「Feed the Cups」もふもふキャラとドリンクショップを切り盛りするローグライト協力ゲーム

Feed the Cups — もふもふキャラとドリンクショップを切り盛りするローグライト協力ゲーム

友達から「これ一緒にやろう」と誘われたのがきっかけだった。タイトルを見ても正直ピンとこなかった。「カップに何か入れるゲーム?」くらいの認識で起動したら、最初の5分でそんな余裕は消し飛んだ。

注文票が積み上がっていく。在庫が足りない。床にこぼれた飲み物を誰かが踏んで滑っている。ゴミ箱があふれかえる。そのあいだも次々と客が来る。友達と画面越しに叫び合いながら、なぜかものすごく楽しかった。

Feed the Cupsは、もふもふしたけもの系キャラクターたちがドリンクショップを経営するローグライト協力ゲームだ。2024年2月20日にSteamで早期アクセス版が公開され、わずか1週間で「圧倒的に好評」ステータスを獲得した。同時接続者数は1万人を突破。インディーゲームとしては異例の滑り出しだった。

開発チームはわずか2人。それでいてビジュアルの完成度は高く、アニメーションは滑らかで、ゲームプレイの感触も丁寧に作られている。リリースから2年以上が経過した現在もアップデートは続いており、コンテンツは着実に拡張されている。

この記事では、なぜこのゲームがこれほど多くの人を引きつけたのか、実際のゲームプレイはどんな体験なのかを丁寧に掘り下げていく。「買おうか迷っている」という人にも、「友達を誘いたいけど説明しにくい」という人にも、参考になれば嬉しい。

目次

このゲームの正体——「料理ゲー」×「ローグライト」の組み合わせ

Feed the Cupsを一言で説明するのは、実はちょっと難しい。

「料理ゲームっぽいやつ?」と聞かれれば、半分正解で半分違う。「Overcookedみたいな?」と聞かれれば、近いけど別物だ。このゲームには、同ジャンルのほかのゲームにはない独自の要素が組み合わさっていて、それがこの作品の個性になっている。

ざっくりと整理すると、Feed the Cupsは次の3要素が組み合わさったゲームだ。

  • ドリンクショップ経営シミュレーション:仕込み・接客・ドリンク制作・片付けまでを体験する
  • ローグライト要素:毎日ランダムなコントラクト(契約)が提示され、プレイの変化を生み出す
  • 協力マルチプレイ:2〜4人で役割分担して乗り切る、Overcooked的な連携の楽しさ

この3つが絡み合うことで、「昨日と同じ店なのに今日は全然違う感じになる」という体験が生まれる。それが繰り返しプレイしたくなる理由のひとつだ。

開発チームについて

開発はVambear Gamesが担当している。パブリッシャーはIndie Ark。中国のインディーチームによる作品で、開発チームはコアメンバー2人という体制だったとされている。にもかかわらず、ビジュアル面のクオリティの高さは最初から評価されていた。もふもふとした動物キャラクターたちのアニメーションはなめらかで、ドリンクを作る動作のひとつひとつが気持ちいい。

早期アクセスでリリースしてからも開発チームはアップデートを継続しており、コスチューム機能の追加、新キャラクターの追加、家具システムの導入など、プレイヤーの声を反映しながらゲームを育てている姿勢が伝わってくる。完成まで8〜12ヶ月と当初は見込んでいたが、ゲームシステムの改修や追加が積み重なり、早期アクセス期間は当初の想定より長くなっている。

ゲームの流れ——「1日の仕事」を繰り返しこなす構造

Feed the Cupsのゲームプレイは「1日」という単位で進む。開店前の準備から、営業中の対応、閉店後の片付けまでが1セット。これを繰り返しながらチャプターを進めていく。

「1日の仕事をこなす」というシンプルな枠組みの中に、意外なほどたくさんの要素が詰まっている。何でもこなせれば理想だが、現実的には優先順位をつけて動くことになる。この判断のサイクルが積み重なっていくのがこのゲームのリズムだ。

開店前:仕込みの時間

営業が始まる前に、まずやることがある。届いた箱を開梱して、紙カップ・氷・砂糖・オレンジジュース・牛乳・コーヒーなどの材料を棚に補充する。箱はそのままにしておくと邪魔になるので、まとめて捨てる必要がある。

開店前にはその日のメニューも選べる。どのドリンクを売るかを決めることで、その日の仕込みの方向性が変わる。チャプターを進めるほど選べるドリンクの種類が増えていき、豆乳・紅茶・ミルクティー・コーヒー・サイダーといったバリエーションから組み合わせを考えることになる。最終的には数百種類のレシピが存在するとされているが、序盤のうちはそこまで気にしなくていい。

この仕込みフェーズで「今日は余裕あるな」と思っていると、営業が始まった瞬間に現実を突きつけられる。

開店前にはアップグレードアイテムを選ぶ機会もある。その日の店の状況に合わせてどのアイテムを持っていくかを決める。コントラクトと組み合わせた判断が、その日の展開を大きく左右する。

営業中:注文をさばき続ける戦い

客が来る。注文票が積み上がる。ドリンクを作る。提供する。またすぐ次の客が来る。

序盤のうちは「なんとかなるな」と感じるが、ステージが進むにつれて客の種類が増え、要求が複雑になる。注文どおりのドリンクを作らないと「ストレス」が上昇する。間違えたり、こぼしたり、在庫が切れたりするたびにストレスメーターが上がっていく。このストレスが上がりすぎると厳しい状況に追い込まれる。

在庫が途中で切れた場合は、その場で追加注文も可能だ。ただし届くまでのタイムラグがあるから、在庫管理の見通しを立てておく必要がある。このあたりの「先読み」の要素が、ゲームをただの反射ゲームではなくしている。

