「Skate Story」地獄を滑る幻想スケートゲーム、Devolver Digital発のSteam97%好評作
最初にひとつだけ言わせてほしい。このゲームをプレイし終えた翌日、レビュアーの一人が実際にスケートパークに行ったらしい。デンファミニコゲーマーに掲載されたレビューでそう書かれていたのを読んで、思わず笑ってしまった。そりゃそうなる、という感じで。
「Skate Story」は、地獄を舞台にしたスケートボードゲームだ。主人公はガラスと痛みでできた悪魔。悪魔と取引した結果、月まで滑り届いてそれを丸ごと飲み込めば自由になれる、というとんでもない条件を課されてしまう。プレイヤーはその悪魔を操り、冥界の9層をオーリーやキックフリップ、グラインドで切り抜けながら月を目指す。
聞いただけでもおかしい。でも実際にプレイするともっとおかしくて、それでいて妙に刺さる。2025年12月8日にリリースされたこの作品は、Steamで97%という圧倒的好評を記録し、PC Gamer 87点、Eurogamer 5/5、IGN 8/10という批評家からの高評価も獲得した。開発者はニューヨーク在住のインディー開発者Sam Engが一人で作り上げた作品で、発売元はDevolver Digital。価格は2,000円前後とコンパクトながら、そのゲーム体験は間違いなく独特だ。
スケートゲームと聞いて「また量産型か」と思った人にこそ、読んでほしい。これはスポーツゲームの顔をした、もっと深くて奇妙なものだ。
こんな人に読んでほしい

- Tony Hawk’s Pro Skaterやolli olliが好きで、次に遊ぶスケートゲームを探している人
- インディーゲームの変わった世界観やアートスタイルに惹かれる人
- サイケデリックな音楽とゲームプレイが融合した体験を求めている人
- Devolver Digitalパブリッシュの作品を追いかけている人
- 6〜8時間でサクッとクリアできて、それでいて記憶に残るゲームを探している人
- 「スケートボードには興味ないけど、なんかこのゲームのビジュアルが気になる」という人(Sam Eng本人も、このタイプのプレイヤーを想定してると言っている)
- Steam Deckで寝転がりながらチルなゲーム体験をしたい人
逆に、リアル系スケートシミュレーターを求めている人や、百時間単位で遊べるオープンワールドじゃないと満足できない人には向かないかもしれない。このゲームはそういうものじゃない。もっと詩的で、もっと短くて、それでもなぜか何度も頭の中に浮かんでくるタイプの作品だ。
ゲーム概要:ガラスの悪魔と地獄のスケートボード

「Skate Story」のシナリオはこうだ。主人公は地獄に生きる悪魔。ある日、悪魔の親玉(Devil)から一枚のスケートボードを渡される。条件はシンプルで非情。「月まで滑り届いて、月を飲み込め。そうすれば自由にしてやる」。
これだけでもう十分おかしいが、さらにこの主人公はガラスと痛みでできた体を持っている。転べば文字通り粉々に砕け散る。地獄の冥界を、ガラスの体で、スケートボードで駆け抜けながら、月を目指す。これが「Skate Story」のすべてだ。
9層の冥界とその構造
ゲームは全9チャプターと1つのエピローグで構成されている。各チャプターはThe Underworldの異なる層に対応しており、それぞれ異なる視覚的テーマと雰囲気を持つ。
The Emptylands(空虚な荒野)、灰と煙が立ち込めるエリア、ネオンで彩られた通路、ワックスが塗られた縁石が並ぶ路地、高く積まれたレール…それぞれの層が独自のビジュアルアイデンティティを持ちながら、全体として一つの統一されたサイケデリックな地獄絵図を形作っている。
単純にコースをクリアするだけでなく、途中で出会う様々な存在たちとの交流もある。忘れっぽいカエル、苦しみ続ける魂、地獄に住む様々な悪魔たち。彼らとの短い会話が積み重なって、このゲームならではの独特の世界観を作り出している。
ソロ開発7年の集大成
「Skate Story」が初めて公の場に姿を見せたのは2022年のこと。当初は2023年リリース予定だったが、2024年に延期、さらに2025年12月8日まで発売が伸びた。ソロ開発のプレッシャーと完成度への こだわりが、この長い開発期間の背景にある。
Sam Engはニューヨーク在住のインディー開発者。過去には2018年にNintendo Switch向けに「Zarvot」という立方体のキューブを主人公にしたゲームを発表している。「Skate Story」は彼のセカンドタイトルにあたる。
