発売9日で200万人、700万本突破——「Warhammer 40,000: Space Marine 2」は”ウォーハンマー沼”への危険な入り口だった
2024年9月9日の朝、Steamの同時接続ランキングに見慣れないタイトルが躍り出た。
「Warhammer 40,000: Space Marine 2」——Steamピーク同接225,690人。全ウォーハンマーゲーム史上1位。前作から13年の時を経た続編が、こんな数字を叩き出した。
正直に言おう。筆者はこのゲームを遊ぶ前、「ウォーハンマーのゲームってTRPG好きのおじさん向けでしょ」くらいの認識しかなかった。西暦40,000年の銀河帝国とか、ティラニッドとか、スペースマリーンとか、固有名詞だけで頭が痛くなる。
でも遊んだ。3時間後、気づいたら深夜3時になっていた。
Game*Sparkのレビュアーが「ウォーハンマーという”麻薬”につながる危険なゲートウェイドラッグだ」と書いていた意味を、体で理解した瞬間だった。
この記事では、ウォーハンマーを一切知らない人でも楽しめるのか、どんな体験ができるのか、そして長く遊べるゲームなのかを、正直に全部書く。
こんな人におすすめ
- 大量の敵をなぎ倒す爽快感が好きな人 → 数百体のエイリアンを文字通りぶちのめせる
- 3人CO-OPで友達と遊びたい人 → Operations(協力ミッション)が特に楽しい
- Helldivers 2やDeep Rock Galacticが好きな人 → 同じ”群れをぶっ倒す”系だが別の体験がある
- ダークで重厚なSF世界観が好きな人 → 40Kの世界観はほかに類がない
- 長期間アップデートで遊び続けたい人 → 発売1年半後もコンテンツが増え続けている
こんな人には合わないかも
- ストーリーをじっくり楽しみたい人 → キャンペーンは約10時間で終わる
- ウォーハンマーの世界観説明をゲーム内でしてほしい人 → 用語集がなく難解な場面あり
- ソロで全コンテンツを楽しみたい人 → CO-OP前提設計のため、ソロは難しめ
- 対戦(PvP)メインでやりたい人 → PvPモードは評価が低め
公式トレーラー
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Warhammer 40,000: Space Marine 2 |
| 開発 | Saber Interactive |
| パブリッシャー | Focus Entertainment |
| 発売日 | 2024年9月9日(PC / PS5 / Xbox Series X|S) |
| ジャンル | サードパーソン・アクション(TPS) |
| 価格(Steam) | 通常版 約8,200円(セール時67%OFF実績あり) |
| 日本語対応 | テキスト・音声 完全対応 |
| メタスコア | 83点(PC版・42媒体)/ OpenCritic 83点・94%おすすめ |
| Steam評価 | 83%好評「非常に好評」(12万件超レビュー) |
| ピーク同接 | 225,690人(全ウォーハンマーゲーム史上1位) |
| 販売本数 | 700万本超(2025年7月時点) |
ウォーハンマー40,000を知らない人でも大丈夫?——世界観の話を5分で
「ウォーハンマー」という名前を聞いて引いてしまった人、正直に手を挙げてほしい。筆者もその一人だった。
ウォーハンマー40,000(通称「40K」)は、イギリスのGames Workshopが1987年から展開するミニチュアウォーゲームのフランチャイズだ。卓上のフィギュアを使って戦略対戦を行うホビーで、日本では「世界最大のタブレトップゲーム」として知られている——知っている人には。
舞台は西暦40,000年の銀河。人類の「帝国(Imperium)」が宇宙の無数の敵と戦い続けている。皇帝は生死の境をさまよい、神格化されながら黄金の玉座に繋がれている。銀河の至る所で戦争が続いている。希望より絶望が多い世界。
そんな絶望的な宇宙で、人類最強の戦士として生まれたのが「スペースマリーン」だ。遺伝子操作と超外科的施術で強化された超人。体長2メートルを超え、パワードアーマーを纏い、チェーンソードとボルトガンを手に無数の敵と戦う。文字通り一人で数百の敵を倒す、人類の守護者たち。
そして本作の敵「ティラニッド」——銀河を渡ってくる宇宙生命体の大群だ。個体では恐れるほどでもないが、数百、数千単位で押し寄せてくる。彼らは星系を丸ごと食い尽くして進化する。「スウォーム(大群)」による飽和攻撃が特徴で、プレイヤーはその文字通り数百体の群れに突っ込んでいく。
この世界観、知識がなくても「すごく悪そうな敵が大量に来る → 超強い人間が戦う」というコアは直感的に理解できる。実際、GamesRadar+のレビュアーは「ウォーハンマー初心者への完璧な入口」と評し、Game Rantは「フランチャイズ外からのプレイヤーへの完璧なゲートウェイ」と書いている。
固有名詞に圧倒されるのは最初の30分だけ。あとはもう、目の前に来るティラニッドをぶっ倒すことに集中するだけでいい。
13年ぶりの続編——なぜ今、Space Marine 2なのか

前作「Warhammer 40,000: Space Marine」が発売されたのは2011年。当時はTHQがパブリッシャーで、Relic Entertainmentが開発した。そのTHQは2013年に倒産。「Space Marine 2は永遠に来ない」と多くのファンが諦めていた。
それが2021年のThe Game Awardsで突然発表された。開発はSaber Interactive(World War Zシリーズで知られる)、パブリッシャーはFocus Entertainment。13年ぶりの続編に、ウォーハンマーファンたちは熱狂した。
物語は前作から約100年後。主人公ディメトリアン・タイタスは前作でゲリニウスとの戦いを生き延びたウルトラマリーンの副官だ。100年以上の時を経て、彼はデスウォッチ(宇宙の異形との戦いを専門とする精鋭部隊)から帰還し、ウルトラマリーンの古い仲間たちと再び肩を並べる。
舞台となる惑星カリドゥスに迫るのは、ティラニッドの艦隊「リヴァイアサン」。惑星規模の群れが押し寄せる中、タイタスたちはその先に潜む別の脅威——カオス勢力との戦いにも巻き込まれていく。
前作を知らなくても物語は楽しめる設計になっているが、プレイ後に前作を掘り起こしたくなる人は少なくないだろう。タイタスというキャラクターへの愛着は、ゲームを進めるにつれて確実に深まっていく。
戦闘の手触り——「強さ」とはこういうことだと思い知らされる

このゲームを語る上で、まず戦闘の感触の話をしなければならない。
スペースマリーンは重い。歩き方が重い。武器が重い。敵に向かっていく時の「どすん」という足音が、プレイヤーに「自分は今、超強い存在だ」という感覚を植え付けてくる。
4Gamerのレビュアーは「この爽快感は圧巻の一語に尽きる」と書いた。巨大なチェーンソードソードで敵の大群を薙ぎ払い、ボルタンで遠距離の敵を爆裂させ、パワードアーマーの拳で敵を叩きつける——その手触りは「アクションゲームの中で最上位の体験」と言っても大げさではない。
でもただの爽快系ゲームかというと、そうじゃない。そこがSpace Marine 2の秀逸なところだ。
パリィが戦闘の核心にある
本作の戦闘で最も重要なメカニクスが「パリィ(受け流し)」だ。
敵の特定の攻撃に合わせてボタンを押すと、近接攻撃を弾き返してカウンター攻撃に移る。タイミングを読み、大群の中から「今パリィすべき攻撃」を見極め、反撃する——このループが戦闘の緊張感を作っている。
さらに、スタン状態にした敵に「処刑(Execution)」を行うと、演出とともに敵を一撃で倒せる。この処刑が体力ゲージ(アーマー)を回復してくれる。だから「ただ逃げながら撃つ」だけでは体力が持たない。積極的に近づいてパリィし、処刑してアーマーを補充する——この戦い方を要求してくるのだ。
SteamレビュアーのPlayer_18329(プレイ時間181時間)はこう書いている。
「迫力の映像と、タイミングを要求するパリィ要素を組み合わせた高品質な体験。ただし短いキャンペーンとクリア後の薄さは欲を言えば残念」
単純な爽快感だけではなく、タイミングを要求するテクニカルな要素が噛み合っている。だから100時間以上遊んでも飽きが来ない設計になっている。
数百体が押し寄せる「スウォーム」の圧迫感
本作が他のアクションゲームと一線を画す要素が、この「スウォーム」システムだ。
ティラニッドは本当に数百体単位で押し寄せてくる。画面を埋め尽くす量の敵。飛びかかってくる小型種。ガードをこじ開けてくる中型種。遠距離から弾を吐く砲台型。これらが混在して同時に攻撃してくる。
そしてここが重要なのだが、「数が多くて圧倒される」のではなく、「数が多いのに対処できる」快感がある。小型種は薙ぎ払いで複数体を同時に倒せる。中型種をパリィして処刑する。弾を撃ってくる遠距離型を優先して狙う——この「優先順位をつけながら大量の敵を捌く」戦い方は、アクションゲームとして非常によく設計されている。
GamesRadar+のAndrew Brownは「ここ数年でプレイした中で最高のサードパーソンシューター」と評価した。その言葉の重さが、実際に遊ってみると分かる。
ゲームモード全解説——何が遊べるのか

1. キャンペーン(ナラティブモード)
メインストーリーが楽しめるソロ(またはCO-OP最大3人)モードだ。プレイ時間は約10時間。ディメトリアン・タイタスとしてティラニッドとカオス勢力に立ち向かうストーリーが展開される。
率直に言うと、ストーリー自体は「悪くないが突出して素晴らしいとは言い難い」。ウォーハンマーというIP特有のダークなトーンと、人類の絶望と希望が入り混じった物語は没入感がある。タイタスのキャラクターも魅力的だ。ただし、前作を知らない人には一部のシーンの文脈が掴みにくい。
ファミ通のレビューは映像クオリティと大群描写を称えながら、「ステージが単調になりがちな点」と「ウォーハンマー用語の難解さ」を指摘している。この点は正直な評価だと思う。
ただしキャンペーンには「前作を経験した人」と「今作が初めて」の両方が楽しめるよう設計されている。そして、たった10時間でも確実に「この世界の続きを知りたい」という気持ちにさせてくれる。
2. オペレーション(協力PvEモード)
本作の「もう一つの主役」と言えるのがこのモードだ。最大3人でプレイするCO-OPミッションで、発売時から継続的にミッションが追加されてきた。2026年3月現在で12本のミッションが遊べる。
オペレーションのポイントは「キャラクタービルドの自由度」にある。6種類のクラスからひとつを選び、経験値を稼いでパークをアンロックしていく。同じチームで同じクラスは選べないため、3人の役割分担が自然と生まれる。
難易度も複数段階あり、簡単な難易度でサクっと遊ぶこともできれば、最高難易度でクリアを目指す本格的な挑戦もできる。Eurogamerのレビュアーは「キャンペーンも爽快だが、Operations(協力プレイ)モードこそが真価を発揮する」と書いた。この評価は2026年時点でもまったく変わらない。
Steamレビュアーのiblis(プレイ時間11.5時間)は「しっかりとしたアクションゲームプレイ」を評価しながら、唯一の欠点として「Epic Online Servicesの頻繁なクラッシュ」を挙げた。発売初期の接続安定性の問題は、その後のパッチで大幅に改善されているが、完全には解決していない点は正直に書いておく。
3. クラスシステムの詳細
オペレーション・エターナルウォー・シージモードで使えるクラスは現在7種類だ。
| クラス名 | 特徴 | 向いているプレイヤー |
|---|---|---|
| タクティカル | 万能型。ライフルで遠近両対応 | まず試したい初心者におすすめ |
| アサルト | ジャンプパックで空中から突撃 | 近接戦が好きな人 |
| バンガード | グラップリングフックで高機動 | 縦横無尽に動き回りたい人 |
| ブルワーク | 盾で仲間を守る防衛リーダー | チームの盾役・リーダー志向の人 |
| スナイパー | 超長距離狙撃と陽動の使い手 | 精密射撃が好きな人 |
| ヘビー | 重火器で装甲目標を溶かす | ガトリングと爆発物が好きな人 |
| テックマリーン(2026年2月追加) | 群衆制御・エリア防衛の専門家 | 陣地を守りつつ制御したい人 |
各クラスに最大25のパークがあり、プレイスタイルをカスタマイズできる。3人1組のチームでは同一クラスが使えないため、誰が何のクラスを担当するかの話し合いが自然と生まれる。この「役割分担の面白さ」はオペレーションモードの最大の魅力のひとつだ。
4. エターナルウォー(PvPモード)
6対6のPvPモードで、スペースマリーンとケイオス・スペースマリーン(腐敗した人類の裏切り者たち)に分かれて戦う。
正直に言うと、このモードの評価は高くない。PC Gamerのレビュアーが「弱い対戦モード」と指摘したように、PvP専用タイトルと比べるとデプスに欠ける。本作の核心がPvEにあるため、PvPに特段こだわりがない人は無理に遊ぶ必要はないだろう。
ただし「ケイオス・スペースマリーンとして遊べる」という体験自体は独特で、ウォーハンマーファンには刺さる要素がある。
5. シージモード(2025年6月26日 無料追加)
Patch 8と同時に追加されたウェーブディフェンス型の新モードだ。3人で帝国の要塞を守りながら、無限に押し寄せるティラニッドとカオス部隊を迎撃する。
3つのセクター(防衛陣地・武器庫・制御室)を順番に守り、各セクターで5ウェーブをクリアすると次に進む。撃破ポイントを溜めて補給品や援軍を呼んだり、ドレッドノート(超重装甲機甲兵)に搭乗して敵を蹂躙したりできる。
オペレーションのステージクリア型とは違う「陣地防衛」の緊張感があり、追加以来オペレーションと並んでよく遊ばれているモードだ。
カスタマイズの深さ——自分だけのスペースマリーンを作る
オペレーションやシージモードでは「自分のスペースマリーン」を作れる。
章(チャプター)、カラーリング、装甲パーツ、紋章、武器の外見——これらをすべてカスタマイズできる。ウルトラマリーン(青)、ブラッドエンジェル(赤)、スペースウルフ(灰)、ダークエンジェル(緑)など、40Kのファンなら聞いたことがある章をそのまま再現できる。あるいは全部オリジナルの配色で「自分の章」を作ることも可能だ。
Steamレビュアーのshizzz(プレイ時間17.5時間)が「日本語版と海外版で差がないグローバル仕様」を評価したように、国や地域によるコンテンツ制限もなく、すべてのコスメティックにアクセスできる。
Steamレビュアーのablis(プレイ時間41.1時間)はクラスの仕様について「クラスで決まる武器」「パリィ中心の戦闘」「レベルベースの成長(ランダムドロップなし)」という設計を評価しており、特に「ランダム性がない育成」という点は「頑張った分だけ強くなる」という安心感につながっている。
DLCの追加コスメティック(各チャプターのアーマーセットなど)は課金制だが、ゲームプレイへの影響はまったくない。スキンを買わなくても本編は100%楽しめる設計だ。
700万本の理由——なぜこんなに売れたのか
「全ウォーハンマーゲーム史上最高のSteam同接」「発売日に全プラットフォーム200万人」「10月時点で450万本」「現在700万本超」——この数字の意味を少し考えてみたい。
Saber Interactive CEOのTim Willitsは発売後、「Quake、Doom、Wolfenstein、Rageを上回るペースで売れた」と語った。ただのウォーハンマーゲームの続編がそれだけの数字を出せた理由は何か。
筆者が思う最大の理由は「ウォーハンマーを知らなくても楽しい」という設計の成功だ。
スペースマリーンはわかりやすい。「人類最強の戦士」「パワードアーマー」「チェーンソード」——説明不要のかっこよさがある。敵もわかりやすい。大量のエイリアンが押し寄せてくる——それを倒す爽快感は普遍的だ。
そこに「3人CO-OPで遊べる」「クラスを育てる楽しさがある」「継続的にコンテンツが追加される」という要素が重なった結果、Helldivers 2の大ヒット(2024年2月)直後という時期の波にも乗って、想定以上の広がりを見せた。
「ウォーハンマーを全く知らなくても驚かされる体験だった。知識がなくても、スペースマリーンとして戦う熱狂は伝わってくる」
グラフィックと技術——最新PCで遊ぶ価値はあるか
Space Marine 2は「見た目のゲーム」でもある。数百体が画面を埋め尽くすスウォームシーン、重厚なパワードアーマーの質感、惑星規模の戦場の空気感——これらを高設定で堪能できるPCの性能があるなら、それだけでプレイする理由になる。
動作環境
| スペック区分 | CPU | GPU | RAM / ストレージ |
|---|---|---|---|
| 最低(30fps 1080p低) | Ryzen 5 2600X / i5-8600K | RX 580 / GTX 1060(6GB) | 8GB / 75GB |
| 推奨(60fps 1080p最高) | i7-12700 | RTX 3070(12GB VRAM) | 16GB / 75GB |
Patch 8(2025年6月)からDLSS 4とレイトレーシングに対応した。RTX 4070以上のGPUを持っているなら、レイトレーシング有効化でダンジョンや廃墟の光の表現が一段上になる。
注意点として、このゲームはCPUバウンド傾向がある(大量の敵AIを処理するため)。GPUアップスケーリングよりも「フレームジェネレーション」のほうが効果的という報告がある。最新のRTXカードを持っているなら、フレームジェネレーション有効化を試してみてほしい。
1年半の進化——発売後のアップデートを振り返る
Space Marine 2の大きな魅力のひとつが「発売後も継続してコンテンツが増え続けている」点だ。
Year 1(2024年9月〜2025年8月)
発売直後から細かなバランス調整とバグ修正が続いた。2024年10月の大型バランスパッチは一部のプレイヤーから「プレイヤー強化なしに難易度だけが上がった」と批判された。Steamレビュアーのagaga2は「開発者が自分たちのシステムを否定した」と怒りを露わにし、一時的にSteam評価が低下する局面もあった。
ただしその後の開発チームの対応は迅速だった。プレイヤーのフィードバックを踏まえた再調整が行われ、コミュニティとの対話も続いた。
2025年2月の「Datavaultアップデート」では新ティラニッド種と「データ保管庫」要素が追加。そして最大の節目が2025年6月26日の「Patch 8 / Siegeモードアップデート」だ。完全無料でシージモードが追加され、DLSS 4とレイトレーシングにも対応した。この頃に累計700万本突破が達成されている。
Year 2(2025年9月〜)
2025年9月4日の「アニバーサリーアップデート」は発売1周年を祝う最大規模のアップデートで、Year 2のロードマップが発表された。シーズンパス2では9種の新DLC(各チャプターのコスメティック)、新PvEモード・新PvPモード・新敵・新クラスの追加が予告されている。
そして2026年2月の「Patch 12.0」では、待望の新クラス「テックマリーン」が全プレイヤー無料で追加された。群衆制御とエリア防衛を得意とする技術職クラスで、「オムニシアのアックス」という新武器と新オペレーションミッション「Disruption」も同時実装。顔カスタマイズ機能(ヘルメットなしの頭部)も追加されている。
1年半のアップデートを振り返ると、Saber Interactiveがこのゲームを長期的に育てる意志を持っていることは明確だ。ライブサービスゲームとしての姿勢はHelldivers 2のArrowheadと比較されることがあるが、コンテンツの追加ペースと無料DLCの多さは評価に値する。
DLC・課金要素——正直な評価
本作のマネタイズについて正直に書く。
シーズンパス(コスメティックDLC)
Season Pass 1・2ともに、各スペースマリーンの章(チャプター)固有のアーマーセットやコスメティックのパックだ。これらは純粋にゲームプレイへの影響がゼロのスキンで、ウォーハンマーファンが「自分の好きな章の鎧を着たい」という欲求に応えるものだ。好きな人は買えばいい、気にしない人は一切関係ない、という設計は好感が持てる。
音声DLC炎上事件(2026年3月)
ただし一点、最近起きた出来事について触れておかなければならない。
2026年3月、Focus EntertainmentとSaber Interactiveは「Chapter Voice Pack 1」という約5ドルの有料DLCを販売した。内容はチャプター固有のキャラクターボイス差し替えというものだったが、収録セリフが少なく、クオリティも期待以下だとしてSteamで「ほぼ不評」評価を受けた。
コミュニティの怒りは相当なものだった。しかし開発側の対応は速かった。Focus EntertainmentとSaber Interactiveは声明を発表した。
「このDLCが皆さんの期待に応えられなかったことは明らかです(It’s obvious this DLC has failed to meet your expectations)」
謝罪と同時に全額返金とDLCの無料化が実施された。「お金を返してくれただけ」という見方もできるが、炎上が起きた際に迅速に頭を下げて具体的な対応を取る開発チームの姿勢は、長期プレイヤーのコミュニティへの信頼として蓄積されていくものだと感じた。
他のゲームと比べてどうか——Helldivers 2やDeep Rock Galacticとの違い
「Space Marine 2みたいなゲームを探している」という人のために、よく比較されるタイトルとの違いを整理する。
Helldivers 2との比較
2024年の「大群を倒すCO-PvEゲーム」のヒット作同士だけあって、最もよく比較されるタイトルだ。
最大の違いは「主人公の強さの設計」だ。Helldivers 2の民主主義のヘルダイバーたちは「数の暴力と装備で戦う普通の人間」で、死を軽く扱うゲームデザインになっている。対してSpace Marine 2のスペースマリーンは「本物の超人」で、一対多を前提とした戦い方が設計されている。「でかくて重くて強い」感覚はSpace Marine 2のほうが上だ。
ストラテジェム(エアストライクや補給の要請)という特徴的なシステムはHelldivers 2だけにある。CO-OPの連携が重要な点は共通している。
Deep Rock Galacticとの比較
DRGは宇宙のドワーフたちが虫の大群と戦うCO-OP PvEゲームで、4人CO-OPが最大の特徴だ。DRGはプロシージャル生成のダンジョンと採掘要素があり、Space Marine 2よりカジュアルに楽しめるが、繰り返しの楽しさという点では長期的に遊ばれている。Space Marine 2はよりストーリー性が強く、アクションの手触りが重厚だ。
結局どれを選ぶか
「3人でCO-OP、とにかく大量の敵をぶっ倒したい、アクションの手触りにこだわりたい」→ Space Marine 2
「4人でCO-OP、長期間遊び続けたい、難易度の幅が欲しい」→ Helldivers 2またはDeep Rock Galactic
「両方持っていて損はない」——これが正直なところだ。
Steam・メディア評価の読み方
Metacritic83点、OpenCritic83点で94%の批評家がおすすめ、Steam総合83%の「非常に好評」。この数字をどう読むか。
批評家のスコアは「普通の人が遊んでも楽しいゲーム」として高評価で一致している。ただし評価が割れる点が2つある。
ひとつは「キャンペーンの長さ」。約10時間でメインストーリーが終わる。これを「コンパクトで密度が高い」と評価するか「短すぎる」と評価するかはプレイヤーによる。PC Gamerが60点という低めのスコアをつけた主な理由のひとつがここだ。
もうひとつは「初心者への敷居」。ウォーハンマー40Kの世界観は初見には難しい。チュートリアルが少なく、用語解説も不十分なため、世界観を楽しもうとすると外部で調べる必要が出てくる。
逆に言うと、「世界観を深く理解しなくていい」「キャンペーン以外のコンテンツ(オペレーション・シージ)で遊ぶ気がある」という人には10時間の壁がないに等しい。
日本語ローカライズの質
日本語対応は音声・テキストともに完全対応だ。この点は日本プレイヤーにとって大きなプラスポイントだろう。
4Gamerの先行レビューでは「主人公ディメトリアン・タイタスの日本語音声(担当:大塚太郎)が特に印象的」と評価されている。重厚で荘厳な口調のタイタスを、日本語でも十分に体験できる。
ウォーハンマー独特の固有名詞(ティラニッド、スペースマリーン、カオス、ウォープなど)の訳語もシリーズの過去作に準拠しており、40Kに慣れた人なら違和感なく入れる。一方で初心者には「意味が分からない単語」が並ぶ場面は避けられない——それはローカライズの問題ではなく、IP自体の特性だ。
こんな時間帯に遊ぶのがおすすめ
最後に、個人的なプレイスタイルの提案として。
Space Marine 2は「短時間でも満足感がある」ゲームだ。オペレーションの1ミッションは30〜40分程度で完結するため、「今日は1時間だけ」という日でも充実した体験ができる。キャンペーンも章ごとに区切れるため、一気にやる必要はない。
友人と3人で集まれる時間に、ボイスチャットしながらオペレーションを攻略する——これが本作の最も楽しい体験だと思う。野良(ランダムマッチング)でも問題なく遊べるが、コミュニケーションのある3人プレイの面白さはその数段上にある。
Steamレビュアーのshizzz(プレイ時間17.5時間)は「ソロとCO-OPの両方で遊べる設計」を評価していたが、CO-OP体験を軸に据えているなら、友人を誘って遊ぶのが一番だ。
動作環境と購入前の確認事項
購入前に確認しておくべきポイントをまとめておく。
- Epic Online Servicesが必要:Steamで購入してもEpic Online Servicesを経由してマッチングする。発売初期は接続不安定の報告が多かったが、現在は大幅に改善されている
- ストレージは75GB確保を:SSDへのインストール推奨
- 最低スペックでも遊べるが…:GTX 1060(6GB)があれば最低設定で動くが、ゲームの迫力を体感するには推奨スペック(RTX 3070)以上を用意したい
- セール頻度が高い:発売から1年半で67%OFFのセールが実施されている。急がないなら大型セールを待つのも手
まとめ——Space Marine 2は「買い」か
結論を書く。
「3人CO-OPで大量の敵をぶっ倒す爽快感」「パリィと処刑のある骨太アクション」「継続的にコンテンツが追加されるライブサービス」——これらに価値を感じる人には、2024〜2025年のゲームの中でも上位に入る体験だ。
IGNのChris Reedは「残酷な戦闘が素晴らしい手触りを持ち、世界観への没入と視覚的スペクタクルが融合している」と評価した。GameSpotのRichard Wakelingは「プレイヤーをより大きな戦争の小さな一部として感じさせることに成功している」と書いた。
700万本の数字は伊達ではない。それだけの人が「楽しかった」と感じたゲームだ。
ただし、キャンペーンの短さとPvPの弱さは本物の欠点だ。ソロでしか遊ばない人、対戦ゲームとして楽しみたい人には合わない可能性がある。
迷っているなら——セールになった時に買うのが正解だと思う。67%OFFなら3,000円以下になる計算だ。その価格で700万本が楽しんだゲームが体験できるなら、損はしない。
そしてもし気に入ったなら、気づいたらウォーハンマーの世界観を調べ始めている自分がいるはずだ。
Game*Sparkが「ウォーハンマーという”麻薬”につながる危険なゲートウェイドラッグ」と書いた意味は、その時に分かる。
Space Marine 2 まとめ評価
| 戦闘の爽快感・手触り | ★★★★★(最高レベル) |
| CO-OPの楽しさ | ★★★★★ |
| ストーリー・世界観 | ★★★★(初心者は取っつきにくい) |
| ゲームの長さ・ボリューム | ★★★(キャンペーン10時間 + CO-OPで無限) |
| 継続コンテンツ追加 | ★★★★★(Year 2も充実) |
| PvP(対戦) | ★★(おまけ程度) |
| グラフィック | ★★★★★ |
| コスパ(セール時) | ★★★★★ |
総合: OpenCritic 83点、Steam 83%好評(12万件)、全プラットフォーム700万本超
よくある質問(FAQ)
Q: ウォーハンマーを全く知らないのに楽しめますか?
A: はい。むしろ「ウォーハンマーを知らない人への入口として最適」とGame Rantが評しているほどです。固有名詞は多いですが、「超強い人類が大量のエイリアンをぶっ倒す」というコアは直感的に楽しめます。
Q: ソロプレイでも楽しめますか?
A: キャンペーンはソロで十分楽しめます。ただしオペレーション(CO-OPモード)はCO-OP前提の設計のため、ソロだと難易度が上がります。野良マッチングが使えるので、一人でも3人で遊べます。
Q: 課金しないと不利になりますか?
A: なりません。DLCはすべてコスメティック(見た目変更)のみで、ゲームプレイへの影響はゼロです。
Q: 前作(2011年)をプレイしていないと話が分かりませんか?
A: 本作単体でも楽しめる作りになっています。前作を知っているとより深く楽しめますが、必須ではありません。
Q: Steam Deckで動きますか?
A: 動作報告はありますが、Epic Online Servicesの関係でやや不安定な場合があります。推奨はデスクトップPCでのプレイです。
Q: 最新アップデートの状況は?
A: 2026年2月のPatch 12.0で新クラス「テックマリーン」が無料追加されました。Year 2ロードマップは継続中で、新モードや新クラスの追加が予定されています。

