「MIR4」武侠MMORPGにPlay to Earnを組み込んだ異色の一作

「黒鉄を掘っていたら、気づけばライバルプレイヤーにPKされて全部奪われていた」——MIR4をプレイした人なら、この体験がどれほどスリリングで、同時にどれほど理不尽だったかわかるはずだ。

WeMadeが2021年8月26日にグローバルリリースした『MIR4(ミル4)』は、東洋の武侠世界を舞台にしたMMORPGだ。ただしこのゲームには、普通のMMOにない要素がひとつ加わっている。プレイして稼ぐ「Play to Earn」——ゲーム内の黒鉄を仮想通貨DRACOに変換して、実際のお金にできる仕組みだ。

リリース直後のSteam同時接続は一時96,798人というピークを記録し、一時期はSteam人気ランキングのトップ20入りも果たした。しかし2026年現在の同接は約13,000人まで下落している。いったい何がそこまで人を引きつけ、何が人を離していったのか。

武侠MMOとしての本来の魅力と、Play to Earnが起こした嵐の両面を、できるだけ正直に振り返っていく。


目次

こんな人に読んでほしい

MIR4 MMORPG スクリーンショット1
  • 東洋ファンタジー・武侠の世界観が好きなMMOプレイヤー
  • Play to Earnゲームの実態を知りたい人
  • PC・スマホのクロスプレイができるMMOを探している人
  • MIR4が気になっているが、賛否両論の評価の内側を知りたい人
  • 大規模PvPやギルド(門派)政治に惹かれるMMOファン

MIR4という世界——武侠×龍の東洋叙事詩

MIR4の舞台は「MIR大陸」と呼ばれる架空の東洋世界だ。「飛天」と「沙貝」という二大王国が覇権を争い、その狭間で龍と人々が絡み合う壮大な物語が展開される。開発元のWeMadeはもともと「奇蹟MU」「奇蹟の大陸MIR」といった韓国の名作オンラインRPGを手がけてきた会社であり、「MIR」はそのブランドの最新作にあたる。

「K-FANTASY(ケーファンタジー)」というジャンル名をWeMadeは使っているが、要は韓国・中国の古典的な武侠ファンタジーをベースに、現代的なMMOの文法で再構築した世界観だ。仙人・妖魔・龍・秘術・門派といった東洋的なワードが世界観の核を形成しており、ヨーロッパ中世ファンタジーとは異なる独特の雰囲気を持っている。

ゲームはPC(Steam)とスマートフォン(iOS/Android)のクロスプレイ対応。基本プレイ無料でどこからでも始められる。グラフィックは韓国産MMOらしい重厚かつ繊細な作りで、武侠ならではの「軽功(けいこう)」——壁を走り、空中を舞うアクション——が3DCGで圧倒的に映える。

世界規模のサービスとして、リリース当初から170カ国以上でグローバル展開が行われた。日本語対応はされているが、グローバルサーバーのため他国プレイヤーとの混在が前提のゲームだ。日本語ボイスはなく、韓国語ボイスに日本語字幕という形式で、翻訳クオリティは概ね良好という評価だ。

韓国でのサービスは一足先に開始されており、グローバル版リリース前にApp StoreとGoogle Playで1位を獲得していた。韓国での実績が先行し、「韓国で大ヒットしたMMO」として日本でも認知が広がった形だ。

東洋武侠の世界観を持つMMORPGというジャンルは、日本では珍しい。テイルズウィーバーのような剣と魔法のファンタジーとも、ブラックデザートのような欧州風世界とも違う、漢字文化圏特有の「仙術」「門派」「秘境」という概念が世界観の基盤になっている。武侠小説・武侠映画が好きな人なら、このゲームの世界に入り込める土台は十分にある。金庸の「射雕英雄伝」や古龍の「楚留香」が好きな人には、特にグッとくる世界観だ。

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4つの職業と戦闘の個性

プレイヤーが選べる職業は4種類。武侠世界らしい個性ある設計で、それぞれ役割と戦闘スタイルが明確に違う。職業選びはゲーム序盤の最重要決断で、後から変更できないため慎重に選びたい。

戦士(Warrior)——前衛を守る大剣士

巨大な剣を軽々と振り回す屈強な闘士。攻守ともに優秀で、最前線に立ちながら仲間を守るタンク役だ。初心者が最初に選ぶのに適したクラスで、シンプルな操作感でゲームに入りやすい。4人パーティでは必ず欲しい存在で、門派の大規模戦闘でも前衛として頼りになる。序盤は比較的育てやすく、メインクエストを進めながら基本的な戦い方を身につけられる。スキルは範囲攻撃と単体高火力のどちらも持っており、ソロでもパーティでも安定した活躍ができる。

武侠世界での戦士のロールプレイとしても、「剣を持つ侠客」という王道のイメージと合っており、世界観への没入感が高い。

道士(Taoist)——遠距離と回復を兼ねるヒーラー

遠距離攻撃と回復スキルを持つ唯一のヒーラー型クラス。PvPでは「道士がいるかどうか」で勝率が変わるほど需要が高い。ソロでも自己回復ができるため快適にプレイできるが、その分攻撃スキルの数は他クラスより少なく、道士で高い火力を出すには慣れが必要になる。大規模戦闘での回復管理という役割は、使いこなしたときの達成感が大きい。

「道士」という職業は武侠世界でのヒーラーとして世界観との親和性も高い。神秘的な呪術と遠距離攻撃を駆使しながら、後衛から仲間を支援するスタイルは、武侠小説の「法術使い」のイメージに重なる。

法師(Mage)——広範囲魔法の遠距離アタッカー

高い火力と広範囲魔法攻撃が得意な遠距離クラス。敵の移動速度を低下させたり、悪寒状態の敵に対して追加効果が発動するスキルを多く持つ。耐久面は低めなため位置取りが重要になるが、使いこなせれば複数の敵をまとめて制圧できる爽快感がある。ダンジョンの雑魚戦処理が得意で、パーティでの需要も高い。

