God of War Ragnarök|北欧神話の終末を父と息子で駆け抜けるアクションRPG
クリアした後、しばらくコントローラーを置けなかった。いや、置いたんだけど、その後ぼんやりとエンディングの余韻を何分も引きずっていた。「ああ、これは本当に良いゲームだったな」という感覚が、じわじわと胸の中に広がってくる。そういうゲームはそうそうない。
God of War Ragnarökは、2022年11月にPS5・PS4向けに発売され、2024年9月にPC(Steam)版がリリースされたアクションRPGだ。前作「God of War(2018年)」の続きで、ギリシャの戦神クレイトスが息子アトレウスと共に北欧神話の世界を旅する物語の完結編にあたる。
SteamのレビューはPC版リリース当初から95〜96%の「圧倒的に好評」を維持し続けており、2026年4月時点でも評価は揺るぎない。PS版ではゲームアワードの主要部門を軒並みごっそり受賞した、2022年を代表するゲームのひとつだ。「PS独占ゲームでPCに来てほしいランキング」でずっと上位にいたタイトルが、ようやくPC版でプレイできるようになった。
前作を知っている人なら「早くプレイしろ」と言いたい。前作を知らない人には「まず前作からやれ」と言いたい。どちらにせよ、このゲームは確実に時間を溶かす。
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こんな人にドンピシャなゲームです

- 迫力満点のアクション戦闘を楽しみながら、本格的なストーリーも味わいたい人
- 父と息子の関係の変化をじっくり追いかけたい人(泣けるゲームが好きな人)
- 北欧神話やギリシャ神話など、神話系の設定が好きな人
- 前作「God of War(2018年)」が好きで続きが気になっていた人
- 「アサシンクリード ヴァルハラ」「Horizon」「Ghost of Tsushima」のような世界観重視のアクションRPGが好きな人
- 映画級のストーリーとグラフィックをゲームで体験したい人
- 難しい戦闘も歯応えとして楽しめる人(ただし難易度調整が豊富なので初心者も大丈夫)
- 数十時間かけてでも作品の世界を隅々まで味わいたい人
逆に「オープンワールドでどこでも自由に行きたい」「マルチプレイで友達と遊びたい」という人には向かない。God of War Ragnarökは完全シングルプレイのストーリー主導ゲームで、自由度より演出と没入感を優先している。でも「その点さえ問題なければ」という人にとっては、近年のアクションRPGの中でも最上位に入る体験ができる作品だ。
ゲーム概要——神話の終末「ラグナロク」を巡る父と息子の旅

どんな物語か
物語は前作の3年後から始まる。前作でバルドルを倒し、フィンブルウェル(大寒波)を引き起こしてしまったクレイトスとアトレウスは、ミッドガルド(人間の世界)の隅で静かに暮らしていた。しかし、その平穏は長続きしない。
北欧の神々の王オーディンとその息子トールが、ふたりの居場所を突き止めてやってくる。アトレウスの中に宿る神の血に眼をつけているオーディンは、「ラグナロク(神々の黄昏、世界の終末)」を食い止めるためにアトレウスの力を利用しようとしていた。一方でアトレウス自身は「自分とは何者か」「自分の運命は何か」という問いを抱え始め、父クレイトスとの関係に亀裂が生じていく。
ラグナロクは止められるのか、止めるべきなのか。アトレウスは自分の運命をどう受け入れるか。クレイトスは過去の罪と今の息子をどう向き合うか——これらの問いがゲーム全体を通じて丁寧に積み上げられ、クライマックスに向けて爆発する。物語の密度と感情の振れ幅が、このゲームを単なるアクションゲームではなく「体験」として記憶させる理由だ。
クレイトスとアトレウスの関係
このゲームの核にあるのは、父クレイトスと息子アトレウスの関係だ。前作では「感情を出さないぶっきらぼうな父親」「まだ子どもで無邪気な息子」という関係だったが、本作ではそのバランスが大きく変化している。
アトレウスはもう14歳に近く、自分の意志と判断力を持ち始めている。父の言いなりだった子どもが、自分なりの答えを求めて動こうとする。クレイトスはそれを「危険だ」と感じながらも、かつて己が父に縛られた記憶と、息子を縛りたくないという感情の間で揺れる。
