公式トレーラー
ロゥとアローン、2人の旅がここから始まる
2025年10月10日、ついに発売された『リトルナイトメア3』。あの独特な悪夢の世界観を継承しつつ、シリーズ初のオンライン2人Co-opをひっさげて登場したこの新作は、発売直後から世界中でさまざまな反響を呼んでいる。
Steamのレビューは「賛否両論」、Metacriticは73点と、決して低くはないけど「最高傑作!」という声でもない。この微妙な温度感の裏にあるのは、開発スタジオが変わったことへの戸惑いなのか、Co-opという新要素が生んだ摩擦なのか、それともシリーズそのものが宿命的に抱えるジレンマなのか——。
このページでは、リトルナイトメア3を実際にプレイしたユーザーの声を交えながら、この作品の「なにが良くてなにが惜しかったのか」を掘り下げていく。前作・前々作との比較も含めて、シリーズを知らない人でも楽しめるように書いていくので、ぜひ最後まで読んでみてほしい。
この記事の内容
基本情報(発売日・価格・プラットフォーム)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Little Nightmares III(リトルナイトメア3) |
| ジャンル | パズルプラットフォーマー / ホラーアドベンチャー |
| 開発 | Supermassive Games |
| 販売・パブリッシャー | Bandai Namco Entertainment |
| 発売日 | 2025年10月10日 |
| 対応プラットフォーム | PC(Steam)/ PS4・PS5 / Xbox One・Xbox Series X|S / Nintendo Switch・Switch 2 |
| 価格(通常版) | 4,500円+税 |
| 価格(デラックス版) | 5,900円+税(エキスパンションパス等を同梱) |
| プレイ人数 | 1人(AIコンパニオンあり)/ 2人オンラインCo-op |
| フレンドパス | 無料配布。1本所持でフレンドと2人プレイ可能(クロスプレイ非対応) |
価格帯は通常版4,500円と、最近のAAAタイトルに比べるとリーズナブル。フレンドパスが無料なのも地味に大きくて、「友達のどちらか1人が買えばふたりで全部遊べる」という仕組みはCo-opゲーム好きにとってかなりありがたい設計だ。
ただしローカルCo-op(画面分割)には非対応。「隣に座って一緒に怖い思いがしたかった」という声も多く、ここは後述するユーザー評価にも影響している。
ゲーム概要:「ノーウェア」という名の悪夢

リトルナイトメア3の主人公は、ロゥ(Low)とアローン(Alone)という2人の子ども。名前から漂う寂しさがすでに物語ってる。
ロゥは弓矢を携えた少年、アローンはレンチを持つ少女。ふたりは「ノーウェア(The Nowhere)」と呼ばれる歪んだ異世界の中の「スパイラル(The Spiral)」という場所に迷い込んでおり、そこからの脱出を目指して旅をする。
ノーウェアはひとことで言えば、現実が溶けたような悪夢の空間だ。遊園地、廃工場、精神病院——それぞれのエリアが全く異なる不気味さを持っていて、歩くたびに新しい恐怖が待ち受けている。
「ノーウェア自体ロゥくんの想像上の世界であり、そこにあった遊園地も病院も、ロゥくんの深層心理の現れでしかない。アロちゃんはロゥくんが求める母性的な存在として機能している」
— note / すたんがる(プレイ後考察)
この考察が正しいとしたら、ゲームクリア後の景色がまるで変わってくる。ただのホラーゲームじゃなくて、「ひとりの子どもの内側にある傷と向き合う物語」として読み解けるわけだ。こういう多層的な解釈ができるのは、前作2作を継ぐリトルナイトメアらしさだと思う。
主な敵キャラクターたち
敵は人間の負の感情や欲望から生まれた存在「レジデンツ(Residents)」と呼ばれる。具体的にはこんなキャラが登場する:
- モンスターベイビー(Monster Baby):遊園地エリアのボス的存在
- キン(Kin)& ミニキン(Mini-Kin):カルナヴァーレエリアに登場する親子型の敵
- スーパーバイザー(Supervisor):監視者の名を持つ追跡者
- ヒプノティスト(Hypnotist):精神病院エリアのボス。催眠術師
ビジュアルの完成度は相変わらず高い。不気味で歪んでいて、それでいてどこか悲しい造形。この「ただ怖いだけじゃない」デザインセンスはシリーズを通じて一貫している。
シリーズ初のCo-op——2人で進む悪夢の体験

今作最大の新要素がオンライン2人Co-opだ。リトルナイトメアシリーズはずっと「ひとりで悪夢に飲み込まれていく」体験が核にあった。それを「2人で一緒に怖がれる」形に変えた——これは大きな賭けだったと思う。
ロゥとアローン、それぞれの役割