客のタイプも単純ではない。早く来て早く去る客、じっくり待てる客、特定のアレルギーや好みがある客——といった個性が後半ステージになるほど増えてくる。全員に同じ対応をしていると対処しきれなくなる場面が出てくるため、「どの客を優先するか」という判断が自然と生まれてくる。

「最初は余裕だと思ってたのに、チャプター3あたりで急に難しくなった。でもそこが面白い。」

引用元:Steamレビュー

閉店後:売上とアップグレード

1日の営業が終わると売上が確定する。稼いだお金は、店のアップグレードやキャラクターの家をデコレートするために使える。店の設備を整えることで、長期的に客の呼び込みや作業効率につながる。

閉店後は床の掃除やゴミ出しも仕事のうちだ。次の日に向けて店をきれいにしておかないと、開店前から後手に回ることになる。この「見えない仕事」をこなすかこなさないかが、プレイヤーの丁寧さや判断力を問う設計になっている。

売上とアップグレードの管理は長期的なゲームサイクルの中で重要な意味を持つ。毎日の収益を積み上げながら、どこに先行投資するかを判断するのは、単純なアクションゲームとは違う「経営者としての視点」を求めてくる。

このゲームの核心——ローグライト要素の「コントラクト」システム

Feed the Cupsを普通の料理ゲと区別している最大の要素が、ローグライト的なコントラクト(契約)システムだ。

毎日の営業前に、いくつかのコントラクトが提示される。コントラクトは「その日限りの特殊なルール」で、有利な効果をもたらす一方で、それ相応のコスト(制約や難度アップ)が伴う。

たとえば「今日は客の注文スピードが上がるが、売上ボーナスが+20%」という感じの取引だ。受けるかどうかはプレイヤーが判断する。弱いコントラクトで安全に乗り切るか、リスクを取って稼ぐか。この判断が毎日積み重なることで、プレイのバリエーションが生まれる。

コントラクトはランダムに提示されるため、同じステージを繰り返しても毎回状況が違う。ローグライトゲームが持つ「今日の引き運」みたいな感覚がある。完全にランダムではなく、プレイヤーの選択が結果に影響するバランスが保たれているのがうまいところだ。

「コントラクトの選択で毎回展開が変わるのが飽きない理由だと思う。同じステージでも全然違う感じになる。」

引用元:Steamレビュー

ローグライトのデッキ構築系が好きな人は、このシステムの面白さに共鳴できると思う。「今この引きで、どのコントラクトを受けるのが最善か」という思考が自然と働く。クッキークリッカー系の「今の選択が後でどう効いてくるか」という感覚が好きな人にも刺さる要素だ。

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コントラクトには「難しいが高報酬」タイプと「緩いが低報酬」タイプの両極があり、プレイスタイルによって使い分けられる。「今日は慣れていない状況だから安全策で行く」「チャプタークリアのためにリスクを取って稼ぐ」という判断が、プレイセッションごとに異なる緊張感を生む。

5体のキャラクターと、それぞれの個性

Feed the Cupsでは、複数のプレイアブルキャラクターから選んで店に立てる。それぞれのキャラクターには固有のスキルがあり、プレイスタイルに影響する。

早期アクセス時点で5体のキャラクターが用意されていた。クマ・キツネ・オオカミ・パンダ・ビーバー……といったけもの系のラインナップで、見た目のかわいさだけでなく性能に差がある。

各キャラクターの特徴

キツネ(Fox)は移動速度と混ぜる速度が速い。一人で複数の作業を切り替えながらこなすソロプレイヤーに向いている。Steamコミュニティでもソロプレイ向けのファーストチョイスとして繰り返し推奨されているキャラクターだ。

オオカミ(Wolf)は速度と力のバランスが良く、マルチプレイでもソロでも安定したパフォーマンスを出しやすい。速さと力の両立を求める人向けの堅実な選択肢だ。

クマ(Bear)は力系のキャラクターで、重いものや大量の在庫を素早く処理するのが得意とされている。ビーバー(Beaver)はユニークな特性を持ち、特定の状況で光るタイプだ。パンダ(Panda)はバランス型に近く、初心者にも扱いやすいとされている。

ゴースト(Ghost)という変わり種のキャラクターも存在する。特定の動作で他のプレイヤーの邪魔にならないよう動ける特性があり、マルチプレイ特有の「場所の取り合い」を回避できる点が個性になっている。マルチ環境で動き回りながら支援したいタイプのプレイヤーに向いている。

アップデートでワニのキャラクターも追加された。「捨てられたゴミを本棚から10回拾う」というゲーム内の実績を達成するとアンロックされる仕組みで、こういう遊び心のある解放条件が好きな人には刺さる設計だ。

完全版では8体以上のキャラクターが実装される予定とのこと。キャラクターそれぞれに「投げる」「ダッシュ」「ステルス」などのユニークなスキルが設定されているため、誰で行くかがチームの動き方を変える。協力プレイで「誰が何をやるか」を分担するときに、キャラクター選択が話し合いのネタになる。

コスチュームとカスタマイズ

アップデートで追加された家具システムにより、キャラクターのコスチュームを変えられるようになった。「クローゼット」で体と装飾品を変え、「シューズケース」で手足を、「ハットスタンド」で頭部を変えるという3段階のカスタマイズが可能だ。

ゲームの難易度が上がる後半チャプターでも、こういうカスタマイズ要素があることで「キャラへの愛着」が維持されるのは地味に大事な設計だと思う。見た目が気に入ったキャラクターで頑張れる、というモチベーションは馬鹿にできない。

コスチュームの種類は大型アップデートで一気に追加された経緯があり、ワニのコスチューム含めて選択肢の幅が広がっている。自分のキャラクターを育てていく感覚は、単純なゲームクリアとは別の楽しみを提供してくれる。