この親子の対話、沈黙、衝突、和解——これを追いかけるだけでゲームをプレイし続ける理由になる。「God of War Ragnarökはアクションゲームの皮をかぶった親子の物語だ」というレビューを多く見かけるが、実際にプレイするとこの表現が正確なのだとわかる。
北欧神話の世界と主要キャラクター
舞台となるのは北欧神話の九つの世界だ。前作では一部の世界しか訪れることができなかったが、本作では全九世界を巡ることができる。それぞれの世界が異なる雰囲気と生態系を持ち、探索のたびに新鮮な驚きがある。
主要な登場人物を簡単に紹介しておく。
クレイトスは元ギリシャの戦神で、かつて己の家族を誤って手にかけるという過ちを犯した男だ。北欧の地に移り住んで人間として生きようとしているが、神の血は消えない。本作では「父親として息子に何を残せるか」が彼の内なるテーマになっている。声と演技はクリストファー・ジャッジが担当しており、台詞の少ない中に込められた感情表現が圧倒的だ。
アトレウスは本作で大きく成長する。前作のあどけなさはほぼなく、自分の使命と力について真剣に考え始めた少年だ。彼の内面の葛藤が後半の物語を動かす主な原動力になる。
ミーミルは木に吊るされた状態で保管されている世界で最も賢い男。アドバイザー役として二人に同行し、神話の知識と時折ユーモアを提供してくれる。彼のセリフの量と内容が膨大で、探索中ずっとしゃべり続けている。
フレイヤは前作でクレイトスと対立することになったヴァニル族の女神。本作ではその関係性が再び動き出す。彼女のキャラクターの変遷は本作でも特に印象的なパートのひとつだ。
トールは北欧神話最強の戦士にして雷神。ゲーム序盤から登場し、圧倒的な存在感を放つ。原典のイメージとは異なりかなり「人間くさい」キャラクターとして描かれており、それが逆に怖い。
オーディンは本作の最大の悪役とも言える存在。知性と狡猾さを武器に九世界を支配しようとする神々の王だ。単純な「強い敵」ではなく、説得力のある動機と巧みな立ち回りを持つキャラクターとして描かれている。
開発元Santa Monica Studioについて
Santa Monica Studioは1999年にソニーが設立したゲームスタジオで、God of Warシリーズを手がけてきた。2005年のPS2版オリジナルから始まり、前作の2018年版でシリーズの方向性を大きく刷新。一人称視点・カット割りなしの映画的な演出、ノルウェー語ロケーションによるリアリティ、父子の関係を軸にした物語——これらが批評家にも一般プレイヤーにも絶賛された。
Ragnarökはその続編として開発され、前作で張られた伏線の回収と物語の完結を担う作品だ。PC版はJetpack Interactiveがポーティングを担当し、2024年9月にSteamおよびEpic Games Storeでリリースされた。
ゲームシステムの詳細——戦闘、探索、そして成長
戦闘システム——手応えと爽快感の両立
God of War Ragnarökの戦闘は「重くて速い」という矛盾した言葉がぴったり来る。クレイトスの一撃一撃は重い手応えがあって「確かに当たっている」という感触があるのに、コンボを繋いでいくと非常に滑らかでリズム感がある。この独特の感触が、戦闘の爽快感の根幹をなしている。
基本的な操作体系は前作を踏襲しているが、様々な要素が追加・拡張されている。
メインウェポンは最初から2種類用意されている。クレイトスの代名詞とも言えるリヴァイアサンの斧は、投げた後に手元に戻ってくる氷属性の武器だ。前作から引き続き登場し、精密な攻撃と凍結による敵の行動阻害が得意だ。もうひとつはブレイズオブカオス。鎖につながれた炎の刃で、広範囲の敵を薙ぎ払う豪快な攻撃が持ち味だ。
さらに本作ではドラゴンクローという新武器も登場する(序盤ではなく物語が進んだタイミングで手に入る)。この武器の独特な攻撃モーションと用途が、武器の使い分けをさらに豊かにしている。どの武器が好みかは人によって分かれるが、3種類それぞれに明確な強みがある設計になっているので、全部をちゃんと使いたくなる。
盾も複数種類から選べる。単純に防御するだけでなく、タイミングよく盾を構えることでパリィが発動し、敵を怯ませたり大ダメージを与えたりできる。盾ごとにパリィのタイミングや特性が異なり、戦闘スタイルに合わせた選択ができる。
ルーンアタックは武器ごとに設定できる特殊攻撃で、左右のトリガーを長押しすることで発動する。多様な種類があり、自分の戦闘スタイルに合った組み合わせを探すのが楽しい。
