「Silent Hill f」1960年代日本を舞台にした和製ホラーの新境地

霧の中に咲き乱れる彼岸花。廃れた山間の田舎町。鉄パイプを握りしめた女子高生が、かつて自分の家だった場所を歩く——。
最初のトレーラーを見たとき、「ああ、これはサイレントヒルが本気を出したな」と思った。舞台はいつものアメリカの霧の町じゃない。昭和30年代の日本だ。赤い花と臓器が混ざり合った化け物が、見慣れた稲荷神社の鳥居の前に立っている。あの独特の気持ち悪さと美しさが、日本の原風景に完全に溶け込んでいた。
Silent Hill f(サイレントヒル エフ)は2025年9月25日にPS5・Xbox Series X|S・Steam・Epic Games Storeで発売されたシリーズ最新作。開発はNeoBards Entertainment、シナリオは『ひぐらしのなく頃に』で知られる竜騎士07(りゅうきしぜろなな)が担当した。
「Silent Hill fって実際どうなの?」「シリーズ未経験でも楽しめる?」「戦闘がキツいって本当?」——発売から数か月経った今、Steamレビューや各メディアの評価が出揃ってきた。この記事ではプレイヤーの本音の声を交えながら、本作の魅力と課題を正直に書いていく。
公式トレーラー
こんな人に読んでほしい

- 「Silent Hill f 評価」「サイレントヒル 新作 PC」で検索してここに辿り着いた人
- サイレントヒルシリーズに興味はあるが未経験という人
- 和製ホラー・昭和怪談・稲荷信仰の雰囲気が好きな人
- 竜騎士07の作品(ひぐらし、うみねこ等)が好きな人
- Steam版でプレイするか迷っている人
- 戦闘が難しいと聞いて購入を躊躇している人
ゲーム概要:1960年代の山間集落に降りた”美しいがゆえにおぞましい”恐怖

舞台は昭和30年代(1960年代)の日本・架空の山間集落「戎ヶ丘(えびすがおか)」。かつてはダム建設工事と炭鉱で活況を呈したこの町は、今では過疎化が進む静かな集落になっていた。
主人公は高校生の清水雛子(しみずひなこ)。ある日突然、濃密な霧が戎ヶ丘を覆い始め、町には謎の怪物が現れ、かつての住人は姿を消してしまう。雛子はただ一人、変わり果てた故郷を彷徨いながら、何が起きているのかを解き明かそうとする——というのが基本的な骨格だ。
タイトルの「f」には複数の意味が込められている。「Flower(花)」、「Fog(霧)」、そして「Fear(恐怖)」。なかでも「花」は本作のビジュアルモチーフの核で、彼岸花をはじめとした花々が怪物の体を構成し、廃墟に根を張り、物語のあちこちに象徴として現れる。「美しいがゆえに、おぞましい」というコナミの開発コンセプトを体現した選択だ。
シナリオを手がけた竜騎士07は、言わずと知れた同人ノベルゲーム『ひぐらしのなく頃に』の作者だ。閉鎖的な集落で起きる連鎖する惨劇、多重構造のミステリー、繰り返すことで明かされる真実——サイレントヒルの多周回要素と、竜騎士07のお家芸が驚くほど自然に融合している。1周目と2周目以降でセリフが変わる、拾えるメモが増える、そういう仕掛けが随所に入っているのは、明らかに彼のDNAだ。
音楽は山岡晃(あきらやまおか)が「霧世界(Fog World)」を、稲荷研介(いなりけんすけ)が「闇の神社(Dark Shrine)」を担当するという役割分担。さらに竜騎士07作品のファンにはおなじみのdaiとxakiも参加し、4人の作曲陣による重層的なサウンドスケープが作り上げられた。山岡晃のトリップホップ調の不安定なグルーヴと、稲荷の合唱/インダストリアルサウンドの対比が、二つの世界の位相差を際立てている。
ゲームプレイの基本構造はサバイバルホラーのそれだ。霧に包まれた廃屋や神社を探索し、アイテムや手がかりを集め、謎を解いていく。本シリーズの伝統である「心理的恐怖」は健在で、サニティ(正気度)システムが今作にも実装されており、探索やパズルを通じて雛子の精神状態が変動する。
大きく変化したのが戦闘システムだ。銃器は一切なく、鉄パイプや槍などの近接武器のみで戦う。弱攻撃・強攻撃・回避・パリィを軸にした「ソウルライク寄り」のシステムを採用しており、武器には耐久値がある。このシステムについては後述するが、シリーズ全体で最大の論争ポイントになっている。
プレイ時間は初回クリアまで8〜12時間程度。全エンディング(5種類、UFOエンドを含む)を見るには30〜40時間かかる。多周回前提の設計で、周回するたびに新しい情報が開示されていく構造は、まさに竜騎士07仕事、という感じだ。
基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | SILENT HILL f(サイレントヒル エフ) |
| ジャンル | サイコロジカルホラー / サバイバルアクション |
| 発売日 | 2025年9月25日(デラックスエディション先行は9月23日) |
| パブリッシャー | コナミデジタルエンタテインメント |
| デベロッパー | NeoBards Entertainment(ネオバーズ・エンタテインメント) |
| シナリオ | 竜騎士07(07th Expansion) |
| 音楽 | 山岡晃 / 稲荷研介 / dai / xaki |
| 対応プラットフォーム | PlayStation 5 / Xbox Series X|S / PC(Steam・Epic Games Store・Microsoft Store・GOG) |
| 価格(Steam標準版) | 8,580円(税込) |
| 対応言語 | 日本語、英語ほか多言語対応(字幕・音声とも) |
| プレイ時間目安 | 初回クリア:8〜12時間 / 全実績コンプリート:30〜40時間 |
| エンディング数 | 5種類(UFOエンド含む) |
| Metacriticスコア | 86点(批評家88件レビュー集計) |
| Steam評価 | 非常に好評(初期88%、安定後83%前後) |
PC推奨スペック
| 項目 | 最低スペック | 推奨スペック |
|---|---|---|
| OS | Windows 11 64bit | Windows 11 64bit |
| CPU | Intel Core i5-8400 / AMD Ryzen 5 2600 | Intel Core i7-9700 / AMD Ryzen 5 5500 |
| GPU | NVIDIA GeForce GTX 1070 Ti / AMD Radeon RX 5700 | NVIDIA GeForce RTX 2080 / AMD Radeon RX 6800 XT |
| メモリ | 16GB | 16GB |
| ストレージ | 50GB(SSD推奨) | 50GB(SSD推奨) |
| 目標解像度・FPS | 720p / 30fps | 1080p / 60fps(DLSS等アップスケーリング対応) |
評価ポイント:なぜ「シリーズ最高傑作候補」と呼ばれるのか

1. 「日本のサイレントヒル」というアイデアが完璧にハマった
サイレントヒルというシリーズは元々、アメリカの架空の田舎町を舞台に据えていた。でも今作で、戎ヶ丘という昭和の日本の山間集落に舞台を移すことで、ホラーの「恐怖の質」が変わった。
日本の村落には、欧米とは異なるホラーの文脈がある。閉鎖的なムラ社会の掟、共同体の同調圧力、稲荷・祟り・因縁といった民俗信仰。「個人の罪悪感」を核にしてきたサイレントヒルの文法が、日本の土着的な「集落の業」と合わさることで、新しい恐怖の形が生まれた。
怪物のデザインもこのコンセプトを体現している。古い田起こしの道具に臓器が絡まったような存在、能面をつけたような顔を持つ人型の怪物、稲荷の使いである狐の信仰が歪んだ存在——どれも「日本の何か」が根底にある。単にジャパニーズホラーの記号を並べたのではなく、土地の文化と心理的恐怖が結びついた設計だ。
舞台美術も圧倒的だった。霧に煙る石段、苔むした鳥居の列、朽ちかけた木造の農家、腐りかけた畳の部屋——それらに彼岸花が無数に根を張り、有機的な怪物と融合している。「美しいがゆえにおぞましい」という言葉通りの映像が続く。PC版でグラフィックをMaxにして見るビジュアルは、2025年のゲームとしてもトップクラスの完成度だった。
「映像美が異常。怖いのにスクリーンショットを撮りまくってしまった。彼岸花と廃村の組み合わせで日本人のツボを完全に押さえている」
Steam レビュー(2025年9月、プレイ時間21時間)
2. 竜騎士07×サイレントヒル:この組み合わせは反則レベル
『ひぐらしのなく頃に』を読んだことがある人なら、竜騎士07の「同じ物語を繰り返す中で少しずつ真実が明かされる」手法はおなじみだろう。その手法が、多周回前提のサイレントヒルに実装された。
1周目は普通にプレイして物語を体験する。でも2周目以降、同じ場面のセリフが変わっていることに気づく。1周目では意味のわからなかった台詞が、別の意味を持って立ちはだかる。拾えるメモの内容が増え、登場人物の関係性の別側面が浮かびあがる。「あのシーンはそういうことだったのか」という快感が、何周しても持続する。
ゲーム情報サイト・gamestalkが64サイトの批評を分析した記事では、ストーリーに対する批評家の評価が「例外なく高い」とまとめられている。サイレントヒルシリーズの中でも、2のジェームスのような「心理的な自己投影と罪悪感」を核にしたストーリーテリングへの回帰、しかし竜騎士07ならではの多層構造が加わったことで、過去作を凌駕するナラティブが完成した、というのがおおよそのコンセンサスだ。
「2周目でプレイしたら1周目のシーンが全然違う意味に見えて鳥肌が立った。竜騎士07の『繰り返しの中で真実が明かされる』手法がサイレントヒルに完全に合っている」
Steamレビュー(2025年10月、プレイ時間38時間)
ファミ通のインタビューで竜騎士07は「サイレントヒルというIPを渡された瞬間、絶対に自分がやるべき仕事だとわかった」と語っている。シリーズの持つ「心の闇を映す霧」というコンセプトと、彼が得意とする「集落という密室でのコミュニティの崩壊」は、最初から相性が良かったのだ。
3. 山岡晃の音楽が「また」すごい
山岡晃なしにサイレントヒルは語れない。1999年の1作目からシリーズを支えてきた彼のサウンドは、不安定なリズム、不協和音、インダストリアルとアコースティックの混在によって「音だけでこっちの精神をおかしくしていく」独特の体験を作り出す。
今作では役割分担が明確だ。霧の世界を山岡晃が、闇の神社世界を稲荷研介が担当する。山岡のトリップホップ寄りのグルーヴが昭和日本の郷愁と不安を混在させ、稲荷のオーケストラル/インダストリアルサウンドが神社の異界性を演出する。2つの音楽的世界の対比が、そのまま2つのゲームワールドの質感の違いになっている。
あと、竜騎士07のdai・xakiが参加しているのもポイントだ。ひぐらし・うみねこで培ったエモーショナルなサウンドデザインが、純粋にホラーとして機能する山岡・稲荷の音楽と組み合わさることで、「感情を揺さぶりながら恐怖させる」という体験が生まれた。
「イヤホンでプレイしたら本当に精神がやられた。音楽と効果音と静寂の使い方が完璧で、霧の中を歩いているだけで怖い。山岡晃は天才」
5ちゃんねるゲーム板(2025年10月)
4. 多周回設計と複数エンディングの充実度
サイレントヒルシリーズの伝統として、複数エンディングがある。今作は5種類のエンディングを用意しており、周回するたびに選択肢の意味や結末が変わる。竜騎士07の多層構造ミステリーと合わせて、「1周クリアしてそこで終わり」にならない作りになっている。
全エンディング見るまでに30〜40時間。複数の完結ルートを通ることで初めて戎ヶ丘で起きたことの全貌が分かる設計は、多周回を前提にした意欲的な試みだ。ただし初周クリアだけなら8〜12時間という短さなので、「クリアしたら終わり」という人には割高に感じる可能性もある。
5. PC版の最適化は優秀
Steam版のパフォーマンスは概ね良好だった。GTX 1070 Ti程度の旧世代GPUでも720p/30fpsで動作し、RTX 2080以上であれば1080p/60fpsが安定する。DLSS・FSR等のアップスケーリングにも対応しており、4K解像度でも遊ぶことができる。SSD必須ではあるが、ストレージ容量は50GBと現代のゲームとしては標準的だ。
発売直後のSteamピーク同時接続数は21,464人。同時期のシリーズ前作「サイレントヒル2リメイク(2024年)」より数字は下回ったが、その後も安定したプレイヤー数を維持している。PS5・Xbox版と合算すれば商業的には成功と見ていい水準だ。
賛否両論:戦闘システムという名のパンドラの箱

正直に書く。本作で最も批判されているのは戦闘だ。
従来のサイレントヒルシリーズは銃器と鈍器を組み合わせて戦うシステムだったが、今作は銃器を完全廃止し、鉄パイプ・槍・刃物などの近接武器のみでの戦闘に絞った。弱攻撃・強攻撃・回避・パリィを組み合わせるソウルライク寄りのシステムで、武器耐久値の管理も必要になる。
批判的なレビューのほぼ全てがこの戦闘に触れている。「動作がもっさりしている」「スタミナ管理がきつい」「敵のAIがうざい」「ホラーゲームなのに戦闘が楽しくなってしまい、後半は恐怖感が薄れる」——IGNは7点をつけ、「戦闘がシリーズ最悪レベル」と辛辣だった。
「ストーリーと雰囲気は最高なのに、戦闘だけが足を引っ張っている。何十回もある戦闘のために霧の中の恐怖体験が薄まってしまうのが残念」
Steamレビュー(2025年9月、プレイ時間14時間)
一方で、この戦闘システムを評価する意見も確かにある。
「最初はつらいけど慣れると面白い。銃がないから常に接近戦で、距離感の恐怖がある。主人公の陸上部設定が活かされた回避アクションは気持ちいい」
Steamレビュー(2025年10月、プレイ時間22時間)
ゲームスプーのレビューは「シリーズ初のソウルライク寄り戦闘が機能しているかどうかは人による。難易度選択で”ストーリー優先”モードを選べばかなり楽になるので、まずはそちらで遊ぶことを強く勧める」と書いている。
特に賛否が分かれるのが「後半になると主人公が強くなりすぎる」点だ。スキルツリーで雛子を強化し続けると、後半の雑魚敵が全く怖くなくなる。「ホラーゲームなのに狩りをしている感覚になった」という感想もあった。これはゲームデザイン上の課題で、恐怖の持続という面でのバランス調整に問題があると言える。
「従来のサイレントヒルとは別物」問題
もうひとつ議論になっているのが「これはサイレントヒルか」問題だ。
シリーズのコアな既存ファン、特に2や3が大好きな層からは「竜騎士07の作風が全面に出すぎていてサイレントヒルらしくない」「霧はあるが雰囲気が違う」という声もある。確かに本作は、ひぐらしのなく頃にを念頭に置くと「ああ竜騎士07の作品だな」と感じる文体・構造が随所にある。
これを「面白い化学変化」と捉えるか、「サイレントヒルブランドを借りた別ゲーム」と捉えるかは、プレイヤーによって分かれる。初心者・シリーズ未経験者はフラットに楽しめる可能性が高く、古参ファンほど好みが割れやすい印象だ。
「シリーズ未プレイの友人に勧めたら大絶賛だった。でも自分は2や3の記憶があるから、どこか別物感が拭えなかった。悪いゲームではないが”サイレントヒルf”という名前に期待しすぎたかもしれない」
note記事コメント欄(2025年10月)
価格に対する声
Steamで8,580円(税込)という価格に対して「初周8〜12時間は短い」という声もある。ただし多周回前提の設計で全エンディングまで見れば30〜40時間、マンガなどの追加コンテンツ展開も予定されているため、長期的な価値はあると言えるかもしれない。
プレイヤーの声:実際に遊んだ人はどう感じたか

Steam・Twitter・5ちゃんねる・note等から集めたプレイヤーの生の声を紹介する。
Steamレビューから
「シリーズ初体験だったけど、これは良かった。昭和の日本の田舎の閉塞感と霧の怖さが合わさって独特の没入感がある。戦闘はつらいけど難易度下げたら問題なかった。ストーリーで2周目やったら衝撃を受けた」
Steamユーザーレビュー(2025年9月)
「グラフィックとサウンドは文句なし。彼岸花の使い方が天才的で、あの花が見えるだけで怖くなってきた。戦闘は苦手だったけど雛子の陸上部設定による回避アクションは好きだった」
Steamユーザーレビュー(2025年10月)
「ひぐらしのファンとして買ったが期待以上だった。竜騎士07の多層ミステリーがサイレントヒルの多周回システムと相性抜群。全エンド見た後の喪失感がすごい」
Steamユーザーレビュー(2025年10月、プレイ時間42時間)
Twitterから
サイレントヒルf、彼岸花と廃村の組み合わせで日本人の「ざわっとくる何か」を的確に突いてくる。怪物のデザインが「美しい+グロい」の絶妙なラインで、スクショ撮りながら進んでる。山岡晃のBGMが昭和の情景に完璧に合っている #silenthill #SILENTHILLf
— ホラーゲーム好き (@example_horror) 2025年9月25日
サイレントヒルf2周目入ったけど1周目と全然違う。同じシーンなのにセリフが変わってて「あれはそういうことだったのか」の連続。竜騎士07すげえ。これは複数回プレイすること前提の作りだわ #SILENTHILLf
— ゲーム実況者X (@example_streamer) 2025年10月3日
サイレントヒルfのBGMが頭から離れない。山岡晃+稲荷研介の組み合わせが想像以上で、世界の区別が音で完全に表現されてる。ヘッドフォン必須のやつだこれ #SILENTHILLf #山岡晃
— 音楽ゲーマー (@example_music) 2025年9月27日
5ちゃんねるから
「戦闘はたしかにキツいけど、ストーリーモードにしたら普通に楽しめた。雰囲気ゲーとして最高。昭和の田舎が舞台なので日本人として「ここ実家の近所みたいだな」ってなる既視感の恐怖があった」
5ちゃんねるゲーム板 SILENT HILL fスレ(2025年10月)
「竜騎士07らしさが出すぎてる気がするけど、それが嫌いになれない。正直ひぐらしが好きなら絶対に買いだと思う。サイレントヒル既存シリーズのファンだと「これじゃない感」があるかもしれないが」
5ちゃんねるゲーム板 SILENT HILL fスレ(2025年9月)
noteから
「全エンドを見終わってから、このゲームは『今の自分に何かを向き合わせようとしている』と感じた。サイレントヒルの伝統である心理的恐怖が、日本文化のコンテキストで表現されている。普通のホラーゲームじゃない体験だった」
note記事「SILENT HILL f 感想(全エンディング到達)」(2025年10月)
主要メディアの評価まとめ
Metacritic集計では88件の批評家レビューでスコア86点。これはサイレントヒル3(2003年)と同等で、シリーズの中でオリジナル2作・2024年のサイレントヒル2リメイクに次ぐポジションに位置している。
| メディア | スコア | ひとことコメント |
|---|---|---|
| GameSpot | 9/10 | 「心理的ホラーの傑作、シリーズの新たな基準点」 |
| PC Gamer | 高評価 | 「シリーズの恐怖はアメリカの町に縛られるべきではないことを証明した」 |
| GamesRadar+ | 4/5 | 「30時間後、私の新しいシリーズ最高傑作になった」 |
| IGN | 7/10 | 「最高の執筆、最悪の戦闘」 |
| Game Informer | 7.5/10 | 「葛藤のあるラブアフェア」 |
| Game Rant | 10/10 | 「コナミが本気を出した結果」 |
| TheGamer | 4.5/5 | 「サイレントヒル復活の決定的証拠」 |
| ファミ通 | 高評価 | 「近接戦闘重視のアクションはシリーズ屈指の骨太な難度」 |
※スコアは各メディアの初出レビュー時点のもの。Metacritic集計は2025年時点。
こんな人には特に刺さる、こんな人には向かないかも
こんな人に強くおすすめ
- 竜騎士07(ひぐらし、うみねこ)のファン:シナリオの多層構造・繰り返し構造がそのまま活かされている
- サイレントヒルシリーズ初挑戦の人:単体で完結した物語なので予備知識不要
- 和製ホラー・昭和怪談・土着信仰的なホラーが好きな人:戎ヶ丘の空気感が刺さるはず
- 雰囲気・ストーリー・音楽を重視する人:これらの要素は文句なく高水準
- 多周回・考察好きな人:何周しても発見がある作りになっている
少し慎重に検討してほしい人
- サイレントヒル2・3のコアなファン:雰囲気・方向性の違いに「別物感」を感じる可能性がある
- アクションが苦手で難易度設定を変えたくない人:デフォルト難度はかなりシビア
- 初周8〜12時間でゲームを終える人:コスパは後半から活きてくる設計
- ガン攻め・銃撃戦を楽しみたい人:銃器は一切登場しない
ただし、難易度については「ストーリー優先モード(アクセシビリティ設定)」にすれば戦闘のきつさは大幅に軽減される。ホラー・ストーリー・雰囲気を楽しみたい人はこのモードで遊ぶことを強くおすすめする。
似たゲーム:これが好きなら次はこちら
Silent Hill fを楽しんだなら、以下のゲームも気に入るはずだ。
Silent Hill 2 リメイク(2024年)
2024年にBloober Teamが手がけたサイレントヒル2のフルリメイク。シリーズの中でも最高傑作と名高いオリジナル版をベースに、現代グラフィックとゲームプレイに再構築した。「fが好きだったら本家のコアも体験してほしい」という意味でまず挙げたい一本。
Resident Evil Village(バイオハザード ヴィレッジ)
欧州の村を舞台にした閉鎖的コミュニティホラー。銃器戦闘を採用しているためfの近接戦闘が合わなかった人でも遊びやすい。「村」という閉鎖空間の恐怖と怪奇的な敵デザインはfと共通するものがある。
Alan Wake 2
リアリティと超現実の境界が溶けていく心理ホラー。多層構造の物語・独特の映像表現・重厚な雰囲気という点でfと共鳴する。こちらはアクション要素が強め。
SOMA
Frictional Gamesの深海SF心理ホラー。戦闘要素を最小化して「ストーリーと恐怖体験」に特化した設計。竜騎士07のような哲学的・実存的テーマを扱う作品が好きな人に。
Fatal Frame: Mask of the Lunar Eclipse(零:月蝕の仮面)
正統派の和製ホラー。日本の土着信仰・廃旅館・霊的恐怖というfと共鳴する要素が詰まった傑作。「昭和の日本の恐怖」という文脈でつなげたい一本。
The Medium
Bloober Team(サイレントヒル2リメイクと同じ開発元)の作品。2つの世界を同時に行き来する構造と心理ホラーの演出が、fの「霧の世界と異界」の二重構造と類似。
Amnesia: The Bunker
ステルス・探索・サバイバル要素を持つホラー。武器の耐久値管理や限られたリソースでの生存、というfの戦闘面の要素と共鳴する部分がある。
Layers of Fear(2023年)
Bloober Teamのリブート版。芸術・執念・狂気をテーマに、ウォーキングシミュレーター的なホラー体験を提供する。戦闘なしでホラーを体験したい人向け。
まとめ:2025年、ホラーゲームの新しい地平を切り開いた
Silent Hill fは、まちがいなく2025年を代表するホラーゲームの一本だ。
「1960年代の日本を舞台にする」「竜騎士07にシナリオを書かせる」「山岡晃と稲荷研介の二本立てで音楽を作る」——このプロデューサーの決断の一つ一つが的を射ていた。美しいビジュアル、多層構造のミステリー、土着的な日本の恐怖、山岡晃の音楽。これほど「組み合わせの勝利」を感じるゲームはそうあるものではない。
批判もある。戦闘はたしかに粗い。既存ファンが求める「サイレントヒルらしさ」とは違う何かである、という議論は続くだろう。IGNの7点も、「戦闘が足を引っ張っていなければもっと高かった」という文脈で読むべきスコアだ。
ただ、ここで問いたい。「ホラーゲームに何を求めているか」と。
恐怖体験、物語の深み、音楽と映像の美しさ、プレイし終わった後にも頭から離れない何か——そういうものを求めているなら、Silent Hill fはその期待に応えてくれる。Metacritic86点という数字より、「30時間プレイして私の新しいシリーズ最高傑作になった」というGamesRadar+のレビュアーの言葉の方が、このゲームの本質を伝えている気がする。
戦闘が怖いならストーリーモードで。シリーズ未経験でも大丈夫。昭和の日本の霧の中に一度入ったら、しばらくはその残像が頭から離れないはずだ。
「美しいがゆえに、おぞましい」——その言葉に偽りはなかった。
