ワシントンD.C.の廃墟を歩き、見知らぬ4人と肩を並べて敵の群れを崩壊させる——そんな体験が、気づけば何百時間にも積み重なっている。
Tom Clancy’s The Division 2(ディビジョン2)は、2019年にMassive EntertainmentとUbisoftが送り出したルーターシューター/TPS。舞台は感染症が蔓延して崩壊したアメリカの首都。プレイヤーは「ディビジョン」と呼ばれる秘密部隊のエージェントとして、都市の奪還を目指す。
このゲームの何が怖いかって、「ちょっとだけビルドを変えてみよう」が止まらなくなること。ハクスラ系のゲームを遊んだことがある人なら、この感覚はわかるはずだ。ドロップした装備を組み合わせて、数値を積み上げて、試して、また試す。気づいたら夜中の3時だった、という体験が確実に待っている。「もう少し強くなれば次の難易度に挑める」という思考が止まらず、いつの間にかプレイ時間が3桁になっているのがこのゲームの怖いところだ。
Steam版は2023年にリリース、同接ピーク約12,911人を記録した。リリースから7年以上経った2026年現在もアップデートが続いており、Year 8への移行や待望のクロスプレイ実装が発表されるなど、まだまだ現役のタイトルとして動き続けている。基本無料ではなく買い切り型のゲームで、現在はSteamセール時に本編+DLCのバンドルが格安で購入できる。
ゲームジャンルとしては「ルーターシューター」と呼ばれる分野に属する。「Loot(装備を拾う)」と「Shooter(シューター)」を合わせた造語で、DestinyやBorderlands系と同じカテゴリーだ。ただDivision 2がほかのルーターシューターと違う点として、架空世界ではなく現実のワシントンD.C.を再現した都市が舞台で、「現代都市の崩壊」というリアリティのある世界観が強みになっている。ゲームをやらない人に「リンカーン記念堂の前で銃撃戦をしながらドロップした装備でビルドを組むゲームです」と説明すると、わりと伝わりやすい。
さて、ここからは良い点も悪い点も正直に書いていく。7年以上続いているゲームだから蓄積された情報も多い。「今から始めて楽しめるのか」という問いに対する答えも、最後にきちんと出す。
こんな人に刺さる / こんな人には向かないかも

まず正直に言っておく。このゲームは万人向けじゃない。刺さる人には深く刺さるけど、ノーマルなTPSシューターを期待すると違和感を覚える可能性がある。ApexやCS2のような「プレイヤースキルで勝負する競技FPS」とは設計思想がまったく異なる。Division 2は「キャラクターが強くなるRPG」の楽しさと「銃を撃つシューター」の快感が組み合わさったゲームだ。
「TPSって聞いてたけど、これはRPGじゃないか」というのが多くのプレイヤーが最初に感じる印象らしい。プレイヤースキルよりキャラクタービルドが最終的な強さを決める。同じ敵でも、ビルドが整ったプレイヤーと整っていないプレイヤーでは体力消耗速度がまるで違う。つまり「うまくなる」よりも「強くなる」ことでゲームが楽になっていく設計だ。
こんな人におすすめ
- Destinyシリーズ・Borderlandsシリーズのようなルーターシューターが好きな人
- ビルドを研究してキャラクターを強化していく過程が楽しい人
- 崩壊した都市を舞台にしたポストアポカリプスの世界観が好きな人
- フレンドや野良と協力して難関ミッションをクリアしたい人
- 何百時間でも遊べるエンドゲームコンテンツを求めている人
- Fallout 76やDivision 1が好きだった人、あるいは気になっていた人
こんな人には合わないかも
- ストーリー重視でシングルプレイヤーRPGとして遊びたい人
- クラッシュやバグに対してストレス耐性が低い人(技術的問題がある)
- ガチランクPvPを求めている人(PvPはメインではない)
- テンポよく進む軽快なアクションゲームを求めている人
- 基本無料ゲームを期待している人(本作は買い切り型)
- Ubisoftというパブリッシャーへの不信感がある人(判断は各自に委ねる)
「こんな人には合わない」の欄にUbisoftへの言及を入れたのは理由がある。後述するが、2024年にUbisoftは複数の問題を抱えた時期があって、それに対してSteamレビューで「Ubisoftのゲームは買わない」というスタンスをとるユーザーが増えた。ゲームそのものの評価とは別次元の問題だけど、現実として影響している。
ちなみにApexやCS2のような競技FPSと組み合わせてプレイしているユーザーも多い。「勝負の緊張感が欲しいときはApex、のんびり強くなる楽しさを味わいたいときはDivision 2」という使い分けだ。同じ「シューター」というカテゴリーでも、求める体験がまったく異なるゲームとして共存できる。
Division 2は最大4人のパーティープレイに対応していて、ソロプレイヤーでも「マッチメイキング」機能を使えば見知らぬプレイヤーと合流できる。特定のミッションやレイドに特化したLFGシステムも充実していて、「難しいコンテンツを一緒にやる仲間がいない」という孤立感は感じにくい設計だ。「フレンドがいなくても野良で十分楽しめる」というレビューが多いのもこの点によるところが大きい。

ディビジョン2とは何か——崩壊した首都と装備沼の話
2019年4月、ドルーインフルエンザと呼ばれるウイルスが拡散し、アメリカは機能不全に陥った。ニューヨークは半壊し、その7ヶ月後に舞台はワシントンD.C.へ移る。大統領府近く、モニュメントの立ち並ぶエリアに、武装した民兵組織「トゥルー・サンズ」「ハイエナ」「アウトキャスト」「ブラック・タスク」が割拠している。
プレイヤーが演じるのは、政府が事前に配備していた非常事態対応部隊「ストラテジック・ホームランド・ディビジョン(SHD)」のエージェント。いわゆる民間人に紛れていたスリーパーエージェントだ。有事が発生したとき、自律的に行動して社会インフラの維持と都市奪還を目的として活動する。大義名分はあるけど、実態は「武装した元民間人が崩壊した首都で戦う」だ。それがこのゲームのテーマの一つでもある。
ゲームの流れとしては、オープンワールドのワシントンD.C.を自由に探索しながらメインミッション・サイドミッションをこなし、地区を解放していく。地区を解放するたびにその周辺に「ベース」が設立され、防衛任務や補給物資など追加コンテンツが解放される仕組みだ。NPC住民が徐々に安全なエリアに集まり、市場や診療所が機能し始める——この「廃墟が少しずつ復活していく」過程に、単なるシューター以上の達成感がある。
「地区解放イベント」と呼ばれる動的なワールドイベントもある。特定のエリアで敵が大規模な攻勢をかけてくるタイミングがあり、近くにいたプレイヤーが自然と集結して協力するようなことが起きる。パブリックイベントとして複数のプレイヤーが参加する設計で、街中にいたらいきなり大乱戦が始まる感覚がある。見知らぬ人と「なんとなく一緒に守った」体験が、後でフレンド申請につながることもある。
メインの基地となる「ホワイトハウス(大統領府跡)」には、NPCが集まって市場や作業場として機能している。ベンダーから装備を購入したり、ブループリントを使って装備を作成したりもできる。この拠点が住民に守られた安全区域として機能しているという世界観の設計が丁寧で、「ゲーム的なメニュー画面」よりも世界への没入感を維持している。武器改造台やスキルカスタマイズも拠点内で行う形式で、拠点に帰るたびに「ここは守られている」という感覚が生まれる。
で、このゲームの本質はRPGとしての側面にある。「ゲームが本当に始まるのはレベル40になってから」と言っても過言ではない。レベル40まではチュートリアルに近い。本番はエンドゲームで始まる膨大なビルド研究と装備厳選だ。
このゲームのジャンルを「ルーターシューター」と呼ぶ。「Loot(装備を拾う)」と「Shooter(シューター)」を組み合わせた造語で、DestinyやBorderlands、Path of Exile(ハクスラ版)と同じカテゴリーに属する。戦って、装備が落ちて、その装備でさらに戦って、また装備が落ちる。このループが無限に続く設計になっている。エンドゲームに入った瞬間から「装備の海」に沈む。それが楽しいと感じる人間には天国のようなゲームだ。
敵AIも単調ではない。盾持ちの重装甲兵は正面からの射撃をすべて無効化するため、側面やグレネードで崩す必要がある。煙幕を展開して視界を奪ってくる特殊兵、ドローンを操作してくる電子戦型、突進してくる近接兵など、敵のタイプが豊富で同じ場所でも攻略パターンが変わる。ボス戦は体力バーが複数段階に分かれた「シールドシステム」を採用しており、特定の弱点を狙いながら段階的に倒す仕組みになっている。
序盤はただのTPSだと思ってたけどエンドゲームに入ってからビルドのこと考えてたら毎日遊んでる。装備1つ変えるだけで動きが全然違う。
引用元:Steamレビュー(日本語)
前作「The Division 1」はニューヨークが舞台だったが、Division 2はワシントンD.C.に移ったことでスケールと多様性が増した。また前作で批判されていたエンドゲームの薄さが大幅に改善されており、リリース時点でエンドゲームのコンテンツが充実していた点が評価された。前作プレイヤーからは「前作より完成度が高い」という評価を受けつつ、前作を知らなくても楽しめる独立したゲームとして設計されている。
ゲームの操作感はリアル寄りのTPSで、カバーアクションが中心になる。柱や壁に身を隠しながら射撃するシステムで、無理に前に出ると集中砲火を浴びて倒れる。ただし「リアルすぎる」ほどではなく、スキルや装備の力で敵の壁を無理やり突破できる場面もある。このさじ加減が「ゲームとしての快感」と「戦術的な楽しさ」を両立させている。
キャラクターはアバターの見た目を細かくカスタマイズできる。顔のパーツ、肌の色、髪型から、装備ごとのビジュアルまで変更可能で、ファッション的に楽しんでいるプレイヤーも多い。強力な装備が必ずしも見た目がいいわけではなく、「弱い見た目の装備を外見スロットに設定してオシャレを維持しながら強さも確保する」という遊び方もできる。
ワシントンD.C.という舞台——廃墟の美しさと密度

Division 2の特筆すべき点として、舞台となるワシントンD.C.の作り込みがある。リンカーン記念堂、国立博物館、ホワイトハウス周辺、連邦議会議事堂——現実のランドマークが崩壊した姿で再現されていて、廃墟探索としても独自の魅力がある。「知っている場所が壊れている」リアリティが、架空都市では出せない種類の没入感を生む。ワシントンD.C.を訪れたことがある人なら、その再現精度に驚くはずだ。あの広大なナショナルモールが雑草に覆われ、記念堂の柱が弾痕だらけになっている——そのビジュアルのインパクトは独特だ。
植物が道路を侵食し、鹿や熊がモニュメント広場を歩き、廃車が折り重なったストリートを元凶である敵集団が占拠している。この「人類が去った後の自然の逆襲」みたいなビジュアルは、アメリカン・ポストアポカリプスの美学としてかなり完成度が高い。映画『I am Legend』をプレイしているような感覚があると評するユーザーも多い。感染から半年経過という設定なので、朽ち果てた廃墟というより「崩壊しかけている現代都市」の臨場感が独特だ。
マップの密度も前作比で大幅に向上している。オープンワールドのメインマップはワシントンD.C.で、DLC「ウォーロード オブ ニューヨーク(2020年3月配信)」ではロウアー・マンハッタンが追加される。2025年5月配信の「バトル・フォー・ブルックリン」DLCではブルックリン・ハイツとダンボエリアまで舞台が広がった。3つのエリアを合わせると、探索だけでもかなりの時間がかかる。
