MISERY|核汚染ゾーンを生き延びるCo-opホラーサバイバル完全ガイド
核爆発の警報が鳴り響いた日から60秒で、世界は終わった。地下バンカーに転がり込んだとき、外の光景がどうなっているかはわからなかった。翌朝、仲間と一緒に重い扉を開けて外に出た瞬間——放射能で歪んだ廃墟、霧の中で揺れる何かの影、地面から湧き出るように光る謎の異常現象。「あれはなんだ」「触るな、アノマリーだ」「でも、あの奥に物資がある」——MISERYでは、毎日の出発がこういう判断から始まる。
MISERYは2025年10月23日にSteam早期アクセスで公開された、1〜5人対応のCo-opローグライトサバイバルゲームだ。開発はPlatypus Entertainment、パブリッシュはYtopiaが担当している。舞台はチェルノブイリ事故にインスパイアされた架空の国「ザスラヴィア共和国」の核排除ゾーンで、プレイヤーは秘密研究機関SIRZEZを守るPMC(民間軍事会社の傭兵)として、汚染された大地を毎日探索し続ける。
Steamレビューは6,000件超のうち82%が「好評」という「非常に好評」ランクを維持しており、アメリカのメディアVICEが「今まで見た中で最高のゲームプレイトレーラーのひとつ」と評したほどの注目度を誇る。核ゾーンサバイバルというニッチな設定でここまで評価を獲得しているのは、ゲームプレイの完成度と独自性が本物だからだ。
このゲームの面白さは一言では説明しにくい。ローグライトの緊張感、サバイバルの生々しさ、ベース建設の達成感、ホラー的な雰囲気、そして最大5人での協力プレイ——これらが一つのゲームに詰め込まれている。どれか一つを求めて始めると、残りの要素にも引き込まれていつの間にかどっぷりハマっているタイプのゲームだ。
核排除ゾーンという設定は、現実に起きたチェルノブイリ事故やフクシマ原発事故を連想させる。廃墟となった街、立ち入り禁止の標識、何十年も使われていない機械——「ここに人が住んでいた」という痕跡が残った場所を探索するゲームは、独特の重さと緊迫感を持っている。「これは本当にヤバい場所なんだ」という感覚が、プレイ中の判断一つ一つに重みを与えてくれる。
この記事では、MISERYのすべてを丁寧に解説する。ゲームが初めての人も、気になって情報を探している人も、購入を検討している人も、ここを読めばMISERYがどんなゲームか完全にわかるはずだ。
こんな人にハマるゲームです

- 核廃墟や排除ゾーンを舞台にした独特の世界観のゲームが好きな人
- ローグライト要素のある緊張感の高いサバイバルゲームを求めている人
- 友達と一緒にCo-opで協力してミッションを乗り越える体験がしたい人
- アノマリー(異常現象)やアーティファクト(呪われた・強化されたアイテム)といったSFホラー的要素が好きな人
- 拠点(バンカー)を少しずつ拡張・強化していく達成感が好きな人
- 放射能、精神的ストレス、食料・水の管理といった複雑なサバイバルシステムを楽しめる人
- 毎回ランダム生成される世界で、繰り返しプレイしても飽きない体験がしたい人
- StalkERシリーズやMetroシリーズのような「核後の世界」の雰囲気が好きな人
- インディーゲームを早期アクセスから応援しながら育てていきたい人
逆に、注意しておきたい点もある。MISERYは2025年10月現在も早期アクセス段階のゲームで、一部のシステムはまだ調整中だ。完成品として洗練されたゲームを求めている人には、正式リリースまで待つことを勧める。また、このゲームは「ゆるく遊べるカジュアルサバイバル」ではなく、判断ミスが命取りになる緊張感のあるゲームだ。プレッシャーのある状況が苦手な人には合わないかもしれない。ソロでも遊べるが、Co-opで遊ぶ環境があるほどゲームの真価が引き出される。
ゲーム概要——核爆発から60秒で始まる物語
世界観と舞台設定——ザスラヴィア共和国の排除ゾーン
MISERYの舞台は「ザスラヴィア共和国」という架空の国だ。この国は現実世界の旧ソ連圏に位置するという設定で、チェルノブイリ事故と旧ソ連の雰囲気を強く意識した世界観が作り込まれている。灰色のコンクリート建築、錆びついた金属、年代物の機械——すべてが「かつて人が生きていた場所」の残骸として描かれている。
ゲームのバックストーリーとして、ザスラヴィア共和国内で原子力事故が発生した後、「ザスラヴィア排除ゾーン研究所(SIRZEZ)」という秘密の研究機関が設立された。この機関の目的は、排除ゾーン内に発生した謎の「アノマリー(異常現象)」の研究だ。プレイヤーは、このSIRZEZを守るPMC(民間軍事会社)のメンバーとして雇われた傭兵だ。
ゲームは核爆発の警報が鳴り響くところから始まる。警報から60秒——その時間でバンカーに逃げ込んだ生存者たちが、プレイヤーキャラクターだ。核爆発後の翌朝から、プレイヤーは汚染された廃墟の中へ毎日探索に出て、物資を集めてバンカーに戻るという生活が始まる。外は放射能、変異した生物、敵対的な人間で溢れている。バンカーだけが唯一の安全な場所だ。
探索エリアは手続き生成(プロシージャル生成)されており、毎回異なるレイアウトの廃墟、廃村、廃工場、荒れ地が生成される。「昨日行った場所と今日行く場所は違う」というローグライトの特性が、何度遊んでも飽きない体験を作っている。生成されるロケーションには廃棄された基地、ゴーストタウンとなった集落、朽ちた工業施設などが含まれており、どこを歩いても「ここで何かが起きた」という重たい空気が漂っている。
開発元Platypus Entertainmentとパブリッシャーのこと
MISERYを開発したPlatypus Entertainmentは、比較的小規模なインディースタジオだ。このスタジオが「核排除ゾーンを舞台にしたCo-opローグライトサバイバル」という、かなりニッチで挑戦的なコンセプトに正面から取り組んでいる姿勢は、ゲームのクオリティに直結している。Steamのプレイヤーコミュニティとの交流も活発で、バグ報告や要望に対して迅速に対応するアップデートを続けている。
パブリッシャーのYtopiaは、インディーゲームの支援・販売を専門に行う会社で、Platypus EntertainmentがMISERYの開発に集中できる環境を作っている。2025年10月のリリース後も、難易度プリセットの追加、スチームデッキサポート、登はんシステム(クライミングメカニクス)、多数のバランス調整など、継続的なアップデートが行われており、早期アクセスとしての開発が着実に進んでいる。
VICEが「今まで見た中で最高のゲームプレイトレーラーのひとつ」と評価したように、ゲームの見た目と雰囲気の作り込みには相当のこだわりがある。廃墟の雰囲気、アノマリーの視覚的な演出、バンカーの薄暗い照明——映像作品として見ても完成度が高く、「このゲームをプレイしてみたい」という気持ちを強く引き出す力がある。
ゲームジャンルを整理する——何が「ローグライトサバイバル」なのか
MISERYのジャンル表記は「ローグライトサバイバル」だが、これは具体的に何を意味するのかを整理しておきたい。
ローグライトとしての要素は、主に「探索ミッション」の部分にある。毎回ランダム生成される探索エリア、一度の出発で持ち帰れるリソースの限界、失敗(死亡)した場合のペナルティ——これらがローグライト的な緊張感を生み出している。ただし、完全なローグライクのように「死んだらすべてリセット」というわけではなく、バンカー(拠点)の拡張は永続的に維持される。これが「ローグライト(lite)」と表記される理由だ。
サバイバルとしての要素は、食料・水分・放射能・精神的ストレスといったステータス管理、武器のクラフトと修理、バンカーの建設と管理、NPCとの取引など、多岐にわたる。「DayZ」や「The Long Dark」に近い本格的なサバイバル要素が、ローグライトの探索と組み合わさった設計だ。
ホラー的な要素としては、アノマリーの不気味な視覚効果、変異した生物との遭遇、精神的ストレスが高まったときに発生する幻覚(ウィスパー)などが挙げられる。「ホラーゲーム」として売り出しているわけではないが、核廃墟という舞台設定と相まって、プレイ中は常に不安感と緊張感が漂っている。
同系統のゲームと比べるなら、StalkERシリーズの「核廃墟の雰囲気と謎の異常現象」、DayZの「サバイバルの緊張感と死への恐怖」、そしてEnter the Gunteonのような「毎回ランダム生成されるローグライトのリプレイ性」をひとつに混ぜたような体験、と表現すると近い。いずれのジャンルにも完全に当てはまらない独自のポジションを占めているのが、MISERYの特徴だ。
核排除ゾーンの恐怖——アノマリーとアーティファクト

アノマリーとは何か——ゾーンの「異常」が生む独特の恐怖
MISERYの世界観の核心にあるのが「アノマリー(Anomaly)」だ。アノマリーとは、核爆発後の排除ゾーン内に発生した謎の異常現象のことだ。現実の物理法則を無視した現象が、フィールドの各所に点在している。
アノマリーの種類は様々だ。触れると爆発するもの、強い放射線を放出するもの、重力を歪めるもの、精神に干渉して幻覚を引き起こすもの——それぞれが独自の危険を持ち、適切な知識と対処なしに近づくと一瞬で命を失う。しかし、アノマリーは単なる障害物ではない。その危険を冒して近づく理由がある。それが「アーティファクト」だ。
StalkERシリーズをプレイしたことがある人なら、このシステムに覚えがあるはずだ。MISERYはStalkERシリーズへのリスペクトを公言していないが、「核廃墟の謎の異常現象と、そこから生まれる特殊アイテム」というコンセプトは明らかに同じ源流を持っている。ただしMISERYはCo-opサバイバルとしての体験を優先しており、StalkERシリーズとはゲームプレイの方向性が異なる。
アノマリーそのものはただ恐ろしいだけではなく、「どうやって回避するか」「どこに隠れれば安全か」「仲間と協力してどう突破するか」という問いを投げかけてくる。グループで探索しているときに「あの先にアノマリーがあるぞ」「じゃあ右から回るか」「いや、俺だけ先に行って確認してくる」という会話が自然に生まれる。アノマリーの存在が、Co-opの「連携」という体験を強制しないかたちで引き出している。
アーティファクト——危険を冒す価値のある「ゾーンの宝物」
アーティファクトとは、アノマリーの影響を受けて変質したアイテムだ。通常のアイテムとは異なる特殊な効果を持ち、装備したり使用したりすることでキャラクターに独自の能力を付与する。アノマリーに近い場所ほど、より価値の高いアーティファクトが見つかる傾向がある。
アーティファクトの効果はプラスとマイナスの両方を持つことが多い。放射線耐性を上げる代わりにスタミナが下がるもの、体力回復を早める代わりに放射線を常時受け続けるものなど、「使うかどうか判断が必要」な設計になっている。どのアーティファクトをどの状況で使うかという判断が、ゲームプレイの深みを作っている。
アーティファクトはNPCのトレーダーに売ることもできる。価値の高いアーティファクトは高額で売れるため、「装備して使うか、売って別のものを買うか」というトレードオフが常に発生する。手元のアーティファクトで状況を打開するか、今は我慢して資金を稼ぐかという判断は、長期的なバンカー発展の戦略と直結している。
また、アーティファクトの存在はゲームの「もう少しだけ探索したい」という欲を刺激する。「このアノマリーの奥に何かありそうだ」「もう一エリアだけ確認してから帰ろう」——そういう判断が時間感覚を狂わせていく。ゲームの設計として、アーティファクトへの欲張りがリスクと直結しているのが絶妙だ。
アノマリーとの戦い方——知識が命を救う
アノマリーは見た目でその種類を判断できることが多い。経験を積んだプレイヤーは「あの光の歪み方は電撃系だ」「あの揺らめきは火炎系だ」と見分けられるようになる。この「知識の積み重ねがプレイヤーを生かす」という設計が、リプレイを重ねるほど上手くなるという感覚につながっている。
装備の面では、特定のアノマリーへの耐性を持つ防護服やアーティファクトが存在する。放射線の高いエリアには放射線防護服が必要で、電撃系アノマリーが多いエリアには絶縁素材の装備が有効だ。「どこに行くか」によって「何を持っていくか」が変わる——この準備の段階もゲームプレイの重要な一部だ。
Co-opでプレイする場合、アノマリーへの対処は役割分担の好例になる。「俺が先に行って確認する。何か起きたらすぐ戻る」「バックアップの医療キットは持ってるか?」「アノマリーの先に回り込んで右から取れないか?」——アノマリー一つへの対処で、こうした会話が生まれる。単純なアイテム収集が、戦術的な問題解決の体験に変わるのがアノマリーシステムの面白さだ。
バンカー管理——廃墟の中の「自分たちの城」
バンカーの意味と役割——唯一の安全地帯
MISERYのゲームループの中心に位置するのが「バンカー(Bunker)」だ。核爆発から逃げ込んだ地下シェルターが、プレイヤーの拠点になる。バンカーは単なるリスポーン地点ではなく、探索・クラフト・食料生産・コミュニティ形成のすべてが行われる場所だ。
外の世界がいくら危険で不安定であっても、バンカーの扉を閉じれば安全だ。この「安全な場所がある」という確信がゲームのストレスを管理可能なものにしている。探索中に放射線を浴びすぎたとき、精神的ストレスが溜まりすぎたとき、「バンカーに帰ればなんとかなる」というセーフティネットがあることで、外への積極的な探索が可能になる。
バンカーはゲーム開始時は最低限の設備しかない。ここから部屋を追加し、施設を設置し、機能を拡張していくことで、次第に本格的な「ベース」へと成長していく。拡張の方向性はプレイヤーが決める。クラフトに特化するのか、農業で食料を自給自足するのか、防衛設備を強化するのか——どの方向に伸ばすかによって、プレイスタイルも変わってくる。
バンカー拡張システム——部屋を増やして機能を高める
バンカーの拡張は「部屋の追加」という形で行われる。探索で集めた資材を使って新しい部屋を建設し、そこに各種の設備(クラフトステーション、発電機、農業区画など)を設置していく。
設置できる設備の種類は多岐にわたる。武器の修理や新しい武器を作るための「工作室」、食料を加工する「調理設備」、放射線を除染するための「医療設備」、外部と通信するための「通信設備」など、それぞれがゲームプレイの特定の側面を強化する。序盤にどの設備を優先するかという選択が、中盤以降のゲームプレイの方向性を大きく左右する。
電力も重要な要素だ。バンカー内の設備を稼働させるためには電力が必要で、発電機を設置して燃料を供給する必要がある。燃料は外部の探索で集めてくる消耗品だ。「電力を使いすぎると発電機が止まる」「燃料が切れると設備が使えなくなる」という管理要素が、バンカーの「維持」という課題を生み出している。ただ作るだけでなく、動かし続けるためのリソース管理がある。
Co-opで複数人がバンカーを共有している場合、役割分担が自然に生まれる。一人がクラフトをしている間に別の一人が農業管理をする、一人が発電機の燃料残量を確認している間に別の一人が次の探索の準備をする——バンカーは「全員が同時に外に出る必要はない」場所でもある。誰かが拠点を守りながら、誰かが外に出るという分業も選択肢として存在する。
農業と食料生産——自給自足への道
MISERYにおける食料確保は、ゲームの長期的な生存において極めて重要だ。序盤は廃墟や廃工場に残された缶詰や保存食を拾い集めることで食料を確保できるが、それだけでは長くは持たない。安定した食料源を確保するためには、バンカー内に農業区画を設置して自給自足体制を構築する必要がある。
農業はバンカーの拡張の中でも特に「長期計画」の視点が必要な要素だ。農業区画の設置には資材と電力が必要で、実際に作物が育つまでには時間がかかる。「今すぐ食料が必要なのに農業は時間がかかる」というジレンマは、序盤の食料確保の判断をより切実なものにする。探索で食料を集めながら、同時に農業の立ち上げを急ぐというバランスが問われる。
食料の種類によって栄養価も異なる。缶詰などの加工食品はすぐ使えるが、自家製の食料と比べて効率が劣る場合もある。調理設備を活用することで、収集した素材を効率的な食料に加工できる。「何を食べるか」という管理が、キャラクターのコンディション維持に直結している。
水の確保も同様の課題だ。核汚染ゾーンでは地表の水源がそのまま飲めないことが多い。外から清潔な水を運んでくるか、バンカー内で水を精製・貯蔵するシステムを構築するかという選択が必要になる。「食料と水を同時に管理する」という複数の資源管理が、MISERYのサバイバル的な複雑さを作り出している。
日々の探索——放射能の廃墟を生き延びる方法

探索の基本ルール——夜になる前に帰れ
MISERYの探索には根本的なルールがある。「夜が来る前にバンカーに戻らなければならない」。これがゲームのテンポと緊張感のすべての源泉だ。
毎日の探索は「デイタイムミッション」として設計されている。日が昇ったらバンカーを出発し、探索エリアで物資を集め、日が沈む前に帰還する。夜に外にいることは極めて危険で、視界が失われることに加えて、敵の活動が活発化する。「もう少しだけ探索したい」「あのアーティファクトを取ってから帰ろう」という欲張りが、命取りになる。時間管理は生死に直結する判断だ。
探索エリアへの移動と帰還にも時間がかかる。「往復の時間を計算した上で、どれだけ探索できるか」という時間計算が常に求められる。遠いエリアへ行けばより価値の高いアイテムが期待できるが、帰還が遅れるリスクも高まる。グループで探索している場合は、「誰かが怪我をした」「アノマリーに阻まれて迂回した」という予期せぬ事態が時間を圧迫する。
このタイムプレッシャーは、ゲームの緊張感を維持するための設計として非常に効果的に機能している。時間が無限にあれば「慎重に、完璧に」という戦略が常に正解になってしまう。しかし時間制限があることで、「完璧よりも十分を選ぶ」「リスクがあっても時短になる方を選ぶ」という判断が発生する。それがMISERYの探索をゲームとして面白くしている核心だ。
放射能管理——見えない死の恐怖
MISERYの核廃墟では、放射能汚染という目に見えない脅威が常に存在する。放射線量が高いエリアに無防備で入れば、あっという間に被曝量が積み上がる。一定量を超えると放射線症状が出始め、放置すれば死に至る。
放射能への対処法はいくつかある。防護服や防護マスクは放射線被曝を軽減する。特定のアーティファクトも放射線耐性を上げる。薬品(ヨウ素剤など)を服用することで被曝の影響を一時的に抑えることもできる。バンカーに帰還して医療設備を使うことで、被曝ダメージを回復させることも可能だ。
重要なのは、放射能の危険ゾーンが均一ではないことだ。フィールドによって放射線量が異なり、同じエリアの中でも「ここは特に危ない」というホットスポットが存在する。「このエリアに入るなら防護服が必要だ」「ここは短時間なら素通りできるが、長居は禁物だ」という判断を繰り返すことで、プレイヤーはゾーンについての「知識」を蓄積していく。
Co-opプレイでは放射能管理も役割分担の対象になる。「今の放射線量は?」「俺はもうギリギリだから早く切り上げよう」「もう少しだけ!アーティファクトが見えてる!」——こういう会話がプレイ中に飛び交う。個人の判断と仲間への配慮が交差する瞬間が、Co-opサバイバルの緊張感を高める。
精神的ストレスシステム——幻覚と囁き
MISERYで最も独特なサバイバル要素の一つが「精神的ストレス(Sanity)」システムだ。キャラクターは肉体的なダメージだけでなく、精神的なストレスも蓄積する。ストレスの原因は多岐にわたる——危険なアノマリーへの接近、敵との遭遇、仲間の死、長時間の孤立、食料・水分不足などだ。
ストレスが高まると、ゲーム内で公式に表現されている通り「ウィスパー(囁き)が聞こえ始め、存在しないものが見え始める」。幻覚・幻聴が発生し、プレイヤーの状況判断を狂わせ始める。「あそこに何かいる!」と反応したものが実は幻覚だった、という状況がゲームプレイ中に発生する可能性がある。これはただのゲームシステムではなく、「精神が追い詰められていく」という体験の演出として機能している。
ストレスを解消するためには、バンカーでの休息、食事と水分補給、仲間との交流(Co-opの場合)、安全な場所での睡眠などが有効だ。探索を続けてストレスを積み重ねるか、一時的に安全な場所に退避してリセットするかという判断も、生存戦略の一部だ。
このシステムがCo-opで特に際立つ場面がある。「ちょっとヤバい。幻覚が出始めた」とチャットで伝えたとき、仲間が「じゃあ先に帰れ。俺たちはもう少し探す」と返す。あるいは「全員一緒に戻ろう。一人で残すのは危ない」という判断をするか。チームとしての意思決定に、ゲームのメカニクスが自然に絡んでくる。
敵対勢力——変異生物と生き残った人間
MISERYの危険は放射能やアノマリーだけではない。フィールドには複数の敵対勢力が存在し、それぞれが異なる形の脅威を持っている。
変異した生物は、核爆発後の環境で変質した動植物だ。普通の動物の形をしていながら行動パターンが通常と異なり、一部は物理的に強化されている。種類によって弱点と行動パターンが異なるため、「何が出てくるか」を把握した上で対応できるかどうかで生存率が大きく変わる。
敵対的な人間も存在する。排除ゾーンに潜り込んで略奪を続ける他のサバイバー、あるいは特定の組織に属した武装勢力だ。変異生物と異なり、武器を持ち戦術的に行動する人間の敵は、また別種の脅威だ。「生き残るための行動をしているのは自分たちだけではない」という事実が、世界の厳しさをより現実的なものにしている。
戦闘においては、弾薬の消費を慎重に考える必要がある。弾薬は貴重なリソースであり、遭遇した敵をすべて倒すことが常に正解ではない。「回避できる敵は回避する」「必要なときだけ戦う」という節約思考がMISERYの戦闘の基本だ。Co-opで複数人がいる場合は、弾薬の総量が増えるため多少強気に出られるが、それでも「消耗を最小限に」という意識は変わらない。
武器とクラフト——廃墟の中で戦う準備
武器システム——修理と改造で使い続ける
MISERYの武器は、「探索で見つけてすぐ使える」ものではなく、「維持と管理が必要なもの」として設計されている。武器には耐久度があり、使い続けると劣化して性能が低下する。最終的には壊れて使えなくなる。修理するためには工作室とクラフト素材が必要で、修理を怠れば武器は時間とともに使えなくなる。
武器の種類は多岐にわたる。拳銃、ショットガン、アサルトライフル、スナイパーライフル、近接武器など、核廃墟の世界にふさわしいバリエーションが用意されている。それぞれが異なる特性を持ち、特定の状況に適した武器が異なる。「常に最強の武器」というものは存在せず、状況と敵の種類に応じて最適な武器を選ぶ判断が求められる。
最近のアップデートで武器修理システムのバランス調整が行われており、過去に「修理コストが高すぎる」と指摘されていた問題が改善されている。こうした継続的なバランス調整が、プレイヤーのフィードバックを受けて行われているのは、開発チームがゲームを真剣に改善しようとしている証拠だ。
クラフトシステム——探索で集めた素材を活かす
探索で集めた素材は、バンカーのクラフトステーションで様々なアイテムに加工できる。医療品、武器のパーツ、防護装備、食料、各種設備のパーツ——クラフトのレシピは幅広い。
クラフトの優先度は状況によって変わる。食料が切れそうなら食料の加工を優先する。武器が劣化しているなら修理素材のクラフトを急ぐ。放射線対策の消耗品が尽きそうなら薬品の製造を先にする。常に「何が最も必要か」を判断しながらリソースを割り当てることが、バンカー運営の基本的な思考だ。
Co-opで複数人がバンカーを使っている場合、クラフトの役割分担も自然に発生する。外での探索が得意なプレイヤーが素材を集め、バンカー管理が得意なプレイヤーが加工と製造を担当するという分業が生まれる。「俺が電線を集めてくるから、それを発電機の修理に使ってくれ」という会話は、MISERYのCo-opが機能している証拠だ。
NPCトレーダー——物資の売買と経済システム
MISERYには、探索エリアや特定の場所に存在するNPCトレーダーとの取引システムがある。不要なアイテムを売って資金を得たり、手元にないアイテムを購入したりすることができる。
特にアーティファクトはトレーダーへの売却価値が高い。危険を冒してアノマリーから採取したアーティファクトを高値で売ることで、他の手段では入手しにくい高性能な武器や装備を購入できる。「このアーティファクトを使い続けるか、売って別のものを買うか」という判断は常に発生する経済的な問いだ。
アップデートによってトレーダーの取引価格のバランス調整が行われており、「高すぎる」「安すぎる」というコミュニティの声に応えた改善が続いている。経済システムのバランスはゲーム全体のプレイ感に影響するため、継続的な調整が重要な要素だ。
難易度システムと「自分に合った遊び方」

4つの難易度プリセット——遊ぶ人に合わせた調整
MISERYの最新アップデートで追加された難易度プリセットは、異なるプレイヤー層に対応するための重要な機能だ。4つのプリセットが用意されており、それぞれがゲームの緊張感と難しさのレベルを明確に分けている。
「エクスプローラー(Explorer)」はゲーム世界の探索を楽しむための最もライトなモードだ。リソース管理のプレッシャーが低く、ストーリーや世界観を楽しみながら進める。サバイバルゲームが初めての人や、核廃墟の雰囲気をじっくり味わいたい人に向いている。
「アドベンチャラー(Adventurer)」は標準的な難易度で、MISERYを最初に遊ぶ多くのプレイヤーに適している。サバイバルのプレッシャーは感じつつも、詰みになるほどの厳しさはない。ゲームの核心的な面白さを体験しながら、少しずつシステムに慣れていくのに最適なモードだ。
「サバイバー(Survivor)」は本格的なサバイバルを楽しむための、上級向けモードだ。リソースの希少性が高まり、放射線や敵の強度が上がる。「このゲームをちゃんと生き延びてみせる」という気合いのあるプレイヤーに向いている。ミスの許容度が下がるため、一つ一つの判断が重くなる。
「ハードコア(Hardcore)」は永続的な死(パーマデス)を伴う最難関モードだ。一度死ねばキャラクターは永久に失われ、積み上げてきた成長も消える。バンカーの拡張だけが残るという設定かどうかはバージョンによるが、このモードで遊ぶプレイヤーは本物のサバイバル体験を求めている人だ。「死ぬかもしれない」という緊張感はゲームを全く別の体験に変える。
カスタム難易度設定——細かく調整できる自由度
プリセットに加えて、各種パラメータを個別に調整できるカスタム難易度設定も用意されている。昼夜サイクルの長さ、探索ミッションの時間制限、敵の強さ、アイテムのドロップ率——こういった要素を自分の好みに合わせて調整できる。
カスタム設定の存在は、「このゲームをどう楽しむかは自分で決める」という設計思想の表れだ。「敵は弱くていい、でもリソース管理は厳しくしたい」「時間制限だけゆるくして、あとは標準で」といった自分だけの設定が可能だ。Co-opでグループごとに異なる設定を試してみることで、同じゲームでも全く違う体験が生まれる。
この柔軟性は、「難しすぎてやめた」というプレイヤーを減らすという実用的な意味もある。サバイバルゲームの面白さはわかるけれどプレッシャーに弱い人、逆にもっと厳しい環境でないと燃えない人、どちらもMISERYで自分に合った体験を作れる。
Co-opの楽しさと仕組み——最大5人で挑む核廃墟
マルチプレイの基本設計
MISERYはオンラインCo-opに対応しており、1〜5人でプレイできる。LAN(ローカルネットワーク)でのプレイにも対応しており、同じ空間にいるフレンドとケーブルや無線LANで一緒に遊ぶことも可能だ。Steamクラウドセーブに対応しており、別のPCからでも同じセーブデータで続きを遊べる。ゲームパッドとSteam Deckにも対応しているため、様々なプレイスタイルに対応している。
5人というCo-opの上限は、他のCo-opサバイバルと比べてやや多い設定だ。これはバンカー管理のための「後方支援役」と「探索部隊」の分業が可能になることを意味している。全員が同じ目的で動く必要がなく、それぞれが自分の得意な役割を担うことでグループの効率が上がる設計になっている。
ソロプレイも完全に対応しており、一人でもゲームの全コンテンツにアクセスできる。ただし、5人で出かけるのと1人で出かけるのでは、安全度と探索効率が大きく異なる。ソロプレイではより慎重な戦略と、効率的なリソース管理が求められる。難易度を下げるか、プレイスタイルを変えるかという選択が必要だ。
Co-opでしか生まれない体験
MISERYをCo-opで遊ぶと、ソロとは全く異なる体験が生まれる理由は、ゲームのシステムが「協力」を自然に引き出す設計になっているからだ。
アノマリーの突破一つ取っても、複数人でいれば「おとり役」「採取役」「見張り役」という役割分担が発生する。放射線が高いエリアでは、防護装備の高いキャラクターが先に入り、他のメンバーは入口で待機するという戦術が生まれる。精神的ストレスが溜まっているメンバーがいれば、そのメンバーを先に帰すための判断が必要になる。
バンカーでの役割分担も同様だ。探索から帰ってきた全員が同じタイミングで休息しなければならないわけではない。「俺はクラフトを続ける。お前たちは寝ろ」という判断ができる。農業管理を担当するメンバー、武器の修理を専任するメンバー、通信設備を管理して情報収集するメンバー——それぞれの得意分野で貢献できる環境がある。
最大5人という人数は「グループが大きすぎない」サイズでもある。4〜5人全員の動向を把握しながら協力するのは、3人以下と比べると複雑さが増す。でも、それが面白さでもある。大人数での探索ミッションが成功したとき、全員で物資を持ち帰りバンカーに充実した設備が整ったとき——そういう瞬間の達成感はソロでは絶対に得られないものだ。
危機を共有する喜び——ホラーサバイバルがCo-opで輝く理由
ホラーサバイバルゲームとCo-opは、一見相性が悪いように思えることがある。「一人の方が怖い」という意見は確かにある。しかしMISERYに関していえば、Co-opはゲームの怖さを軽減するのではなく、「共有する緊張感」という別の体験に変換している。
一人でアノマリーに囲まれた状況は「詰み」のような絶望感になりかねない。でも仲間と一緒にいると「どう乗り越えるか」という問題解決の方向に思考が向く。「左から行ける?」「無理。右は?」「右も……あ、上に登れそう。クライミングで行こう」というやりとりが、恐怖を共同作業の緊張感に変える。
精神的ストレスによる幻覚が出始めたときも、一人では「何が本物で何が幻覚かわからない」という不安がそのまま孤立した恐怖になる。でも仲間がいれば「あれ、本当にいるの?」「俺には見えない。たぶん幻覚だ」という確認ができる。現実と幻覚の境目を仲間と一緒に確認するという行為が、Co-opホラーとして独特の面白さを生む。
「やばい、どうするこれ」という状況を友達と一緒に笑いながら乗り越える体験は、サバイバルゲームの根源的な楽しさだ。MISERYはその体験を核廃墟というシリアスな舞台で提供する。
最新アップデートと現在の状態

リリース後の主要アップデート
MISERYは2025年10月23日のリリース後、継続的なアップデートが行われている。コミュニティのフィードバックを積極的に取り入れながら、ゲームの改善と機能追加を続けている姿勢は、早期アクセスゲームとして理想的な開発スタイルといえる。
最も大きなアップデートでは、難易度プリセット(エクスプローラー、アドベンチャラー、サバイバー、ハードコア)の追加が行われた。これはプレイヤーベースのすそ野を広げる重要な変更で、「難しすぎてやめた」というプレイヤーを引き留める効果がある。加えて、Steam Deckサポートの追加により、携帯型ゲーミングPCでのプレイが公式にサポートされた。
クライミング(登はん)システムの追加も重要な変更だ。フィールド内の特定の壁や建物を登れるようになったことで、探索の動線が変わり、新たな戦術オプションが生まれた。「アノマリーを上から迂回できるようになった」「高所からの視界確認ができるようになった」という変化が、探索の楽しさを広げている。
バランス調整も継続的に行われている。武器修理システムのコスト見直し、食料の維持コストの調整、トレーダーの買い取り・販売価格の見直しなど、「数字的なバランス」の改善が積み重ねられている。これらは地味な変更に見えるが、ゲームプレイの快適さと戦略の深さに直結する重要な作業だ。
オートセーブとゲームの継続性
アップデートでオートセーブ機能が追加されたことも、プレイヤーには重要な変更だった。早期アクセス段階では「突然クラッシュして進行を失った」というリスクが他のゲームより高い。オートセーブによってそのリスクが低減され、安心してゲームに没頭できるようになった。
Steamクラウドセーブとの組み合わせで、別のPCで続きを遊ぶことも可能だ。「家のゲーミングPCで夜まで遊んで、翌日の昼間はノートPCで少しだけ進める」という使い方もできる。Steam Deckサポートの追加により、外出先でもセーブデータを継続して使えるようになった。
コミュニティの反応と今後の期待
MISERYのSteamコミュニティは活発で、ディスカッションボードには日々プレイヤーからの報告や提案が投稿されている。開発チームもこれらに積極的に応答しており、プレイヤーと開発者の距離が近い。
現在の課題としてコミュニティが指摘していることの一つが、特定エリア(クルシチョフカエリア)でのパフォーマンス最適化だ。建物が密集したエリアでフレームレートが落ちるという報告があり、最適化の対応がアップデートで行われている。技術的な問題への対処が継続的に行われているという事実は、開発が前向きに進んでいる証拠だ。
プレイヤーからの「こういう要素が欲しい」「こういう調整をしてほしい」という声に対して、具体的な改善がアップデートとして届いてくるサイクルが機能している。早期アクセスを「開発者と一緒に作る体験」として捉えるプレイヤーにとって、MISERYの開発チームは信頼できるパートナーだ。
MISERYとStalkERシリーズの関係——リスペクトと独自性
明らかな共通点
MISERYをプレイしたゲームファンなら、StalkERシリーズとの共通点に気づかずにはいられないだろう。核廃墟を舞台にした世界観、謎の異常現象(アノマリー)とその影響を受けた特殊アイテム(アーティファクト)、廃墟の緊迫した探索感——これらはStalkERシリーズが確立した「核廃墟ゲーム」のアーキタイプを明確に踏まえている。
StalkERシリーズはGSC Game Worldが開発したウクライナ産のFPSで、チェルノブイリ原子力発電所の排除ゾーンを舞台にした世界観で知られる。2007年の「Shadow of Chernobyl」から始まり、「Clear Sky」「Call of Pripyat」と続き、2022年には「StalkER 2: Heart of Chornobyl」がリリースされた。核廃墟の孤独で荒涼とした空気感と、アノマリー・アーティファクトという独特のゲームシステムは、多くのファンに支持されてきた。
MISERYはこの「核廃墟ゲーム」の文脈に明確に位置している。StalkERに影響を受けたゲームはいくつかあるが、MISERYはその中でもアノマリーとアーティファクトのシステムをCo-opサバイバルに統合した点で独自のポジションを確立している。
決定的な違いとMISERY独自の貢献
StalkERシリーズとMISERYの最大の違いは、ゲームのコアデザインにある。StalkERはシングルプレイヤーFPSとして設計されており、孤独な探索者としての体験が中心にある。一方MISERYは、最大5人のCo-opを前提とした設計になっており、「仲間と一緒に生き延びる」という体験が軸にある。
ローグライトの要素もMISERY独自の強みだ。StalkERシリーズは固定されたマップの中で進む作品だが、MISERYのフィールドは毎回ランダム生成される。「どんな廃墟が生成されるか」という未知への期待感がリプレイ性を高めており、何十時間遊んでも「見たことがない廃墟」に出会える設計になっている。
バンカー管理とベース建設という要素も、StalkERにはない独自の側面だ。「帰る場所を自分たちで育てる」という達成感は、ローグライトサバイバルとしてのMISERYを単なるStalkERのCo-op化よりも深いゲームにしている。
「StalkERが好きだけどソロプレイに飽きた人」「Co-opサバイバルが好きだけどホラー的な雰囲気が欲しい人」——MISERYはその交差点に立っており、どちらのファン層にも刺さる可能性を持っている。
技術面と動作環境

Unreal Engine 5が生み出すビジュアル
MISERYはUnreal Engine 5(UE5)で開発されている。UE5は現在のゲーム開発における最先端のエンジンで、Nanite技術による高精細なジオメトリ描写、Lumenによるリアルタイムグローバルイルミネーションなどが特徴だ。核廃墟の廃墟感、アノマリーの光学的な歪み、バンカーの暗い照明による影の演出——これらのビジュアルはUE5の特性を活かしたものだ。
ただしUE5を使ったゲームは一般的に動作要件が高い傾向がある。MISERYの最小動作要件はNVIDIA GeForce GTX 1650、メモリ8GB、ストレージ7GBと比較的抑えられているが、快適なプレイのためには推奨スペックを満たすPCが望ましい。特に特定のエリアでパフォーマンスが落ちるという報告があることを考えると、フレームレートの安定性を重視するなら余裕のあるスペックのPCでプレイすることを推奨する。
動作要件とプラットフォームサポート
MISERYはWindows 10 64ビットが基本的な動作環境だ。加えてLinux/SteamOSでの動作にも対応しており、Steam Deck(SteamOSベースの携帯型ゲーミングPC)での公式サポートも確認されている。
ゲームパッドへの対応も行われており、マウスとキーボードだけでなくコントローラーでのプレイも可能だ。Steam Deckでの快適なプレイを考えると、コントローラーサポートの品質は重要な要素で、公式の対応が明示されている点は好ましい。
16言語のサポートも記載されており(日本語が含まれるかはバージョンによる)、グローバルなプレイヤー向けのローカライズが進められている。Steamクラウドセーブのサポートにより、データ管理の面でも安心感がある。
Steamレビューから読む——プレイヤーの本音
82%「非常に好評」が示すもの
Steamレビュー6,010件のうち82%が肯定的という「非常に好評」の評価は、早期アクセスゲームとしては非常に高い水準だ。早期アクセスゲームは未完成の状態でリリースされるため、完成品のゲームより批判的なレビューを受けやすい傾向がある。その状況で82%を維持しているということは、ゲームの根本的な楽しさが早期アクセス段階でもしっかり伝わっていることを意味する。
最近の30日間のレビューでも83%という数字は、時間が経っても評価が落ちていないことを示している。むしろアップデートを重ねることで評価が安定・向上しているというのは、開発が正しい方向に進んでいる証だ。多くの早期アクセスゲームが最初の熱狂が冷めるとレビューが落ちていく中で、MISERYはそうなっていない。
プレイヤーが特に評価している点
Steamレビューを読み込むと、プレイヤーが特に評価しているポイントがいくつか見えてくる。
まず「雰囲気と世界観の完成度」への評価が高い。核廃墟という設定、アノマリーの不気味さ、廃墟の作り込みなど、「この世界にいる」という没入感がしっかり機能していることへの評価だ。「ゲームを起動するたびにドキドキする」「あの廃墟に近づくのが怖いのに行きたくなる」という感覚を持ったプレイヤーのコメントが多い。
次に「Co-opとしての体験の質」への言及も多い。「友達と一緒にやったら最高だった」「フレンドに勧めてグループで遊んでいる」というコメントが目立ち、Co-opとしての設計が機能していることがわかる。「一人でやるより絶対グループの方がいい」という声は、MISERYのCo-op設計が正解であることの証明だ。
「開発チームのアップデート対応への信頼感」を評価するコメントも多い。「バグ報告したら次のアップデートで直っていた」「要望が実際に反映されている」という経験を共有するプレイヤーが多く、開発チームへの信頼が評価スコアを支えている側面がある。
指摘されている課題と開発の対応
もちろん、課題として指摘されている点も正直に伝える必要がある。
特定エリアでのパフォーマンス低下は、早期アクセス版における継続的な課題だ。特にクルシチョフカと呼ばれる密集した建物エリアでフレームレートが落ちるという報告がある。UE5ゲームの最適化は時間がかかる作業であり、開発チームは継続的に対処しているが、ハイエンドPCでなければこのエリアで詰まりを感じる可能性がある。
経済システムのバランス調整も課題として挙がっていた。「トレーダーの価格設定が合っていない」「アーティファクトが安く売りすぎる」「食料の維持コストが高すぎる」といった声があり、これらはアップデートで徐々に調整されている。数値のバランスは実際にプレイヤーが大量にプレイして初めてわかる問題であり、早期アクセスで調整していくことが設計上の前提でもある。
一部のバグ(過去にはESCキーによるクラッシュが報告されていた)については、修正済みのアップデートが適用されているが、早期アクセスである以上、未知のバグが存在する可能性はゼロではない。「バグ込みで楽しむ」という寛容さを持って望むか、もう少し安定するまで待つかは個人の判断だ。
MISERYを最大限に楽しむためのアドバイス

序盤の優先順位——最初の72時間の生き方
MISERYを始めてすぐに「何をすればいいのかわからない」と感じる人は少なくない。特に核廃墟サバイバルというジャンルに慣れていない人は、どこから手をつければ良いか迷うことがある。序盤の優先順位を整理しておこう。
最初の探索ミッションでは、武器の収集と基本的なサバイバル物資(食料、水、医療品)の確保を優先する。バンカーに帰ってきたら、発電機の燃料確認と基本的なクラフトステーションの設置を急ぐ。食料の自給自足体制が整う前は、毎回の探索で食料を集め続けることが生存の基本になる。
アノマリーには最初から無理に近づかない方が良い。序盤は「アノマリーの場所を把握する」「アノマリーの種類を学ぶ」ことを目標にして、実際にアーティファクトを採取するのは装備が整ってからにする。最初から価値の高いアーティファクトを狙いすぎると、装備不足で命を落とすリスクが高い。
Co-opでプレイしている場合は、早い段階で役割を決めておくと効率が上がる。「俺は農業担当にする」「俺は武器クラフト担当」「俺は探索に特化する」という分担が、バンカーの発展スピードを大きく変える。ただし固定しすぎず、緊急時には柔軟に助け合えるようにしておくことも大切だ。
アノマリーとの付き合い方——観察してから判断する
アノマリーへの対処で最も重要なのは「観察する時間を取る」ことだ。突っ込む前に少し離れた場所から動きを見る。アノマリーの形状、発している光の色、周辺の地面の状態——これらがアノマリーの種類を示す手がかりになる。
アノマリーの周辺には「死んだプレイヤーの装備」が落ちていることがある。それは「このアノマリーで過去に誰かが死んだ」という証拠だ。「落ちているアイテムを取りたい」という欲張りが次の死亡を招くパターンは多い。アーティファクトや装備が見えても、安全が確認できていないうちは一歩引くことを覚えておきたい。
放射線系のアノマリーには、防護服の放射線耐性が直接効く。電撃系、火炎系のアノマリーにも対応した防護装備が存在する。「このエリアに何が多いか」を事前に把握して、それに合わせた装備を持参することがアノマリーへの最良の対策だ。
バンカー管理の長期戦略——何を最初に建てるか
バンカーの拡張は一度に全部はできない。限られたリソースで何を優先するかという戦略的判断が、中盤以降のゲームプレイを大きく左右する。
食料の自給自足体制は最優先課題の一つだ。外から食料を持ち帰り続けるスタイルは持続性が低く、農業区画を早期に整備することで食料問題を根本的に解決できる。農業には電力が必要なため、発電機の安定化と農業区画の整備はセットで考えると良い。
医療設備の充実も重要だ。探索中の放射線被曝、傷、精神的ストレスは避けられない。医療設備が充実していれば、傷ついた状態での帰還後にしっかり回復できる。序盤に医療設備を後回しにすると、傷が回復しきらないまま次の探索に出て、被害が蓄積していくという悪循環が生まれやすい。
Co-opのグループでプレイしている場合、人数が多い分だけバンカーへのリソース需要も増える。一人分の農業区画では全員分をまかなえないため、スケールアップの計画を早い段階から立てておくことが重要だ。「今の設備では何人分まで対応できるか」という視点でバンカーを拡張していく。
難易度選択の指針——初めての人はここから
MISERYが初めてなら、まず「アドベンチャラー」モードで始めることを勧める。エクスプローラーは簡単すぎてゲームの緊張感が薄れる可能性があり、サバイバーはシステムを覚えている段階では厳しすぎる。アドベンチャラーはゲームのすべてのシステムを体験しながら、それほど理不尽な難しさのない設計だ。
10〜20時間のプレイを経てゲームのリズムがつかめてきたら、サバイバーへの移行を試みると良い。難易度が上がることでゲームの緊張感が増し、一つ一つの判断の重みが増す。「アドベンチャラーがぬるく感じてきた」と思ったら、それがサバイバーに移行するサインだ。
ハードコアモードはMISERYに慣れた後の「究極の体験」として取っておくことを勧める。パーマデスの緊張感は最初から試すものではなく、ゲームを十分に理解した上で挑む特別なモードだ。
MISERYの将来と早期アクセスの今後
早期アクセスとしての現状評価
2026年4月現在、MISERYは早期アクセス段階にある。2025年10月のリリースから約半年が経過しており、その間に複数の大型アップデートが行われてきた。難易度システムの整備、Steam Deckサポート、クライミングメカニクスの追加、多数のバランス調整——これらはゲームとして成長し続けている証だ。
早期アクセスとして始めることのリスクは常に存在する。開発が中断される可能性、バランス調整が不十分なまま止まる可能性——これらはどの早期アクセスゲームにも存在するリスクだ。しかしMISERYについては、リリース後半年間のアップデート頻度と質、コミュニティへの対応の誠実さを見る限り、開発が前向きに進んでいるという印象を強く受ける。
「今すぐ完成品を遊びたい人」には向いていない。しかし「成長していくゲームを楽しみながら、開発に関わる気持ちで遊びたい人」には、現時点でも十分に面白い体験が待っている。早期アクセスという形式を「一緒に育てる体験」として前向きに捉えられる人には、このゲームへの参加をぜひ勧めたい。
今後追加が期待されるコンテンツ
MISERYの今後については、開発チームが具体的なロードマップを公開しているわけではないが、コミュニティのフィードバックから追加が期待される方向性は見えてくる。
ゾーンのエリア拡張は最も期待されているコンテンツだ。現在の手続き生成マップで体験できるエリアのタイプが増えれば、探索の多様性がさらに広がる。特定のビジュアルと危険を持つ新しいバイオーム(例えば冬の凍結ゾーン、工業地帯の深部など)が追加されると、ゲームの世界が厚みを増す。
アノマリーとアーティファクトの種類追加も期待されている。現在実装されているアノマリーとアーティファクトのレパートリーが増えれば、探索の発見感がさらに高まる。また、アーティファクトを組み合わせたビルド(キャラクターのカスタマイズ)という方向性が深まれば、ローグライト的な楽しさが増す可能性がある。
NPCとの関係性の深化も一つの方向性だ。現在のトレーダーとの取引は基本的なものだが、NPCとのより深い関係性(依頼、陣営システムなど)が追加されれば、ゾーンの中の「人間ドラマ」という層が加わる。StalkERシリーズでは陣営システムがゲームの深みを作っていたように、MISERYでも同様の要素が実装される余地は十分にある。
まとめ——MISERYは「核廃墟で仲間と生き延びる」という体験に本物の重みがある
MISERYを一言で表すなら「核排除ゾーンを舞台にした、緊張感のあるCo-opローグライトサバイバル」だ。しかしその一言には収まりきらない要素がたくさんある。
アノマリーの不気味な美しさと危険さ、放射能と精神的ストレスという二重の圧力、バンカーを少しずつ育てる達成感、毎回異なる廃墟を探索するローグライトのリプレイ性、そして最大5人で挑む協力プレイの緊張と笑い——これらすべてがひとつのゲームの中に詰まっている。
StalkERシリーズが作った「核廃墟ゲーム」の文脈に立ちながら、Co-opとローグライトという独自の要素で全く新しい体験を生み出しているのがMISERYの本当の価値だ。「StalkERがやりたいが友達と一緒に遊びたい」という欲求を、このゲームは正面から満たしてくれる。
早期アクセス段階での82%「非常に好評」という評価は、ゲームの根幹が既にしっかりしていることの証明だ。完成に向けてアップデートが続く中で、今後さらに体験が磨かれていくことは間違いない。
「核廃墟の廃墟に踏み込む緊張感」「仲間と一緒に危機を乗り越える達成感」「謎の異常現象が生み出す探索の興奮」——これら三つに少しでも心が動いたなら、MISERYはあなたのためのゲームかもしれない。バンカーの扉を開けて、外の世界に踏み出してみてほしい。その先には、何が待っているかわからない廃墟と、生き延びることへの純粋な喜びがある。
購入前に確認しておきたいこと
- 2026年4月現在、Steam早期アクセス段階であることを理解した上で購入する
- 最小動作要件はGTX 1650・メモリ8GBだが、快適なプレイには余裕のあるスペックが望ましい
- 最大5人のCo-opに対応しており、一人〜複数人でプレイできる
- 難易度プリセット(エクスプローラー〜ハードコア)と細かいカスタム設定があり、自分に合ったレベルで始められる
- LAN・オンラインCo-op、Steamクラウドセーブ、ゲームパッド対応、Steam Deckサポートあり
- StalkERシリーズやDayZ系のサバイバルゲームが好きな人には特に刺さる可能性が高い
MISERYはSteamで販売中だ。ゲームページのトレーラーを見てからでも遅くない。VICEが「最高のゲームプレイトレーラーのひとつ」と評したその映像を見れば、このゲームが自分に合っているかどうか、すぐに判断がつくはずだ。
MISERY
| 価格 | ¥1,500 |
|---|---|
| 開発 | Platypus Entertainment |
| 販売 | Ytopia |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows / Linux |
| プレイ形式 | シングル / マルチ |