アトレウスとの連携戦闘
戦闘中、アトレウスはほぼ常に隣にいてサポートしてくれる。弓矢による遠距離攻撃で敵の注意を引いたり、特定の敵に対してルーン能力を使ったりする。プレイヤーがアトレウスに指示を出すことも可能で、特定のタイミングで特殊なアクションを実行させられる。
物語の中盤以降では、アトレウスを直接操作するパートも登場する。彼の戦闘スタイルはクレイトスとは大きく異なり、より機動力と弓を活かした戦い方になる。「アトレウスパートが思ったより面白かった」という声をよく見るが、実際にプレイすると納得できる。
スキルツリーと成長システム
クレイトスとアトレウスはそれぞれスキルツリーを持っており、戦闘で得た経験値(XP)を使ってスキルを習得していく。スキルには基本的な攻撃モーションの拡張から、特定の状況で有効な特殊能力まで幅広い種類がある。
ゲームを進めると行けるようになる世界やエリアが増え、それぞれの場所で特定の素材を集めてアーマーや武器を強化できる。アーマーはステータスだけでなく見た目も大きく変わり、どのセットを着るかというカスタマイズの楽しさがある。
強化素材の多くはサブクエストやサブダンジョン(「レルム」と呼ばれる挑戦コンテンツ)をクリアして得られる。メインストーリーをただ追いかけるだけでは取れない強化素材も多く、「もうちょっと強くなってから先に進もう」という寄り道の動機が自然に生まれる。
探索とパズル
各世界は半オープンな構造になっており、メインルートを進みながら、寄り道エリアを探索してアイテムやサブストーリーを見つけることができる。ただしGTAのような完全なオープンワールドではなく、ある程度通路が絞られた線形の構造の中に探索の広がりが組み込まれている設計だ。
探索中には環境パズルが頻繁に登場する。斧を壁の特定ポイントに当てて凍らせることで先に進んだり、ブレイズオブカオスで鎖をつかんで引っ張ったりと、武器の特性を活かしたパズルが多い。難易度は高くないが、「このエリアはどうやって抜けるんだろう」と少し考える場面があり、探索の単調さを防いでいる。
世界を象徴する視覚的な壮大さも見どころのひとつだ。氷と霧のニヴルヘイム、灼熱の溶岩地帯ムスペルヘイム、水中の世界、砂漠の遺跡——各世界のビジュアルデザインがまったく異なり、「次はどんな世界が待っているんだろう」という期待感をゲーム全体を通じて維持してくれる。
難易度設定
God of War Ragnarökは4段階の難易度を用意している。
物語(Story)は戦闘が最も簡単になる設定で、アクションが苦手でも純粋にストーリーを楽しめる。バランス(Balanced)はデフォルト難易度で、適度な歯応えとストーリーの両立を目指したもの。挑戦(No Mercy)はアクションに慣れた人向けで、敵の攻撃が激しくなり立ち回りが問われる。神(God of War)は最高難易度で、本当に一部の猛者向けだ。
さらに細かいカスタマイズも可能で、敵のダメージ量やアシスト機能を個別に調整できる。「戦闘は難しくていいけど、アイテム収集を楽にしたい」というような設定もできる。自分のペースで物語に没頭できるよう設計されているので、アクションが苦手でも敬遠する必要はない。
ボス戦
God of War Ragnarökのボス戦は、シリーズの中でも特にクオリティが高いと評価されている。規模の大きい「伝説級のボス」から、サブコンテンツ向けの「ヴァルキュリア」と呼ばれる隠しボスまで、様々な種類がある。
主要ボスはそれぞれ個性的な攻撃パターンと演出を持っており、「覚えて対処する」という達成感がある。「神話の存在と戦っている」という没入感を高めるビジュアルと音楽の演出が、各ボス戦を印象的なシーンとして記憶させてくれる。
特にトールとの最初の戦いは、ゲームを起動してからまもなく訪れる圧巻の場面だ。「開幕からこの規模のバトルか……」という驚きを与えてくれる。
グラフィックとPC版の最適化
PC版はPS5版と同等かそれ以上のグラフィック品質を実現している。4K/60fps、ウルトラワイドモニター対応、可変フレームレート設定など、PCならではのビジュアル調整が充実している。
AMD FSR、NVIDIA DLSS、Intel XeSS という主要なアップスケーリング技術に全対応しているので、ミドルレンジのGPUでも快適なフレームレートを確保しやすい。推奨スペックはGTX 1080 / RX 5700クラスのGPUとなっており、比較的幅広いPCで動作する。
