「DOOM: The Dark Ages」中世×シールド×ドラゴンで進化したid Softwareの最新FPS

盾を構えた瞬間、すべてが変わった。
敵の攻撃を正面から受け止め、パリィで弾き返し、怯んだデーモンの頭をショットガンで吹き飛ばす。DOOM Eternalで空中を飛び回っていたドゥームスレイヤーが、地に足をつけて真正面から戦う。その手触りの変化に、最初は戸惑った。でも、チャプターを進めるごとに確信が深まっていく。「これ、めちゃくちゃ気持ちいいぞ」と。
2025年5月15日、id Softwareが送り出した「DOOM: The Dark Ages」は、シリーズの前日譚であり、リブート三部作の原点を描く作品だ。中世ダークファンタジーの世界観、攻守一体のシールドソー、30階建てビルサイズの巨大メカ「アトラン」、空を駆けるサイバネティックドラゴン。新要素てんこ盛りでありながら、DOOMの根っこにある「デーモンを倒す快感」はまったくブレていない。Steamでは85%が好評の「非常に好評」を獲得し、Metacriticのメタスコアは83点。発売初週で300万プレイヤーを突破した。
この記事では、PC版を中心にDOOM: The Dark Agesの魅力と課題を、実際のプレイヤーの声を交えながら掘り下げていく。
こんな人に読んでほしい
- DOOM 2016やDOOM Eternalが好きで、新作が気になっている人
- FPSが好きだけどDOOMシリーズは未経験、どこから入ればいいか迷っている人
- Game Passで遊べるなら試してみたい人
- パリィや近接戦闘が好きなアクションゲーマー
- id Softwareの技術力やidTechエンジンに興味がある人
- DOOM Eternalの操作が忙しすぎて挫折した人
DOOM: The Dark Agesとは何か

「DOOM: The Dark Ages」は、2016年のDOOMと2020年のDOOM Eternalの前日譚にあたるシングルプレイヤー専用FPSだ。時系列としてはシリーズ最古の物語で、ドゥームスレイヤーがまだ「伝説」になる前の戦いを描いている。
舞台は中世ダークファンタジーとSFが融合した世界。地獄のデーモン軍勢が中世の大地に溢れ出し、プレイヤーはドゥームスレイヤーとしてその侵攻を食い止める。ストーリーは全15チャプター構成で、クリアまでの目安はおよそ12〜15時間。探索や収集要素を含めるとさらに伸びる。
開発はもちろんid Software。ゲームディレクターのHugo Martinは、本作の設計哲学を「Stand and Fight(立ち向かえ)」と表現している。前作Eternalのドゥームスレイヤーが「F-22戦闘機」だとすれば、今作は「エイブラムス戦車」。より重厚で、より力強い。その言葉通り、ゲームプレイは大きく方向転換している。
シールドソー:攻守一体の新しい戦い方
本作最大の目玉が「シールドソー」だ。回転するノコギリ刃を内蔵した円盤状の盾で、防御・パリィ・攻撃のすべてをこなす。
基本的な使い方はシンプル。右クリックで盾を構えてガード。敵の攻撃に合わせてタイミングよくガードすればパリィが発動し、敵がよろめく。そこにショットガンやスーパーショットガンを叩き込む。緑色に光る攻撃はパリィ可能のサインで、成功すると重厚な金属音とスローモーション演出が入る。この「カキン!」からの反撃が、脳に直接快感を届けてくる。
シールドソーは投擲もできる。遠くの敵に投げつけて貫通ダメージを与え、即座に手元に回収。投げている間は盾がないからガード不能というリスクもあり、ここに駆け引きが生まれる。さらにゲームを進めるとチェーンブレードアップグレードが解放され、弱い敵なら盾一発で真っ二つにできるようになる。
ほぼすべての武器がシールドとの連携アクションを持っている。パリィ後に特殊効果が発動する武器、シールド投擲と連動して爆発を起こす武器など、組み合わせの幅が広い。Hugo Martinが語った「複数のアクションを1つのボタンに集約する」というデザイン哲学が、シールドソーに凝縮されている。
パリィが超楽しい。タイミングにシビアさは無く、出せば成功するという感じで快適。でもナイトメア難易度だと受付フレームが短くなって、ちゃんと「読み」が要求される。この難易度ごとの調整がうまい
出典:Steamユーザーレビュー(日本語)
巨大メカ「アトラン」:30階建てのロボでデーモンを殴る
