Steam同接240万人、2500万本——中国発の西遊記アクションRPG「黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)」忖度なし本音レビュー【新作PCゲーム】

Steam同時接続240万人。発売83時間で1,000万本。1ヶ月で2,000万本

中国のゲーム開発スタジオが、たった6年で作り上げた「西遊記アクションRPG」が、PUBGに次ぐSteam歴代2位の同時接続記録を叩き出した。しかもシングルプレイ専用タイトルで。

それが『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』だ。

2024年8月20日に発売されるやいなや、世界中のゲーマーが「天命人」として如意棒を振り回し始めた。Steamレビューは81万件以上で96%が好評。TGA 2024ではベストアクションゲーム賞を受賞し、GOTY(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)にもノミネートされた。

正直に言うと、自分は最初「中国のゲーム会社がAAAタイトル? 本当に大丈夫なの?」と半信半疑だった。でも実際にプレイしてみたら、その偏見は最初のボス戦で粉々に砕け散った。Unreal Engine 5で描かれる中国神話の世界、80体以上のボスが次々に襲いかかる圧倒的な戦闘。「これ、マジで中国のインディースタジオが作ったの?」と何度思ったことか。

ただ、手放しの神ゲーかと聞かれると、そうとも言い切れない。マップ設計、カメラワーク、ストーリーのわかりにくさ。辛口な声もしっかりある。

この記事では、黒神話:悟空の魅力も弱点も、忖度なしで全部書いていく。「買い」なのか、自分に合うゲームなのか、判断材料になれば嬉しい。

目次

公式トレーラー


こんな人におすすめ / こんな人には合わないかも

こんな人は買い

  • ソウルライク系のアクションRPGが好き(でもガチガチの死にゲーはちょっと……という人にもOK)
  • 西遊記や中国神話の世界観に興味がある
  • ボス戦を繰り返し攻略する「パターン学習」にアドレナリンが出る
  • 圧倒的なグラフィックでファンタジー世界に没入したい
  • シングルプレイヤーでじっくり40〜60時間遊べる大作を探している
  • 「如意棒で妖怪をぶん殴る」というロマンに惹かれる

こんな人は合わないかも

  • オープンワールドで自由に探索したい派(本作はリニア寄り)
  • ミニマップや目的地マーカーがないと迷子になる
  • マルチプレイや協力プレイがないと物足りない
  • ストーリーを楽しみたいけど西遊記の知識がほぼゼロ
  • アクションゲームが苦手で、難易度選択で「イージー」が欲しい
  • 130GBの容量が厳しいストレージ事情

黒神話:悟空の基本情報

タイトル 黒神話:悟空 (Black Myth: Wukong)
開発 Game Science(遊戯科学 / 中国・深セン)
発売日 2024年8月20日(PC/PS5)/ 2025年8月20日(Xbox)
対応機種 PC (Steam / Epic Games Store) / PS5 / Xbox Series X|S
ジャンル アクションRPG(ソウルライク要素あり)
エンジン Unreal Engine 5
料金 買い切り(Steam版 7,590円)
日本語対応 テキスト:日本語対応 / 音声:中国語
プレイ人数 シングルプレイ専用
プレイ時間 メイン約35〜40時間 / コンプリート55〜70時間
累計販売本数 2,500万本以上(2025年1月時点)
Steam同接ピーク 約2,415,714人(歴代2位 ※シングルプレイ専用では歴代1位)

「中国初のAAA」が生まれるまで——Game Scienceという奇跡

黒神話:悟空の話をする前に、このゲームを作った会社の話をさせてほしい。なぜなら、このスタジオの成り立ち自体がゲーム史に残るレベルで面白いからだ。

Game Science(遊戯科学)は2014年、中国テンセントの元社員7人が設立した小さなゲームスタジオだ。CEOの馮驥(フォン・ジー)氏はテンセントでMMOの開発に携わっていた人物で、「自分たちが本当に作りたいゲームを作る」という志でテンセントを飛び出した。

最初はモバイルゲームで食いつなぎながら、2018年から黒神話:悟空の開発をスタート。当時の開発チームはわずか30人程度。予算も人員もAAAタイトルとは程遠い状態だった。

転機は2020年8月。採用目的で公開した13分間のゲームプレイトレーラーが、世界中でバイラルした。中国の小さなスタジオが、Unreal Engine 5で「西遊記」の世界をここまでリアルに再現できるのか——という衝撃。トレーラー公開後、Game Scienceには10,000通以上の履歴書が届いたという。

