Call of Duty: Modern Warfare III — シリーズ集大成のマルチFPS体験
「Modern Warfare III」を初めて起動したとき、最初のミッションのロードが終わるまでの数十秒間、なんとも言えない高揚感があった。あのイコン的なキャプテン・プライスのシルエット、重厚なサウンドデザイン、そしてすぐに「ああ、コールオブデューティーだ」と全身で感じさせてくれる映像クオリティ。2003年に第1作が世に出て以来、シリーズが積み重ねてきた20年分の文脈が、ここには詰まっている。
2023年11月10日にリリースされた本作は、2022年の「Modern Warfare II」から続く物語の直接の続編であり、同時にシリーズの集大成とも言える作品だ。キャンペーン、マルチプレイヤー、ゾンビモード——この3本柱をフルに備えた大型タイトルとして、PC(Steam / Battle.net)やコンソールで展開された。シリーズファンにとっては懐かしさと新しさが混在する複雑な体験でもあった。
本作はリリース直後から激しい議論を巻き起こした。「フルプライスのDLC」「シリーズ最低評価」という声が飛び交う一方で、「懐かしいマップで遊べる喜び」「マルチプレイヤーとしての完成度の高さ」を評価する声も根強かった。この二極化した反応こそが、Modern Warfare IIIという作品の本質を物語っている。
Steam App ID 2000950として登録されている本作は、PC版Steamで購入できる。Battle.net版と内容は同じだが、Steamでの購入はSteamのセールやウォレット残高を利用できる利点がある。一方、Battle.netではModern Warfare IIとのバンドル購入が可能な場合があり、過去作も含めてシリーズを通して揃えたい人はBattle.net版を検討する価値もある。
この記事では、Modern Warfare IIIが持つゲームとしての魅力を、過去作との比較や独自のシステムの紹介を交えながらじっくり掘り下げていく。賛否両論あったキャンペーンの話も含め、プレイヤーたちの本音を拾い上げながら書いていきたい。シリーズのどこが好きで、どこが物足りなかったのか。そういう「本当のところ」を知りたい人に特に読んでほしい。
こんな人に読んでほしい
- Modern Warfare IIIを購入しようか迷っている人
- シリーズをずっと追ってきたが本作でやめた・続けた理由を知りたい人
- WarzoneとMW3の関係や連携仕様が気になる人
- MW Zombies(MWZ)の新形式ゾンビモードの詳細が知りたい人
- FPS全般で次に遊ぶゲームを探している人
Modern Warfare IIIとは — 続編でありリブートでもある複雑な立ち位置
Modern Warfare IIIは、Sledgehammer GamesとInfinity Wardが共同で制作したFPSで、2023年11月10日にリリースされた。もともとはModern Warfare IIの大型DLCとして開発がスタートしたという経緯があり、フルプライスの単体タイトルとして発売されたことに対してコミュニティから批判の声が上がったのも事実だ。
Sledgehammer Gamesは「Advanced Warfare(2014)」や「Vanguard(2021)」を手がけてきたスタジオで、本作はInfinity Wardとの共同作業という形をとった。開発期間の短さが最終的なコンテンツ量に影響したという見方もあり、「本来1年かけるべき作業を半年でやった」という内部事情を匂わせる情報も当時流れた。真偽はともかく、リリース直後のクオリティに対する疑問が生じた背景にはそういった事情があったと見られている。
ゲームとしてのコンテンツ構成は大きく3つに分かれる。
キャンペーンモード(シングルプレイヤー)
シリーズの顔でもあるシングルプレイヤーキャンペーンは、Modern Warfare IIの直接の続きとして展開される。主なストーリーはウラジミール・マカロフ——シリーズファンには忘れられない悪役——との対決を中心に据えており、プライス大尉、ゴースト、ソープといったお馴染みのキャラクターたちが再登場する。
このキャンペーンで特徴的だったのが「オープンコンバットミッション」の採用だ。従来の一本道のストーリー進行ではなく、一定の広さのマップ内でプレイヤーが自由に目標をこなしていくスタイルで、行動順序や使用する武器、アプローチ方法をプレイヤー自身が選べる設計になっている。武器は購入や現地調達で入手でき、RPGを大量に持ち込んでゴリ押しするのも、スナイパーライフルで遠距離から仕留めるのも、ステルスに徹するのも全部アリだ。
キャンペーンが短すぎてびっくりした。オープンコンバットのアイデア自体は好きだったけど、全体のボリュームが明らかに足りなかった。
引用元:Steamレビュー
実際、キャンペーンのクリアにかかる時間は4〜5時間程度という報告が多く、過去作と比べてボリューム不足という評価が目立った。しかし、マカロフの描き方や終盤の展開については「シリーズの流れを踏まえると感情的に刺さる」という声もあり、評価が分かれたセクションでもある。
オープンコンバットミッションのマップは広く作られており、特に「旧ソ連の廃施設」「南アフリカの港湾都市」「中東の砂漠地帯」といったロケーションは映像的な美しさもある。武器の持ち込み自由という設計により、同じミッションでも毎回違うプレイ体験になるのはたしかだ。ただしAIの挙動が広いマップでは少しぎこちなく感じる場面もあり、そこが没入感を削ぐ要因になっていた。
マルチプレイヤーモード