ロゥとアローンはそれぞれ固有の能力を持っていて、それがパズルの柱になっている。
- ロゥ(弓矢):遠くのロープを切断、飛ぶ敵を倒す、高い場所のスイッチを狙う
- アローン(レンチ):壁を破壊、機械を操作、気絶した敵にとどめを刺す
このふたつの能力が組み合わさって初めて突破できるギミックが随所にある。実際に友人とプレイした人たちの声を聞くと、Co-opの面白さはかなりリアルに伝わってくる。
「右のスイッチ撃て!といった指示を出し合いながら心臓が止まりそうなチェイスシーンをクリアする体験が最高。協力ゲーム好きなら即買い」
— はてなブログ / 電脳リメイク(協力プレイ評価 9/10)
声を繋いで「右!右!走れ!」みたいなやりとりをしながらチェイスをくぐり抜けるのは、ホラーゲームならではの体験だ。ひとりで怖いより、2人で怖がるほうが笑いと悲鳴が混ざって独特の楽しさがある。
Co-opの「功罪」——光と影
ただ、Co-opの導入は副作用も生んでいる。
「2人で話しながらプレイするため、ストーリーへの没入感が低下した。1人でプレイした方がよかったかもしれない」
— note / yろ(Switch版・姉妹でプレイ)
この感覚、すごくわかる気がする。リトルナイトメアの怖さって、孤独感と静寂から来る部分が大きい。「ひとりで夢の中を歩いている」という感覚が恐怖を増幅させる。でもCo-opで誰かとしゃべりながら進むと、その孤独感が薄れてしまう。
さらに操作面でも課題がある。前作まではシンプルな走る・掴まる・しゃがむだった操作に、今作では「武器装備ボタン→攻撃ボタン」の2段階操作が加わった。緊迫したチェイスシーンで「ボタンは正しく押しているのにゲームで反映されない」というタイミングのズレを感じた人も少なくない。
ソロプレイの場合
ひとりでプレイする場合は、もう一方のキャラがAIに操作される。このAIが「お世辞にも賢い」とは言えない出来で、足手まといになる場面が報告されている。ソロプレイ評価が協力プレイより明確に落ちるのはここが主な理由だ。
まとめると:
- 友人とオンラインで声を繋いでプレイ → Co-opゲームとして非常に楽しめる
- ひとりで没入感重視でプレイ → 前作のほうが体験として完成されていた
- フレンドパスで友人の分は無料 → コスパは悪くない
なぜ開発スタジオが変わったのか
リトルナイトメア3を語る上で避けて通れないのが「開発スタジオの交代」だ。前2作を手がけたTarsier Studiosではなく、今作はSupermassive Gamesが開発している。これがユーザー評価に大きな影を落としている。
Tarsier Studiosとは
スウェーデンのゲームスタジオで、リトルナイトメア1(2017年)とリトルナイトメア2(2021年)を手がけた。子どもの悪夢を具現化したような独特の世界観と、セリフなしで語るストーリーテリングが高く評価された。
2019年にEmbracer Group(スウェーデンの大手ゲーム持ち株会社)に買収されたが、肝心の「リトルナイトメア」というIPはバンダイナムコが保有していた。2021年、リトルナイトメア2の発表時にTarsierは「これがシリーズ最後の担当作」と明かした。
Supermassive Gamesへのバトンタッチ
バンダイナムコはIPを持ったまま、続編開発を新スタジオに委託することにした。選ばれたのが英国のSupermassive Games。Until Dawnsシリーズ(Quarry、Man of Medanなど)で知られる、ホラーに馴染み深いスタジオだ。しかも同社はリトルナイトメア2のPS5/Xbox Series X|S強化版の移植も担当していたため、シリーズへの理解があるという判断だったと思われる。
2023年8月のGamescom Opening Night Liveで正式発表。当初は2024年発売予定だったが、2024年5月に「品質向上のため」2025年に延期された。
Tarsierが去った後——REANIMALという選択
一方でTarsier Studiosは新しい道を歩んでいる。THQ Nordicのもとで開発した完全新作『REANIMAL』は、リトルナイトメアの精神的後継作とファンやメディアから評価されている。
興味深いのは、リトルナイトメア3への批判的なコメントがREANIMALのページに殺到した際、Tarsier Studios自身が「リトルナイトメア3批判はうちでやらないで」と苦言を呈したことだ。それだけ両作のファンが重なり、比較されていることを示している。
「元のTarsier Studiosは別プロジェクトに移行している。今のリトルナイトメアシリーズと彼らは別物だ」
— Steam日本語レビュー / bonju_man(非推奨、51票)
この認識を持った上で3をプレイするか、Tarsierの後継としてREANIMALを選ぶか——今のホラーゲームファンはそういう選択を迫られている状況だ。
