高い。特にダークブラザーフッドは伝説的 量は多いが、脚本の深さはOblivionに譲る面も
戦闘 改善されたが根本は2006年設計 ドラゴン戦など迫力あり。ただし同じくTES系の戦闘
NPCの個性 独特すぎる表情と会話。ネタの宝庫 より自然だが、Oblivionほどの「味」は薄い
レベリング 美徳システムで大幅改善 パーク制で直感的
魔法システム 魔法の自作が可能。自由度が高い 既存魔法から選択。自作不可

個人的には、ギルドクエストの脚本と魔法の自由度ではOblivionが上、戦闘の爽快感と世界の没入感ではSkyrimが上、という印象。両方遊べるなら両方やるべきだし、Skyrimしか知らない人がOblivionに触れると「あ、こっちの方が好きかも」となるパターンは珍しくない。

Bethesda RPGの原点を知りたいなら、まずSkyrimの記事もチェックしてみてほしい。

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良いところ・推しポイント

Oblivion Remastered UE5で描かれた美しい森とスプリガン

1. ビジュアルが本当に美しい

UE5の表現力を余すところなく使い切っている。Lumen照明による自然な光の表現、夕暮れ時の空のグラデーション、洞窟内のたいまつの揺れる光。19年前のゲームのリマスターとは思えない映像美で、「このゲームのためにスクリーンショットフォルダを作った」というプレイヤーの気持ちが理解できる。

特にShivering Islesの異世界表現は必見。躁と鬱の対比が色彩で表現され、UE5の恩恵が最も強く出ているエリアだと感じる。

2. レベリング改善で遊びやすさが段違い

前述の美徳システムにより、「攻略情報を見ないと損をするレベリング」から解放された。好きなスキルを好きなだけ上げて、好きなステータスを好きなように伸ばせる。これだけでゲーム体験の質が激変する。

3. 全DLC同梱のボリューム

Shivering Isles、Knights of the Nine、そしてあの伝説の「Horse Armor」まで含めた全DLCがパッケージ。スタンダード版6,930円で100時間以上遊べるコンテンツ量は、コスパとしては文句なし。Game Passなら追加費用ゼロ。

4. サプライズリリースの衝撃

発表と同時にプレイ可能になるシャドウドロップ。年単位で待たされる近年のゲーム発表に慣れた身としては、この体験自体が新鮮だった。Bethesdaは今後もこの戦略を続けたいと表明しており、業界全体に良い影響を与える動きだと思う。

5. MODコミュニティが活発

公式MODサポートがないにもかかわらず、発売からわずか6時間でUnreal Script ExtenderがNexus Modsに登場。現在はパフォーマンス改善MOD、NPC外見変更MOD、UIカスタマイズMODなど、膨大なMODが揃っている。旧作のOblivion Construction Setがリマスター版でも動作するため、MOD開発のハードルは意外と低い。


辛口ポイント・気になる点

1. PC版のパフォーマンスが壊滅的

これが最大の問題で、このゲームの評価を大きく引き下げている要因だ。

Digital Foundryのアレックス・バタリアは「テストした中で最悪レベルのPC動作」と断言。ハイエンドPCでもスタッタリングが頻発し、CPU側に深刻なボトルネックがある。GPU負荷も不可解に重い。さらにメモリリークが疑われ、長時間プレイするとパフォーマンスが徐々に劣化していく。

発売後に複数のパッチが配信されたが、状況は大きく改善されていない。むしろパッチ適用後にフレームレートが悪化したという報告すらあり、Digital Foundryは「困惑と悲しみが同時に」とコメント。2025年9月時点でSteamの直近30日レビューは58%まで下落し、評価は「賛否両論」に転落した。

PC版を買う人へのアドバイス:グラフィック設定はメインメニューから変更すること。ゲーム中に設定を変えるとパフォーマンスが激的に悪化するバグがある。また、NexusModsの「Optimized Tweaks」や「Ultimate Engine Tweaks」といったパフォーマンス改善MODの導入を強く推奨する。野外で30FPS近く改善したという報告もある。

2. 要求スペックが重すぎる

項目 最低 推奨
GPU GTX 1070 Ti / RX 5700 RTX 2080 / RX 6800 XT
CPU i7-6800K / Ryzen 5 2600X i5-10600K / Ryzen 5 3600X
RAM 16GB 32GB
ストレージ 125GB

