「Kyoto Xanadu」日本ファルコムの新作アクションRPG、京都を舞台にしたザナドゥシリーズ最新作






「Kyoto Xanadu」日本ファルコムの新作アクションRPG、京都を舞台にしたザナドゥシリーズ最新作

「Kyoto Xanadu」日本ファルコムの新作アクションRPG、京都を舞台にしたザナドゥシリーズ最新作

「亰都ザナドゥ -桜花幻舞-」メインビジュアル

ファルコムの新作を待ちながら10年が経っていた。

「東亰ザナドゥ」が2015年にVitaで登場してから、続編を望む声はずっとあった。ところが英雄伝説シリーズ「軌跡」の開発で手一杯だったファルコムは、ザナドゥの続きをなかなか作れずにいた。それが2024年3月、「東亰ザナドゥ」10周年に向けた新プロジェクト始動の発表で、ようやく動き出した。

そして2026年2月、正式タイトル「亰都ザナドゥ -桜花幻舞-」(英題:KYOTO XANADU -the Blooming Phantom-)が公開された。舞台は東亰(架空の東京)から亰都(架空の京都、日本の首都)へ。システムはすべて0からの再設計。2D横スクロールアクションと3Dバトルを切り替える「デュアルディメンショナル」という新概念を引っ提げ、2026年7月16日に発売予定だ。

「ファルコムがここまでゲームシステムを変えてくるとは思わなかった」という驚きが正直なところだった。でも発表される情報を追えば追うほど、このゲームにしかない面白さの輪郭が見えてくる。今回はその全貌を、できるかぎり丁寧に解説していきたいと思う。

目次

こんな人に読んでほしい

比良坂学園と亰都の街並み

  • 東亰ザナドゥが好きで、続編・新作を10年間待ち続けていた人
  • ファルコムの現代奇譚系アクションRPGが気になっている人
  • 2Dアクションと3Dアクションを組み合わせたユニークな戦闘システムに興味がある人
  • 学園生活RPGと本格アクションが合わさった「日本のペルソナ」的なゲームを探している人
  • 京都という日本的な舞台で異世界と戦うジュブナイルストーリーが好きな人
  • Switch 2対応タイトルを探しているNintendo Switchユーザー
  • 「軌跡」シリーズに疲れてきて、ファルコムの新境地を体験してみたい人
  • Castlevaniaスタイルのメトロイドヴァニア探索とボス戦3Dアクションの組み合わせに惹かれる人

逆に、純粋なオープンワールドや高難度シューター系を求めている人には少し方向性が違うかもしれない。このゲームの軸は「学園生活×異界ダンジョン探索×キャラクターとの絆」にある。

亰都ザナドゥ -桜花幻舞- とは何か

亰都ザナドゥ ゲームプレイ画面

「亰都ザナドゥ -桜花幻舞-」は、日本ファルコムが開発・発売する完全新作アクションRPGだ。2026年7月16日に日本・アジア向けにリリース予定で、対応プラットフォームはNintendo Switch 2・Nintendo Switch・PlayStation 5・PC(Steam)の4つ。欧米向けのリリース日はパートナーとの調整中とのことで、追って発表される予定だ。

シリーズの系譜を辿ると、「ザナドゥ」という名前はファルコムの歴史そのものに刻まれている。1985年にPC-8801向けに発売された「ザナドゥ」(ドラゴンスレイヤーIIとも呼ばれる)は、当時の日本のゲーム市場で爆発的なヒットを記録し、ファルコムを代表するタイトルとなった。その後、「風の伝説ザナドゥ」(1994年、PCエンジン)などを経て、2015年にPlayStation Vitaで「東亰ザナドゥ」が登場。現代的な都市型神話アクションRPGとしてリブートされた。

今作「亰都ザナドゥ -桜花幻舞-」は、「東亰ザナドゥ」との世界観的つながりを持ちながら、キャラクター・ストーリー・ゲームシステムのすべてを一新した「完全新作」として設計されている。ファルコムの近藤季洋社長は「あらゆるゲームシステムを0から組み上げた」と明言しており、既存のファンでも新鮮な体験になるはずだ。