そこから4年。開発費約70億円、開発期間6年を経て完成したのが黒神話:悟空だ。中国のゲーム業界では「中国初の本格AAAゲーム」として、ゲーム史的な意義を持つタイトルとして位置づけられている。

如意棒の「3つの型」が生み出す爽快バトル

黒神話:悟空の戦闘シーン - Steam公式スクリーンショット

黒神話:悟空の核心は、なんといっても戦闘だ。

プレイヤーは「天命人(ティエンミンレン)」と呼ばれる猿の戦士を操作し、如意棒を振り回して妖怪たちと戦う。一見するとシンプルなアクションに見えるけど、実は相当に奥が深い。

如意棒の3つの構え

如意棒には3つの構え(スタンス)があり、それぞれ全く異なる戦い方ができる。

劈棍(へきこん)— スマッシュスタンス

如意棒を大きく振り下ろす、パワー重視の構え。一撃が重く、ボスの体勢を崩しやすい。ゲーム序盤はこれ一本でも十分戦える。大振りだけどヒットした時の爽快感は段違い。

立棍(りっこん)— ピラースタンス

如意棒を地面に突き立て、棒の上でアクロバティックに戦う構え。攻撃範囲が広く、複数の敵を同時に巻き込める。見た目も派手で、「悟空っぽさ」を最も感じられるスタンスかもしれない。

戳棍(たくこん)— スラストスタンス

如意棒で突きを繰り出す、スピード重視の構え。攻撃速度が速く、DPS(秒間ダメージ)が高い。ボスの隙を突いて連続攻撃を叩き込むのに向いている。

この3つの構えにはそれぞれ独立したスキルツリーがあり、レベルアップで得た「妙悟値(ポイント)」を自由に割り振ってカスタマイズできる。しかもスキルの振り直しがいつでも無料でできるので、「今のボスにはスマッシュが効きそうだな」と気軽にビルドを変えられるのが嬉しい。

戦闘のベースはスタミナ制で、ソウルライクの文法に近い。回避で敵の攻撃をかわし、隙を見つけて如意棒を叩き込む。ただ、エルデンリングやSEKIROほどストイックではなく、「緩めのソウルライク」という表現がしっくりくる。レベルを上げれば火力で押し切れるバランスなので、アクションが得意じゃなくても時間をかければクリアできる設計になっている。

「変化」と「法術」——悟空だからこその能力

如意棒だけでも十分に面白いんだけど、黒神話:悟空の戦闘をさらにぶち上げるのが「変化(へんげ)」「法術」のシステムだ。

変化(モンスター変身)

ゲーム中に特定のボスを倒すと、そのボスの姿に変身できるようになる。これが「七十二変化」をゲームシステムに落とし込んだ本作最大のユニーク要素だ。

変身中は完全に別キャラクターの操作感になり、固有の攻撃パターンと体力ゲージが使える。つまり、ピンチの時に変身して体力を温存したり、特定のボスに対して相性の良い変身で挑んだり、戦術の幅がとんでもなく広がる。

しかも、変身した妖怪のモーションが一つひとつ丁寧に作られていて、「お、このボスはこういう動きをしていたな」と敵側の視点を体験できるのが面白い。

法術(スペル)

法術は大きく4つの系統に分かれている。

  • 定身術 — 敵を一時的に凍結させる。ボスにも一瞬だけ効く。攻撃のチャンスを作る基本中の基本。
  • 聚形散気 — 分身を生み出す法術。囮として使えるだけでなく、分身自体がダメージを与える。
  • 銅頭鉄臂 — 防御力を大幅に上げるバフ。大技を受ける前に発動すれば生存率が格段に上がる。
  • 身外身法 — 如意棒から分身を複数召喚して攻撃。火力が一気に跳ね上がる。

これらの法術を如意棒の構えと組み合わせることで、自分だけのビルドが構築できる。たとえば「スマッシュスタンスで大ダメージ→定身術で凍結→変化で追い打ち」みたいなコンボが組めると、もうドーパミンが止まらない。

装備にもセット効果があって、特定の装備を揃えると強力なボーナスが発動する。ハクスラ的な「最強ビルドを追い求める」楽しさがあるのは、繰り返しプレイのモチベーションとして非常にうまく機能している。