推奨RAMが32GB。2025年のPCゲームとしても、これはかなり重い部類に入る。ストレージも125GB必要で、SSDの残り容量が心配になる。スペックに自信がない人は、まずGame Passで試すのが賢い選択だ

3. 2006年のバグがそのまま残っている

Gamebryoエンジンをバックエンドでそのまま使っているため、オリジナル版のバグがリマスター版にも引き継がれている。NPCが壁にめり込む、クエストが進行不能になる、アイテムが消失する。「19年前のバグを2025年のグラフィックで体験する」という不思議な状況が生まれている。

セーブはこまめに、そして複数スロットに分けること。これはオブリビオンを遊ぶ上での鉄則で、19年経っても変わっていない。

4. 公式MODサポートがない

Bethesdaといえば公式Creation Kitを提供し、MOD文化を積極的に支援してきた会社だ。Skyrim、Fallout 4、Starfieldとすべてに公式MODツールを用意してきたのに、なぜかOblivion Remastered版にはCreation Kitが提供されていない

非公式にMODは作れるし、旧Oblivion Construction Setも使えるので壊滅的ではない。しかし、公式サポートがあればもっとMODシーンが盛り上がったはず。パフォーマンス問題をMODコミュニティに「治してもらっている」現状を考えると、せめてMOD開発の環境くらい整備してほしかった。


ユーザーの声

Xの声

発売からたった3日で400万人。Bethesda自身もこの数字には驚いたはずだ。事前マーケティングなしのシャドウドロップでこの初速は、原作の持つIPパワーの証明でもある。

「リマスター」を名乗っているが実質リメイクだという声は多い。新しいレベリング、新しいボイス、ゼロからのビジュアル再構築。ただし、「オリジナルのあのおバカなセリフは全部残っている」というのがファンには一番大事な情報かもしれない。

「完璧に近い忠実なリマスター」という評価。ポイントは「忠実な」の部分で、良くも悪くもオリジナルをそのまま美しくしたものだ。新しい体験を求める人向けではなく、あの体験を最高の画質で再体験したい人向け。

キャラクタークリエイターが発売直後にバズった。UE5のリアルなグラフィックで作る「オブリビオンの化け物顔」が、TikTokやRedditの/r/OblivionAbominationsで大量にシェアされ、Baldur’s Gate 3の開発元Larian Studiosが「Bethesdaゲームのバイラルな面白い顔は最高のマーケティング」とコメントしたほどだ。

IGNが「adorably weird(愛らしくヘンテコな)」と表現しているのが的確だと思う。美しいけれどヘン。壮大だけどおバカ。それがオブリビオンの魅力であり、リマスター版はその本質をきちんと保っている。

「これこそソニーがPS3のゲームでやるべきだったこと」という声。確かに、Days GoneやHorizon Zero Dawnのリマスターと比べると、Oblivion Remasteredのビジュアルの飛躍は別次元だ。リマスターのお手本として業界に影響を与える可能性がある。

Steam レビューの声

「グラフィックが圧倒的。19年前のゲームとは思えない美しさ。特に夕暮れのシロディールは息を呑む。レベリングの改善で遊びやすくなったし、全DLC同梱でこのボリュームはお得」

出典:Steam ユーザーレビュー(肯定的)

「RTX 4080でもスタッタリングが酷い。推奨スペックを満たしても安定動作しない。パッチ後にさらに悪化した。2006年のバグもそのまま。オブリビオンファンとして感動したけど、一人の消費者としてはこのクオリティで出荷していいの?と思う」

出典:Steam ユーザーレビュー(否定的)

「It is still well and truly a Bethesda game(バグも含めて、正真正銘のBethesdaゲーム)」

出典:Steam ユーザーレビュー

この最後のレビューが一番的確かもしれない。美しい世界、膨大なコンテンツ、独特のユーモア、そしてバグ。全部含めて「Bethesdaらしい」ゲーム。それが許容できるかどうかが、このゲームを楽しめるかどうかの分水嶺だ。

メディアの声

「Bethesda RPGの新基準を確立するビジュアル」

出典:GameSpot(Jake Dekker)

「テストした中で最悪レベルのPC動作」

出典:Digital Foundry(Alex Battaglia)