「亰都」という独特の漢字表記について

タイトルに使われている「亰都(きょうと)」という文字に気づいた人もいるはず。通常の「京都」ではなく「亰都」という当て字が使われている。これは「東亰ザナドゥ」で「東京」を「東亰(とうきょう)」と表記したのと同じアプローチで、現実の都市とは少し異なる「異世界感」を漂わせるための意図的な演出だ。

ゲーム内の世界では、1,200年前から亰都が日本の首都であり続けているという設定になっている。実際の歴史では明治維新によって首都が東京に移ったが、このゲームの世界線ではその歴史的変化が起きなかった。だから現代も亰都が政治・文化の中心で、古い街並みと近代的な施設が共存する独特の都市景観が生まれている。

1,200年の歴史を持つ大迷宮「比良坂大迷宮」

1,200年前、亰都の地下に突如「比良坂大迷宮」という巨大な迷宮が出現した。この迷宮は異界ザナドゥとつながっており、ゲートが開くたびに異形の怪物が現実世界に溢れ出してくる。当時の朝廷はこの脅威に対処するため、「比良坂学園」の前身となる機関を設立。以来、迷宮に挑む「適格者(エリジブル)」と呼ばれる能力者たちが、代々この世界の均衡を守り続けてきた。

現代においても比良坂学園はその使命を引き継いでいる。表向きは普通の高校だが、内実は選ばれた能力者を育成し、比良坂大迷宮の攻略を目指す特殊機関だ。学園の地下には迷宮への入口があり、生徒たちはチームを組んでその攻略に挑む。

ストーリーと世界観

主人公・神矢伶と仲間たちのキャラクタービジュアル

主人公・神矢伶(かみや れい)と亰都での運命的な出会い

主人公は17歳の少年、神矢伶(かみや れい)。物語は彼が亰都の路地を全力で逃げるシーンから始まる。ある組織から大金を盗み出した伶は、追ってくるヤクザの男たちに追い詰められていた。逃げ場を失ったその瞬間、亰都の街中に突如として異界が出現する。

その混乱の中で、伶は異界の怪物に対抗できる力に目覚める。「ソウルデヴァイス(装魂霊具)」と呼ばれる、意思を持つ霊的な武器を扱う力だ。この「ある事件」の詳細はまだ明かされていないが、これが伶の人生を根底から変えることになる。

その後、伶は比良坂学園に転入することになる。ザナドゥを完全攻略するという強い意志を胸に、様々な適格者の仲間と出会いながら、亰都の地下に広がる異界の謎に挑んでいく。

主要キャラクターたち

本作では個性豊かな適格者たちが登場する。それぞれが固有のソウルデヴァイスを持ち、異なる戦闘スタイルを持つプレイアブルキャラクターとなっている。

六道楓華(ろくどう ふうか)は伶のクラスメイトで17歳。薙刀を使う凛とした少女で、伶の最初の仲間となる人物だ。百鬼千騎(なきり かずき)は18歳の男性キャラクターで、戦斧を用いた重い一撃が特徴。対照的に、その双子の妹・千奈(せな)はメイスと盾で相手の動きを封じるタンク的な役割を担う。

天乃蓮(あまの れん)は生徒会副会長を務める17歳の第二学年生で、声優は大塚剛央が担当。比良坂学園の上位チーム「風天」のリーダーでもある。クリカラ系の剣を操る実力者で、伶とは当初から緊張感のある関係になりそうだ。六道真之(ろくどう まさの)は声優・武内駿輔が担当する生徒会長で、六道楓華の兄にあたる存在だ。威厳と実力を兼ね備えたキャラクターとして描かれている。

そして忘れてはいけない存在が、バーチャルシンガー「リノン(LinoN)」だ。声優は青木陽菜が担当。謎めいたアバターを持つリノンは、かつて世界的な人気を誇った歌手だったが、約1年前に突如として活動を休止した。伶の「推し」でもあり、なぜ活動休止したのかという謎がストーリーの重要なカギを握ることになりそうだ。現実のバーチャルYouTuberやバーチャルシンガー文化を取り入れた、時代感のある設定だといえる。

