「Clockwork Revolution」スチームパンク世界で時間を巻き戻すinXile初のAAA FPS RPG






「Clockwork Revolution」スチームパンク世界で時間を巻き戻すinXile初のAAA FPS RPG

「Clockwork Revolution」スチームパンク世界で時間を巻き戻すinXile初のAAA FPS RPG

「もし自分が過去に戻って、街の歴史そのものを書き換えられたら?」——そんな問いを、ゲームとして本気で実装しようとしているタイトルがある。

Clockwork Revolutionは、Wasteland 2やTorment: Tides of Numeneraを世に送り出したinXile Entertainmentが、Microsoftの傘下に入ってから初めて手がけるAAA規模のFPS RPGだ。スチームパンク調の架空都市アヴァロンを舞台に、時間旅行デバイス「クロノメーター」を使って過去を書き換え、現在に戻れば街の姿がまるごと変わっている——そういう体験を作り込んでいる。

2023年のXbox Showcaseで突然発表され、約2年間ほぼ沈黙を守った後、2025年夏のXbox Games Showcaseで5分以上のゲームプレイ映像を公開。2026年リリース予定として、ようやく全貌が見えてきた。スタジオ代表のBrian Fargoが「これまで作った中で最も複雑なゲーム、おそらく10倍のスケールで」と言い切るこの作品は、果たして期待に応えられるのか。

目次

こんな人におすすめ

Clockwork Revolutionのスチームパンク都市アヴァロン

  • BioShockやDishonored、Outer Worldsのような一人称視点RPGが好きな人
  • Arcanum: of Steamworks and Magick ObscuraやVampire: The Masquerade — Bloodlinesのような、重厚なRPGシステムと深いストーリーの組み合わせに惚れてきた人
  • スチームパンク美術とビクトリア朝の世界観が大好きな人
  • 「選択が本当に世界を変える」ゲームを探している人
  • Xbox Game Pass加入者で、2026年に大作を狙っている人
  • RPGは好きだけど、近年の大作に物足りなさを感じている人

逆に、ストーリーや世界観よりアクション一辺倒のゲームが好きな人、あるいはリリース済みの完成品を遊びたい人にはまだ早い(2026年リリース予定、未発売)。

ゲーム概要——時間を使った「やり直し」が世界を変える

クロノメーターで時間を操作するClockwork Revolutionのゲームプレイ

Clockwork Revolutionの舞台は「アヴァロン」という名の架空都市。ビクトリア朝をベースにしたスチームパンクの世界で、裕福な工業家たちは精巧な歯車仕掛けの義肢を当たり前のように使い、街のあちこちで機械の使用人たちが働いている。でもその表面の豊かさの裏には、支配的な構造が隠れている。

その黒幕が「レディ・アイアンウッド」だ。彼女はすでに時間旅行技術を手に入れており、アヴァロンの歴史を繰り返し改ざんしながら、自分と上流階級にとって都合のいい秩序を維持し続けてきた。その結果、下層階級の人々は搾取される構造から永遠に抜け出せない状態に置かれている。

プレイヤーは「モーガン・ヴァネット」という名のカスタマイズ可能な主人公を操作する。「ロットン・ロウ・フーリガンズ」というギャング集団の一員で、ある経緯からレディ・アイアンウッドが時間旅行に使っているのと同じ技術を手に入れてしまう。そこから物語が動き出す。

ゲームの核心となるのが「クロノメーター」と呼ばれる時間操作グローブだ。これを使えば過去のアヴァロンを訪れ、歴史的な出来事を変え、現代に戻ってその影響を確かめることができる。「影響」というのは比喩ではなく、文字通りに街の地区が変わり、特定のキャラクターの運命が変わり、社会的な状況が変わる。2025年のXbox Wire独占インタビューで開発チームが説明したのは、「過去に何かを変えると、戻ってきた現在の世界が物理的に再構成される——しかもその変化がちゃんと驚きと納得感を持って描かれる」という設計だった。

単純な「タイムリワインド」ではない。プレイヤーの行動が積み重なって、世界の形そのものが変わっていく。その深さが、このゲームを単なるスチームパンクシューターと分けている最大の特徴だ。