この2つの評価が、Oblivion Remasteredの本質を端的に表している。ビジュアルは最高、パフォーマンスは最悪。どちらの面を重視するかで、このゲームの評価はまったく変わる。


Skyblivionとの関係

「Oblivionのリマスター」と聞いて、ファンMODプロジェクト「Skyblivion」を思い浮かべた人もいるだろう。SkyblivionはOblivionをSkyrimのエンジンで再現するという野心的なファンプロジェクトで、10年以上にわたって開発が続けられている。

公式リマスターの登場で「Skyblivionは不要になったのでは?」という声が上がったが、Bethesdaの対応は見事だった。Skyblivion開発チーム全員にリマスター版のゲームキーを贈呈し、「プロジェクトを閉鎖する意図はない」と明言。Skyblivion側も「比較や競争の必要はない。両プロジェクトは共存できる」と応じた。

実際、Skyblivionはカットされたコンテンツやオリジナルの新要素を含んでおり、公式リマスターとは異なるアプローチのため、両方に存在意義がある。


「発表即リリース」がもたらしたもの

Oblivion Remasteredの最大のサプライズは、ゲーム自体ではなくリリース方法にあったとも言える。

近年のゲーム業界では、発表から発売まで2〜3年は当たり前。ティーザー、トレーラー、プレイアブルデモ、クローズドベータ、オープンベータ、アーリーアクセス……と、何段階もの「待ち」を経てようやく製品版が出るのが通例だ。

Oblivion Remasteredはその慣例を完全に無視した。「これ作りました。今すぐ遊べます」。このシンプルさが、SNSを爆発させ、3日で400万人という数字を叩き出した。

Bethesda Game Studios ディレクターのTom Mustaine は「今後もシャドウドロップを続けたい」と述べており、この成功が業界に波及する可能性は高い。プレイヤーにとっては、待つストレスがなくなる嬉しい動きだ。


Falloutシリーズとの共通点——Bethesdaファンなら両方遊びたい

OblivionとFalloutシリーズは、同じBethesda Game Studiosが手がける「オープンワールドRPG」という点で共通している。世界観はファンタジーとポストアポカリプスで真逆だが、「広大な世界を自由に探索し、NPCとの出会いを通じて自分だけの物語を紡ぐ」というゲームの根幹は同じだ。

Oblivionの自由な探索と独自のユーモアが好きなら、Falloutシリーズも肌に合うはず。

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特にFallout 76は、オンライン要素が追加されたことで賛否が分かれたものの、度重なるアップデートで今ではかなり遊びやすくなっている。Bethesda RPG特有の「発見の喜び」が好きなら、チェックしてみる価値はある。

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Fallout 4はBethesda製オープンワールドRPGの集大成的な作品。拠点建設システムの追加など、Oblivionとはまた違った方向で「やれることの多さ」を追求している。


Dragon’s Dogmaが好きなら

アクションRPGとしてのOblivionに物足りなさを感じるなら、Dragon’s Dogmaシリーズが合うかもしれない。こちらはアクション性が段違いに高く、大型モンスターによじ登って弱点を攻撃するダイナミックな戦闘が特徴。オープンワールドの探索要素もしっかりしている。

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PCスペック別のおすすめ設定

パフォーマンス問題が深刻なPC版。ここでは現実的な設定指針を示しておく。

ハイエンドPC(RTX 4070 Ti以上 / RAM 32GB)

  • 設定:高〜最高。ただし安定動作の保証はない
  • フレームレート上限は60fpsに固定推奨
  • NexusModsの「Optimized Tweaks」MOD導入を推奨
  • グラフィック設定はメインメニューから変更すること(ゲーム中の変更はバグあり)

ミドルレンジPC(RTX 3060〜4060 / RAM 16GB)

  • 設定:中。一部の設定は低に
  • フレームレート上限は30fps固定も視野に
  • パフォーマンスMOD必須
  • RAM 16GBでは動作するが余裕がない。可能なら32GBに増設

ロースペックPC

  • 正直厳しい。Game PassでCS版を試すか、スペックアップを検討した方がいい
  • PS5版は安定して60fpsで動作するため、据え置き機があるならそちらを推奨