DOOMシリーズ初の搭乗兵器として登場するのが、巨大二足歩行メカ「アトラン」だ。高さは30階建てビル相当。パンチコンボで巨大デーモンをぶん殴り、ダブルガトリングガンで敵の群れを薙ぎ払う。
操作はW/A/S/Dで移動、スペースバーで回避、左クリックでパンチ、右クリックでガトリング。回避でタイミングよく敵の攻撃をかわすと攻撃チャンスが生まれ、ゲージが溜まると必殺技で一撃粉砕できる。巨大タイタン級デーモンとの殴り合いは、DOOMとは思えないスケール感で、初めて体験するとテンションが一気に上がる。
ただし、アトランのパートは全体のプレイ時間に対してそこまで長くない。後述する批判点でも触れるが、「もっと乗りたかった」という声は多い。
サイバネティックドラゴン:空戦という新境地
もうひとつの搭乗兵器が、ガトリングガンを装備したサイバネティックドラゴンだ。空を自由に飛び回り、ヘルキャリアー(地獄の空中戦艦)を破壊するミッションが用意されている。
ドラゴンパートでは、まずヘルキャリアーの砲台とシールド発生装置を破壊。無力化したらドラゴンで着艦し、艦内に突入して徒歩で戦闘。エンジンをシールドダッシュで破壊すると艦が爆発し、スレイヤーは爆炎の中を落下しながらドラゴンに再搭乗する。この一連の流れが映画的で、初見のインパクトは抜群だ。
操作はW/A/S/Dで方向転換、Eで上昇、Qで下降、Shiftでブースト、左クリックでオートキャノン、Ctrlで着陸/グローリーストライク。ロックオンして旋回しながら攻撃するドッグファイト的な動きも可能。
ドラゴンパートがお気に入りチャプター。空中戦からヘルキャリアーに突入して内部を殲滅、脱出して再びドラゴンに乗る流れがアツすぎる
出典:Steamユーザーレビュー
オープンゾーン:広がった探索とシークレット
本作のレベルデザインは、前2作の完全リニアな構成から変化している。各チャプターに「サンドボックスミッション」と呼ばれるオープンゾーンが含まれ、広いフィールドを自由に探索できる場面がある。シークレットエリア、武器のアップグレードポイント、チートコードなどが散らばっており、寄り道の楽しみが増えた。
ただし、完全なオープンワールドではない。id Softwareは「広いが、ちゃんと区切られた空間」と説明しており、DOOMらしいテンポを崩さない範囲での拡張に留めている。
idTech 8エンジン:レイトレーシング前提の映像美
技術面では、新開発のidTech 8エンジンが採用されている。完全動的なレイトレーシングによるライティングとシャドウ、フルパストレーシング対応など、映像面での進化は目覚ましい。デーモンの皮膚の質感、金属の光沢、武器のディテール、ゴア表現の精細さ、どれをとっても前作から大幅にグレードアップしている。
ただし、その代償としてPCの要求スペックは高い。最低動作環境でもハードウェアレイトレーシング対応GPUが必須で、NVIDIA RTX 2060 Super以上またはAMD RX 6600以上が求められる。NVMe SSDも必須。インストール容量は約100GB。レイトレ非対応のGPUではそもそも起動できないという、やや尖った仕様だ。
基本情報

| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | DOOM: The Dark Ages |
| 開発 | id Software |
| パブリッシャー | Bethesda Softworks |
| ゲームディレクター | Hugo Martin |
| ジャンル | シングルプレイヤーFPS |
| 発売日 | 2025年5月15日 |
| 対応プラットフォーム | PC(Steam / Battle.net)/ PS5 / Xbox Series X|S |
| Game Pass対応 | 対応(Ultimate / PC Game Pass で発売初日からプレイ可能) |
| 価格 | Standard Edition:9,680円 / Premium Edition:13,750円 |
| エンジン | idTech 8(レイトレーシング必須) |
| クリア時間目安 | 約12〜15時間(探索込みでさらに延長) |
| マルチプレイ | なし(シングルプレイ専用) |
| 最低GPU要件 | NVIDIA RTX 2060 Super / AMD RX 6600(レイトレ対応必須) |
| 推奨GPU要件 | NVIDIA RTX 3080 / AMD RX 6800(VRAM 10GB以上) |
| ストレージ | 約100GB(NVMe SSD必須) |
