2日で100万本、ギネス3冠——『Split Fiction(スプリット・フィクション)』はなぜ2025年最高評価のCo-opゲームになったのか【新作PCゲーム】
「2人でやるゲーム」って聞くと、なんとなく「おまけのモード」みたいなイメージがないだろうか。
メインはあくまでシングルプレイ。Co-opはオマケ。そういうゲームが世の中の大半を占めている中で、「2人専用」を謳うゲームはかなりニッチだし、正直ビジネスとしてもリスクが高い。
だけど2025年3月6日、そんな常識をぶっ壊すゲームがSteamに登場した。
発売48時間で100万本、1週間で200万本、Steam同接19万7,434人。ギネス世界記録を3つ同時に達成。メタスコア92。Steam評価は「圧倒的に好評」の96%——。
タイトルは『Split Fiction(スプリット・フィクション)』。開発は、あの『It Takes Two』でGame of the Year 2021を獲ったスウェーデンのHazelight Studios。パブリッシャーはEA。
これ、EAの作品で13年ぶりのメタスコア90超えだ。前回は2012年の『Mass Effect 3』。13年て。もう干支が一回転するレベル。
で、率直に言う。
このゲーム、「Co-opゲームの歴史を変えた」と言い切っていいレベルの作品だと思う。ただし、万人向けではない。「合う人」と「合わない人」がかなりはっきり分かれるゲームでもある。
今回は、Split Fictionの何がすごいのか、前作『It Takes Two』からどう進化したのか、そして辛口で言うと何が問題なのか——全部正直に書いていく。
公式トレーラー
こんな人におすすめ / こんな人には合わない
記事がかなり長いので、最初に結論めいたことを書いておく。
こんな人におすすめ
- 一緒にゲームを遊んでくれる友達・パートナーがいる
- ジャンルの壁を越えた「何でもあり」のゲームが好き
- It Takes Two / A Way Outが好きだった
- ストーリー重視のアクションゲームを探している
- 1本5,000円台で20時間遊べるコスパのいいゲームを探している
- カップルや夫婦でゲームをしたい(フレンドパスで1本買えば2人遊べる)
こんな人には合わない
- ソロプレイしたい人(完全2人専用。ソロ不可)
- 高難度のやりごたえを求める人(チェックポイントが寛大で、上級者には物足りない)
- 対人対戦(PvP)がメインのゲームを探している人
- オープンワールドで自由に探索したい人
- 英語が苦手で日本語音声が必須な人(日本語字幕はあるが音声は英語のみ)
特に重要なのが「ソロプレイ不可」。これだけで購入候補から外れる人がかなりいると思う。このゲームはオンラインでもローカルでも、必ず2人での協力プレイが必要。1人で遊ぶ方法は一切ない。
逆に言えば、一緒に遊ぶ相手がいるなら、このゲームは2025年のベストバイ候補だ。
基本情報
| タイトル | Split Fiction(スプリット・フィクション) |
| 開発 | Hazelight Studios(スウェーデン) |
| パブリッシャー | Electronic Arts(EA) |
| ディレクター | Josef Fares |
| 発売日 | 2025年3月6日 |
| 価格 | 6,900円(Steam通常価格)※フレンドパスで1本分の価格で2人遊べる |
| ジャンル | 2人協力専用アクションアドベンチャー |
| 対応機種 | PC(Steam / EA App / Epic)、PS5、Xbox Series X|S、Nintendo Switch 2 |
| メタスコア | 92(PC) / 91(PS5) / 92(Xbox) |
| Steam評価 | 圧倒的に好評(96%)/ レビュー56,000件以上 |
| プレイ時間 | メインストーリー11〜14時間 / 全コンプ約20時間 |
| フレンドパス | 対応(1人が購入すれば、フレンドは無料で参加可能) |
| クロスプレイ | 対応 |
| ローカルCo-op | 対応(画面分割) |
Split Fictionってどんなゲーム?——30秒でわかる概要
Split Fictionは、2人の小説家志望がそれぞれの物語世界に閉じ込められ、協力して脱出するという設定のアクションアドベンチャーだ。
主人公の1人はMio(ミオ)。内向的な現実主義者で、SF小説を書いている。サイバーパンクの都市、宇宙空間、未来の兵器工場——彼女の物語はネオンと金属の世界だ。もう1人はZoe(ゾーイ)。外向的で楽天家のファンタジー作家。ドラゴン、魔法、氷の森——彼女の頭の中はファンタジーでいっぱい。