スキルエフェクトの派手さはクラス中トップクラスで、スクリーンショット映えという意味でも人気がある。ゲームの世界観との相性もよく、「仙術で敵を蹴散らす法師」というビジュアルはMIR4の武侠ファンタジー観を体現している。

武士(Swordsman)——ノックダウンで畳み掛ける近接クラス

近距離で敵の行動を阻害しながら戦う。敵を転倒させる「ノックダウン」効果を持つスキルが多く、敵が倒れている間に高威力のスキルと手数で畳み掛けるスタイルだ。PvP向きの職業で、位置取りと転倒タイミングの管理が上達のカギになる。対人戦での奇襲とコンボが決まった瞬間の快感は、他のクラスにはない独特の手応えがある。

武侠映画の「素手や小刀で戦う武闘家」のイメージに近く、戦士の剛刀とは対照的に素早い動きとコンボで敵を制圧するスタイルは、武侠ジャンルファンに支持されていた。

道士はPvPにもソロにも使えて便利だった。攻撃力は低めだけど、回復があるから死ににくいのが初心者には助かる。門派の大規模戦闘でも引く手あまたで重宝された。

引用元:神ゲー攻略 MIR4初心者向けクラス解説


「軽功」が変えるMMOの移動感覚

MIR4で最初に「あ、これは普通のMMOじゃない」と感じるのが、軽功システムだ。

軽功とはいわゆる武侠の「縮地法」——壁面を走り、地形を蹴って高く跳躍し、崖の上に一瞬で降り立つ動き——をゲーム化したもの。MIR4ではこれが単なるロールプレイ的演出ではなく、実際の移動・探索に使えるアクションとして実装されている。

普通のMMOで「ここには行けない」という段差や岩場が、MIR4では軽功で越えられる。ダンジョン探索中に崖から軽功で飛び降りて敵を急襲するとか、PvPで壁伝いに移動して奇襲するとか、このシステムが戦術と探索に深みを与えていた。

軽功の高さと持続力は、キャラクターの育成によって伸びる。序盤の軽功は短い跳躍程度だが、育てていくと「どこまで飛べるんだ」と感じるほどの機動力になる。これが武侠MMO独特の「飛び回る感覚」の核心で、ラグナロクオンラインの歩行移動とも、Throne and Libertyのマウント移動とも違う、MIR4ならではの体験だ。

軽功は秘境での採掘中も活用できる。秘境の地形を把握して軽功で有利なポジションを確保したり、PKで攻められたときに軽功で逃げたり——戦略的な要素として機能しているのが面白い。「武侠の主人公が崖を駆け上がる」という映像表現をそのままゲームプレイに落とし込んでいる点は、純粋に設計として評価できる。

アクション操作自体はシンプルで、通常攻撃とスキルを交えた直感的な設計が特徴だ。スマホとPCのクロスプレイ対応のため、あまりに複雑な操作は採用しにくかったという背景があるが、それが逆に「サクサク進める」感覚につながっている側面もある。スマホでも軽功の操作ができるよう、バーチャルパッドが工夫されているのも、クロスプレイへの丁寧な対応といえる。

戦闘の爽快感という点では、スキルエフェクトの派手さがMIR4の強みだ。大型スキルが炸裂するシーンは、PC画面で見ると特に迫力がある。スマホと共通のアセットとは思えないほど、PC環境で遊ぶときのビジュアルインパクトは高い。

グラフィック、バトルアクションがかなりクオリティが高く、ド派手に爽快感を味わえる。軽功でフィールドを飛び回るだけでも楽しかった。

引用元:スマホゲームCH MIR4徹底レビュー

PCでもプレイできるからかグラフィックのクオリティが高く、ワールドを歩いてスクリーンショットを撮るだけでも楽しめそうな印象。スマホのブロックチェーンゲームと違って、綺麗で迫力あるグラフィックは魅力だと思う。

引用元:Trans-8-VR MIR4感想・レビュー


育成の仕組み——レベルから戦闘力まで

MIR4 MMORPG スクリーンショット2

MIR4の育成は「レベル」だけでは語れない。戦闘力という別の指標が全体の強さを示しており、これを伸ばすためのルートが複数ある。他の韓国産MMOと同様に、MIR4の育成は一つのシステムを突き詰めるというより、複数の育成要素をバランスよく進めながら総合戦闘力を伸ばしていく形だ。

メインクエスト——ゲームの入口

序盤はメインクエストを進めることでレベルアップしながら、ゲームのシステムを順番に解放していく。メインクエストが詰まると自動戦闘で経験値を稼ぐフェーズに移行する流れだ。任務や依頼(サブクエスト相当)も経験値収入として重要で、達成条件が比較的簡単なものが多いため、こまめに消化することでレベリングが加速する。

「活力丸」というアイテムを使って経験値にブーストをかけることも、効率的なレベリングの一手だ。フィールドの魔法陣エリアで経験値の部屋に入り、モブを狩り続ける方法も序盤の高速レベリングとして定番だった。

装備強化——強くなる核心

装備は素材を使って強化できる。同レアリティの装備2個を合成することで上位のレアリティに昇格させる仕組みもある。装備の素材の多くはダンジョン・フィールド狩り・依頼クリアで入手できるが、上位装備になるほど素材の要求量が増え、時間と課金の分岐点が生まれる。

装備強化の素材として黒鉄も消費されるため、「黒鉄をDRACOに換金するか、装備強化に使うか」という判断が常に求められた。Play to Earnを優先すると装備が育たず、装備を育てると稼ぎが減るという設計上のジレンマがある。

体質修練と精霊——長期的な伸び代

「体質修練」はキャラクターの基礎能力を上げるシステムで、毎日少しずつ積み重ねることで着実に戦闘力が伸びる。デイリーで積み重ねる要素なので、長期プレイヤーほど有利になる設計だ。「精霊」はスキルストーンの召喚ガチャで入手する育成要素で、入手した精霊の図鑑を埋めることでパッシブステータスが上昇する。精霊は重複した場合に合成して上位に昇格させることもできる。