ワシントンD.C.のマップは単なる広さではなく「地区ごとの個性」が際立っている。公園と博物館が隣接するナショナルモール地区は広い視野での狙撃が有効な地形で、一方でジョージタウンの路地は近距離の乱戦になりやすい。地区を変えるたびに適切な武器選びが変わるため、「このエリアはSMGで来い」という暗黙の知識がベテランの間で共有されている。
オーディオログや落書き、遺体の周囲に残された手紙など、環境ストーリーテリングの作り込みも丁寧だ。市民たちがどのように崩壊に対処し、どう生き延びようとしたか——そういった物語がマップのあちこちに散りばめられている。急いでミッションをこなすだけじゃなく、立ち止まってその痕跡を読んでいく楽しみもある。収集可能なオーディオログは数十時間分あり、世界観の深掘りをしたい人には宝の山だ。
マップの各地区には独自の「派閥」が支配している。工場地帯にはハイエナ(略奪者集団)、政府施設エリアにはトゥルー・サンズ(過激な民兵)、隔離エリアにはアウトキャスト(感染者を自爆兵器化した集団)がいる。それぞれ戦闘スタイルや使用する兵器が異なり、同じTPSでも地区によって戦い方が変わってくる設計だ。特にブラック・タスクは元ディビジョンエージェントで、プレイヤーと同等の装備を持つ最強の敵として登場する。
廃墟になったワシントンD.C.の街並みが本当によく作られていて、廃墟探索ゲームとして遊んでも満足できる。ミッション関係なく街を歩いてるだけで発見がある。
引用元:4gamer ユーザーレビュー
同じくポストアポカリプスのオープンワールドを舞台にした協力プレイ作品として、Fallout 76とは方向性が異なる。あちらは広大なアメリカの荒野を自由に探索するサバイバル寄りの設計だが、Division 2はより「都市戦」に特化しており、建物の一つ一つが戦術的な意味を持つ設計になっている。路地の突き当たりに追い込まれたとき、どこに身を隠してどこから反撃するかという「市街戦の計算」が常に発生する。
グラフィックの水準も7年前のゲームとしては高く、現在でも見劣りしない。特に夕焼けの光がワシントンの廃墟に差し込むシーンや、雨天時の光の反射は今でも見ごたえがある。Snowdropエンジンを使用しており、大規模な爆発エフェクトや煙のディテールも丁寧に作られている。天候の変化もリアルタイムで起き、晴天でのスナイピングと雨天での接近戦では体験がガラリと変わる。
廃墟の建物内に入ると、そこはまた別の戦場になる。倒れた棚が遮蔽物になり、窓から差し込む光が敵の位置を照らし、壁の向こうから手榴弾が転がってくる。室内戦と屋外戦でまったく違う緊張感がある。ミッションの多くは建物内の占領地を解放する構造で、「外の広場から中に押し入る」という市街戦の王道展開が繰り返されるが、マップによって作りが異なるため意外と飽きない。
Fallout 76のような同じオープンワールド協力プレイゲームと比較すると、Division 2は「都市の奪還」という明確なプログレッション軸があるのが特徴だ。「何をすればいいかわからない」という初心者の混乱が起きにくく、メインミッションをこなすだけでゲームの世界に自然と引き込まれる設計になっている。

ビルドクラフトの沼——「自分だけの強さ」を作る楽しさ
Division 2がここまでプレイヤーを引き止めてきた最大の理由は、ビルドの多様性だと思っている。
Division 2のビルドシステムを初めて見たとき、「これは複雑すぎる」と思った人も多いはずだ。実際に筆者も最初は装備の仕組みが理解できなくて、しばらくはドロップした装備を何も考えずに装着していた。でも、少しずつ理解してくると「これとこれを組み合わせたらどうなる?」という好奇心が芽生えてくる。この「仕組みを理解してからが本番」という設計が、長時間プレイを誘発する構造になっている。
装備スロットは胸、バックパック、グローブ、ホルスター、ニーパッド、マスクの6つ。それぞれに「ブランドセット」と呼ばれる種類があり、同一ブランドを複数揃えると追加ボーナスが発動する。さらに各装備には「コアアトリビュート(赤・黄・青)」と「マイナーアトリビュート」「タレント(特殊スキル)」が付いている。武器にも固有のタレントがあり、特定の条件で強化効果を発動する。
ビルドの方向性は大きく3系統。
赤ビルド(火力特化):武器ダメージと致命の一撃を積み上げる純粋なアタッカー型。スナイパーや機関銃での一撃必殺が気持ちいい。近距離で強いSMGビルド、精度重視のマークスマンライフルビルド、散弾銃での一瞬の爆発力を活かすビルドなど、武器種によってプレイフィールが大きく変わる。
黄ビルド(スキル特化):スキルダメージとスキルハスト(スキルのクールダウン短縮)を積む。ドローン・タレット・パルスなどのガジェットで戦場をコントロールする戦術家向け。完成すると銃をほとんど撃たなくても展開したスキルだけでミッションをクリアできるようになり、「違うゲームをやっている」感覚になる。
青ビルド(タンク特化):防御力とアーマー回復を積んで前線を維持する。4人チームの盾として機能する。高難易度コンテンツで前に立って敵の注意を引き続けながら、チームの後衛が攻撃するという分業が成立する。
これらの組み合わせ(ハイブリッドビルドも含む)を考えると、理論上のビルドパターンは膨大な数になる。「今期最強メタビルド」を追いかけることも、「自分のコンセプトビルドを突き詰める」ことも、どちらもできる自由度がある。
ビルドを組む「教材」も豊富だ。YouTubeには日本語・英語双方でビルドガイドが大量に投稿されていて、「最強ビルド」「初心者向けビルド」など目的別に探せる。攻略wikiも充実しており、装備の効果や組み合わせを事前にシミュレーションできるツールもコミュニティが作成している。「試したいビルドはあるけど素材が集まるか確認したい」という段階からコミュニティが助けてくれる環境が整っている。「一人で全部調べる必要はない」という安心感がある。