2人は出版社「Rader Publishing」に呼び出され、出版契約のはずが、創作アイデアを盗む装置に接続されてしまう。気がつけば自分たちの小説の世界に閉じ込められていた。
SF世界とファンタジー世界を交互に行き来しながら、2人で協力して脱出を目指す。
これがSplit Fictionの基本コンセプトだ。
重要なのは、MioとZoeは赤の他人だということ。前作の『It Takes Two』は離婚寸前の夫婦、その前の『A Way Out』は刑務所仲間——過去のHazelight作品は「すでに関係のある2人」が主人公だった。今回は見ず知らずの2人が、極限状況で少しずつ絆を深めていく。
これ、実際のプレイ体験にもぴったりハマる。友達同士で始めて、クリアする頃にはもっと仲良くなってる——Split Fictionにはそういう力がある。
ゲームシステム徹底解説——「飽きる」ということを知らないゲーム

Split Fictionの最大の武器を一言で表すなら、「次の5分で何が起きるかまったく予想できない」だ。
普通のゲームは、序盤で基本操作を覚えたら、あとはそのバリエーションで最後まで遊ぶ。Split Fictionは違う。ステージが変わるたびにゲームジャンルごと変わる。
ステージごとに変わるゲームジャンル
チャプター数は全8章(プロローグ含む)、総レベル数は約85、さらにサイドストーリーが12本。メインストーリーだけで11〜14時間、全コンプだと約20時間のボリュームがある。
で、この85レベルのほぼ全てが異なるゲームメカニクスを持っている。具体的に何が出てくるかというと——
- サイバーニンジャアクション——壁を走り、カタナで敵を斬る
- 宇宙シューティング——レーザーブラスターを二丁持ちで撃ちまくる
- ドラゴンライドバトル——ドラゴンの背に乗って空中戦
- レーシング——突然カーレースが始まる
- ステルスミッション——見つかったら即アウト
- パズルプラットフォーマー——2人で協力して足場を作る
- ピンボール——……なぜかピンボールも入ってる
- 変身アクション——豚になったり、猿になったり、魚になったりする
これ、冗談で書いてるんじゃない。全部本当にゲーム内に存在する。
Josef Fares(ディレクター)はインタビューで「全てのアイデアを歓迎する」と語っている。Hazelightでは「Freaky Weeks」と呼ばれる期間があって、チーム全員が好き勝手にアイデアを出せるらしい。その「何でもあり」のカルチャーが、ゲーム全体に染み出している。
2人が別々の能力を持つデザイン
Split Fictionのもうひとつの核心が、MioとZoeがステージごとに異なる能力を持つこと。
Mioの能力(SF系)
- 重力カタナ——重力を操るエネルギーソード
- エグゾスーツ——ドローンを遠隔操作できるパワードスーツ
- レーザーブラスター——二丁のレーザー銃で撃ちまくり
Zoeの能力(ファンタジー系)
- 妖精変身——小さな妖精になって空を飛ぶ
- ドラゴン騎乗——ドラゴンの背に乗って戦闘
- 魔法カイト——凧で空中を滑空
- 炎・氷・風の属性魔法
つまり、「どちらのキャラを選ぶかで、まったく違うプレイ体験になる」。
これがCo-opとして秀逸なのは、「相方が何をやっているか気になる」という状態が常に発生すること。自分がカタナで敵を斬っている横で、相方はドラゴンに乗って空を飛んでいる。「そっちは何やってるの!?」という会話が自然に生まれる。
Josef Faresが「Co-opの核はコミュニケーション」と言っていたが、まさにそれを設計に落とし込んでいる。
基本アクション——操作性はかなり良い
共通の基本アクションとして、ダブルジャンプ、ダッシュ、エアダッシュ、グラップリング、壁走りが使える。
前作『It Takes Two』は人形を操作するゲームだったから、動きがやや「もっさり」していた。今作は生身の人間キャラクターで、動きがかなりスムーズで気持ちいい。常時60FPSで動作する点もストレスがない。
ゲームパッドでの操作がメインで、キーボード&マウスでも遊べるけど、このゲームはパッドのほうが明らかに快適。
ストーリー——「友情」をテーマにしたHazelight流の物語

Hazelightのゲームは毎回「2人の関係性」をストーリーの軸にしている。今回のテーマは友情だ。
Mioの物語——父親と孤独
Mioは都会で父親の介護をしながら、なんとか食いつないでいる。SF小説を書いているのも、お金のため。夢だとか情熱だとか、そういうものはとっくに捨てた——という顔をしているけど、本当は自分の殻に閉じこもっているだけ。トラウマから感情を遮断して生きている。
Zoeの物語——妹の死と罪悪感
Zoeは一見明るいけど、子供の頃に亡くした妹・Ellaへの罪悪感をずっと抱えている。ファンタジー小説を書くのは現実からの逃避でもある。実家の家族には「失敗作」扱いされていて、小説で成功して認められたいという切実な動機がある。
2人の物語が交差する瞬間
最初は性格も価値観もまったく合わない2人。Mioは冷たく、Zoeは空回りする。だけど物語世界を一緒に旅する中で、少しずつお互いの傷に気づいていく。
このゲームのストーリーが優れているのは、「プレイすること自体が物語の体験になる」ように設計されていること。
2人で協力しないとクリアできない仕掛けが、そのまま「相手を信じて任せる」という物語のテーマとリンクしている。「ストーリーとゲームプレイの一致」が、過去のHazelight作品の中でも最も洗練されている。
前作『It Takes Two』には「象のぬいぐるみを引き裂く」シーンがあって、「残酷すぎる」と物議を醸した。Split FictionではそのシーンのセルフパロディがGame*Sparkで報じられるなど、開発チーム自身もネタにしている。今作のストーリーは全体的に前作より丁寧で、プレイヤーを不快にさせる展開がない。
前作『It Takes Two』との比較——何が変わったのか

Hazelightのファンが一番気になるのは「前作と比べてどうなの?」だと思う。具体的に比較していこう。
| It Takes Two(2021) | Split Fiction(2025) | |
| メタスコア | 88 | 92 |
| Steam同接ピーク | 71,000人 | 197,434人 |
| 主人公の関係 | 離婚寸前の夫婦 | 見ず知らずの他人 |
| キャラクター | 人形(ぬいぐるみ) | 生身の人間 |
| 世界観 | 家の中・庭の冒険 | SF×ファンタジーの壮大な世界 |
| 操作感 | やや重め | スムーズで爽快 |
| ストーリーの評判 | 賛否あり(象のシーン等) | 概ね好評 |
| 受賞 | Game of the Year 2021 | TGA 2025で4部門ノミネート |
リアルサウンドのレビュータイトルが象徴的だったのでここで引用させてもらう。
『It Takes Two』で上がったハードルを軽々と越えてきた! 2人プレイ専用ゲームの最高傑作
— リアルサウンド テック
出典:リアルサウンド
正直、前作が好きだった人が今作を遊んで「前のほうがよかった」と思うケースもある。特にIt Takes Twoの「日常世界を冒険に変える」という独特の世界観が好きだった人にとっては、Split Fictionの壮大なSF×ファンタジーは「別物」に感じるかもしれない。
だけど、ゲームとしての完成度、操作の気持ちよさ、アイデアの豊富さ、ストーリーの丁寧さ——総合力では間違いなく前作を上回っている。
フレンドパス——「1本分の値段で2人遊べる」は革命的
Split Fictionを語る上で外せないのがフレンドパスだ。
仕組みは単純。1人がゲームを購入すれば、フレンドは無料の「フレンドパス版」をダウンロードするだけで、メインストーリーの全てを一緒にプレイできる。
つまり、2人で遊ぶのに必要なコストは6,900円の1本分だけ。1人あたり3,450円。セール時に買えば2,000円台で2人遊べることもある。
20時間のフルプライスゲームが1人2,000〜3,500円。時間あたりのコスパで言えば、映画を観に行くより圧倒的に安い。
しかもクロスプレイ対応なので、PCとPS5、PCとXboxなど、異なるプラットフォーム間でも一緒に遊べる。「自分はPC派だけど友達はPS5」という状況でも問題ない。
これ、他のゲームメーカーにもぜひ見習ってほしい仕組みだ。「Co-opゲームは2本買わなきゃいけないからハードルが高い」という問題を、根本から解決している。
良いところ——Split Fictionの推しポイント5選
1. 「次何が来るか分からない」驚きの連続
何度も言うけど、これがSplit Fictionの最大の魅力。85レベル、ほぼ全てが新しいゲームメカニクス。10分ごとに「えっ、今度はこういうゲームになるの!?」という驚きが待っている。
普通のゲームなら「中盤ダレる」ものだけど、Split Fictionにはそれがない。ダレる前に次のアイデアが来る。
Steamのレビューでもこの点を評価する声が圧倒的に多い。
このゲームは1秒たりとも時間を無駄にしない。常に新しいメカニクスが導入され、長居することがない。
— Steam ユーザーレビュー
出典:Steam
2. 2人の能力が違うから、自然にコミュニケーションが生まれる
MioとZoeが別々の能力を持つ設計のおかげで、「どっちがどっちをやる?」「今そっち何見えてる?」「OK、タイミング合わせて!」という会話が途切れない。
これがCo-opゲームとして本当に上手い。ただ「一緒にいるだけ」じゃなく、「一緒じゃないとクリアできない」状態が常に作られている。