本作のマルチプレイヤーで最大のトピックは、過去作「Modern Warfare(2019)」から「Modern Warfare II(2022)」にかけてのマップが16本リマスターされて収録された点だ。「Rust」「Terminal」「Favela」「Highrise」「Afghan」「Estate」「Quarry」——懐かしいマップが現代の映像クオリティで蘇り、シリーズを長年追ってきたプレイヤーにとっては胸熱な体験になった。
Rustがまた遊べるだけで元が取れた。ノスタルジーだとわかってても、あのマップを走り回ってると昔の感覚が戻ってくる。
引用元:Steamレビュー
マルチプレイヤーの基本的なゲームプレイは近年のCoD作品から大きく変わっているわけではない。TTK(Time to Kill:相手を倒すまでの時間)は速め、武器ごとのリコイルパターンに慣れることが重要で、キルストリークや特殊能力を絡めた立ち回りが求められる。本作からはスプリント中に素早くスライディングできる動きの精度が改善され、機動力が上がっている。
「キルストリーク」は敵を連続で倒すことで呼び出せる強力な支援システムで、本作でもUAV(敵の位置を表示するドローン)、爆撃支援、ガンシップ(ヘリコプター)といった定番が揃っている。連続キルが取れないときは「スコアストリーク」設定にして、目標達成やアシストポイントでも積み上げられるようにできる。この切り替えは初心者にも優しい設計だ。
MWZゾンビモード(MW Zombies)
本作のゾンビモードは過去作と大きく趣が異なる。従来のラウンドベースのゾンビサバイバルではなく、広大なオープンワールドマップに最大24人のプレイヤーが入り、協力・個人行動自由のエクストラクションシューター形式で遊ぶ「MW Zombies(MWZ)」が採用された。
「DMZ(リアルなタクティカル抽出ゲーム)」から着想を得たシステムで、ミッションをこなしながらスキルやアイテムをアンロックし、ゾンビや特殊ボスを倒して脱出を目指す。中心部に近づくほど強力な敵が出現し、そこで手に入る装備も強力になるというリスクリワード構造だ。
MWZは最初の数週間がピークだった。アクトストーリーをクリアしたあと、次にやることが見えなくて離れてしまった。
引用元:Redditコメント(r/ModernWarfareMW3)
斬新なアイデアだったMWZだが、コンテンツの供給が追いつかず、数週間でやり込み要素が枯渇してしまうという問題が報告された。アップデートによる新マップやミッション追加が期待されたものの、展開ペースが遅く、過去のゾンビモードに比べてリプレイアビリティが低いという評価が多かった。
Modern Warfareシリーズが積み上げてきたもの
Modern Warfare IIIを正しく評価するためには、シリーズの流れを知っておくことが重要だ。「Call of Duty: Modern Warfare」というサブシリーズは、もともと2007年の「Call of Duty 4: Modern Warfare」から始まった。それまでの第二次世界大戦ものが中心だったCoDシリーズに「現代戦」という新軸を持ち込み、業界全体に衝撃を与えた作品だ。
その後「Modern Warfare 2(2009)」「Modern Warfare 3(2011)」とシリーズが続き、2019年にはリブート作品「Modern Warfare(2019)」が登場。2022年の「Modern Warfare II」を経て、2023年の「Modern Warfare III(本作)」へと続いている。
2007年のCoDが残したもの
2007年のCoDが業界に与えたインパクトは計り知れない。「ランク制マルチプレイヤー」「キルストリーク報酬」「パークシステム」——これらの要素が初めて本格的に組み合わさり、「やり込み要素があるオンラインFPS」という新しい娯楽の形を作り出した。「50時間マルチプレイをやって気づいたら朝だった」という体験をした人が当時無数にいたはずで、その中毒性は現在も語り継がれる。
当時のマルチプレイヤーで特に中毒性を高めていたのが「プレスティージュ」システムだ。最高ランク(当時は55)に達するとランクをリセットして再スタートし、代わりにプレスティージュバッジを得るという仕組みで、「リセットしてでももう一度やり直したい」というプレイヤーを大量に生み出した。一見すると損に見えるこのシステムが爆発的な人気を誇ったのは、「コミュニティの中でプレスティージュバッジを持つことがステータスになる」という社会的な側面があったからだ。現在のCoDにも同様のシステムが受け継がれている。
このシステム設計は後のゲーム業界全体に波及した。ランク制とアンロックを軸にしたプレイヤーの継続モチベーション設計は、現在のほぼ全てのオンラインゲームに影響を与えているといっても過言ではない。CoDが作った「プレイするほど強くなる体験」という設計は、今やゲームデザインの常識になっている。

MW2・MW3リブートが描こうとした世界
2019年のリブート「Modern Warfare」から始まる新3部作は、現代の非対称戦争をリアルに描こうとする野心的な試みだった。民間人への被害、情報戦、政治的な判断——従来のCoDが避けてきたテーマに踏み込み、賛否両論を生んだ。ゲームとしての爽快感を追求しながら、同時に戦争のリアリティを描くというバランスは難しく、「うまくいっている部分」と「ちぐはぐな部分」が混在した作品群でもあった。
本作「Modern Warfare III」はその3部作の締めくくりとして、マカロフとの最終対決を描く。ただし、前述の通りキャンペーンのボリューム不足が批判されたため、「3部作の集大成」というより「次世代プラットフォームへの橋渡し」という印象を持つプレイヤーも多かった。