さらに「スペシャリゼーション」と呼ばれるレベル40以降の追加クラスがある。デモリッショニスト(グレネードランチャー特化)、シャープシューター(タクティカルライフル特化)、ファイアウォール(フレームスロワー特化)など全6種。それぞれ専用の「シグネチャーウェポン」と独自のスキルツリーを持つ。シグネチャーウェポンはゲージを貯めることで使用可能になる強力な武器で、チームの窮地を救う切り札として機能する。
「ギア2.0」と呼ばれるアップデート以降、装備システムがさらに整理されて洗練された。「再調整ライブラリー」に気に入ったアトリビュートを保存しておき、後から装備に転記できる仕組みが導入されたことで、欲しいステータスを持つ装備をゼロから厳選し続ける苦行が大幅に軽減された。
スキルビルドが完成してドローン2体とタレットを同時展開したとき、一人で部屋全体を制圧できて感動した。銃を撃たなくてもクリアできると知ったときの衝撃があった。
引用元:note @Sortilege「2025年のDivision2の感想」
「装備を全部整えるのに数百時間かかる」というのは本当で、これをネガティブに見るかポジティブに見るかで、このゲームの評価が大きく変わる。エンドゲームが長大な分、課金圧力は低め——DLCを除けば、プレイを有利にする課金要素はほぼない。スキンやコスメティックのみが課金対象で、Pay to Winの批判はほぼない。
装備の種類もかなり豊富だ。アサルトライフル、SMG(サブマシンガン)、ショットガン、マークスマンライフル(セミオートスナイパー)、LMG(軽機関銃)、拳銃、特殊なエキゾチック武器。それぞれに複数のタレントとバリエーションがある。「エキゾチック装備」と呼ばれる最高レアリティの装備は独自の特殊効果を持っており、これを手に入れたときの興奮はハクスラゲームとして正しいドーパミン放出だ。
ビルドの試行錯誤を助けるシステムとして「装備の再調整」がある。特定のアトリビュートを別のアトリビュートに付け替えることができ、お目当てのステータスを持つ装備が出なくてもある程度カバーできる。初期状態より大幅に整理されたシステムで、沼にはまりながらも「前には進んでいる」感覚を維持できる設計になっている。
「装備を厳選してビルドを完成させる」ゲームとして、BordelandsシリーズやPath of Exile(ハクスラ部分)と共通する楽しさを持っている。あちらがファンタジー世界観やSF世界観なのに対して、Division 2は現代の廃墟都市という雰囲気が独特で、世界観が好きな人はより没入できる。

ダークゾーンとコンフリクト——PvPvEの独特な緊張感

Division 2には「ダークゾーン(DZ)」と呼ばれる特殊なエリアがある。これはPvEとPvPが混在する独特のゾーンで、マップ内に3か所(ダークゾーンイースト、ウェスト、サウス)存在する。通常のオープンワールドとは区切られた閉鎖エリアで、入った瞬間からルールが変わる。
ダークゾーンでは強力な「汚染済み装備」が手に入る。ただしこの装備、そのままでは使えない。マップ内の特定ポイントに呼び寄せたヘリコプターに積み込んで「除染」しないと装備できない設計になっている。このヘリを呼び込む行為が、他プレイヤーに「狙ってください」と知らせるビーコンになる。強い装備を手に入れようとすると、自分の位置を晒さなければならない。
ここで登場するのが「ローグシステム」。ダークゾーン内では他のエージェントを攻撃すると「ローグ(裏切り者)」になれる。ローグになると他プレイヤーから追われるが、ローグ専用のショップやエリアにアクセスできる。ローグの度合いはローグ→離反→マンハントの3段階で、マンハントになるとマップに位置が表示されて全員に追われる羽目になる。
この「いつ裏切られるかわからない」緊張感がダークゾーンの核心だ。仲良く並走していた見知らぬエージェントが、ヘリが来た瞬間に突然銃を向けてくる——そういう体験がある。反対に、マンハント状態のローグを協力して追いかける側の立場も面白い。「大義のために敵を追う」か「欲のために仲間を裏切る」か、毎回判断が生まれる。
ダークゾーンで忘れがたいのは「味方の裏切り」よりも「見知らぬ人との連帯」の体験だったりする。同じ敵に攻撃されている見知らぬエージェントを助けて、一緒にヘリを呼んで、互いに見張りながら除染を完了させる——言葉もなくても成立するこの連帯は、テキストチャットのない状況で生まれる独特のドラマだ。オンラインゲームの面白さが凝縮されている瞬間がある。
DZでローグになって逃げ回るのが思いのほか楽しい。捕まりそうになりながらビルを走り抜けてギリギリ脱出したときのアドレナリンがやばい。
引用元:note @はたきん「Division2でPvE勢がダークゾーンに潜った感想」
「ダークゾーンは怖くて入れない」という声も多い。特にビルドが整っていない序盤は、ベテランプレイヤーに一方的に狩られることもある。この非対称なバランスに不満を持つユーザーも一定数いる。ただ、PvEだけで十分なコンテンツ量があるので、ダークゾーンを避けてもゲームの大部分は楽しめる。実際、「ダークゾーンには一切入らないPvE専」というプレイヤーも多く、それでも数百時間楽しんでいるケースがある。
各ダークゾーン(イースト・ウェスト・サウス)でそれぞれ特徴が異なる。「ノーマライズド」設定がオンのDZではビルドの差が縮まる設計になっており、装備が整っていない初心者でも戦えるよう配慮されている。ダークゾーンイーストは比較的入門向け、ダークゾーンサウスは高難度エリアとして使い分けられることが多い。
ダークゾーン内で落ちる「汚染済み装備」はダークゾーン専用に設計されたものもあり、DZ内でしか手に入らない強力な装備が存在する。このため「PvPは苦手だけどDZの装備が欲しい」というジレンマが生まれる。これが一種の報酬設計として機能しており、リスクとリターンのバランスが絶妙に調整されている。