基本情報

Clockwork Revolution主人公モーガン・ヴァネットのキャラクター

タイトル Clockwork Revolution
開発 inXile Entertainment
パブリッシャー Xbox Game Studios(Microsoft)
ジャンル FPS / アクションRPG
対応プラットフォーム Xbox Series X|S / PC(Windows)
Xbox Game Pass Day 1対応(確定)
リリース予定 2026年(具体的な日付は未発表)
プレイ視点 一人称視点(FPS)
主人公 モーガン・ヴァネット(外見・能力フルカスタマイズ可)
開発期間 6年以上(2019年頃から本格開発)
開発規模 inXile史上最大。Brian Fargoが「過去作の10倍のスケール」と発言
公式サイト inxile-entertainment.com / Steamストアページ公開中

inXileというスタジオを知っておくべき理由

inXile Entertainmentが手がけるClockwork Revolutionの世界観

Clockwork Revolutionを語る前に、作っているスタジオの背景を押さえておきたい。inXile Entertainmentは、Interplayの共同創業者でもあるBrian Fargoが2002年に立ち上げたスタジオだ。「inXile」という名前自体に皮肉が込められていて、Interplayを追われた元スタッフたちによる「亡命組」的な意味合いがある。

最初の10年は厳しかった。The Bard’s TaleやHunted: The Demon’s Forgeなど、そこそこの作品は出せたものの、大きな飛躍には繋がらなかった。転機が来たのは2012年。スタジオ存続の「ハイルメアリー」として打ったWasteland 2のKickstarterが、目標額90万ドルに対して約293万ドルを集める大成功を収めた。当時のゲームKickstarterとしては記録的な額で、この成功がスタジオを救った。

続けてTorment: Tides of Numenera(Planescape: Tormentの精神的続編)では、Kickstarterで当時記録となる約400万ドルを調達。どちらも「重厚なRPGシステムと世界観」を武器にしたタイトルで、コアなRPGファンから高い評価を得ている。

そして2018年11月、MicrosoftがInXileとObsidian Entertainmentを同時に買収。inXileはXbox Game Studiosの一員となった。この買収でリソースが一気に拡大し、Wasteland 3(2020年)を経て、現在はClockwork Revolutionの開発に全力を注いでいる。

さらに特筆すべきは、Clockwork Revolutionのゲームディレクターが「チャド・ムーア」と「ジェイソン・アンダーソン」だという点だ。この2人はかつてTroika Gamesに在籍し、あのArcanum: of Steamworks and Magick ObscuraとVampire: The Masquerade — Bloodlines、両方の開発に携わった人物なのだ。Clockwork Revolutionが「ArcanuとVtMB(ヴァンパイア:ザ・マスカレード — ブラッドラインズ)の愛の結晶」と言われる理由が、ここにある。

評価ポイント——なぜこのゲームが期待されているのか

Clockwork Revolutionの戦闘システムと時間操作能力

1. 時間操作が「演出」ではなく「システム」として機能する

多くのゲームで「時間操作」は演出上のギミックにとどまっている。だがClockwork Revolutionでは、時間旅行が世界状態そのものを変えるシステムとして組み込まれている。過去で何かを変えれば、現代のアヴァロンにいる特定のキャラクターの生死、地区の社会状況、さらには建物の物理的な配置まで変わりうる。

ゲーム内では過去の出来事を直接体験し、介入し、戻ってきた現代でその影響を目撃する。これは「ランダム生成」ではなく、手作りで設計されたリアクティブな世界だ。開発チームは「変化が驚きを持ちながらも納得感がある」という品質を目標として掲げており、時間変更の結果が「確かにそうなるよな」と感じさせる作り込みを目指している。

2. キャラクタークリエイションが本当に意味を持つ

Brian Fargoが「このゲームで最もコストがかかった要素」と述べたのがキャラクタークリエイションだ。外見の細部まで変えられるのはもちろん、能力値やバックグラウンドをどう組み合わせるかによって、世界の反応が変わる。

試みとして面白いのは、キャラクター作成シーンの設計だ。主人公の特徴をロボット警察官が「犯行声明の人相描写」として作成していく——つまりキャラクタークリエイション画面がそのままゲーム内の物語として成立している。ステータスに数字を割り振っていくと、「人相描写」の説明文が変化し、NPCが話す内容も変わる。これは単なる「カスタマイズの自由度」以上の体験で、プレイヤーに「自分はどういうモーガンを作りたいのか」を問いかける構造になっている。

3. RPGとしての深さ——スキル・ダイアログ・世界の反応

惚れた設計思想がある。開発チームは「俯瞰視点の過去作で実現していたリアクティビティを、一人称視点で実現する」を最重要目標に掲げている。具体的には、Wasteland 2や3で見せた「スキルやステータスによってNPCの反応が変わり、ダイアログの選択肢が変わり、問題の解決手段が変わる」という体験を、FPS視点で実現しようとしている。