| Steam評価 | 非常に好評(85%が好評 / 約16,500件以上) |
| Metacritic | 83(PC版) |
なぜDOOM: The Dark Agesは評価されているのか

1. 「Stand and Fight」という設計転換の成功
DOOM Eternal(2020)は傑作だったが、同時に「忙しすぎる」という声も根強かった。ダッシュ、ダブルジャンプ、グレネード、フレイムベルチ、チェーンソー……あらゆるアビリティをリソース管理しながら空中で切り替え続ける、いわば「格闘ゲーム的FPS」。ハマる人にはたまらないが、ついていけない人も多かった。
The Dark Agesは、そこを根本から見直した。Hugo Martinの言葉を借りれば、「Doom 2016の2.0を作ることもできた。でもそれでは人の記憶に残らない」。前作の空中機動戦から、地上での重厚な近接戦闘へ。盾を構え、パリィし、殴り、撃つ。操作体系がシンプルになり、1つのボタンに複数のアクションが集約された。
結果、「FPSが好きなら誰でも楽しめるDOOM」が生まれた。DOOM Eternalで挫折したプレイヤーが本作で復帰しているケースも目立つ。
Eternalは操作が忙しすぎて途中で辞めたんだけど、Dark Agesは盾とパリィが中心でシンプル。それでいて奥深い。今作が3作品の中で一番好き
出典:Steamユーザーレビュー(日本語)
2. パリィの気持ちよさが異常
本作の中核をなすのがパリィシステムだ。敵の攻撃を盾で弾き返す、ただそれだけなのに、この一撃が脳に響く快感を生み出している。
パリィ成功時には重厚な金属音が鳴り、画面にスローモーション演出が入り、敵がよろめく。そこにスーパーショットガンを叩き込む。「カキン→ドカン」のコンボが、プレイするたびにドーパミンを直撃する。
難易度によってパリィの受付フレームが変わるのもうまい設計だ。低難易度ではかなり余裕があり、アクションゲーム初心者でも「弾けた!」という成功体験を味わえる。ナイトメア難易度になると受付が短くなり、敵の攻撃パターンの「読み」が要求される。1つのメカニクスで幅広い層をカバーしている。
3. 映像と音響の圧倒的なクオリティ
idTech 8エンジンの威力は凄まじい。完全動的レイトレーシングによるライティングは、暗い洞窟の松明の揺らめき、溶岩の照り返し、金属鎧への光の反射、どれも生々しい。デーモンの肌の質感、グローリーキル時の臓物の描写力は、好みが分かれるところだが、技術的には間違いなくトップクラスだ。
ロード時間もほぼゼロ。NVMe SSD必須の恩恵で、死亡からリトライまでが一瞬。高難易度で何度もやり直すゲームだけに、このテンポの良さは大きい。
グラフィックに驚嘆した。デーモンの質感、金属の光沢、ゴア表現、すべてが磨き上げられている。idTech 8の本気を見た
出典:GAME Watchレビュー
4. DOOM Eternalの「忙しさ」からの解放
繰り返しになるが、このポイントは強調する価値がある。前作DOOM Eternalはリソース管理が複雑で、「弾薬が切れたらチェーンソーで補充、体力が減ったらグローリーキル、アーマーが欲しければフレイムベルチ」という多重ループをリアルタイムで回し続ける必要があった。上級者には至高の体験だったが、カジュアル層には高い壁だった。
The Dark Agesでは、このループが大幅にシンプル化されている。盾でガード→パリィ→反撃、というコアループが明快で、武器チェンジのプレッシャーも緩和されている。それでいて、高難易度では立ち回りや武器選択の判断が問われるから、やりこみ勢も満足できる。
4Gamerのプレイレポでは、「前作で失われたと批判された爽快感の核を完全に取り戻した」と評されており、その評価に共感するプレイヤーは多い。
5. スケール感の飛躍:メカとドラゴンの衝撃
DOOMシリーズで搭乗兵器に乗るのは初めてのことだ。アトランの巨体でタイタンを殴り飛ばし、ドラゴンで空中戦艦を撃墜する。このスケール感の変化は、15時間のキャンペーンに強烈なアクセントを加えている。
特にドラゴンパートの「空中戦→着艦→艦内戦闘→脱出→再搭乗」という一連のシークエンスは、プレイヤーの間で高い評価を受けている。映画のワンシーンのような体験が、自分の操作で展開される興奮は格別だ。
6. Game Pass対応という間口の広さ