これらの複数の育成系統が存在することで、ゲームのやり込み深度は高い。「何かやることがある」状態が長期間続くが、一方で「何から手をつければいいかわからない」という初心者の混乱も招きやすい。

門派技術——集団で育てる強化

所属する門派が研究している「技術」が解放されるほど、個人の能力にボーナスが入る。強い門派に所属することが育成効率に直結するのは、MMOとしてのコミュニティ設計だが、同時に「良い門派に入れるかどうか」という格差の原因にもなっている。

門派に加入した直後から門派補給品として黒鉄が配布されることもあり、採掘以外の黒鉄収入源としても重要な役割を果たす。強い門派への加入競争も、MIR4の社会的なゲームプレイの一側面だった。

戦闘力10万という壁

MIR4プレイヤーの間で目標とされていた「戦闘力10万」は、ゲームの中盤以降の大きなマイルストーンだ。これを達成するためにはある程度の課金か、長時間のプレイが必要で、無課金での達成は可能だが時間がかかる。戦闘力の差はPKの結果に直結するため、この格差がPlay to Earnとの相性の悪さを生み出していた。

戦闘力10万以上のプレイヤーになれると、より深い秘境への入場権限を得られ、採掘効率も上がる。「強くなるほど稼げる」という設計は、課金者が圧倒的に有利な経済構造を作り出していた。

序盤は次々と新しいシステムが出てきて覚えきれなかった。体質修練・精霊・門派技術・依頼……全部一度に開放されて、何から手をつければいいか迷った。それぞれのシステムの説明も短くてわかりにくかった。

引用元:Gamedia MIR4プレイレビュー


コンテンツの核心——門派と秘境と大規模PvP

MIR4の長期プレイを支えるのが、三層構造のコンテンツだ。

門派(Guild)——仲間と築く拠点

門派は、共通の目的を持ったプレイヤーが集まるギルドシステムだ。レベル10に達すると加入でき、5万銅銭を消費すれば自分で門派を作ることもできる。所属することで装備チェストの開錠時間短縮、門派技術によるステータスボーナス、門派補給品としての黒鉄などが得られる。

強い門派は「秘境」という採掘地帯の支配権と直結している。秘境を占領している門派は、そこから黒鉄を安定して確保できる。黒鉄はPlay to Earnと繋がるため、門派の強さがそのまま経済力に転換されるという設計だ。

門派に所属することで所属メンバーとパーティを組んでダンジョンに挑んだり、秘谷占領戦や飛天城攻城戦に参加できる。孤独なソロプレイより、強い門派に所属することが確実にゲームの幅を広げる設計になっていた。

秘境(Secret Valley)——黒鉄をめぐる生々しい争奪戦

秘境はMIR4の経済の中心地だ。黒鉄という採掘可能な資源が湧き出ており、それを採掘しようとする複数のプレイヤー・門派が常時衝突している。秘境にはレベル制限があり、レベル32から入場できる「飛天秘谷」では1日2回・1時間限定で安全に採掘できる。一方、フィールドの秘谷は時間無制限で採掘できる代わりに、他プレイヤーとのPK(プレイヤーキル)が常に発生する危険地帯だ。

「秘境を共に独占するか、共存して採掘するか」は門派の方針によって異なる。この争奪要素がMIR4に独特の緊張感を与えていた。ゲームのチュートリアルが終わって秘境に踏み込んだ瞬間から、急に「生存競争」の文脈に放り込まれる感覚は、なかなか他のMMOでは味わえない。

ただしこの秘境が後にBotの温床となり、最大の問題点に変わっていく。詳しくは後述する。

飛天城攻城戦——最大150vs150の大決戦

MIR4の最大コンテンツが、飛天城(天空城)攻城戦だ。門派同士が最大150対150でぶつかる大規模PvP戦で、勝利した門派が飛天城の支配権を握り、他の門派から税金を徴収できる権利を得る。

MMOの大規模PvPといえばラグナロクオンラインの攻城戦が有名だが、MIR4の150vs150は韓国産MMORPGらしいダイナミックな演出と戦略性を兼ね備えていた。単純な数の力だけでなく、前線の突破口をどこに作るか、道士によるヒール管理をどう崩すか、といった戦術レベルの面白さがある。

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大規模戦闘は本当に迫力がある。150人が入り乱れてスキルエフェクトが炸裂するシーンは、他のMMOではなかなか見られない光景だった。

引用元:Steamレビュー

秘谷占領戦と税金システム

飛天城攻城戦とは別に、「秘谷占領戦」という中規模PvPコンテンツもある。特定の秘谷地帯を門派単位で占領し、そこで採掘されるすべての黒鉄に対して「税金」を課す権利が得られる仕組みだ。MMOに経済的リアリティを持ち込む試みで、ゲーム内の権力構造が実際の資源経済と結びついているのは面白い設計だった。

ダンジョンと秘境峰

ダンジョンコンテンツとしては、パーティで挑む協力型のものと、個人で攻略する形式のものがある。「秘境峰」はダンジョン形式で黒鉄を採掘できる特殊なエリアで、要求戦闘力を満たせばより深い階層に入れる。上の階に行けば行くほどプレイヤーが少なく、良い採掘環境を確保しやすい——という設計は、努力して強くなることへの報酬感があった。

毎日のルーティン——MIR4の日常プレイ

MIR4を長くプレイしていたユーザーの「毎日やること」は、概ね以下のようなルーティンだった。

  • デイリー依頼・任務のクリア(経験値・素材収入)
  • 体質修練(毎日一定量を積み重ねる育成要素)
  • 秘境での黒鉄採掘(可能であれば)
  • 門派依頼・門派補給品の受け取り
  • 週次の飛天城攻城戦・秘谷占領戦への参加

このルーティンが安定していれば、着実にキャラクターが育っていく。ただし「毎日こなすべきこと」が多く、ゲームに費やす時間が長くなりがちだという声も多い。スマホとのクロスプレイを活用して「移動中はスマホで依頼消化、帰宅したらPCで本格PvP」という分業プレイを実践していたプレイヤーも多かった。

MIR4のオートバトルは、長距離移動中やダンジョンの雑魚処理など「単純な繰り返し作業」には有効だ。「ながらプレイ」ができるという評価もある一方で、「気づいたら何もしていない」という問題も生む。ゲームに能動的に関わりたいプレイヤーは、意識的に手動操作を選ぶ必要がある。


Play to Earn——一時は月数万円が現実だった

MIR4が他のMMOと決定的に違ったのが、Play to Earn(稼ぐために遊ぶ)の仕組みだ。

ゲーム内で採掘できる「黒鉄(Darksteel)」を一定量(当時約10万個)集めると、それを仮想通貨「DRACO」に変換できた。DRACOはさらにWeMadeのプラットフォームトークン「WEMIX」に交換でき、最終的に日本円に換金することが可能だった。

換金の流れはこうだ。

  1. フィールドで黒鉄を採掘
  2. 所定量(約10万個)をゲーム内精錬所でDRACOに変換
  3. DRACOをWEMIXウォレットでWEMIX CREDITに変換
  4. WEMIX CREDITをWEMIXに交換
  5. 海外取引所でBTCへ→日本国内取引所で日本円に換金

日本円への換金は複数のステップが必要で、手順も複雑だった。しかしそれを乗り越えれば、確かに現金が手に入った。リリース直後の2021年後半、WEMIXトークンが最高値の約2,700円をつけていた時期には、熱心なプレイヤーが月3〜4万円程度を稼ぎ出せるケースもあった。

「ゲームをしながら副業になる」という夢のような話が口コミで広がり、Steam同時接続数が急増した最大の理由のひとつがここにある。2021年9月時点でMIR4はSteam同接数上位に躍り出て、当時はMMOs.comが「平均8万人以上の同時接続を維持」と報じるほどだった。

月4万円ほど稼げていた時期があった。レベル上げは時間がかかったけど、黒鉄を採掘しながらゲームを楽しめていたのは本当だった。

引用元:5ch「mir4ってどうなん?」スレッド

NFT化というもうひとつの稼ぎ方

MIR4にはDRACO精錬以外にも収益化の方法があった。「NFTキャラクター」の売買だ。レベル60かつ戦闘力10万を達成したキャラクターは、4,000金貨を支払うことでNFT化できる。NFT化されたキャラクターはMIR4のNFTマーケットで他のプレイヤーに売ることができ、育成度が高いキャラほど高額で取引された。

つまりMIR4は「黒鉄をDRACOに換金する」「育てたキャラクターをNFTとして売る」という2系統の収益化ルートを持っていた。特に高レベルキャラのNFT売買は当時かなりの額が動いており、「課金してキャラを育てて高値で売る」というプレイスタイルも存在していた。

DRACOの精錬上限と現実の稼ぎ

ただし、稼ぎには構造的な上限があった。DRACO精錬の1日あたりの上限は1キャラクターにつき100DRACOまで。それ以上は精錬できない設計だ。また、黒鉄は秘境での採掘だけでなく、装備・キャラクター強化の素材としても大量に消費する。「DRACOに換えようと思っていたが、強化に全部使ってしまった」というプレイヤーも多かった。

現実的な稼ぎとして、2022年初頭の試算では、黒鉄の換金効率と電気代を差し引くと1日あたり300〜600円程度というケースが多かった。「稼げる」のは本当だが、「副業として成立する」かどうかは、プレイ時間とトークン価格次第だった。


ボットとPKの嵐——Play to Earnが壊したゲーム体験

しかし、稼げるという評判が広まるにつれて、MIR4は深刻な問題に直面した。

秘境に押し寄せてきたのは、プレイヤーだけではなかった。大量のBot(自動プレイスクリプト)が秘境を占拠し始めたのだ。自動採掘・自動PK・死亡後の自動復帰を繰り返すBotたちが、良い採掘スポットを24時間占有した。人間のプレイヤーがいくらレベルを上げても、Botの数と持続力には勝てない。

Botの動作は精巧で、単純なチートツールと違い、採掘スポットを自動で探し、他のプレイヤーを感知すると攻撃して追い払い、倒されても復活してすぐに戻ってくる——という完全自動化されたループを繰り返した。これらのBotの多くは、現地の「採掘業者」が大量のアカウントを使って運用していたと言われている。

Steamのコミュニティフォーラムには当時、こんな投稿が溢れた。

Botが採掘スポットを全部押さえている。1体倒してもすぐ復帰してくる。新しいサーバーに移ってもBot軍団が先に来ている。これでは普通のプレイヤーが稼げるわけがない。

引用元:Steam Community MIR4フォーラム

Botが多すぎてどこにも行けない。大人数の門派に入っていなければ、秘境での採掘はほぼ不可能だった。ゲームとして楽しむ以前の問題だ。

引用元:Steam Community MIR4フォーラム

WeMadeもBot対策をアップデートで繰り返したが、Bot側も対策の網をくぐり続けた。いたちごっこが続く中、普通のプレイヤーはどんどん疲弊していった。

課金者との戦力格差という壁

Bot問題と並行して、課金圧力も無視できない問題だった。MIR4は基本プレイ無料だが、戦闘力を上げるためのアイテム強化・装備には課金要素が大きく絡む。秘境での黒鉄採掘を守るためには他プレイヤーとのPKに勝つ必要があり、そのためには戦闘力が必要だ。そして戦闘力を上げるには課金が効率的——という循環がある。

