「無料でここまで遊べるサバイバルゲームは他にない」——Steamのレビュー欄で何度も繰り返されるこの言葉が、Once Human(ワンスヒューマン)というゲームの本質を端的に表している。
2024年7月にPC版がリリースされるやいなや、Steam同時接続23万1,668人を記録。リリース初月で全世界プレイヤー数1,000万人を突破し、2025年4月にはモバイル版が事前登録3,000万人を超えた状態でグローバルローンチを果たした。
NetEase Games傘下のStarry Studioが手がけるこのオープンワールドサバイバルMMOは、終末世界の探索、拠点建築、クリーチャー収集、そして大規模マルチプレイを基本無料で提供する。しかもPay to Winなし。
ただし、すべてが順風満帆だったわけじゃない。
利用規約のプライバシー問題でレビュー爆撃を受け、シーズンワイプ(データリセット)でプレイヤーの大量離脱を招き、日本語Steamレビューは「賛否両論」——光と影がはっきり分かれるタイトルだ。
この記事では、Once Humanが実際にどんなゲームで、何が面白くて、何が問題なのかを、Steamレビュー、SNSの声、海外メディアの評価を交えながら忖度なしで全部書いていく。
公式トレーラー
こんな人におすすめ / こんな人には合わない
- サバイバルクラフト系ゲームが好きだけど、ハードコアすぎるのは苦手な人
- 拠点建築にこだわりたい人(建築の自由度は業界トップクラス)
- 無料で長時間遊べるオープンワールドMMOを探している人
- PvEメインでソロでもマルチでも楽しめるゲームを求めている人
- SCP財団やクトゥルフ系の「不気味な世界観」が好きな人
- ARKやRustは敷居が高いと感じた人
- 中国系ゲームのプライバシーポリシーに強い不信感がある人
- シーズン制のリセットが絶対に許せない人(※2025年3月に恒久サーバー実装済み)
- PvPメインでガチ対戦がやりたい人
- 超グラフィック重視の人(美麗だが最先端ではない)
- 低スペックPCしか持っていない人(要求スペックはやや高め)
基本情報
| 正式名称 | Once Human(ワンスヒューマン) |
|---|---|
| ジャンル | オープンワールドサバイバルMMO(TPS / クラフト / 建築 / RPG要素) |
| 開発・運営 | Starry Studio(NetEase Games傘下) |
| 対応機種 | PC(Steam / 公式ランチャー)/ iOS / Android / PS5・Xbox Series X|S(2026年予定) |
| リリース日 | PC版:2024年7月9日 / モバイル版:2025年4月24日 |
| 料金 | 基本プレイ無料(課金はスキン・バトルパスなど外見のみ / Pay to Winなし) |
| Steam評価 | 全体:やや好評 / 直近30日間:非常に好評(89%好評)/ 日本語:賛否両論 |
| 同接ピーク | 231,668人(2024年7月14日) |
| クロスプレイ | 対応(PC・モバイル間。同一アカウントでデータ共有可能) |
| 日本語対応 | 対応(字幕・UI / 音声は英語・中国語) |
Once Humanとは何か——「超自然サバイバルMMO」という唯一無二のジャンル

Once Humanを既存のゲームで例えるなら、「ARKの建築自由度」と「SCPのホラー世界観」と「ポケモンのクリーチャー収集」をオープンワールドMMOに詰め込んだようなゲーム、ということになる。しかも全部無料。
舞台は、謎の物質「スターダスト」によって文明が崩壊した終末世界。プレイヤーは「メタヒューマン」——スターダストを制御できるよう生体改造された人間として目覚め、記憶を失った状態で広大な荒野に放り出される。
この世界では、スターダストの汚染によってあらゆる生物が「デビエーション」と呼ばれる異形の怪物に変異している。プレイヤーは資源を集め、拠点を建て、武器をクラフトし、デビエーションと戦い(あるいは仲間にし)ながら、世界の真相を解き明かしていく。
物語の黒幕は「ロゼッタ」という企業。人類の進化を追求するあまりスターダストの実験に暴走し、「スターフォール」と呼ばれる大災害を引き起こした張本人だ。プレイヤーは「V」と名乗る謎の存在に導かれながら、ロゼッタの残した施設を探索し、スターダストの秘密に迫っていく。
ストーリーは思った以上にちゃんと作られていて、サバイバルゲームにありがちな「世界観は飾り」という感じではない。メインクエストを追うだけでも数十時間のボリュームがあり、SFとホラーが入り混じった独特の雰囲気は、一度ハマると抜け出せなくなる。
ゲームプレイの核心——5つの柱で支えられた構造

Once Humanのゲームプレイは、大きく分けて5つの要素で構成されている。
【柱1】サバイバル——カジュアルだけど手応えがある絶妙な設計
サバイバルゲームの基本である「空腹」「渇き」「体力管理」はしっかり実装されている。食料は腐敗するし、武器には耐久度がある。精神値(サニティ)というパラメータも存在し、汚染地帯にいると精神が蝕まれていく。
ただし、Once Humanのサバイバル要素は「本格的だけどストレスフルにはならない」という絶妙なバランスに調整されている。
空腹で死ぬことはあるけど、食料の入手は比較的簡単。水はそこかしこで手に入る。Rustのように「裸で放り出されて何もかも分からない」という絶望感はなく、チュートリアルも(やや長いけど)丁寧に用意されている。
Steamで478時間プレイしたユーザーは「F2Pなのにゲームバランスが素晴らしく、課金で強くなる要素が一切ない。サバイバル要素もきつすぎず緩すぎず」と評価している。実際、課金で戦闘力に差が出ないという点は、多くのプレイヤーが繰り返し称賛しているポイントだ。あるユーザーレビューでは「課金なしでここまで遊べるなんて」という声もあり、基本無料ゲームとしての良心的な設計は間違いなく本作の大きな強みだ。
【柱2】拠点建築——沼にハマる人続出、本作最大の中毒要素
Once Humanの拠点建築システムは、サバイバルゲーム界でもトップクラスの自由度と充実度を誇る。
建築可能なパーツは壁・床・屋根・階段・窓・ドアといった基本パーツから、家具・照明・装飾品に至るまで膨大な種類が用意されている。建物のスタイルも木造からコンクリート、近未来風まで多彩で、「自分だけの拠点を作り上げる」という体験に関しては、有料タイトルを含めても業界屈指のクオリティだ。
X(旧Twitter)上では、プレイヤーが作った建築作品が頻繁にシェアされている。湖畔のモダンハウス、森の中のミニ城、水上に浮かぶガラス張りの別荘——そのクリエイティビティの幅広さは目を見張るものがある。
センス溢れる建築デザインですね。素敵なドールハウスのような建築。一部屋一部屋にお気に入りのデビちゃんを住まわせて一緒に過ごしたい
公式アカウントが定期的にプレイヤーの建築作品を紹介しているほどで、建築コミュニティの活発さはこのゲームの大きな魅力の一つだ。
レビューサイトでも「建築勢集まれ、最高です」「拠点に家具をカスタマイズできるのが楽しく、自分だけの基地を少しずつ作っていく過程がクセになる」という声が多数見られる。
ただし、建築にはいくつかの制約もある。構造物には物理的なサポートが必要で、支えなしに張り出しすぎると崩壊する。また、メンテナンスを怠ると構造物が劣化していく。このあたりはリアリティを追求した結果で、好みが分かれるところだろう。
【柱3】戦闘——TPSとしてのクオリティが予想以上に高い
Once Humanの戦闘は三人称視点(TPS)で行われ、約100種類の銃器ブループリントが7つのカテゴリに分類されている。ハンドガン、ライフル、ショットガン、スナイパーライフル、SMG、クロスボウなど、武器の種類は豊富だ。
TPSとしての操作感は、無料ゲームとは思えないほどしっかりしている。銃撃のフィードバックは手応えがあり、エイム感度の調整も細かくできる。海外メディアのPC Gamerも「三人称の銃撃戦はキレがよく、反応も良好」と評価している。
戦闘のスタイルは多彩で、正面からの力押しだけでなく、カイティング(引き撃ち)やヒットアンドラン戦法も有効。ボス戦では複数のギミックが用意されていて、ただ撃ちまくるだけでは勝てない。特にエンドゲームのダンジョンボスは本格的な難易度で、チームワークが求められる。
PvEサーバーではプレイヤー同士の戦闘はなく、協力プレイに集中できる。一方、PvPサーバーでは他プレイヤーとの緊張感ある戦闘が楽しめる。1つのサーバーに最大4,000人が同時接続可能で、広大なオープンワールドの中で他プレイヤーと遭遇する体験は、ソロプレイとはまた違った面白さがある。
「ソロでも遊びやすい」という評価は多く見られるが、大型ボス戦やダンジョン攻略ではマルチプレイのほうが格段に楽しい。マッチングシステムも用意されているので、フレンドがいなくても気軽に参加できる設計になっている。
【柱4】デビアント(変異クリーチャー)収集——「不気味なポケモン」の中毒性
Once Humanの最もユニークな要素の一つが、「デビアント」の収集・育成システムだ。
デビアントとは、スターダストの汚染によって変異した生物で、その姿はSCP財団のクリーチャーやクトゥルフ神話の怪物を思わせるものが多い。目がたくさんある犬、顔のない人型、電球の頭をした鳥——「気持ち悪いのに愛着が湧く」という絶妙なデザインが秀逸だ。
捕獲したデビアントは3つの役割に分類される。
プレイヤーと一緒に戦闘に参加する。それぞれ固有の攻撃パターンを持ち、敵に15〜30程度のダメージを与える。ボス戦での火力補助として有用。
領地型デビアント
拠点に配置することで、周辺の採集効率が5〜10%向上する。地味だけど、長期プレイでは確実に効いてくるバフ。
クラフト型デビアント
特定の生産作業を自動化してくれる。プレイヤーが不在の間も素材を集めてくれるので、拠点を離れるときに便利。
デビアントのデザインが「クトゥルフ神話やSCP財団を彷彿とさせる」と評されることも多く、この独特のクリーチャーデザインは他のサバイバルゲームにはない大きな差別化要素になっている。
図鑑をコンプリートしようとすると、レアなデビアントを求めて世界中を探索する羽目になる。これが思いのほかハマるのだ。「デビアント集めのために始めたのに、いつの間にか建築にも戦闘にもハマっていた」というのは、このゲームでよく聞くパターンだ。
【柱5】探索——密度の高いオープンワールド
Once Humanのマップは広大で、荒廃した都市、汚染された森林、地下施設、高層ビルの廃墟など、探索する場所には事欠かない。フィールド上にはランダムイベント、隠しダンジョン、サイドクエスト、収集アイテムが散りばめられていて、「ちょっと寄り道しようと思ったら2時間経っていた」という体験は日常茶飯事だ。
特にダンジョン探索は力が入っていて、単なる「敵を倒して宝箱を開ける」だけではなく、パズルやギミックが盛り込まれたものも多い。ソロで黙々と攻略するもよし、仲間と一緒に挑むもよし。
マップの雰囲気は「不気味だけど美しい」という独特のバランスで、ポストアポカリプスの荒廃感とスターダストによる異質な美しさが共存している。夕暮れ時の汚染地帯が紫色に染まる風景は、スクリーンショットを撮りたくなる美しさだ。
ただし、「マップと新しいコンテンツがもっとあれば良い」という声も少なくない。すべてのエリアを探索し終えると、やることが繰り返しに感じられるという指摘は、複数のレビューで一貫して見られるフィードバックだ。
Eternaland(エターナランド)——失われない「永遠の土地」

Once Humanで特筆すべきシステムの一つが、「Eternaland(エターナランド)」というプレイヤー専用の恒久空間だ。
キャラクターがレベル20に到達するとアンロックされるこの個人空間は、いわば「自分だけのサーバー」。ここで建てた建築物、保管したアイテム、集めたコレクションは、シーズンリセットの影響を受けずに永久に保持される。
Eternalandでは、理想の家を建て、動物を牧畜し、植物を栽培し、レアな収集品を飾ることができる。シーズンサーバーで手に入れた武器や素材をここに保管しておけば、次のシーズンに持ち越すことも可能だ。
このシステムは、後述するシーズンワイプ問題に対する開発側の回答の一つであり、「せっかく作った建築が消える」という不満に対する救済措置として機能している。
シーズン制度の光と影——ワイプ騒動から恒久サーバーへ
Once Humanの歴史を語る上で避けて通れないのが、シーズンワイプ(進行データのリセット)問題だ。
Once Humanでは、シーズンごとに新しい「シナリオサーバー」が開設され、そのシーズンが終了するとサーバーはシャットダウンし、プレイヤーのデータ(レベル、建築物、進行状況)がリセットされる仕組みだった。
この設計の意図は理解できる。新規プレイヤーと既存プレイヤーの格差を防ぎ、毎シーズン新鮮な気持ちでプレイできるようにするためだ。しかし、実際にはこの仕様は多くのプレイヤーの不満を買った。
公式投票では実に86%のプレイヤーがワイプ廃止に賛成。「せっかく何十時間もかけて作った拠点が消える」「友達がワイプを理由にやめてしまった」「PvEサーバーのワイプは何の意味もない」——Steam掲示板には怒りの声が殺到し、開発チームはリードデザイナーとの緊急ミーティングを実施する事態にまで追い込まれた。
そして2025年3月13日、ついに恒久サーバー(Permanent Server)が実装された。これにより、シーズンが終了してもサーバーはシャットダウンされず、プレイヤーのデータは保持される。シナリオの終了後、サーバーは2時間の変換プロセスを経て「Non-Shutdown Server」に自動変換され、すべてのゲーム進行データ(レベル、建築物、獲得したデビアント)が引き継がれる仕組みだ。
この変更は、シーズンワイプに不満を抱いていたプレイヤーから大きく歓迎された。ただし、30日以上アクセスのないキャラクターは恒久サーバーに移行されないという制限もある(今後の緩和が予定されている)。
課金モデル——「無料でここまで?」の真相
Once Humanの課金モデルは、純粋な外見課金のみだ。
直接購入できるスキン、ガチャ形式のルートボックス、シーズン限定のバトルパスが主な課金要素で、ゲームプレイに影響する武器やアイテムを課金で購入することはできない。Steamで161時間プレイしたユーザーは「ワールドビルディング、クラフトシステム、Pay to Winなしの設計が素晴らしい」と評価している。
ユーザーレビューサイトでも「課金で戦闘力の差が出ない優良ゲーム」「課金なしでここまで遊べるなんて」という声が複数あり、基本無料ゲームとしての良心的な設計は高く評価されている。あるレビューでは「稀に見る神ゲー」とまで書かれていた。
ただし、すべてのプレイヤーが満足しているわけではない。
海外メディアのPC Gamerは「キャッシュショップは攻撃的ではないが、価格は高い」と指摘している。また、一部のプレイヤーからは「一部のアイテムがPay to Win的だ」という声も出ている。この点について詳しく見ると、課金で「便利になる」アイテム(倉庫拡張など)は存在するものの、直接的に戦闘力が上がるアイテムは実装されていない。「Pay to Win」の定義をどこまで広く取るかによって評価が分かれるところだ。
2025年ロードマップ——進化し続けるコンテンツ
Starry Studioは2025年のロードマップで、大規模なコンテンツ拡張を発表している。
3つの新シナリオ
環境汚染をダイナミックイベントで防ぎ、汚染を除去して世界を元の姿に戻していくシナリオ。環境保全型のゲームプレイが特徴。
Code: Deviation(偏異)
デビアントの捕獲・融合・対戦に焦点を当てたシナリオ。デビアントをハントして新種に融合させ、バトルで競わせる「ポケモン的」な要素が強化される。
ビジョナルホイールシステム
既存のシナリオサーバーに新しいルール、メカニクス、武器をローテーションで追加する新システム。2〜3ヶ月ごとに内容が変わるため、同じシナリオでも遊ぶたびに異なる体験ができる。
カスタムサーバー
2025年前半に実装予定のカスタムサーバーでは、難易度やルールをプレイヤーが自由に設定できる。さらに、Eternalandにはエスケープルームやシューティングミニゲームのビルディングピースが追加され、プレイヤーが自作のミニゲームを作れるようになる。
モバイル版のグローバルローンチ
2025年4月24日に正式リリースされたモバイル版は、ワンタッチ採集、スマート戦闘アシスト、クロスプラットフォームプレイ&プログレッションを搭載。同一NetEaseアカウントでPC版とモバイル版を行き来できるため、外出先でもプレイの続きができる。事前登録3,000万人超という数字が、このタイトルの注目度を物語っている。
コンソール展開
PS5とXbox Series X|Sへの展開も計画されており、フルクロスプラットフォーム対応を目指している。具体的なリリース時期は2026年とされている。
プライバシー問題——レビュー爆撃の引き金になったToS騒動
Once Humanの歴史で最も物議を醸したのが、利用規約(Terms of Service)に関するプライバシー問題だ。
2024年7月のリリース直後、Once Humanの利用規約が精査され、「政府発行のIDを含む個人データの収集」が要求されている点が問題視された。この発覚を受けて、SteamではNegative Review Bombing(ネガティブレビューの大量投稿)が発生。特に日本語コミュニティでは、ゲームのインストール時にWindows起動項目(レジストリ)に不審なプログラムが追加されるという報告が相次ぎ、不信感が爆発した。
Steamの日本語レビューが「賛否両論」となっている主因はこれだ。プレイ時間0.1時間で「レジストリに不要なデータが書き込まれた」「信用できない」という低評価レビューが並ぶ一方、161時間以上プレイしたユーザーが「起動項目はトラッカーIDであってプログラムではない」と反論するなど、情報が錯綜した。
NetEaseの公式回答によると、政府発行のIDは「現地の法律で要求される場合」「保護者の同意確認」「年齢情報の修正」の3つの場合にのみ収集され、目的が達成された時点で即座に削除されるとのこと。また、起動項目についても不正なプログラムではないと説明している。
この騒動は沈静化したものの、中国企業のゲームに対するプライバシー懸念は根強く、日本語コミュニティでは依然としてセンシティブな話題だ。
PCスペック要件——意外と重い?
Once Humanはオープンワールドの大規模MMOだけあって、PCへの要求スペックはやや高めだ。
| 項目 | 最低スペック | 推奨スペック | ウルトラスペック |
|---|---|---|---|
| OS | Windows 10 64bit | Windows 10 64bit | Windows 10/11 64bit |
| CPU | Intel Core i5-4460 | Intel Core i7-7700 | Intel Core i5-12400F |
| GPU | GTX 750Ti 4G / RX 550 | GTX 1060 / RX 580 | RTX 3060 / RX 6650 XT |
| RAM | 8GB | 16GB | 16GB以上 |
| ストレージ | 50GB | 70GB(SSD推奨) | 70GB(SSD必須) |
最低スペックでの動作は可能だが、快適にプレイするなら推奨スペック以上が望ましい。特にオープンワールドの広大な空間を描画するため、SSDの搭載は実質的に必須と考えていい。HDDだとローディング時間が体感で2〜3倍になるという報告もある。
モバイル版に関しても、高品質なグラフィックのために端末への負荷は高め。ストレージ容量も20GB以上を占有するため、容量の少ないスマートフォンでは厳しい。「ラグが酷い」「端末が異常に発熱する」というレビューは、主にスペック不足の端末でプレイした場合に集中している。
プレイヤー数の推移——爆発的ヒットからの安定期へ
Once Humanのプレイヤー数の推移を見ると、基本無料ゲームの典型的なパターンが見て取れる。
2024年7月14日(ピーク):Steam同接 231,668人(2024年Steam全体で5番目のローンチ規模)
2024年10月:Steam同接 約85,000人
2026年3月現在:Steam同接 約11,000〜27,000人(平均)
リリース直後の爆発的な人気は落ち着いたものの、2026年3月時点でも安定したプレイヤーベースを維持している。しかも上記の数字はSteamクライアントのみのもので、NetEase公式ランチャーやモバイル版のプレイヤーは含まれていない。実際のアクティブプレイヤー数はこれよりかなり多いと推測される。
リリース月に全世界で1,000万人のプレイヤーを獲得したという事実は、基本無料のサバイバルゲームとしては驚異的な数字だ。同ジャンルのPalworldが有料タイトルとして同様の数字を記録したことと比較すると、Once Humanの「無料の力」がいかに強力かが分かる。
他のサバイバルゲームとの比較——何が違うのか
Once Humanは「サバイバルクラフトMMO」という広い市場で戦っている。主要な競合タイトルとの違いを整理しよう。
| 項目 | Once Human | ARK: Survival Ascended | Rust | Palworld |
|---|---|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 有料(約5,000円) | 有料(約4,000円) | 有料(約3,000円) |
| クリーチャー収集 | あり(デビアント) | あり(恐竜) | なし | あり(パル) |
| PvE専用サーバー | あり | あり | なし(PvP主体) | ソロ/Co-op可 |
| 建築自由度 | 非常に高い | 高い | 中程度 | 高い |
| ストーリー | 充実 | 薄い | なし | やや薄い |
| 難易度 | カジュアル寄り | ハードコア | 非常にハードコア | カジュアル寄り |
| モバイル対応 | 対応済み | なし | コンソール版あり | Xbox対応 |
Once Humanの最大の差別化ポイントは、「基本無料でありながら有料タイトルに引けを取らないクオリティ」という点に尽きる。ARKやRustは敷居が高いと感じるカジュアルプレイヤーにとって、Once Humanは最も入りやすい選択肢だ。
一方で、PvPのガチ感ではRustに劣り、恐竜という圧倒的なブランド力ではARKに敵わず、キャッチーさではPalworldの後塵を拝している。「すべてが平均以上だけど、どの要素も一番ではない」という評価は、このゲームに対してよく言われることだ。
ただし、「全部無料」という事実が、すべての議論の前提を変える。「3,000〜5,000円払って買うなら他のゲームを選ぶかもしれないが、無料でこのクオリティなら文句は言えない」——これが多くのプレイヤーの本音だろう。
良い点を深掘り——なぜ人はOnce Humanにハマるのか
ここまで各要素を個別に見てきたが、改めてOnce Humanの「強み」を整理しよう。
1. 圧倒的なコスパ——無料の破壊力
繰り返しになるが、Once Humanは基本プレイ無料で、課金しても強くならない。
これがどれだけ重要かは、競合タイトルの価格を見れば分かる。ARK: Survival Ascendedは5,000円、Rustは4,000円。有料DLCを含めると1万円を超えることも珍しくない。一方、Once Humanは1円も払わずに全コンテンツにアクセスできる。
「今までやってきたゲームの中でも上位」「予想以上に楽しい」というユーザーの声は、この「無料なのにこのクオリティ?」という驚きに裏打ちされている。ゲームレビューサイトのGame8も「これが基本プレイ無料なの?信じられない」という趣旨の評価をしている。
2. 「ちょうどいい」難易度設計
Once Humanは、サバイバルゲーム初心者から経験者まで幅広い層が楽しめるバランス設計になっている。
序盤はチュートリアルに沿って進めれば迷うことはなく、中盤以降は自分のペースで建築・探索・戦闘を楽しめる。エンドゲームのダンジョンは本格的な難易度で、上級者も歯応えを感じられる。
「ソロプレイの満足度が高い」というレビューが複数見られる点も注目に値する。サバイバルゲームはマルチプレイが前提のものが多い中、ソロでも十分楽しめる設計は大きなアドバンテージだ。一方で、マルチプレイ時の協力戦闘やレイドバトルも充実しており、「ソロもマルチも両方楽しめる」という評価につながっている。
3. アップデートの頻度と質
Starry Studioは、プレイヤーからのフィードバックに対して迅速に対応する姿勢を見せている。シーズンワイプ問題への対応(恒久サーバーの実装)はその最たる例で、公式Xアカウントでは定期的にバグ修正のお知らせが発信されている。
2025年だけでも3つの新シナリオ、モバイル版ローンチ、カスタムサーバー、恒久サーバーと、コンテンツの追加ペースは非常に速い。ライブサービスゲームとして、適切な速度で進化し続けている印象だ。
4. 独特の世界観とデザイン
「クトゥルフ神話やSCP財団を彷彿とさせる」デビアントのデザイン、荒廃と美が共存するオープンワールド、SFとホラーが融合したストーリー。Once Humanの世界観は他のサバイバルゲームとは一線を画しており、「世界観に引き込まれた」という声は少なくない。
「サバイバルゲームは興味なかったけど、世界観に惹かれてプレイしてみたらハマった」——こういうパターンでプレイヤーが増えるのも、Once Humanの特長だ。
問題点を深掘り——何がプレイヤーを離れさせるのか
良い点だけでは公平ではない。Once Humanの抱える問題点も正直に書く。
1. コンテンツの天井——「やることがなくなる」問題
これは多くのプレイヤーが指摘する最大の弱点だ。メインストーリーをクリアし、マップを一通り探索し、主要なダンジョンを攻略すると、やることが「日課の繰り返し」になってしまう。
「もっとマップが広ければ」「新しいコンテンツがもっと早く追加されれば」——この手のフィードバックはSteamレビューでもSNSでも一貫して見られる。2025年のロードマップで3つの新シナリオが予告されているが、既存プレイヤーの離脱を防ぐには、コンテンツの追加スピードがゲームの鍵を握る。
2. 日本語コミュニティの薄さ
Once Humanは日本語UIに対応しているものの、日本人プレイヤーのコミュニティは海外と比較すると小さい。Steam掲示板の日本語スレッドは少なく、「日本語スレッドが全然ない」という声もある。
プライバシー問題の影響で日本語Steamレビューが「賛否両論」になっていることも、新規プレイヤーの参入障壁になっている可能性がある。実際のゲーム体験は高く評価されているのに、利用規約の問題でレビューが荒れているという状況は、日本市場にとってはもったいない。
3. サーバーの安定性
サーバーのラグやラバーバンディング(ワープ現象)は、リリース当初から報告されている問題だ。特に人数が多い時間帯やイベント時に顕著で、「サーバーが安定しないとき、ラグとラバーバンディングが耐えられない」という声は海外レビューでも指摘されている。
ラグの問題はアップデートのたびに改善されているものの、完全に解消されたとは言い難い。MMOの宿命ではあるが、快適なプレイ体験のためにはサーバーインフラの継続的な改善が望まれる。
4. モバイル版の最適化
2025年4月にリリースされたモバイル版は、PCとのクロスプレイ・クロスプログレッションに対応した意欲作だが、端末によっては動作が不安定だという報告がある。「ラグが酷い」「端末が異常発熱する」「ストレージ容量が20GB以上」といったフィードバックは、特に中低スペックのスマートフォンユーザーから寄せられている。
PC版と同等の体験をモバイルで実現しようとする姿勢は評価できるが、幅広い端末で快適に動作するよう、最適化の余地はまだあるだろう。
5. チュートリアルの長さとUIの癖
序盤のチュートリアルが長く、「本当の面白さ」にたどり着くまでに時間がかかるという指摘もある。サバイバルゲームに慣れているプレイヤーほど「早く自由にプレイさせてくれ」と感じやすい。
UIについても「やや癖がある」という声が散見される。メニューの階層が深い、アイテムの管理がやりにくいなど、QoL(クオリティ・オブ・ライフ)面での改善の余地はある。ただし、アップデートのたびに少しずつ改善されているのは好材料だ。
Steam評価の内訳——なぜ日本語と全体で評価が乖離するのか
Once HumanのSteam評価には興味深い特徴がある。
直近30日間の評価:非常に好評(89%が好評 / 約7,800件)
日本語レビュー:賛否両論(約950件)
この乖離の原因は明確だ。日本語レビューの低評価の大部分は、先述のプライバシー問題に起因するものだ。プレイ時間0.1時間や1時間未満で「レジストリを書き換える」「信用できない」という低評価を投稿しているユーザーが多く、これらはゲーム内容そのものの評価ではない。
一方、実際にゲームを長時間プレイしたユーザーの評価は総じて高い。直近30日間の全体評価が89%好評という数字は、現在進行形でプレイしているユーザーの満足度の高さを示している。
これは「ゲームとしての質は高いが、プライバシー問題が日本市場での評判を大きく毀損している」という状況を表している。ゲーム自体に興味がある人は、低評価レビューの内容を個別に確認し、「ゲーム内容への不満なのか、利用規約への不満なのか」を見極めた上で判断することをおすすめする。
メディア評価——海外レビューの総括
海外のゲームメディアは、Once Humanをどう評価しているのか。
Metacriticでは「Mixed or Average(賛否両論〜平均的)」の評価で、批評家の54%が推奨している。個別のレビューを見ると、高い評価と低い評価の傾向がはっきり分かれている。
- 「徹底的に楽しい」「無料ゲームとしては驚くほどの完成度」
- 建築システムの自由度とQoLの高さ
- TPSとしての銃撃感の良さ
- デビアントのデザインの独自性
- ソロでもマルチでも楽しめる柔軟性
低評価の論点:
- ライブサービス要素の「後付け感」
- サーバーの安定性の問題
- コンテンツの深さが不足
- 利用規約のプライバシー懸念
NMEは「食い付きのいいSFサバイバルゲームだが、深みが足りない」と評し、GodisaGeekは「リスクのある実験」としつつもゲームプレイの面白さを認めている。Game8は「これが本当にF2Pなの?」と題した詳細なレビューで高評価を与えている。
総合すると、「無料ゲームとしては破格のクオリティだが、有料タイトルと同列に並べると粗が見える」というのが、海外メディアの大方の評価だ。
2025年Ver.2.0以降の進化——地下ホラーとRaidZone
2025年に入ってからのOnce Humanは、さらに大きな進化を遂げている。
Ver.2.0アップデートでは「地下ホラー」をテーマにしたコンテンツが追加された。完全に進化した「ディヴァウラー」と呼ばれる新種のクリーチャーが地下に潜み、プレイヤーは暗闇の中で恐怖と戦いながらサバイバルを強いられる。ホラー要素が一段と強化されたこのアップデートは、Once Humanの「不気味な世界観」をさらに深化させるものだ。
また、2025年5月には「RaidZone」と呼ばれる新しいPvPモードが実装された。Rustに近いハードコアなPvP環境を提供するこのモードは、「PvPが物足りない」という声に対する回答として注目されている。
これらのアップデートは、Once Humanが「カジュアルなサバイバル」から「多様な遊び方ができる総合サバイバルプラットフォーム」へと進化しようとしていることを示している。
初心者向けガイド——最初の10時間で何をすべきか
ここからは、これからOnce Humanを始める人のための実践的なアドバイスを書いていく。
サーバーの選び方
PvPサーバー:プレイヤー同士の戦闘あり。緊張感のあるサバイバル体験を求める上級者向け。拠点が破壊されるリスクがあるため、覚悟が必要。
RaidZoneサーバー:ハードコアPvP環境。Rust経験者など、ガチのサバイバルPvPを求めるプレイヤー向け。
最初にやるべきこと
1. チュートリアルを最後まで進める——長いけど、基本操作とゲームシステムの理解に必須。飛ばしたくなっても耐えよう。
2. 拠点を建てる場所を慎重に選ぶ——水場、木材、鉱石が近くにある場所がベスト。序盤は移動手段が限られるため、資源の近くに拠点を構えることで効率が大幅に上がる。
3. メメティクス(スキルツリー)を計画的に進める——武器、ツール、クラフトステーション、建築パーツ、サバイバルアップグレードのすべてがここでアンロックされる。序盤は「サバイバル」と「テクノロジー」を優先し、クラフトと採集の効率を上げるのがおすすめ。
4. デビアントを早めに捕獲する——クラフト型デビアントは素材の自動収集をしてくれるので、序盤から大きなアドバンテージになる。
5. ソロでもマルチでも楽しめるが、大型ボス戦は仲間がいると格段に楽——マッチングを活用して、恐れずに他プレイヤーとの協力プレイを試してみよう。
やってはいけないこと
- 序盤から建築に凝りすぎない(素材が足りなくなる)
- 汚染地帯に装備なしで突入しない(精神値が削られて死ぬ)
- 武器の耐久度を無視しない(壊れると詰む)
- Eternalandの存在を忘れない(大事なアイテムは保管しておく)
- PvPサーバーを初心者が選ばない(拠点を壊されて心が折れる)
ソロプレイヤーへのメッセージ
サバイバルゲームは「フレンドとやるもの」という印象が強いジャンルだが、Once Humanはソロプレイヤーにも優しい設計になっている。
メインストーリーはソロで進行可能。拠点建築も当然ソロで楽しめる。フィールドの探索もソロのほうが自分のペースで回れるから、むしろ気楽だ。デビアントの収集もソロ向きのコンテンツと言える。
大型ボス戦やダンジョンの高難易度は確かにマルチプレイのほうが有利だが、マッチングシステムがあるのでフレンドがいなくても参加できる。「ソロプレイの満足度が高い」「時間泥棒」といったレビューは、ソロプレイヤーでも十分に楽しめることを裏付けている。
まとめ——Once Humanは「プレイする価値がある」のか
ここまで長々と書いてきたが、結論はシンプルだ。
建築の自由度、デビアント収集の中毒性、カジュアルでありながら手応えのあるサバイバル要素、そしてSFホラーが融合した独特の世界観——これらすべてが無料で体験できる。課金しても強くならないフェアな設計は、基本無料ゲームとしては模範的だ。
一方で、コンテンツの天井問題、サーバーの安定性、プライバシー問題への懸念は正当な批判であり、これらの点が気になる人は慎重に判断すべきだ。
ただ、「無料なんだから、とりあえずやってみればいい」。これが最も合理的な結論だと思う。合わなければやめればいい。合えば、数百時間は軽く溶ける。
2025年のロードマップを見る限り、Once Humanはまだまだ進化の途中だ。恒久サーバーの実装、モバイル版のグローバルローンチ、新シナリオの追加——開発チームがプレイヤーの声に耳を傾けながらゲームを改善し続けている姿勢は、このタイトルの将来性を感じさせる。
サバイバルゲームが好きな人はもちろん、「興味はあるけど有料タイトルに手を出す勇気がない」という人にこそ、Once Humanは最初の一歩として最適な選択肢だ。