Xbox Game Pass UltimateおよびPC Game Passの会員であれば、発売初日から追加費用なしでプレイできる。通常価格9,680円のタイトルを試せるのは大きなメリットで、「気になるけど買うほどではない」層の取り込みに成功している。実際、発売初週300万プレイヤーの達成には、Game Passの貢献が大きいと見られている。これはDOOM Eternalの7倍のペースだ。
賛否両論・正直に語る課題点

ここまで良い面を語ってきたが、本作にも不満の声はある。Steam評価85%ということは、15%のプレイヤーは満足していないわけで、その理由も正直に見ていきたい。
1. メカ・ドラゴンパートのボリューム不足
アトランとドラゴンは本作の大きなセールスポイントだが、実際にプレイできる時間は限られている。合わせて1時間に満たないという体感報告もあり、「もっと乗りたかった」という声は多い。
特にアトランは、操作のバリエーションが少なく、パンチ→回避→パンチの繰り返しになりがちだ。海外レビューでは「2000年代初期のアーケードゲームのように退屈で、緊張感に欠ける」と指摘するメディアもあった。初見のインパクトは絶大だが、繰り返しプレイ時に退屈に感じるかもしれない。
ドラゴンやロボの操作シーンは合わせて1時間に満たなかったように感じる。あまり長すぎても飽きるとは思うが、もう少しボリュームがあっても良かった
出典:noteユーザーレビュー
2. キャンペーンの長さと価格のバランス
メインキャンペーンのクリア時間は約12〜15時間。シングルプレイ専用で9,680円という価格設定に対して、「15時間で1万円弱はコスパが悪い」「25%オフまで待った方がいい」というSteamレビューは散見される。
ただし、この点はGame Pass対応がカバーしている面もある。月額料金でプレイできるなら、15時間のキャンペーンでも十分に元が取れる。また、シークレットやチャレンジを含めた完全クリアを目指すなら、シリーズ最大級のボリュームになるという開発者の説明もある。
3. マルチプレイヤーモードの不在
DOOM(2016)にはマルチプレイヤーモードがあったが、The Dark Agesは完全にシングルプレイ専用だ。id Softwareは「リソースをキャンペーンに集中させるため」と説明しているが、対戦モードを求めるプレイヤーにとっては残念なポイントだ。
もっとも、DOOM Eternalのバトルモードもプレイヤー人口が限定的だったことを考えると、シングルに注力する判断は理にかなっている。マルチプレイ目当てで購入を考えている人は、ここは明確に「ない」と認識しておく必要がある。
4. DOOM Eternal信者からの賛否
前作の高速機動戦闘、ダブルジャンプ+ダッシュ+ミートフックの空中コンボに惚れ込んだプレイヤーにとって、本作の「重くて地上に縛られる」戦闘は物足りないと感じることがある。
5chのスレッドやSteamの議論では、「パリィに頼りすぎ」「安易なギミックで奥深さが減った」「スレイヤーが重い」という批判が出ている。Eternalのあの「空中戦闘パズル」が好きだった人には、方向性の違いとして受け止めるべきだろう。
Eternalほど良くない。パリィメカニクスに頼りすぎていて、スレイヤーの動きが重い。前作の空中戦闘の自由さが恋しい
出典:Steam Discussion(英語)
5. PCの要求スペックの高さ
最低動作環境でレイトレーシング対応GPU必須というのは、2025年のゲームとしてもかなり攻めた仕様だ。GTX 1060やRX 580といった、まだ現役で使われているGPUが完全に切り捨てられている。NVMe SSD必須、100GBのインストール容量と合わせて、PC環境のアップグレードが前提になるプレイヤーも少なくない。
パフォーマンス面では、推奨環境(RTX 3080 / RX 6800クラス)でも1440p/60fpsがターゲット。4K/60fpsを狙うなら最新のハイエンドGPUが必要になる。美麗な映像の代償は軽くない。
6. サウンドトラックの評価
前作DOOM EternalのサウンドトラックはMick Gordonが担当し、ヘヴィメタルとエレクトロニックが融合した伝説的なBGMで高い評価を得ていた。本作ではMick Gordonは不参加で、サウンドの方向性も変化している。
海外レビューでは「サウンドミキシングとサウンドトラックが前作ほどの高みに達していない」という指摘があり、この点は好みが分かれるところだ。悪くはないが、Eternalの「BFG Division」や「The Only Thing They Fear Is You」のようなアイコニックな楽曲があったかと問われると、やや弱いかもしれない。
7. 難易度の易化
前作と比較して、難易度の圧力は大幅に緩和されている。復活アイテムやシールドによる防御手段が豊富で、通常難易度ではほぼ詰まることなく進められる。「誰もが楽しめるDOOM」を目指した結果ではあるが、ハードコアFPSファンには「ぬるい」と感じられる可能性がある。
もちろんナイトメア難易度やウルトラナイトメアモード(一度でも死んだら最初からやり直し)は用意されており、上級者の挑戦は受け入れる設計にはなっている。
プレイヤーの声をもう少し
記事中でもいくつかの声を紹介してきたが、ここではさらに多角的なプレイヤーの反応を見ていきたい。
Steamレビューから
ゲームプレイ中にゾーンに入る瞬間がある。アクションが速すぎて考える暇がなく、ただ反応するだけになる。武器を切り替え、パリィし、撃つ。DOOMでしか味わえない体験だ
出典:Steamユーザーレビュー(英語、和訳)
前作のような空中ダッシュやダブルジャンプがないのが最初は不安だったが、地上で盾を構えて正面突破するスタイルの方が自分には合っていた。「重さ」が心地いい
出典:Steamユーザーレビュー(英語、和訳)
日本のゲームメディアから
シリーズを楽しんできた身としても本作は純粋におもしろく、オーソドックスでありながら随所に挑戦と丁寧なゲームデザインを感じられるものになっていた
出典:GAME Watch レビュー
御託はいいからブッ放そうぜ! シリーズの最高傑作と言えるほどに爽快感全振り。面倒な要素を取っ払って、とにかく気持ちいいプレイフィールに振り切っている
出典:4Gamer プレイレポ
ファミ通レビューから
前のめりで突き進むハードコアFPSなれど「誰もが楽しめるDOOMに」という決意を感じる快作。敵を倒してパリィして湧き出るアイテム! ノンストップバトルで脳汁も止まらない
出典:ファミ通 先行レビュー
批判的な声
失望するほど記憶に残らない。すべてが速すぎてビジュアルを楽しむ暇もなく、ゲームプレイも特に楽しくない。挑戦的ではあるが、それだけだ
出典:Steam Discussion(英語、和訳)
15時間のキャンペーンでフルプライスは高い。せめて25%オフになるまで待つことをおすすめする
出典:Steamユーザーレビュー(英語、和訳)
Twitter/Xでの反応
DOOM Dark Ages、シールドソーのパリィが気持ちよすぎてずっとやってる。カキンからのショットガンで脳汁出る
誰におすすめ? 誰に向かない?

おすすめできる人
- FPSで「撃って壊す」快感を求めている人 — DOOMシリーズの根幹はここにある。The Dark Agesはその快感を最もアクセスしやすい形で提供している
- DOOM Eternalの操作が複雑すぎて離脱した人 — 盾とパリィ中心のシンプルなコアループで復帰しやすい
- Game Pass会員 — 追加費用ゼロで15時間の高品質キャンペーンが遊べる。試す障壁がない
- ハイスペックPCを持っている人 — idTech 8エンジンの映像美を堪能できる。RTX 3080以上なら1440p/高設定で安定動作
- シングルプレイFPSが好きな人 — ストーリー、探索、戦闘のバランスが良い1人用キャンペーン
合わないかもしれない人
- DOOM Eternalの空中機動戦闘が至高だと思っている人 — 方向性が根本的に違う。地上重厚路線が合わない可能性あり
- マルチプレイヤーを求めている人 — 完全シングル専用。対戦モードはない
- PCスペックが不足している人 — レイトレ対応GPU必須。GTX 10シリーズやRX 500シリーズでは起動すらしない
- 15時間のキャンペーンに1万円弱は出せない人 — Game Passがなければコスパ面で悩むかも
- ストーリーやRPG要素を重視する人 — 本作はアクションに全振り。物語は添え物に近い
DOOMシリーズの歩みとThe Dark Agesの立ち位置
DOOMシリーズを簡単に振り返ると、その歴史は1993年のオリジナルDOOMに遡る。id Softwareの共同創設者John Carmackが生み出したFPSの始祖的タイトルで、ゲーム業界全体に計り知れない影響を与えた。
2016年のリブート版DOOMは、「面倒な要素を削ぎ落とし、殺す快感だけを研ぎ澄ます」というコンセプトで大成功。2020年のDOOM Eternalはそのシステムを深化させ、Metacritic 88点という高評価を得た一方で、「やることが多すぎる」という批判も受けた。
The Dark Agesは、その反省を踏まえた作品だ。Hugo Martin自身が「前作と同じものは作らない。それでは人の記憶に残らないから」と語っているように、あえて方向転換することで新しい体験を生み出している。時系列的にはシリーズの最も古い時代を描いており、これからDOOMに入る人の「1作目」としても機能する。
三部作の前日譚を描くということは、この後にDOOM 2016、DOOM Eternalへと物語がつながっていく。The Dark Agesでシリーズに興味を持ったら、2016から順にプレイするのもおすすめだ。
id Softwareの設計哲学:「同じものは作らない」
ゲームディレクターHugo Martinのインタビューから読み取れるid Softwareの姿勢は、開発者として尊敬に値する。
Martinは「DOOM Eternalが今でも語られるのは、DOOM 2016の2.0を作らなかったからだ」と述べ、The Dark Agesでも同じ哲学を貫いた。F-22戦闘機(Eternal)からエイブラムス戦車(Dark Ages)への転換。空中戦からシールド戦闘への転換。1つのシリーズの中で、毎回まったく違う体験を提供しようとするその姿勢は、安全な続編を量産するトレンドの中で際立っている。
操作体系の簡素化も興味深い判断だ。Eternalでは多数のボタンにアビリティが分散し、「ボタンを叩きまくるゲーム」になっていたが、Dark Agesでは「複数のアクションを1つのボタンに積み重ねる」設計に変更。結果、初心者にはシンプルに、上級者には深く機能するシステムが実現された。
原点回帰と進化の両立。「オリジナルDOOMでは一発一発の弾丸に意味があった」という言葉の通り、本作は1993年の初代DOOMが持っていた「部屋に入り、陣取り、撃ちまくる」感覚を、2025年の技術で蘇らせている。
似たゲームが好きならこちらも
DOOM: The Dark Agesを楽しめたなら、以下のタイトルもおすすめだ。逆に、これらのゲームが好きならThe Dark Agesも合うはず。
- DOOM Eternal — 本作の「次の時代」にあたるシリーズ作。空中機動戦闘の極致。Dark Agesとの違いを味わうのも面白い
- DOOM (2016) — リブート第1作。The Dark Agesの直後の物語。シンプルで爽快なFPS体験の原点
- Witchfire — 中世ファンタジー×ガンプレイ。ソウルライク的な進行とFPSの融合。Dark Agesの世界観が刺さった人に
- ULTRAKILL — レトロスタイルのハイスピードFPS。スタイリッシュな動きと敵の優先順位判断が楽しいインディーの名作
- Metal: Hellsinger — リズムゲーム×FPS。ヘヴィメタルのビートに合わせてデーモンを撃つ。DOOMのサウンドが好きなら
- Warhammer 40,000: Boltgun — 90年代FPSの手触りを現代に。ブーマーシューター好きにはたまらない一本
- DUSK — 90年代クラシックFPSへのラブレター。DOOMやQuakeの遺伝子を受け継ぐインディーFPS
- Bulletstorm — 環境を利用した派手なキルが楽しいFPS。DOOMとは違ったアプローチで「倒す快感」を追求
まとめ:DOOMは変わった、でもDOOMのままだ
「DOOM: The Dark Ages」は、id Softwareが「前と同じものは作らない」という信念を貫いた結果生まれた作品だ。シールドソーによるパリィ戦闘、巨大メカ・アトラン、サイバネティックドラゴン、中世ダークファンタジーの世界観。どれもシリーズ初の試みだが、核にある「デーモンを倒す気持ちよさ」は揺るぎない。
メカ・ドラゴンパートのボリューム不足、マルチプレイヤーの不在、PCの高い要求スペック、Eternal信者との方向性の相違。課題がないわけではない。でも、Steamの85%好評という数字が示す通り、大多数のプレイヤーはこの新しいDOOMを歓迎している。
個人的に強調したいのは、「DOOMシリーズ未経験者の入り口」として本作が優れている点だ。時系列最古の物語で、操作もシンプル。Game Passなら追加費用ゼロで始められる。DOOMに興味はあるけど手を出せていなかった人には、まさにベストなタイミングとベストな一本だ。
盾を構えろ。パリィしろ。撃て。それだけでいい。
DOOMスレイヤーの伝説は、ここから始まる。
