Xbox 360時代、「Fable II」というゲームに100時間近く溶かした経験がある。
道徳システムで悪の道を歩んでいたら、いつの間にか角が生えて肌が黒ずんできた。村人に話しかけるたびに怯えられ、犬だけが忠実についてきた。地主になって全村民から家賃を巻き上げながら、笑いながら不動産を買い漁った。そういう「くだらない遊び方」が全部できるゲームだった。
「次のFableはいつ出るんだ」——その問いを10年以上抱えてきたプレイヤーに、ついに答えが届いた。
Fable(フェイブル)2026年秋発売。開発はPlayground Games。Xbox Series X|S / PlayStation 5 / PC(Steam)全対応。Game Passで初日から遊べる。
ただし、「あのFableが帰ってきた」と単純に言い切れない部分もある。作ったのは別のスタジオ。角が生えたり光輪が出たりする外見変化は廃止。シリーズ創始者のピーター・モリニュー本人が「少し清潔すぎる」と感じたと語った。そういった声も含めて、今わかっていることを全部正直に書いていく。
こんな人に刺さる / こんな人は慎重に
こんな人は期待していい
- Fable I / II / IIIをプレイした旧ファン — アルビオン、英雄ギルド、ライフシムが全部帰ってくる
- スカイリムやウィッチャー3は遊んだが、もっと「遊びが自由なRPG」を探している人
- NPCとの結婚、地主プレイ、職業体験が好きな人 — シリーズ伝統の生活要素が復活
- Game Passに加入している人 — 発売初日から追加料金なしで遊べる
- PS5ユーザーで「Xboxの惜しいゲーム」が気になっていた人 — 今作はPS5にも同時発売
- 道徳・評判システムで世界を変えていくRPGが好きな人
こんな人は一歩立ち止まって
- 「旧作のFable」を完全再現してほしい人 — スタジオもシステムも別物、かなり変わっている
- 善悪で外見が変わる(角や光輪が生える)システムを期待している人 — 今作では廃止
- 協力プレイ(コープ)がメイン目的の人 — マルチプレイ要素は現状不明または非対応の可能性
- 発売前なのでリリース後の完成度が未知数である点が気になる人
- Playground Gamesが「Fable IIみたいな感動作を作れるか?」を心配している人 — 正直その懸念は理解できる
Fable(フェイブル)2026 基本情報
| Fable(フェイブル)— ゲーム基本情報 | |
| タイトル | Fable(フェイブル) |
| 開発 | Playground Games(イギリス) |
| パブリッシャー | Xbox Game Studios / Microsoft |
| ジャンル | オープンワールドアクションRPG |
| 発売予定 | 2026年秋(Autumn 2026) |
| 対応機種 | Xbox Series X|S / PlayStation 5 / PC(Steam・Microsoft Store) |
| 価格 | 未発表(AAA価格帯が予想される) |
| Game Pass | 初日から対応 |
| プレイ人数 | シングルプレイ(マルチプレイ要素は現状不明) |
| 日本語対応 | 対応(テキスト・字幕) |
| 前作からの経過 | Fable III(2010年)から約16年ぶりの新作 |
| Steamウィッシュリスト | 2026年1月のDeveloper Direct後にTop20入り確認 |
公式ゲームプレイトレーラー
Fableとは何か——16年の沈黙を経て帰ってきた「自由すぎるRPG」

Fableというシリーズを知らない人のために、少し背景を説明しておく。
最初の作品が出たのは2004年、当時のXboxだ。開発したのはLionhead Studiosというイギリスのスタジオで、創業者はピーター・モリニュー。「Black & White」「Dungeon Keeper」などの奇抜なゲームで知られる、業界でも一際異彩を放つクリエイターだ。
Fableのコンセプトはシンプルだった。「プレイヤーが選択した行動で、キャラクターの見た目も、世界の反応も、全部変わる」。善行を積めば光輪が頭に浮かびNPCに慕われ、悪行を重ねると角が生えて村人に恐れられる。物語の進行よりも「どう生きるか」が中心にある、当時としては珍しいRPGだった。
Fable IIは2008年にXbox 360向けに発売され、シリーズの頂点と評される作品になった。犬のコンパニオン、結婚・離婚・子育て、不動産売買、職業体験、道徳による外見変化——これだけの要素を一つのゲームに詰め込んで、それが破綻せずに動いていた。「この世界で生きる」という感覚において、当時のオープンワールドRPGの中でも特別な位置にあった。
Fable IIIが2010年に発売されてから、シリーズは長い眠りに就いた。Lionhead Studiosは2016年にMicrosoftによって閉鎖される。Fableは終わったように見えた。
だから2020年のXbox Games Showcaseでリブート版のティザーが流れたとき、世界のFableファンが一斉に声を上げたのは当然だった。
Playground Gamesという選択——Forza Horizonの次の挑戦
リブート版を開発しているのはPlayground Gamesというスタジオだ。
Forza Horizonシリーズを作ってきたチームと言えば、ゲームをある程度知っている人なら「ああ、あそこか」とわかる。Forza Horizon 3、4、5——開かれた世界を美しく作ること、そこで自由に走り回ることの楽しさを、世界最高水準で実現してきたスタジオだ。
ただし、「オープンワールドアクションRPGを作る」のは今回が初めてだ。
Playground GamesはFable開発のために2017年頃から第2チームを立ち上げた。メインのForza Horizonチームとは別に、RPG開発の専門家を採用しながら、長い準備期間をかけてきた。そのプロセスで2025年2月には一度発売を延期している。「もう少し時間が必要だった」という判断は、むしろ慎重に作っているサインと受け取ることもできる。
開発ディレクターのRalph Fulton氏はDeveloper Directでこう語った。「Forza HorizonはFableに活きている。あのシリーズで学んだ、広大な世界をリアルに作る技術。でも今回は広さではなく、密度を選んだ。すべての建物に中に入れる。すべての家を買える。すべての店で働ける。1000人のNPCが全員個別に生きている。Forzaとは全く異なる種類の作り込みだ」。
「Fable Horizonではなく、Fableを作っている。Forzaで学んだ技術をRPGの文脈で活かす方法を考え続けてきた」
— Ralph Fulton(開発ディレクター)、Xbox Wire Japan より
懸念している人の気持ちは理解できる。レースゲームの名門がRPGを作る。その挑戦が成功するかどうか、発売まで本当のことはわからない。ただ、映像を見る限り「Forzaの世界をそのまま流用した」感じは一切なく、ちゃんとファンタジーのFableとして生きている。
世界観——新しいアルビオンへようこそ
今作の舞台はアルビオン(Albion)。シリーズ全作品と同じ名前の世界だが、旧三部作の続きではない。
Playground Gamesはこれを意図的に選んだ。Ralph Fulton氏は「旧三部作のタイムラインに縛られない道を選んだ。それによって、制約なく自分たちが作りたいアルビオンを構築できる」と説明している。要するに「同じ名前・同じ雰囲気の別世界」だ。リブートという言葉が一番しっくりくる。
このアルビオンは中世ファンタジーを基調としながら、Fableらしいブラックユーモアと独特のおとぎ話感が漂う世界だ。建物はちょっとアンバランスで、キャラクターたちは大げさで、でも妙にリアルで。スカイリムの荘厳さよりも、もう少し「舞台劇の世界を歩いている」感覚に近い。
確認されている主要ロケーションはこのあたり:
- ブライアー・ヒル(Briar Hill) — 主人公の出身村。ゲームはここから始まる
- Bowerstone(バウワーストーン) — アルビオンの首都。市場、家、ギルド施設が集まる
- 英雄ギルド(Heroes’ Guild) — ヒーローたちの組織。シリーズ伝統の拠点
- Fairfax Castle(フェアファックス城) — 旧作ファンにはおなじみの城
- Bloodstone(ブラッドストーン) — ダークな雰囲気の港町
「すべての建物に内部がある」というのは、今作のひとつの大きな売りだ。単なるハリボテではなく、全ての家に入れる。入れるなら、そこに住んでいる人がいる。住人がいるなら、関係性が生まれる。この連鎖が、アルビオンという世界をただの「風景」ではなく「生きている場所」にしている。
ストーリー——石化した村から始まる英雄の旅
プレイヤーは村「ブライアー・ヒル」の子どもとしてゲームを開始する。
最初から派手な戦闘があるわけではない。村の日常、祖母との関係、子ども時代の何気ない場面——そこに突然、謎の存在が現れ、祖母と村人全員が石化してしまう。この事件がきっかけとなって、主人公はヒーローの才能に目覚め、アルビオンへと旅立つ。タイムスキップを経て、成人した主人公が石化の謎を解くための冒険が本格的に始まる。
シリーズ伝統の「英雄(Hero)」という特別な存在としての立場は健在だ。英雄ギルドがそれを後押しし、アルビオン全土で「ヒーロー」として認識される——あの独特の自己重要感は引き継がれている。
Fableシリーズのストーリーは昔から「重厚な叙事詩」ではなく「おとぎ話の皮肉版」だ。善悪がはっきりしない世界、笑いながら泣かせる脚本、大仰な演出——そういう味をPlayground Gamesがどこまで再現できているか、そこがファンにとっての一番の関心事だろう。
戦闘システム「スタイルウィービング」——剣・弓・魔法を途切れなく繋ぐ
今作の戦闘コンセプトは「スタイルウィービング(Style-Weaving Combat)」と名付けられている。
近接・遠距離・魔法の3スタイルを、アニメーションの途切れなしに組み合わせられるシステムだ。剣で斬った瞬間に火球を放ち、着地前に弓を引いてとどめを刺す——という連続した動作がスムーズに繋がる。動画で見ると、これが想像以上に気持ちいい。
登場する敵は旧作ファンにはなじみ深い面子だ。
- ホッブス(Hobbes) — ゴブリン系の小型雑魚。群れで来る
- バルベリン(Balverines) — 狼男タイプの強敵。素早くて怖い
- トロル(Trolls) — 大型の岩系モンスター
- ホロウメン(Hollow Men) — 骸骨の戦士
- コカトリス(Cockatrice) — 新登場。火を吐く鶏型のボス。なぜかすごく印象に残る
「火を吐く鶏のボス」というのはFableらしさの象徴だと思う。世界を滅ぼす魔王ではなく、変なモンスターが変な場所に出てくる。それがこのシリーズの空気感だ。
Playground GamesはForza Horizonで「走る気持ちよさ」を極限まで磨いてきたスタジオだ。アクションゲームの戦闘手触りに同じ熱量を注ぎ込めるか——映像を見る限りは期待していいと思っているが、実際に触るまでは確信は持てない。
道徳システムの刷新——「バレなければ悪いことやり放題」

Fableのアイデンティティの核にあるのが道徳システムだ。今作ではこれが大きく刷新されている。
旧作は「善悪メーター」というシンプルな指標だった。善いことをすればゲージが善方向に動き、外見が白く輝き、NPCに好かれる。悪いことをすればゲージが悪方向に動き、角が生えて肌が黒ずみ、恐れられる。
今作はそれを廃止した。代わりに採用したのは「評判(Reputation)システム」だ。
仕組みは現実に近い。あなたの行動を誰かが見ていれば、その行為への評判が蓄積される。誰も見ていなければ、バレない。
評判は「地域ごと」に管理される。ある街では英雄として慕われていても、別の街ではならず者として恐れられることがある。その評判の積み重ねが、NPCの態度、店の価格、恋愛・結婚の可能性、果てはクエストの展開まで変えていく。
「道徳のスライダーに頼らない設計にした。善悪の二択ではなく、あなたが誰に何を見られたかが評判を形作る。Bowerstone北区での評判とBloodstoneでの評判は、まったく別のものとして扱われる」
— 開発チームインタビュー、Xbox Wire Japan より
旧作ファンの一部から「角や光輪が消えたのは寂しい」という声が出ているのは理解できる。外見変化はFableの視覚的アイコンだった。でも「地域ごとに全く異なる評判を積み上げていく」というシステムは、旧作の善悪メーターより深みがある可能性もある。実際に遊んでみないとわからないが、試みとしては面白い方向だと思う。
