スタミナゲージが消えた。それだけでも「Mortal Shell II」は前作から大きく変わった、と言えるかもしれない。
ソウルライクというジャンルにおいて、スタミナ管理は長年にわたって「当たり前のルール」として君臨し続けてきた。攻撃を繰り出すたびにゲージが削れ、使い切ったら無防備になる——あの緊張感がソウルライクの醍醐味だという意見も根強い。でも2020年に登場した初代「Mortal Shell」の開発元Cold Symmetryは、そのルールを続編で正面から取り払うことを選んだ。
2026年4月に公開された12分間のゲームプレイリビール映像を見て、正直驚いた。スタミナバーがない戦闘がどれだけ自由で、どれだけ攻撃的で、それでいてちゃんとソウルライクらしい緊張感を保っているか——映像だけでも伝わってくるものがあった。
60以上のダンジョンが点在するオープンワールド、3種類の「シェル」によるプレイスタイルの違い、近接と遠距離を融合させた新しい武器システム。初代から5〜6年の沈黙を経て作られた続編は、あらゆる方面でスケールアップしている。
開発元Cold Symmetryはわずか30名のインディースタジオだ。その小さなチームがどこまでのものを作ったのか——2026年のリリースを前に、今わかっている情報をすべてまとめた。
こんな人におすすめ

- ソウルライクは好きだけどスタミナ管理が苦手で、もっと自由に動き回りたい人
- 初代Mortal Shellに雰囲気の良さは感じたものの、動作のもっさり感が気になっていた人
- Elden RingやLies of Pをクリアして次のダークファンタジーを探している人
- 60以上のダンジョンを攻略しながら広大なオープンワールドを探索したい人
- 複数キャラクターを切り替えるシステムが好きで、それぞれに違う戦闘スタイルを楽しみたい人
- ハードコアな難易度でありながら、一周の中で多様なルートが楽しめるゲームが好きな人
- インディースタジオ発の意欲作を応援する気持ちのある人
逆に、ストーリーとキャラクター掘り下げを最優先にしたいRPGプレイヤーには少し向かないかもしれない。このゲームはあくまで戦闘と探索が核にある作品で、ナラティブは謎めいた断片として散りばめられるスタイルだ。
ゲーム概要——5年越しの続編は何が変わったか

初代Mortal Shellという出発点
まず前作の話をしておきたい。2020年8月に発売された初代「Mortal Shell」は、Cold Symmetryという4人の元AAAゲーム開発者が立ち上げた小さなスタジオの処女作だった。Steamではいまもレビューが「賛否両論」のままで、「スタミナゲージがない代わりに全身を石に変えて攻撃を無効化するハードニングシステム」「プレイヤーキャラクターの代わりに死亡した戦士の遺体を操る『シェル』システム」という二つの独自メカニクスで話題を呼んだ。
しかし評価が割れた理由もはっきりしていた。パリィのタイミングが独特すぎて使いこなせないプレイヤーが続出したこと、全体的な動作のもっさり感、ゲームボリューム不足と感じる声。「雰囲気は最高だけどゲームプレイが惜しい」という評価が多かった。
それでも累計200万本を売り上げ、The Game Awardsでノミネートを果たした。インディースタジオの処女作としては十分すぎる結果だ。そのサクセスがあったからこそ、続編に向けてチームを拡大し、より野心的な作品を目指せる環境が整った。
Cold Symmetryの成長と30人体制
初代の4人チームから、Mortal Shell IIの開発では30名体制に拡大している。それでも大手スタジオの1割以下のサイズだ。パブリッシャーはPlaystackが引き続き担当。Summer Game Fest 2025でアナウンストレーラーが公開され、2026年4月に初のゲームプレイリビール映像が披露された。
Playstackのコメントでは「これが当社最大のゲーム投資」と明言されている。インディーパブリッシャーがそこまで言い切るのは珍しい。それだけ本作への期待と信頼があるということだろう。
スタンドアローン続編という位置づけ
Mortal Shell IIは続編ではあるが、「スタンドアロン」として設計されている。初代を未プレイでも問題なく楽しめる構成だ。
世界観やロアは前作と地続きではあるものの、物語は独立した新しいエピソードとして描かれる。主人公の「ハービンジャー(Harbinger)」は、アンダーマザー(Undermether)と呼ばれる神聖な存在から盗まれた「オーヴァ(Ova)」を取り戻す旅に出る——という骨格の物語だ。
相変わらずソウルライク的な「謎めいた断片としてのナラティブ」スタイルが採用されており、クリプティックなセリフと散りばめられたロアを読み解きながら世界の真実を掘り下げる楽しみがある。
基本情報

| タイトル | Mortal Shell II |
|---|---|
| 開発 | Cold Symmetry |
| パブリッシャー | Playstack |
| ジャンル | ソウルライク / ダークファンタジーアクションRPG |
| プラットフォーム | PlayStation 5 / Xbox Series X|S / PC(Steam) |
| リリース時期 | 2026年(詳細日程未定) |
| 価格 | スタンダード版 $49.99 / Revered Edition $69.99(PS5限定) |
| 言語 | 英語(日本語対応有無は未発表) |
| オープンベータ | 2026年夏予定(PC/Steam) |
| 前作売上 | 200万本 |
評価ポイント——なぜこの作品が注目を集めているのか

1. スタミナ制廃止による戦闘の自由化
Mortal Shell IIで最も大きな変更点として公式が強調しているのが、スタミナシステムの完全廃止だ。
ソウルライクにおけるスタミナゲージは、「どのタイミングで攻撃し、どのタイミングで回避し、どのタイミングで待つか」というリソース管理の核にあるメカニクスだ。Dark Souls、Elden Ring、Lies of P——ほぼすべての名作ソウルライクがこのシステムを持っている。
Mortal Shell IIはそれを取り除いた。つまり、攻撃をどれだけ繰り出しても、ロールで回避し続けても、スタミナ切れで棒立ちになることがない。「攻めっ気のある、アドレナリン全開の戦闘」がコンセプトだという。
スタミナ管理がなくなった代わりに、敵の「ポスチャー(体勢)」を崩すことに戦闘の軸が移った。敵のポスチャーを崩し切ったときに発動できるクリティカルストライクやブルータルな処刑アニメーションが、戦闘の爽快感の核になっている。
ゲームプレイ映像を見ると、ハンマーで敵を直撃して体ごとよろめかせたり、ハンドキャノンで連続ヒットして盾を吹き飛ばしたりと、スタミナを気にせず押し込む戦い方が気持ちよさそうに描かれている。
2. ハードニングとパリィ——初代から進化した防御システム
スタミナが消えた代わりに、防御面ではどうなっているか。
初代で最大の特徴だった「ハードニング(全身を石化して攻撃を無効化する能力)」は健在だ。ただし今作では「クールダウンのある特殊能力」として再設計されている。攻撃モーション中でも、回避中でも、パリィを失敗した直後でも、空中でも発動できるという柔軟性が加わった。ショートクールダウンの設定により、ボタン連打での乱用はできないが、ここぞというタイミングで確実に発動できるのは前作から変わらない。
そしてパリィシステムも大幅に改善されているらしい。前作ではパリィのモーション発生が遅すぎて「使えない」という声が多かったが、今作では当てるタイミングで黄色いフラッシュが光り、成功時にリポスト(反撃)の窓が開くというビジュアルフィードバックが強化されている。Lies of PのソウルレジェンドパリィやSekiroのはじきを思わせる、気持ちよさの重視された設計だ。
ハードニングで被ダメゼロ、パリィでリポスト、ポスチャーブレイクで処刑——この3つの防御・反撃ループが戦闘の深さを作り出している。スタミナがないからと言って「ただ殴るだけ」ではない。むしろ読み合いのレイヤーはより複雑になっているとも言える。
3. 3種類のシェルによるプレイスタイルの多様化
Mortal Shellシリーズの核となるのが「シェル」システムだ。プレイヤーキャラクターのハービンジャーは自分自身の肉体を持たず、倒れた戦士の遺骸に憑依することで戦闘力を得る。それぞれのシェルは異なる体力・能力・戦闘スタイルを持ち、成長させることでタレントが解放されていく。
今作では3種類のシェルが確認されている。
エレドリム・ザ・ヴェネラブル(Eredrim, The Venerable)
重厚な鎧を纏った騎士タイプのシェル。重武器との相性が良く、「ショルダーバッシュ」というスキルで敵をスタッガー、ポスチャーブレイク、そして追加ダメージを一気に与えられる。タンク的なプレイが好きなプレイヤー向けだ。防御力が高く、重いグレートソードやグレートアックスを使い倒す豪快なスタイルが得意。
ティエル・ザ・アコライト(Tiel, The Acolyte)
細身で動きが素早いローグ的なシェル。スウィフトな移動と素早い回避が得意で、軽い武器を高速で振り回すアグレッシブなプレイスタイルに向いている。ガラス大砲タイプで、くらうと痛いが機動力で補う。
プロキシマ・ザ・ブルードシーカー(Proxima, The Broodseeker)
角を持つ完全武装の女性戦士。3シェルの中で最もユニークな能力を持ち、フックを使って敵を引き寄せる、または自分が引き寄せられて接近し、その直後に雷撃攻撃を叩き込むという独特のコンボが使える。変則的な動きを好むプレイヤーに向いているタイプだ。
シェルは探索中に発見されてコレクションされていく形式で、すべてのシェルを取得することで多様な戦術オプションが広がる。プレイ中にシェルを切り替えることも可能で、局面に応じたシェル選択が戦略の幅を広げる。
4. 60以上のダンジョンが点在するコンパクトなオープンワールド
初代Mortal Shellは「フォールグリム(Fallgrim)」という比較的狭い沼地を拠点に、いくつかの塔型ダンジョンを攻略する構成だった。それが今作では一気にスケールが拡大している。
舞台は同じフォールグリムだが、今作ではこの世界が「コンパクトなオープンワールド」として開放されている。朽ちた要塞、霧に包まれた森、氷に閉ざされた荒野——多様な地形が広がり、それぞれのバイオームに独自の敵やアイテムが配置されている。
特に注目なのが60以上の「ハンドクラフト型ダンジョン」の存在だ。ランダム生成ではなく、手作業でデザインされたダンジョンが60個以上。ダークソウルの「大書庫」やエルデンリングの「地下迷宮」のような、探索しがいのある場所が大量に用意されているということだ。
具体的には以下のような場所が確認されている。
- 古代神々の廃れた神殿
- 立入禁止の森
- 凍てついた墓場
- 骨で造られた城砦
ファストトラベルシステムも搭載されており、「ビーコン(Beacons)」と呼ばれるサイト・オブ・グレース的な休憩所を起点に世界各地を行き来できる。開発者は「プレイヤーの時間を尊重したコンパクトな設計」と表現しており、だだっ広いだけで薄味なオープンワールドではなく、密度を重視した作り方をしているようだ。
5. 進化した武器システムと遠距離戦闘の追加
初代Mortal Shellには「ウェポン(Weapons)」と「シェル(Shells)」という2つの軸があった。ウェポンは数種類から選ぶシンプルな構成だったが、今作では武器の種類と深さが大幅に拡張されている。
現時点で確認されている武器カテゴリは以下のとおりだ。
- ヘビーソード(Heavy Sword)
- ハンマー(Hammer)
- チゼル(Chisel)
- サイス(Scythe)
- グレートソード(Greatsword)
- グレートアックス(Greataxe)
- クロスボウ(Crossbow)
- ハンドキャノン(Hand Cannon)
注目したいのがクロスボウとハンドキャノンの存在だ。初代は近接戦闘オンリーだったが、今作では遠距離武器が導入されている。ゲームプレイ映像では「マシンガンクロスボウ」のような連射型クロスボウで敵の盾を破壊するシーンや、ハンドキャノンで敵のパーツが吹き飛ぶシーンが確認できる。
また、「タースト(Tarstones)」という素材を武器に塗布することで、状態異常や属性ダメージを付与できる仕組みも確認されている。Elden Ringのグリースに近いシステムで、戦況に合わせた武器カスタマイズができる。
アップグレードシステムについても「より深い武器設計と豊富なアップグレードオプション」と公式が明言しており、前作よりもビルド構築の自由度が増していることが期待される。
6. ビジュアルとアート的方向性の進化
初代Mortal Shellはアートディレクションへの評価が一際高かった。腐敗した自然、骨と朽木と泥が混ざり合う異形の生物たち、虚ろな目をした戦士たちの遺骸——あのビジュアルに惚れ込んだプレイヤーも多い。
続編でも同じ方向性は維持しつつ、よりポリッシュされた映像クオリティになっている。特にカメラワークが変わっており、初代よりも主人公に寄ったサードパーソン視点が採用されている。従来の「Dark Souls的な引き気味カメラ」ではなく、「God of War的な密着カメラ」に近い設計だ。これによりキャラクターの動きとアニメーションが画面に迫力を持って届くようになっている。
敵のデザインも秀逸で、ゲームプレイ映像では胴長な異形の怪物、甲冑を身につけた巨大な騎士型ボス、植物と獣が融合したような生物など、多彩なクリーチャーデザインが確認できる。最初のボス「ソルニール・スティルブレード(Solnir Stillblade)」も映像に登場しており、プレイヤーを圧倒するような規模感が描かれていた。
賛否両論——気になる点も正直に

賛成意見・期待の声
ゲームプレイリビール映像に対するファンの反応はおおむね好意的だった。YouTubeのコメント欄やResetEraのスレッドでは「初代の雰囲気を保ちながら劇的に改善されている」「12分のゲームプレイ映像の見せ方が完璧」という声が多い。
特に評価されているのが以下の点だ。
- スタミナ廃止による戦闘の流れるような自由さ
- 3シェルそれぞれのキャラクターとしての個性の強さ
- 60ダンジョンという具体的な数字が示すボリューム感
- 遠距離武器の追加による戦術の幅の広がり
- グラフィックと演出クオリティの向上
- 「10分以上の連続ゲームプレイ映像+モンタージュ」という誠実なトレーラー構成
「初代は雰囲気は良かったが動作がガッカリだった。続編は別ゲーと言えるほどの大幅改善」という評価をよく見かける。前作ファンにとっては「あの世界観でこのゲームプレイが遊べるようになった」という喜びが大きいようだ。
懐疑的な意見・心配な声
一方で、慎重な意見も少なくない。
「スタミナ廃止で難易度は下がらないか」という懸念は一番よく見かける疑問だ。ソウルライクのスタミナ管理は難易度の根幹でもあるため、それを取り除いてソウルライクとしての歯ごたえが維持できるのかという疑問は理解できる。開発側はポスチャーシステムとハードニングのクールダウン、そして敵の攻撃の凶悪さで難易度を担保するとしているが、実際にプレイするまでは判断できない。
「オープンワールド化で密度が落ちないか」という懸念もある。初代は「コンパクトな一本道ダンジョン」を丁寧に作り込んだ作品だったため、オープンワールドに広げることでその密度が薄まるのではという心配だ。開発側は「コンパクトで密度の高いオープンワールド」と繰り返し強調しているが、言葉と実態が一致するかは実機プレイを待つしかない。
「前作のコミュニティでは評価が分かれた」という事実も念頭に置くべきだ。初代はSteamで「賛否両論」のままだった。「ポテンシャルはあるが詰めが甘い」という印象が定着してしまっており、続編でそのイメージを払拭できるかどうかが重要な局面だ。
「発売日が決まっていない」という点も不安要素として挙げる声がある。2026年4月時点でも「2026年内」という大枠しかアナウンスされておらず、延期リスクを心配するファンもいる。もっとも、2026年夏にSteamでオープンベータが予定されているため、それほど遠い話ではないはずだ。
「シェルが3体では少ない」という意見も出ている。前作は4体のシェルが登場したが、今作のトレーラーで確認できたのは3体のみ。発売までに追加シェルが発表されるのか、それとも3体に絞って一人ひとりを深く作り込む方向性なのかは不明だ。
プレイヤーの声
「初代はノリで買ったけど、ハードニングの使いどころを掴んでからが本当に面白かった。続編でパリィが使いやすくなってたら最高だ」
Steamユーザー(前作プレイヤー)
「12分間ノーカットに近い形でゲームプレイを見せてくれたのは本当にありがたい。ゲームプレイを隠してPVだけ豪華にする会社が多い中で、Cold Symmetryはこういうやり方が好きだ」
ResetEra ユーザー
「スタミナなしのソウルライクがちゃんとゲームになるか最初は疑問だったけど、ポスチャーシステムで難易度を作るんなら納得できる。Sekiroもスタミナなかったしね」
海外ゲームフォーラムのコメント
「Proxima(プロキシマ)のフック→雷撃コンボが映像でも見てて楽しそうで、絶対こいつで最初に遊ぶって決めた。メカニクスが個性的すぎてテンション上がる」
YouTubeコメント欄
「前作のガッカリ感があるから慎重に見てるけど、映像を見る限りあれから何年もかけて作り直したんだなって伝わってくる。インディースタジオが30人でここまで作れるならすごい」
ゲームブログコメント
似たゲーム8本——Mortal Shell IIが好きならこれも

1. Mortal Shell(初代)
言うまでもなく前作だ。続編の前に世界観とシェルシステムの感覚を掴んでおきたい人にはまずこれ。SteamやPS4/PS5でプレイ可能で、現在は価格も下がっている。ゲームプレイの粗さは否定できないが、あの独特のアート的雰囲気は続編でも受け継がれているので、予習として最適だ。Mortal Shell IIはスタンドアロンなので必須ではないが、ロアをより深く楽しみたいなら一度触れておく価値はある。
2. Elden Ring
ソウルライクの到達点とも言える2022年のフロム・ソフトウェア作品。広大なオープンワールドに圧倒的な数のダンジョン、ボス、ロア——すべてが超高水準で整えられている。スタミナ管理の緊張感はしっかりあるため、Mortal Shell IIで「スタミナなし」に慣れてからこちらに来ると難しく感じるかもしれない。逆にElden Ringを遊んだ後にMortal Shell IIの「スタミナ解放感」を楽しむのもいい。メタスコア96点。
3. Lies of P
2023年の韓国スタジオRound8制作のソウルライク。ピノキオをモチーフにしたダークファンタジーで、パリィシステムの気持ちよさはジャンル最高クラスと言っていい。Mortal Shell IIのパリィ重視の戦闘設計と共鳴する部分が多い。武器のカスタマイズ自由度も高く、キャラクタービルドを突き詰めたい人に向いている。Steam評価「非常に好評」で続編開発も発表済み。
4. Sekiro: Shadows Die Twice
2019年フロム・ソフトウェア作品。スタミナゲージが存在せず、代わりに「体幹(ポスチャー)」ゲージを敵に溜めることで忍殺を決めるシステムが核。Mortal Shell IIのスタミナ廃止+ポスチャーブレイクというコンセプトと最も近い設計思想を持つ。純粋な剣戟の読み合いとしての完成度が高く、ソウルライクの中でも異色の存在感を持つ傑作。
5. Lords of the Fallen(2023年版)
2023年のCI Gamesによるリブート作品。「アクサ(Axiom、生の世界)」と「アンブラル(Umbral、死の世界)」を行き来するデュアルワールドシステムが特徴。視覚的に重厚なダークファンタジー世界をたっぷり楽しめる。Mortal Shellに近い雰囲気を持ちながらもゲームのスケールはより大きい。初代Mortal Shellと比べると全体的なボリュームとポリッシュ度が高い。
6. The Surge 2
Deck13制作のSFソウルライク。敵の特定部位を狙って切り落とし、それをアーマーパーツとして獲得するというユニークなシステムが特徴。スタミナ管理は存在するが、戦闘における「部位破壊」の重視という設計思想はMortal Shell IIのポスチャーブレイクと共鳴する部分がある。SF設定が好きなソウルライクファンにはおすすめ。
7. Remnant II
2023年のGunfire Games制作。ソウルライクとTPSシューターを融合させた作品で、銃器を中心にした戦闘スタイルが特徴。Mortal Shell IIが遠距離武器を新要素として追加したという文脈で、「近接も遠距離も使いこなすダークファンタジー」という方向性に興味があるならRemnant IIも試してほしい。ランダム生成ダンジョンと協力プレイ対応も魅力。
8. Dark Souls III
2016年のフロム・ソフトウェア作品。ソウルライクというジャンルの原点に近い体験を求めるなら外せない。スタミナ管理の緊張感、絶妙に配置されたダンジョン設計、深いロアと謎めいたナラティブ——Mortal Shellシリーズが影響を受けた要素をすべて純粋な形で楽しめる。Mortal Shell IIをきっかけにジャンルを掘り下げたい人への入り口としても最適。
ゲームの深堀り——知っておきたい細かい話

ビーコンシステムとファストトラベル
Mortal Shell IIには「ビーコン(Beacons)」と呼ばれる拠点システムがある。ソウルシリーズのサイト・オブ・グレース(篝火)に相当するもので、ここで休憩、レベルアップ、装備変更、ファストトラベルが行える。
前作では拠点となる「ファロスのランタン(Fallgrim Tower)」に定期的に戻る必要があり、マップ移動が不便という声もあった。今作ではビーコン間のファストトラベルが実装されることで、広くなった世界を快適に巡れるようになっている。
ハービンジャーとシェルの関係性
プレイヤーが操作する「ハービンジャー」は肉体を持たない霊的な存在だ。この状態では非常に脆弱で、戦闘能力もほぼない。シェルに憑依することで初めて戦士としての能力を発揮できる。
シェルを「失う」とハービンジャー状態に戻り、即座に別のシェルを探して憑依する必要が生じる。初代Mortal Shellの「転がってパリィしながらシェルに戻る」というあの緊迫した場面は今作でも引き継がれている。
シェルとの絆を深めることで新しいタレントがアンロックされ、長所が伸びていく育成設計になっている。どのシェルに集中投資するかという選択も、プレイスタイルの個性化につながる。
世界観——アンダーマザーとオーヴァの謎
Mortal Shell IIの物語の核にあるのは「アンダーマザー(Undermether)」という神聖な存在から「オーヴァ(Ova)」が盗まれたという出来事だ。ハービンジャーはこのオーヴァを取り戻す使命を帯びて旅に出る——というのが大筋だ。
ソウルライク的な慣習として、物語の詳細はアイテム説明文、NPCの断片的なセリフ、環境描写を通じて少しずつ明かされていく。公式がゲームプレイ以前に物語を詳しく語ることはなく、「実際に遊んで発見する」ことを前提にした設計だ。
前作との世界観的なつながりについては現時点では詳細不明。「スタンドアロン」とされているため、前作のロアを知らなくても楽しめるように設計されているはずだが、前作ファンへの「お楽しみ」的な要素もあるのかもしれない。
不思議なイースターエッグ——ヒツジに変身?
ゲームプレイ映像の中で、プレイヤーキャラクターが一瞬ヒツジに変身して後ろ足で立ちながら腕を振り回す場面が確認されている。前作にも奇妙なユーモアが散りばめられていたことを考えると、意図的なイースターエッグか、特定のスキルやアビリティによる変身なのか——Vice誌もこれを「Mortal Shell 2のゲームプレイがついに公開、そしてヒツジでプレイできる」という見出しで報じるほど話題になった。
Cold Symmetryはこのシーンについて特に説明していない。謎は謎のままだ。
オープンベータの予定
2026年夏にPC(Steam)でオープンベータが予定されている。時期は6月前後と報道されているが、正式な日程はアナウンスされていない。製品版に先行して実際のゲームプレイを体験できる機会なので、気になっている人はSteamでウィッシュリストに追加しておくといいだろう。
Revered Edition(特典版)の内容
PS5限定のコレクターズエディション「Revered Edition」は$69.99で、以下の内容が含まれている。
- ゲーム本体(PS5版)
- スチールブック(SteelBook)
- ファインアートプリント
- アートブック
通常版の$49.99と比較すると$20の差があり、コレクターアイテムとしてまとまったパッケージだ。デジタル版の価格は未発表だが、スタンダード物理版に準じると予想される。
まとめ——インディーソウルライクの新たな挑戦に注目
「Mortal Shell II」は、前作の「ポテンシャルはあったが粗かった」という評価を正面から受け止めて、5年以上をかけて作り直した作品だという印象を受ける。
スタミナ廃止は単なる「イージーモード化」ではなく、戦闘の核をリソース管理からポスチャーブレイクの読み合いに移行させるという、設計全体を見据えた判断だ。Sekiroが「スタミナなし」でも最高難易度のソウルライクとして成立したことを考えると、その方向性は十分あり得る。
60以上のハンドクラフトダンジョン、3種のシェルによる戦闘スタイルの違い、遠距離武器の追加、タースト(塗布)システムによる武器カスタマイズ——要素の数だけを見れば初代の数倍のボリュームとオプションが用意されている。
心配なのは詰めの部分だ。前作も設計の面白さはあったが、調整の甘さで評価を下げた経緯がある。30名というインディー規模のチームでオープンワールド+60ダンジョンをどこまで高品質に作り上げられるか——ここが正直なところ最大の不安要素でもある。
2026年夏のオープンベータで実際に触れてみれば、かなりの手応えが掴めるだろう。前作ファンも、ソウルライク好きの新規プレイヤーも、ひとまず夏のベータを楽しみに待つのがいい。今から注目しておく価値のある作品だと思っている。