スキルツリーは独立したものではなく、時間操作能力・武器・ガジェット・能力値・コンパニオンのプレンティスが全て「相互に絡み合うシステム」として設計されている。特定のスキルを上げると、時間能力の使い方も変わってくる——そういう設計だ。ディレクターのチャド・ムーアは「アンロックしたら終わりではなく、全部が旅の一部」と表現している。

4. 戦闘の多彩さ——銃・ガジェット・時間操作の三位一体

武器はリボルバーやレバーアクション式ライフル、ガトリング系の銃など、19世紀末的なデザインにスチームパンクの味付けがされている。武器カスタマイズが可能で、銃身・ストック・その他パーツを交換して自分のプレイスタイルに合わせられる。

特徴的なのが時間操作の戦闘応用だ。「スロー」で敵と敵の弾丸を一時的に減速、「リバース」で撃った弾を銃に引き戻したり破壊された掩蔽物を復元、「バレットタイム」で有利な一瞬を作る——これらをガジェット(電気ボルトを放つ手榴弾など)や通常武器と組み合わせる。さらに「エイジ(老化)」や「リバインド(逆行)」を敵に直接使う能力も存在する。

Overwatch のトレーサーのような「個人巻き戻し」能力もあり、危機的状況からの脱出手段にもなる。これだけの要素が組み合わさると、戦闘が単調にならないのは確かだろう。

5. アヴァロンという都市の造形

2023年の最初のトレーラーで映ったのはアヴァロンの「ミッドウォード」と呼ばれる上流階級地区。光り輝くゴールドと真鍮の色調、精密な歯車機構が埋め込まれた建築物、機械の使用人が行き交う通り——その映像美は多くの人の目を引いた。

都市には複数の地区が存在し、時間操作によってそれぞれが変化する。ミッドウォード以外にも、より下層的なエリアが存在することが示唆されており、階級差が視覚的にも体験的にも設計に組み込まれている。レディ・アイアンウッドの干渉によって「あるべき姿」が歪められてきた街を、プレイヤーが少しずつ取り戻していく——その過程を追うことで、都市そのものが「物語の登場人物」のように感じられるはずだ。

6. キャラクターたちの個性

コンパニオン「プレンティス」は小型の飛行自律機械で、主人公がレディ・アイアンウッドとの争いに引き込まれるきっかけになる存在だ。ゲーム全体を通じて同行し、RPGシステムにも組み込まれている。

そして多くの視聴者の関心を集めたのが「デューク・ポンフリー」というキャラクター。小柄で口の悪い自動人形で、「ランダムな悪口を大量に吐き出す」という特技を持つ。ゲームが持つ「ダークでグリットなユーモア」を象徴するキャラで、定期的に彼を起動させることで粗野な侮辱の言葉の恩恵(?)を受けられるという。プレイヤーの選択次第では、物語の中で大きな役割を果たすこともあるようだ。

賛否両論——期待と懸念の両面から見る

Clockwork Revolutionのアヴァロン都市と建築デザイン

ポジティブな声

「ArcanuとVtMBの魂が現代FPSで復活する」という興奮
ゲームディレクターのチャド・ムーアとジェイソン・アンダーソンがTroika Games出身で、実際にその2作品に関わってきた人物だという事実は、コアなRPGファンにとって相当な説得力を持つ。「あの深さを引き継いだゲームが一人称視点で遊べる」という期待は、単なる雰囲気への憧れではなく、作り手の実績への信頼に基づいている。

「BioShockとFalloutの良い部分を取った」という視覚的印象
多くのプレイヤーが最初のトレーラーを見て「BioShock Infiniteみたい」と反応したのは自然な流れで、それ自体が悪いことではない。ただし開発チームは「BioShockは好きだが、あれはイマーシブシムであってRPGではない。Clockwork Revolutionは本格的なRPG」と線引きしており、見た目の類似より中身の深さが重要だと強調している。

Xbox Game Pass Day1対応
この一点だけで「とりあえず試す障壁がない」。月額課金の範囲内で体験できるため、「面白そうだけど確信が持てない」という層も気軽に手が出せる。

2026年1月のGame Informerプレビュー
実際に触れたライターによる評価で「時間旅行による世界の再構成が驚きと納得感を持って描かれる」という感想が報告されており、約束されたシステムが机上の空論でなく機能しているらしいことが確認されている。

