Cult of the Lamb|かわいい羊がカルト教団を運営するローグライク村建てゲーム
最初に起動したとき、思わず「なんだこれ」と声に出した。
画面に映っていたのは、ぷにぷにした目をした白い子羊。その子羊が、にこにこしながら信者に「排泄物を食べさせる」かどうかを選ぼうとしていた。選択肢は「はい」か「もちろん」の2択。「いいえ」はなかった。
これがCult of the Lambだ。見た目はゆるキャラ系のかわいいゲーム、中身はカルト教団を運営して異教の司教を倒していくローグライクアクション。このギャップが、発売直後からSteamの同時接続数を6万人以上まで押し上げた理由のひとつだと思う。
2022年8月にMassive Monsterが開発し、Devolver Digitalがパブリッシュしたインディーゲームで、リリース時のSteamレビューは瞬く間に「非常に好評」を超えて「圧倒的に好評」に到達した。2026年4月時点でのレビュー数は10万件を超え、評価は96%好評を維持している。ゴールデンジョイスティックアワードのベストインディーゲームを受賞し、The Game AwardsのIndie Game of the Yearにもノミネートされた作品だ。
ローグライクアクションとしては「Hades」や「Enter the Gungeon」の流れを汲んでいて、ダンジョンに潜って敵を倒し、武器やタロットカードを集めながら進んでいく。そこに「村の建設・運営」という要素が乗っかっていて、拠点に戻ると信者の世話、施設の建設、説教といった作業が待っている。このふたつが絶妙な緊張関係を生んでいて、「ダンジョン行きたいけど村も気になる」という状態がずっと続く。
正直に書くと、このゲームには「ここが惜しい」という部分もある。ローグライクとしてのビルド幅が比較的狭いこと、終盤になると村の運営が安定しすぎて単調になること。ただそれを差し引いても、このゲームならではの体験は唯一無二だ。「善良なカルトリーダーになろうとしたら、いつのまにか粛清が止まらなくなっていた」という感覚は、他のゲームでは味わえない。
「Cult of the Lamb」公式トレーラー
こんな人に読んでほしい

Cult of the Lambをすすめたい人のイメージは、こんな感じだ。
- ローグライクアクションが好きで、そこに「育成・運営」の要素が加わったゲームを探している人
- かわいいビジュアルとブラックな世界観のギャップが好きな人
- 「Stardew Valley」「Animal Crossing」のような村づくりゲームが好きだが、アクション要素も欲しい人
- カルトや宗教をテーマにした独特の世界観に興味がある人
- 2024年以降は友達と一緒にローカル協力プレイで遊びたい人
- インディーゲームが好きで、作りこまれたアート・音楽のゲームを遊びたい人
- 軽いノリで始めて気づいたら50時間経っているタイプのゲームを探している人
逆に向いていない人もいる。純粋なローグライクビルドの深さを求めている人、たとえばSlay the Spireのような「シナジーを突き詰めてビルドを完成させる」快感が主目的の人には、少し物足りなく感じるかもしれない。Cult of the Lambのローグライクパートはそこまで複雑ではなく、むしろ「アクションゲームとして気持ちよくダンジョンを駆け抜ける」感覚に近い。
また「時間の隙間にさらっと遊ぶ」タイプのゲームでもない。村の運営が絡んでくるので、途中で切るとなんとなく中途半端な気持ちになる。1セッション1〜2時間は確保して腰を据えて遊ぶのが一番楽しい。
ゲーム概要:ローグライクとコロニー運営の融合
Cult of the Lambの基本構造を説明する。
主人公は白い子羊。異教の四司教によって処刑されかけたところを「待ち受けし者」と呼ばれる封印された神的存在に救われ、その力によって蘇った。代わりに課せられた使命は「待ち受けし者の名の下にカルト教団を作り、四司教を打倒すること」。こうしてプレイヤーは子羊の姿をした教祖として、信者を集め、村を育て、ダンジョンに潜り、司教たちを倒していく。
ゲームの流れは大きくふたつのフェーズで構成されている。ひとつが「聖戦(ダンジョン)」、もうひとつが「教団管理(村)」だ。
聖戦フェーズ:ローグライクアクション
聖戦パートでは、ランダム生成されたダンジョンに潜って異教徒を倒していく。操作はアクションゲームで、主人公の子羊を動かして近距離武器で殴り、遠距離の「呪い」を放ち、ダッシュで回避する。基本的な動きはこれだけだが、武器の種類や呪いの組み合わせ、タロットカードによるバフで戦い方が変わってくる。
武器は斧、剣、ハンマー、短剣など複数種類あり、それぞれに攻撃速度と威力のバランスが異なる。呪いは毒、雷、炎、氷など属性ごとに違う効果があり、特定の状態異常を組み合わせると追加ダメージが入る仕組みになっている。そこにタロットカードの受動スキルが加わって、キャラクターが強化されていく。
ダンジョン内でタロットカードを拾うたびに「攻撃力1.75倍」「呪いのMPコスト75%減」といったパワフルなバフが入り、終盤は無双状態になれる。ここはHadesのビルドアップに近い快感がある。ただし死んでしまうと装備はリセット。次のダンジョンランではまた弱い状態から始まる、ローグライクの基本構造だ。
ダンジョンは「リムダス」「スカバス」「ヴェルタクス」「ヒャシンス」という4つのエリアに分かれていて、それぞれ固有のボス(司教)がいる。各エリアは3〜4回のダンジョン探索でボスに到達する設計で、ボスを倒すと永続的な強化が解放されたり、新しい施設が建設できるようになったりする。
教団管理フェーズ:村の運営とカルトの経営
ダンジョンから帰ってくると、村に戻ってきた現実が待っている。信者が腹を空かせていたり、病気になっていたり、信仰度が下がっていたりする。ここが教団管理フェーズだ。
村では毎日やることがある。まず説教。毎朝教会に信者を集めて説教を行うと、「恵み」と呼ばれる通貨を得られる。この恵みを使って教会をアップグレードし、新しい「教条」を解放していく。教条はカルト教団の方針を決めるもので、「食料を共同管理する」「儀式を定期的に行う」「老いた信者はどうするか」といった選択が積み重なっていく。
食料の管理も重要だ。信者は毎日食事をしないとお腹が減り、いずれ病気になる。農作物を育てるか、狩りをして肉を確保するか、あるいは……もっと効率的な方法を選ぶか。このゲームは選択肢が常にプレイヤーの倫理観に問いかけてくる。
施設の建設も教団運営の核だ。農場、倉庫、かまど、礼拝堂、外来診療所、墓地、処刑台……建設できる施設はどんどん増えていく。村が大きくなると信者が増え、教団の格が上がり、ダンジョンで使える永続強化も充実してくる。
信者はそれぞれ名前と見た目があって、個性的な性格を持っている。勤勉な子がいれば、サボりがちな子もいる。お腹が空くと文句を言い、幸せだと歌いながら仕事をする。疑念の強い信者は不信仰を周囲に広めることもある。こういう細かい挙動がいちいちかわいくて、「この子は大切にしよう」という気持ちが自然と湧いてくる。
……そして、その信者を儀式で生贄に捧げるという選択も存在する。
儀式と教条:カルトリーダーとしての決断
このゲームの最も独特な要素が「儀式」と「教条」のシステムだ。
儀式は教会で行う特殊なイベントで、信仰度を一気に上げたり、資源を大量に得たりできる。なかには「成人儀式(長生きしすぎた信者を処分する)」「生贄の儀式(信者を捧げてパワーアップ)」「カニバリズムの儀式(死亡した信者を食べさせる)」といった、ゲーム的には有益だが道徳的にきついものも含まれている。
教条は教団の「法律」みたいなもので、いくつかのカテゴリから方針を選んでいく。食料カテゴリなら「肉食」か「草食」か、埋葬カテゴリなら「丁寧に弔う」か「素材として再利用する」か。罰のカテゴリには「説得する」から「投獄する」まで段階がある。どの教条を選ぶかで村の運営スタイルが変わり、プレイヤーのカラーが出てくる。
「徳の高い指導者として信者を大切にするカルト」を目指すか、「効率最優先で信者を資源として扱うカルト」を運営するか。どちらも正解で、それがこのゲームの面白いところだ。
信者を大切に育てようと思っていたのに、気づいたら老化した信者を粛清していた。徐々にカルトの闇に染まっていく自分が怖い。
引用元:Steamレビュー
この感想は多くのプレイヤーが経験することで、「自分でもそうなった」という声がSteamのレビューに溢れている。
なぜSteam同時接続6万人を達成できたのか