開発中、EngはUnity上で独自のツールシステムを構築した。静的型付けで動的に拡張可能なイベント・アクション・トリガーシステムを作り上げ、コードなしで全ゲーム機能のプロトタイプが可能な環境を整えた。一人のデベロッパーが7年かけてここまで作り込んだ、という事実だけで、このゲームに対して一定の敬意が湧いてくる。
ビジュアルのインスピレーション:グリップテープのガラスビーズ
このゲームを語る上で外せないのが、独特のガラス質ビジュアルだ。主人公はガラスでできているが、それはただの見た目上の選択じゃない。Sam Engはスケートボードのグリップテープに埋め込まれているガラスビーズからインスピレーションを得た、とCreative Bloqのインタビューで語っている。
さらに、このゲームのビジュアルと音響の美学は、Engが夜間にスケートをしながらシンセウェーブミュージックを聴いていた実体験から来ている。Blood Culturesのサウンドを聴きながら実際にスケートし、現実世界のテクスチャーや光の質感を観察しながら開発を進めていたという。つまりこのゲームの世界は、現実のスケートカルチャーから抽出されたエッセンスを、地獄という舞台に投影したものとも言える。
Y2K的なローファイ美学と、サイケデリックなネオンカラー。ガラスが砕けるときの視覚的フィードバック。光と影の使い方。すべてが意図的で、すべてが「スケートボードの体験」という感覚を起点に設計されている。
基本情報

| タイトル | Skate Story |
|---|---|
| 開発 | Sam Eng(ソロ開発) |
| 発売・販売 | Devolver Digital |
| 発売日 | 2025年12月8日 |
| 対応プラットフォーム | PC(Steam / Mac)、PlayStation 5、Nintendo Switch 2 |
| Steam評価 | 圧倒的に好評(97%、1,680件以上のレビュー) |
| Metacritic | PC:89点 / PS5:80点 / Switch 2:84点 |
| OpenCritic | 87点 |
| 価格(Steam) | 約2,000〜2,300円($19.99) |
| クリア時間 | メインストーリー約6〜8時間 / やり込みで10〜12時間 |
| ジャンル | スケートボードアドベンチャー / アクション |
| PlayStation Plus | Extra / Premiumプランで発売日から追加コスト無し |
| 日本語対応 | テキスト日本語対応あり |
| チャプター数 | 全9チャプター+エピローグ |
| トリック数 | 70種類以上 |
| サウンドトラック | Blood Cultures、John Fio |
評価ポイント:なぜ97%になれたのか

Steam97%という数字は、単純に「みんなが好き」というだけじゃない。特にインディーゲームの場合、コアなファンが熱心にレビューを書いてくれる作品は評価が高くなりやすい側面もある。ただ、「Skate Story」の場合は批評家の評価も軒並み高く、Metacriticでも89点(PC版)を記録している。つまり、一般プレイヤーと批評家の両方に刺さった作品だということだ。何がそこまで評価されたのか、具体的に分解してみる。
1. 操作感のリズムと気持ちよさ
「Skate Story」の操作は、外から見ると複雑そうに見えるかもしれない。70種類以上のトリックがある、と聞くと身構えてしまう。でも実際にプレイすると、その入力体系は驚くほどシンプルだ。
すべてのトリックの基本は「オーリー」にある。オーリー(ジャンプ)の動作中に足の位置をシフトさせることで、キックフリップ、ヒールフリップ、トレフリップなど様々なバリエーションに派生する。マニュアル(後輪のみでバランスを取って走行)、グラインド(レールや縁石に乗り上げて滑る)、パワースライド(コーナーをドリフトで曲がる)もある。
複雑に見えて、実は「すべてがオーリーの派生」という一貫した設計になっている。入力ロジックを一度理解してしまえば、70種類のトリックが自然と指になじんでくる。この設計の美しさは、4gamer.netのプレイレポートでも「シミュレーター寄りの作品に比べれば易しめに設計されている」と指摘されている。
タイミングよくジャンプを決めれば追加ポイントが入るシステム、コンボメーターのリセットがクラッシュと連動している構造。これらが組み合わさって、「うまく滑れると気持ちいい」という感覚を作り出している。Tony Hawk’s Pro Skaterの操作スキームが好きだった人は、特にハマりやすいと思う。
2. Blood Culturesのサウンドトラックという強力な武器
「Skate Story」を語る上で、サウンドトラックを外すことは絶対にできない。NMEが「psychedelic skate soundtrack masterpiece(サイケデリック・スケート・サウンドトラックの傑作)」と評したBolood Culturesのサウンドは、このゲームの体験の核心部分を担っている。
サウンドトラックは二層構造になっている。一方はJohn Fioが担当した、チリンとしたシンセ、揺れるギター、滑らかなサックスによる、自由探索時の内省的な雰囲気。もう一方はBlood Culturesが担当した、追走シーンやボス戦での巨大でダンサブルなバンガー。この二つの音楽的レイヤーが、ゲームの状況に合わせてシームレスに切り替わる。
Blood Culturesにとってこのサウンドトラックは、4枚目のスタジオアルバムに相当する。単なる「ゲームのBGM」ではなく、アーティストとしての本気の制作物だ。Bandcampでは「Skate Story: Vol. 1」として独立したアルバムとして発売されており、ゲームをプレイしなくても音楽として楽しめるレベルの完成度がある。Steamでは「Skate Story Original Soundtrack – Vol 1 & 2」としてサウンドトラックDLCも別途販売されている。
Sam Engがこのゲームを作るときにBlood Culturesの音楽を聴きながら夜間スケートをしていたという背景を考えると、音楽とゲームプレイの一体感は偶然じゃなく、最初から設計されたものだとわかる。
3. ビジュアルの独自性:地獄はスケートパーク
「地獄はスケートの理想的な場所」とIGNのレビュアーが評したように、このゲームの世界設計は単純に「スケートに適した地形」として設計された地獄だ。ワックスが塗られた縁石、不浄なギャップ、拷問された悪魔たちが並ぶ路地。スケーターが夢見るような障害物が、地獄という設定の中に自然に組み込まれている。
ビジュアルスタイルはローファイ美学とY2K的なトレンドが混在している。ガラスの主人公が粉々に砕ける瞬間の視覚的フィードバック、ネオンで彩られた通路、灰と煙が漂う広大なエリア。色彩設計は意図的に「現実にはない美しさ」を追求しており、スクリーンショットだけでも独特の世界観が伝わってくる。
サム・エングはビジュアルに関して「現実のスケートカルチャーで自分が大切にしているテクスチャーと光を出発点にした」と語っている。理想化された抽象化、とでも言えばいいか。現実のスケートボードを愛している人が見れば「わかる」と感じる質感が、幻想的な地獄という舞台に乗せられている。
4. スケートボードを超えたアドベンチャーとしての深さ
Sam Eng自身が「自分はこれをアドベンチャーゲームだと思っている」と発言しているのが興味深い。実際、ゲームを進めると「スケートゲームにはあまり興味がないが、このゲームの見た目に惹かれる」という声が届いている、とEngは語っている。
道中で出会うキャラクターたちとの会話、忘れっぽいカエルや苦しむ魂といった存在たちのサブクエスト、スカルを集めて購入できるスケートボードのカスタマイズアイテム(塗装、ウィール、特殊ステッカー)。これらの要素が積み重なって、「ただスケートをするゲーム」ではなく「地獄という世界を旅するゲーム」としての奥行きを作り出している。
Eurogamerは5/5という満点を付け、「美しく、面白く、詩的で、挑戦的。圧倒的に豊かなテキスト(devastatingly rich text)」と評した。Shacknewsは10/10で「史上最もユニークで楽しいスケートビデオゲーム」と絶賛した。単なるスポーツゲームを超えた何かがある、という評価がメディア全般に共通している。
5. ソロ開発がもたらすコンパクトな完成度
6〜8時間というクリア時間は、AAA作品と比較すると短い。でもこの長さが逆に強みになっている。冗長さがなく、無駄なコンテンツがない。一人の開発者が7年かけて磨き上げた体験が、凝縮されて詰まっている。
ゲームパブリッシャーとしてのDevolver Digitalは「Hearts of Iron」や「Dead Cells」のような作品群でも知られるが、このゲームのような「一人の狂気じみたビジョンを持った開発者が作り上げた作品」への信頼も高い。発売日からPlayStation PlusのExtra/Premiumに追加されたことは、ソニーも相当このゲームを評価していたことの証左だ。
6. アクセシビリティへの配慮
「操作が難しそう」という先入観を持つ人も多いと思うが、ゲームにはアクセシビリティオプションが充実している。コンボタイマーとデケイ(コンボメーターの減少速度)の調整、前進入力でのプッシュ設定、プッシュのトグル切り替え、チュートリアルのオン/オフ、スピードメーター表示、スローモーションモード、コントロールのリバインド(割り当て変更)。これだけの設定が用意されている。
「難しいスケートゲームはちょっと…」という人でも、設定を調整することで自分なりのペースで楽しめる設計になっている。
賛否両論:このゲームの光と影

97%好評でも、すべてのプレイヤーに刺さるわけじゃない。何が評価され、何が批判されているのか、正直に書いておく。
称賛される点
音楽とゲームプレイの融合
批評家も一般プレイヤーも一致して称賛しているのが、音楽とゲームプレイの一体感だ。Blood Culturesのサウンドトラックは、単にBGMとして流れているのではなく、ゲームの状況に合わせてダイナミックに変化する。チェイスシーンでバンガーが流れ出すと、自然と気持ちが上がる。フリーロームでは内省的な音楽が冥界の探索を豊かにする。「音楽がゲームを、ゲームが音楽を引き立て合っている」という体験は、なかなか味わえるものじゃない。
独自性と世界観の完成度
「ガラスの悪魔が地獄でスケートして月を目指す」というコンセプトは、聞いただけで他に類を見ない。そしてビジュアル、音楽、ゲームプレイ、世界観のすべてが一貫したトーンで統一されている。Sam Engの「自分が感じるスケートボードの体験」が、そのまま芸術的なゲームとして結晶化したような作品だ。
操作のシンプルな奥深さ
「すべてがオーリーの派生」という入力設計は天才的だ。シンプルなのに奥深く、マスターしたときの達成感が大きい。トレフリップやヒールフリップをきれいに決められるようになったときの感覚は、本物のスケートに近い充実感があるらしい(前述のデンファミレビュアーはそれで本当にスケートを始めてしまった)。
手頃な価格と適切なボリューム
約2,000円で6〜8時間の体験。コストパフォーマンスとしては十分以上だ。しかも冗長さがなく、最後まで飽きさせない密度がある。また、PS Plus Extra/Premiumユーザーは追加費用なしでプレイできた。
批判される点・人を選ぶ部分
コントロールの慣れが必要
操作はシンプルな設計とはいえ、最初の数十分は戸惑う可能性がある。特にプッシュ中の方向転換が制限される仕様(加速中は大きく曲がれない)は、スケートゲーム未経験者には直感に反するかもしれない。また、コーナーでの向き調整が敏感すぎると感じるプレイヤーもいる。Steamのコミュニティフォーラムでも操作性について質問が上がっていた。
フリースケートモードがない
Steamコミュニティのレビューで複数のプレイヤーが指摘しているのが「フリースケートモードの不在」だ。自由に世界を滑り回って好きなトリックを試せるモードがあれば、もっとやり込めたのに、という声がある。スケートゲームの醍醐味の一つが「目的なしにただ滑る」体験だけに、これは惜しい。
短さへの賛否
6〜8時間というボリュームは「コンパクトにまとまっていていい」と評価する声もある一方、「もっと遊びたかった」「世界をもっと広げてほしかった」という声もある。特に世界観に強く引き込まれたプレイヤーほど、終わったときに物足りなさを感じることがあるようだ。
アート系すぎて人を選ぶ
このゲームのビジュアルと世界観は完成度が高い一方、「サイケデリックすぎてちょっとついていけない」というプレイヤーも一定数いる。PC Gamerのレビュアーは「Sam Engはこのゲームを動作可能な状態にするために明らかに格闘していた、完璧な最終製品とは言いがたい部分もある」とも指摘している。完璧に磨き上げられたAAA作品を期待すると、ところどころ粗さが目立つかもしれない。
難易度の設定とコンボシステム
同じトリックを繰り返すだけではコンボメーターが上がらない。多様なトリックを組み合わせてフリップを変化させながら滑り続ける必要があり、クラッシュするとメーターがゼロに戻る。「全体的に難しすぎるわけじゃないが、コンボシステムに慣れるまでは少しストレスを感じた」という意見も見られた。
プレイヤーの声:Steamとネット上のリアルな感想

批評家の評価だけじゃなく、実際にプレイした人たちの声も聞いてみたい。Steam上のレビューやSNSで語られていた感想を集めてみた。
肯定的な声
「Tony Hawkのコントロールスキームが好きで良い音楽も楽しめる人なら絶対にプレイすべき。短くて力強い体験。美しいビジュアル、圧巻のサウンドトラック、楽しいゲームプレイが詰まっている。」
Steam レビュー(Steambase Score 96/100、圧倒的に好評のレビューより)
「まさに愛情と丁寧さの結晶。短くても力強い体験だった。」
Steam コミュニティ レビューより
「このゲームをプレイしてから、現実世界でもスケートパークに通い始めてしまった。路面を見れば『ここはウィールが転がりやすそう』とか、縁石を見れば『グラインドできそう』とか考えるようになった。」
デンファミニコゲーマー レビュアー(2026年2月)
「地獄は理想のスケートパーク。ネオンで照らされた奇妙な世界を滑り続けるのが心底気持ちよかった。音楽と操作感のシンクロが最高。」
IGN レビューの引用より
「スケートボードに興味がない自分でも完全に引き込まれた。これはスポーツゲームじゃなくてアート体験に近い。サウンドトラックが最高すぎてゲーム終わった後も聴き続けている。」
Eurogamer 5/5 レビュー関連コメントより
否定的・留保のある声
「フリースケートモードがないのが唯一の不満。世界観が好きすぎて、ずっとあの地獄を滑り続けたかった。」
Steam コミュニティ レビューより(複数のプレイヤーが同様の意見を投稿)
「操作に慣れるまでの最初の1時間が少しきつかった。特に曲がるときの感覚が独特で、何度もコースアウトした。でも慣れてからは最高。」
Steam コントロールに関するフォーラムスレッドより
「6時間でクリアしたが、もっと遊びたかった。世界をもっと広げてほしかった。続編か追加DLCに期待している。」
ResetEra レビュースレッドより
批評家たちの一言
「美しく、面白く、詩的で、挑戦的。圧倒的に豊かなテキスト。今年のゲームオブザイヤー。」(5/5)
Eurogamer
「史上最もユニークで楽しいスケートビデオゲームが誕生した。」(10/10)
Shacknews
「地獄という舞台がスケートボードを本質的に理解している。ネオンに染まった奇妙な世界で固いスケートトリックが融合している。」(8/10)
IGN
「2025年最後のマストプレイゲーム。独特で超スタイリッシュ。」
PC Games N
「アート系に見えてメカニズムも絶妙なバランスを保っている。」
Game*Spark(海外レビュー紹介記事)
ゲームプレイを深く掘り下げる:操作・コンボ・カスタマイズ

「概念的には面白そうだけど、実際の操作はどうなの?」という疑問に答えるために、ゲームプレイの詳細をもう少し掘り下げてみる。
基本的な操作体系
ゲームの基本操作は以下のようになっている。
- プッシュ(加速):足で地面を蹴って加速する。前進入力での自動プッシュ設定も可能。
- オーリー(ジャンプ):すべてのトリックの基本。タイミングよく決めれば追加ボーナス。
- トリック(フリップ系):オーリー中に足の位置をシフトしてキックフリップ、ヒールフリップ、トレフリップなどに変化。
- グラインド:レールや縁石の端にボードを乗せて滑る。悪魔を倒す手段にもなる。
- マニュアル:後輪のみでバランスを取りながら走行。コンボを繋ぐのに有効。
- パワースライド:後輪でドリフトしながらコーナーを曲がる。コーナリングの基本。
コンボシステムの仕組み
コンボメーターは「多様なトリックを継続して決め続ける」ことで上昇する。同じトリックの繰り返しでは評価されず、フリップを変化させながら滑り続けることが求められる。クラッシュや衝突でメーターはゼロに戻る。これはコンボに緊張感をもたらすと同時に、「もう少しで完璧なランができたのに」という悔しさも生み出す。この悔しさがリトライの動機になる、典型的なよいゲームデザインだ。
タイミングボーナスシステムもある。ジャンプのタイミングを完璧に合わせれば追加ポイントが入る。このボーナスを狙いながら滑ると、リズムゲームに近い感覚が生まれる。音楽に乗ってトリックを決める、というこのゲームの核心的な体験はここから来ている。
スケートトライアルとレベルアップ
ゲームにはスケートトライアルという課題がある。これをクリアすることでレベルアップし、新しいトリックを習得したり、新しいギアを手に入れたりできる。単純なAからBへの移動だけでなく、このトライアルシステムがプレイヤーの技術向上を促す仕組みになっている。
カスタマイズ要素
サイドクエストをクリアすると魂(Souls)を獲得できる。この魂を使って、地獄の中に点在するショップでスケートボードのカスタマイズアイテムを購入できる。
- ボードの塗装(新しいペイントジョブ)
- ウィール(車輪)の交換
- 特殊ステッカー
カスタマイズは見た目だけでなく、「自分のボードに愛着を持つ」という体験としても機能している。地獄を旅する中で少しずつ自分のスタイルを作っていく感覚がある。
戦闘要素:グラインドで悪魔を倒す
このゲームで面白いのは、スケートのテクニックが戦闘手段にもなっていることだ。キックフリップはコンバットムーブとして機能し、グラインドは悪魔を倒すアクションになる。チェイスシーンでは敵の悪魔を滑りながら退治する必要がある。
「スケート」と「戦闘」を別々のシステムとして設計せず、同じ操作体系の中に組み込んでいるのは見事だ。スケートの動きそのものが攻撃であり、探索であり、コンボ稼ぎでもある。こういった一貫性が「気持ちよさ」を生む。
Steam Deck対応
Steam Deck HQのレビューでは、Steam Deckでの動作についても詳細が検証されている。ポータブルなSteam Deckで寝転がりながらプレイするこのゲームは、「チルな体験」という意味でも相性が良い。4gamer.netのプレイレポートでも「最高に”チルい”スケートゲーム体験」という見出しが付けられており、その雰囲気はSteam Deckというプラットフォームとも合致している。
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Neon White
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Celeste
ゲームとしての完成度、アート的なビジョン、感情に訴える物語という観点でSkate Storyに近い「インディーゲームの傑作」。スケートゲームではないが、同じ「少ないシステムで深い体験を作る」という設計思想を持つ。PC/Switch/PS4対応。
まとめ:地獄を滑ることの意味

「Skate Story」について書いてきて気づいたのは、このゲームを「スケートゲーム」として語ることの限界だ。確かにスケートボードのゲームだが、それ以上に、一人の人間(Sam Eng)が「スケートボードを夜中に滑りながら感じたこと」を、地獄という舞台に投影してできた芸術作品に近い。
数字で整理すると:Steam97%圧倒的好評(2026年4月時点で1,680件以上)、Metacritic 89点(PC版)、Eurogamer 5/5、Shacknews 10/10、IGN 8/10、PC Gamer 87点。これだけの評価が揃っているインディータイトルは、1年に数本しか出ない。
6〜8時間というボリュームで約2,000円。PS Plus Extra/Premiumユーザーは追加コストなし。70種類以上のトリック、9層の冥界、Blood Culturesの圧倒的サウンドトラック、そして「月を飲み込め」という最高にシンプルかつ狂った目標。
欠点もある。フリースケートモードはない。操作に慣れるまで少し時間がかかる。短すぎると感じる人もいる。ソロ開発ゆえの粗さもゼロではない。でもこれらの欠点は、このゲームが持つ独自性と比べると、ほとんど些細に思えてくる。
ゲームをプレイした後、スケートパークに行きたくなる作品というのは、そうそうない。デンファミのレビュアーが実際にスケートボードを始めてしまったという話は、このゲームが何かとても本質的なものを捉えているということの証明だと思う。スケートボードへの愛が、地獄という幻想の舞台を通して伝わってくる。
スケートゲームが好きな人にはもちろん、サイケデリックな世界観が好きな人、インディーゲームの一点突破型の作品に価値を感じる人、Blood Culturesのような音楽が好きな人にも強くすすめたい。2025年12月の最後に、間違いなくそれだけの体験ができる作品が出てきた。
総合評価
Steam: 97%圧倒的好評 / Metacritic: 89点(PC)
プレイ時間:6〜8時間(メインストーリー)、やり込みで10〜12時間
価格:約2,000〜2,300円($19.99)
おすすめ度:スケートゲームファンに強くすすめる。世界観重視のゲーマーにも。