完全PvPモードとして「コンフリクト」も存在する。こちらは4v4のデスマッチやドミネーションで、ダークゾーンのような混乱はなく純粋な対戦が楽しめる。ただしPvPはこのゲームのメインではなく、専用バランス調整も遅れがちだったため、コミュニティから改善要求が続いていた。Year 8ではPvPバランスへの注力が発表されており、今後の改善に期待が集まっている部分だ。
ApexやCS2のような「純粋なPvP競技シューター」とは根本的に設計が違う。Division 2のPvPは「RPGとしてのキャラクター強化の成果を試す場」という側面が強い。スキルでのゴリ押しより、積み上げたビルドの圧力で勝つゲーム性だ。「競技FPSのスキルを磨きたい」という目的であれば、Division 2よりも専門に設計されたゲームを選ぶほうが合っている。
ダークゾーンでよくある失敗パターンは「一人で乗り込んでマンハントになる」だ。ローグになるとすべての敵に狙われる状態になるため、一人でのローグ行為はリスクが高い。2〜4人のチームで計画的にローグになり、ヘリが呼ばれた段階で一気に制圧する戦略が有効とされている。このチーム戦術の組み立てがダークゾーンの上級者向けの楽しみ方だ。

エンドゲームの深さ——レジェンダリーからレイドまで
Division 2のエンドゲームは、ゲーム内難易度の段階分けが特徴的だ。ノーマル→ハード→チャレンジ→ヒロイック→レジェンダリーの5段階があり、上に行くほど敵の体力と攻撃力が跳ね上がり、戦略的なビルドが必要になる。
最上位の「レジェンダリー難易度」は4人でのボイスチャット必須と言われるほど難易度が高い。敵の行動がより高度になり、スキルの使い方やポジション取りを全員が把握していないとクリアできない。「レジェンダリーをソロでクリアした」という報告はSteamコミュニティで英雄譚のように語られることがある。それだけ難しいし、それだけやり甲斐がある。「チャレンジ」難易度でちょうどよいという人も多く、自分のペースに合った難易度を選べる点は親切な設計だ。
「レイド」コンテンツもある。8人で挑む大型ボス戦で、Division 2には「Operation Dark Hours」「Operation Iron Horse」「Operation Deadly Omen」の3種類が存在する。レイドは各ロールの役割分担と複雑なメカニクスの理解が必要で、FPS系ゲームのレイドとしてはかなり本格的な設計だ。
Iron Horseではチームが2組に分かれて異なる場所でボスを同時攻撃する連携メカニクスがあり、片方が失敗するともう片方も全滅するリスクがある。DestinyシリーズのレイドやFinalFantasy XIVのAllianceレイドに近いレベルの仕掛けが、このTPSに実装されている。ただし参加者を集めるのが大変というのも現実で、専用のLFG(メンバー募集)コミュニティを利用する必要がある。レイドだけを目的にコミュニティに入るプレイヤーも多く、そこから長期の仲間関係が生まれることも多い。
SHDレベルシステムも長期プレイを支える仕組み。レベル40到達後も「SHDレベル」という無限に上昇するレベルが存在し、上げるたびに微量のステータスボーナスが付く。上限がないため、プレイした時間がそのまま積み上がっていく設計だ。SHDレベルが高いプレイヤーはベテランの証として認識される。SHDレベル1,000を超えるようなプレイヤーはコミュニティでリスペクトされる存在で、「このゲームに何千時間投じた人がいる」という事実がゲームの深みを物語っている。
定期的なシーズンコンテンツとして「シーズンパス」が存在し、各シーズンごとに新しいストーリー、ターゲット(特殊ボス)、新装備が追加される。Year 8 Season 1「Rise Up」は2026年4月からスタート。「クラシファイド任務」の復活や新成長システムの導入が含まれている。クラシファイド任務は各シーズンに専用のミッションが追加され、新たなストーリーを解き明かしながら進行する形式だ。
エンドゲームのコンテンツサイクルは、ざっくりこのような流れになる。①シーズン開始で新ターゲットと新ミッションが解放される→②シーズンパスを進めながら新装備を収集→③新装備を元にビルドを改善→④高難易度コンテンツに挑戦→⑤次のシーズンで繰り返し。このループが季節を変えながら続いていく。飽きが来るかどうかは個人差があるが、「ビルドを変えるたびに同じコンテンツが新鮮に感じられる」というレビューは多い。
レジェンダリーをソロでクリアできたとき、このゲームを続けてて良かったと思った。ビルドの完成度が高くないと絶対無理だから、逆にビルドが完成した証明になる。
引用元:Steamレビュー(日本語)
「アップデート2.24(2026年4月)」ではエンドゲームに「エスカレーション」モードが追加された。段階的な難易度設定とローテーションミッション、より高い報酬が得られる設計で、繰り返し遊ぶことへの動機付けが強化されている。
似たエンドゲーム設計を持つタイトルとして、Destiny 2がある。あちらはSFの世界観でFPS視点だが、「ルーターシューター」「ビルド研究」「レイドコンテンツ」という三本柱は共通している。どちらもやり込みが深く、コミュニティが攻略情報を共有し合う文化が根付いている。Division 2はより「都市戦のリアリティ」が強く、Destinyよりも地に足のついた世界観が好みなら刺さりやすい。「ルーターシューターをやってみたいけど、どれから始めればいいかわからない」という人には、両方の体験談を見て好みで選ぶのが一番確実だ。