2022年8月にリリースされたとき、Cult of the LambはSteamのトップ20に入り、同時接続数が瞬時に6万人を突破した。これはDevolver Digitalのパブリッシュタイトルとして当時最高水準の滑り出しだった。なぜこれほど爆発的な注目を集めたのか。
ビジュアルの「ギャップ」が最大の武器だった
一番大きな理由は、ビジュアルのインパクトだ。PVやスクリーンショットで見る主人公の子羊は、どう見てもかわいいキャラクターのゲームだ。ほっこりした目、ふわふわの体、アニメーションも丸みを帯びていてとにかく愛らしい。
ところが中身は「カルト教団の運営」で、信者に排泄物を食べさせたり、老いた信者を処刑したりする選択が普通に存在する。このギャップが「なんだこれ?」という話題性を生んだ。Twitterでスクリーンショットが拡散されるたびに「見た目がかわいいのにやってることが……」という驚きのリアクションが溢れた。
グラフィックスタイルはフラッシュアニメーション系の独特のアートスタイルで、ライバルがほぼいない領域だった。ホラーやダークな世界観を「可愛く」表現することにMassive Monsterは徹底して成功していた。
ゲームシステムの「新しさ」が刺さった
2022年当時、「ローグライクアクション×コロニー建設」という組み合わせは珍しかった。ローグライクは「Hades」「Dead Cells」などで人気ジャンルになっていたが、そこに村の建設・管理を組み合わせたゲームはほとんど存在しなかった。
「ダンジョン行って帰ってきたら村の様子が変わっている」というサイクルは、シンプルだが強力な中毒性を生む。ダンジョン中に「早く帰って村の様子を見たい」という気持ちになり、村の管理中に「そろそろダンジョン行かないと」という焦りが生まれる。このふたつの引力が常に働いていて、ゲームをやめるタイミングがつかみにくい。
コロニービルダーとしても独特の視点がある。信者を「労働力」として扱いながら、同時に「信仰心を持つ存在」として管理する必要がある。信者が幸せなら生産性が上がるが、幸せにするためにリソースを使いすぎると効率が下がる。この矛盾したバランスを取るのがゲームの醍醐味のひとつだ。
ローグライクだと思って始めたら、いつの間にか村の施設配置の最適化を考えていた。どっちが本体かわからなくなる面白さ。
引用元:Steamレビュー
「Devolver Digital」ブランドの効果
パブリッシャーがDevolver Digitalというのも重要だった。「Hotline Miami」「Katana ZERO」「Dusk」「Returnal」など、インディー界の名作を次々と世に送り出してきたDevolver Digitalのタイトルはそれだけで「面白いものが来た」という期待感を持って迎えられる。
E3の代わりに行われたDevolver Digital独自のイベント「Devolver Digital Direct」でCult of the Lambが発表されたとき、PVのコメント欄はほぼ全員が「買う」「絶対買う」という反応だった。インディーゲームファンの間での事前期待値が非常に高い状態でリリースを迎えられたことが、初動の爆発的な人気につながった。
カルトというテーマの引力
「カルト教団を運営する」というテーマ自体のインパクトもある。宗教、カルト、洗脳といったテーマはゲームのジャンルとしてほぼ未開拓だった。「自分がカルトリーダーになる」という体験は珍しく、道徳的な選択が常に問われる構造が多くのプレイヤーの好奇心を刺激した。
「善良な指導者でいたかったのに、ゲームの構造上いつのまにかエグいことをしていた」という経験をレポートする記事や動画が多く作られ、それがさらなる注目を引いた。「これが現代社会の縮図だ」みたいな深読みをする人まで現れるほど、語れる要素が多いゲームだった。
村の運営を深掘りする:信者の個性と施設管理
Cult of the Lambの村パートは、想像よりずっと深い。最初は「ダンジョンの合間に村の世話をするだけ」と思っていたが、プレイを重ねるほど村のほうが気になってくる。
信者のキャラクターと個性
信者はランダム生成のキャラクターで、ゲームを進めるほど新しい信者を勧誘できる。それぞれに名前、見た目(ランダムな動物の頭)、性格特性(トレイト)がある。
勤勉な信者は自発的に農作物を収穫したり施設の清掃をしたりしてくれる。不信心な信者は信仰度を下げる行動を取ることがある。食いしん坊なトレイトを持った信者は他の信者より多く食事を必要とするし、老化したトレイトの信者は早く死ぬ可能性が高い。
こういった個性のせいで、信者に対して感情移入するのは早い。「あ、この子また病気になってる」「今日もあの子がちゃんと農場の仕事してくれた」という具合に、個々の動きが気になり始める。それが「信者を大切にしたい」という感情と「でもゲーム的には生贄が必要」という板挟みを生み出す。
信者は老化するとやがて死ぬ。死んだ信者は墓に埋葬するか、教条によっては「食料として活用する」という選択もある。生き生きとした個性のある存在が死んでいく過程を見るのは、このゲームのブラックユーモアの最も鋭い部分だ。
施設の種類と村のレイアウト
建設できる施設は序盤から徐々に増えていく。ゲームが進むにつれて以下のようなものが解放される。
農業系では、農場(作物を育てる)、精米所(食料を加工する)、かまど(料理を作る)がある。畑で麦を育てて、かまどでパンを焼いて信者に食べさせるというサイクルは序盤の村運営の基本だ。食料の安定確保が村の維持に直結するので、農業施設のアップグレードは優先度が高い。
信仰関連の施設としては、礼拝堂(説教を行う場所)、神殿(教条を解放する)、供え物の石(神への祈り)などがある。礼拝堂のアップグレードで恵みの獲得量が増えるため、序盤に優先して強化したい施設のひとつだ。
生活系の施設では、テント(信者の住まい)、医療所(病気の治療)、墓地(死者の埋葬)が基本になる。信者が快適に生活できる環境を整えることで信仰度が上がり、村全体の安定につながる。
「Sins of the Flesh」アップデート(2024年1月)で追加された酒場(Drinkhouse)は信者がお酒を飲める施設で、「罪」という新しいリソースを生成する。罪は神殿のアップグレードや、信者の再入信などに使える。
「Unholy Alliance」アップデート(2024年8月)では保育園(Nursery)が追加された。信者同士をカップルにして繁殖させると卵が生まれ、それを保育園で孵すと新しい信者が誕生する。通常の勧誘とは別ルートで信者を増やせる手段で、ゲームを通じて培った信者の血統を継承していくような楽しさがある。
説教と信仰度の管理
信仰度(Devotion)の管理は村運営の根幹だ。信仰度が下がると信者が反乱を起こしたり、教団を離れようとしたりする。信仰度を維持するためには、毎日の説教、施設の整備、信者の要求への対応が必要になる。
説教は教会で行う基本アクションで、毎日1回行うと恵みが得られ、信仰度の維持に貢献する。説教のレベルは「心の高まり」と呼ばれる永続ポイントで上げられ、高いレベルほど多くの恵みが得られる。毎日欠かさず説教することが村運営の習慣として根付いていく。
信者の要求(クエスト)にも対応したほうが良い。「〇〇が欲しい」「〇〇してほしい」という要求に応えると信仰度が上がり、信者との関係が良好になる。特定の要求を無視し続けると信者の不満が溜まっていく。
毎朝「信者のみんな、今日も頑張ろう!」って説教してたら、本当に自分がカルトリーダーになった気分になってきた。ゲームをやめた後も「あ、村のこと心配」ってなる。
引用元:Steamレビュー
ダンジョン攻略の詳細:ビルドと戦闘の組み立て方