2019年のリブート路線は、グラフィックエンジンを刷新し、より現実の軍事作戦に近い世界観を打ち出した。「Shoot House」「Shipment」「Piccadilly」などのマップは新時代のCoDとして記憶されており、本作でのリマスター収録に喜んだプレイヤーも多い。特に「Shipment」は超小型マップとして常に激しい交戦が続く特殊なゲームプレイを提供し、「Shipment 24/7」プレイリストが実装されるたびに熱狂的なファンが殺到した。
マカロフというヴィランの復活
ウラジミール・マカロフはシリーズの歴史の中で最も印象的なヴィランの一人だ。オリジナルのMW2(2009)では「No Russian」という衝撃的なシーンで世界中のゲーマーに強烈なイメージを刻み込んだ。本作でのマカロフは現代戦の非情さをより洗練された形で体現するキャラクターとして描かれている。
「あのマカロフが帰ってきた」というファンの期待は大きかったが、同時に「描き方が物足りない」という批判も出た。もともとリブートラインのマカロフと旧来のマカロフのキャラクター性は別物であり、それをどう受け取るかは個々のプレイヤーの感覚に依存する部分が大きかった。
なぜMW3は賛否両論になったのか
本作がユーザーから受けた評価は複雑だ。Steamのレビューは「やや不評」〜「賛否両論」で推移しており、シリーズの中でもポジティブな評価が集まりにくかった作品の一つだ。その理由を整理してみる。
「DLC価格でフルプライス」問題
最も頻繁に言及された批判は、コンテンツのボリュームとその価格のバランスだ。キャンペーンのクリア時間が短いことに加え、ゲームシステムの多くがModern Warfare IIからの流用で、「DLCとして8,000〜9,000円程度が適正では」という声が絶えなかった。
マップのリマスターは嬉しいし楽しんでるけど、これが1万円以上するのは納得いかない。MW2買った人への特典として配布してほしかった。
引用元:Steamレビュー
この批判は発売前から一部メディアの先行プレビューでも指摘されており、ActiVision側の判断に疑問を呈する声が多かった。ただし、毎年新しいCoDを出すというActivisionのビジネスモデル自体を問題視する声も混在しており、本作単体の問題というよりシリーズ全体の構造的な課題でもあった。
過去マップリマスターという諸刃の剣
懐かしい16マップの復活は多くのシリーズファンに歓迎されたが、同時に「新マップが少ない」という不満も生んだ。リリース時の新規マップは数えるほどで、「リバイバルで水増ししているだけ」という見方もできた。
とはいえ、「Rust」「Terminal」「Afghan」「Wasteland」といったマップのクオリティは高く、現代的なグラフィックに刷新されてもゲームプレイの本質は維持されていた。特に「Terminal」はMW2(2009)の有名なミッションの舞台としても知られており、そのマップを走り回れること自体に感慨を覚えるプレイヤーも少なくなかった。
チートと武器バランスの問題
長年のCoD/Warzone共通の悩みであるチーター問題は本作でも無縁ではなく、PC版では特にチート使用者への不満の声が上がった。Ricochetアンチチートシステムが導入されているものの、完全な解決には至っておらず、ランクマッチでのチーター遭遇報告が継続していた。
武器バランスについても、特定の武器が突出して強い「壊れ武器」の出現と修正のサイクルが繰り返され、「また同じ武器ばかりになってる」という声が定期的に聞かれた。シーズンアップデートのたびに新しい「最強武器」が登場し、それを持っていないプレイヤーが一方的にやられるという状況は、課金要素との絡みもあって批判されやすいポイントだった。
チート野郎に当たるたびに萎えるんだけど、Ricochetがあってもまだ全然いる。プロのシーンだと対策されてるのにカジュアルは野放し感が否めない。
引用元:Steamレビュー
ストアとバトルパスへの批判
CoD全体に共通する話だが、本作でもコスメティックアイテムのストア販売とバトルパスへの批判は継続していた。スキンや武器設計図などの見た目アイテムは課金コンテンツとして販売されており、「ゲームプレイに影響しない」という建前があっても、ゲームの雰囲気と合わない派手すぎるスキンへの不満は根強い。
特に「コラボスキン」の頻繁な登場は議論を呼んだ。ミリタリースタイルのゲームに他フランチャイズのキャラクターが登場することへの違和感は、長年のシリーズファンほど強く感じる傾向があった。コラボスキン自体は収益的に成功しているため、開発側の方針は変わらなかったが、「CoDらしさ」を求めるプレイヤーにとっては残念な要素だったようだ。
Modern Warfare IIIが光った部分
批判が多い本作だが、評価される点も確実にある。特定のゲームモードやシステムについては、シリーズの中でも完成度が高いという声が聞かれた。
マルチプレイヤーの完成度
過去作マップリマスターの恩恵もあり、純粋なマルチプレイヤーとしての楽しさは高水準を維持していた。ゲームモードも「チームデスマッチ」「ドミネーション」「サーチ&デストロイ」「ハードポイント」といった定番に加え、「ウォーフェア」などの大人数モードも充実している。特にウォーフェアモードは大規模マップで多人数が戦う形式で、Battlefield的な広がりを求めるプレイヤーに支持された。
また、カスタマイズの幅広さも本作の長所だ。「Gunsmith」システムを使った武器のカスタマイズは膨大な選択肢があり、アタッチメントの組み合わせで異なる特性を持たせることができる。「どの武器構成が最強か」を追い求めるメタゲームを楽しむプレイヤーも多く、これがリプレイアビリティに貢献していた。
視覚・音響クオリティ
映像面のクオリティはシリーズを通じて常に高水準にあり、本作も例外ではない。銃声のリアリティ、爆発のエフェクト、キャラクターの動きの滑らかさ——どれをとってもトップクラスのFPSとして恥ずかしくない仕上がりだ。