チャプター構成——テーマが変わるドリンクの世界

早期アクセス時点で4チャプター・計16ステージが収録されていた。その後のアップデートでチャプターが追加されており、現在は6チャプター以上が遊べる状態になっている。各チャプターはテーマとなるドリンクの種類が異なり、マップのデザインも変わる。

チャプターが変わるごとに作れるドリンクの種類が増えていく。序盤は豆乳・紅茶・ミルクティーあたりのシンプルなものから始まり、コーヒー・サイダーといったバリエーションが増え、後半チャプターではより複雑な工程が必要なレシピが追加されてくる。

計画では完全版で8チャプター以上になる予定で、スパークリングウォーターやアルコール飲料のテーマも追加予定となっている。チャプター8はバーをテーマにした内容が構想されており、各種グラスを使い分けながらカクテルを作り、洗浄機でグラスを洗うという新しい流れが入る予定とのことだ。チャプター7はアイスクリーム作りをテーマにした内容が開発中と明かされている。

難易度の上がり方

各ステージには3〜4段階の難易度が設定されており、クリアした後も「もっと難しい条件でやり直す」という挑戦ができる。これはソロプレイヤーにとって長期間遊べる理由になっている。

「ソロで全ステージの全難易度を100%クリアした。チャレンジングだったけど達成できた。新しいメカニクスの追加は難易度バランスを再調整してほしい部分もあるけど、基本的には最高のゲームだと思ってる。」

引用元:Steamコミュニティ

序盤は「慣れれば普通にこなせる」範囲に収まっている。しかしチャプター3あたりから難易度の上昇を実感するプレイヤーが多く、チャプター6のステージ3では「雪かき」という新しい作業要素が追加され、ソロプレイヤーから「バランス調整してほしい」という声が上がるほどハードな状況になった。

Steamコミュニティのフォーラムを見ると、難易度についての議論はかなり活発だ。「ソロだと無理ゲー」という意見と「ちゃんと対策すれば行ける」という意見が交差していて、それ自体がこのゲームの奥深さを示している。

ソロプレイはどうなのか——正直に書く

Feed the Cupsは基本的に「協力プレイを前提として設計されたゲーム」だ。これは正直に書いておきたい。

ソロでプレイできないわけではない。むしろ「ソロ100時間プレイした」というユーザーの声も確認できる。ただし、マルチプレイと比べてソロは明らかに難しい。複数の作業を一人でこなさなければならないため、後半チャプターでは相当な練習と効率化が求められる。

特にキャラクターが移動している間、他のカウンターへの対応が遅れる。2人いれば「あっちはあなた、こっちは私」という分担ができるが、ソロでは往復の時間コストがかかりっぱなしだ。後半になるほどこの差が大きくなる。

ソロで詰まったときの考え方

ソロで難しいと感じたときのヒントとして、Steamコミュニティでは「ドネーションボックス(Donation Box)」と「イヤーマフ(Earmuffs)」をストレス軽減アイテムとして使うのがセオリーとして共有されている。キャラクター選択はキツネが推奨されることが多く、移動速度と作業速度の高さがソロプレイヤーの助けになる。

序盤のメニュー選択も重要で、コミュニティで共有されているコツとして「ライトサゴマッチャ(Light Sago Matcha)」はスチーマー不要で作れる上に単価が高く、序盤の選択肢として推奨されることが多い。複雑な工程が少なく一人でもこなしやすいドリンクを中心にメニューを組むのが、ソロ攻略の基本的な方針になる。

ソロプレイで詰まったとき、Slay the Spireのように「この状況をどう打開するか」という思考ゲームになる感覚は似ているかもしれない。ただFeed the Cupsは純粋にアクション性が絡むため、プレイヤースキルも問われる。

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「一人でじっくり上達していきたい」という人にはソロは十分楽しめる。ただ「友達と一緒にやりたい」という目的がある場合、このゲームの面白さは確実に倍以上になる。

協力プレイの楽しさ——なぜこのゲームは2人以上でやると面白いのか

Feed the Cupsが「協力ゲー界の新星」と評された理由は、協力プレイ時の体験にある。

2〜4人でひとつの店を切り盛りする。役割分担は明確に決まっているわけではなく、状況を見ながらお互いに動く必要がある。誰かが注文を取る間に、別の誰かがドリンクを作る。床にこぼれがあれば誰かが拭く。在庫が切れそうなら誰かが補充を手配する。

この「状況判断と連携」がOvercookedやKeyWe的な楽しさと似ているが、Feed the Cupsのほうがゲームのサイクルが長い。1プレイが長期的なセッションになるため、「今日の営業どうする?」というチームの会話が生まれやすい。

「友達と2人でやったら気づいたら3時間経ってた。絶対また呼ばれる。」

引用元:Steamレビュー

オンラインコープは2〜4人に対応しており、Steam上でのリモートプレイも使える。離れた友達と一緒に「今日の仕事」をこなす感覚は、このゲームならではだ。

協力ゲーの定番といえば、Super Auto Petsのような非同期ゲームもあれば、リアルタイムで連携を取るゲームもある。Feed the Cupsはリアルタイム連携型で、「今すぐ来て!床が!」みたいな緊急事態が日常的に発生するスタイルだ。

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コミュニケーションが鍵になる

海外レビューで繰り返し指摘されているのが「コミュニケーションの重要性」だ。誰が何をやるかを決めておかないと、ふたりが同じ作業を重複してやっていて、別のところが崩壊する……という事態が起きる。

ボイスチャットでリアルタイムに指示を出し合いながらやると、かなりスムーズになる。逆に言えば、コミュニケーションなしで野良マルチをやると混乱する可能性が高い。フレンドと組んで遊ぶことが推奨される設計だ。

カップルや同居の友達と一緒に遊ぶ場合は、ローカル2人プレイにも対応している。ひとつの画面を見ながら横に並んで叫び合うプレイスタイルも選べる。

4人プレイの楽しさと難しさ

4人でやると見た目以上に複雑になる。2人でも連携が必要なのに、4人になると「誰が今何をやっているか」の把握が難しくなる。でもそれが面白さでもある。4人がそれぞれ別の作業をスムーズに分担できた瞬間の達成感は、2人プレイとはまた違う満足感がある。

4人プレイは「カオスを楽しみたい」タイプの人に特に向いている。全員がてんでバラバラに動きながらなぜかお店が回っている、という状況はSteamレビューで繰り返し「最高に楽しい」と表現されている。

グラフィックとサウンドのクオリティ

Feed the Cupsは「見た目の魅力」が強い。もふもふした動物キャラクターたちの動きは驚くほど滑らかで、ドリンクを作るときのアニメーションや、こぼしたときのエフェクトが視覚的に気持ちいい。

カラフルで明るい店のデザインは、ゲームプレイ中のストレスを軽減してくれる効果がある(ゲーム内のストレスメーターとは別の意味で)。画面を見ているだけでちょっと楽しくなる雰囲気がある。

各チャプターでマップのデザインが変わる点もビジュアル面の飽きにくさに貢献している。同じ作業の繰り返しでも、舞台が変わることで新鮮さが維持される。チャプターごとにドリンクのテーマが変わり、それに合わせた色調やデザインの変化があることで、「次はどんな店になるんだろう」という期待感が続く。

サウンドも丁寧に作られており、飲み物を作る音や客が来たときのジングルが、営業の「リズム感」を作り出している。BGMはステージごとに変わり、雰囲気の違いを演出している。

これがゲームウィキやSteamのレビューで「ビジュアルが可愛い」という言葉が繰り返し出てくる理由だ。インディーゲームとしてグラフィックのポリッシュ度は高い部類に入る。特に発売直後、「見た目がかわいいからやってみたら中身もしっかりしていた」という感想を持ったプレイヤーが多かった。

ストレスシステムの設計——「ほどよい緊張感」を作り出す仕組み

Feed the Cupsのゲームプレイに独特の緊張感を与えているのが「ストレス(プレッシャー)」システムだ。

ミスをするたびにストレスメーターが上昇する。注文を間違えた、こぼした、在庫が切れた、ゴミがあふれた——こういった出来事がひとつひとつのペナルティとして積み重なる。ストレスが高くなりすぎると、店の運営が厳しい状況に追い込まれる。

この「ペナルティが可視化される」設計が絶妙に機能している。単純にゲームオーバーになるよりも、「まだ挽回できる」という感覚が残る。だからこそ「もう少し頑張れば大丈夫」と思いながらギリギリまでやり続けてしまう。

一方で、ストレスを完全にゼロに保ちながら完璧に営業する、というのはかなり難しい。それを目指すとプレイがより緊張感のある体験になる。上位難易度ではストレス管理が攻略の核心になってくる。

この「管理の失敗が即死ではなく、じわじわと積み重なる」感覚は、The Farmer Was Replacedのような「効率化をどこまで突き詰められるか」という問いかけと近い部分がある。ただFeed the Cupsはリアルタイムのアクションが絡む分、より直感的なプレッシャーになっている。

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ストレスを下げる方法

ストレスが上がりすぎたときに対処する手段もある。特定のアイテムやスキルを使うことでストレスを一時的に低下させられる。ストレス管理アイテムの選択は、後半ステージで生存するための重要な判断になる。

協力プレイでは、誰かがストレス管理担当のような動き方をすることもある。「今ちょっとヤバいから誰かゴミ捨ててきて」という声がかかるシーンがリアルな店経営を感じさせてくれる。

革命的な部分は何か——「ローグライト」と「店経営」の組み合わせの妙

Feed the Cupsが既存の料理ゲームと差別化されている核心は、ローグライト要素の組み込み方にある。

Overcookedは「ステージを攻略する」ゲームだ。ステージに正解があり、それをクリアすることが目標になる。Feed the Cupsはそれと違い、「毎日のコントラクト選択がその日の体験を変える」という設計が入っている。

同じステージを何度やっても、コントラクトの組み合わせによってプレイが変わる。これがリプレイ性を生み出していて、「もう一日やってみよう」という動機につながる。

同じ発想で作られた最近のゲームに「PlateUp!」がある。レストランを管理するゲームで、ランダムなアイテムドロップとアップグレードでローグライト的な変化を作り出している。Feed the Cupsはドリンクに特化しているぶんコンテンツの焦点が絞られており、ドリンク作りの細かい手順を楽しむ設計になっている。

Revolution Idleのようなインクリメンタルゲームが「少しずつ積み上がっていく成長感」を提供するのとは違う。Feed the Cupsは「今日この日のコンディションで最大限やれること」に集中する体験だ。

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また、永続的なアップグレード要素もある。稼いだ売上で店を改装すれば、長期的に有利な状況が作れる。この「短期の判断」と「長期の成長」が混在する構造が、プレイヤーを引き止める力になっている。

現在の評価——なぜ「最近は微妙」という声も出ているのか

Feed the Cupsの全体レビューは「非常に好評」(89%以上)で安定している。しかし直近のレビューを見ると評判が分かれている状況がある。

主な理由として挙げられているのが、後半チャプターの難易度バランスと、新しいゲームメカニクスの追加に伴う調整不足だ。特にチャプター6のステージ3で追加された「雪かき」要素が、ソロプレイヤーから強い不満を受けている。

「雪かきの追加はソロプレイヤーにはほぼ不可能に近い。早急にバランス調整してほしい。」

引用元:Steamコミュニティフォーラム

一方で、開発チームがこれらのフィードバックに対して積極的に動いてくれているという声もある。更新ログを追うと、バグ修正やキャラクタースキルの調整が継続的に行われているのが確認できる。

「開発チームを信頼できるかどうか」という観点でいえば、早期アクセスリリース以降の更新頻度と内容は、プレイヤーの期待に応えようとする姿勢が伝わってくる。ただし早期アクセス特有の「完成前のゲームを買う」というリスクは当然ある。

CORN(あのゲームもリリース当初から地道に評価を積み上げたインディー作品だ)と同様、Feed the Cupsも「今の状態」で遊ぶのが最善かどうかは、個人の許容度次第だ。

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開発者の過去の対応について

Steamのディスカッションには「開発者の行動に問題があった」という主旨のスレッドが存在する。これは早期アクセス期間中のコミュニティ対応に関するトラブルで、一部のプレイヤーが強く批判した時期がある。

こういった情報は買う前に知っておいたほうがいい。ゲームの面白さとは別に、開発者・スタジオへの信頼感は購入判断に影響する要素だから。現状がどこまで解消されているかは、コミュニティのフォーラムを直接確認することを勧める。

ゲーム自体の評価は高い。ただ「開発者を全面的に応援したい」という気持ちになれるかどうかは別の話で、そこは購入判断の一要素として各自が判断してほしい。

こんな人に刺さるゲームだと思う

Feed the Cupsを最大限楽しめる人の条件を、正直に書いてみる。

まず「友達と一緒に遊びたい」という動機がある人には強くおすすめできる。協力プレイ前提で設計されているため、マルチプレイの体験が圧倒的に豊かだ。Discordでボイスチャットしながら友達と店を回す体験は、なかなか他のゲームでは味わえない。

「料理ゲー系が好き」という人にも合う。Overcookedをやったことがあって「もう少し長く遊べるやつが欲しい」と思っている人に特にフィット感がある。Feed the Cupsはひとつのセッションが長く、ローグライト要素でリプレイ性もある。

あとは「もふもふのキャラクターが好き」という人。ビジュアルの魅力は確実にある。動物系のかわいいキャラクターが好きな人は、見ているだけで楽しくなれるはず。

一方で「完全に完成したゲームが欲しい」という人には、もう少し待つことを勧める。早期アクセスのため、後半コンテンツはまだ発展途上だ。「8チャプターすべてが完成したら買う」という選択肢もあっていい。

「ソロで完結させたい」という人には、難易度が高めであることを覚悟する必要がある。Banana(Bananaのようなシンプルな放置系)とは真逆の、積極的な操作が求められるゲームだから、気軽に放置できるタイプではない。

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向いていない人についても正直に

協力プレイを前提にしているため、ひとりで気楽に遊びたい人には最初から難しさを感じる可能性がある。アクション速度が求められるため、じっくり考えながら進めたいタイプの人にはプレッシャーが強すぎることもある。

また、早期アクセスゲームを買うことへの抵抗がある人にも向かない。コンテンツの追加途中であり、バランス調整が随時入る状態が続いている。「最初から完璧な状態で楽しみたい」という場合は正式版リリースを待つのが正解だ。

操作自体はそこまで複雑ではないが、マルチタスクを素早くこなす能力は求められる。「何かひとつのことに集中したい」という人よりも、「あちこちに目を配りながら動く」タイプの人のほうが向いている。

料理・経営ゲームジャンルの中でのポジション

ゲームジャンルとして「料理ゲー」や「経営シミュ」はここ数年で活発になっている。Feed the Cupsはその中でも独自のポジションを取れている作品だと思う。

純粋な料理ゲー(Overcooked系)は「ステージクリア型」が多い。Feed the Cupsはそこにローグライト的な「毎回変わる体験」を加えることで、繰り返しプレイへの動機を作り出した。

ただ、完全にローグライトゲームの領域に入っているわけでもない。Slay the Spireのようなカードゲームベースのローグライクと比べると、Feed the Cupsは純粋にアクション性が高く、「作戦を立ててデッキを組む」というよりは「今この瞬間の判断と操作」が問われる。

Climber Animals Togetherのような協力アクションゲームと比べると、Feed the Cupsはより管理・経営の要素が強い。単純に「一緒にアクションを楽しむ」というよりは「店を一緒に回す」という感覚だ。

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このゲームが埋める「料理ゲー × ローグライト × 中長期プレイ」というニッチは、意外と競合が少なかった。だからこそ早期アクセス初週でこれほどの反響を呼んだのだと思う。

日本語対応について

Feed the Cupsは日本語に対応している。ゲーム内テキストは日本語で表示される。インターフェースもわかりやすく設計されており、翻訳の質も問題なく使える範囲にある。

これは日本のプレイヤーにとってシンプルに嬉しいポイントだ。料理ゲーやシミュレーションはテキスト量が多いジャンルのため、日本語対応の有無はプレイ快適性に直結する。

日本語Steamコミュニティも存在しており、攻略ガイドや攻略情報が日本語で共有されている。詰まった場面で参照できるリソースがある環境は助かる。AUTOMATONなど国内ゲームメディアでも早期アクセス開始時に取り上げられており、日本語圏のプレイヤーコミュニティも活発だ。

価格とコスパについての考え方

Feed the Cupsは早期アクセス版として通常価格が設定されており、セール時には10〜20%オフになることもある。

「この値段でどれくらい遊べるか」という観点でいえば、ソロプレイでも数十時間は普通にかかる。各ステージに複数の難易度が設定されているため、同じコンテンツをやり込む余地がある。協力プレイを含めると、友達と一緒に繰り返し遊ぶだけで時間はいくらでも溶けていく。

「ソロで100時間プレイした。まだマルチで100時間やる予定。ちょっと難しいけどめちゃくちゃ面白い!!!」

引用元:Steamレビュー

ただし早期アクセス特有の留意点として、完全版ではない現段階でのコンテンツ量は追加途中であることを念頭に置く必要がある。チャプター7・8が追加されれば、さらにボリュームが増す。「今すぐ全部楽しみたい」という人には少し待つ選択肢もある。