80体以上のボス——「こんなの見たことない」の連続

黒神話:悟空を語る上で避けて通れないのが、80体以上のボスの存在だ。

全6章のストーリーを通じて、次から次へと個性的なボスが登場する。しかも、そのほとんどが「初見で『こんなの見たことない』と思わせてくれるデザイン」をしている。

印象的なボスたち

広智(こうち) — 第1章のボス。元は聡明な僧侶だったが、虎に変化した悲劇的な存在。初めてのガチボスで、ここで「あ、このゲーム本気だ」と思い知らされる。攻撃パターンを覚えて的確に対処しないと勝てない、ソウルライクの洗礼。

黄風大王 — 第2章のボス。砂嵐を操る大ネズミ。フィールド全体を砂嵐で覆って視界を奪ってくる演出がえげつない。「見えないけど攻撃は飛んでくる」という恐怖を体験させられる。

黄眉大王 — 第4章のボス。巨大な仏僧の姿をした妖怪。如意棒を模した巨大な杖で襲いかかってくる。多段階の変身があり、最終形態のスケール感は圧巻。

牛魔王 — 西遊記ファンにはおなじみの大ボス。炎を纏って暴れ回る姿は、原典を知っている人ほど燃える(文字通り)。

各チャプターの冒頭には手描きのアニメーションムービーが挿入されていて、これがまた凄い。中国の伝統的な水墨画のようなタッチで描かれた美麗なアニメが、各章の物語を補完してくれる。このアニメだけでも見る価値がある。

Unreal Engine 5が描く「中国神話」の圧倒的ビジュアル

黒神話:悟空のビジュアル - Steam公式スクリーンショット

黒神話:悟空のグラフィックは、2024年のゲームの中でもトップクラスだ。

Unreal Engine 5のNanite(ジオメトリ技術)とLumen(グローバルイルミネーション)をフル活用した描画は、ムービーシーンからシームレスに戦闘に移行しても違和感がないレベル。岩肌の質感、木漏れ日の光と影、妖怪たちの毛並みや鱗の一枚一枚まで、異常なほど作り込まれている。

特に印象的なのはロケーションの多様さだ。竹林、古寺、砂漠、雪山、水中洞窟——中国各地の世界遺産や古刹をロケハンして制作されたという背景は、ゲームをプレイしているだけで中国旅行をしている気分になれる。実際に四川省や山西省の寺院を3Dスキャンして取り込んでいるという話もあり、リアリティのレベルが段違いだ。

レイトレーシング対応もしっかりしていて、水面の反射や光の屈折が息を呑むほど美しい。ただし、レイトレーシングを有効にするとGPU負荷が跳ね上がるので、RTX 3060以上は欲しいところ。レイトレなしでも十分綺麗なので、ミドルスペックのPCでも設定を調整すれば快適にプレイできる。

ストーリー——「西遊記の後日談」という挑戦的な設定

黒神話:悟空のストーリーは、西遊記の「その後」を描いている。

天竺への旅を終え、仏になったはずの孫悟空がなぜか倒れている。プレイヤーは「天命人」として、悟空に何が起きたのかを追いかけながら、各地の妖怪と戦っていく。

正直に言うと、ストーリーの理解度は西遊記の予備知識があるかどうかで大きく変わる。中国のプレイヤーにとっては「あ、この妖怪は原典のあの場面の奴だ」と自然に理解できるけど、日本人プレイヤーには馴染みのない固有名詞や設定が多い。

ただ、各チャプター冒頭の手描きアニメがストーリーを補完してくれるし、ゲーム内の「旅の絵巻」で背景設定を読むこともできる。ストーリーを100%理解できなくても、「なんだかよくわからないけど壮大でカッコいい」という雰囲気で楽しめるのが本作の良いところでもある。

逆に西遊記に詳しい人にとっては、たまらない作品になるはず。原典のエピソードをゲーム的に再解釈したストーリーラインは、「こういう切り口があったか」と唸らされる場面が多い。

推しポイント——ここが本当にすごい

黒神話:悟空のゲームプレイ - Steam公式スクリーンショット

1. 「緩めのソウルライク」という絶妙なバランス

エルデンリングやSEKIROは「死にゲー」として名高いけど、黒神話:悟空はもう少しカジュアル寄り。スキルの振り直しが無料、レベルアップで火力ゴリ押しも可能、法術や変化でピンチを凌げる。ソウルライクに興味はあるけど高難易度で心が折れた経験がある人には、ちょうどいい塩梅のゲームだと思う。

2. ボスの「量」と「質」の両立

80体以上のボスがいて、しかもそのほとんどが使い回しではなく固有のモデルとモーションを持っている。これは開発リソース的に考えると異常な力の入れ方で、AAAタイトルの中でも群を抜いている。

3. 中国語ボイスのクオリティ

日本語音声がないことに不満を感じる人もいるかもしれないけど、中国語のボイスアクティングが素晴らしく良い。特にボス戦前の口上(くちがみ)は、中国語がわからなくても迫力が伝わってくる。日本語字幕のローカライズも丁寧で、違和感なく物語を追える。

4. 各チャプターの手描きアニメーション

水墨画風のアニメーションが全6章に用意されていて、これだけで短編アニメ作品として成立するクオリティ。本編のCGとはまた違うテイストで西遊記の物語を語ってくれるので、章が変わるたびに楽しみになる。

5. 無料アップデートの充実

2024年12月にはボスバトルモードが無料で追加され、2025年4月にはパフォーマンス改善のアップデートが配信された。有料DLCではなく、無料でコンテンツを追加してくれる姿勢は好感が持てる。

辛口ポイント——ここは正直に言わせてくれ

1. ミニマップがない・マップ設計がリニア

本作にはミニマップもコンパスも目的地マーカーもない。「探索の楽しさを損なわないため」という設計意図はわかるけど、実際には道に迷って同じ場所をグルグルすることが頻繁に起きる。しかもマップ自体はリニア(一本道)寄りなので、「迷うけど自由度が高いわけではない」というちぐはぐさがある。

2. カメラワークの問題

ボス戦で壁際に追い込まれるとカメラがめり込むことがある。大型ボスとの戦闘では、カメラが近すぎて敵の攻撃モーションが見えないことも。カメラで死ぬことが何度かあると、さすがにストレスが溜まる。

3. ストーリーが不親切

西遊記の知識を前提としている部分が多く、「この妖怪が誰で、なぜここにいるのか」がゲーム内の説明だけでは掴みにくい。中国のプレイヤーには常識的な知識でも、日本のプレイヤーには補足が必要な場面が多い。

4. コンボの幅が限定的

3つの構えと法術で戦術の幅はあるものの、各構え内でのコンボバリエーションはそこまで多くない。Devil May Cryのようなスタイリッシュなコンボ格闘を期待すると、少し物足りなく感じるかもしれない。

5. 一部ボスの理不尽さ

80体以上のボスの中には、攻撃の予備動作が短すぎたり、カメラ外から飛んでくる攻撃があったりするものも。全体的にはフェアな設計だけど、数体ほど「これは覚えゲーというよりイライラゲーでは」と感じるボスがいる。

PC版のパフォーマンスと推奨スペック

PC版の最適化は、発売当初から概ね良好と評価されている。モンハンワイルズのような壊滅的な最適化問題はなく、推奨スペック程度のPCなら快適にプレイできる。

最低スペック 推奨スペック
GPU GTX 1060 (6GB) RTX 2060
CPU Intel i5-8400 Intel i7-9700
RAM 16GB 16GB
ストレージ 130GB (SSD推奨) 130GB (SSD推奨)
OS Windows 10 64-bit Windows 10/11 64-bit

レイトレーシングを有効にしたい場合は、最低でもRTX 3060以上が必要。4K解像度で快適にプレイするならRTX 4070以上を推奨する。DLSS(NVIDIA)やFSR(AMD)のアップスケーリング技術にも対応しているので、ミドルスペックのGPUでもうまく活用すれば見た目と快適さを両立できる。

なお、ストレージは130GBとかなり大きいので、SSDの空き容量には注意。HDDでも動作はするけど、ロード時間が体感で2〜3倍に伸びるのでSSD一択と思った方がいい。

TGA 2024——ベストアクション受賞、GOTYは逃す

黒神話:悟空はThe Game Awards(TGA)2024で、以下の4部門にノミネートされた。

  • Game of the Year(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)
  • Best Game Direction(最優秀ゲームディレクション)
  • Best Art Direction(最優秀アートディレクション)
  • Best Action Game(最優秀アクションゲーム)

結果として、ベストアクションゲームプレイヤーズボイスの2冠を達成。中国製ゲームとしてTGAのGOTYにノミネートされたこと自体が歴史的な快挙だった。

GOTYはAstro Botに譲る形になったけど、ファン投票で選ばれるプレイヤーズボイス賞を受賞したことは、世界中のゲーマーから直接支持されている証拠として大きな意味を持つ。

ユーザーの声——買った人は実際どう思ってる?