ただしPC版のリリース当初はパフォーマンス問題の報告もあったが、その後のアップデートで大幅に改善されており、2026年4月時点では安定している。DualShock/DualSenseコントローラーへの対応も良好で、PS5版と遜色ないコントローラー体験が得られる。
ゲームボリュームとプレイ時間
メインストーリーを集中して進めた場合のプレイ時間は20〜25時間程度。サブクエストや探索要素も全て含めると40〜60時間以上かかる。「プラチナトロフィー(Steam版は全実績解除)を目指す」という場合は80時間を超えることもある。
前作「God of War(2018年)」のメインストーリーが15〜20時間だったことと比べると、本作はかなりボリュームアップしている。「長い」という感想と「それでも短かった」という感想が両方あるのが興味深く、それだけゲームへの没入度が人によって違うということだと思う。
なぜここまで高く評価されているのか

「ゲームは映画を超えた」という体験
God of War Ragnarökは、プレイした後「これはもう映画を超えている」という感想を持つ人が多いタイトルだ。ハリウッド超大作並みのビジュアル、プロの俳優陣によるモーションキャプチャーとボイスアクティング、オーケストラのフルスコア——これらのクオリティが映画と全く遜色ない。
しかし映画と違うのは、プレイヤーがその世界の中にいるということだ。クレイトスがトールの攻撃を受けたとき、その衝撃はコントローラーの振動として手に伝わる。息子を守るために敵に立ち向かうとき、プレイヤー自身がその選択をしている。受動的に見るのではなく、能動的に体験する——この違いが映画にはできない感情を生み出す。
2023年以降も売れ続けている理由
PC版が2024年9月にリリースされたことで、「PS版でやったけどPC版でもう一度」というプレイヤーと「PCしか持っていないので初めてプレイできる」というプレイヤーの両方が流入した。PC版リリース時のSteamの同時接続プレイヤー数は非常に高く、その後もセールのたびに新規プレイヤーを獲得し続けている。
「前作が好きだった人はもちろんやるべきだが、Ragnarökから始める人でも楽しめる要素が十分ある」という評価も多い。前作未プレイのために用意されたリキャップ動画(これまでの物語のダイジェスト)がゲーム内に収録されており、前作を知らなくてもある程度文脈を補完できる仕組みが入っている。
完結編としての満足度
前作「God of War(2018年)」で積み上げられた伏線と関係性を、本作がほぼ全て回収している。「あのシーンの意味はこういうことだったのか」という納得感と、「まさかここまでやるとは」という驚きが同居したクライマックスは、多くのプレイヤーから「神ゲーエンディング」として語られている。
ゲームの完結編が「物語として完全に着地する」ケースは意外と少ない。「続きで回収します」「まだ謎を残したままです」という形で終わる作品も多い中、God of War Ragnarökはゲームとして考えられる限り丁寧に物語を閉じている。この「きちんと終わった」という体験そのものが、高い評価の大きな理由のひとつだ。
「クリアした後しばらく何も手につかなかった。エンディングが良すぎて他のゲームをやる気になれない状態が2週間続いた。こんな体験は久しぶりだった。」
Steamユーザーレビューより
クリストファー・ジャッジの演技
クレイトスを演じるクリストファー・ジャッジは、2023年のゲームアワード(The Game Awards)でベストパフォーマンス賞を受賞した。受賞スピーチが異常な長さになったことでネット上でも話題になったが、それはそれとして、本作における彼の演技は本物だ。
クレイトスというキャラクターは感情を極力表に出さない。台詞は少なく、顔の表情も基本的に無表情に近い。それでも「この人物が今何を感じているか」が伝わってくる。眼の動き、姿勢の微妙な変化、声のわずかな揺れ——そういった細部の演技が、クレイトスを実在する人物のように感じさせる。
Steamレビューに見るリアルな声
「父と息子の物語を描いたゲームは他にもあるけれど、これほど胸に刺さるものはなかった。父親目線でプレイすると感情がやばいことになる。」
Steamユーザーレビューより