カップルで遊ぶと「2人の関係性のテスト」になるらしい。Josef Fares本人が「テストプレイでカップルがケンカし始めた」と笑いながら語っていた。
3. ストーリーの質が大幅に向上
Hazelight作品は「ゲームプレイは神だけどストーリーは微妙」という評価が多かった。特に『It Takes Two』はゲームプレイの評価は満点レベルだったのに、ストーリー面で「象のぬいぐるみを引き裂くシーンが不快」という批判が根強かった。
Split Fictionでは、この課題が明確に改善されている。MioとZoeの成長と友情の物語は、ベタではあるけど丁寧に描かれていて、最後までちゃんと感情が動く。
4. 圧倒的なビジュアルバリエーション
SFとファンタジーの2つの世界を行き来するので、ビジュアルの振り幅がとんでもない。ネオン輝くサイバーパンクの街→氷の森→宇宙ステーション→ドラゴンの巣——1つのゲームの中にいくつもの「別のゲーム」がある感覚。
Unreal Engine 5のグラフィックも美しく、特にファンタジー世界のアートディレクションは息を呑むレベルだ。
5. フレンドパスとクロスプレイのハードルの低さ
前述の通り、1本買えば2人遊べる。クロスプレイも対応。これだけで「じゃあ一緒にやってみようか」と誘いやすくなる。Co-opゲーム最大の敵は「2本買うのがめんどくさい」なので、この仕組みは本当に偉い。
辛口ポイント——正直に書く「ここが惜しい」
ここまでべた褒めしてきたけど、このゲームにも確実に弱点はある。正直に書く。
1. ソロプレイが一切できない
これが最大にして唯一の「致命的」な制約。
一緒に遊ぶ相手がいなければ、このゲームは買っても遊べない。野良マッチメイキング機能もない。DiscordやSNSで相手を探すか、友達を誘うしかない。
ある日本のレビュアーの言葉がまさにこれを言い当てている。
ソロで遊べないのが軽率にオススメ出来ない唯一の欠点
— ゲーム姫
出典:ゲーム姫
神ゲーなのに、「一緒に遊ぶ相手がいないから遊べない」。これはかなり人を選ぶ。
2. 難易度が低すぎる問題
チェックポイントがかなり寛大で、死んでもすぐ直前から復帰できる。ボス戦もパターンが読みやすい。ゲーマーとしての「歯ごたえ」を求める人には物足りない。
難易度設定もない。ダメージ量の調整しかできないため、「カジュアルに遊びたい人」と「高難度に挑戦したい人」の両方を満足させることが難しい。
唯一の例外は、隠しステージの「超高難易度」エリア。これはかなり手強いらしく、トロフィー攻略勢は苦戦しているようだ。
3. カメラアングルの問題
Split Fictionは頻繁にカメラの視点が切り替わる。3Dアクション→2Dサイドビュー→俯瞰ビュー→FPS風——これ自体は面白い演出なんだけど、一部のカメラ切り替えがプラットフォーミング(足場渡り)を不必要に難しくしている。
特にパースペクティブが急に変わる場面で、距離感がつかめずにミスジャンプすることがある。これはもう少し丁寧にチューニングしてほしかった。
4. 一部のステージのテンポ問題
85レベルもあるのだから、全てが傑作というわけにはいかない。特にピンボールのステージは「基本的な仕組みの割に長すぎる」という声が多い。
PC Gamerのレビューでも指摘されていたが、一部のギミックが「面白いアイデアだけど、引き際を間違えている」ケースがある。
5. 最終エリアの共通メカニクス
ここは具体的なネタバレは避けるけど、最終エリアでは2人のキャラクターのメカニクスが共通化される。それまでずっと「2人が違う能力を持つ」のが面白さの核だったのに、最後にそれがなくなるのは正直もったいない。
前作『It Takes Two』も「終盤が微妙」と言われていた。Hazelightはフィナーレの作り方に課題を抱えているのかもしれない。
PC推奨スペック——RTX 3070あれば快適
| 最低スペック | 推奨スペック | |
| GPU | GTX 970 / RX 470 | RTX 3070 / RX 6700 XT |
| CPU | i5-6600K / Ryzen 5 2600X | i7-11700K / Ryzen 7 5800X |
| メモリ | 16GB | 16GB |
| ストレージ | 85GB | 85GB |
| DirectX | 12 | 12 |
| OS | Windows 10/11 64bit | Windows 10/11 64bit |
推奨スペックはRTX 3070で1440p/60fps。最低スペックはGTX 970で、これは2014年のGPUなので、PCゲーマーならほぼ全員クリアしているはず。
最低でもメモリ16GBが必要な点は注意。8GBの古いPCだとそもそも動かない。