1000人のNPC——全員が個別に「生きている」
今作でPlayground Gamesが最も強調しているのが、NPCの作り込みだ。
1000人以上の固有NPCが、全員個別にボイス収録されている。それぞれが独自のルーティン、関係性、意見を持ち、プレイヤーの評判に応じて態度を変える。
スカイリムのNPCがどうだったか、少し思い出してほしい。あのゲームにもNPCはたくさんいたけれど、「会話が薄い」「行動パターンが単純」「みんな同じ声」という部分はずっと言われてきた批判だった。
Fableがここで差別化を図ろうとしているのは明らかだ。1000人全員がフルボイス、固有のキャラクター性を持つ——これが本当に機能すれば、「村に住んでいる感覚」は別次元になる可能性がある。
「1000人以上のNPCが全員ボイス付きって聞いて鳥肌立った。Skyrimでもそんなことしてないでしょ。あのゲームの世界はリアルだったけど、NPCの薄さがいつも気になっていた。Fableでそれが補完されるなら、理想のオープンワールドに近づく気がする」
— NeoGAFスレッドより
ただし、これだけのボリュームを詰め込んだ結果、NPCの質が薄くなっていないか——「1000人いるけど全員会話が1〜2パターン」では逆効果になる。そこはリリース後に確かめるべき点だ。
ライフシムとしてのFable——不動産・結婚・職業の自由
Fableを他のRPGと区別する最大の要素が、ライフシムとしての側面だ。今作でもこれはしっかり受け継がれている。
不動産: アルビオン中の家や建物を購入できる。買った家に住民がいれば家賃収入が入る。地主になって全村民から家賃を取り続けるという、リアルで言えば道徳的にどうかというプレイができる。
職業体験: 鍛冶屋として働ける。商人として商品を売り買いできる。ミニゲーム形式で、こなすほどお金が稼げる。
結婚・家族: NPCと恋愛関係を築き、結婚し、子どもを持てる。英雄としての冒険をこなしながら、家に帰れば家族が待っているという「2つの人生を同時に生きる」感覚がFableにはある。
このライフシム要素は、今作でどこまで深化しているかが一つのポイントだ。旧作は「できることは多いが、深さはそれなり」だった。1000人のNPCという規模感と組み合わさったとき、結婚相手の選択肢がどれだけ豊かになっているか。地主プレイが本当に経済的な意味を持つようになっているか。発売後に確かめたい部分だ。
ファミ通のレポートによると「本作でもNPCとの結婚や不動産転がしはできる模様」という記述があり、少なくとも表面上の要素は確認されている。
キャラクタークリエイター——自分だけの英雄を作る
今作ではキャラクタークリエイターが搭載される。外見のカスタマイズが可能だ。
ただし、SNSで一部話題になったのが「主人公の性別選択」の話だ。最初に公開されたトレーラーでは主人公が女性として描かれており、「男性でもプレイできるのか?」という声が上がった。開発側はその後、男性主人公も選択可能であることを確認している。
顔の選択についても少し補足しておく。フル3Dのスライダー式クリエイターというより、「複数の顔の中から選ぶ」形式のようだ。RPGのキャラメイクとしてはやや限定的かもしれないが、服装や装備による見た目の差異は広く用意されているとのこと。
ピーター・モリニューの涙と苦言——創始者は何を感じたか
2026年1月のXbox Developer Directでゲームプレイが初公開されたとき、一人の男が自宅でその映像を見ていた。Fableシリーズの生みの親、ピーター・モリニューだ。
彼は後のインタビューでこう語った。
「映像を見ていたら、気づいたら涙が出ていた。F*** me. This thing that we created, it’s going to live(自分たちが作ったものが、これからも生きていく)。この世界が、他の誰かの手で続いていくということが、どれほど嬉しいことか」
— ピーター・モリニュー、GamesRadarインタビュー より
ただし、彼は批判も忘れなかった。
「少し”清潔すぎる(antiseptic)”という印象を受けた。Fableというのはもっと混沌としていて、汚れていて、角が丸かった。でも発売まで何ヶ月もある。きっとそういう味が加えられていくと信じている」