「PS版でクリア済みだったのにPC版でも買い直した。HDRと高フレームレートで見るラグナロクは別物だった。買って正解。」
Steamユーザーレビューより
「序盤は前作の続きをやっている感覚だったが、中盤以降は完全に別次元の体験だった。エンディングまで全力で駆け抜けた感じ。」
Steamユーザーレビューより
ネガティブなレビューで多いのは、「PC最適化の初期の問題」と「前作と比べてメカニクスの変化が少ない」という点だ。前者はアップデートでかなり解消されている。後者は「前作のシステムが完成されていたので大きく変える必要がなかった」という意見もあり、一概にマイナスとは言えない。
プレイ前に知っておきたい注意点
前作プレイは強く推奨
本作は前作「God of War(2018年)」の直接の続きだ。前作未プレイでも楽しめるように工夫はされているが、本作の感動の多くは「前作からの積み重ね」によって生まれている。登場人物への愛着、物語の伏線の理解、キャラクターの変化への実感——これらは前作をプレイしていないと半減以下になる。
「どうしても先にRagnarökをプレイしたい」という人でも、まず前作から始めることを強く勧める。前作は2024年9月にPC版も発売されており、Steamでセット購入すると割引が適用されることも多い。前作のプレイ時間は15〜20時間程度で、アクションRPGとして独立して高く評価されている作品でもある。
God of War(2018年)PC版レビュー——シリーズ未経験でも入れる北欧神話の傑作
ストーリーのネタバレに注意
God of War Ragnarökはストーリーの驚きが大きな価値のひとつだ。特にゲーム中盤以降のある出来事は、多くのプレイヤーが「まさかこうなるとは」と感じた場面が複数ある。うっかりSNSや動画サイトでネタバレを踏んでしまうと体験の質が大幅に下がる。購入を決めたら、できるだけ早くプレイし始めることをおすすめする。
同様に、YouTubeの「ゲーム実況」や「ゲーム解説動画」を購入前に大量に見ることも控えた方がいい。このゲームに関してはサムネイルやタイトルだけで重大なネタバレが発生することがある。
コントローラー推奨
PC版ではキーボード&マウスにも対応しているが、このゲームはコントローラーで遊ぶことを前提に設計されている。攻撃、パリィ、回避、ルーンアタックなど多くの操作が同時に求められる場面があり、キーボード操作では対応が難しい局面が生まれやすい。
特にDualSenseコントローラーはアダプティブトリガーとハプティクスフィードバックに対応しており、PS5版と同等の触覚フィードバックをPC版でも体験できる。クレイトスの斧を投げる感触、弓を引く張力、炎の鎖が舞う振動——コントローラーで遊ぶとこれらが手に伝わってきて没入感がまったく違う。可能であればDualSenseの使用を強くおすすめする。
感情的に重い場面がある
本作のストーリーには感情的にかなり重い場面がある。喪失、後悔、過去の清算、親子の衝突——これらがリアルに描かれており、人によっては刺さりすぎることがある。「ゲームで泣いた」「しばらく引きずった」という声も多い。
これは批判ではなく「これほど感情を動かすゲームだ」という話で、むしろこのゲームの強みだと思う。ただし心身の状態によっては重くなることもあるので、そういう感覚が苦手な人はその点を頭に入れておくといい。
セーブシステムについて
God of War Ragnarökはオートセーブが基本で、手動セーブは補助的な位置づけだ。チェックポイントはかなり細かく設定されているので、途中でゲームを終了しても大きく戻されることはほとんどない。ただし「ボスを倒した直後にセーブしたい」という場合は、メニューから手動セーブを行う習慣をつけておくと安心だ。
DLC「ヴァルハラ」について
本編クリア後に無料DLC「God of War Ragnarök: Valhalla」が配信されている。これは本編のエピローグ的な内容で、ローグライク要素を追加した新しいゲームモードだ。本編の物語に対してある種の「答え」を提示する内容になっており、本編クリア後にプレイすることを強くおすすめする。本編と合わせて評価されることが多く、「Valhallaまで含めて完全体」という声も多い。
初めてプレイする人へのアドバイス

まず難易度は「バランス(Balanced)」か「物語(Story)」で始める