全体的に、2025年のAAA作品としてはかなり良心的なスペック要求だと思う。
数字で見るSplit Fictionの「異常さ」——ギネス3冠の衝撃
Split Fictionが達成した数字をあらためて整理しておく。
ギネス世界記録 3冠達成
- Steamで最もプレイされたローカルCo-opゲーム——同接197,434人
- 発売48時間で最も売れたローカルCo-opゲーム——100万本
- 発売1週間で最も売れたローカルCo-opゲーム——200万本
前作の『It Takes Two』がSteam同接71,000人だったことを考えると、約2.8倍の増加。Co-opゲームというニッチなジャンルで19万人が同時にプレイしているのは、はっきり言って異常だ。
ちなみに、EAが直近で出したBattle Fieldやスターウォーズシリーズより、スウェーデンの小規模スタジオが作った2人専用ゲームのほうが高い評価を得ているという事実も面白い。Josef Faresが「ゲームはアート。課金で稼ぐデザインはやらない」と豪語しているのも、この結果を見れば説得力がある。
The Game Awards 2025——4部門ノミネート、しかしGOTYは逃す
Split FictionはThe Game Awards 2025で4部門にノミネートされた。
- Best Game Direction
- Best Multiplayer
- Best Action/Adventure Game
- Best Family Game
ただし、Game of the Year部門にはノミネートされなかった。
これにはファンから「snub(冷遇)」の声が上がった。メタスコア92のゲームがGOTYにノミネートすらされないのは確かに違和感がある。
Split Fiction should’ve been nominated for GOTY. I finished it tonight, and that was another phenomenally made game from Hazelight Studios…so I know y’all did not want them to win again after It Takes Two!
個人的な見解を言えば、Split FictionがGOTYを逃したのは「Co-opゲームは評価されにくい」というジャンル的な不利が大きいと思う。審査員が1人でプレイして評価する通常のレビュー体制では、Co-opの真価が伝わりにくい。これはジャンル全体の構造的な問題だ。
ユーザーの声——Steamレビュー・X(Twitter)から
ここからはプレイヤーの生の声を紹介していく。
Steamレビュー
情熱、創造性、そして細部へのこだわりを感じる稀有な作品。このゲームは絶対に見逃すべきじゃない。
— Steam ユーザーレビュー
出典:Steam
レベルデザインと技術力がすごい。Co-opアドベンチャーとして最高峰。
— Steam ユーザーレビュー
出典:Steam
X(Twitter)の声——好意的
スプリットフィクションクリア!大体12時間。また1つ、この世界に傑作が誕生しました。こんなにも「終わりたくない」と思わせてくれるゲームに出会ったのは久しぶりです。随所に散りばめられたパロディや小ネタ、作品全体を通じて何十年もゲームやってるオタクに向けたラブレターでした
Played Split Fiction, best game of 2025 so far
Split fiction might be my new favorite game what a STORY and fits so well with what is happening rn in the industry. The game is funny and amazing, the gameplay NEVER feel boring cuz everytime there is something new to happen
X(Twitter)の声——バランスの取れた評価
REVIEW: Split Fiction. Another banger from Hazelight Studios but I didn’t love it as much as It Takes Two. Split Fiction is evenly split across Sci-Fi and Fantasy worlds, with each world offering its own gameplay and visual identity. You never spend more than an hour doing the same thing.