「亰都」という舞台の魅力

近藤季洋社長はインタビューで「ゲームを世界に向けて売るにあたって、京都は日本を象徴する都市として選んだ。自分が大学時代に過ごした街でもあるので、愛着もある」と語っている。東亰(架空の東京郊外・杜宮市)に続いて、今度は1,200年の歴史を積み重ねた古都が舞台になった。

世界設定の中での亰都は、伝統的な建築と現代的なインフラが独特のかたちで共存している。古い神社仏閣が立ち並ぶエリアの傍らに、近代的な商業施設が存在する。プレイヤーは学校帰りに観光スポットを巡ったり、商店街で買い物をしたり、クラスメイトとグルメを楽しんだりしながら、この「もうひとつの日本」の首都を探索することになる。

基本情報

亰都ザナドゥ 基本情報・プラットフォーム対応画面

タイトル 亰都ザナドゥ -桜花幻舞-(英題:KYOTO XANADU -the Blooming Phantom-)
開発・発売 日本ファルコム(Nihon Falcom Corporation)
ジャンル 都市型神話アクションRPG
発売日(日本・アジア) 2026年7月16日
発売日(欧米) 未発表(パートナーと調整中)
対応プラットフォーム Nintendo Switch 2 / Nintendo Switch / PlayStation 5 / PC(Steam)
Steam App ID 4449410
価格(通常版) パッケージ版・DL版あり(詳細は公式サイト参照)
Limited Edition 限定版(オリジナルサウンドトラックmini、アクションカード15枚セット、DLC衣装など同梱)
プレイ人数 1人(シングルプレイ専用)
対応言語 日本語(欧米版は英語対応予定)
難易度オプション 4段階(アクション初心者からやりこみ勢まで対応)
シリーズ 東亰ザナドゥの精神的後継作・ザナドゥシリーズ最新作
バトルシステム デュアルディメンショナル(2Dアクション+3Dアクション切り替え)

ゲームシステム詳細:デュアルディメンショナルバトル

デュアルディメンショナルバトル 2Dアクション探索シーン

本作最大の特徴が「デュアルディメンショナル」と呼ばれる戦闘システムだ。比良坂大迷宮の探索中、プレイヤーは2種類のまったく異なる戦闘スタイルを使い分けることになる。

2Dバトル:横スクロールで広大な迷宮を探索

比良坂大迷宮の基本探索パートは2D横スクロールアクションで進む。Castlevaniaのメトロイドヴァニア的な空間設計を彷彿とさせる構造で、広大な迷宮を縦横無尽に探索しながら敵を倒し、新たなエリアを切り開いていく。

2Dパートの基本アクションはソウルデヴァイスを用いた近接攻撃が中心だ。通常攻撃は最大3連続のコンボが可能で、空中での攻撃も含めた連続技を繰り出せる。強攻撃はキャラクターごとに異なる固有技で、通常攻撃と組み合わせることでさらなる効果が発動する。回避には一定時間の無敵判定があり、敵の後ろに回り込む動作も可能だ。

遠距離攻撃として「霊弾(スピリットバレット)」を撃てるのも大きな特徴だ。シュートゲージが溜まっていれば発射可能で、2Dパートではアナログスティックで角度を調整できる。属性によって弾の性能が異なり、火属性はホーミング弾、風属性は爆発弾、氷属性はレーザー系という設計になっている。

壁ジャンプや二段ジャンプ、空中回避、回避攻撃といった追加アクションは、ゲームを進めながら徐々にアンロックされていく仕組みだ。探索範囲が段階的に広がっていく爽快感は、メトロイドヴァニア好きにはたまらない要素になるはずだ。

3Dバトル:ゲートが開いたら戦場は立体空間に

迷宮の特定ポイントで「ゲート」が出現すると、戦闘が自動的に3D空間へと切り替わる。このゲート内部では、より大きく手強い敵との本格的な3Dアクション戦闘が展開される。特にボス戦はこの3Dパートで行われることが多く、ゲームの緊張感が最高潮に達する場面だ。

3Dパートで特徴的なのが「ソウルアクセル」システムだ。敵にダメージを与えたり受けたりするとアクセルゲージが溜まっていき、最大まで溜まるとソウルアクセルを発動できる。アクセル発動中は強攻撃の性能が強化され、さらに「一閃(いっせん)」カウンターを出しやすくなる。