Division 2の協力プレイは分業が自然に生まれる設計になっている。タンクビルドのプレイヤーが前に出て弾を集め、スキルビルドのプレイヤーがドローンとタレットで支援し、火力ビルドのプレイヤーが後方から弱点を狙う——そういう役割分担がチーム内で自然発生する。誰かが「タンクやるわ」と宣言しなくても、装備の見た目や行動で役割が決まっていく。このオーガニックな役割分担がチームプレイの面白さを生む。フレンドと「お前タンク、俺はスキル」と話し合いながら役割を決める過程が、それ自体一つのゲームになる。

Steam評価と2026年の現在地——Year 8で新章へ

Division 2はもともとUbi独自のプラットフォーム「Ubisoft Connect」でのみ配信されていた。2023年10月にSteam版がリリースされて以降、Steam同接約12,911人という数字を記録した。
Steam版リリース直後はクラッシュ問題とアチーブメント・トレーディングカード未対応が原因で評価が「賛否両論」に落ちた。クラッシュはUbisoftコネクトのオーバーレイとの干渉が主な原因で、設定を調整することで改善するケースが多かった。「フルスクリーン最適化を無効」「高DPI設定をオーバーライド」「Ubisoft Connectオーバーレイをオフ」といった設定変更が有効とされている。
PCスペックによっては安定して動作するケースも多く、「自分は一度もクラッシュしていない」というユーザーも存在する。ただ、特定のPC環境との相性問題が解消しきれていないのも事実で、購入前にPC構成を調べてから検討するほうが安全だ。Intel系CPUとNVIDIA GPUの組み合わせでは安定しやすく、AMD系の一部構成でクラッシュが起きやすいという報告が多い。これはあくまで傾向であり、個別の環境次第なので、Steamの返金ポリシー(2時間以内)を使って確認するのも一つの手だ。
Ubisoftを巡る状況についてはっきり書いておくと、2024年はUbisoftにとって厳しい年だった。「Skull and Bones」「XDefiant」など複数タイトルの不振、プロジェクトキャンセル、人員削減——そういったニュースが続いたことでプレイヤーの不信感が高まった時期がある。Steamのネガティブレビューに「Ubisoftだから」というコメントが増えたのもこの時期だ。ただ、Division 2そのものの開発チーム(Massive Entertainment)はDLCやアップデートをリリースし続けており、ゲームとしての運営は継続されている。
Ubisoftが心配になる出来事が多すぎるけど、Division 2自体は2024年めちゃくちゃ遊びやすく改善されてた。ゲームとパブリッシャーを別物として見るしかない。
引用元:note @Sortilege「2025年のDivision2の感想」
セールでは本編+DLC込みのバンドルが格安になることが多い。Steamセールで本編が1,000円以下になることもあり、そのタイミングで購入して数百時間遊んでいるユーザーも多い。「コスパ最強」という声は実際のプレイ時間を考えると納得できる評価だ。「Warlords of New York」込みのバンドルが安価で手に入ったときが、最もコストパフォーマンスが高い買い方になる。Steam版はUbisoft Connectを経由して起動する仕組みで、購入後はSteamとUbisoft Connect双方にゲームが登録される。
Steamのレビュー欄を読んでいくと、高評価と低評価の内訳がはっきり分かれている。高評価は「長時間遊べた」「ビルドが楽しい」「協力プレイが最高」が多い。低評価は「クラッシュが直らない」「Ubisoftの企業姿勢が嫌」「サーバー品質が悪い」が多い。ゲームの中身への批判よりも、技術的問題と企業へのフラストレーションが低評価の大半を占めている構図だ。
「2025年のDivision 2は遊びやすく改善されていた」という声が複数見られる。毎年のアップデートでQOL(品質向上)が積み重なってきた結果で、2019年リリース時と比べると全体的な完成度は上がっている。長年のシリーズファンが「今が一番完成されている」と評価するのも、そういった改善の積み重ねによるものだ。
プレイヤーコミュニティはRedditやDiscordで活発に活動している。ビルド情報の共有、攻略情報の交換、LFG(メンバー募集)など、7年目を迎えてもコミュニティの密度は健全に保たれている。日本語コミュニティも一定規模存在し、日本語で攻略情報を調べると親切な解説が見つかることが多い。「一人で始めてもコミュニティに繋がれる」というのは長期運営ゲームの強みだ。初心者向けにビルドを組んでくれる親切なベテランプレイヤーが各コミュニティに存在しており、スタートアップの壁は高くない。

2026年3月、Ubisoftは「The Road Ahead」と題したロードマップ映像を公開した。この内容がかなり充実していて、Division 2コミュニティが盛り上がった。リリースから7年以上が経過したゲームに対して、これだけの内容が発表されたことは素直に評価に値する。
Year 8 Season 1「Rise Up」(2026年4月〜):ブラックタスクとの新たな展開が描かれる新シーズン。プレイヤーが強くなれる新成長システムの導入が目玉で、ビルド研究の新しい軸が生まれる。「クラシファイド任務」の復活で各シーズンに専用ミッションが追加される。このクラシファイド任務は前シーズンからの継続要素で、シーズンをまたいだ大きなストーリーが展開される形式になっている。
クロスプレイの実装(2026年内予定):長年プレイヤーから要望されていたクロスプレイがついに2026年内に実装予定。PC・PS5・Xbox Series X|Sのプレイヤーが同一サーバーで遊べるようになる。これはプレイヤーベースの統合という意味で大きな変化だ。チームを組む際の選択肢が増え、特にレイドやレジェンダリーコンテンツの参加者確保が楽になることが期待されている。「PCフレンドとPS5で遊びたい」という長年の要望がついに実現する。