特にキャンペーン中の屋内戦闘シーンや、暗視ゴーグルを使ったナイトオペレーションの映像表現は、現役のPC性能を使い切るような迫力がある。「ゲームとしての評価はともかく、映像体験としては一級品」という意見は多く見られた。音響設計も細かく、足音の方向感覚や銃声ごとの個性は、FPSとしての没入感を高めてくれる。
Warzone 2.0との連携
本作はWarzone(旧Warzone 2.0)と深く連携しており、マルチプレイヤーで入手した武器カスタムやアンロックをWarzone側に持ち込むことができた。CoDエコシステム全体を楽しんでいるプレイヤーにとっては、本作の購入がWarzone体験の強化にも直結していたため、「CoD年パス的な位置づけ」として納得感があったという声もある。
Warzoneメインでやってるから、MW3のマルチで武器アンロックしてWarzoneに持ち込む使い方をしてる。そう考えると元は取れてる気がする。
引用元:Steamレビュー
キャンペーンを深掘りする — オープンコンバットミッションの是非
本作のキャンペーンで最も議論を呼んだのが「オープンコンバットミッション」だ。広めのマップに複数の目標が配置され、プレイヤーがどこからどのアプローチで攻めるかを自由に決められる。このシステムへの評価は大きく分かれた。
肯定的な意見
自由度を歓迎するプレイヤーからは、「同じミッションでも遊び方が変わるから2周目も楽しめる」という声があった。特定の目標だけこなして脱出し、次のプレイでは別の目標を優先するといったプレイスタイルが生まれ、従来の一本道進行では生まれなかった会話が生まれた。
友達と「俺はこのルートで行ったけどお前は?」って話せるのが新鮮だった。CoDのキャンペーンで攻略の話ができるとは思わなかった。
引用元:Steamレビュー
また、難易度調整も自然に行いやすく、強力な武器を大量に持ち込めば難しい目標も楽に達成できる反面、あえて縛りを設けてチャレンジすることもできる。「自分のペースで遊べる」という感覚はシングルプレイに適しているという意見は正当だ。
否定的な意見
一方、シリーズの魅力として「映画的な演出と没入感のある一本道ストーリー」を挙げるプレイヤーにとっては、オープンコンバットはむしろ減点要素だった。広いマップの中でAIの動きがぎこちなくなったり、「ゲリラ戦っぽい雑然とした感じ」が従来のCoDの洗練されたイメージと乖離していると感じる人もいた。
「CoDのキャンペーンといえば、あの映画の一シーンのような瞬間の積み重ねだ」という声は根強い。MW4(2007)の「All Ghillied Up」、MW2(2009)の「No Russian」——そういうシーンが本作には少なかったという印象を持つプレイヤーが多かったように見える。ゲームとしての自由度を上げることで、演出的な「見せ場」が作りにくくなるというトレードオフは避けられない部分でもある。
「All Ghillied Up」はスナイパー装備で草むらを這いつくばりながら敵部隊をやり過ごすステルスミッションで、当時のゲームとしては異例の緊張感を持っていた。「No Russian」はプレイヤーが民間人の中に混じりながら銃乱射に参加するというセンセーショナルな演出で、世界中で議論を巻き起こした。本作でこのような「一生忘れられないシーン」が生まれたかどうかは、プレイヤーによって意見が分かれるところだ。
マカロフというキャラクターの使い方
ストーリーの核心にいるヴィランであるウラジミール・マカロフについては、「久しぶりに登場した割に掘り下げが足りない」という批判もあったが、「あの2009年作のマカロフのルーツをこの時代に見せてくれる」という楽しみ方をするファンも多かった。
キャンペーンの全体的な評価は低めだったとしても、マカロフの登場シーンや特定の演出については「ここだけは鳥肌が立った」という声が見られた。長年のシリーズファンほど、そういう小さな瞬間に価値を見出す傾向があるようだ。ゲームのエンディングについては賛否あったが、「次作への橋渡し」という文脈では理解できる着地点だった。
マルチプレイヤーを掘り下げる — なぜ飽きない人と飽きた人に分かれるのか
本作のマルチプレイヤーを長く続けるかどうかは、CoDというゲームへの向き合い方に大きく依存している。スコア・キルレシオ・ランクを追いかけるタイプのプレイヤーと、友達と一緒にカジュアルに楽しむタイプでは、全く異なる体験になる。
ランクマッチ(Ranked Play)の追加
本作ではシーズン1アップデートで「Ranked Play(ランクマッチ)」が実装された。CDL(Call of Duty League)ルールに準拠した設定で、腕試しをしたいプレイヤーにとっては大きなモチベーションになった。SR(スキルレーティング)を上げることを目標にできるため、従来の「ただのカジュアルマッチが続くだけ」という状況から一歩進んだ遊び方ができるようになった。
ランクマが実装されてから急にやる気が出た。カジュアルは緩すぎるし、ランクマは程よい緊張感がある。
引用元:Steamレビュー
ただしランクマッチも完全ではなく、SBMM(スキルベースマッチメイキング)の仕様に不満を持つプレイヤーは多い。「勝ち続けると急に強い相手ばかりになって連敗する」「友達と遊ぶと一方がレートが高いためバランスが崩れる」といった声が絶えなかった。
SBMMをめぐる永遠の議論
SBMMはCoD全体を通じて最も議論を呼ぶトピックの一つだ。スキルの近いプレイヤーをマッチングさせるシステムは理論上は公平だが、「カジュアルモードでも毎試合ガチ勢と当たる」「ストレス発散できない」という声と「初心者狩りが減って快適」という声が常に対立している。