「無課金で黒鉄を採掘しようとしても、課金プレイヤーに一撃でやられる。稼げると思って始めたが、稼ぐためには課金が必要というパラドックスに気づいた」という声は多かった。ゲームの課金モデルはバトルパス(月額約1,200円または3,400円)を軸にしており、単品ガチャはない設計だが、装備強化素材の入手効率は課金者が圧倒的に優位だ。

課金プレイヤーはとにかく強い。無課金でどれだけ頑張っても、ある壁を超えられない。Pay to Winの要素は確実にある。稼ぐためには強くなる必要があり、強くなるためには課金が必要という循環がきつかった。

引用元:Steamレビュー

日本語コミュニティの薄さという孤立感

日本人プレイヤーからは別の問題も挙がった。グローバルサーバーのチャット欄が英語・中国語・韓国語で埋まり、日本語コミュニティが薄いため、門派を探しにくい・仲間を作りにくいという孤立感だ。

ゲーム自体の作りは悪くないのに、チャットが中国語と英語ばかりで日本人と話せる機会がほぼない。日本サーバーがあれば全然違ったと思う。

引用元:アルテマ MIR4レビュー

オートバトルの強度も、賛否が分かれた点だ。MIR4はフィールドでの採掘・戦闘を自動化できる仕様で、「ながらプレイができて便利」という意見がある一方、「結局ゲームをプレイしているのか放置しているのかわからなくなる」「手動で操作する意味が薄い」という声も多かった。

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Play to Earnの光と影——参入した人々の現実

MIR4 MMORPG スクリーンショット3

MIR4のPlay to Earnに参入した人々の体験は、時期によって大きく異なった。

初期参入者——本当に稼げた人たち

2021年8〜10月の早期参入者は、最もDRACO精錬の旨味を享受できた層だ。WEMIXトークンの価格が急上昇していた時期で、秘境のBot問題がまだそれほど深刻でなく、黒鉄の採掘環境も比較的クリーンだった。この時期に積極的に採掘した一部のプレイヤーは、1〜2ヶ月で数万円〜10万円以上の収益を得たケースもあったという。

ただし、DRACO→WEMIX→BTC→円という多段階の換金プロセスを正確に理解し、実行できた人に限られた。日本人プレイヤーには換金手順のハードルが高く、DRACO を貯め込んだまま価値が下落してしまったケースも少なくなかった。

中間参入者——苦しんだ大多数

2021年11月〜2022年前半に参入した層は、WEMIXがすでに高値圏にある状態で始めた。秘境のBot問題は深刻化しており、採掘環境を確保するために強い門派への加入が必須になっていた。稼ぎは初期参入者に比べ大きく落ちており、電気代・時間コストを考えると「稼いでいるのか損しているのかわからない」という状態になりやすかった。

戦闘力を上げて採掘環境を守るために課金を増やす→稼ぎは減らない→しかし収益より課金額が上回るかもしれない——という心理的な罠にはまったプレイヤーも多い。

後期参入者——ほぼ稼げなかった

2022年後半以降の参入者は、WEMIXトークンがすでに急落中か上場廃止後という状況だった。DRACOを精錬しても換金先がなく、NFTキャラクターの売買市場も縮小していた。「稼げると聞いて始めたが、始めた時点で旨味はほぼ終わっていた」という声が多い。

この構造はPlay to Earnゲーム全般に共通する問題で、初期参入者ほど有利で後から来るほど不利という「ねずみ講的」な批判があった。MIR4はその代表例として、ゲーム業界内外で引き合いに出されることが多い。

WEMIX崩壊——Play to Earnが終わった日

2022年後半、MIR4を支えていた経済圏が一気に揺らいだ。

WeMadeが運営するWEMIXトークンは、2021年11月に最高値(約2,700円)をつけた後、2022年にかけて急落した。暗号通貨市場全体の下落に加え、WeMade自身に関するスキャンダルが問題を悪化させた。

そして2022年12月、韓国の仮想通貨取引所連合(DAXA)がWEMIXの上場廃止を決定する。理由は「計画流通量を超えた過剰発行・不透明な運用」だ。WeMadeが提出した流通量計画と実際の流通量が乖離しており、市場に対する虚偽開示の疑いがかけられた。

元代表チャン・ヒョングク氏が流通量操作の容疑で訴追され(2025年の一審では無罪判決)、事態は法廷闘争にまで発展した。WEMIXは2023年2月に再上場されたが、価格の回復は限定的だった。さらに2025年にもセキュリティ問題を起因とした上場廃止が韓国の複数の取引所で起きている。

WEMIXトークンの価格崩壊は、DRACOの価値下落と直結した。月に数万円が稼げていた時代は終わり、同じ時間を費やして得られるDRACOは数百円の価値にまで減少した。

WEMIXが上場廃止になった時点で、MIR4を続ける理由が消えた。DRACOを換金できないなら、ただの普通のMMOになるわけで、そのMMOとしての完成度だけで評価すると微妙だった。

引用元:Pacific Meta MIR4口コミ・評判まとめ

そもそもPlay to Earnは、後から参入するプレイヤーが多ければ多いほどトークンが希薄化し、初期参加者だけが実質的に稼げる構造的な問題を抱えていた。MIR4はその典型例となった。

稼げるという目的でゲームを始めたプレイヤーは一斉に離れた。Steam同時接続数はピーク96,798人から急落し、2022〜2023年にかけて長期下落トレンドが続く。


Play to Earnブームの歴史的な文脈

MIR4が登場した2021年は、GameFi(ゲーム×分散型金融)とNFTゲームのブームが頂点を迎えた時期だ。「Axie Infinity」がフィリピンなどの東南アジアで実際に生活費を稼げるゲームとして注目を集め、続々とPlay to Earnゲームが登場した。

MIR4はその流れの中で、「本格MMORPGにPlay to Earnを組み込んだ」という点で特異な存在だった。Axie Infinityのようなシンプルなカードゲームではなく、大規模MMOのコンテンツ——職業・ダンジョン・PvP・大規模戦争——に仮想通貨経済を組み合わせた設計は、当時のゲーム業界から大きな注目を集めた。