サバイバルモード「サバイバーズ」の復活:前作Division 1で人気を博したサバイバルモードが「サバイバーズ」として大幅進化して復活予定。これは前作プレイヤーにとってかなりの朗報だ。「Division 2に前作のサバイバルを入れてくれ」という要望はリリース直後からずっと上がっていたもので、年単位で待ち続けたプレイヤーが多い。Division 1のサバイバルモードはニューヨークの極寒を生き延びながら脱出を目指す独特のモードで、PvPvEのサバイバル体験として評価が高かった。Division 2版の「サバイバーズ」がどのような形に進化するか、コミュニティの注目が集まっている。
「バトル・フォー・ブルックリン」DLC(2025年5月配信済み):ブルックリン・ハイツとダンボの2エリアを舞台にした新ストーリー。レベル40ブーストが含まれており、新規プレイヤーでも即エンドゲームコンテンツに触れられる。スキル刷新、新エキゾチック装備、ストレージ容量拡張なども同梱された。秋のニューヨークを舞台にしたビジュアルが好評で、前作Division 1の「帰郷」的な感覚を楽しんだ旧来のファンも多かった。
クロスプレイ実装とサバイバルモード復活が来るなら、まだしばらくはディビジョン2を続ける理由がある。7年目にしてこれだけのアップデートが来るとは思ってなかった。
引用元:note @MutedGiant4126「ディビジョン2、7年目の大刷新でまだまだ終われない」
2026年4月3日には最新アップデート2.24がリリースされた。エンドゲームに「エスカレーション」モードが追加され、段階的な難易度設定とローテーションミッション、より高い報酬が得られる設計になっている。定期的なコンテンツ追加によってエンドゲームの新鮮さを維持し続けるアプローチは、長期運営タイトルとして機能していると言える。
一方で「Year 9以降はどうなるのか」という不安もコミュニティに潜在している。Ubisoftの財政状況とプロジェクト優先度次第では、いつサービス縮小が起きるかわからないという現実も無視できない。ただ、現時点では少なくとも2026年内のロードマップが公開されており、近い将来の終焉は見えていない。「コンテンツが生きているうちに遊ぶ」という姿勢で臨むのが、長期運営のオンラインゲームとの正しい付き合い方かもしれない。
Massive Entertainmentはスウェーデンを拠点とする開発スタジオで、Division 2の開発以外にもスター・ウォーズオープンワールドRPGの開発を手がけていると報じられている。Ubisoftの財政状況とは切り離して、スタジオとしての技術力は業界内で評価されている。Division 2への投資が継続されている背景には、「このゲームはまだ収益を生んでいる」という実績があるはずで、Year 8のロードマップはそれを裏付けるものだ。
「ゲームが好きで始めたUbisoftが心配だ」という感情は理解できるし、それを理由に購入を見送るのも一つの判断だ。ただ、Division 2そのものの完成度とコンテンツ量は、現在のルーターシューター市場でも十分な水準にある。「Ubisoftというブランドを支持するかどうか」とは切り離して、「このゲームが自分に合うかどうか」という軸で判断するのが、純粋にゲームを楽しむための考え方だと思っている。
リリースから7年が経過したゲームとして、まだこれだけのコンテンツが追加されているのは率直に評価できる。プレイヤーベースの維持という意味でも、Massive Entertainmentの継続的な取り組みは機能している。Steamコミュニティの掲示板には「今から始めても遅いか?」という質問が定期的に投稿され、そのたびに「全然遅くない、今が一番整っている状態」という回答が付いている。
一方で「Year 9以降はどうなるのか」という不安もコミュニティに潜在している。Ubisoftの財政状況とプロジェクト優先度次第では、いつサービス縮小が起きるかわからないという現実も無視できない。ただ、現時点では少なくとも2026年内のロードマップが公開されており、近い将来の終焉は見えていない。現在進行形でコンテンツが追加されていることが、プレイヤーにとっての安心材料だ。
総合評価——2026年に始めるとどうなるか
「2026年から始めても楽しめますか?」というのは、Steam掲示板で繰り返し出てくる質問だ。率直に答えると、楽しめる——ただしルーターシューターというジャンルが自分に合えば、だ。
コンテンツ量は膨大だ。本編だけでも数十時間、Warlords of New YorkとBattle for Brooklynを含めると余裕で数百時間分のコンテンツがある。さらにシーズンコンテンツやレイドを含めると、事実上のコンテンツ上限は見えてこない。セールで購入すれば圧倒的なコストパフォーマンスになる。「本編のストーリーはどれくらいかかるか?」に対しては、普通にプレイして20〜30時間程度が目安で、その後のエンドゲームが本番だ。
「今更始めても追いつけない」という心配については、Division 2はMMORPGほどの強制的なコミュニティ競争がないので心配しなくていい。SHDレベルの差はあっても、数値的な差は微量だし、コンテンツへのアクセスは新規プレイヤーでも平等に開かれている。「昔からやってる人に追い抜けないから楽しめない」という設計ではない。むしろ7年分の攻略情報が出揃っているため、「始めやすい環境」という面では今が一番いい時期かもしれない。
このゲームが向いている人の共通点は、「装備を整えていく過程」自体が楽しい人であることが多い。強い装備が落ちたときの高揚感、ビルドが完成したときの手応え、難しいコンテンツを仲間と攻略したときの達成感——このループに入れる人には何百時間でも遊べるゲームだ。「せっかく落ちた装備がゴミだった」ときの落胆も含めて、この浮き沈みがハクスラ系ゲームの醍醐味だと感じられる人なら間違いなく楽しめる。
逆に「ストーリーを楽しむためのゲーム」として期待すると、少し物足りなさを感じるかもしれない。メインストーリーは平均的な長さで、Division 2の真価はストーリークリア後のエンドゲームにある。スナイパーが一発当てるたびにセリフをしゃべるようなドラマ性を求めると、それは別のゲームで満たすべき欲求だ。
技術的な問題(クラッシュ)については、設定を調整することでほとんどのケースは改善できるが、ゼロリスクではない。Ubisoft Connectのオーバーレイを無効化する、フルスクリーン最適化をオフにする、といった対処法が広く共有されている。購入前にPC構成と既知の問題を確認してから判断するのが無難だ。
ソロプレイとマルチプレイのバランスも良い。全コンテンツをソロでクリアすることは可能で(レジェンダリーは難易度が上がるが)、気が向いたときにマルチで遊ぶという使い方ができる。フレンドと遊ぶことも、野良でマッチングすることも、どちらも快適に機能する設計だ。
特に「一人ではゲームが合わなかったけど、フレンドと4人でやったら最高だった」という話はSteamレビューに何件も出てくる。Division 2はソロでも遊べるが、本当の魅力はチームで難関を攻略したときに出る。仲間の一人がビルドの話を始めると、気づけばチーム全員がそれぞれの役割を意識した構成を考え始める——そういうゲームだ。
もう遊び尽くしたと思って一度やめたけど、クロスプレイが来るって聞いてまた戻ってきた。仲間と遊ぶゲームとしてのポテンシャルがまだある。
引用元:Steamコミュニティ掲示板「Is this worth getting in 2025?」
同ジャンルのゲームと比較するなら、Destiny 2(基本無料)で先にルーターシューターというジャンルを試してから、Division 2の世界観や戦闘スタイルが刺さるか判断するのも一つの方法だ。あちらはSFでFPS視点、Division 2は現代廃墟でTPS視点という違いがある。どちらも長時間遊べるが、雰囲気はかなり異なる。「どちらが良いか」ではなく「自分の好みはどちらか」という話で、コミュニティ内でも両方を掛け持ちしているユーザーは多い。
ApexやCS2のような競技FPSを求めているなら、Division 2はそれとは別の楽しさを提供するゲームだと理解しておく必要がある。「FPSが好き」という括りで捉えると期待がずれることがある。「ビルドを研究して強くなる過程を楽しむTPS」という理解で入ると、このゲームの面白さが素直に伝わる。
廃墟になった首都を歩き、仲間と難関を突破し、落ちた装備を見て目を輝かせる——この体験は7年を経てもまだ新鮮さを保っている。クロスプレイ実装とサバイバーズ復活を控えた今のDivision 2は、ルーターシューター好きにとって今なお入り込む価値のあるゲームだ。Year 8が本格的に動き出したこのタイミングで始めるのは、タイミングとしても悪くない。
「ゲームとして面白いか」という問いに一言で答えるなら——ハクスラ・ビルドゲームが好きな人には間違いなく面白い。廃墟都市の世界観が刺さる人には見た目からも楽しめる。協力プレイが好きな人には仲間と遊ぶ理由ができる。この3つのどれか一つでも当てはまるなら、Division 2は選択肢に入れる価値がある。
7年間プレイし続けたベテランが「まだやめられない」と言い、2026年に初めて始めた新規プレイヤーが「なんでもっと早くやらなかったんだ」と言う——それがDivision 2というゲームだ。
最後に一つ付け加えると、このゲームはプレイヤーの「目標の持ち方」が楽しさを大きく左右する。「エンドゲームのビルドを極める」でもいいし、「ワシントンD.C.の廃墟を一つ一つ丁寧に解放していく」でもいいし、「ダークゾーンのスリルを楽しむ」でもいい。入り口は一つでも、楽しみ方は複数ある。自分なりの目標を設定して入ると、このゲームの本当の面白さに気づくのが早くなる。Division 2は、遊ぶ人が何を求めているかによってまったく違う顔を見せるゲームだ。
もう一点、初心者にありがちな「何からやればいいかわからない」問題について。Division 2は最初のチュートリアルミッション後、自由度が高い状態でオープンワールドに放り出される。このとき「マップを見てメインミッション(白いアイコン)を順番にこなす」のがもっとも効率的な進め方だ。サイドミッションは途中でやってもいいが、まずはメインミッションを進めることで世界の全体像が掴める。レベル30以降はDLC「Warlords of New York」でニューヨークへ向かうことが強く推奨されていて、そこからがエンドゲームの本番になる。
「Division 2はソロでどこまでいけるか?」という質問も多い。答えはほぼすべてのコンテンツをソロでクリアできる。レイドは設計上4〜8人が必要だが、それ以外のメインミッション、サイドミッション、ダークゾーン、レジェンダリー(難しいが不可能ではない)まで一人で完結できる。「友達がいないからオンラインゲームは無理」という人でも、充実したソロ体験が約束されているのはこのゲームの明確な強みだ。
ソロで始めて、徐々に野良マルチを使うようになり、いつの間にかコミュニティに参加して仲間ができる——Division 2のプレイヤーにはそういうキャリアを歩んできた人が多い。入り口はソロで、出口はコミュニティというのが、このゲームのもう一つの顔だ。「最初は一人でいい、でもいつか仲間と遊びたくなる」——そういう設計が静かに成立している。


Tom Clancy’s The Division® 2
| 価格 | ¥4,180 |
|---|---|
| 開発 | Ubisoft |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル / マルチ |