日本語レビューサイト
『It Takes Two』で上がったハードルを軽々と越えてきた! 2人プレイ専用ゲームの最高傑作
— リアルサウンド テック
出典:リアルサウンド
It Takes Twoと同等かそれ以上の傑作。バラエティ豊富で美麗なステージ、より入念に考えられたシナリオ。
— JEMCゲームレビュー
出典:JEMCゲームレビュー
14時間最初から最後までフルスロットルで面白い。退屈な展開や面倒な作業が一切ない。
— Re:喜怒哀楽
出典:Re:喜怒哀楽
全体的に見て、批判的なレビューが本当に少ない。Steam 56,000件超のレビューで96%が好評というのは、AAAタイトルとしては異常な高評価だ。
Josef Fares——「ゲームはアートだ」を体現する男
Split Fictionを語る上で、ディレクターのJosef Faresは避けて通れない存在だ。
Faresはレバノン生まれ、スウェーデン育ちの映画監督兼ゲームディレクター。もともとは映画を作っていた人で、2013年に設立したHazelight Studiosからゲーム業界に参入した。
過去作品
- Brothers: A Tale of Two Sons(2013)——1人で2キャラ操作の名作
- A Way Out(2018)——刑務所脱出Co-op
- It Takes Two(2021)——Game of the Year 2021受賞
- Split Fiction(2025)——メタスコア92、ギネス3冠
全作品が「2人のための体験」に特化している。「Co-opの神」と呼ばれるのも納得のラインナップだ。
Faresの信条は「データに従わない。ビジョンに従う」。「売れるものを作る」のではなく「自分たちが作りたいものを作る」。EAという巨大パブリッシャーの下にいながら、この姿勢を貫けているのは相当すごいことだ。
彼はインタビューで「課金で稼ぐゲームデザインには興味がない」と明言している。Split Fictionにはガチャもバトルパスもシーズンパスもない。買い切り1本で全て遊べる。2025年のゲーム業界では逆に珍しいくらいだ。
似たゲームをお探しなら——内部リンク
Split Fictionが気になった人に向けて、当サイトで紹介している関連ゲームも載せておく。
Hazelightの前作:A Way Out
Split Fictionの開発元・Hazelight Studiosが2018年にリリースした、こちらも完全2人専用のCo-opアクション。刑務所から脱出するという設定で、ハリウッド映画のような展開が楽しめる。Split Fictionが気に入ったなら、開発元の原点とも言えるこの作品もチェックしてほしい。フレンドパスにも対応している。

友達と盛り上がるならこちらも:Overcooked
「友達と一緒にワイワイ遊べるCo-opゲーム」という括りなら、Overcookedもハズせない。料理をテーマにしたローカル協力型SLGで、Split Fictionとはまったく違うジャンルだけど、「2人で協力する楽しさ」という点では共通している。気楽に笑いながら遊びたい人におすすめ。

2025年のSteam大作レビュー:モンスターハンター ワイルズ
2025年のPC新作でSplit Fictionと並んで話題になったのが、Steam同接138万人を叩き出した『モンスターハンター ワイルズ』。Co-op要素もある大作アクションで、Split Fictionとは方向性が違うものの、2025年を代表するPCゲームとして比較されることが多い。

まとめ——「2人で遊ぶ」ことの価値を再定義したゲーム
長々と書いてきたけど、最後にまとめよう。
Split Fictionは、Co-opゲームというジャンルにおける現時点での最高到達点だと思う。
85レベルのほぼ全てに新しいアイデアが詰まっていて、飽きるということを知らない。SFとファンタジーの世界を行き来する壮大な冒険。2人が別々の能力を持つことで生まれるコミュニケーション。ストーリーもゲームプレイも、前作から確実に進化している。
メタスコア92、Steam評価96%、ギネス3冠、100万本/48時間——数字がすべてを物語っている。
ただし、万人向けではない。
ソロプレイ不可。難易度調整の幅が狭い。カメラアングルに難あり。最終エリアのメカニクスが弱い。これらの弱点は確実に存在する。
それでも、一緒に遊ぶ相手さえいるなら、2025年に遊ぶべきゲームの筆頭だと断言できる。
6,900円で2人遊べて、20時間の濃密な体験ができる。映画2本分の価格で、映画では絶対にできない「2人で物語を作る」体験ができる。
もし友達やパートナーに「何か一緒にゲームやらない?」と誘うなら、今はSplit Fiction一択だ。
開発: Hazelight Studios / パブリッシャー: EA
Steam: https://store.steampowered.com/app/2001120/Split_Fiction/
価格: 6,900円(フレンドパスで2人プレイ可能)
メタスコア: 92(PC)