初めてプレイする人は、デフォルトの「バランス(Balanced)」か「物語(Story)」から始めることをおすすめする。このゲームのアクション難度はそれほど高くないが、序盤は操作に慣れるまでに戸惑う場面もある。難易度はゲーム中いつでも変更できるので、難しすぎると感じたら下げて、慣れてきたら上げれば問題ない。
「挑戦(No Mercy)」は前作プレイ経験があるか、アクションゲームに慣れていないと序盤でかなり詰まる可能性がある。「初見で最高難易度に挑んで挫折した」というパターンは避けたい。このゲームの本質はアクションの難しさよりも物語にあるので、快適に楽しめる難易度選択を優先すべきだ。
前作「God of War(2018年)」を先にプレイする
前作プレイ未済であれば、絶対に前作から始めてほしい。これは繰り返しになるが、それだけ強く言いたい。前作と本作を続けてプレイした体験は、本作だけをプレイした体験とは別物だ。特に本作終盤の感情的な高まりは、前作からの積み重ねなしには生まれない。
前作は現在Steam版が2,000円台(セール時はさらに安く)で手に入る。本作とセットで購入するとコストパフォーマンスも良い。
God of War(2018年)PC版レビュー——シリーズ未経験でも入れる北欧神話の傑作
急がずに世界を味わう
このゲームはメインルートを猛ダッシュで進むのではなく、各世界をじっくり探索することで楽しさが倍増する。探索エリアに隠されたサブストーリーには、メインストーリーとキャラクターについての深い理解を与えてくれる内容が多い。ミーミルとのちょっとした会話、世界の片隅にある記念碑、隠しエリアへの道——これらはメインストーリーのイベントを何倍も豊かにする文脈を提供している。
「次のシーンが見たくてメインをどんどん進めたくなる」という気持ちはわかる。でも寄り道を惜しんでクリアした後、「あのサブクエストをやっておけばよかった」という後悔がなかなか多いゲームなので、焦らず探索を楽しんでほしい。
操作の基礎を意識する——パリィとよけの活用
戦闘で行き詰まる初心者の多くは「ゴリ押しでダメージを出し続ける」戦い方をしている。このゲームはそのアプローチだと中盤以降に詰まりやすい。
パリィ(盾を構えてタイミングよく受ける)と回避(ステップで攻撃をかわす)を意識するだけで、戦闘の難易度は大幅に下がる。敵には「黄色のインジケーター=パリィで弾ける攻撃」と「赤色のインジケーター=回避しないと防げない攻撃」がある。このインジケーターを見てから対応する習慣をつけると、ボス戦での詰まり方が劇的に減る。
「パリィがうまくいかない」という場合は、難易度を「物語」に下げてパリィの練習をしてみるのも手だ。タイミング感覚は繰り返しで身につく。
スキルポイントの使い方
序盤はスキルポイントを分散させず、よく使う武器(最初は斧が多いはず)のスキルに集中させると戦闘が安定しやすい。特に「R1長押し攻撃(重攻撃)を強化するスキル」と「スタン(気絶)ゲージを貯めやすくするスキル」は優先度が高い。スタンしている敵にはR3(スティック押し込み)でフィニッシュムーブが発動できるので、これを積極的に使うと大型敵も効率よく倒せる。
アーマーと素材の収集
メインストーリーを進めながら、アーマーの強化素材は意識して集めておくといい。特定のエリアにしか出ない素材も多く、後から戻るのが手間になることがある。各世界の宝箱や隠し場所は積極的に開けておくと素材が貯まりやすく、武器強化のタイミングに困りにくくなる。
ヴァルキュリアは後回しでいい
本作でも前作と同様に「ヴァルキュリア」という隠しボスが登場する。かなりの高難易度で、強化したアーマーと装備が必須になる。メインストーリーをクリアした後にじっくり取り組む内容なので、序盤から無理に挑まなくていい。「なんだこのボス、理不尽に強い」と感じたら、それは後回しでいいサインだ。
コミュニティと情報収集
詰まった場面や取り方がわからない素材があれば、攻略サイトや動画を参考にしてもいい。ただしネタバレのリスクがあるので、検索する際は「God of War Ragnarök ○○の場所」など具体的なキーワードで絞り込むことをおすすめする。Reddit上の r/GodofWar コミュニティは英語だが情報が豊富で、ヒントを求めやすい。
他のアクションRPGとの比較
「Ghost of Tsushima」との比較