「一閃」はパリィ成功時に発動できる強力なカウンター攻撃だ。敵の攻撃のタイミングに合わせて対応ボタンを押すと、大ダメージを与える一撃が炸裂する。ソウルアクセル発動中に一閃が決まるとダメージがさらに跳ね上がるため、アクセルゲージの管理が戦闘のカギとなる。

また、「秘技(シークレットアーツ)ゲージ」が最大になると、全敵を巻き込む強力な必殺技を繰り出せる。このゲージは攻撃を続けることで溜まっていく仕組みで、攻めることのメリットが明確に設計されている。3Dパートでは霊弾の操作も変わり、画面上のレティクルを用いた照準方式になる。

ガード・パリィシステム

防御面では「ガード」と「パリィ」が重要な役割を果たす。適切なタイミングでガードを入力すると、ダメージを完全に無効化し、さらに敵を大きくよろめかせる「完全ガード」(パリィ)が発動する。これは東亰ザナドゥにもあったシステムだが、今作ではより洗練された形で実装されている。

難易度設定が4段階用意されているのも、このパリィシステムと密接に関係している。低難度ではパリィの受付時間が広く設定されており、アクション初心者でも「ちゃんと弾けた!」という成功体験を積みやすい。高難度になるとシビアなタイミングが求められ、敵の攻撃パターンを読む力が試される。

ソウルデヴァイス:各キャラクターの固有武器

「ソウルデヴァイス(装魂霊具)」は、各キャラクターが持つ意思を宿した霊的な武器だ。通常の武器とは異なり、使用者の魂と共鳴することで本来の力を発揮する。

主人公・神矢伶は打刀と脇差という二刀スタイルで、スピードと連続攻撃が得意なDPS型。六道楓華は薙刀使いで、リーチの長い振り回し攻撃と群れへの対処が得意。百鬼千騎の戦斧は重い一撃でノックバック効果が強く、百鬼千奈のメイス&シールドはガードを活用した堅実な戦闘スタイルを持つ。天乃蓮のクリカラ剣は高い攻撃力と固有の連続技が特徴で、上位チームのリーダーに相応しい性能を持つようだ。

各ソウルデヴァイスの個性が戦闘スタイルの多様性を生み出しており、複数キャラクターを使い分ける楽しさも本作の魅力の一つだ。

学園生活パート:日常がザナドゥを攻略する力になる

比良坂学園 学園生活パートのスクリーンショット

「亰都ザナドゥ -桜花幻舞-」はダンジョン攻略だけのゲームではない。比良坂学園での学園生活パートが、ゲーム全体の骨格を形成している。

授業と能力パラメータの強化

学園では毎日授業を受けることができ、科目ごとに対応する能力パラメータが強化される。「知恵」「勇気」「徳」といったパラメータが設定されており、カード型の授業システムを通じてこれらを伸ばしていく。パラメータの上昇はダンジョン攻略に直接影響するため、日常生活の過ごし方がそのまま戦闘力に反映される仕組みだ。

「ペルソナ」シリーズを思い起こす人もいるかもしれないが、ファルコムは意識的に「ファルコムらしいシステム」としてこれを設計していると述べている。単純なパラメータ上げに留まらず、授業の内容がストーリーと連動している部分もあるようだ。

仲間との絆を深めるフリータイム

放課後のフリータイムは、亰都の街を自由に探索する時間だ。観光スポットで情報収集をしたり、商店街でショッピングをしたり、クラスメイトと食事をともにしたり。どこで誰と時間を過ごすかはプレイヤーの選択に委ねられている。

仲間キャラクターとの絆を深める「キャラクタークエスト」も用意されており、各キャラクターの個別ストーリーを楽しむことができる。単なるパラメータ強化の手段にとどまらず、キャラクターの背景や人間性が掘り下げられるサブクエスト群だ。

亰都には一般的な観光名所に相当するスポットも数多く登場する予定だ。1,200年の歴史を持つ都市として設定されているだけに、神社仏閣や庭園、古い商家、現代的な繁華街といったバリエーション豊かなロケーションが舞台となる。

比良坂学園の人間関係と勢力図

比良坂学園の内部にはチーム制が存在する。ザナドゥ攻略のため、学園の生徒たちは複数のチームに分かれて迷宮に挑む。その中でも上位チームのリーダーたちは特別な実力を持つ存在で、ゲーム内の人間関係に深みを加えている。