聖戦パートは見た目よりも奥が深い。とはいえ、ローグライク界の複雑なビルドゲームと比べると入口は広い。最初から凝った戦略を立てなくても進めるし、どんなビルドでもクリアはできる。「勝てない」と感じたら村で永続強化を積んでから再挑戦する流れで問題ない。
武器選びと戦闘スタイル
武器は大きく4〜5種類あり、それぞれ攻撃速度と威力が違う。斧はバランス型で扱いやすく、初心者にすすめやすい。ハンマーは一撃が重いが遅く、ボスへの集中打として向いている。剣は中間の性能で幅広い場面に対応できる。短剣は速度は高いがリーチが短く、使いこなすには動きの読みが必要だ。
各武器には追加効果(毒付与、神聖ダメージなど)がランダムでついていることがあり、これがビルドに影響する。毒効果の武器を拾ったら毒を強化するタロットカードを選ぶ、神聖ダメージの武器を拾ったら神聖強化カードを優先する、といった小さな方向性の調整がダンジョン内のビルド構築になっている。
呪いは遠距離攻撃で、骨の爆弾、聖光の雷、凍結波など種類がある。ダンジョンに入るときに初期装備として与えられ、道中で新しいものと交換するかどうかを選べる。呪いとタロットカードが組み合わさったとき、「特定の呪いのコストを減らして連打できる」状態になると戦闘が一気に楽になる。
タロットカードによるビルドの方向性
タロットカードはダンジョン内のランダムドロップで、強力な受動効果を持つ。ダンジョン終了時にリセットされるため、次のランでは別のカードセットになる。
タロットカードの強さはかなり差があって、「攻撃力1.5倍」のようなシンプルに強いものから、「体力が低いほどダメージが上がる」ようなコンセプト的なものまで多彩だ。複数のカードを組み合わせたときにシナジーが発生するものもあり、たとえば「呪いコスト大幅減」と「呪いが命中したとき回復する」が揃うと呪いを連打して回復し続けるビルドが成立する。
ただ、Slay the SpireやAcross the Obeliskほどのビルドの複雑さはない。ダンジョンごとにタロットカードの出現が2〜3回しかなく、そのときの選択肢も限られているので「最強ビルドを緻密に設計する」というより「その場で良さそうなカードを取っていく」という感覚に近い。