Cookie Clickerのように「一度買えばそれ以降ずっと遊べる買い切りタイプ」であることは明記しておきたい。月額課金やガチャ要素はない。追加コンテンツが来ても基本的に同じ購入費用で遊べる設計だ。

ソロプレイでの攻略ヒント——初心者がつまずきやすいポイント

実際にソロプレイで詰まった場合のヒントをまとめておく。

序盤のキャラクター選択

ソロプレイを始める場合、まずキャラクター選択が重要だ。Steamコミュニティで繰り返し推奨されているのはキツネ(Fox)で、移動速度と作業速度(特に混ぜる速度)が高い。次点でオオカミ(Wolf)も速度と力のバランスが良く使いやすい。

序盤は「どのドリンクをメニューに入れるか」の選択も大事だ。コミュニティで共有されているコツとして、「ライトサゴマッチャ(Light Sago Matcha)」はスチーマー不要で作れる上に単価が高く、序盤の選択肢として推奨されていることが多い。調理工程が少なくて済むドリンクを選ぶことで、ソロでも回しやすい環境を作ることが大切だ。

ストレス管理の基本

ストレスが上がりすぎる前に、アクセサリの選択で対策しておくのが基本だ。「ドネーションボックス」と「イヤーマフ」がストレス軽減の定番として知られている。他にも「フリップフロップ」「マスク」「アンチフォッグマスク」などが代替として機能する。

アクセサリ選択は早い段階で意識しておくと後半が楽になる。「攻撃的なアイテムで売上を最大化する」か「守備的なアイテムでストレスを抑える」かの方針を決めておくと、コントラクト選択とも組み合わさって一貫したプレイができる。

在庫管理のコツ

在庫切れが一番のストレス源になりやすい。特定の材料が頻繁に切れる場合は、そのドリンクをメニューから外すか、事前発注のタイミングを早めるかの判断が必要だ。

閉店後の片付けを毎回丁寧にやっておくと、翌日の開店準備が楽になる。地味なことだが、これを怠ると積み重なってくる。「面倒だから今日はいいや」が続くと、開店前からすでに手が回らない状況になってしまう。

発注のタイミングは早めが基本だ。在庫が底をつきそうになってから注文しても届くのに時間がかかる。余裕のあるうちに補充しておく習慣をつけると、営業中のパニックが大幅に減る。

コントラクトの選び方

序盤は無理なコントラクトを取らずに、安全策でクリアしていくのが正解に近い。慣れてきたら高リスク・高リターンのコントラクトに挑戦すると、売上が大きく変わってくる。コントラクトを選ぶ判断力がついてくると、このゲームが急に面白くなる感覚がある。

「このコントラクトは難しそうだが今日のメニュー構成なら乗り越えられる」という判断が自然にできるようになったとき、ゲームへの理解が深まったサインだ。

マルチプレイの役割分担——チームでやるときに意識したいこと

協力プレイをやるときは「誰が何を担当するか」をざっくりと決めておくのが基本だ。ただし完全に固定役割にしてしまうと、状況変化への対応が遅くなる。

実際には「基本的にこの人が注文取り、別の人がドリンク制作、状況見て補助し合う」くらいのゆるい分担が機能しやすい。特定の作業に専念するよりも、状況判断して動ける柔軟さのほうが大事だ。

在庫補充のタイミングは意外と見落とされやすい。「誰かが見てるだろう」と思っていると気づいたら底をついていた、というのがよくある失敗パターンだ。在庫チェックを担当する人を意識的に決めておくか、全員が常に確認する習慣をつけると安定する。

コミュニティのプレイヤーいわく「コミュニケーションなしでの野良マルチは混乱しやすい」という点は共通認識になっている。ボイスチャットかテキストチャットで状況を共有しながらやると体験の質が全然変わる。

セッションが長くなるときの注意点

Feed the Cupsは「気づいたら3時間経ってた」という状況が起きやすいゲームだ。1日の営業が終わるたびに「もう1日だけ」が始まり、それが積み重なっていく。

これはゲームデザインとして意図的な作りでもあり、それ自体が面白さの証拠でもある。ただし深夜に友達と「あと1日だけ」を繰り返していると、気づいたら朝になっていた、という体験が普通に起きる。計画的な時間管理をすすめる。

今後のアップデートに期待できること

Feed the Cupsの開発ロードマップを追ってみると、いくつかの楽しみな計画が明かされている。

「エンドレスモード」と「チャレンジモード」は早くからコミュニティで要望が上がっており、実装が計画されている。エンドレスモードは文字通り永遠に続く営業を耐え続けるモードで、高スコアを目指す競争的な要素が生まれる可能性がある。

「エンプロイーシステム(従業員システム)」も開発リストに入っているとされている。雇える従業員が追加されると、一人でこなしていた作業を自動化できる部分が増えるかもしれない。ソロプレイヤーには大きな助けになる可能性がある。

チャプター7(アイスクリームテーマ)とチャプター8(バーテーマ)が完成すれば、プレイ時間はさらに大幅に伸びる。アイスクリームという新しいドリンクカテゴリや、グラスを洗いながらカクテルを作るバーの体験は、これまでのドリンクショップとは異なる感覚をもたらしてくれるはずだ。

正式リリースに向けてゲームシステム全体の見直しも行われる予定で、難易度バランスの調整も含まれているとされている。現在の後半チャプターの「ソロには厳しすぎる」という状況が改善されれば、ソロプレイヤーの評価も上向く可能性がある。