— ピーター・モリニュー、GamesRadarインタビュー より
この「清潔すぎる」という指摘は、一部のファンも感じていた点だ。旧作のアルビオンは、美しさの中に泥臭さがあった。路地の臭いがしてきそうな市場、歯抜けのNPC、汚れた服の商人——そういったテクスチャが現代的なグラフィックの中に溶け込んでいるかどうか。モリニュー自身も期待しながら見守っている。
それでも彼が涙したという事実は重い。自分が作ったシリーズが16年越しに復活し、誰かが魂を込めて作っている——そのことへの純粋な喜びが、あのコメントには滲んでいた。
旧作との比較——何が帰ってきて、何が変わったのか
旧作ファン向けに、変更点と継続点を整理しておく。
| 要素 | 旧作(Fable II/III) | 新作(2026) |
|---|---|---|
| 道徳システム | 善悪スライダー | 地域ごとの評判制 |
| 外見変化(善悪) | 角・光輪・翼が生える | 廃止 |
| 結婚・家族 | あり | あり(継続) |
| 不動産・地主 | あり | あり(継続) |
| 職業・仕事 | あり | あり(継続) |
| 犬のコンパニオン | Fable IIに登場 | 未確認 |
| 協力プレイ | Fable II/IIIにあり | 未確認(なしの可能性) |
| デーモンドア | 全作に登場 | 未確認(ファン心配中) |
| 英雄ギルド | あり | あり(継続) |
| NPC数・深度 | 多いが薄め | 1000人フルボイス(大幅強化) |
| キャラクタークリエイター | なし(固定主人公) | あり(外見選択) |
| 戦闘システム | 近接・遠距離・魔法(やや遅い) | スタイルウィービング(シームレス) |
外見変化の廃止はファン的には痛い。「善悪で見た目が変わる」という視覚的フィードバックはFableの最も印象的な要素の一つだった。でもその代わりに「地域評判」という立体的なシステムが入ったことで、「同じ人間が別の土地では別の評価を受ける」というリアルな人間関係のシミュレーションに近くなっている。
デーモンドアについては、複数のファンが「映像に一つも出てこないのが不安」と言っている。デーモンドアとは、特定の条件を満たすと開く謎の扉で、中に特別な報酬やエリアがある。Fableらしいひっかかりの一つだが、今作での扱いはまだ不明だ。
PS5でもGame Passでも遊べる——プラットフォーム戦略の転換
もともとFable 2026はXbox独占タイトルとして語られていた。だが2026年1月のDeveloper Directで、PlayStation 5でも同時発売することが発表された。
MicrosoftがXboxタイトルをPS5に展開していく流れの中で、Fableもその一つになった。Xbox独占にこだわりを持っているファンからすれば複雑な気持ちがあるのはわかる。ただPS5ユーザーにとってはうれしいニュースだし、単純に多くの人が遊べるのは良いことだと思う。
「え、PS5でも遊べるの?最高じゃん!もともと気になってたんだよな。Game Passはないから諦めてたけど、これは絶対買う」
— PS5プレイヤーの反応(Reddit r/PS5より)
Game Passでも発売初日から遊べるというのは、特にコスパ面で魅力的だ。月額料金の範囲内でプレイできるなら、「まず試してみる」ハードルがぐっと下がる。ウィッチャー3もゲームパスで始めたという人が多かったように、Fableもそういう入り口を作ってもらえる。
正直な懸念点——期待しつつも心配していること
期待できる部分が多い一方、正直に言っておかなければならない懸念もある。
懸念①: Playground GamesがRPGを作るのは初めて
Forza Horizonシリーズは文句なく素晴らしい。あのチームの「オープンワールドを作る技術」は本物だ。でも、オープンワールドレーシングゲームとオープンワールドアクションRPGは、根本的に異なる設計思想を必要とする。
NPCとの関係性、クエストデザイン、ストーリーの感情的な起伏、道徳システムの実装——これらはForza Horizonで培った筋肉とは別の筋肉だ。専門家を採用してきたとはいえ、実際にどこまで完成度を出せているかは発売まで未知数だ。
Medium上のある記事は「I Refuse To Be Excited About Fable(Fableに期待することを断る)」と題し、過去のMicrosoftゲームが期待外れだったことを挙げながら、意識的に距離を置くことを宣言した。StarfieldやRedfallの記憶が、慎重論の背景にある。
懸念②: 発売延期の経緯
2025年2月、予定されていた2025年の発売が1年延期された。理由は「もう少し時間が必要」という説明のみで、具体的な問題点は明かされていない。
延期そのものはゲームの質を上げるための判断であることが多い。でも「なぜ延びたのか」が不透明な点は、あれこれ想像を膨らませてしまう。2026年に本当に出るのか、という声も一部にある。
懸念③: 旧作の「泥臭さ」が失われていないか
ピーター・モリニューが「清潔すぎる」と感じたという点は、一部のファンも同様に感じている。現代的なグラフィックでFableのあの世界観を表現するとき、綺麗すぎてFableらしさが消えてしまう可能性がある。Fableのアルビオンは、美しいだけじゃなくて変で臭くておかしい場所でもあった。
懸念④: デーモンドアや旧作要素の欠如
デーモンドアが映像に出てきていない点は、複数のファンが指摘している。協力プレイも「あるとは言っていない」状態だ。犬のコンパニオン(Fable IIの象徴的要素)も今のところ確認されていない。旧作から持ってこなかった要素をどう補うのか、見えていない部分がある。
良い点と期待できること——なぜ今一番楽しみなRPGの一つなのか

懸念を書いたら、期待できる点もちゃんと書いておく。
推しポイント①: ライフシムとしての深度が段違いになりそう
旧作の「結婚・地主・仕事」という要素に、1000人のフルボイスNPCという規模感が掛け合わさる。村の誰かと恋人になる、毎日顔を合わせるうちに関係が深まる、冒険から帰ってくると何か変化している——旧作ではうっすら感じていたそういう「世界の温度」が、今作では格段に上がる可能性がある。
「NPCと結婚できるゲームって今でも珍しい。不動産で生計立てながらのんびり遊びたい。それだけで元が取れる気がしてる」
— ゲームウィズコメント欄より
推しポイント②: 地域評判システムの面白さ
「バレなければ何でもできる」システムは、行動の意味を劇的に変える。旧作の善悪メーターは「どっちを選ぶか」という二択だったが、今作は「誰に見られたか」「どの地域でどう振る舞ったか」という文脈が加わる。北区の人には信頼されているが、南区では恐れられている——そういう評判の非対称性が面白いドラマを生みそうだ。
推しポイント③: 全建物内部への入場
「すべての建物に中に入れる」というのは、オープンワールドとしては相当に贅沢な設計だ。普通は外観だけのハリボテが多い中、全てに内部がある。それだけで探索の密度が変わる。宝探しが楽しいゲームになるかどうかは、こういう作り込みにかかっている。
推しポイント④: Forza Horizonクオリティの環境表現
Forza HorizonシリーズのアルビオンをFableのおとぎ話フィルターで見たとき、どれだけ美しい世界が広がるか——これは純粋に楽しみだ。実機プレイ映像を見る限り、光の表現、植生の密度、建物の質感は本物のPlayground Gamesクオリティが出ている。
「Forza Horizonの環境の作り込みは本物だから、あのクオリティでオープンワールドRPGを作るなら間違いない。フィールドを歩くだけで楽しいゲームになりそう」
— NeoGAFスレッドより
推しポイント⑤: 16年待った甲斐を感じさせてほしい
これは機能の話ではなく、感情の話だ。16年間待った旧作ファンが「帰ってきた」と感じる瞬間を作れるか。Fable IIを遊んでいた10代20代のプレイヤーが今は30代40代になっている。その人たちが「また犬を連れてアルビオンを歩いてる」と思える何かがあるかどうか。それがこのゲームの本当の評価軸だと思う。
PC版の注目点——スペックと推奨環境
PC版はSteamとMicrosoft Storeの両方で発売される。Xbox Play Anywhereに対応しているため、どちらか一方を購入すればもう一方でも遊べる可能性がある(詳細は発売前の公式確認を推奨)。
公式のシステム要件はまだ発表されていない。ただし、参考情報として:
- フルオープンワールドに1000人のフルボイスNPC、全建物内部あり——かなりのデータ量が予想される
- Playground GamesはForza HorizonでFSR/DLSSの積極活用実績がある。FableでもAI解像度技術の対応が期待できる
- グラフィックの見た目から推測すると、推奨スペックはRTX 3070/RX 6800 XTクラス以上が予想される
- ストレージは大きめに用意しておいた方が無難(50〜100GB以上の可能性)
正確なシステム要件は発売前の公式発表を待つ必要がある。
似たゲームが好きなら——Fableと世界観が近い作品
Fableに興味を持ったが、まだ発売前で待てないという人に。近い体験を持つゲームを紹介しておく。
ウィッチャー3は「道徳的な選択と結果」という点でFableと通底するものがある。クエストの選択が後から世界を変える設計は、Fableが目指していた方向と重なる。ウィッチャー3を遊んだことがない人は、Fableを待つ間にぜひ。

Avowedはドラゴンエイジ系の設計に近いが、オブシディアンが作るRPGの「選択と結果」哲学はFableのDNAと近い部分がある。

Baldur’s Gate 3はFableほどライトではないが、「この世界で好き勝手生きていい」という自由度の点では近しい体験を提供してくれる。NPC一人ひとりに個性がある点も参考になる。

2026年秋に向けて——期待と現実のバランスで待つ
2026年秋、Fableが発売される。
16年間待った。Lionhead Studiosがなくなったとき、このシリーズは本当に終わったんだと思った人もいると思う。それが今、Playground Gamesという別のチームの手で、別のスタジオが新しいアルビオンを作っている。ピーター・モリニューが涙した映像が世界に流れた。
この事実だけで、もう何かが起きていると思う。
心配も正直ある。Playground GamesがRPGを作るのは初めてで、旧作の「泥臭さ」が失われていないか、デーモンドアが帰ってくるかどうか、道徳システムの新しい形が旧作ファンに受け入れられるか——発売前には答えが出ない問いが並んでいる。
でも、1000人のNPCが全員生きている世界で、知らない誰かと恋をして、悪いことをしても誰にも見られなければバレない世界で、地主として家賃を巻き上げながら冒険するゲームが——Forza Horizonを作ったチームによって2026年に動いている。
それは、やっぱり楽しみだ。
2026年秋、また英雄として生きてみよう。
買い・待ちの判断
- 旧作Fableが好きだった人 → 絶対に確保しておく価値あり
- Game Pass加入者 → 追加費用なしで初日から遊べる。試さない理由がない
- Skyrim/ウィッチャー3が好きでライフシム要素も楽しみたい人 → 本命候補
- 「Playground GamesがRPGを本当に作れるか不安」な人 → Game Passで試してから判断が賢明
- PS5ユーザーで今まで諦めていた人 → PS5でも同時発売。このタイミングで一緒に始められる
Fableシリーズを知らない人へ——「英雄として生きる」ということ
最後に、Fableを全く知らない人へ向けて書いておく。
Fableというシリーズは「どんな英雄になるか」を問い続けてきた。スカイリムやゼルダのように「世界を救う使命を果たす」ゲームでもあるが、それ以上に「その過程でどう生きるか」にスポットが当たっている。
家賃を搾取する地主でもいい。村人全員を助けながら聖人として生きてもいい。ただ犬を連れて森を散歩し続けてもいい。英雄ギルドのクエストを無視して商人として金を稼ぎ続けてもいい。
そういう「物語から外れた生き方も全部ゲームとして成立する」設計を、最初に大規模にやったのがFableだった。
16年経ったいま、その精神が新しい形で帰ってくる。旧作を知らないプレイヤーにとっては、ゼロから「自分だけのアルビオンの生き方」を探せる新しいRPGが始まる、ということだ。
どんな英雄になりたいか——その答えを探しに、2026年秋、アルビオンへ。