ダンジョンの4エリアとボス
ダンジョンは「リムダス」「スカバス」「ヴェルタクス」「ヒャシンス」という4つのエリアで構成されていて、それぞれ固有のビジュアルと雰囲気を持っている。各エリアに3〜4段階のダンジョンがあり、最後の段階でそのエリアの司教(ボス)と戦う。
ボス戦は弾幕を避けながら攻撃する正攻法の戦闘で、パターンを覚えてから対処するタイプだ。初見では理不尽に見える攻撃も、何度か見ると回避ルートが分かってくる。ボスに勝つと「異教徒の心臓」が手に入り、これがゲームの物語を進める重要アイテムになっている。
エリアが進むにつれて敵の種類も増え、群れで突進してくる敵、遠距離から複数の弾を飛ばしてくる敵、シールドを張って近づかせてくれない敵など、バリエーションが増えていく。特に後半のエリアでは「弾幕が多くて避けることに集中しながら攻撃する隙を見つける」という忙しさが出てくる。
「煉獄」と永続強化の仕組み
ダンジョンで死んでしまっても、ペナルティはそれほど重くない。集めたリソースは戻ってこないが、村の進行状況や永続スキルはそのまま残る。いわゆる「死んでも少し強くなって再挑戦できる」ローグライクの基本設計だ。
「煉獄」は特殊なエリアで、特定の羊毛(フリース)を装備してダンジョンに入ると解放される。煉獄では通常よりも強化されたリソースが手に入るが、難易度も上がる。ゲームに慣れてきたプレイヤーが腕試しをするための場所だ。
永続強化は村を強化することで解放されるものと、ダンジョンで入手した素材を使って解放するものの両方がある。武器のダメージアップ、ダンジョン開始時の呪いをランダムに選べる、タロットカードを2枚多く拾える、といった強化が積み重なっていく。
2024年の大型アップデート:ゲームが2年後に生まれ変わった
Cult of the Lambは2022年のリリース後も継続的にアップデートが実施された。特に2024年は2回の大型無料アップデートがリリースされ、ゲームの内容がさらに充実した。
Sins of the Flesh(2024年1月)
「Sins of the Flesh」は信者システムを大幅に刷新したアップデートだ。
最大の目玉は信者の「繁殖」機能だ。信者同士をカップルにして「交配テント」に入れると卵が生まれ、「孵化場」でそれを育てると新しい信者として誕生する。普通の動物モチーフの信者に加え、めったに生まれないレアな「金色の卵」から誕生する信者も存在する。この追加で「自分の村の信者の世代交代」が楽しめるようになった。
「罪(Sin)」という新しいリソースも追加された。特定の儀式や施設(酒場など)から罪を生成できて、神殿のアップグレードや再入信のコストとして使う。信者に不健全なことをさせることで生まれる罪という概念をリソース化したのは、このゲームらしいブラックなデザインだ。
外見のカスタマイズも充実した。新しい「仕立て屋」施設が追加され、23種類の衣装から信者ごとに好きなファッションを選べる。村に自分好みのドレスコードを設定できるようになった。
新しい儀式も追加され、「欲望の儀式」「怒りの儀式」「暴食のカニバリズム」といった、7つの大罪にちなんだ内容が解禁された。特にカニバリズムの儀式はゲームとしては有益な効果があるが、プレイヤーの道徳心に揺さぶりをかける設計になっている。
Unholy Alliance(2024年8月):待望の2人協力プレイ
「Unholy Alliance」はリリースから2年後に実装された大型無料アップデートで、最大の目玉は**ローカル2人協力プレイ**の追加だ。
1人プレイヤーがラム(子羊)を担当し、もう1人がゴート(山羊)を担当する。ふたりで一緒にダンジョンを探索し、信者を倒してビルドを組み立てながら進んでいく。ソロとは異なり、2人でタイミングを合わせて攻撃するとクリティカルヒットが発生するなど、協力ならではのメカニクスが追加された。
ミニゲームにも2人プレイ対応のひねりが加わった。釣りやノックルボーンズ(カルトの骨を使うカードゲーム)が2人バージョンになって、よりワイワイ楽しめるものになっている。
Steam Remote Play Together機能を使えばオンラインでも遊べるが、基本的にはローカル(同一端末または画面共有)での協力プレイ設計だ。「ソファーに並んで一緒に遊ぶ」スタイルに向いているアップデートだった。
このアップデートの実装時期に合わせて50%オフのセールも行われ、発売から2年経ったタイミングで再び多くのプレイヤーが遊び始めた。
ポジティブな評価と批判:両面を正直に見る