Steamレビューから

「思ったよりアクションが面白い。PVで見た時は攻撃が軽すぎると思ったけど、実際にプレイすると軽快で爽快。ボスを倒した時の達成感がデカい」

— Steamユーザーレビュー(好評)

「グラフィックはめちゃくちゃ良い。ムービーからシームレスに戦闘になっても違和感がない。UE5の本気を感じる」

— Steamユーザーレビュー(好評)

「字幕ちゃんとローカライズされていて違和感なく楽しめる。中国語CVもかっこいい。日本語吹替がなくても全然気にならない」

— Steamユーザーレビュー(好評)

「ミニマップの類がないので方向音痴は大変。オープンワールドっぽいけど実質一本道で、マップ探索のしがいがない」

— Steamユーザーレビュー(辛口)

「圧倒的好評だと思ってプレイすると、多くの場合は『それほどか?』と感じるのでは。70〜80点ぐらいと思ってやるのがちょうどいいゲーム」

— Steamユーザーレビュー(辛口)

Twitter / Xの声

メディアレビュー

メディア スコア コメント
Metacritic 82/100 PC版・54件のレビュー平均
IGN 8/10 戦闘・ボス・世界観を高評価。技術的問題を指摘
Steam 96%好評 81万件以上のレビューで圧倒的に好評
Game*Spark フロム以外でも最高級のARPGを作れる好例と評価
電撃オンライン 爽快バトルと育成ビルドのやり応えを評価

DLCは出ない——代わりに新作「黒神話:鍾馗」へ

多くのプレイヤーが期待していたDLCだけど、Game ScienceはDLCの開発は行わないと公式に表明した。

その代わり、2025年8月のgamescom Opening Night Liveで発表されたのが、「黒神話:鍾馗(Black Myth: Zhong Kui)」。「黒神話」シリーズの第2作目として、中国の伝説的な鬼退治の英雄・鍾馗を主人公にした新作アクションRPGだ。

悟空の物語は終わったわけではなく、今後のシリーズ展開で再びつながる可能性も示唆されている。「DLCより新作で」というGame Scienceの姿勢は、好みが分かれるところだけど、個人的にはスタジオの野心の大きさを感じて期待している。

なお、悟空本体のアップデートは継続中で、2024年12月にはボスバトルモード追加、2025年4月にはパフォーマンス最適化、2026年1月にも小規模アップデートが配信されている。買い切りゲームなのに無料でコンテンツを追加してくれるのは、プレイヤーとしてありがたい限りだ。

「中国ゲーム」への偏見を壊した歴史的タイトル

最後に、黒神話:悟空の「ゲーム史的な意義」にも触れておきたい。

正直なところ、2024年以前の「中国製ゲーム」に対するイメージは、世界的に見てもあまりポジティブではなかった。ガチャ重課金のスマホゲー、量産型MMORPG、パクリゲー——そういう偏見が根強かった。

黒神話:悟空は、その偏見を発売初日に2,000万人以上のプレイヤーが粉砕した。シングルプレイ専用、ガチャなし、課金なし、買い切り7,590円。純粋にゲームの質だけで勝負して、世界記録を打ち立てた。

Game Scienceのメンバーたちは10年前にテンセントを辞めて、「自分たちが本当に作りたいゲーム」を作るために小さなスタジオを立ち上げた。そして本当に世界を驚かせるゲームを完成させた。この事実は、ゲーム業界全体にとって希望のある話だと思う。

中国に限らず、日本でも韓国でも、小さなスタジオから世界を変えるタイトルが生まれる可能性はある。黒神話:悟空は、その可能性を証明した最も象徴的な例だ。

まとめ——「買い」か「待ち」か

結論:ソウルライク好き、西遊記好き、グラフィック重視なら「買い」

黒神話:悟空は、如意棒の3つの構えと法術・変化を組み合わせた戦闘の奥深さ、80体以上の個性的なボス、UE5で描かれる圧倒的なビジュアルが三位一体になった傑作アクションRPGだ。

マップのわかりにくさやカメラワークの問題はあるけど、「ボスを攻略する楽しさ」が圧倒的に上回る。価格も7,590円と、40時間以上遊べるAAAタイトルとしてはかなりお得。

「フロム・ソフトウェアのゲームが好き。でもたまには違う味も欲しい」という人には、特におすすめしたい一本だ。

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