ネガティブな声・懸念点

「本当に出るのか?」という不安
2023年発表後、約2年間ほぼ情報がなかった。コミュニティの一部からは「キャンセルされるんじゃないか」という冗談が(半分本気で)飛び交った。Microsoftが2024年〜2025年にかけてXboxスタジオのレイオフを複数行ったことも不安の背景にある。ただし、2025年夏の詳細な映像公開と2026年リリース予定の発表で、この懸念は大幅に薄れた。

「BioShockの劣化版にならないか」という心配
見た目の類似性から「BioShock Infiniteのクローンになるのでは」という声が一部から上がった。しかし開発チームが明確にRPGとしての独自性を強調し、インスパイア元がArcanuとVtMBであることを公言している点で、この懸念には答えが出つつある。

「時間操作の整合性は担保できるのか」という疑問
過去を変えると現在の世界が変わる——というシステムは非常に野心的だが、同時に「プレイヤーが混乱しないか」「手作りで反応を設計する作業量は現実的なのか」という疑問もある。開発期間6年以上、Brian Fargoが「過去作の10倍の複雑さ」と述べるほどのスケールは、その懸念への回答でもあるが、同時に「完成形を見るまで信じ切れない」という声も理解できる。

まだリリースされていない
2026年時点でもまだ発売日が明確に発表されていない。2026年内に出ることは確認されているが、後半になれば年末の競合タイトルと重なることもありうる。「いつ遊べるのか」が依然として不透明な点は、長く待ってきたファンにとってもどかしい。

プレイヤーの声

Clockwork Revolutionのキャラクターとコンパニオンのプレンティス

「Arcanuの世界観とVampire: The Masquerade — Bloodlinesの選択の深さを、一人称視点で遊べるって? こんなの出てきたら絶対やるしかない。チャド・ムーアが関わってるんだから間違いない」

Steamコミュニティフォーラム

「最初のトレーラー見たとき『BioShock Infiniteじゃん』って思ったけど、開発インタビュー読んだらむしろ期待が膨らんだ。本格的なRPGとして作ってるなら、あの映像美のままもっと深いゲームプレイが来る可能性がある」

GamesRadar読者コメント

「Falloutの脱却、Wasteland 3の進化、全部込みでinXileの集大成という印象。Brian Fargoが『人生で最も複雑なゲーム』って言ってるのを信じたい。Xbox Game Pass Day1なら、まず触るだけ触れるし」

Windows Central読者コメント

「2年間何も情報がなかったからキャンセルを疑ってたけど、去年の夏のShowcaseで映像を見てひっくり返った。時間旅行でAvalon全体が変わるというコンセプト、本当に実装できてるなら凄いことになる」

Pure Xboxコメント

「あの口の悪い小さい人形(デューク・ポンフリー)が一番好き。ゲームのトーンがちゃんと分かる。重い世界観の中に下品なユーモアを突っ込んでくるのは、inXileの伝統だし好きなやつ」

GameSpot読者コメント

「inXileって会話されるとき忘れられがちだけど、現CRPGの中でも最重要スタジオのひとつだと思ってる。Wasteland 2も3も好きだったから、この規模の一人称RPGで来るのはすごく楽しみ。Game Pass入ってて良かった」

RPGCodexフォーラム

似たゲーム8本——Clockwork Revolutionが刺さりそうなら

Clockwork RevolutionのFPS視点ゲームプレイとスチームパンク武器

1. BioShock Infinite(2013年 / 2K Games)

最も見た目が近いとされる作品。高空都市コロンビアを舞台にした一人称シューターで、宗教的・政治的テーマとSFアクションが融合している。コンパニオンのエリザベスが次元の裂け目を操る「時間に近い能力」を持つ点でも共通点がある。ただしBioShockシリーズはRPGというよりイマーシブシム寄りで、キャラクタービルドの深さはClockwork Revolutionが目指す水準とは異なる。それでも世界観の雰囲気を先に味わいたいなら必須。

2. Dishonored 2(2016年 / Bethesda / Arkane Studios)

スチームパンクに近い世界観と一人称視点、特殊能力を駆使した戦闘が共通する。「時間が止まった家」というステージが象徴的で、時間を操作して過去と現在を切り替えながら謎を解くミッションがある点で特に類似性が高い。ステルスかアクションかを選べる自由度も魅力。Clockwork Revolutionが気になるなら、先にやっておいて損はない。