Cult of the Lambは「圧倒的に好評」のタイトルだが、すべての人に刺さるわけではない。実際のプレイヤーのレビューを見ると、賞賛と批判が共存している。
評価されている点
最も多く挙げられる高評価ポイントは「ビジュアルとサウンドの質」だ。ゆるキャラ系の見た目とダーク系の世界観が融合したアートスタイルは、多くの人が「他にないデザイン」と評価している。サウンドトラックも独特で、可愛らしい音楽の中に不穏な音が混じるような構成がゲームの雰囲気を引き立てている。
「2つのゲームモードが交互に来るリズムが中毒性を生んでいる」という評価も多い。ダンジョンを終えて村に帰ってきたとき、村の様子が変わっているのを確認する瞬間が楽しい。逆に村の管理を終えてダンジョンに行くと、積み上げた強化を活かして戦える快感がある。このサイクルがやめ時を奪う。
「信者への愛着が生まれるのに、それを裏切らざるを得ない状況になる設計が面白い」という声もある。最初は全員大切にしようと思っているのに、ゲームが進むにつれてそれが困難になっていく。この構造が「善悪の判断をゲーム内でさせる」という体験として評価されている。
ゆるかわキャラの皮を被っているけど、実利と倫理の狭間で本当に悩まされる。「これは楽しいゲームだ」とは言いにくいが、「やめられないゲームだ」は確実に言える。
引用元:noteユーザーレビュー
批判されている点
一方で批判的な声もある。最も多い指摘は「ローグライクとしてのビルドの浅さ」だ。タロットカードの出現機会が少なく、武器の種類も多くないため、「Slay the Spireのような緻密なビルド構築」は難しい。毎プレイの差別化がそこまで大きくなく、後半になるとパターン化してくる、という感想も少なくない。

「シムパートとアクションパートの噛み合わせの悪さ」も指摘される。ダンジョン探索中も村の時間は進んでいて、帰ってきたら信者が病気になっていたり、老衰で死んでいたりすることがある。「長いダンジョンを楽しんでいたのに、帰ったら村が荒れていた」という体験はモチベーションを下げることがある。
終盤の「達成感の欠如」を指摘する声もある。村の運営が軌道に乗ると、信者が自動的に農作物を収穫し、掃除もして、病気の治療まで行うようになる。この状態になると村に関してやることが少なくなり、ダンジョンだけを繰り返す単調さが出てくる。
リリース直後はバグも多かったが、これは継続的なパッチで大部分が修正された。2024年時点では安定してプレイできる環境になっている。
カルト村の運営は楽しいが、ローグライクとしての深みが物足りない。ビルドを極める楽しさは正直薄い。ただ世界観と雰囲気が好きで、それだけで30時間は溶けた。
引用元:ゲームレビューサイト
似たゲームと比較する
Cult of the Lambの魅力をより正確に伝えるために、似たジャンルのゲームと比較してみる。
ローグライクアクションとして
ローグライクアクションの文脈で比べると、「Hades」が最も近いゲームプレイ感だ。どちらも爽快なアクションと永続強化の積み重ねがあり、死んでも少しずつ強くなっていく設計になっている。Hadesのほうがビルドの複雑さとアクションの洗練度で上だが、Cult of the Lambには「村に帰る理由」という強い動機があることで、ダンジョン1回1回の重みが増している。
カードを使うローグライクが好きな人には、やはりSlay the SpireやAcross the Obeliskという選択肢がある。どちらもビルド構築の奥深さではCult of the Lambを上回っている。ただ「アクション感覚でリアルタイムに動き回りながら敵を倒したい」という人にはCult of the Lambのほうが合う。
村づくりシミュレーションとして
コロニービルドの観点では、「Timberborn」や「RimWorld」と比べることがある。ただしCult of the Lambの村管理は、これらの本格コロニビルダーと比べるとシンプルだ。施設のレイアウトを細かく最適化したり、資源チェーンを組み立てたりする複雑さはない。

むしろ比較するなら「Stardew Valley」のほうが近いかもしれない。毎日の作業ルーティン、施設のアップグレード、キャラクターとの関係構築というサイクルが似ている。ただしStardew Valleyが「ほのぼのとした日常」を提供するのに対し、Cult of the Lambはその日常がカルト教団という歪んだ形で提供される点が決定的に違う。
クリア後の楽しみ方
ストーリークリアは20〜30時間程度でできる。ただしクリア後にも遊べる要素がいくつかある。
「煉獄」モードで高難易度に挑戦したり、全教条を解放したり、全信者のクエストをコンプリートしたりといった収集要素がある。2024年以降のアップデートで追加された繁殖システムや協力プレイの追加コンテンツも、クリア後に楽しめる。
ただし周回プレイの動機はそれほど強くない。ローグライクの「また一から違うビルドで遊ぶ」という楽しさは、このゲームではあまり機能しない。1周クリアして満足するタイプのゲームとして捉えたほうが期待値の管理がしやすい。
プラチナトロフィー(実績コンプリート)を目指すなら別の話で、全教条の宣言、全信者スキンのアンロック、各エリアのボスをダメージなしで倒すといった難易度の高い実績が待っている。プラチナ取得まで40時間以上かかったというプレイヤーもいて、やり込み勢にとってもボリュームは十分だ。
開発チームMassive Monsterについて