天乃蓮が率いる「風天」チームはその代表格だ。生徒会副会長でもある蓮は、学園内での発言力も強い。主人公・伶が転入生として学園に乗り込む構図は、既存の秩序と新参者の衝突という王道ながら燃えるドラマを生みやすい設定だ。

評価ポイント:なぜこのゲームは期待できるのか

亰都ザナドゥ 3Dバトルシーン

1. 10年ぶりのザナドゥ復活という重み

「東亰ザナドゥ」が2015年にリリースされてから、続編を望むファンの声はSNSや各種フォーラムで絶えることがなかった。ファルコムの近藤社長自身も「東亰ザナドゥは最初からシリーズ展開を意図していたが、軌跡シリーズの開発が多忙で手が回らなかった」と振り返っている。

そのファルコムが「あらゆるゲームシステムを0から再設計した」と明言している新作だ。単なるリメイクや続編ではなく、「ザナドゥ」という名前を受け継ぎながら全力で作り直した作品という意気込みが伝わってくる。10年間待ち続けたファンへの本気の回答といえる。

2. デュアルディメンショナルシステムの斬新さ

2Dと3Dを同一のゲーム内でシームレスに切り替えるというアイデアは、思い切った実験だ。2Dパートはキャッスルヴァニア的な横スクロール探索、3DパートはYsシリーズに近い見下ろし型または3Dアクション。この二つをダンジョン内で自然に切り替えることで、単調になりがちな迷宮探索に変化をもたらしている。

発表当初は「2D横スクロールとは思い切ったな」という声も多かった。実際、ファルコムの近藤社長も「反応は賛否両論だった」と認めている。しかし公開されたゲームプレイ映像を見ると、2Dと3Dの切り替えが「一つの空間の違う見せ方」として機能しており、単なるモードチェンジ以上の演出効果があることがわかる。

ファルコムは「Ysとは異なる、ファルコムらしいものを目指した」とも語っており、単純な既存タイトルの焼き直しにはならないよう意識していることがうかがえる。

3. キャラクターボイスの豪華さ

日本ファルコムの軌跡シリーズで培ってきたキャラクター造形の力が、今作にも存分に活かされている。天乃蓮役の大塚剛央、六道真之役の武内駿輔など、実力派の声優陣が名を連ねる。バーチャルシンガー・リノンを担当する青木陽菜の起用も、ゲームの独自性を高める要素だ。

ファルコムのゲームはキャラクターへの感情移入と仲間との絆がストーリーの核となることが多い。今作も学園生活パートでキャラクターたちとじっくり関係を育てる時間が用意されており、軌跡シリーズのファンならその安心感は相当なものになるはずだ。

4. Nintendo Switch 2のローンチタイトル的な位置づけ

任天堂の次世代機・Nintendo Switch 2に対応した早い段階のタイトルとして、本作は重要な立ち位置にある。PS5版とSwitch 2版での画質・フレームレートの差異など、詳細なスペック情報はまだ公開されていないが、Switch 2のパフォーマンスを活かした遊び方ができることは間違いない。

ハード普及期の初期タイトルは注目度が高く、新しいプラットフォームでJRPGを体験したいユーザーを取り込む絶好の機会でもある。ファルコムにとっても、軌跡シリーズ以外の柱を育てる上で重要な勝負作になる。

5. 4段階の難易度設定と間口の広さ

ファルコムは今作に4段階の難易度を用意した。近藤社長が「2Dアクションへの方向転換に対する批判も受け止め、より多くのプレイヤーが楽しめる設計にした」と語っているように、アクションが苦手なプレイヤーへの配慮が随所に感じられる。

最低難度ならアクション初心者でもストーリーを楽しめる設計にしつつ、最高難度では一閃のタイミング管理やソウルアクセルの運用を完全に使いこなす必要がある高難度体験も用意されている。同じゲームで「ストーリー重視派」と「アクション上達を楽しみたい派」の両方に対応できる設計は、日本のRPGらしい丁寧さだ。

6. 「軌跡」系の丁寧な世界観構築

「東亰ザナドゥ」は、軌跡シリーズで磨き上げられたファルコムの「世界観の密度と登場人物への愛着」という強みを現代都市型設定に持ち込んだことで高く評価された。亰都ザナドゥもその流れを汲み、亰都という1,200年の歴史を積み重ねた都市の細部をていねいに作り込んでいるはずだ。

メインストーリーだけでなく、学園の人間関係、亰都の各エリアの歴史、比良坂大迷宮の謎など、世界観の奥行きが「やりこむほど楽しくなる」ゲームになっている可能性が高い。

賛否両論:気になる点も正直に語る

期待できる要素が多い一方で、正直に気になる部分も見ていきたい。どんなゲームにも光と影がある。

賛否1. 2D横スクロールへの転換は「英断か、退化か」

発表時に最も反響を呼んだのが、2Dアクションの採用だ。東亰ザナドゥのような「斜め見下ろし型3Dアクション」を期待していたファンには、「なぜ今さら2Dに?」という疑問が浮かんだのも無理はない。

ファルコムの近藤社長も公式のインタビューで「2Dアクションへの転換について賛否両論があったことは認識している」と明言した。それでもなお「ゲームとして面白いものができた」と自信を示しており、開発チームは確信を持ってこの選択をしているようだ。「側スクロールはYsの開発に関わっていない新しいメンバーが中心となって作り上げた」という話も出ており、ファルコムの次世代を担う人材育成という側面もある。

3Dビジュアルは東亰ザナドゥと比べても明らかに向上しており、セルシェーディング風のキャラクターモデルはアニメ的な魅力を持つ。視覚的な品質は文句なしに上がっている。

賛否2. 「東亰ザナドゥ」ファンへの連続性は薄い

完全新作として設計されているため、東亰ザナドゥの主人公・明智光人や杜宮市の仲間たちは本作には登場しない。世界観の基盤(異界ザナドゥの存在、ソウルデヴァイス、適格者の概念)は共通しているが、キャラクターとストーリーはまったく別物だ。

10年間東亰のキャラたちへの続きを待っていたファンにとっては、「主人公も仲間も舞台も全部変わった新作」という事実は複雑に映るかもしれない。ただ、これは意図的な選択であり、軌跡シリーズでの「一つのシリーズを長く続けすぎた結果の複雑化」という轍を踏まないための判断ともとれる。

賛否3. ゲームボリュームはどのくらいか

2026年7月現在ではまだリリース前のため、実際のゲームボリュームは不明だ。ファルコムのRPGは通常40〜60時間規模になることが多いが、今作は「学園生活パート」「迷宮探索パート」「メインストーリー」の三本柱があるため、ボリュームの設計次第でゲームの体験は大きく変わる。短すぎれば「キャラへの愛着が育たない」という不満になり、長すぎれば「引き延ばしゲー」という批判になる。この調整がどこまでうまくいくかは、発売後に答えが出る。

賛否4. Switch版のパフォーマンス

Switch 2と同時にオリジナルのNintendo Switchにも対応するが、2Dと3Dが切り替わる処理の重さを初代Switchがどこまで安定して処理できるかは気になる点だ。フレームレートの差や読み込み速度など、ハードウェアの制約による体験の差異が出てくる可能性はある。ファルコムのSwitch版は過去に東亰ザナドゥeX+でも問題なく動作していたため、過度な心配は不要かもしれないが、期待が高い分だけシビアな目で見られることになる。

賛否5. バーチャルシンガー設定への評価は分かれる

リノン(LinoN)というバーチャルシンガーキャラクターの存在は、好みが分かれる要素だ。バーチャルYouTuberやVsingerのカルチャーに親しんでいる人には「時代感がある」と映るが、そういった文化に馴染みのない人には唐突に感じるかもしれない。主人公・伶の「推し」という設定がゲームの核心部とどう絡んでくるかは、発売後の評価が楽しみなポイントでもある。

プレイヤーの声

「東亰ザナドゥが好きだった自分としては、新作発表されたときは飛び上がって喜んだ。2Dアクションって聞いて最初は戸惑ったけど、ゲームプレイ映像を見てみたら思ったより全然面白そう。デュアルディメンショナルっていうシステム、よく考えられてるなと思って」

― 東亰ザナドゥファン、ResetEraフォーラムより

「2Dアクションへの転換は最初ネガティブに受け取ったけど、近藤社長が『楽しい』って自信を持って言うなら信じる。ファルコムってそういうとこ誠実だと思うので。あとキャラのビジュアルがかなり好みで、蓮くんのデザインは刺さった」

― Twitterゲームクラスタ、2026年2月のKyoto Xanadu発表後

「The side-scrolling Xanadu dungeon combined with 3D boss fights is a bold design choice. Falcom has a history of delivering solid action RPG mechanics, so I’m cautiously optimistic. The Kyoto setting also looks gorgeous — it’s a very different vibe from Tokyo Xanadu’s suburban aesthetic.」

― RPGamer読者コメント、Kyoto Xanadu発表記事より

「一閃カウンターとソウルアクセルの組み合わせ、実際のゲームプレイ映像で見てテンション上がった。東亰ザナドゥのXチャージみたいなガード→反撃の気持ちよさが進化した感じ。あれが一番好きだったので、同じ系統のシステムは純粋に嬉しい」

― 東亰ザナドゥeX+プレイヤー、Gematsuコメント欄より

「Falcom finally found time to follow up Tokyo Xanadu. The dual-dimensional system with 2D Castlevania-style exploration and 3D boss battles sounds interesting in theory, though I want to see more of how that transition actually feels. Still, this is definitely on my Switch 2 wishlist.」

― Nintendo World Reportフォーラム読者コメント

「学園生活パートと迷宮攻略の二本立てはペルソナっぽいって言われがちだけど、ファルコムのキャラゲーとしての厚みはまた別の良さがある。軌跡シリーズで磨き上げてきたキャラ作りを、現代奇譚の世界で全力でやってくれるなら相当なものになるはず」

― 軌跡シリーズファン、ファミ通記事コメント欄より

亰都ザナドゥが刺さる人に試してほしい似たゲーム8本

亰都ザナドゥのリリースまでに他のゲームで「予習」したい人、または「こういう雰囲気好きだな」という人に向けて、8本を厳選して紹介する。

1. 東亰ザナドゥ eX+(日本ファルコム)

言うまでもなく最初の一本はこれだ。亰都ザナドゥの精神的前作にあたる「東亰ザナドゥ eX+」は、Nintendo Switch・PS4・PCで遊べる。現代の東亰を舞台に、明智光人と仲間たちが異界に挑む都市型神話アクションRPGだ。学園生活パート、キャラクターとの絆、異界ダンジョン探索という構造は亰都ザナドゥと共通しており、両作の「違い」を体感するためにもプレイしておきたい一本。Steamではセール時に1,000円以下になることもある。

2. ペルソナ5 ロイヤル(アトラス)

「学園生活パートで仲間との絆を育て、放課後はダンジョンに潜る」という構造の完成形といえる作品だ。東亰ザナドゥや亰都ザナドゥがよく比較されるタイトルで、日本のRPGが好きなら外せない。ペルソナ5 ロイヤルはSwitch・PS5・PC等で遊べる。プレイ時間は100時間以上のボリュームがあるため、亰都ザナドゥが発売されるまでの「繋ぎ」としても最適だ。

3. Ys X: Nordics(日本ファルコム)

ファルコムが誇るもう一つの看板アクションRPGシリーズ「Ys(イース)」の最新作だ。2D・3Dを絡めたハイスピードアクション、ファルコム節の音楽、スピーディなストーリー進行はYsシリーズの魅力をフルに体現している。亰都ザナドゥの「ファルコムらしい」アクション設計の源流を知る上でも、Ysシリーズへの理解は深めておいて損はない。こちらもSwitch・PS4/PS5・PCに対応。

4. 英雄伝説 黎の軌跡II -CRIMSON SiN-(日本ファルコム)

ファルコムのRPGといえば軌跡シリーズを外せない。最新の黎の軌跡シリーズは現代的な都市を舞台に、非合法な仕事を請け負うチームの物語を描くアクションRPGだ。軌跡シリーズ最大の特徴は「キャラクターへの圧倒的な愛着」で、亰都ザナドゥが目指す「仲間との絆」という要素はこの系譜にある。ただし軌跡シリーズは話数が多く、後発のタイトルから入ると背景が分かりにくい点は注意が必要だ。

5. 悪魔城ドラキュラ -キャッスルヴァニア-(コナミ)

亰都ザナドゥの2Dパートを語る上で避けられない存在が、Castlevania(悪魔城ドラキュラ)シリーズだ。特に「月下の夜想曲」「暁月の円舞曲」「蒼月の十字架」といった探索型の作品は、「広大な城を探索しながら能力を高めていく」という2D迷宮アクションの原型を作り上げた。亰都ザナドゥの2Dパートがどれだけこの文法を活かしているかは発売後の確認が必要だが、この系統のゲームとして予習しておく価値は高い。

6. ブルー プロトコル(バンダイナムコオンライン)

セルシェーディング風グラフィックで描かれる日本のアクションRPG路線という意味で参考になる作品だ。亰都ザナドゥの3Dビジュアルが採用するセルシェーディング的なキャラクター表現は、アニメ的な映像美を追求するこの系統のゲームと共通するものがある。ただし方向性はかなり異なるため、あくまでビジュアル面での参考という位置づけだ。

7. ファイアーエムブレム 風花雪月(インテリジェントシステムズ / 任天堂)

学園生活と戦闘という二つのパートを持ち、キャラクターとの絆や関係性がゲームの核心にある作品として「風花雪月」を挙げたい。教師として生徒と時間を過ごしながら、戦場での戦術を練るという独自の構造は、比良坂学園でのスクールライフと迷宮攻略を掛け持ちする亰都ザナドゥと通じるものがある。JRPGのキャラクターと世界観への没入を楽しむプレイヤー層には特におすすめの一本だ。

8. ソウルハッカーズ2(アトラス)

現代的な都市を舞台に、特殊な能力を持つキャラクターたちが組織の争いに巻き込まれるアクションRPGという意味で近い雰囲気を持つ作品だ。ビジュアルスタイリッシュなUIとキャラクターデザイン、学園ではなく「仲間チーム」という形での絆システムも参考になる。亰都ザナドゥのような「現代日本×異能力×チームバトル」という方向性が刺さる人には、このゲームも相性がいいはずだ。

まとめ:10年越しの帰還は新しい旅の始まりだ

「亰都ザナドゥ -桜花幻舞-」を一言で表すなら、「ファルコムの本気」だと思う。

10年間待たせたザナドゥシリーズの新作を、ゲームシステムから世界観まですべて作り直して届けてくれる。2D横スクロールという「大丈夫か」と思わせるような選択も、公開されるゲームプレイ映像を見るたびに「これはアリかもしれない」という感覚に変わっていく。ファルコムが「楽しいゲームができた」と自信を持って言い切るのには、それなりの根拠があるはずだ。

亰都(架空の京都)という舞台選びも絶妙だ。1,200年の歴史の積み重ねを持つ都市が舞台になることで、東亰(郊外の新興都市)では出せなかった「時間の重厚感」が世界観に加わる。古い社(やしろ)の境内を抜けて迷宮の入口へ向かい、地下の異界で戦い終えたら夕暮れの亰都を仲間と歩く。そのコントラストがどんな感情を生み出すのか、実際に体験してみたくてたまらない。

バーチャルシンガー「リノン」という現代的な要素を取り込んだことも、本作が「2026年のゲームとして生まれた作品」であることを示している。東亰ザナドゥが2015年のカルチャーを取り込んでいたように、亰都ザナドゥは今この時代の空気感を纏っている。

懸念点がないわけではない。2Dアクションへの転換、東亰ファンへのキャラクター連続性の薄さ、Switch版のパフォーマンス——これらが実際どうなるかは、2026年7月16日の発売を待つしかない。でもファルコムが10年の沈黙を破って届けるゲームに、期待せずにはいられない。

発売まで残り約3ヶ月(2026年4月現在)。公式サイトでのキャラクター情報更新や、国内外の各メディアへのプレビュー解禁など、発売に向けた情報は今後も続々と公開されていくはずだ。ファルコムの「都市型神話アクションRPG」の新章を、一緒に待ちわびよう。

東亰から亰都へ。次のザナドゥが始まる。


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