シリーズ3作の関係性と世界観

リトルナイトメア3は単体でも楽しめるが、前2作を知っていると「シリーズがどう進化(変化)したか」がより鮮明に見える。ここで3作の関係を整理しておく。
リトルナイトメア1(2017年)
シリーズの原点。黄色いレインコートを着た少女シックスが主人公で、巨人が棲む客船「ザ・モウ(The Maw)」を舞台にした逃亡劇だ。
この作品が与えたインパクトは今でも語り継がれている。セリフが一切ない中で、食べることへの執着、弱者と強者の非対称な関係、そして衝撃のラスト——。ホラーというより、夢の中で感じる理由のわからない恐怖と後味の悪さを表現した作品だった。
リトルナイトメア2(2021年)
前作の評判を受けて作られた続編にして、多くのファンが「シリーズ最高傑作」と呼ぶ作品。紙袋を被った少年モノと、前作主人公のシックスが旅を共にする。
舞台はテレビ電波に支配された街。住民が操られ、奇妙な姿に変えられていく世界を2人で駆け抜ける。そして物語の核にあるのが「モノ=ノッポ男」という因果のループだ。モノが電波塔から脱出できず孤独に成長した姿がノッポ男であり、そのノッポ男が過去のモノに接触する——この構造を理解した時の鳥肌は格別だった。
リトルナイトメア3(2025年)との関係
3の主人公ロゥとアローンは、1・2の登場人物とは直接的な繋がりを持たない。「ノーウェア」という世界が同じリトルナイトメアの世界観に属するのか、それとも完全に独立した物語なのかも、今のところはっきりしていない(DLCや今後の展開に期待)。
シリーズとしての連続性は「テーマ」にある。小さな子どもが巨大で理不尽な悪夢の中を生き延びていく——この構図は3でも変わらない。ただ前2作がTarsierの一貫した哲学のもとに作られていたのに対し、3は別の作り手による「リスペクトと再解釈」という性質を持つ。
| 作品 | 主人公 | 舞台 | 開発 |
|---|---|---|---|
| リトルナイトメア1(2017) | シックス | 客船「ザ・モウ」 | Tarsier Studios |
| リトルナイトメア2(2021) | モノ・シックス | 電波に支配された街 | Tarsier Studios |
| リトルナイトメア3(2025) | ロゥ・アローン | 異世界「ノーウェア」 | Supermassive Games |
評価の実情——賛否両論の中身
Steamの総合評価「賛否両論」、Metacriticスコア69〜73点。数字だけ見ると「まあまあ」に映るが、実態はもう少し複雑だ。評価が割れている理由を整理すると、大きく3つの軸がある。
軸1:開発スタジオへの期待値
「Tarsierが作ったリトルナイトメアを期待して買った」人ほど評価が低い。逆に「Supermassiveのホラーゲームとして期待した」人には及第点以上の評価をしている層も一定数いる。これは期待値のギャップが生んでいる評価の分断だ。
軸2:Co-opプレイヤーか、ソロプレイヤーか
友人と声を繋いでプレイした人からは「めちゃくちゃ楽しかった」という声が多い。一方でひとりでプレイした人は「AIが足手まとい」「没入感が前作より薄い」という評価になりやすい。ゲームの設計がCo-opを前提にしているため、この差は構造的なものだ。
軸3:グラフィック・雰囲気への評価は共通して高い
批判的なレビューであっても「ビジュアルは素晴らしい」という点は一致している。布の質感、光の使い方、キャラクターのモーション——この方面では前作を上回っている部分も多い。
「モーション、効果音、楽曲が”らしさ”を強固に支えている。布の質感や光の表現は前作より進化している」
— note / kskt(賛否両論の理由を解説したレビュー)
メディアスコアの内訳
| メディア | スコア | ひとことコメント |
|---|---|---|
| Metacritic(PS5) | 73/100 | 49件の批評家レビュー平均 |
| Metacritic(PC) | 69/100 | PC版はやや辛め |
| TierraGamer | 85/100 | 「シリーズの伝統を受け継ぐに値する」 |
| GameSpot | 70/100 | 雰囲気は保たれているが単調さも |
| PC Gamer | 67/100 | 「完成されていないゲームに見える」 |
| IGN Deutschland | 60/100 | シリーズの尖りが失われたと指摘 |
| Steam総合 | 賛否両論 | 9,000件超(英語・日本語ともに辛め) |
「尖った部分を代償に万人向けになった」というGame*Sparkによる海外レビューの総評が、この作品を一番うまく言い表していると思う。シリーズが持っていた「唯一無二の気持ち悪さ」を求めていた人には物足りなく、ホラーゲーム初心者や友人とゲームを楽しみたい人には十分楽しめる——そういう作品だ。
プレイヤーの声
賛否両論の評価をもう少し肌感覚で理解するために、実際にプレイした人たちの声を紹介する。批判も称賛も、どちらも正直に載せていく。
ポジティブな声
リトルナイトメア3のストーリーの感想をネタバレにならない範囲で言うと、無印や2みたいなラストで全てが一気にひっくり返される衝撃展開という感じではないんだけど、終わった後に遅効性でじわじわと驚きと納得がどんどん込み上げてくる感じ……なんだこれ……
衝撃のドンデン返し型ではなく、じわじわと後から来るタイプのストーリー体験。前2作と違う着地点を好意的に受け止めている声だ。
「思ったほどボリューム不足は深刻ではなかった。世界観は維持されていた」
— Steam / mizu014(推奨)
「協力し合う2人の姿は可愛らしく、プレイした人みんなが応援したくなるようなよいキャラ。アローンとの別れシーンは本当に悲しかった」
— note / yろ(Switch版・姉妹プレイ)
批判的な声
「恐怖や不気味さが薄すぎる。前作までのシリーズらしい悪夢的世界観が失われた。敵に追いかけられるタイミングが予測可能になってしまい、驚きや緊張感が減っている」
— ゆあのゲームブログ(評価5/10)
「ボリューム少なすぎ、バグ多すぎ、値段は高い。海外版は旧作リメイクが無料でついてくるのに国内版はなぜかついてこない」
— Steam / OBAMAWIN(非推奨、187票)
リトルナイトメア3 期待してた割のボリュームだったなぁ ちょっと物足りなさというか 来年末のDLCに期待かぁ、、 でもやりたかったソフトなのでプレイできてよかった?
物足りなさを感じながらも「それでもプレイできてよかった」という温度感。否定でも絶賛でもない、シリーズファンの複雑な心境が滲む。
考察好きのファンには刺さる
「ノーウェアはロゥくんの想像上の世界であり、各エリアはロゥくんの異なるトラウマを表現している。アローンはロゥが求める存在の象徴。脱出には自らのトラウマと向き合う必要がある——こう考えると全てが繋がってくる」
— note / すたんがる(クリア後考察)
ストーリーを表面的に追うだけでなく、考察として読み解いた時の奥行きはちゃんとある。「aloneとlowという名前の意味」「アローンには固有トロフィーがないというメタ的な視点」など、発見の種が随所に埋まっているゲームだ。
似た雰囲気が好きな人へ
リトルナイトメア3を遊んで「もっとこういうゲームが遊びたい」と思った人、あるいは「3はちょっと…だったけど前作はどうなの?」と気になった人に向けて、関連作・類似作を紹介する。
リトルナイトメアシリーズの原点はやはり前作2作だ。特に「ストーリーの深さ」や「体験としての怖さ」を重視するなら、前作のほうが評価は安定して高い。シリーズ未経験の人には1→2→3の順番で触れるのをおすすめしたい。
また、Tarsier Studiosが手がけた新作REANIMALも、シリーズのDNAを引き継ぐホラーアドベンチャーとして期待を集めている。「リトルナイトメアの魂はこっちに受け継がれた」という評もあるので、気になる方はチェックしてみてほしい。
Co-opホラーという括りで近い体験ができる作品や、ダークなパズルプラットフォーマー系が好きな方には以下もおすすめだ。

まとめ
リトルナイトメア3は、シリーズの看板を掲げながら新しい挑戦をした作品だ。Co-opという前作にない体験を持ち込み、世界を跨いで多くのプレイヤーがロゥとアローンの旅に巻き込まれた。
「前2作ほどの衝撃がなかった」という声は本当だと思う。Tarsierが作り上げた世界観の「尖り」——あの説明のつかない気持ち悪さと孤独感——は、別のスタジオがそのまま再現できるものではないからだ。
ただ、友人とオンラインで声を繋いで夜中に遊ぶゲームとして、リトルナイトメア3はよくできている。「右のスイッチ撃て!」と叫びながら追跡者から逃げ切った時の達成感は、ひとりプレイでは味わえないものだ。
評価するなら、こういう人に刺さる作品だ。
- 友人と一緒にホラーゲームを遊びたい人
- リトルナイトメアシリーズのビジュアル・世界観が好きな人
- クリア後に考察を読み漁る系のゲームプレイが好きな人
- 4〜7時間で完結するコンパクトなゲームを探している人
逆に、前2作の「圧倒的な孤独感と不気味さ」をそのまま期待している人には、期待値の調整が必要かもしれない。あるいはTarsierの新作REANIMALを待つという選択肢も十分ありだ。
どちらにしても、ロゥとアローンという2人のキャラクターが作り出す関係性には、それだけで見る価値がある。あの別れのシーンを経験した後、しばらく頭の中に残り続けるものが確かにあった。
この記事は2026年4月時点の情報をもとに作成しています。価格・仕様は変更される場合があります。最新情報は各プラットフォームの公式ストアページでご確認ください。