特に本作では、カジュアルモードとランクモードのSBMMの差が大きく、「カジュアルなのにランク並みの試合展開になる」という報告が多かった。本来カジュアルで気楽に遊びたいプレイヤーにとって、これがフラストレーションの原因になっていた。SBMMの問題はある意味でCoD全体の「成功の副産物」であり、プレイヤーが多く競技性も高いゲームだからこそ生まれる悩みでもある。
SBMM論争において見落とされがちなのが「EOMM(Engagement Optimizing Matchmaking)」の存在だ。単なるスキルマッチングを超えて、プレイヤーのプレイ継続時間を最大化するためのマッチング調整が行われているという噂は、数年来CoD コミュニティで話題になっている。連勝が続くと故意に負けやすいマッチに入れられるというものだが、公式に確認されているわけではない。ただしこの話題が定期的に盛り上がること自体、プレイヤーがマッチングシステムに対して強い不信感を持っていることを示している。
過去マップが持つ独自の魔力
リマスターされた16マップは、本作のマルチプレイヤーを語る上で外せない。「Rust」「Terminal」「Highrise」「Afghan」「Favela」「Quarry」「Underpass」「Estate」——これらのマップには、それぞれにコミュニティの記憶が刻まれている。
「Rust」での1対1の緊張感、「Terminal」の廊下戦、「Afghan」の中央部をめぐる激しい攻防——マップデザインの巧みさは、現代のマップと比べても遜色がない。むしろ「昔の方がマップが良かった」という意見が出るほど、これらのマップはプレイヤーに愛されてきた。
この懐かしさは両刃の剣だとも言える。「また昔のマップで遊んでいるだけ」という感覚は、本作ならではの新鮮な体験を求めるプレイヤーには物足りなかった。一方で「これが遊べるだけでいい」と感じるプレイヤーには、そのままでむしろ嬉しかった。長くシリーズを追ってきた人ほど、懐かしさのウェイトが高くなる傾向がある。

武器カスタマイズ「Gunsmith」の深み
本作のGunsmithシステムは、武器ごとに多数のアタッチメントを組み合わせることができる。マズル・バレル・アンダーバレル・ストック・グリップ・スコープといった各部位を変更することで、同じ武器でも全く異なる特性を持たせることが可能だ。
例えば同じアサルトライフルでも「近距離向けのアグレッシブ仕様」「遠距離向けのスナイパー仕様」「バランス重視のオールラウンド仕様」と使い分けができる。この深さは「武器ビルドを調べて試す」という行為自体を楽しみにするプレイヤーを生み出し、長期的なエンゲージメントの一因になっていた。
一方で「最強装備が簡単に調べられる時代、結局みんな同じ武器になる」という見方もある。メタ情報が瞬時に広まるため、少し遅れてゲームを始めたプレイヤーが即座に「最適解」を選ぶ文化は、武器の多様性を生かした楽しみ方を減らす側面もある。
MWZゾンビモード — 新形態の実験
「MW Zombies」と名付けられた本作のゾンビモードは、シリーズのゾンビモードの歴史で最も大胆な変更を試みた作品だ。従来のラウンドベースサバイバルを捨て、「エクストラクションシューター×ゾンビ」という新しい組み合わせを採用した。
エクストラクションシューターとしての面白さ
MWZの基本構造はシンプルだ。広大なオープンワールドマップに降り立ち、ゾンビを倒してアイテムや武器を集め、ミッションをこなし、最後にヘリコプターで脱出する。マップ中央部の「エーテル化ゾーン」は強力な敵が出現するが、レアな報酬も手に入る。
このリスクリワードの構造は、Escape from TarkovやDMZに近い緊張感を生んだ。「深く行けば行くほど強くなれるが、死ぬとアイテムを失う」という葛藤が、単純なゾンビ撃ちとは異なるスリルをもたらした。ソロで気楽に遊ぶことも、3人パーティーで連携して深部を攻めることもできる柔軟な設計は一定の評価を受けた。
MWZは最初の1ヶ月がめちゃくちゃ楽しかった。一緒に行くメンバーによって毎回違う展開になるし、強いゾーンに突入するときのドキドキ感は本家ゾンビにはなかったもの。
引用元:Steamレビュー
コンテンツ枯渇という問題
しかし、MWZが抱えた最大の問題はエンドコンテンツの薄さだ。「アクト」と呼ばれるメインストーリークエストをクリアすると、それ以降に目指すべき目標がなくなってしまう。定期的なコンテンツ追加がなければリプレイアビリティは続かない。
実際、アップデートのペースは遅く、MWZへの新規コンテンツ追加は期待されたほど行われなかった。ランクゾンビ(ランクマッチ版MWZ)の実装は一定の話題を呼んだが、根本的なコンテンツ不足を解決するには至らなかった。最終的に「面白いコンセプトだったが、完成度が足りないまま次のタイトルに移った」という評価が多い。
従来ゾンビとの比較
Black Opsシリーズのゾンビモードに親しんだプレイヤーからは「あのゾンビモードとは全く別物」という声が多かった。「ラウンドが進むにつれて追い詰められる恐怖と興奮」というゾンビモードの醍醐味が薄まり、「ただのオープンワールドシューターになった」という意見も見られた。
逆に、「CoDのゾンビは難しすぎて続かなかった」という人には、MWZの自由な入退場がとっつきやすかったという側面もある。フォーマットの変化が合う人・合わない人の差が大きいモードだったと言える。ゾンビモードはシリーズの中でも最も独自性が強いコンテンツだっただけに、その方向転換への受け取り方は人それぞれだった。

PC版特有の話 — パフォーマンスとシステム要件
PC版のModern Warfare IIIは、Steam経由とBattle.net経由の両方でプレイできる。PC版ならではのカスタマイズ性と、コンソールとのクロスプレイによる大きなマッチプール——これがPC版の魅力だ。
推奨スペックと実際の動作
本作の推奨スペックは低くない。フルHD/60fpsでのプレイには最低でもGTX 1060 6GBクラスのGPUが必要で、快適な動作(144fps以上/高設定)にはRTX 3080クラスが推奨される。リリース当初はシェーダーコンパイルに時間がかかりすぎる問題が報告された。初回起動時に1時間以上かかったという報告も少なくなく、パッチで改善されたとはいえ、長いロード時間はPC版への不満の一因になった。
グラフィック設定の自由度
PC版の強みはグラフィック設定の細かさにある。解像度スケーリング(FSR/DLSS/XeSS対応)、レイトレーシング、フィールドオブビュー(FOV)、モーションブラーのオンオフなど、多岐にわたる設定項目がある。FOVをコンソール版より広く設定できるのはPC版の大きなアドバンテージで、視野が広い分だけ敵の動きに対応しやすくなる。
PCでFOV110にして視野を広げたら、コンソールのときとは全然違う快適さだった。FPSはやっぱりPC向きだなと改めて思った。
引用元:Steamレビュー
ファイルサイズと断片化問題
本作のインストールサイズはかなり大きく、すべてのコンテンツをインストールすると100GB超になることもある。ただし、不要なコンテンツパック(例えばキャンペーンを遊ばないならキャンペーンデータ)を選択的にダウンロードする機能があるため、ストレージの節約も可能だ。アップデートのたびに数十GBのダウンロードが発生する点は、回線環境によっては大きな手間になる。「毎シーズンのアップデートで数十GB落とすのがしんどい」という声は珍しくない。
プロシーンとCDLへの影響
Call of Dutyは世界最大級のFPSeスポーツリーグ「CDL(Call of Duty League)」を持つタイトルであり、プロシーンの動向も本作の評価に影響している。
CDL 2024シーズンへの採用
Modern Warfare IIIはCDL 2024シーズン(2023〜2024年)の競技タイトルとして採用された。プロプレイヤーたちが本作で戦い、その映像がYouTubeやTwitchで広く配信されることで、本作の注目度を高める効果があった。CDLの競技ルールでは使用できる武器やアビリティが制限される「CDLルールセット」が適用される。プロが使っている武器やポジショニングが一般プレイヤーの参考になり、「CDLプロのセッティングを真似る」文化がCoDコミュニティには根づいている。
プロが評価した点、しなかった点
プロプレイヤーの間でも本作への評価は分かれた。マップのクオリティは概ね好評で、特に競技向けの小〜中規模マップは「動線が読みやすく、戦術的な深みがある」という評価を得ていた。一方で武器バランスの不安定さは競技レベルでも問題視され、パッチのたびにメタが変動することへの不満が選手側からも出ていた。
CoDのプロシーンは他のFPSタイトルと比べてもドラマチックな展開が多く、個々のプレイヤーのファンダムも強い。プロのプレイを見ることで本作の深みに気づいたという一般プレイヤーも多く、「CDLを見てから遊び方が変わった」「あの動きを自分でもやりたくて週5でやり込んだ」という声も聞かれた。
CDLのロースターは欧米を中心に構成されており、「アトランタ FaZe」「ロサンゼルス Thieves」「OpTic Texas」などのチームが競い合う。日本のファンにとっては深夜帯での試合放送になることが多いが、Twitchのアーカイブやハイライト動画を通じて楽しんでいる日本人ファンも一定数いる。プロシーンを追うと「この武器構成がメタだから実際に試してみよう」という好奇心が生まれ、マルチプレイヤーへのモチベーションが高まる効果もある。

同ジャンルのFPSと比べたときのModern Warfare III
競合タイトルとの比較は、本作の立ち位置を理解するうえで欠かせない。FPSというジャンルは競合が多く、プレイヤーの取り合いが激しい。
ValorantやApexとの住み分け
ValorantはRiot Gamesが運営する基本無料のタクティカルFPSで、特に若い層に大きな人気を誇る。「アビリティを使ったチーム戦術」「1試合あたりのラウンド数が多い」「厳格なアンチチート(Vanguard)」という特徴があり、CoDとは明確に異なる体験を提供している。CoDのファストペースなゲームプレイに慣れたプレイヤーがValorantのゆっくりとしたタクティカルペースを退屈に感じることはよくある話だし、逆にValorantから来たプレイヤーがCoDの速さについていけないと言う場合もある。どちらが良いかではなく「どちらの体験を求めるか」で選ぶゲームだ。
Valorantは無料で遊べる点もCoDとの大きな違いだ。MW3のフルプライス購入をためらっているプレイヤーがValorantを選ぶケースは多く、「まず無料で腕を磨いてから有料タイトルに移る」というルートを取るプレイヤーもいる。ただしValotantとCoDではADS(照準)の仕様も全く異なり、Valorantのエイムスキルがそのまま通用するわけではない。
Apex Legendsは基本無料のバトルロワイヤルFPSで、スマートな動きと独自のキャラクタースキルで多くのファンを獲得している。本作のWarzoneと比べた場合、Apexの方が動きのアクロバティックさと個人スキルへの依存度が高い印象がある。両方遊ぶプレイヤーも多く、「Apexで動きの練習をしてCoDで撃ち合いをする」という使い分けをしている人もいた。
Counter-Strikeシリーズとの比較
「スキンが高い」「サーバーが安定している」「10年以上同じゲームが続いている」——Counter-Strike 2(CS2)は今もFPS界のベンチマーク的存在だ。CoDとCS2の最大の違いはゲームスピードと武器の扱い方で、CS2のほうがリコイルコントロールやポジショニングのシビアさが高い。
「CoDで腕を磨いてからCS2に挑戦したら撃ち合いの感覚が違いすぎた」という経験を持つプレイヤーは多い。CoDの速さとCS2の正確さ、どちらの方向性を求めるかでプレイヤーは自然に棲み分けられている。
CS2はPC専用タイトルで、コンソールプレイヤーには馴染みがない。一方でCoDはコンソールとPCのクロスプレイが基本設定になっており、PC購入者がコンソールプレイヤーと混在してマッチングされる。これが「PC勢の方がエイムが有利」という問題を生み、コンソールプレイヤーからの不満にもなっている。本作にはクロスプレイのオフ設定もあるが、PC側でオフにするとマッチ待ち時間が長くなるというデメリットが生じる。

よりタクティカルな方向性を求めるなら
CoDよりもっとリアル寄りのタクティカルFPSを求めるプレイヤーには、SWAT/警察の突入作戦を再現するゲームが別の選択肢になる。CQB(近距離戦闘)を真剣に学ぶような体験は、CoDの爽快感とは全く異なる満足感をもたらす。
また、全く別方向に振れてみるのも面白い。デッキ構築ローグライクで頭を使いながら少しずつ強くなる体験は、反射神経を酷使するシューターとは別の充実感を与えてくれる。

Modern Warfare IIIのシーズンアップデートを振り返る
本作は2023年11月のリリース後、シーズン1〜5までのシーズナルアップデートが提供された。各シーズンで新しい武器、マップ、バトルパス報酬、オペレータースキンなどが追加されていった。
シーズン1(2024年1〜2月)
シーズン1ではランクマッチの実装が最大のトピックだった。これにより競技志向のプレイヤーが本格的にランク上げを目指せるようになり、マルチプレイヤーの人口が一時的に回復した。新マップも追加され、コンテンツボリュームへの不満が少し和らいだ。また、新しいバトルパスシステム「BlackCell」も導入され、バトルパスの進め方にある程度の自由度が生まれた。
シーズン2〜4
以降のシーズンでは定期的に新武器とマップが追加された。人気マップのリバイバルや、特定のフランチャイズコラボスキン(他ゲームやアニメのキャラが登場する)なども話題になった。特に大型コラボはSNSで盛り上がりを見せたが、「シューティングゲームにそういうスキンはいらない」という声もあった。
コラボスキンの方向性が全然好きじゃない。ミリタリーゲームにアニメキャラはさすがに浮く。でも買う人がいるから需要はあるんだろうな。
引用元:Steamレビュー
シーズン5と次世代への移行
シーズン5ではゲームの最終的なコンテンツが展開され、次作への伏線が描かれた。このシーズンでは旧作マップのさらなる追加と、MWZのエンドゲームコンテンツが強化された。ただし最終シーズンも「やっと来た」という安堵と「もう終わりか」という物足りなさが混在する評価だった。
2024年10月には次作「Black Ops 6」がリリースされ、CoDコミュニティの大部分が移行した。Modern Warfare IIIは独立したゲームとして残っているものの、アクティブプレイヤー数は大きく減少した。WarzoneはBlack Ops 6との統合が行われたため、MW3のコンテンツを使い続けながらWarzoneを遊ぶ形態が変わっていった。
こういう人にはおすすめできる・できない
Modern Warfare IIIは万人向けのゲームではない。プレイヤーの志向やCoDとの関わり方によって、刺さる人と刺さらない人が明確に分かれる作品だ。
おすすめできる人
- Modern Warfare(2019〜2022)シリーズのストーリーを追ってきたファン
- 懐かしい過去マップで遊びたいシリーズ長年ファン
- Warzoneをメインに遊んでいて武器アンロックを効率化したい人
- CDLやプロシーンの使用タイトルで遊びたい人
- 豊富なマルチプレイモードをソロでもフレンドとでも楽しみたい人
- ランクマッチで腕試しをしたいプレイヤー
おすすめできない人
- キャンペーンのボリューム・質に期待しているシングルプレイ重視プレイヤー
- 完全新作の新鮮なゲームプレイ体験を求めている人
- チートや課金スキンのない公平な環境を求める人
- Black Opsスタイルのゾンビモードを期待している人
- 最安値でCoDを楽しみたい人(セール待ち推奨)
- SBMMによるマッチメイキングが肌に合わない人
現在のModern Warfare IIIのプレイ状況
Black Ops 6のリリース後も、Modern Warfare IIIはSteam上でプレイ可能だ。2025年時点では同時接続数はピーク時より大きく下がっているが、マルチプレイヤーのマッチングは主要なモードでは一応成立している。
ただし、深夜帯や特定のゲームモードでは待ち時間が長くなるケースもある。人気モード(チームデスマッチ、ドミネーション等)はまだ問題なく遊べる一方、マイナーなモードではマッチングに時間がかかる場合がある。
Warzoneとの関係については、WarzoneがBlack Ops 6に移行してからはMW3のコンテンツを積極的に使う意味が薄れている。ただし過去に取得した武器アンロックは一部引き継がれているため、当時の投資が全く無駄になったわけではない。
BO6が出てからはそっちメインになってしまったけど、たまにMW3のマップで遊びたくなって起動する。Rustだけは永遠に遊べる気がする。
引用元:Steamレビュー
価格は時期によって大きく変動する。セール時には大幅値引きになることもあるため、強い興味があるなら購入、普通に気になる程度ならセール待ちが無難だろう。Black Ops 6が現行の「正統CoD体験」として機能しているため、MW3はシリーズを追いかけていたが本作を逃した人の「補完用」としての需要が主になっている。
シリーズ全体を通じたCoDの価値
Modern Warfare IIIの評価はどうあれ、CoDというシリーズが20年以上にわたってFPSシーンを牽引してきた事実は変わらない。毎年新作を出すというActivisionのビジネスモデルに批判もあるが、そのペースで新しいコンテンツが供給され続けることへの感謝もある。
年に1本新作が出ることの意味
「また新しいCoDが出た」という言い方は少し批判的なニュアンスを帯びがちだが、見方を変えると「毎年FPSの最新体験ができる」ということでもある。シリーズを長く追ってきたプレイヤーにとって、CoDは「毎年秋に帰ってくるゲーム」として生活リズムに組み込まれていることも多い。
他のFPSタイトルが何年も同じゲームを更新し続けるのと比べて、CoDは毎年新しい設定・世界観・武器でリフレッシュされる。この「飽きさせない工夫」がシリーズの長寿命を支えている一方で、「1作1作の完成度より売上ペースが優先されている」という批判も続いている。
2024年にMicrosoftによるActivision Blizzard買収が完了したことで、CoDはXbox Game Passを通じて追加費用なしで遊べる体制が整いつつある。「次のCoDはGame Passで出たら必ず初日から遊ぶ」という声も増えており、シリーズのアクセシビリティは今後さらに向上する可能性がある。ただしPC版のSteamでの扱いがどうなるかは今後の動向次第だ。
コミュニティの根強さ
CoDのコミュニティは世界規模で根強く、日本でもTwitter/X上での関連投稿は絶えない。クリップ動画の投稿文化(いわゆるキルハイライト)やカスタムゲームモードの自作、プロプレイヤーへのファンダムなど、ゲームプレイを超えたコンテンツ文化が形成されている。
このコミュニティの存在は、本作のような賛否両論タイトルでも人々を引き留める力を持つ。「ゲーム自体は不満があっても、コミュニティが楽しくてやめられない」という現象は、CoDに限らず人気オンラインゲーム全般に見られる面白い現象だ。
日本のCoDコミュニティはDiscordやTwitter/X上で活発に活動しており、クランを組んで定期的にゲームセッションを開いているグループも多い。「野良ランクマより、Discordで繋がったメンバーとのプライベートマッチが一番楽しかった」という声は、CoDが「ゲームを超えた友達作りのツール」として機能していることを示している。本作でも日本人プレイヤーのコミュニティは活発で、Discordサーバーを探せば一緒に遊べる仲間が見つかる。
次世代への橋渡しとしての役割
本作は単独の作品としての評価が低めであっても、「新しいプレイヤーをシリーズに引き込む入口」「Black Ops 6の前哨戦」としての役割は果たした。MW3でCoD に入門し、その後BO6に移行したというプレイヤーも一定数いるはずだ。
CoDシリーズが持つ「間口の広さ」——コンソールでもPCでも遊べる、初心者も熟練者も遊べる、友達と気軽に遊べる——という特性は、本作でも損なわれていない。それだけで多くの人に「とりあえず触れる」理由を与えてくれる。
まとめ — Modern Warfare IIIは「シリーズ愛があれば楽しめる」作品
Call of Duty: Modern Warfare IIIは、優れたマルチプレイヤー体験と懐かしいマップの復活という強みを持ちながら、キャンペーンのボリューム不足とDLC感覚の価格設定という弱みを同時に抱えた複雑な作品だった。
Metacriticのユーザーレビューでもそれは数字に表れていて、発売直後は「シリーズ最低評価」とも言われた。しかし、それはゲームとして面白くないというよりも「フルプライスに見合わない」という不満の表れだったように見える。実際にマルチプレイヤーとしての完成度は決して低くなく、シリーズファンなら懐かしさと楽しさを確実に感じられる作品だ。
Modern Warfare IIIが最もよく機能するのは、「Modern Warfare(2019)以降のストーリーを追ってきたプレイヤー」「マルチプレイヤーをフレンドと楽しみたいプレイヤー」「過去のCoDマップへの思い入れがあるプレイヤー」この3つが重なるときだ。逆に「完全新作の体験」「充実したシングルプレイ」「公平な競技環境」を求めるなら、本作以外の選択肢を検討した方がいいかもしれない。
CoDというシリーズ自体が毎年新作を出し続ける宿命にある以上、1つの作品として完結した評価をするのが難しいタイトルでもある。それでも、「あのRustで遊べるだけで買った」と言えるプレイヤーがいる限り、本作は確かな存在感を放ち続ける作品だと思う。
シリーズへの愛着があるなら、セールのタイミングで手に取ってみる価値は十分にある。Modern Warfareの旅路を締めくくる体験として、あのキャプテン・プライスのシルエットはまだそこにいる。
ゲームとしての評価に賛否があっても、CoD というシリーズが長年にわたってFPSシーンを支えてきた事実は変わらない。本作の価値は「完璧な作品」としてではなく、「CoDの旅の一部」として捉えたとき、より自然に見えてくる。次作のBlack Ops 6に向けたつなぎであろうと、懐かしいRustでまた走り回れる機会であろうと、その体験に価値を見出せるかどうかが購入判断の分かれ目だ。

Call of Duty®: Modern Warfare®
| 価格 | ¥8,990 |
|---|---|
| 開発 | Infinity Ward, Beenox, High Moon Studios, Raven Software |
| 販売 | Activision |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル / マルチ |