Game Pass vs 購入、どちらがお得か

結論から言うと、迷っているならまずGame Passで試すのが正解だ。

Game Pass(PC / Xbox)は月額990円で、Oblivion Remasteredが初日から含まれている。パフォーマンスの状態を自分の環境で確認してから、気に入れば購入(6,930円)に移行すればいい。

ただし、MODを導入したい場合はSteam版が圧倒的に有利。NexusModsのMODはSteam版を前提にしていることが多く、Game Pass版(Microsoft Store版)はMOD導入のハードルが高い。パフォーマンス改善MODが事実上必須のPC版では、この差は大きい。

PS5版は安定動作で、パフォーマンス問題を気にせず遊びたいならベストの選択肢。ただしMODは使えない。


知っておくべき豆知識

Horse Armorの伝説——オリジナル版のDLC「Horse Armor Pack」は、ゲーム業界における「高額マイクロトランザクション」の走りとして悪名高い。馬の見た目を変えるだけで2.50ドル。当時は大炎上したが、今やどのゲームにもスキンの有料販売がある。時代がOblivionに追いついた、というわけだ。リマスター版では同梱されているので、追加費用なしでこの「歴史的DLC」を体験できる。

Adoring Fan(崇拝するファン)——闘技場でグランドチャンピオンになると、ずっと付いてくるNPCが現れる。「By Azura! By Azura! By Azura!(アズラ様!アズラ様!アズラ様!)」と叫びながらプレイヤーをストーキングするこのNPCは、オブリビオンの非公式マスコット的存在。リマスター版のUE5グラフィックで見るAdoring Fanは、ある意味ホラーに近い。

チーズホイール泥棒——Bethesda公式が400万プレイヤー達成時に「That’s a lot of cheese wheels in pockets(ポケットに入ったチーズホイールの量がすごいことに)」とツイート。オブリビオンプレイヤーが片っ端からチーズホイールを盗むのは、もはやシリーズの伝統だ。


今後のアップデートに期待すること

発売から約1年が経過した現在、最も求められているのはパフォーマンスの根本的な改善だ。

  • PC版のスタッタリング・メモリリーク問題の修正——これが解消されるだけでSteamレビューは大幅に改善するはず
  • 公式Creation Kit(MODツール)の提供——MODコミュニティのポテンシャルを活かすために不可欠
  • 残存バグの修正——2006年のバグを2025年に修正するのは皮肉だが、必要なこと
  • Oblivion Remastered 専用DLC?——デラックス版の新クエストのように、リマスター版独自の新コンテンツがあれば嬉しい

UE5.6のリリースでパフォーマンス改善が期待されるという情報もある。エンジンレベルでの最適化が進めば、状況は変わるかもしれない。


まとめ——買いか、待ちか

Oblivion Remasteredは、19年前の名作を最高峰のグラフィックで蘇らせた、見事だが不完全なリマスターだ。

ビジュアルの飛躍は業界の手本になるレベル。レベリングシステムの改善、戦闘の近代化、全DLC同梱のボリューム。ゲームの「中身」は間違いなく素晴らしい。3ヶ月で900万人がプレイし、Golden Joystick Awards 2025のBest Remake/Remaster に選ばれた実績が、そのクオリティを証明している。

しかし、PC版のパフォーマンス問題は深刻だ。「最高のリマスター」と「最悪のPC動作」が同居しているという、極めてBethesdaらしい状況。パッチの改善が十分でないまま評価が「賛否両論」に落ちた事実は、無視できない。

結論

  • 今すぐ買い:Game Pass加入者(追加費用ゼロ)、PS5ユーザー(安定動作)、オリジナル版ファン(ノスタルジー補正で十分元が取れる)
  • 条件付き買い:ハイエンドPC + MOD導入前提。パフォーマンスMODと設定の工夫で許容範囲に持っていける
  • 待ち:ミドル〜ロースペックPCユーザー。パフォーマンスパッチかUE5.6対応を待つのが賢明
  • Skyrimしかやったことがない人:ギルドクエストの脚本と魔法の自由度は原作の方が上。TESファンなら一度は触れておくべき作品

19年前、世界中のRPGファンがシロディールの草原に足を踏み入れ、自由な冒険に夢中になった。2025年、その体験がUE5の美しいグラフィックで蘇る。バグもパフォーマンス問題も含めて、これは紛れもなくBethesdaのゲームだ

そしてそれは、褒め言葉として受け取ってほしい。

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