3. Vampire: The Masquerade — Bloodlines(2004年 / Activision / Troika Games)

Clockwork Revolutionのディレクター陣が実際に作った作品であり、「精神的先祖」にあたる。現代ロサンゼルスを舞台にした一人称視点RPGで、選択した種族(クランと呼ぶ)によって会話の選択肢・能力・ゲームの展開が大きく変わる。深みのある世界観と圧倒的なリアクティビティは、20年以上経った今でも圧倒されるレベル。発売当初はバグが酷かったが、コミュニティパッチで今でも遊べる。

4. Arcanum: of Steamworks and Magick Obscura(2001年 / Sierra / Troika Games)

こちらもTroika Gamesの傑作で、チャド・ムーアとジェイソン・アンダーソンが関わった作品。産業革命期のスチームパンク世界を舞台にした見下ろし視点RPGで、「蒸気技術か魔法か」という二項対立が世界設計の根幹にある。Clockwork Revolutionが受け継ごうとしているキャラクタービルドの多様性と世界の反応システムを直接体験できる。ビジュアルは古いが、世界の深さは今でも第一線。

5. The Outer Worlds(2019年 / Private Division / Obsidian Entertainment)

同じXbox Game Studiosファミリーで、同じくBrian Fargoと縁深いMicrosoftの傘下スタジオが作った一人称RPG。FPSスタイルのRPGとして、セリフの選択肢・スキルビルド・コンパニオンとの関係の三本柱が絡み合う構造はClockwork Revolutionが目指す方向と近い。世界観はSFコメディだが、システム設計の参照先として非常に有用。Clockwork Revolutionが未発売の今、一番の「代替品」でもある。

6. Wasteland 3(2020年 / Deep Silver / inXile Entertainment)

Clockwork Revolutionを作っているinXile Entertainment自身の最新作。こちらは俯瞰視点のタクティカルRPGで一人称ではないが、スタジオが実現してきた「選択と結果の深さ」「スキルによるダイアログへの影響」「ブラックユーモアと重いテーマの共存」を体験できる。inXileを信頼するかどうかを判断するのに最適な一本。

7. Prey(2017年 / Bethesda / Arkane Studios)

宇宙ステーションを舞台にした一人称イマーシブシムで、能力のカスタマイズとシステム同士の絡み合いが評価されている。時間操作ではなくエイリアン能力だが、「複数のシステムを組み合わせる自由度」という点でClockwork Revolutionと近い思想を持つ。難易度は高めだが、「同じ問題に複数の解決策がある」設計が好きな人には強くおすすめ。

8. Dying Light 2: Stay Human(2022年 / Techland)

一見ゾンビゲームだが、実は選択肢が世界の状態を大きく変えるシステムが組み込まれている。「どの勢力に街を渡すか」という決断によって、アクセスできる区域や昼夜の環境が変化する。ナラティブRPGとしての一面と一人称アクションの融合という点でClockwork Revolutionと共鳴する部分がある。純粋なRPGを求めるなら上記の方が近いが、「選択が世界を変える一人称ゲーム」という体験のひとつとして。

まとめ——これはinXileの集大成になりうる

Clockwork Revolutionは、「過去を変えれば現在が変わる」という非常に野心的なコンセプトを、6年以上の開発期間と「inXile史上最大規模」の予算をかけて実装しようとしている。

Brian Fargoが「人生で最も複雑なゲーム」と言い切り、「俯瞰視点の過去作で実現したリアクティビティを一人称で」という目標を掲げる。ゲームディレクターのチャド・ムーアとジェイソン・アンダーソンは、ArcanumとVampire: The Masquerade — Bloodlinesという、今なお語り継がれる名作RPGの実際の作り手だ。この組み合わせで作られるゲームが凡作になるとは考えにくい。

もちろん、どれほど野心的でも完成品を見ないと確かなことは言えない。時間操作システムの整合性、手作りの世界反応の品質維持、発売日の遅れ——懸念点はゼロではない。でも2025年夏のGameplay Showcaseで見せた映像と、2026年1月のGame Informerプレビューによる実プレイへのポジティブな評価を見る限り、約束されたものはちゃんと機能しているらしい。

Xbox Game Pass Day1対応が確定しているので、加入者はリスクなしで触れる。発売したその日に「ちょっと試してみるか」ができる環境がある。それだけでも、このゲームを注目リストに入れる価値は十分にある。

スチームパンク都市アヴァロンの歯車が回り始める日は、もうそう遠くない。


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