Steam同時接続96,798人という数字は、当時の大手MMOと並ぶ規模だ。ファイナルファンタジーXIVやワールドオブウォークラフトほどではないにしても、新興タイトルが一時期これだけのプレイヤーを集めたのは、Play to Earnの集客力がMMOとしての魅力を大幅に上回っていたことを示している。

裏を返せば、そのプレイヤーのほとんどは「武侠MMOを遊びたい」ではなく「仮想通貨を稼ぎたい」という動機で来ていた。これがMIR4の後の急落を決定的に早めた。

Play to Earnが機能するためには、継続的に新しいプレイヤーがトークンを買い続ける必要がある。最初に来たプレイヤーが稼ぐのは、後から来たプレイヤーの参入資金が原資になっている——という構造は、持続可能なゲーム経済とは言いにくい。MIR4のケースはその限界を、最も大規模な形で実証した事例となった。

韓国ゲーム業界はこの経験から教訓を得ており、後続のタイトルではブロックチェーン要素の位置づけを変えたり、完全に切り離したりする動きが増えている。MIR4がなければ、後のNFTゲームのあり方も違ったものになっていたかもしれない。それほど業界への影響力が大きかった事例だ。

日本国内では「稼げるゲーム」として仮想通貨メディアや投資ブログで広く紹介された。Play to Earnというビジネスモデルを初めて体験した日本人プレイヤーも多く、「ゲームで稼ぐとはどういうことか」を多くの人が学んだゲームという意味でも、歴史的な役割を果たした。

ラグナロクオンラインが2000年代に「大規模PvPとギルド政治のMMO」の原型を日本に広めたように、MIR4は「Play to Earn型MMO」という新しいジャンルの代表例として記憶される。

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キャラクターカスタマイズ——韓国MMO水準の細かさ

Play to Earnの騒動とは別に、純粋にゲームとして評価すべき要素として、キャラクターカスタマイズのクオリティがある。

MIR4のキャラメイクは、韓国産MMOらしく細部の調整まで可能だ。顔の各パーツを個別にスライダーで調整できるほか、ほくろの位置・口唇の厚み・目尻の高さといった細かい部分まで変更できる。武侠の衣装との組み合わせで、理想の「侠客(きょうかく)」を作り上げることができる。

スマホゲームに多い「髪型と顔タイプを選ぶだけ」のシンプルなキャラメイクと違い、MIR4は「この角度からこの顔に見えるように」という細かい調整が可能だ。特に女性キャラクターの造形完成度は高く、ゲーム自体に興味のないカジュアルな層にもキャラ作成だけで楽しめるという声があった。

カスタマイズした見た目はゲーム内でも常に表示され、軽功で跳躍する自キャラのシルエットや、PvPで敵に突進していく姿に「自分のキャラクター」というアイデンティティが宿る。これはMMORPGの根本的な楽しさだが、MIR4のグラフィック品質がそれを引き立てていた。

グラフィックが綺麗で、キャラクターたちもかっこよく、遊んでいて楽しかった。キャラメイクも細かくて、自分だけの侠客を作れる満足感があった。

引用元:アプリ島 MIR4プレイ評価レビュー

ブラックデザートのキャラメイクほどの圧倒的な細かさはないが、スマホMMOの水準を大きく超えるクオリティで、「クロスプレイMMO」という制約の中でよく作り込まれた部分といえる。NFT化されたキャラクターを売買する文化がゲーム内に存在したことで、「見た目の良いキャラを高値で売る」というプレイスタイルも生まれていた。


ストーリーと世界観の作り込み

MIR4 MMORPG スクリーンショット4

MIR4のストーリーは、「龍と人々の物語」というコンセプトのもと、飛天と沙貝の二大勢力の争い、そして古代の龍が絡む壮大な叙事詩として展開する。韓国語のボイスが採用されており、吹き替えはないが字幕での翻訳クオリティはまずまずという評価が多い。

世界観の作り込みは丁寧で、門派や王国の歴史、個々のキャラクターのバックグラウンドなど、テキストを読み込めば読み込むほど世界が広がる設計になっている。武侠小説特有の「師弟関係」「仇討ち」「龍の秘術」といったモチーフが散りばめられており、武侠ジャンルに親しみのある人には刺さる内容だ。

フィールドは「武侠の世界」として視覚的によく作られており、竹林・断崖絶壁・古い寺院・龍の出る洞窟といったエリアが続く。ここを軽功で飛び回るだけでも「武侠MMOを遊んでいる」という体験として成立する。ラグナロクオンラインがプレイヤーコミュニティとRO世界の文化を融合させたように、MIR4も武侠という文化圏の美意識をゲームに落とし込むことに成功している部分がある。

ただし「ストーリーに引き込まれる」という感想は少なく、「オートで進めているうちにいつの間にか次のメインクエストに飛んでいた」という声が目立つ。オートバトル・オートクエスト移動・オートストーリー進行の組み合わせで、ゲームを「プレイしている」感覚より「プレイされている」感覚になりやすい設計は、ストーリーへの没入感を削ぐ面がある。

これはMIR4だけでなく、韓国のスマホ発MMORPGが抱える共通の課題でもある。「効率よくキャラクターを育てる」ために自動化を進めると、ゲーム体験そのものが手元から離れていく矛盾だ。じっくりストーリーを追いたいタイプのプレイヤーより、「MMOの人間ドラマ」としての門派政治や大規模PvPに惹かれるプレイヤーのほうが長続きしやすかった。

序盤は次々と新しいシステムが出てきて覚えきれなかった。そのままオートに任せていたら、いつの間にかメインストーリーが終わっていた。ゲームをやっている感じが薄かった。

引用元:Gamedia MIR4評価レビュー

それでも、武侠という舞台設定は普通のMMOにない体験を提供する。ESO(The Elder Scrolls Online)が欧州中世・ファンタジーの文脈で深い世界観を構築したように、MIR4は東洋武侠の文脈で独自の「MMO世界」を作ろうとしていた。その試み自体は評価に値する。


なぜ97,000人が集まり、そして離れたのか

MIR4がSteam最高97,000人という同接を達成できた理由は、明確だ。

「ゲームを遊びながら稼げる」という概念が、2021年当時は本当に新鮮だった。そしてWEMIXトークンが実際に値上がりし、初期参加者が本当に稼いでいた事実が、次の参加者を呼び込んだ。これがMMOに「投資」的な視点を持ち込んだプレイヤーを大量に集めた要因だ。

韓国・東南アジアを中心に、まだゲームとしての評価が固まる前から「稼げるMMO」として火がついた。Steamのレビューが「賛否両論」でも、Steam同接がトップ20に食い込んだのは、レビューを書いた層(ゲームの面白さを評価した人)と、実際にプレイしていた層(稼ぎを目的とした人)が大きくずれていたからだ。

逆に言えば、その大半は「稼げるから」入ってきたプレイヤーであり、トークン価値が崩壊した時点で離れる人々だった。MMO本来の面白さを求めていたプレイヤーとは、動機が根本的に異なっていた。

Steam同接数の推移が示すもの

具体的な数字で見てみよう。MIR4のSteam同時接続数の変遷はこうだ。

  • 2021年8月:リリース直後から急伸、9月初旬に2万人突破
  • 2021年9月〜11月:WEMIXトークン高騰期。最大96,798人を記録
  • 2022年前半:WEMIXトークン下落とともに同接も下落傾向
  • 2022年12月:WEMIX上場廃止。一気に人口が流出
  • 2023年6月:3万3,399人(第二のピーク)を経て下落継続
  • 2026年現在:約13,000人前後で安定

この推移はPlay to Earnプレイヤーの動向をほぼ完璧にトレースしている。WEMIXトークンが上がるほど人が増え、下がると人が減る。ゲームとしての評価(レビュー件数・内容)とは独立して動いているのが、数字から読み取れる。

現在の13,000人という数字を「残ったコアプレイヤー」として見ると、武侠MMOとしての底堅い人気が確認できる。ゲームとして楽しめる要素がある証拠でもある。

「Play to Earnで人が集まる」「Botも集まる」「Botが環境を壊す」「課金者でないと対抗できない」「稼ぎが減る」「プレイヤーが離れる」という負のループが、MIR4が辿った軌跡の本質だ。

ラグナロクオンラインの攻城戦文化や、テイルズウィーバーのような継続的なコミュニティ形成と比べると、MIR4のPlay to Earn軸の集客戦略は短期的には圧倒的な成功を収めたが、長期的なコミュニティ醸成という観点では脆弱な基盤の上に成り立っていた。

稼げるかどうかに関係なく、武侠の世界観とPvPは好きだった。でもBotだらけになってからはもうやる気が出なかった。ゲームとしては好きだったけど、環境が壊れた。

引用元:Pacific Meta MIR4口コミ・評判まとめ


武侠MMOとしての完成度——Play to Earnを除いて評価すると

Play to Earnのノイズを取り除いてMMOとして評価するなら、MIR4には確かな魅力がある。

武侠という世界観の完成度は高く、軽功による独特の移動感覚、150vs150の飛天城攻城戦、門派と秘境を軸にした集団政治——これらは普通のMMOにない体験だ。グラフィックのクオリティも高く、キャラクターカスタマイズも細かい。

MIR4ならではの体験——他のMMOとの比較

同ジャンルとして挙げると、Throne and Libertyも韓国産の大規模PvP型MMORPGだが、こちらはブロックチェーン要素を持たず、純粋なMMOとして設計されている。MIR4が「稼げるMMO」として注目を集めた同時期に、NCSoftはThrone and Libertyで「ゲームとして面白いMMO」の路線を堅持した。

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ブラックデザートとの比較でいえば、黒い砂漠がノンターゲティングの格闘ゲーム的戦闘を特徴とするのに対し、MIR4はよりシンプルな操作でスマホとの両立を重視している。キャラメイクのクオリティは黒砂漠が一枚上手だが、軽功による移動の独自性ではMIR4が優る。

ラグナロクオンラインと比較すると、攻城戦という大規模PvPコンテンツという点では共通しているが、MIR4のほうが視覚的な演出が圧倒的に豪華だ。一方でRO独特のクラスチェンジシステムや、長年のコミュニティ文化は代替できない。ラグナロクオンラインがMMOのコミュニティ形成に残した遺産と同じものを、MIR4は持てなかった。

MMOとしての良い点・悪い点を整理すると

純粋にMMOとして評価したときの良い点をまとめると——

  • 武侠の世界観は東洋ファンタジーとして独自性が高い
  • 軽功による移動感覚は他のMMOにない体験
  • 150vs150という大規模PvPのスケールと演出
  • 門派と秘境をめぐる集団政治という社会的ゲームプレイ
  • キャラクターカスタマイズのクオリティ
  • PC・スマホのクロスプレイ対応

一方、純粋にMMOとしての問題点も存在する——

  • オートバトル・オート移動がゲームプレイを受動的にする
  • 課金格差(Pay to Win要素)が無課金プレイヤーに不利
  • 日本語コミュニティが薄く、グローバルサーバーでの孤立感
  • Bot問題が完全解消されていない
  • 新規プレイヤーと既存プレイヤーの育成格差

問題だったのは、Play to Earnという要素がゲームの設計思想そのものに深く食い込んでいたことだ。黒鉄の採掘はゲームの中核コンテンツと一体化しており、そこにBotと課金ユーザーが流れ込んできた結果、純粋なMMOとしてのプレイ体験が壊れた。

「ゲームとしては好きだけど、環境が最悪だった」——この評価が、MIR4への最も正直な感想かもしれない。武侠MMOの骨格とPlay to Earnの組み合わせは、ゲームとして魅力的なコンセプトだったが、それを実現するための設計とBot対策・課金バランスが追いつかなかった。