早期アクセスゲームとしての買い方の判断

Feed the Cupsは早期アクセスゲームだ。つまり「完成前の状態のゲームを買って、開発に参加する」という購入体験になる。これは向き不向きがある。

早期アクセスゲームの難しさは「今の状態で楽しめるかどうか」と「正式版になったときに最大限楽しめるかどうか」の両方を判断しなければならない点にある。Feed the Cupsについて言えば、今の状態でも十分なコンテンツ量と完成度があるのは事実だ。ただし、後半チャプターの難易度調整が現在進行中であることや、まだ追加されていないゲームシステム(エンドレスモード、従業員システムなど)があることは知っておくべきだ。

早期アクセスゲームを買うことに慣れている人なら、Feed the Cupsのような「メインコンテンツの骨格がしっかりしていて、細部を磨いている段階」のゲームは安心して買える部類に入る。逆に早期アクセスの経験がない人は、「バグや調整不足が残っている可能性がある」「アップデートごとに体験が変わる」という前提で購入するとよい。

「今すぐ買う」派の考え方

友達と一緒にやるゲームを探している人は、今すぐ買うのが合理的だと思う。早期アクセスでも4チャプター以上・複数の難易度が揃っており、協力プレイを数十時間楽しめるコンテンツは確実にある。アップデートのたびに新しいコンテンツが追加されていくため、長期的に遊べる可能性が高い。

セール時に購入できるなら特におすすめだ。10〜20%オフは珍しくなく、それだけで心理的なハードルが下がる。「試しに買ってみて気に入ったら続ける」という判断がしやすい価格帯でもある。

Steamのウィッシュリストに登録しておけばセール時に通知が届くので、「今すぐは迷うけど気になっている」という場合はウィッシュリストからスタートするのも賢い選択だ。

「正式版まで待つ」派の考え方

完成度にこだわりたい人は、正式版を待つのが正解だ。チャプター7・8が未実装の状態で途中で終わる体験は、「後から追加される楽しみがある」とも言えるが、「まだ終わっていない感」として残ることもある。

特にソロ中心でプレイしたい人は、正式版でのバランス調整を待ったほうがいい可能性がある。現状の後半難易度がソロに厳しい状態が改善されてからのほうが、より楽しめる体験になるはずだ。

Steamコミュニティの雰囲気

Feed the Cupsのコミュニティは、好意的なプレイヤーが中心だ。日本語ガイドも複数あり、攻略情報にアクセスしやすい環境が整っている。

ディスカッションフォーラムでは難易度についての議論が活発で、ソロプレイヤー向けのアドバイスや、コントラクトの選び方、各キャラクターの強さについての情報交換が行われている。詰まったときに参照できるリソースが充実している点は、早期アクセスゲームとしては心強い。

国内のゲームメディアでも取り上げられており、AUTOMATONや電ファミニコゲーマーがリリース時に記事を書いている。日本語圏での認知度もそれなりにある。

Steamコミュニティのガイドを調べると、攻略情報だけでなく「どのキャラがソロに向いているか」「コントラクトの選び方の基本方針」「ストレスを効率的に管理するアイテムの組み合わせ」などの情報が日本語でまとめられている。公式に用意されたチュートリアルの補足として、こういったプレイヤーコミュニティの情報があることで、詰まった場面での助けになりやすい環境が整っている。

レビューの読み方について

Steamの全体レビューは89%前後の「非常に好評」だが、直近30日のレビューは70〜80%台に下がることがある。この差を読み解くと、最近のアップデートで追加された要素(雪かきなど)への不満が直近レビューに反映されている可能性が高い。

ゲームの根幹部分(ドリンクショップ経営×ローグライト×協力プレイ)への評価は全体的に安定している。不満が多いのは「新しく追加された特定の要素のバランス」についてで、これは開発チームが修正していく過程の話だと捉えることもできる。

レビューを読むときは、「全体評価」と「直近評価」の両方を確認して、差がある場合はその理由を調べるのが賢い。Feed the Cupsの場合、コアゲームプレイへの評価は高く、特定の新機能に対する不満が直近評価を下げているという構造が見えてくる。

個人的には「89%の全体評価を維持しているインディーゲームはかなり優秀」と思っている。早期アクセスのゲームはリリース直後こそ「圧倒的に好評」になりやすく、時間が経つと落ちていくパターンが多い。Feed the Cupsは2年以上経った今も「非常に好評」を維持していることは、ゲームの基礎品質の高さを示している指標だ。

Feed the Cupsで体験できるのは「経営者の気分」だ

このゲームをしばらく遊んでいると、面白い感覚が生まれる。

「今日の店をどう回すか」を毎日考えるようになる。コントラクトを見て「これなら今日のメニュー構成で対応できる」と判断する。在庫の減り具合を見ながら「そろそろ補充したほうがいい」と読む。客の様子を観察しながら「今の流れならあちらを先に対応したほうがいい」と動く。

これは実際のカフェや飲食店の経営者が日々やっていることと、構造として似ている。もちろんゲームなので命に関わるプレッシャーはないが、「店を任されている責任感」みたいなものが薄っすらと生まれてくる。

Steamのレビューで「これプレイして実際に飲食店で働く人たちへの尊敬が増した」という感想を書いている人がいた。それは言い過ぎではあるが、気持ちはわかる。自分ひとりでドリンクを作り、在庫を管理し、ゴミを捨て、掃除をして……という作業を体験すると、現実の飲食業がいかに多くの並行タスクで成り立っているかが少し実感できる。

そういう「ゲームを通じて見える別の視点」があるのも、Feed the Cupsの地味な魅力だと思う。

チャプターが進むにつれて、「この店はここを改善すれば回る」という見立てができるようになる。どのドリンクが一番利益率が高いか、どのコントラクトが自分たちのプレイスタイルに合っているか——こういう「経営判断」が少しずつ自分の中に蓄積されていく感覚は、ゲームとしての独特の充実感につながる。仕事で経営の判断をしている人間にとって、Feed the Cupsは「小規模シミュレーション」として楽しめる側面もある。最初は「ドリンクを作るだけのゲーム」に見えても、プレイを重ねるごとに「どう店を最適化するか」という思考が深まっていく。

「はじめの一歩」——最初の30分でわかること

Feed the Cupsを初めてプレイした最初の30分で経験することを整理しておく。

まずチュートリアルがある。チュートリアル自体は複雑ではなく、基本的な操作とゲームの流れを掴むのに適している。注文の取り方、材料の場所、ドリンクの作り方、ゴミの捨て方——これらを順番に教えてくれる。

チュートリアルが終わり、最初のチャプター・最初のステージに入る。最初は「これで本当に客が来るのか?」と感じるほど余裕がある。余裕がある間は、店のレイアウトを把握し、材料の場所を覚えることに集中するといい。

最初の難易度を「通常」でクリアした後、「少し難しい」に切り替えてみると変化に気づく。客の種類が増え、注文のペースが上がる。「さっきは余裕だったのに、急に忙しくなった」という感覚がここで生まれる。この落差が「もっとうまくなりたい」という動機につながる。

最初の30分でコントラクトシステムの存在にも気づく。毎日の営業前に「今日のコントラクトどれにしよう」という判断が入ってくる。最初のうちは何が何やらわからないかもしれないが、2〜3回繰り返すうちに「あのコントラクトはリスクが高い」「これは安全に取れる」という判断ができるようになってくる。

最初の30分で「面白い」と感じた人は、確実に数時間以上プレイする。反対に「なんか忙しすぎてストレス」と感じた人は、後半はさらに忙しくなるから正直向いていないかもしれない。最初の体験がそのまま「このゲームが合うかどうか」のバロメーターになりやすいゲームだ。

初めの数回は「失敗して当たり前」という気持ちでいたほうがいい。ストレスメーターが上がりきって厳しい状況になっても、それはゲームへの理解が足りなかったというよりも「どの作業を優先すべきか」が体に染み込んでいないだけの話だ。何度かやり直すうちに「あ、あのタイミングで在庫を確認しておくといかった」「コントラクトはもう少し慎重に選ぶべきだった」という気づきが積み重なって、ゲームプレイが洗練されていく。

協力プレイで始める場合は、最初の数回は同じステージで練習するとよい。「今日はコントラクトなしで基本の流れを覚える日」と「コントラクトを取って効率化を試す日」を意識的に分けることで、ゲームの構造への理解が早まる。

Feed the Cupsに感じた個人的な印象

このゲームを調べながら感じたのは「よく考えられたゲームデザイン」だということだ。

ローグライト要素と料理ゲーの組み合わせは、言葉にすれば単純に見える。でもこれを「毎日のコントラクト選択」という形で実装し、「ストレスメーター」で可視化し、「複数キャラクターの個性」で選択の幅を出す、というバランスはかなり丁寧に作られている。

インディーゲームとして「なぜこんなに注目されたのか」を考えると、ビジュアルの入りやすさ(もふもふキャラ)+既存ジャンルとの親しみやすさ(料理ゲー的な構造)+独自要素(ローグライト的変化)という三段階の設計がうまく機能したのだと思う。

「ソロがきつい」「後半バランスが荒い」という批判は正当だと思う。でも「友達と一緒に楽しめるゲームを探している」という状況で選ぶなら、Feed the Cupsは候補に入れる価値が十分にある。

完成版ではないが、今の時点でも十分に遊べるコンテンツ量はある。友達と「今週末何かやろう」という話になったとき、候補に入れる価値のある1本だ。もふもふのキャラクターたちが経営する店に立つ感覚、コントラクトを選んでその日の展開を読む楽しさ、友達と同じ失敗を繰り返しながら笑い合う時間——これらはFeed the Cupsだけが提供できる体験だ。

まとめ——Feed the Cupsは「友達と騒ぎながら遊ぶ」ゲームだ

Feed the Cupsを一言で言い表すなら、「友達と騒ぎながら遊ぶドリンクショップ経営ゲー」だと思う。2年以上かけて丁寧に育ててきた作品だからこそ、今もこれだけの評価を保っている。

もふもふしたキャラクターが、カラフルな店の中でドリンクを作る。客が来るたびに注文が積み上がり、在庫が切れ、ストレスメーターが上がる。毎日ランダムに変わるコントラクトが状況を変え、「今日は昨日と違う展開になった」という体験が繰り返しプレイを引き出す。

完璧なゲームではない。後半チャプターの難易度バランスに課題があり、ソロプレイヤーには厳しい局面もある。早期アクセスの段階であるため、コンテンツはまだ追加途中だ。

それでも「友達と一緒にやりたい」という動機がある人には、確実に楽しい体験を提供できるゲームだと思う。協力プレイの設計がしっかりしていて、2人以上でやると面白さが倍以上になる。リリース初週に1万人が同時接続したのは伊達ではない。

「料理ゲーをずっと探していたけど、もう少し深みがほしい」と思っていた人にとって、Feed the Cupsのローグライト要素は刺さる。「友達とオンラインで何かやりたいけど、シューターじゃなくていい」という人にとって、この店経営体験はちょうどいい落としどころになる。ドリンク作りという日常的な行為がゲームになっていることで、ゲームが苦手な友達でも誘いやすいのも地味に助かるポイントだ。最近は協力プレイ系のゲームで「怒鳴り合いながらも仲良くなれる体験」が見直されているが、Feed the Cupsはその典型的な1本だと思う。

「今週末、友達と何か新しいゲームをやりたい」という人の選択肢として、Feed the Cupsは十分に候補に入る。もふもふのキャラクターたちが待っている店を、ぜひ体験してみてほしい。

Feed the Cups

Vambear Games
リリース日 2024年2月20日
早期アクセス
価格¥1,800
開発Vambear Games
販売IndieArk
日本語非対応
対応OSWindows / Mac
プレイ形式シングル / マルチ
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