Cult of the Lambを作ったのはオーストラリア・メルボルンを拠点とするインディースタジオ、Massive Monsterだ。小規模なチームで、Cult of the Lambはスタジオとして初めての「本格的なヒット作」になった。
以前の作品としては「The Adventure Pals」(2018年)「Never Give Up」(2019年)「Unicycle Giraffe」(2020年)などがある。これらも個性的なビジュアルと独特のゲームデザインで評価されていたが、Cult of the Lambほどの注目は集めていなかった。
Cult of the Lambのリリース後も、Massive Monsterは継続的にアップデートを実施してきた。無料の大型アップデートを複数回実施し、ユーザーのフィードバックに丁寧に向き合い続けている姿勢は、インディーゲームスタジオとして模範的な対応だと多くのプレイヤーに評価されている。
「Massive Update」と呼ばれた2022年末〜2023年頃のアップデートシリーズでは、ゲームバランスの調整、バグ修正に加えて、新しい戦闘コンテンツや村の施設が追加された。ファン向けに「開発チームからのラブレター」と銘打たれた「Unholy Alliance」アップデートのように、プレイヤーとの関係を大切にするコミュニケーションが続いている。
ゴールデンジョイスティックアワードのベストインディーゲーム受賞(2022年)、The Game AwardsのIndie Game of the Yearノミネート(2022年)、BAFTAゲームアワード複数部門ノミネード(2023年)と、業界からの評価も高い。小さなスタジオが大きな話題を作った典型的なインディーサクセスストーリーとして語られることが多い作品だ。
こんな体験ができる:実際の「感情の揺れ」
Cult of the Lambをプレイすると、想像していなかった種類の感情を体験する。
序盤は「かわいい子羊を育てるゲームだ」という印象で、信者に名前をつけて大切に世話をする。毎日説教して、食料をしっかり確保して、病気になったら治療して。「良い教祖になる」と決意する。
中盤になると、少しずつ現実が見えてくる。信者が増えすぎて食料が足りなくなる。老いた信者がいて、教団に貢献できなくなっている。反乱を起こそうとしている不信心者がいる。ダンジョンに何度も挑戦するうちに村に帰る間隔が長くなり、帰ってきたら村が荒れていることに焦る。
そして気づくと、「効率のため」という理由で老いた信者に引退儀式を行っていたり、生贄の儀式でお気に入りの信者以外を選んでいたりする。最初の「善良な指導者になる」という決意はどこへやら、プレイヤーはいつの間にかカルトリーダーとしての判断をしている。
このゲームのブラックユーモアの本質は、「プレイヤー自身をゆっくりと腐敗させていく」構造にある。最初は「こんな選択はしない」と思っていた行動が、時間が経つにつれて「これが一番効率的だから」という理屈でできるようになってくる。
最初は信者をひとりも死なせたくなかったのに、中盤になったら普通に粛清してた。ゲームの中とはいえ、自分の変化にびっくりした。
引用元:Steamレビュー
この感覚は「RimWorld」がたまに生み出す「気づいたら食人文化の植民地になっていた」という体験に近い。ゲームのシステムが自然とプレイヤーの行動を「効率的な悪」へ誘導していく設計は、意識的なゲームデザインの賜物だ。
日本語対応について

Cult of the LambはリリースからSteam版で日本語に対応している。インターフェース、字幕ともに日本語でプレイできるので、英語が苦手でも問題ない。
翻訳の質は全体的に高い。カルト用語(教条、儀式、信仰度など)の日本語訳も自然で、世界観を損なわない。一部のユーモアある選択肢の翻訳に若干ぎこちなさを感じる箇所もあるが、基本的なゲームプレイには支障ない。
日本のゲームコミュニティでの反応も良好で、Twitterでは発売直後から多くの日本語ユーザーが感想を投稿していた。「見た目かわいいのにやってることがヤバい」という感想が日本語で多数流れたことが、口コミでの広がりに貢献した。
「ドキドキ文芸部」との共通点:見た目を裏切るゲーム体験
Cult of the Lambを語るとき、「ドキドキ文芸部!」(Doki Doki Literature Club)との比較が出ることがある。どちらも「かわいい・ほのぼのとした見た目」で始まり、プレイを進めるにつれて「予想外のダークな内容」が展開するゲームだ。

ドキドキ文芸部が「メタフィクション的な恐怖」でプレイヤーの期待を裏切るのに対し、Cult of the Lambは「プレイヤー自身の判断」によって徐々に闇に落ちていく体験を提供している。前者は受動的な驚き、後者は能動的な罪悪感という違いがある。
どちらも「見た目で判断してはいけない」という共通のテーマを持ちながら、アプローチが全く異なる。両方プレイした人の多くが「どちらも好き」と言うことからも、この2タイトルはある意味で補完し合うゲームだと思う。
ホラーやダークゲームが苦手な人への注意点

ビジュアルは全体的にかわいいが、このゲームにはダークな内容が含まれている。信者を儀式で殺す、人肉食を選択する、老いた存在を粛清するといった要素が「普通の村運営の一環」として提示される。
ホラー的な怖さ(驚かしや血みどろのグラフィック)は少ない。ゴア表現はあくまでゆるキャラ風のデフォルメで描かれているので、リアルな暴力表現が苦手な人でも比較的受け入れやすい。ただし宗教的・カルト的なテーマや、道徳的に問題のある選択肢が繰り返し登場することは知っておいてほしい。
「ゆるいゲームに見えるから子供に勧めよう」と思っている人には向かない。15歳以上向けの内容だと考えておいて間違いない。
Cookie ClickerやHero Siegeとの意外な共通点
一見全く違うゲームに見えるが、Cookie ClickerとCult of the Lambには「強くなる快感が止まらない」という共通の設計がある。Cookie Clickerはクリックするたびにクッキーが増え、施設が自動化され、ゲームがどんどんスケールアップしていく。Cult of the Lambも村が発展するにつれて施設が増え、信者が増え、ダンジョンの攻略力が上がっていく。

Hero Siegeのようなサバイバルアクションとも、「弱い主人公が永続強化を積んで強くなっていく」という喜びで共鳴している。最初は弱くてボスに勝てなかったのに、村を育ててスキルを解放したら一気に楽になった、という体験の気持ちよさは共通している。

フリース(羊毛)システム:プレイスタイルを変える装備

Cult of the Lambには「フリース(羊毛)」という装備システムがある。主人公の子羊が身につけるマントのようなもので、外見が変わるだけでなく、ゲームプレイに影響する特殊効果を持っている。
フリースは全部で7種類。それぞれにメリットとデメリットがあり、得意なプレイスタイルに合わせて選ぶ。ゲームを進めると「聖なる魔除け」というアイテムで新しいフリースを解放できる。
たとえば「黄金のフリース」は受けるダメージが2倍になる代わりに、敵を倒すたびにダメージがどんどん上がっていく。リスクを取って攻撃的に戦うプレイヤー向けのフリースだ。「運命のフリース」はタロットカードの入手機会が少なくなる代わりに開始時に強力なカードを持てる。「子羊のフリース」はデメリットなしの基本フリースで、慣れないうちや初挑戦のボス戦に使いやすい。
フリースの選択がダンジョンの難易度と戦い方を変えるので、「このエリアはこのフリースで攻略したい」というこだわりが生まれてくる。全フリースを使ってクリアを目指す「煉獄」モードでは、それぞれのフリースの長所と短所を理解した上での挑戦が求められる。
ビジュアル的にも各フリースは個性的で、全フリースを集めると子羊の外見バリエーションが豊かになる。「今日はどのフリースで行こうか」という選択がダンジョンへの準備として楽しい儀式になっていく。
ミニゲームと寄り道要素
Cult of the Lambにはメインのダンジョン攻略と村の管理以外にも、いくつかの寄り道要素がある。これがゲームの密度を上げている。
ノックルボーンズ:信者と遊べるダイスゲーム
ノックルボーンズはゲーム内に存在するダイスゲームだ。1〜6の目が出るダイスを3列に配置していき、同じ数を同じ列に並べると倍率がかかってスコアが上がる仕組み。シンプルなルールだが、相手の列を読みながら配置を考える駆け引きが面白い。
ダンジョン途中の特殊マスで異教徒と勝負することがあり、勝利するとアイテムがもらえる。村に戻ってからも信者と遊べるので、村運営の合間にちょっとしたゲームとして楽しめる。「Unholy Alliance」アップデートでは2人プレイ対応のノックルボーンズも追加された。
釣り:ピルグリムズパスでのサブ活動
「巡礼の道(Pilgrim’s Path)」と呼ばれるエリアには、釣りができる場所がある。釣りで手に入る素材の中にはレアなものもあって、特定の実績や料理レシピに必要になることがある。
操作はシンプルで、タイミングよくボタンを押すだけ。アクション要素もなく純粋に「釣り」として楽しめる。ゲームのテンポが速い中で、ほっと一息つけるコンテンツとして機能している。激しいダンジョン攻略の後に「ちょっと釣りでもするか」という気分になれる。
信者との会話とクエスト
信者はそれぞれ話しかけると台詞を持っていて、日々の生活について語りかけてくる。「最近よく眠れている」「農場の仕事が好き」といった他愛もない会話もあれば、「〇〇が欲しい」「〇〇してほしい」という要求を伝えてくることもある。
この要求(クエスト)に応えると信仰度が上がり、特別なアイテムをもらえることもある。信者ごとに要求の内容が違うので、村を歩き回って一人ひとりに話しかける楽しさがある。「この子はいつも文句言ってるけど、要求を聞いてあげたら笑顔になった」という小さな達成感が積み重なっていく。
信者は老化するにつれて台詞が変わり、死に近づいた信者は「もうすぐ逝くと分かる。でも教祖様への信仰は変わらない」というような言葉を語る。かわいいキャラクターが死を受け入れる言葉を言っているのを聞くと、笑えない気持ちになる。それでも儀式で生贄に捧げる選択をしてしまうのが、このゲームの魔力だ。
四司教との戦い:ストーリーの骨格

ゲームのメインストーリーは、封印された神「待ち受けし者」の名の下に四司教を打倒することだ。四司教はそれぞれ異なるエリアのダンジョン最深部に潜んでいる。
四司教の名前はレーシィ、ヘケト、カラマール、シャムラ。それぞれ固有のデザインと弾幕パターンを持っていて、初見では驚かされるが、パターンを覚えると対処できるようになる設計だ。ボス戦の直前には専用のカットシーンが流れ、物語の経緯が明かされる。
四司教を全員倒した後、真のラスボスが待っている。これ以上はネタバレになるので詳細は書かないが、「そういうゲームだったのか」と気づかせてくれるエンディングになっている。クリア後には「古き信仰の聖遺物(Relics of the Old Faith)」アップデートで追加された後日談コンテンツもあり、ストーリーの続きを楽しめる。
物語のトーンはずっとブラックユーモアを維持していて、重厚なシリアスさはない。「可愛いキャラクターたちが当たり前のようにカルトの論理で動いている」という不条理さが、このゲームの世界観の柱になっている。
Bloons TD 6との「タワーディフェンス的な村の防衛」という共通感覚
Cult of the Lambをプレイしていると、「敵の侵攻から村を守る」という間接的なテンションが常にある。直接タワーディフェンス形式ではないが、「ダンジョンで敵を倒して村への脅威を取り除く」という構造は、Bloons TD 6のような「防衛ゲーム」に近い達成感を持っている。

四司教を倒すことで各エリアの脅威を封じ込め、村をより安全に発展させられるというゲームデザインは、タワーディフェンスの「波を乗り越えて防衛ラインを強化する」感覚と重なる部分がある。「今の村の状態でこの敵に挑めるか」という判断を繰り返すところも似ている。
序盤攻略のコツ:最初の1時間でやっておくべきこと

Cult of the Lambは最初の1〜2時間がゲームシステムに慣れる大事な時間だ。序盤の方針が後半の村の安定感に影響するので、いくつかのポイントを押さえておくと進めやすい。
農場を早めに整備する
食料の確保は村運営の根本だ。序盤は狩りで肉を集めることになるが、ダンジョンに行き続けていると食料補充がおろそかになる。できるだけ早めに農場を建設して、小麦などの作物を育てる習慣をつけておくといい。
信者がお腹を空かせると信仰度が下がり、不満が溜まる。最初のうちは食料が足りなくて信者の機嫌が悪くなることが多いが、農場の施設を2〜3棟建てると安定してくる。かまどで食料を調理すると満足度が上がるので、かまどの建設も優先度高めで検討したい。
説教を毎日忘れずに行う
説教は毎朝行える基本アクションで、これを忘れると恵みが貯まらず、神殿のアップグレードが遅れる。神殿をアップグレードしないと教条が解放されず、村の運営に必要な機能が制限された状態が続く。
ダンジョンに行くのはいいが、出発前に説教を済ませる習慣をつけると進みが早くなる。「説教→ダンジョン→帰還→信者の世話→就寝→翌朝説教」のサイクルを確立するのが序盤の目標だ。
信者の死亡と埋葬に備えておく
信者は病気になると放置すれば死ぬ。序盤は医療施設がないため、病気の信者を発見したら「薬草」を使って治療するか、祈りで回復させる必要がある。
また、いずれ老化した信者が自然死する。死体を放置すると衛生状態が悪化するので、墓地の建設も忘れずに。埋葬すると恵みが少し得られる教条もあるので、死を「リソース」として活用する設計を早めに理解しておくと気持ちが楽になる。
ダンジョンへ行くタイミングを見極める
序盤は「村が落ち着いているうちにダンジョンへ行く」が基本だ。信者の満腹度と信仰度が高い状態でダンジョンへ出発すれば、帰るまでの間に問題が起きにくい。逆に食料が少ない状態で長時間ダンジョンにいると、帰ったときに村が荒れている。
ダンジョン1回あたりの所要時間は慣れれば10〜20分程度だ。長く潜りすぎると村に悪影響が出るので、一度の聖戦でどこまで進むかの判断が重要になる。
Sons of the Forestとの「サバイバル×建設」という共通の楽しさ
Cult of the Lambと似た「サバイバルしながら建設を進める」楽しさを持つゲームとして、Sons of the Forestが思い浮かぶ。どちらも「外の脅威に対処しながら拠点を育てる」という緊張感を持っていて、拠点の安全と外への探索のバランスが常に問われる。

Sons of the Forestが「リアルなサバイバルホラー」の色合いを持つのに対し、Cult of the Lambはゆるかわキャラクターで包まれた「カルトサバイバル」だ。見た目は全く違うが、「内側(拠点)を守りながら外側(ダンジョン)を攻略する」という構造の面白さは共鳴している。
拠点に戻るたびに「また村が荒れてる……」ってなるのがSons of the Forestと同じ感覚。どちらも帰ってきたときのドキドキがある。
引用元:Steamレビュー
まとめ:このゲームが「やめられない」理由
Cult of the Lambを一言で表すなら「ゆるかわカルト教団運営ローグライク」だが、それだけでは伝わらない体験がある。
このゲームのやめられなさは、2つのゲームモードが互いを引き立て合う設計から来ている。ダンジョンに行きたいが村も気になる。村の管理を終えたがダンジョンも行かないと。このサイクルが完全に止まれないループを作っている。
そして何より、「自分がどんな指導者になるか」という選択の積み重ねが面白い。最初は善良なリーダーを目指しても、効率を追求するうちに判断が変わってくる。それに気づいたとき、「あ、私本当にカルトリーダーになってる」という笑えない気持ちになる。このゲームはその感覚を意図的に作り出している。
ローグライクとしての複雑さはそこまで高くない。村の運営も突き詰めれば単純化できる。でも「カルトを運営する」という体験それ自体に、他のゲームでは得られない独自性がある。インディーゲームが「新しい体験」を提供できることの、良い見本になっている作品だと思う。
2022年のリリースから継続的なアップデートで進化を続け、2024年には協力プレイまで実装した。長く遊んで、長く語れるゲームだ。まだ遊んでいないなら、今が始め時かもしれない。
最初は「かわいいゲーム」だと思って始めたら、気づいたら徹夜して信者の農業効率を最適化してた。これは病気です(最大限の褒め言葉)。
引用元:Steamレビュー
グラフィックとサウンドが好きで入ってきた人が、最終的にビルド最適化や村のレイアウト設計を真剣に考えるようになっている。その変化のプロセス自体が、このゲームの一番の面白さかもしれない。
かわいい子羊の教祖として、善良な指導者を目指すのも良い。いつの間にかエグいカルトリーダーになっていくのも良い。どちらのプレイをしても、最終的に「このゲームはヤバかった」という感想になるはずだ。Steam版ならセール時に2000円以下で買えることも多いので、気になっているなら気軽に試してみてほしい。
2026年4月時点でも継続的に遊ばれているタイトルで、コミュニティも活発だ。MODの導入も可能で、有志が作った追加の信者スキンや施設を入れてカスタマイズを楽しんでいるプレイヤーも多い。長期的に楽しめるゲームを探している人にとって、Cult of the Lambは選択肢として十分に価値がある。
Cult of the Lamb
| 価格 | ¥2,570-50% ¥1,285 |
|---|---|
| 開発 | Massive Monster |
| 販売 | Devolver Digital |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows / Mac |
| プレイ形式 | シングル / マルチ |