グラフィックは本当に綺麗で世界観も好きだった。でも気づいたらオートで進めていて、自分で何かしている感覚が薄くなっていった。Botが来てからはそれ以前の問題だった。

引用元:Gamedia MIR4レビュー


2026年現在のMIR4——今でも遊べるのか

MIR4は2026年4月時点でもサービスを継続している。Steam同時接続は約13,000人前後で推移しており、ピーク時の約8分の1まで落ちてはいるが、完全に過疎というわけではない。

Play to Earnの熱狂は落ち着き、今は武侠MMOとして純粋に楽しむコアプレイヤーが残っている状況だ。大規模PvPコンテンツや門派システムは変わらず存在し、定期的なアップデートも行われている。WeMadeはWEMIXの問題を経ながらもゲーム事業を継続しており、MIR4はその主力タイトルとして維持されている。

ただし、Steamレビューは「賛否両論」のまま(約67%が好評、14,000件以上)。Bot問題は完全には解消されておらず、課金者と無課金者の格差も依然として存在する。

新規プレイヤーとしてゼロから始める場合、既存プレイヤーとの育成格差は小さくない。ただしゲームとしての基本設計——武侠の世界観・軽功・大規模PvP——は今でも体験できる。門派に所属して攻城戦に参加するまでのコンテンツ量は十分にあり、「終盤のPvP」を楽しめるようになるまでの道のりが長い分、コストパフォーマンスは悪くない。

今から始める人へのアドバイス

「稼げるかもしれないから始める」という動機ではなく、「武侠の世界で大規模PvPをやりたい」「門派で集団政治を楽しみたい」という明確な目的があるなら、今でも一定の価値があるゲームだ。

序盤の進め方としては、メインクエストを進めながら門派に加入し、デイリー依頼を毎日こなすのが基本だ。秘境での採掘は早めに始めると黒鉄が溜まっていくが、DRACOへの換金よりも装備強化に使うほうが現実的だ。Play to Earnとして稼ごうとすると強い門派が必要になり、強い門派に入るには戦闘力が必要になる——という現実を最初に理解しておくと、課金判断が楽になる。

日本語コミュニティの薄さとグローバルサーバーの環境は、長期的な満足感に影響するかもしれない。日本人プレイヤーが多い門派を最初に探すことが、長続きするコツとして多くのプレイヤーが挙げていた。

東洋武侠の世界観でMMOをやったことがない人、大規模PvPや秘境をめぐる門派政治に興味がある人にとっては、無料でとりあえず試してみる価値のあるタイトルだ。


まとめ——Play to Earnとゲームの相性は、難しい

MIR4は、ゲームとしての骨格は悪くなかった。武侠の世界観、軽功の移動感覚、150vs150の大規模戦闘、門派と秘境をめぐる集団政治。これらは「東洋ファンタジー大規模MMO」として十分に面白い要素だ。

問題は、Play to Earnという経済システムが純粋なゲーム体験と共存できなかったことだ。稼げる時期は本当に稼げた。しかしそれは、後から参入した大量のBotと課金プレイヤーが押し寄せることと表裏一体だった。Bot対策の甘さと課金格差の設計が、Play to Earnゲームとして致命的な弱点になった。

WEMIXトークンの崩壊と上場廃止は、MIR4から「稼げる」という看板を剥ぎ取った。残ったのは武侠MMOとしての素地と、疲弊した一部のコアプレイヤーだけだった。

2021〜2022年のPlay to Earnブームの中心にいたゲームとして、MIR4は確実に歴史に名を残すタイトルだ。「ゲームで稼ぐ」という夢と現実の両方を、最大規模で体験させてくれた作品でもある。最高96,798人という同接数は、Play to Earnの集客力の証明であると同時に、ゲームとしての持続力の限界を示してもいる。

今から始めるなら、稼ぎを期待せず、武侠MMOとして純粋に向き合うのが正直なところかもしれない。それができるプレイヤーにとっては、まだ遊ぶ理由のあるゲームだ。東洋武侠という独自の世界観は、他のMMOでは代替できない体験だから。

MIR4を振り返るとき、「Play to Earnが悪だった」という単純な結論よりも、「まだ誰も正解を知らないまま実験が始まってしまった」という見方のほうが正確だと思う。WeMadeも、プレイヤーも、ゲーム業界全体も、Play to Earnの持続可能な設計方法をまだ見つけられていなかった。MIR4はその最大の実験台になってしまった。

武侠の世界に惹かれるなら、Play to Earnに期待せず一度ログインして軽功を試してみてほしい。あの「空を舞う感覚」は、MMOとして普通に面白い。それは今でも変わっていない。

  • 武侠の世界観・大規模PvP・門派政治が好きなら:試してみる価値あり
  • Play to Earnで稼ぎたいなら:現在は期待しないほうがいい
  • Bot・課金格差に敏感なら:ストレスを感じる可能性が高い
  • 日本語コミュニティを重視するなら:参加前に日本人門派を探してから

最終的に、MIR4が残したものは「Play to EarnとMMOを組み合わせると何が起きるか」という生きた実験結果だ。成功した部分もあり、失敗した部分もある。そのすべてが2021〜2026年のゲーム史の一コマとして刻まれている。

武侠という舞台は今でも輝いており、門派政治と大規模PvPという設計は今でも面白い。それを支えるべきだったPlay to Earn経済が崩れただけで、ゲームの骨格自体が死んだわけではない。WeMadeの開発チームが今後どんなアップデートでMIR4を再定義していくのか、注目していく価値はある。

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MIR4

Wemade Next
リリース日 2021年8月25日
サービス中
同時接続 (Steam)
13,354
2026/04/10 アジア圏ゴールデンタイム計測
レビュー
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65.4%
全世界
賛否両論
14,811件のレビュー
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価格基本無料
開発Wemade Next
販売Wemade
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