VEIN|友達と生き残れ、崩壊した世界のCo-opサバイバルホラー完全ガイド
夜が明けたばかりの郊外の住宅街。玄関先にあった車のエンジンはかかるが、ガソリンが半分しかない。冷蔵庫は空っぽで、窓の外からは低いうなり声が聞こえる。コンビニだったはずの建物の駐車場に、10体以上のゾンビが群れている。声に出さずに仲間へ目配せをして、裏口から回ることにした——VEINで毎朝起きる、こういう判断の積み重ねが、このゲームの面白さだ。
VEINは2025年10月24日にSteam早期アクセスで公開されたポストアポカリプスのCo-opサバイバルゲームだ。開発はRamjet Studiosという2人組のインディースタジオが担当している。2人という規模感からは信じがたいほど細部まで作り込まれており、Steamレビューでは9,000件を超えるレビューのうち89%が「好評」という高評価を維持している。「3DのProject Zomboid」と称するプレイヤーも多く、ゾンビサバイバルゲームの中でも一段上の本格派として認知されている。
このゲームの中核にあるのは「完全なリアリズム」と「友達と遊べるCo-op」の組み合わせだ。ゾンビは視覚・聴覚・嗅覚でプレイヤーを感知し、ドアをノックすると音に反応して群れが寄ってくる。食料は尽きれば農業や狩猟で確保しなければならず、車は燃料と整備が必要になる。こうした細部のリアルさを、最大4人のフレンドと一緒に乗り越えていく体験が、VEINの根っこにある。
2026年4月時点で早期アクセス段階にあり、マップは現在4×4キロメートルだが最終的には14×14キロメートルまで拡張予定だ。「まだ完成していない」という状態でこれだけの評価を得ているということは、完成に向かうにつれてさらに化けていく可能性が高い。この記事では、VEINのすべてを丁寧に解説する。
こんな人にハマるゲームです

- 友達と本格的なサバイバルゲームを一緒にやりたい人
- Project ZomboidやDayZが好きで、3D視点の同系統を探している人
- ゾンビの群れを静かにやり過ごすステルスプレイが好きな人
- 基地を建設・強化して「自分の拠点」を作るのが楽しい人
- 狩猟・農業・クラフトなど、生活インフラを一から構築する過程が好きな人
- 毎プレイで状況が変わる動的な世界で、緊張感のある探索を楽しみたい人
- ホラー的な雰囲気と生々しい緊迫感を求めているが、「怖すぎる」より「やばい、どうする!」という感覚が欲しい人
- インディーゲームを早い段階から応援しながら成長を見守りたい人
逆に注意しておきたいのは、現在早期アクセス段階という点だ。アニメーションがプレースホルダー(仮素材)のままだったり、ネットワーク周りに粗削りな部分があったりする。「完成品を遊びたい」という人には少し早いかもしれないが、「この段階でも十分すごい」という評価がSteamに溢れているのも事実だ。また完全なソロプレイも対応しているが、Co-opで遊ぶ環境がある人ほどゲームの真価が引き出される。
ゲーム概要——崩壊した近未来で生き延びる
世界観と舞台設定
VEINの舞台は「近未来のアポカリプス後の世界」だ。いつかどこかの近い未来、ゾンビアウトブレイクが発生して社会は崩壊した。政府機能は消滅し、インフラは停止し、都市には死者があふれている。プレイヤーはその中の生存者の一人として、文字通りゼロから生き延びていく。
舞台となるのは郊外の住宅地、小さな商店街、農地、工業地帯などが混在したエリアだ。現在の早期アクセス版では4つの町を含む4×4キロメートルのマップが探索できる。アメリカのどこかにある、ありふれた街の残骸——それがVEINのフィールドだ。朽ちた家々、ひっくり返った車、腐りかけた食料が詰まったスーパーマーケット。生々しい崩壊感がゲームの雰囲気を作っている。
特筆すべきは「世界が動いている」という設計だ。時間が経つにつれて季節が変わり、世界の状態が変化していく。大規模なランダムイベントが持続的に発生し、プレイするたびに違う状況が生まれる。「昨日は安全だったルートが今日はゾンビに占拠されている」といったことが起きる。静的なステージをクリアしていくのではなく、変化し続ける世界の中でどう生き延びるかを考え続けるゲームだ。
2人の開発者が作った驚異のゲーム
VEINを語る上で外せないのが、開発元であるRamjet Studiosという存在だ。このスタジオはわずか2人で構成されている。9,000件を超えるポジティブなSteamレビューを獲得しているゲームが、たった2人のチームによって作られているという事実は、プレイヤーの間で驚きをもって受け入れられている。
開発者はSteamの早期アクセスページの中で「外部からの資金提供なしに自己資金で開発してきた」と説明している。Early Accessへの参加は「コミュニティのフィードバックをもらいながら開発を続けるため」であり、「早期アクセスの売上に関わらず、VEINの開発は続ける」と明言している。小さなチームだからこそ、コミュニティとの距離が近く、フィードバックが反映されやすいという強みもある。
2人で5年かけて完成させるという計画を掲げているが、現時点でのコンテンツ量や作り込みのレベルは「2人作品とは思えない」というのがプレイヤーの共通認識だ。数百のシステムが互いに関連し合いながら動いているゲームを、2人が設計・実装・テストしているという事実だけでも、このゲームの特別感が伝わるだろう。
ゲームジャンルとの比較——何が似ていて、何が違うか
VEINはよく「3DのProject Zomboid」と表現される。Project Zomboidはトップダウン視点のゾンビサバイバルで、リアリズムと死んだら終わりのローグライク的な緊張感で知られている。VEINはその世界観や哲学(本格サバイバル、リアルな生活システム、死への恐怖)を3D視点で再現しようとしているという意味で、この比較はかなり的を射ている。
一方でDayZやRustのようなオープンワールドPvPサバイバルとも異なる。VEINは確かにPvPモードを持っているが、ゲームの重心は協力プレイにある。敵プレイヤーに殺されることを心配しながら探索するよりも、フレンドと一緒にゾンビの脅威に立ち向かうCo-opサバイバルとしての設計が基本にある。
ゾンビFPSとしては「Left 4 Deadのようなアクション性はなく、もっとじっくり系だ」というのが正確だ。銃をぶっ放してゾンビの群れを派手に掃討するゲームではなく、弾薬を節約しながら静かに動き、必要な物資を確保して拠点に帰るゲームだ。緊張とホラー的な雰囲気を保ちながら、サバイバル戦略を考え続けるのが楽しさの本質になる。
ゾンビAI——見て、聞いて、嗅いでくる恐怖

3つの感覚が生み出す緊張感
VEINのゾンビが他のゾンビゲームと一線を画している最大の理由は、そのAIの設計にある。ゾンビは「視覚」「聴覚」「嗅覚」の3つの感覚を持っており、それぞれが独立して機能する。
視覚については、ゾンビには視野角と視認距離がある。暗い場所では気づかれにくく、明るい場所では遠くからでも発見される。視線が通っていない状況(壁の影、建物の中など)では見つかりにくい。夜間に行動すればゾンビの視覚を欺けるが、その分自分たちの視界も悪くなる。
聴覚は、このゲームの緊張感の大きな源泉だ。銃声は広範囲に伝わり、ゾンビの群れを引き寄せる。ドアをノックする音も反応を引き起こす。走り回る足音も近くのゾンビに気づかれる原因になる。静かに動くということが、生存において極めて重要な意味を持つ。仲間と行動するときに「静かに!」と声をかけ合う場面が自然に生まれるのは、この聴覚AIのおかげだ。
嗅覚は最も独特な要素かもしれない。プレイヤーキャラクターには「匂い」がある。清潔な状態でいれば匂いは弱いが、血を浴びたり、特定の状況に長くいたりすると匂いが強くなる。ゾンビは風下にいるプレイヤーの匂いを感知できる。風向きを意識した行動が、上級者の生存戦略の一部になっている。
ゾンビバリアント——多様な脅威への対応
ゾンビは単一の種類ではなく、複数のバリアントが存在する。それぞれが異なる能力や行動パターンを持ち、状況に応じた対応が必要だ。
通常のゾンビは群れを形成して行動する。単体では大した脅威ではないが、10体、20体という群れになると圧倒的な危険になる。銃を使えば周囲の群れを引き寄せてしまうため、少数のゾンビを静かに排除する技術(近接武器の活用、おとりの使用)が重要になってくる。
特殊なバリアントについては、開発者が「恐怖心を生み出すゾンビバリアント」と表現しているように、通常のゾンビとは異なる能力を持つ変異体が登場する。早期アクセスの段階で実装されているバリアントは、動きの速いもの、特定の攻撃に耐性を持つもの、特殊な行動パターンを取るものなどだ。ゲームが進むにつれて、より多くのバリアントが追加される予定だ。
重要なのは、ゾンビは単なる「倒すべき障害物」ではなく、「できれば避けたい存在」として設計されている点だ。弾薬は有限で、銃声は群れを呼ぶ。物資の少ない状況で大量のゾンビと戦うことはリスクでしかない。ゾンビをいかに回避・誘導しながら目的を達成するかという思考が、このゲームの核心的なゲームプレイになっている。
夜の恐怖——昼と夜の違い
VEINでは時間が経過し、昼と夜が切り替わる。夜になると状況は一変する。視界が著しく制限され、ゾンビの視覚はほぼ機能しなくなる一方、自分たちも暗闇の中で動かなければならない。懐中電灯や松明の明かりは助けになるが、同時に「こっちがいる」というシグナルにもなる。
夜間の探索は昼間の何倍もの緊張感を生む。足音を抑え、光を最小限にして、暗い廊下を進む。ゾンビがいるかもしれない曲がり角を懐中電灯で確認しながら、ゆっくり進む。その緊張感はホラーゲームに近い体験をもたらす。友達と一緒にプレイしているときでも「うわ、何かいる!」「どこどこ!」「静かにして!」という会話が飛び交う場面は珍しくない。
夜は安全な拠点で待機するか、それともリスクを承知で探索を続けるか——この判断もゲームの重要な要素だ。グループで睡眠を取ることで時間を早送りできる機能(リッスンサーバー上で全員がベッドに入ると時間が進む)があるため、Co-opでの夜をどう扱うかもチームで話し合う必要がある。
サバイバルメカニクス——生き残るために必要なこと
食料と水の確保
VEINは長期的なサバイバルを想定して設計されている。最初のうちは廃棄された缶詰や食料を拾い集めることで食いつなげるが、それには限界がある。缶詰は尽きる。飲料水も尽きる。ゲームは「いつかは食料が尽きる」という前提で作られており、そこから先の生き方を考えることがこのゲームの長期的なサバイバルだ。
自給自足のルートとして用意されているのが、狩猟・釣り・農業だ。野生動物を狩ることで肉を確保し、川や池で釣りをすることで別の食料源を得られる。農地を開拓し、種を植え、水をやって収穫する農業は、安定した食料確保への近道になる。「缶詰を探し回る段階から、自分で食料を作れる段階へ」という成長曲線が、ゲームに長期的なモチベーションをもたらしている。
水についても同様だ。蛇口からはゲームの時点に応じて水が出たり出なかったりする。水道インフラが機能していないエリアでは、川の水を煮沸したり、雨水を集めたりする必要がある。水道の蛇口を調整できる(実際にインタラクションできる)というリアリズムが、世界への没入感を高めている。
健康と医療システム
VEINの健康管理はかなり本格的だ。ゾンビに噛まれたり引っかかれたりすれば傷を負う。傷は適切に処置しなければ悪化する。出血は放置すれば体力が失われていく。骨折すれば行動が制限される。
医療システムには複数の要素が含まれている。包帯やガーゼで止血できる。消毒液で感染を防ぐ。骨折には添え木が必要だ。さらに踏み込んだ要素として、インスリン(糖尿病の管理)や結核の治療といった、より複雑な疾病システムも実装されている。これらのシステムが存在することで、「健康な状態を維持すること自体が一つの課題」になっている。
仲間と一緒にプレイしているときは、互いの体調を確認し合うことが重要になる。一人が深刻なダメージを負っていれば、探索を一時中断して医療処置をする必要がある。「ちょっと待って、傷の手当てさせて」という場面が自然に生まれ、チームとして互いを気にかける体験につながっていく。
精神的ストレスシステム
VEINには「ストレス管理システム」が存在する。プレイヤーキャラクターは肉体的な傷だけでなく、精神的なストレスも受ける。目の前でゾンビに遭遇したとき、仲間がやられたとき、長時間の緊張状態が続いたとき——これらがストレスとして蓄積されていく。
ストレスが高まるとキャラクターのパフォーマンスに影響が出る。判断力が落ちたり、行動に支障をきたしたりする(具体的な演出はゲームの詳細による)。ストレスを解消するためには、安全な場所での休息、食事、水分補給、睡眠などが必要だ。これがゲームの「安らぎの瞬間」の価値を高めている。安全な拠点に戻ったときの安心感は、このシステムによって生まれる。
友達と一緒にいることがストレス軽減につながるかどうかはゲームの設定によるが、「一人でいると不安で、仲間がいると心強い」という感覚は、Co-opゲームとして非常に自然な体験として設計に組み込まれている。
スキルとキャラクター成長
VEINはRPG的な成長要素を持っている。キャラクター作成時に外見(髪型、体型など)と基本的なステータスをカスタマイズでき、その後のプレイでスキルが成長していく。早期アクセスの現段階ではスキルレベルの上限は50だが、完全版ではレベル100まで上がる予定だ。
医療スキル、クラフトスキル、戦闘スキルなど複数のスキルカテゴリーがあり、使った行動のスキルが上がっていく仕組みだ。医療をよく行えば医療スキルが上がり、処置の効果が高まる。クラフトを繰り返せばクラフトスキルが上がり、より良いものを作れるようになる。「何でもできるキャラ」より「特定の役割が得意なキャラ」が自然と育っていくため、Co-opでの役割分担が自然に生まれやすい。
キャラクターを「育てる」という感覚はゲームへの愛着を生む。このキャラクターは自分が積み重ねた行動の結果だ、という手触りが、サバイバルゲームの没入感に直結している。
拠点構築とフォーティフィケーション——自分たちの城を作る

拠点の意味と重要性
VEINにおける拠点は「安全な場所」以上の意味を持つ。戻ってくる場所、物資を保管する場所、仲間が集まる場所、ストレスを解消する場所——拠点はゲームプレイ全体の中心に位置している。「良い拠点を作ること」がサバイバルの安定に直結するため、拠点づくりに多くのプレイ時間を費やすプレイヤーも多い。
廃墟となった建物を「セーフハウス」として利用することもできるが、より能動的なアプローチは建設システムを使って拠点を構築・強化することだ。壁を補修して侵入経路を塞いだり、バリケードを作って遅延エリアを設けたり、物資の保管スペースを増やしたりといった作業が、拠点構築の基本になる。
Co-opでプレイしていると、拠点づくりは自然に分業になる。一人が外に出て木材を集めている間に、一人が拠点内のクラフトを進める。役割を分担することで効率が上がり、「俺が集めた木材で壁が完成した」という達成感が共有される。一緒にいる意味が、ゲームプレイの仕組みとして組み込まれている。
レイダーと拠点防衛
VEINの脅威はゾンビだけではない。「レイダー(Raiders)」と呼ばれる敵対的な人間も存在し、プレイヤーの拠点を狙って侵攻してくる。ゾンビへの対処とはまた違う緊張感を生む要素だ。
現在の早期アクセス版ではレイダーシステムは一部実装されているが、完全版に向けてさらに拡張される予定だ。拠点防衛のゲームプレイは、プレイヤーが自分の拠点をどれだけ守れるか、という課題を投げかける。バリケードの配置、見張り場所の確保、侵入経路の管理——軍事的な思考がサバイバルに加わってくる。
Co-opでプレイしているときのレイダー防衛は特に盛り上がる場面になりやすい。「北の入口から来てる!」「東の壁を突破された!」といった状況で、仲間と連携して対応する体験は、ただのゾンビ退治とはまた違う興奮を生む。
長期的な社会の再建
VEINのゲームタイトルと副題には「社会を再建する」という要素が含まれている。現在の早期アクセス版では基本的なサバイバルとベース構築が中心だが、完全版に向けて「NPCを使った集落(Settlement)システム」の追加が予定されている。生存者のNPCを集め、役割を与え、小さなコミュニティを形成していく——これが最終的なVEINのビジョンだ。
個人の生存から始まり、コミュニティの形成へ。その過程でフレンドと一緒に役割を分担し、協力して世界を少しずつ取り戻していく。スケールの大きな物語が、日々の細かいサバイバル行動の積み重ねとして体験できるゲームになることを、開発者は目指している。
探索と世界のリアリズム——すべてが触れられる世界
インタラクティブな世界設計
VEINの開発者が特にこだわっているのが「画面に見えるものはほぼすべて触れる」という世界設計だ。ゲームのSteamページには「ポストに触れて、蛇口を調整して、ドアをノックしよう。缶詰をゾンビに投げつけてもいい」という説明が書かれている。
この設計が何をもたらすかというと、世界への没入感だ。単なるデコレーションではなく、「この世界は本当に機能していた」という実在感が生まれる。ポストを開けて中身を確認できる。蛇口を回して水が出るかどうか確認できる。電力システムが生きている建物と死んでいる建物が存在する。洗濯機が動く(ある意味どうでもいいが、動くという事実が世界への信頼感を作る)。
Steamレビューで特に話題になっているのが「Night of the Living Dead(ナイト・オブ・ザ・リビングデッド)のDVDが実際にプレイできて、映画全体を視聴できる」という点だ。ゲーム内のテレビでクラシックゾンビ映画を見ながら友達とサバイバルするという体験は、VEINの世界の作り込みを象徴している。
車と交通システム
VEINでは車に乗って移動することができる。4×4キロメートルのマップを徒歩で移動するのと、車で移動するのでは行動範囲が全く変わってくる。車があれば遠くの町まで物資を取りに行き、大量の荷物を持って帰ることができる。
ただし車はただ乗れればいいというものではない。燃料が必要で、定期的に補充しなければならない。車体のダメージも蓄積されるため、部品の補修やアップグレードが必要だ。「車があれば楽になる」ではなく「車を維持するために追加の作業が必要になる」という設計で、乗り物もサバイバルの一要素として組み込まれている。
仲間と車に乗って探索に出かけるというシーンは、VEINのCo-opならではの楽しみの一つだ。運転手、助手席で見張り番をする人、荷台で物資の管理をする人——役割が自然に分かれる。帰り道に燃料が少なくなって焦る、という体験も友達と一緒だからこそ笑い話になる。
動的な季節と環境変化
VEINの世界は時間とともに変化する。季節の変化は単なるグラフィックの切り替えではなく、ゲームプレイに直結する。冬になれば農業ができなくなり、食料確保の手段が限られる。特定の季節に活発になるゾンビバリアントがいる。季節に合わせた装備(防寒具など)が必要になってくる。
ランダムに発生する大規模イベントも世界に変化をもたらす。どんなイベントが発生するかは毎プレイで異なり、「今回は〇〇が起きた」という体験の共有がプレイヤー間のコミュニケーションになる。「先週はあのエリアが安全だったのに、今週行ったら全滅しかけた」というような、生きている世界への感覚が積み重なっていく。
Co-opプレイの仕組みと魅力

マルチプレイの基本設定
VEINはオンラインCo-op、オンラインPvP、そしてソロプレイに対応している。Co-opの人数については、複数人でのプレイを前提に設計されており、フレンドと一緒にサーバーを立ち上げて遊ぶスタイルが基本になる。
ゲームにはリッスンサーバー(ホストが兼ねるサーバー)が採用されており、特別なサーバー費用なしにフレンドとプレイを始められる。Steamのフレンド機能を通じてセッションに参加できる。ゲームのセーブデータはSteamクラウドに保存されるため、異なるPCからでも続きを遊べる。
オフラインのソロプレイも対応しており、セッションを中断して再開することも可能だ。「今日は一人で少し進めておいて、明日友達を呼んで一緒に続ける」という使い方もできる。ただし一人でプレイするときのバランスはCo-opとは異なるため、ソロとCo-opを切り替えるときは難易度感の違いに注意が必要だ。
Co-opならではの体験
VEINはソロでも遊べるが、フレンドと一緒にプレイすることで大きく体験が変わるゲームだ。それはゲーム内のシステムが「役割分担」と「協力」を自然に生み出す設計になっているからだ。
スキルシステムによって、各プレイヤーが得意な役割を持つようになる。医療に特化したキャラクター、クラフトと建築が得意なキャラクター、戦闘スキルを伸ばしたキャラクター——それぞれが違う強みを持って一つのチームを形成する。「俺が傷の手当てをするから、お前は見張りをしてくれ」という会話が自然に生まれる。
探索の場面でも役割分担が機能する。一人が建物内を捜索している間、残りのメンバーが出入口を見張る。物資を大量に持ち帰るために車を運転して運ぶ役、荷降ろしをする役に分かれる。こういった分担は、ゲームのシステムが強制するものではなく、状況から自然に発生する。「こっちは終わった。そっちはどう?」という会話がCo-opの楽しさを作っている。
睡眠システムも興味深い設計だ。リッスンサーバーでは全員が床に就くことで時間を早送りできる。「夜は危ないから全員で寝よう」という判断を全員で下す瞬間は、一緒にサバイバルしているというリアリティを演出する。一人だけ眠れないプレイヤーがいれば夜は明けない——全員の合意が必要だという設計が、協力の物語を作っている。
緊張と安堵の共有体験
Co-opサバイバルホラーとしてのVEINの強みは、「緊張と安堵を仲間と共有できること」にある。一人でプレイしていれば「怖かった」で終わる体験が、仲間と一緒だと「やばかったな、あれ!」という話になる。
「あのとき俺が引き寄せてしまったゾンビの群れに全員で包囲された場面」「燃料切れで廃工場の真ん中に取り残された夜」「建物の2階にこもって夜明けを待った時間」——こういった体験はソロでも起きるが、友達と一緒のときの方がずっと鮮明な記憶になる。VEINは「物語を作る」ゲームだ。プレイするたびに新しい出来事が起きて、それが友達との共有体験として積み重なっていく。
クラフトシステム——手元にあるもので生き延びる
クラフトの基本
VEINにはクラフトシステムが実装されており、素材を組み合わせてアイテムを作ることができる。廃材を集めてバリケードを作る、素材から包帯を作る、金属片を集めて工具を作る——廃墟の世界にある素材を有効活用するクラフトが、生存の幅を広げる。
クラフトのレベルが上がるほど作れるものの幅が広がり、品質も上がっていく。序盤は基本的なサバイバル道具を作るだけで精一杯だが、スキルが上がるにつれてより複雑なものを作れるようになる。拠点の建材から武器のカスタマイズパーツまで、クラフトの幅は非常に広い。
重要なのは、クラフトが「作れるから作る」ではなく「今の状況で何が必要か」を考える作業になっている点だ。弾薬が少ないから近接武器を強化しておく、という判断や、次の遠征に備えて医療キットを多めに用意する、という準備が、クラフトシステムを通じた戦略的思考として機能する。
武器と戦闘装備
VEINには銃器、近接武器を含む多様な武器が存在する。廃棄された建物や車の中に落ちている銃器を回収したり、クラフトで近接武器を作ったりして装備を整えていく。
銃器は強力だが弾薬の消費が激しく、発砲音がゾンビを引き寄せる。近接武器は音が出ず弾薬も不要だが、ゾンビに接近しなければならないリスクがある。状況に応じた武器の使い分けが生存効率を大きく左右する。「ここは銃で一気に片付けるべきか、ナイフで静かに処理すべきか」という判断を繰り返すことになる。
武器の部品アップグレードや整備もシステムとして存在する。車だけでなく武器も劣化していき、定期的なメンテナンスが必要だ。「武器が壊れそう」という状況で探索に出なければならない緊張感も、このゲームのリアリズムを構成する要素だ。
早期アクセスの現状と今後のロードマップ

現在の実装状況
2026年4月時点での早期アクセス版VEINには、以下の要素が実装されている。
キャラクター作成と外見カスタマイズ、RPGスタイルのステータスとレベリングシステム、マルチプレイ(Co-opおよびPvP)、戦闘システム、採集・調理・クラフト、拠点建設と基本的な防衛、ゾンビAI(視覚・聴覚・嗅覚)、複数のゾンビバリアント、車両システム(移動・燃料管理・部品整備)、農業・狩猟・釣り、医療システム、スキルシステム(上限50)、昼夜サイクルと季節変化、動的なランダムイベント、4×4キロメートルの探索マップ(4つの町を含む)。
開発者は「数百の相互に関連したシステム」が存在すると説明しており、プレイヤーのレビューでも「まだ全部把握できていない」という声が出るほどのシステム量だ。早期アクセス段階でこれだけの内容が実装されていることが、高評価の主な理由になっている。
今後追加される予定の要素
開発者が公表しているロードマップによると、今後5年かけて以下の要素が追加される予定だ。
マップの大幅拡張(4×4から14×14キロメートルへ)は最も大きな変更になる。現在の約12倍の面積に相当し、探索できるエリアが劇的に広がる。これに伴って新しい町、新しいランドマーク、新しいゾンビバリアントが追加される予定だ。
NPCシステムの実装も大きな追加要素だ。現在はプレイヤーと敵(ゾンビとレイダー)しかいない世界に、中立的なNPCが加わる。集落(Settlement)システムによって、生存者のコミュニティを形成・管理できるようになる。クエストシステムも追加され、ストーリー的な目標がゲームに加わる。
グラフィックスの改善も予定に含まれる。現在プレースホルダーになっているアニメーション、武器のビジュアル、キャラクターモデルが順次アップグレードされていく。ゲームとしての基本的な楽しさは現時点でも十分だが、見た目のクオリティはアップデートのたびに向上していく見通しだ。
レイダーシステムの拡張も計画されている。現在の基本的な実装から、より複雑な拠点侵攻システム、レイダーの派閥、交渉や同盟といった要素が追加される予定だ。
早期アクセスへの開発者スタンス
Ramjet Studiosは早期アクセスについて非常に誠実な姿勢を示している。「この状態で購入するべきか?」という点については「現状でも十分楽しめるが、完成版とは異なる」と正直に述べており、プレイヤーに対して過大な期待を持たせないよう配慮している。
重要なのは「外部資金なしの自己資金開発」という背景だ。早期アクセスの売上が開発継続の資金源になっており、売上が少なくても開発を続けるというコミットメントが示されている。小さなスタジオだからこそ、コミュニティのフィードバックを直接取り入れやすい立場にある。発売以来の継続的なアップデートがプレイヤーからの信頼につながっている。
5年という開発期間は長く感じるかもしれないが、現時点でのコンテンツ量を考えると、完成版では相当なボリュームになることが容易に想像できる。今から遊び始めることは、ゲームの成長を最初から見届けられるという意味でも、一つの楽しみ方だ。
推奨スペックと動作環境
動作に必要なPCスペック
VEINはオープンワールドの3Dサバイバルゲームであり、それなりのPCスペックが必要だ。快適にプレイするためには推奨スペックに近い環境を用意することを推奨する。
最低スペックはOS: Windows 10、グラフィックス: RTX 2060相当、RAM: 12GB、ストレージ: 60GBだ。最低スペックでの動作は可能だが、特に複数人でCo-opプレイする場合はさらに高い処理能力が求められる場面がある。
推奨スペックはOS: Windows 10以降、グラフィックス: RTX 3080相当、RAM: 24GB、ストレージ: 100GBだ。オープンワールドのサバイバルゲームとしては比較的要求が高い部類に入る。特にRAMは12GBでも起動できるが、24GB推奨となっているため、16GBで問題なく動くかどうかは個人差がある。
SSDへのインストールを強く推奨する。オープンワールドのゲームはHDDでのロードが遅い場合があり、特に動的なランダムイベントや季節変化が発生するVEINでは、ストレージの速度がゲームプレイの快適さに影響する。
LinuxとSteam Deck対応
VEINはWindowsだけでなくLinuxにも対応している。Steam Deckでの動作については公式の検証状況を確認することをお勧めするが、Linuxネイティブに対応しているという事実は、PC以外のプレイ環境の選択肢があることを示している。
ただしSteam Deckのような携帯型デバイスでプレイする場合、推奨スペックとのギャップが大きい。Steam Deckのスペックは最低動作要件には届いているが、快適にプレイできるかどうかは設定を下げた場合でも不確かな部分がある。メインのプレイはデスクトップPCやゲーミングラップトップを想定しておくのが安全だ。
価格と購入について

現在の価格設定
2026年4月時点でのVEINの価格はSteamにて2,600円だ(早期アクセス価格)。完全版リリース時に価格が変更される可能性があるため、現在は早期アクセス価格として設定されている状態だ。インディーゲームとして、コンテンツ量に対してリーズナブルな設定と言える。
DLCについては現時点では特に展開されておらず、基本ゲームのみの提供となっている。将来的にDLCが登場する可能性はあるが、開発者は現時点での基本ゲームの充実を優先している姿勢が伺える。
友達と一緒に始めるタイミング
VEINはCo-opゲームなので、一緒に遊ぶ友達がいる場合は同時に購入を検討するのが最も盛り上がる。一人が先に購入してソロで進めておき、後で友達を誘う、という進め方も悪くないが、最初から一緒に始めた方がゲームへの愛着が等しく育ちやすい。
セールについては、SteamのインディーゲームはSteamセール時に割引になることが多い。ただし2,600円という価格帯はもともとそれほど高くないため、「セールを待つ」よりも「友達と気持ちが盛り上がったときに買う」方が体験として良いことが多い。サバイバルゲームは「一緒に始めた瞬間の熱量」が最初の楽しさを作るからだ。
このゲームに向いている人、向いていない人
特にオススメできる人
VEINが特に刺さるのは、本格的なサバイバルゲームのメカニクスを「友達と一緒に体験したい」という人だ。Project ZomboidやDayZを一人で遊んで面白かったが、Co-opで遊べる同系統のゲームを探していた——そんな人にとってVEINはほぼ理想に近い答えになる。
「ゲームの世界にちゃんと没入したい」という人にも向いている。すべてに触れられるインタラクティブな世界設計、リアルな医療・食料・精神システム、昼夜と季節のサイクル——これらがまとまった「生きている世界」への没入感は、多くのゲームが提供できないレベルだ。
「インディーゲームの成長を見届けたい」という人にも適している。2人の開発者が5年かけて作り上げるゲームの、最初期に参加するという体験は希少だ。現在のコミュニティとの近さ、フィードバックが反映される速さ、アップデートのたびに世界が広がっていく体験——これはリリース後に始めると味わえない楽しみだ。
注意しておきたい点
一方で、いくつかの注意点も正直に書いておく。
まず早期アクセスであることの限界がある。アニメーションが一部プレースホルダーのままで、見た目の荒削り感は否定できない。ネットワーク機能にも改善の余地があり、まれに接続の問題が起きることがある。「完成品のクオリティを期待して購入すると違和感がある」という点は事前に理解しておく必要がある。
次に、推奨スペックが高いという点だ。RTX 3080推奨というのはミドルからハイエンドのグラフィックスカードが必要になることを意味する。手持ちのPCが最低スペックに近い場合、快適にCo-opプレイできるかどうかは一度試してみないと分からない部分がある。
また「じっくり系サバイバル」という点も確認しておきたい。VEINはLeft 4 Deadのようなアクションゲームではなく、判断とリソース管理が中心のゲームだ。「銃をぶっ放して爽快に倒す」という快感を求めている人には、プレイスタイルが合わない可能性がある。購入前にゲームプレイ動画を確認して、自分のプレイスタイルに合っているか確認することを勧める。
プレイヤーの声——Steamレビューから見えること

ポジティブな評価の共通点
VEINのSteamレビュー(9,000件以上で89%が好評)からは、いくつかの共通したポジティブな評価が見えてくる。
最も多いのが「2人の開発者が作ったとは思えない」という驚きだ。関連するシステムの数、世界の細部への作り込み、ゲームプレイの深さ——これらが小規模スタジオのゲームという先入観を大幅に超えているという評価だ。
「Project Zomboidの3D版」という比喩が多く使われているのも特徴的だ。Project Zomboidは長年にわたってゾンビサバイバルゲームの最高峰として評価されているタイトルであり、その3D版という表現はVEINへの最大級の賛辞と言える。
「細部へのこだわり」を称賛するコメントも目立つ。車の部品交換、洗濯機が動く、映画のDVDをゲーム内で視聴できるといった「なくても問題ないが、あると世界への信頼感が増す」要素が、このゲームの世界観への没入を深めていると評価されている。
ネガティブな評価への目線
一方でネガティブな評価には「アニメーションがプレースホルダー状態」「ネットワーク機能に改善の余地がある」という声がある。これらは早期アクセスゲームとして予想される問題点であり、多くのプレイヤーが「現状の課題として認識しつつも、ゲームの将来性に期待している」という評価をしている。
重要なのは、ネガティブなレビューが全体の11%程度に留まっており、しかも多くがゲームの根本的な問題よりも「早期アクセスとしての粗削り感」を指摘するものだという点だ。ゲームプレイの核心部分への否定的な評価は比較的少ない。
VEINとCo-opサバイバルホラーの未来
このジャンルにおけるVEINの位置づけ
Co-opサバイバルゲームというジャンルは過去10年で大きく成長した。DayZ(2013年)、The Forest(2018年完全版)、Valheim(2021年)、Sons of the Forest(2023年)——それぞれが異なる方向性でCo-opサバイバルの可能性を広げてきた。
VEINがこのジャンルで独自の位置を占めているのは「ホラー的な緊張感」と「圧倒的なリアリズム」の組み合わせだ。Valheimのように美しく神話的な世界観ではなく、現代の崩壊した郊外という生々しい舞台設定。Sons of the Forestのようなオカルト的な恐怖ではなく、ゾンビという「理解できる存在」への恐怖と生存本能。そのリアルさがVEINの独自性を作っている。
3DのProject Zomboidという評価が示す通り、VEINはこのジャンルの次の水準を目指している。5年後に完成版がリリースされたとき、Co-opサバイバルホラーというジャンルの代表作として評価されている可能性は十分にある。
コミュニティと今後の展開
早期アクセス段階での活発なコミュニティ形成は、このゲームの将来にとってポジティブなシグナルだ。SteamコミュニティフォーラムやDiscordでは、バグ報告から機能リクエスト、攻略情報の共有まで活発な交流が行われている。小さなスタジオだからこそコミュニティの声が届きやすく、プレイヤーの意見がゲームの形を変えていく過程に参加できる。
将来的に14×14キロメートルのマップが完成し、NPCシステム、クエスト、完全な拠点防衛システムが実装されたVEINは、現在とはまったく異なるスケールのゲームになる。今から遊び始めることは、そのゲームの原点を体験することでもある。
まとめ——VEINはどんなゲームか
VEINはポストアポカリプスの崩壊した世界で、友達と一緒に生き延びることを目指すCo-opサバイバルホラーゲームだ。ゾンビは視覚・聴覚・嗅覚で感知してくる。食料は尽きれば農業や狩猟で補わなければならない。車は燃料と整備が必要で、医療は包帯からインスリンまでリアルに機能する。すべてのオブジェクトに触れられる世界で、季節が変わり、ランダムイベントが発生し、世界は動き続ける。
2人の開発者が作ったとは信じられないほどのシステム量と作り込みで、9,000件以上のSteamレビューのうち89%が好評という高い評価を維持している。早期アクセス段階のため荒削りな部分はあるが、現時点でも十分な遊び応えがあると評価するプレイヤーが大多数だ。
友達と一緒に廃墟を探索し、「これはどこにある?」「静かに動こう」「なんか匂い強くなってない?」と話しながら生き延びる体験——それがVEINだ。完成に向けてこれから5年かけて成長していくゲームの、最初期に参加するという楽しみ方も含めて、Co-opサバイバルホラーが好きな人なら間違いなく刺さる一本だ。
価格は2,600円。今すぐSteamで確認してみてほしい。
VEIN
| 価格 | ¥2,600 |
|---|---|
| 開発 | Ramjet Studios |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows / Linux |
| プレイ形式 | シングル / マルチ |