PS独占からPC移植というキャリアが似ており、よく比較されるタイトルだ。Ghost of Tsushimaは日本の侍の世界観で、ステルスと刀の戦闘を軸にした作品。God of War Ragnarökは北欧神話×ガチムチ戦士の重厚な戦闘を軸にしている。
物語の感情的な深さはRagnarökが一段上という評価が多い。オープンワールドの広さと自由度はGhost of Tsushimaが上。「どちらが優れているか」ではなく、好みと目的によって選ぶべきゲームが違う、という関係性だ。両方プレイするのが一番いいが、「どちらから先に」と言われれば前作がある分Ragnarökシリーズを先にやることをすすめる。
「Dying Light 2 Stay Human」との比較
アクション主体の一人称シングルプレイゲームとして比較されることがある。Dying Lightはオープンワールドのゾンビサバイバルで、パルクールと武器クラフトが楽しいが、ストーリーの深さではRagnarökが大きく上回る。「アクションの爽快感ならDying Light、物語の没入感ならGod of War Ragnarök」という使い分けが多い。
Dying Light 2 Stay Human——昼と夜で変わるゾンビサバイバルの完成形
「Resident Evil 7 biohazard」との比較
一人称視点のホラーサバイバルで、プレイ感はまったく異なる。ただし「一本道のシングルプレイシナリオを一気に楽しむゲーム体験」という意味では共通点がある。「神話スケールのアクション」が好きならRagnarök、「密室のホラー演出」が好きならRE7という感じ。
Resident Evil 7 biohazard——第一人称ホラーで体験するバイオの恐怖
「Fallout: New Vegas」との比較
同じ「没入感の高いシングルプレイRPG」として比較されることがある。Fallout NVは核戦争後の廃墟世界で選択肢主体のRPGで、自由度が高い。God of War Ragnarökは一本道に近いストーリー主導の作品。「自分で物語を作りたい」ならFallout NV、「用意された最高のシナリオを体験したい」ならRagnarök、という分け方ができる。
Fallout: New Vegas——無法の廃墟世界を自分だけの旅で渡り歩くRPGの金字塔
まとめ——2024年以降にPCで遊べる最高傑作のひとつ
God of War Ragnarökを一言で表すなら、「アクションの外皮をまとった、父と息子の物語の決着」だ。
戦闘の手応えと爽快感は間違いなくトップクラスで、九つの世界を旅する探索も飽きさせない工夫に満ちている。グラフィックと演技のクオリティは、ゲームという媒体の現在地を更新した水準にある。そのどれもが「ゲームとして面白い」に十分値する。
でもこのゲームを本当に特別なものにしているのは、それらすべてを支えるクレイトスとアトレウスの物語だ。「自分の罪と向き合いながらも、息子に自分の弱さを見せることができるようになっていく父親」——これを全力で描ききった完結作として、God of War Ragnarökは長く記憶に残るゲームのひとつになっている。
2018年の前作から読むと「6年かけてようやく着地した親子の物語」としての壮大さがある。PC版のリリースによって、ずっと気になっていたけれど手が出せなかったという人が初めてこのシリーズを体験できるようになった。もしまだプレイしていないなら、前作から始めて本作を体験してほしい。
「ゲームで泣いたことない」という人が泣く。「アクションが苦手」という人でもストーリーが気になって止められない。そういうゲームだ。
「このゲームをプレイし終えた後、しばらく何も手につかなかった。クレイトスのことが頭から離れない。こんな体験ができるゲームがあることに感謝したい。」
Steamユーザーレビューより
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ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク
| 価格 | ¥7,590 |
|---|---|
| 開発 | Santa Monica Studio, Jetpack Interactive |
| 販売 | PlayStation Publishing LLC |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル |

