Prince of Persia Lost Crown 時間操作で巡る2Dメトロイドヴァニア
正直に言うと、最初に映像を見たとき「あ、これ絶対面白い」と思った。Ubisoftがシリーズを2Dに戻してきた、しかもメトロイドヴァニアとして。ペルシャ神話の世界観を背景に、時間操作アクションをこれでもかと詰め込んだ意欲作だ。

2024年1月18日にリリースされた「Prince of Persia: The Lost Crown」(プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠)は、久しぶりにシリーズが本気を出してきたと感じさせる一作だった。アニメ調のグラフィックで描かれる主人公サルゴンの動きは鮮やかで、操作していて気持ちいい。Steam上でも「非常に好評」を獲得し、6,130件超のレビューでその評価が証明された。
このゲームで特に面白いのは、時間操作の使い方だ。残像を置いて、後からその場所にワープする「シャドウ・オブ・ザ・シムルグ」は、探索でも戦闘でも頭をフル回転させてくれる。「手と頭を同時に忙しくする」という感覚が、プレイ中ずっと続く。
この記事では、実際にプレイして感じた魅力と、引っかかった点を正直に書いていく。メトロイドヴァニアが好きな人、アクションゲームに久しぶりに触れる人、どちらにも参考になれば嬉しい。
こんな人に読んでほしい
- メトロイドヴァニアが好きで、新しい良作を探している人
- Prince of Persiaシリーズを昔プレイしていて、復帰を考えている人
- 時間操作や残像系のアクションに興味がある人
- アニメ調グラフィックのアクションRPGが好きな人
- 難易度調整が細かいゲームを求めている人
ゲーム概要:シリーズが2Dに帰ってきた
Prince of Persiaシリーズといえば、2000年代に「時間の砂」三部作で世界的な人気を誇った3Dアクションアドベンチャーだ。その後しばらく音沙汰がなかったシリーズが、2024年にまったく別の形で戻ってきた。
開発はUbisoft Montpellierが担当。彼らはRayman Legendsを作ったチームで、2Dアクションの作り方を知っている人たちだ。そのキャリアがそのままこのゲームに活きている。
舞台はペルシャ神話の世界「カフ山」。主人公のサルゴンは精鋭戦士集団「不死の七人」の一員で、呪われた山に閉じ込められた王子を救いに行く。ストーリーは神話的な重厚さがありつつ、アニメ調のビジュアルで軽快に進む。日本語字幕にも対応しているので、ストーリーをしっかり追いたい人にも安心だ。
「シリーズ初プレイだったけど、世界観の作り込みに引き込まれた。ペルシャ神話ってこんなに面白いんだって気づかせてくれた」 (Steamレビューより)
ゲームシステムはメトロイドヴァニア方式。広大なマップを探索しながら新しいアビリティを獲得して、それまで行けなかったエリアに侵入していく。このジャンルの醍醐味である「あそこに行けるようになった!」という瞬間が、丁寧に設計されている。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Prince of Persia: The Lost Crown(プリンス オブ ペルシャ 失われた王冠) |
| 発売日 | 2024年1月18日 |
| 開発・販売 | Ubisoft Montpellier / Ubisoft |
| ジャンル | 2Dメトロイドヴァニア・アクション |
| 対応プラットフォーム | PC(Steam/Ubisoft Connect)、PS4、PS5、Xbox One、Xbox Series X/S、Nintendo Switch |
| 価格 | 4,400円(税込)※セール時は大幅割引あり |
| 日本語対応 | 字幕対応あり |
| プレイ人数 | 1人 |
| クリア時間目安 | 約15〜25時間(探索度合いによる) |
時間操作の気持ちよさ:このゲームの核心

このゲームで一番語りたいのは、時間操作アビリティの設計だ。単に「時間を戻せる」とかそういう話じゃない。もっと具体的で、もっと能動的な仕組みになっている。
序盤から使えるようになる「シャドウ・オブ・ザ・シムルグ」は、その場に残像を置いておき、後からその地点にワープできるスキルだ。使い方が無限にある。高い足場を飛び越えるとき、ボス戦で距離を取るとき、謎解きでタイミングを計るとき。「置いておく→後で使う」という発想の切り替えが、プレイヤーの思考回路を少しずつ変えていく。
「時間操作の謎解きが本当に上手く設計されていて、答えがわかったときの爽快感がたまらない。アクションと頭脳戦が両立している」 (Steamレビューより)
さらに進むと「アトラル・カ」「クロノス・ストーム」など複数の時間操作スキルが解放される。それぞれが独立して機能するだけでなく、組み合わせることで難しいプラットフォームアクションをクリアできる仕組みになっている。ただこの「組み合わせ」が、慣れるまでは頭の整理に時間がかかる部分でもある。
操作の反応速度は抜群だ。入力してからサルゴンが動くまでのラグがほぼゼロ。思ったとおりに動く、という感覚がずっと続く。これはアクションゲームとして最低限の条件であり、このゲームは確実にクリアしている。
戦闘システム:パリィと連続技の組み合わせ

戦闘は近接攻撃、遠距離攻撃(弓)、時間操作アビリティ、そしてパリィの組み合わせで成り立っている。一見シンプルに見えるが、実際に触ると奥が深い。
パリィのタイミングが独特で、これを覚えると戦闘がガラリと変わる。敵の攻撃に合わせて弾くと、カウンター攻撃が入り、リズムが生まれる。失敗すると大ダメージなので緊張感も高い。
「パリィ成功時の爽快感が抜群。ボスがパターンを見切れた瞬間の達成感は久々に感じた気持ちよさだった」 (Steamレビューより)
ゲームを進めると「アムレット」と呼ばれるアクセサリを装備できるようになる。攻撃力上昇、体力回復、時間操作の強化など種類が豊富で、自分のプレイスタイルに合った構成を探す楽しさがある。パリィが得意ならパリィ強化アムレットを積む、遠距離が好きなら弓強化を中心に組む、という感じで選択肢がある。
ただし一部のボス戦は、特に終盤になると要求精度が上がる。複数の攻撃を回避しながら隙を作り、時間操作を組み合わせて攻める、というシークエンスが増えてくる。慣れていないと長期戦になりやすいし、そこで「難しすぎる」と感じる人も出てくる。
「ボスの攻撃パターンが多彩で最初は圧倒されたけど、何度かトライして体に染み込んでくると急に楽になった。その過程が楽しかった」 (Steamレビューより)
探索設計:マップが本当によくできている

メトロイドヴァニアとしての地図設計が秀逸だ。カフ山というひとつの世界が、複数のバイオームに分かれていて、それぞれに固有の見た目と仕掛けがある。砂漠の遺跡、水浸しの洞窟、空中庭園……エリアをまたぐたびに雰囲気ががらりと変わる。
このゲームの面白い機能に「スクリーンショットマップ」がある。探索中に「後でここに戻ろう」と思った場所のスクリーンショットを撮り、マップ上に貼り付けておける。攻略メモを残す感覚で使えて、後から「あの場所、あのアビリティで行けるかも」と気づける設計になっている。
「スクリーンショットマーカーの機能が神がかっていた。行けなかった場所を記録しておいて、新しいアビリティで戻ったときの達成感が最高」 (Steamレビューより)
隠し通路、秘密の部屋、やり込み要素も充実している。普通にクリアするだけなら15時間前後だが、全収集を目指すと25時間以上かかる。「サラリとクリアして終わり」ではなく、探索を楽しみたい人向けのボリュームが用意されている。
一方で、マップの広さゆえに迷子になりやすい場面もある。ゲームのデフォルト設定ではナビが少なめで、「次にどこへ行けばいいかわからない」という状況に陥ることがある。これはメトロイドヴァニアの伝統的な課題ではあるが、初心者には少しストレスになるかもしれない。
難易度設計:これ、本当に良心的だと思う

このゲームの難易度設計は、かなり細かく調整できる。単純に「イージー/ノーマル/ハード」ではなく、複数のパラメータを個別に変えられる仕組みになっている。
たとえば「プリンスの目的地を表示する」オプションをオンにすると、次に向かうべき場所が常にわかる。探索の謎解きが苦手な人はこれをオンにして、アクション面に集中する遊び方ができる。逆に「目的地非表示」で純粋なメトロイドヴァニアとして遊ぶこともできる。
「難易度設定が柔軟なのがよかった。ストーリーだけ楽しみたい人向けのオプションと、ガチで挑みたい人向けのオプションが両方ある」 (Steamレビューより)
体力の量、敵のダメージ倍率、ポーションの効果量、パリィの受付時間……これらを組み合わせて自分だけの難易度を作れる。アクションが得意じゃない人でもストーリーと世界観を楽しめる設計になっていて、開発チームが「遊んでほしい人全員に届けたい」という姿勢で設計してくれたのがわかる。
ただしこの豊富なオプションは、逆に「どれが自分に合っているかわからない」という問題を生む可能性もある。最初からすべての設定が開放されているので、初プレイ時に迷う人もいるかもしれない。ひとまずデフォルト設定で始めてみて、詰まったら調整する、という使い方が一番スムーズだと感じた。
グラフィックとサウンド:アニメ調が世界観にはまっている

アニメ調の2.5Dグラフィックについては、賛否が出ることも想定していたが、実際に動いている映像を見ると文句のつけようがない。背景の奥行き感と、キャラクターのフラットなアニメーション、このギャップが独特の映像美を生んでいる。
サルゴンのアニメーションが特に丁寧で、攻撃、回避、移動、すべての動作に「溜め」と「抜け」がある。プレイヤーが操作したとき、キャラクターが「動かされている」のではなく「動いている」と感じる。この違いは実際に触らないとわかりにくいが、長時間プレイしたときの疲労感に直結する。
「グラフィックがアニメ調で心配していたけど、実際に動いているのを見たら一瞬で気にならなくなった。むしろこのスタイルじゃなきゃダメだと思うようになった」 (Steamレビューより)
BGMはペルシャ・中東的な旋律をベースにしながら、エレクトロニックな要素を混ぜた独自のサウンドだ。戦闘中はテンポが上がり、探索中は落ち着いた雰囲気になる。エリアごとにテーマが変わり、「この音楽が流れているときはここにいる」という感覚が自然と身につく。
気になった点を正直に書く
全体的に完成度の高いゲームだが、気になった点もある。正直に書いておく。
ストーリーの複雑さ
ペルシャ神話をベースにした世界観は魅力的だが、登場人物と固有名詞が多く、序盤は「誰が誰で、何のために戦っているのか」が整理しにくい。ストーリー重視でプレイしたい人は、序盤のカットシーンをゆっくり見ることをすすめる。
「神話系の固有名詞が多くてストーリーを追うのが大変だった。ゲームプレイは最高なんだけど、ストーリーに没入するまで時間がかかった」 (Steamレビューより)
終盤の難易度上昇
中盤まではテンポよく進めるが、終盤に近づくにつれて要求精度が上がる。特に終盤のボスは「複数の時間操作を素早く切り替えながら、パリィのタイミングも合わせる」という複合的なスキルを求めてくる。ここで「急に難しくなった」と感じる人が一定数いた。
ただしこれは難易度設定で緩和できる。「苦手な部分だけ難易度を下げて先に進む」という選択肢が常にある点は、このゲームの大きな美点だと思う。
DLCの追加コンテンツ
本編とは別にDLC「Mask of Darkness」が2024年9月に追加された。新エリアと新ボス、追加ストーリーが含まれる有料コンテンツだ。本編をクリアして「もっと遊びたい」と感じたプレイヤーには選択肢として存在する。
Ubisoftの本気が伝わった作品

率直に言うと、このゲームはUbisoftが久しぶりに「ちゃんと作った」と感じさせてくれた一作だった。大作オープンワールドのリリースが続く中、こういう「コンパクトだけど密度が高い」ゲームを出してくれたことへの安堵感がある。
Ubisoft Montpellierチームは、Rayman Legendsで培った2Dアクションの技術をそのままぶつけてきた。操作感、マップ設計、アビリティの解放タイミング、どれをとっても「知っているチームが作った」という安心感がある。
「Ubisoftがこんなゲームを出すとは思わなかった。良い意味で裏切られた。メトロイドヴァニアの新定番になると思う」 (Steamレビューより)
メタスコアは87点(PC版)。ユーザースコアも8点台を維持している。批評家もプレイヤーも、このゲームを「2024年のアクションゲームの佳作」として認識している。
「メトロイドヴァニア入門」にもなれるゲーム

メトロイドヴァニアというジャンルは、慣れていない人には「どこに行けばいいかわからない」「詰まったときの対処法がわからない」という壁がある。このゲームはその壁を、難易度設定と導線設計で丁寧に下げてくれている。
「ホロウナイト」や「メトロイドドレッド」を遊んで難しすぎた、という人が次に挑戦するゲームとして、このLost Crownは相性がいいと感じた。目的地ナビをオンにして、難易度を少し下げれば、初めてメトロイドヴァニアをクリアできた、という体験を届けてくれる可能性がある。
「メトロイドヴァニアが初めてだったが、このゲームのおかげでジャンルの楽しさがわかった。次はホロウナイトに挑戦してみようと思えた」 (Steamレビューより)
逆に、「ホロウナイト」や「エンダーリリィズ」をやり込んだガチ勢にも、「目的地非表示」「最高難易度」での縛りプレイが用意されている。間口が広くて天井が高い、という設計だ。
時間操作アクションの完成形に近い

Prince of Persiaといえば「時間を戻す」というイメージが強かった。今作はそのコンセプトを大きく発展させて、「時間を操作する」という次のステージに持っていった。
残像を置いてワープする、時間を局所的に遅らせる、過去の位置に戻る。これらは単なるギミックではなく、ゲーム全体の設計に深く織り込まれている。探索のパズルも、ボス戦も、すべてが時間操作の応用問題として設計されている。
新しいアビリティを手に入れて、それを覚えて、使いこなせるようになる流れが気持ちいい。「できなかったことができるようになる」という体験が、15〜25時間ずっと続く。これがこのゲームの一番の価値だと感じた。
「時間操作の使いこなしが上達していく感覚が最高。30時間以上プレイしても飽きなかった」 (Steamレビューより)
PC版とSwitch版の違い

このゲームは複数のプラットフォームで遊べるが、特にPC版とSwitch版は体験に差がある。
PC版はフレームレートが高く(最大144fps以上も可能)、操作のレスポンスがさらに鋭くなる。高リフレッシュレートのモニターがある環境なら、PC版が快適だ。
Switch版は携帯モードで遊べる利便性がある。解像度は下がるが、このゲームの2Dアニメ調グラフィックは小さい画面でも映える。通勤・通学中に少しずつ進める遊び方に向いている。
Steam版はセールで大幅割引されることがある(65%オフのセールが確認されている)。価格を重視する人は、セールのタイミングを待つのが賢い選択だ。
まとめ:2024年のメトロイドヴァニアで一番手堅い選択肢
「Prince of Persia: The Lost Crown」は、シリーズに思い入れがある人にも、メトロイドヴァニアを初めて触る人にも、アクションゲームをしっかり遊び込みたい人にも、それぞれに応えられる間口の広さを持っている。
- メトロイドヴァニアのジャンルが好き
- 操作感が鋭いアクションゲームを求めている
- 時間操作アクションの爽快感を体験したい
- 難易度を柔軟に調整しながら自分のペースで遊びたい
- ペルシャ神話・中東世界観のゲームに興味がある
- 3Dアクションを期待している人(このゲームは2D)
- 固有名詞が多い神話系ストーリーが苦手な人
- 終盤の高精度アクション要求に挫折しやすい人(難易度調整で対応可能)
操作感の気持ちよさ、時間操作の独創性、難易度設計の良心的さ。どれをとっても「作り手がちゃんと考えて作った」という誠実さが伝わってくる。Ubisoftのラインナップの中で、このゲームは間違いなく近年のベスト作品のひとつだ。
セール時なら2,000円を切ることもあるので、少しでも気になっている人は価格が下がったタイミングで手に取ってみてほしい。後悔はしないはずだ。
Princess Khalifa: Legacy of Wrath
| 価格 | 基本無料 |
|---|---|
| 開発 | Cag |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル |
