「Abiotic Factor」Half-Life風の研究施設でクラフトサバイバル、Steam96%好評の怪作

目次

「Abiotic Factor」Half-Life風の研究施設でクラフトサバイバル、Steam96%好評の怪作

Abiotic Factor ゲーム画面 - 地下研究施設での探索

ソファのクッションを引っぺがして胸に括りつけ、「よし、これが俺の防具だ」と覚悟を決めた瞬間、このゲームに完全にやられた。

地下研究施設。蛍光灯がチカチカする廊下。自販機から略奪したポテチを頬張りながら、メジャー定規で作ったクロスボウを握りしめて異形の怪物と対峙する。言葉にするとバカバカしいんだけど、これが異様なほど面白い。

「Abiotic Factor(アビオティック・ファクター)」は、Half-Lifeのブラックメサ研究所を思わせる地下施設を舞台にした協力型サバイバルクラフトゲームだ。2024年5月の早期アクセス開始から瞬く間にSteamで「圧倒的に好評」を獲得し、2025年7月の正式リリースまでに累計140万本以上を売り上げた。Steamレビューの好評率は96%。50,000件を超えるレビューでこの数字を維持しているのは、正直すさまじい。

開発はニュージーランドの小規模スタジオ「Deep Field Games」。パブリッシャーはあのBalatro(バラトロ)を世に送り出したPlaystack。インディーゲームの目利きが選んだタイトルということもあって、リリース直後から注目度は高かった。Golden Joystick Awards 2024では「Best Multiplayer Game」にノミネート、2025年には「Best Indie Game」「PC Game of the Year」の2部門にノミネートされている。

この記事では、Abiotic Factorがどんなゲームなのか、なぜここまでヒットしたのか、実際のプレイヤーの声を交えながら徹底的に掘り下げていく。

こんな人に読んでほしい

  • Half-LifeやSCPのような、不穏な研究施設の雰囲気が好きな人
  • サバイバルクラフトに興味はあるけど、森で木を切るのはもう飽きた人
  • 友達と一緒にワイワイ遊べるCo-opゲームを探している人
  • ソロでじっくり探索と拠点づくりを楽しみたい人
  • 「Abiotic Factor 評価」で検索して、買うかどうか迷っている人
  • 90年代SFの空気感やレトロポリゴンの美学にグッとくる人

Abiotic Factorってどんなゲーム?

Abiotic Factor ゲーム画面 - クラフトと拠点構築

Abiotic Factorは、1~6人で遊べるオープンワールド型のサバイバルクラフトゲームだ。舞台は1993年、「GATE」と呼ばれる巨大な地下研究施設。プレイヤーは施設に勤める科学者のひとりとなり、超常的な封じ込め失敗——要するに、ヤバい実験が大失敗して施設中にバケモノが溢れ出した状況——の中、生き延びて脱出を目指す。

設定だけ聞くと「それHalf-Lifeじゃん」と思うかもしれない。実際、開発者自身がHalf-LifeとHalf-Life: Blue Shiftを直接のインスピレーション元として公言している。トラム、自販機、白衣、研究施設の構造——ビジュアルのそこかしこにHalf-Lifeへのリスペクトが散りばめられている。

ただし、Abiotic Factorが決定的に違うのは、「ゴードン・フリーマンがいない」という点だ。スーパーヒーローは来ない。バールを振り回す物理学者は来てくれない。プレイヤーはあくまで「普通の科学者」であり、施設のオフィス家具や研究機材を分解して武器や道具を自作し、なんとか日々をしのいでいく。

サバイバル要素:科学者だって腹は減る

一般的なサバイバルゲームでは木を伐り、動物を狩って食料を確保するのが定番だけど、このゲームでは自販機を漁ってポテチやソーダを手に入れたり、研究施設のカフェテリアで怪しいスープを作ったりする。空腹・喉の渇き・疲労・さらには「トイレ欲求」まで管理する必要がある。温度や放射線といった環境要因にも気を配らないといけない。

「科学者がサバイバルするとこうなる」という独特のリアリティがあって、木と石のクラフトに飽きたプレイヤーには新鮮に映るはずだ。

クラフトシステム:Wordleから着想を得た発明

クラフトシステムがこのゲームのキモのひとつ。素材をスロットにドラッグして有効な組み合わせを見つけるとアイテムがアンロックされる仕組みで、開発者によるとパズルゲーム「Wordle」から着想を得ているらしい。

オフィスチェアを分解してパーツを取り、蛍光灯のバルブと組み合わせて即席の武器を作る。ソファのクッションが防具になり、メジャー定規がクロスボウの部品になる。この「身の回りのものでなんとかする」感覚が、Half-Life的な状況の緊迫感と絶妙にマッチしている。

キャラクタービルド:6つの専門職とスキルツリー

キャラクター作成時に「ジョブ」と呼ばれる専門職を選択する。Lab Assistant(研究助手)、Epimedical Bionomicist(医療生物学者)、Trans-Kinematic Researcher(トランスキネマティクス研究員)、Archotechnic Consultant(建築技術コンサルタント)、Defense Analyst(防衛アナリスト)、そしてSummer Intern(夏のインターン)。

それぞれ初期スキルやバフ・デバフが異なり、プレイスタイルに大きく影響する。たとえばLab Assistantはステルス能力にボーナスがあり、序盤の戦闘を回避しやすい。Defense Analystは戦闘特化。Summer Internはスキルボーナスが一切ないかわりに自由度が高い、というネタ枠兼上級者向けの選択肢だ。

スキルはフィットネス・戦闘・クラフトの3カテゴリに分かれていて、RPGのように使えば使うほど自然にレベルアップしていく。走り回れば体力系のスキルが上がり、銃を撃てば射撃スキルが成長する。この「やって覚える」式の成長システムが、サバイバルの日常にRPG的なやりがいを加えている。

マップデザイン:「一度来た道が別の場所に繋がる」快感

GATE研究施設は複数の「セクター」に分かれており、ストーリーの進行やクラフトによって新エリアが開放されていく。このマップデザインが本作の白眉で、一見複雑で迷いそうな構造なんだけど、探索を進めていくと「ああ、ここってあそこに繋がってたのか!」というアハ体験が何度も訪れる。

プレイヤーの間では「ダークソウルのマップデザインに近い」という評価もあるくらいで、セクター同士の接続が巧みに設計されている。新しいエリアに足を踏み入れるたびに圧倒されるけど、すぐに全体像が見えてくる。その繰り返しが探索のモチベーションを維持してくれる。

Co-op:最大6人で施設を探索

Abiotic Factorはソロでも十分楽しめるけど、真骨頂は最大6人のオンラインCo-opにある。友達と一緒に施設を探索し、役割分担しながら拠点を構築し、未知のセクターに挑む——このゲームの「カオスで楽しい」部分は、複数人で遊ぶと何倍にも増幅される。

誰かが怪物に追いかけ回されている横で、別の誰かが悠々とインテリアのレイアウトにこだわっている。そんなカオスな光景が日常になるのが、このゲームのマルチプレイの醍醐味だ。2025年7月の正式リリースからはクロスプレイにも対応し、PC・PlayStation・Xboxのプラットフォームを越えて一緒に遊べるようになった。

ストーリー:思ったよりガッツリある

サバイバルクラフトジャンルには珍しく、Abiotic Factorにはしっかりとしたメインストーリーが存在する。施設内のNPCとの会話、散りばめられた文書、環境ストーリーテリングを通じて、GATE施設で何が起きたのかが徐々に明かされていく。

SCPFoundation的な超常現象の世界観と、90年代SFのレトロフューチャーな空気感が混ざり合って、独特の雰囲気を醸し出している。サバイバルゲームなのにストーリーが気になって先に進みたくなるというのは、かなり珍しい体験だ。

基本情報

Abiotic Factor ゲーム画面 - 研究施設の雰囲気
タイトル Abiotic Factor(アビオティック・ファクター)
開発 Deep Field Games(ニュージーランド)
パブリッシャー Playstack
ジャンル オープンワールド サバイバルクラフト / Co-op / RPG
プラットフォーム PC(Steam)/ PlayStation 5 / Xbox Series X|S
早期アクセス開始 2024年5月2日
正式リリース 2025年7月22日(ver 1.0 Cold Fusion)
プレイ人数 1~6人(オンラインCo-op、クロスプレイ対応)
価格 $34.99(Steam)※2025年5月に価格改定あり
日本語対応 対応済み(UI・字幕)
Steam評価 圧倒的に好評(96%・50,000件以上)
売上 累計140万本以上(Steam)
エンジン Unreal Engine 5
受賞・ノミネート Golden Joystick Awards 2024「Best Multiplayer Game」ノミネート
Golden Joystick Awards 2025「Best Indie Game」「PC Game of the Year」ノミネート

PC動作環境

最低スペック 推奨スペック
OS Windows 10以降 Windows 10以降
CPU Intel Core i5(第9世代)相当 Intel Core i5(第11世代)相当
メモリ 8GB RAM 16GB RAM
GPU GeForce GTX 1660 / Radeon RX 5600 XT GeForce RTX 2080
DirectX Version 11 Version 11
ストレージ 10GB 10GB
ネットワーク ブロードバンドインターネット ブロードバンドインターネット

※マルチプレイのホスト時はCPU負荷が上がるため、推奨スペック以上を推奨。

なぜAbiotic FactorはSteam96%好評のヒット作になったのか

正直なところ、「地下研究施設でサバイバル」というコンセプトだけ聞いても、そこまで新鮮に感じない人もいるだろう。サバイバルクラフトジャンルはすでにレッドオーシャンで、毎月のように新作がリリースされている。その中でAbiotic Factorが140万本を超えるヒットを記録した理由は、複数の要素が絶妙に噛み合った結果だと思う。

理由1:Half-Lifeの「あの空気」を再現しつつ、全く新しい体験を作った

Half-Lifeの空気感を持つゲームは他にもあるけど、「Half-Lifeの世界でサバイバルクラフトする」というアイデアを、ここまで高い完成度で形にしたのはAbiotic Factorが初めてだ。既視感と新鮮さのバランスが絶妙で、「あ、これ知ってる」という安心感と「こんなの見たことない」という驚きが交互にやってくる。

ゲーム内の研究施設GATEは、ブラックメサ研究所を明確にオマージュしている。薄暗い廊下、異様に広い実験室、放置されたトラム——だけど、そこにサバイバルクラフトの文法が持ち込まれることで、まったく新しいゲーム体験になっている。

理由2:「木を切る」以外のサバイバルを提案した

サバイバルクラフトゲームの9割は「木を切って石を集めて家を建てる」から始まる。このジャンルのプレイヤーは、正直そのループに疲れている人が多い。Abiotic Factorは、舞台を研究施設にすることで、そのマンネリを根本から打ち破った。

木を伐採するかわりに自販機を壊す。石を拾うかわりにオフィス家具を解体する。動物を狩るかわりに、怪しい実験生物と戦う。やっていることのコアは「素材集めてクラフト」なのに、手触りがまるで違う。この新鮮さが、サバイバルクラフト疲れのプレイヤーを大量に引き戻した。

理由3:ソロでも遊べるが、Co-opで化ける設計

最大6人Co-opという設計は、コンテンツクリエイターやストリーマーとの相性が抜群だった。配信映えする場面が自然に生まれるゲームデザインになっていて、Twitch・YouTubeでの拡散力が大きかった。

同時に、ソロプレイでも十分に楽しめるバランス調整がされている。サンドボックス設定でXPの獲得量やスタックサイズを変更できるため、ソロでもストレスなく遊べる。この「どちらでも遊べる」柔軟さが、ターゲット層を大きく広げた。

理由4:早期アクセスの模範的な運営

2024年5月の早期アクセス開始から、Deep Field Gamesは着実にコンテンツを追加し続けた。

  • 2024年8月:Crush Depth ── セキュリティセクター・ハイドロプラント貯水池エリアの追加。乗り物、釣り、ジェットパック、レーザーカタナなど多数の新要素
  • 2025年2月:Dark Energy ── パワーサービスエリア・リアクターの追加。テレポーターパッド、ポケットディメンション、ブラックホールグレネードなど新テクノロジー
  • 2025年7月:Cold Fusion(ver 1.0) ── レジデンスセクターの追加でストーリー完結。アップグレードシステム、クロスプレイ対応、コンソール版同時発売

約1年2ヶ月の早期アクセス期間で、3回の大型アップデートを経て正式リリース。このペースと内容量は、早期アクセスの成功事例として語られるレベルだと思う。

理由5:Playstackの目利きとマーケティング

パブリッシャーのPlaystackは、Balatroを大ヒットさせた実績を持つ。インディーゲームの目利き力には定評があり、Abiotic Factorのポテンシャルを早い段階で見抜いてパブリッシング契約を結んでいる。正式リリース時にはPlayStation PlusとXbox Game Passへの同時提供も実現させ、コンソール市場でも100万人以上のプレイヤーを獲得した。

理由6:「科学者」という主人公のユニークさ

サバイバルゲームの主人公は通常、屈強なサバイバリストか名もなき冒険者だ。Abiotic Factorの主人公は「科学者」。戦闘のプロではなく、頭脳で生き延びる存在。この設定がクラフトシステムとの親和性を高めているし、「弱い自分がなんとか知恵を絞って生き延びる」というサバイバルの本質的な面白さを際立たせている。

賛否両論:ここが良い、ここが気になる

Abiotic Factor ゲーム画面 - 戦闘とサバイバル

Steam好評率96%とはいえ、すべてのプレイヤーが手放しで絶賛しているわけではない。ここではポジティブな評価と、実際に指摘されている問題点の両方を正直に整理する。

ここが良い

唯一無二の雰囲気

Half-Life、SCP Foundation、Prey、System Shock——これらの名作からインスピレーションを受けつつ、どれとも違う独自の空気感を作り上げている。90年代の地下研究施設という舞台設定だけで、他のサバイバルゲームとは一線を画している。蛍光灯が点滅する薄暗い廊下を歩いているだけで、なんとも言えない緊張感がある。

マップデザインの秀逸さ

各セクターの構造が非常によく練られていて、探索が純粋に楽しい。新エリアに入るたびに「広い……」と圧倒されるけど、ショートカットや接続ルートを発見していくうちに全体像が掴めてくる。この「理解が進む快感」は、メトロイドヴァニアやソウルライクのマップデザインに通じるものがある。

クラフトの発明的な面白さ

研究施設の備品を分解して武器や道具を作るというコンセプトが抜群に楽しい。オフィスチェアのパーツでクロスボウを作り、ソファクッションで防具を作る。「こんなものが武器になるのか」という驚きが、ゲームを通じて何度もやってくる。

RPG的な成長の充実

ジョブシステムとスキルツリーが、サバイバルクラフトにRPGの奥深さを加えている。新しいスキルをアンロックするたびに行動の幅が広がり、「次はどんなスキルを伸ばそう」という楽しみが常にある。

Co-opの楽しさ

友達と一緒に遊ぶと、計画通りに進まないカオスな展開が最高に楽しい。役割分担、拠点の共同建設、未知のエリアへの探検——マルチプレイの醍醐味がこれでもかと詰まっている。

ストーリーの存在

サバイバルクラフトなのに先が気になるストーリーがある。NPCとの会話や環境ストーリーテリングで、GATE施設の謎が徐々に解き明かされていく展開は、この手のジャンルでは珍しく引き込まれる。

ここが気になる

後半のバランス問題

これはかなり多くのプレイヤーが指摘している点。リアクター以降のエリアでは敵が極端に硬くなり、戦闘が「弾のスポンジを延々撃ち続ける」作業になりがちだ。序盤から中盤にかけての絶妙なバランスが、終盤で崩れるという意見は少なくない。

終盤のストーリー展開

ストーリーの存在が魅力でもあるんだけど、終盤——特にラスボスとエンディング——に対する不満の声は目立つ。「急に別のスタジオが作ったような出来」「エンディングの選択肢が理不尽」という批判は、熱心にプレイしたからこその厳しい評価だろう。

後半のリソースグラインド

ゲームが進むにつれて、基本的なリソースの確保がどんどん面倒になっていく。特にマルチプレイでは、素材集めの作業量が増大して友人がプレイを辞めてしまった、という報告もある。前半のテンポが良いだけに、後半のグラインド感は余計に目立つ。

ソロプレイの難易度

Co-op前提のバランス設計のため、ソロだと戦闘がかなり厳しい場面がある。サンドボックス設定で調整すれば緩和できるけど、デフォルト設定のままだとソロプレイヤーはストレスを感じるかもしれない。

最適化の課題

Unreal Engine 5ベースだが、エリア移動時のポップインやフレームレートの低下が報告されている。特にマルチプレイで人数が多い場合や、建築物が密集したエリアでは顕著になることがある。

一部の仕様がわかりにくい

ゲーム内の説明が不足している部分があり、クラフトレシピの発見や一部のメカニクスは試行錯誤か外部情報に頼ることになる。親切設計とは言い難い部分が残っている。

プレイヤーの声:Steamレビュー・SNSから

実際にプレイした人たちの声を、Steam・X(旧Twitter)・各種メディアから紹介する。好意的な意見も批判的な意見も、できるだけそのまま載せる。

Steamレビューから

This game is like if Half Life didn’t have Gordon Freeman, and the scientists had to save themselves. Seriously good fun, especially with friends.

Steam ユーザーレビュー — Shine

「Half-Lifeからゴードン・フリーマンを抜いて、科学者たちが自力で生き延びなきゃいけないゲーム」という表現が見事。このゲームの本質を一文で言い当てている。

Abiotic Factor is to survivals what Baldur’s Gate 3 is to CRPG, or Elden Ring to souls-like: It’s the new gold standard.

Steam ユーザーレビュー — Dae

BG3やエルデンリングと並べるのはさすがに大げさでは……と思いつつ、「サバイバルクラフトの新基準」という評価には頷ける部分がある。少なくとも、このジャンルに新風を吹き込んだのは間違いない。

This game permanently broke my perspective on open world survival craft games. The bar is now so high that everything else feels half-baked.

Steam ユーザーレビュー — KASIA_CICHOPEK

「このゲームのせいで他のサバイバルクラフトが全部中途半端に感じるようになった」。一種の褒め殺しだけど、それだけ体験のクオリティが高いということだろう。

Revolutionary game that dares to ask the question: ‘what if you made a survival game fun.’

Steam ユーザーレビュー — NuclearSquid

「サバイバルゲームを楽しくしたらどうなるか」という問いかけ。シンプルだけど核心を突いている。このジャンルの「作業感」に対するアンチテーゼとして、Abiotic Factorが機能しているということだ。

I hate survival crafting games, the lack of a story makes it horrible solo— Oh you have a story? …Amazing game, pinnacle of the survival crafting genre in all capacity.

Steam ユーザーレビュー — The Milkman

サバイバルクラフト嫌いの人間が手のひらを返す様子がリアルタイムで記録されている。ストーリーの存在が、このジャンルに懐疑的なプレイヤーすら取り込んでいるのが分かる好例。

Fun solo, could be even better with friends, unfortunately i have no friends..

Steam ユーザーレビュー — BigCapin420

Steamレビューの風物詩的なやつ。でもこれ、わりと本質を突いていて、「ソロでも楽しいけど、Co-opだともっと楽しい」というバランスが表現されている。

批判的なSteamレビュー

The game really starts falling apart after the Reactors. Enemies become bullet sponges and the 1.0 ending is a massive letdown of a final boss.

Steam ユーザーレビュー — GrafiX(プレイ時間36.3時間)

後半のバランス問題とエンディングへの不満。36時間遊んだ上での正直な感想として、無視できない指摘だ。

Post-Labs content devolves into repetitive gunfights where every fight feels like slow, tedious, frustrating work.

Steam ユーザーレビュー — Bonehead Bruin(プレイ時間93.7時間)

93時間プレイした上での批判。序盤の工夫に満ちたゲームプレイが、後半では単調な銃撃戦に変わってしまうという構造的な問題を指摘している。

Player power doesn’t scale with difficulty. Later-game grind becomes insanely grindy for basic resources, causing friends to quit the multiplayer experience.

Steam ユーザーレビュー — Suriranyar(プレイ時間74.8時間)

「プレイヤーの強さが難易度の上昇に追いつかない」「リソースグラインドがきつすぎて友達が辞めた」。マルチプレイのゲームにとって、「一緒に遊ぶ仲間が脱落する」のは深刻な問題だ。

X(旧Twitter)の声

人気ストリーマーCohhCarnageが90時間プレイした上での感想。「ドーパミンの鉱脈」「毎時間新しい発見がある」「人生で最高のゲームのひとつ」と絶賛。100時間以上遊べるボリュームがあるという証言は購入検討者にとって大きな判断材料になる。

135時間かけてクリアしたGladdの評価。「10/10に最も近いサバイバルゲーム」「歴代トップ5に入る」。ちなみにこの人は別のポストで、このゲームのマップデザインを「あらゆるゲームの中で最高」とも評している。

マップデザインに特化した感想。「巧みな進行によってアンロックされる接続セクター」「最初は圧倒されるけど、全体像が見えた瞬間のアハ体験」。このゲームの探索体験を的確に言語化している。

「友達と死ぬほど遊んでメインストーリーをクリアした。今まで遊んだ中で最高のサバイバルゲーム」。Co-opでストーリーを最後まで遊びきった満足感が伝わってくる。

90時間でクリア。「もう一度プレイしたいと思える稀有なゲーム」という評価。サバイバルクラフトは一周すると満足してしまうことが多いジャンルなので、リプレイ意欲があるのは高い評価と言える。

一日中Abiotic Factor、一週間中Abiotic Factor、寝ても覚めてもAbiotic Factor。ここまでハマっている人の言葉は、下手な分析より説得力がある。Game Passでも遊べるという情報もありがたい。

メディアの評価

I fell in love with Abiotic Factor the minute I strapped a couch cushion to my chest and called it armor—there’s no other survival game like it.

PC Gamer

PC Gamerの記者がソファのクッションを防具にした瞬間に惚れたという話。「こんなサバイバルゲームは他にない」という一文は、このゲームの個性を端的に表現している。

Abiotic Factor restored my faith in survival games.

PC Gamer

「サバイバルゲームへの信頼を取り戻してくれた」。このジャンルに飽きていた層にこそ刺さるゲームだということを、メディアの評価が裏付けている。

日本語圏の声

日本語のSteamレビューは274件で「非常に好評」。4Gamer、AUTOMATON、電ファミニコゲーマーなどの国内メディアでも取り上げられている。

note等の個人ブログでは「Half-Life、Prey、System Shock、SCP Foundation、Minecraft、Valheimのいいとこ取り」「未知と遭遇する恐怖や面白さを味わえる」といった感想が見られる。早期アクセス時点で日本語ローカライズが実装されており、致命的なバグも少ないという評価だ。

AUTOMATONの記事によれば、正式リリース時にはSteam同時接続が2万人を超え、過去最高を記録した。日本のプレイヤーコミュニティも着実に成長している印象がある。

ソロプレイはどう?正直な評価

Abiotic Factor ゲーム画面 - ソロプレイでの探索

「Co-opゲームらしいけど、一人で遊んでも楽しいの?」——これはかなり多くの人が気にするポイントだと思う。結論から言うと、楽しめる。ただし、いくつか知っておいた方がいいことがある。

ソロの良いところ

  • 没入感が段違い:一人で暗い廊下を歩く恐怖感、BGMとサウンドデザインの良さが際立つ。Co-opだとワイワイしがちな場面も、ソロだと純粋にホラー体験として楽しめる
  • リソースが全部自分のもの:分け合う必要がないので、素材管理が楽。自分のペースで進められる
  • 拠点づくりに没頭できる:誰にも邪魔されず、理想のラボを構築できる

ソロの難点

  • 戦闘が厳しい場面がある:明らかに複数人を想定したバランスの場所が存在する
  • 作業量が多い:Co-opなら手分けできる作業を全部一人でやるので、テンポが落ちる
  • 説明不足の仕様:マルチなら仲間に聞けるけど、ソロだと自力で調べる必要がある

ソロプレイのコツ

サンドボックス設定でXPの獲得倍率を上げたり、アイテムのスタックサイズを増やしたりすると、ソロでも快適に遊べる。デフォルト設定にこだわらず、自分の楽しめるバランスに調整するのがおすすめ。ジョブ選択では、ステルスにボーナスがあるLab Assistantがソロ向きとされている。

アップデートの歩みと今後の展望

Abiotic Factorの早期アクセス期間は約1年2ヶ月。その間に3回の大型アップデートがあり、正式リリースに至った。この開発速度とコンテンツ量は、インディースタジオとしてはかなりのハイペースだ。

Crush Depth(2024年8月)

早期アクセス開始から約3ヶ月で最初の大型アップデート。セキュリティセクターとハイドロプラント貯水池エリアが追加され、プレイエリアが大幅に拡張された。乗り物(ドライブ可能な車両)、釣りシステム、ジェットパック、レーザーカタナといった新要素が一気に追加された。

Dark Energy(2025年2月)

パワーサービスエリアとリアクターが新たに開放。テレポーターパッド、ポケットディメンション(異次元空間)、ブラックホールグレネードといった、よりSFに振ったコンテンツが追加された。この段階でゲームの規模はかなり大きくなり、プレイ時間は100時間を超えるボリュームに成長していた。

Cold Fusion(2025年7月・ver 1.0)

正式リリースにあたる最大のアップデート。レジデンスセクターの追加によりメインストーリーが完結。不自然な寒冷現象、停電、謎の黒い霧が特徴的な新エリアで、物語のクライマックスが展開される。

新要素としてアップグレードベンチ(武器・防具の強化システム)、新型異常体エンティティ、新NPC商人、キャラクターリセット機能などが実装された。クロスプレイのフル対応もこのアップデートで実現している。

今後のロードマップ

開発チームは正式リリース後もアップデートを継続する方針を表明しており、新たなロードマップが公開されている。謎のクロスオーバーコンテンツ、DLC計画、新難易度モードなどが予告されている。開発者は「コミュニティへの義務が怖いけど、皆さんを愛しています」とコメントしており、今後もコンテンツの追加が期待できそうだ。

似たゲーム・関連作品

Abiotic Factorが気に入った人、あるいは「面白そうだけど自分に合うか不安」な人のために、関連性の高いゲームを紹介する。

雰囲気・世界観が近いゲーム

Half-Life シリーズ

言わずと知れた元ネタ。Abiotic Factorの雰囲気が刺さった人は、まだ未プレイなら絶対にやるべき。ブラックメサ研究所の空気感は、20年以上経った今でも色褪せない。

Lethal Company

Co-opホラーという点で共通項が多い。不穏な施設を仲間と探索する緊張感と、カオスな展開から生まれる笑い。Abiotic Factorが好きなら、こちらも間違いなく楽しめる。方向性は違うけど、「友達と一緒に怖い場所を探索する楽しさ」の核は同じだ。

SCP: Secret Laboratory

SCP Foundationの世界観が好きならチェック必須。Abiotic FactorのGATE施設はSCPの収容施設からもインスピレーションを受けており、超常現象が蔓延する研究施設という設定に惹かれた人にはドンピシャ。

サバイバルクラフトが好きなら

Subnautica

「既存のサバイバルクラフトとは違う体験」という点でAbiotic Factorと通じるものがある。海底という未知の環境でのサバイバルは、研究施設という閉鎖空間でのサバイバルと、不思議な親和性を持っている。ストーリー主導型のサバイバルが好きなら特におすすめ。

Valheim

Co-opサバイバルクラフトの名作。拠点づくりの楽しさ、探索の緊張感、仲間との冒険——Abiotic Factorと共通する面白さが多い。舞台が北欧神話の世界とSF研究施設という違いはあるけど、ゲームの骨格は近い。

Grounded

ObsidianのCo-opサバイバル。裏庭でミクロサイズのサバイバルという独自の舞台設定は、「研究施設でサバイバル」のAbiotic Factorと「定番とは違う場所でのサバイバル」という志が共通している。科学的な要素が好きな人にもおすすめ。

Sons of the Forest

ホラー色の強いサバイバルクラフト。Abiotic Factorの恐怖要素に惹かれた人には向いている。ソロでもCo-opでも遊べる点も共通。ただし、こちらは屋外のオープンワールドなので、閉鎖空間の圧迫感はAbiotic Factorの方が上。

7 Days to Die

長年アップデートを重ねてきたサバイバルクラフトの古参。拠点づくりと防衛戦の面白さに定評がある。Abiotic Factorのクラフト要素が好きな人なら、こちらも満足できるはず。

まとめ:サバイバルクラフトの「次」を見せてくれたゲーム

Abiotic Factor ゲーム画面 - Co-opマルチプレイ

Abiotic Factorは、飽和状態のサバイバルクラフトジャンルに「こういうやり方もあるよ」と新しい道を示したゲームだと思う。

Half-Lifeのような地下研究施設、SCP Foundationのような超常現象、オフィス家具を分解して作る即席の武器、RPG的なキャラクタービルド——どれも既存の要素なんだけど、組み合わせ方が独創的で、結果として「見たことない体験」に仕上がっている。

完璧なゲームかと聞かれると、そうではない。後半のバランスには課題があるし、エンディングに不満を持つプレイヤーも少なくない。ソロだときつい場面もある。でも、序盤から中盤にかけてのゲーム体験は本当に素晴らしくて、「サバイバルクラフトってこんなに楽しかったっけ?」と思わせてくれる力がある。

Steam好評率96%、累計140万本という数字は伊達じゃない。Deep Field Gamesというニュージーランドの小さなスタジオが、サバイバルクラフトの常識を書き換えたこと自体が痛快だし、リスペクトに値する。

友達を誘って遊ぶのが理想だけど、ソロでも設定を調整すれば十分に楽しめる。Half-Lifeが好きな人、サバイバルクラフトに新しい風が欲しい人、純粋に面白いゲームを探している人——どれかに当てはまるなら、試して損はないと思う。

Game PassやPlayStation Plusでも配信されているので、まずはそちらで試してみるのもありだ。ソファのクッションを防具にする面白さを、ぜひ自分の手で確かめてほしい。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次