Marvel’s Spider-Man Remastered|マンハッタンを飛び回るヒーロー体験の決定版
スパイダーマンのゲームは何十本も出てきた。でもこれは違う。Marvel’s Spider-Man Remasteredをプレイした瞬間、「ああ、これが本当のスパイダーマンゲームだ」と確信した。ビルからビルへとウェブを飛ばして滑空する感覚、街を走り抜けながら悪党を華麗に倒す爽快感——それが最高峰の完成度でパッケージされている。
2018年にPS4で発売されたInsomniac Gamesのオリジナル作品が、2022年にPC(Steam)版として登場した。ピーター・パーカーは8年のキャリアを持つ中堅ヒーローで、街のあちこちで日々悪と戦い、市民から愛されている。そんな彼がある日、思わぬ形で巨大な陰謀に巻き込まれる。
Steamでのレビューは現在96〜97%の「圧倒的に好評」を維持しており、4万件以上のレビューが積み上がっている。グラフィックの美しさ、移動の気持ちよさ、ストーリーの質、キャラクターの描き方——あらゆる面でトップクラスの評価を受けており、「スパイダーマン好きはもちろん、スーパーヒーローもの全般に興味がある人なら絶対に楽しめる」という声が絶えない。
この記事では、Marvel’s Spider-Man Remasteredの何がそこまで人を惹きつけるのか、どういうゲームなのか、初めてプレイする人が知っておくべきことを全部書く。ネタバレは極力抑えて進める。
こんな人にドンピシャなゲームです

- スパイダーマンのキャラクターやマーベル世界観が好きな人
- 「移動が気持ちいい」ゲームが好きな人(ウェブスイングが病みつきになる)
- アクションRPGでストーリーもしっかり楽しみたい人
- 映画のような演出と緊迫感のある戦闘を同時に求めている人
- オープンワールドをのんびり探索するのが好きな人
- 「スーパーヒーロー体験」をしたい人全般(マーベル知識は不要)
- グラフィックが美しいゲームで目を楽しませたい人
- アクションが得意じゃなくてもストーリーを楽しみたい人(難易度調整可能)
逆に「マルチプレイ中心のゲームがしたい」「ハードコアなソウルライク戦闘が好き」という人には少し方向性が違う。Marvel’s Spider-Man Remasteredはシングルプレイ専用のストーリー重視のアクションゲームだ。戦闘は爽快感と操作感を重視した設計で、死ぬほどシビアなアクションゲームではない。ヒーローとして大暴れしながら物語を楽しみたい、という欲求に応える作品だ。
ゲーム概要——ピーター・パーカーの生きるニューヨーク
どんなゲームか
Marvel’s Spider-Man Remasteredは、Insomniac Gamesが開発したシングルプレイアクションゲームだ。舞台はニューヨーク・マンハッタンを忠実に再現したオープンワールドで、プレイヤーはスパイダーマンとなってウェブスイング(蜘蛛の糸での移動)で街を縦横無尽に移動しながら、犯罪捜査と組織との戦いを繰り広げる。
主人公のピーター・パーカーは23歳。オスコープ社のラボで科学者として働きながら、夜はスパイダーマンとして街を守るという二重生活を送っている。ゲームはスーパーヴィランのミスター・ネガティブが引き起こす事件から始まり、やがてニューヨーク全体を巻き込む巨大な陰謀へと発展する。
PC版は2022年8月にSteamとEpic Games Storeで同時リリースされ、PS4/PS5版のリマスタークオリティそのままに4K・高フレームレート・レイトレーシングに対応した。AppIDは1817070。
Insomniac Gamesとは
Insomniac Gamesはカリフォルニア州バーバンクを拠点とするゲームスタジオで、1994年設立。ラチェット&クランクシリーズ、Ratchet & Clank、Sunset Overdrive、Spyro the Dragonシリーズなどを手がけ、「プレイヤーが気持ちよく動ける」ゲームデザインを得意とする。
2018年にソニーの傘下に入り、Marvel’s Spider-Man、Marvel’s Spider-Man: Miles Morales、Marvel’s Spider-Man 2(PS5)と続くスパイダーマンシリーズを展開している。スパイダーマンゲームの中でも「ウェブスイングの気持ちよさ」が他社作品を圧倒しているのは、この会社の移動設計に対するこだわりの賜物だ。
RemasteredとオリジナルPS4版の違い
Marvel’s Spider-Man Remasteredはオリジナルのマーベル・スパイダーマン(PS4版、2018年)をリマスターした作品だ。PS5向けにリリースされ、後にPC版としても展開された。
主な改善点はグラフィックのアップグレード(テクスチャ、ライティング、シャドウの全面刷新)、ピーター・パーカーの顔モデルの変更(新俳優のBen Jordanに変更)、パフォーマンスの最適化、そしてDLC3本「The City That Never Sleeps」を全収録した点だ。PC版はさらにウルトラワイド対応、DLSS・FSR・XeSS対応、高リフレッシュレート対応と、PC向けの最適化が徹底されている。
ゲームの内容(ストーリー・システム・サイドクエスト等)はオリジナルPS4版と同一なので、PS4版をプレイ済みの場合はリマスターの追加要素(グラフィック改善・DLC収録)が目当てになる。PS4版未経験なら迷わずRemasteredを選べばいい。
ゲームシステムの詳細——移動・戦闘・探索の三本柱

ウェブスイング——このゲーム最大の魅力
Marvel’s Spider-Man Remasteredの核心はウェブスイングだ。R2ボタンを押すと最寄りのビルや構造物に蜘蛛の糸を射出して飛びつき、ペンデュラム運動の勢いを利用して空中を滑走する。糸を手放すと滑空に移行し、次の建物に向けて糸を射出してまた加速する。この繰り返しで、マンハッタンの街を縦横無尽に飛び回れる。
この移動システムが本当によくできていて、「気持ちよさ」の追求が徹底されている。高い位置から低い位置に向かって糸を引き、その遠心力を利用して逆に高く飛び上がる。スカイスクレーパーの隙間を縫うように飛んで、突然視界が開けてマンハッタン全体が見渡せる——その瞬間の爽快感は、何十時間遊んでも飽きない。
目的地に向かって最短ルートで移動するだけでなく、わざと遠回りしてビルの間を縫うように飛んだり、地面スレスレまで降下してギリギリで跳ね上がったりと、プレイヤーが独自のスタイルを編み出せる余地が広い。「ファストトラベルが便利なのに使わない」というレビューが大量にあるのは、そういうことだ。
パルクールシステムと追加移動技術
スパイダーマンの移動はウェブスイングだけじゃない。壁や天井を自由に走れるウォールラン、ビルの縁を走るパルクール、地面を高速ダッシュするスプリント、垂直な壁面をかけ登るウォールスケーリング——これらすべてが組み合わさることで、立体的な都市空間を誰より素早く移動できる。
ウェブジップ(糸を引いて急加速)やウェブウィング(滑空状態に移行)も組み合わせると、ほぼ空を飛んでいるような感覚で移動できる。高層ビルの屋上からウェブウィングで滑空して、ビルの谷間に糸を引いて急旋回——こういった動きを本能的にできるようになると、このゲームの移動がいかに精巧に設計されているかがわかる。
戦闘システム——フィーリングと戦略の融合
Marvel’s Spider-Man Remasteredの戦闘は、バットマン・アーカムシリーズに似たリズム感のコンボシステムをベースにしている。近接攻撃のコンボを繋ぎながら、ガジェットを使って状況をコントロールし、回避やウェブ引き寄せを駆使して複数の敵を同時に処理する。
特徴的なのはスパイダーセンスだ。敵の攻撃が来る直前に頭上のクモマークが光り、タイミングよく回避すると完璧回避(パーフェクトドッジ)として判定されてカウンター機会が生まれる。この「光ったら回避」というリズムが戦闘の核心で、最初は難しくても慣れると気持ちいい。
銃を持った敵、大型の盾持ち、装甲兵など、敵の種類によって有効な対処法が異なる。銃撃系の敵には近づく前にウェブで武器を取り上げる、盾持ちにはウェブで動きを封じてから背後に回る、装甲兵には専用スキルで鎧を剥がす——こういった判断を瞬時にしながら複数の敵を捌いていく。うまくいったときの戦闘は、まさにコミックやアニメのスパイダーマンそのものだ。
ガジェット——蜘蛛の糸以外の武器
スパイダーマンの装備に欠かせないのがガジェットだ。Web Shooterで糸を飛ばすのは基本として、様々な特殊ガジェットがゲームを通じてアンロックされる。
代表的なものをいくつか紹介する。ウェブボムは爆発する蜘蛛の糸の塊で、複数の敵を一気に拘束できる。エレクトリックウェブは電気ショックを与えながら拘束するタイプ。インパクトウェブは直撃した相手を壁や地面に叩きつける。スパイダードローンは自律的に敵を攻撃する小型ドローンだ。
ガジェットはゲーム中に稼ぐリソースでアップグレードできる。どのガジェットを優先するかで戦闘スタイルが変わり、「自分だけのスパイダーマン」感が生まれる。拘束系を多用して「全員縛り上げてから倒す」スタイルも、爆発系を中心に「派手に一掃する」スタイルも、両方成立する。
スーツシステムとスーツパワー
Marvel’s Spider-Man Remasteredの大きな楽しみの一つがスーツコレクションだ。ゲームを進めると多数のスーツがアンロックされ、外見を自由に変更できる。コミック原作の古典的なスーツから映画版のスーツ、ゲームオリジナルデザインまで、スパイダーマン好きには宝庫のような品揃えだ。
各スーツにはスーツパワーと呼ばれる特殊能力が紐付いている。周囲の敵を一斉に怒り状態にして同士打ちさせる「King of the Ring」、一時的に無敵になる「Web Blossom(360度に糸を飛ばす大技)」、特定のスーツに付属する固有アビリティなど、戦略性を加える要素になっている。
重要なのは、スーツパワーとスーツの外見は切り離して設定できることだ。「見た目は古典コスチュームにして能力は別スーツのものを使う」という組み合わせが可能なので、見た目と性能の両方を好みで調整できる。
スキルツリーとアップグレード
ゲームを進めるとXP(経験値)が溜まりレベルアップする。レベルアップで得たスキルポイントをスキルツリーに振り分けることで、新しいコンボ技や能力がアンロックされる。スキルツリーは「スパイダーマン」「スーツ」「ガジェット」の3系統に分かれており、それぞれに特化した育成もバランスよく振り分けることも自由だ。
素材(トークン類)はサイドアクティビティやコレクタブルを集めることで入手できる。スーツのクラフト、ガジェットのアップグレード、スーツモジュールの強化などに使う。「ストーリーだけ進めたい人」も「全収集したい人」も、それぞれのペースで進められる設計になっている。
オープンワールドの構造
舞台のマンハッタンは9つの地区に分かれており、各地区に個別のサイドコンテンツが存在する。地区ごとに「地区の犯罪組織のアジトを壊滅させる」「ランダムな街頭犯罪を止める」「サイドミッションをこなす」などのアクティビティがあり、それらをクリアするとトークンや経験値が手に入る。
コレクタブルも豊富だ。ピーターが学生時代に隠したバックパック(各バックパックに小話が付いていてキャラの過去が垣間見える)、オスコープタワーのネットワーク端子(解放すると地図が開放される)、撮影スポット(街の名所をカメラで撮影するミッション)など、収集欲を刺激するコンテンツが多数ある。
またメインストーリーの合間に、特定のヴィランが引き起こすサイドミッション群(「悪事の報告」「基地」など)もある。これらはメインとは別のストーリーラインを持っており、「ヴァルチャーの部下を捜査する」「シュレックのアジトを壊滅する」といった内容で、スパイダーマンの世界観を広げてくれる。
ステルスミッションとピーター・パーカーパート
スパイダーマンとしてのアクションだけでなく、ピーター・パーカーとして行動するパートも存在する。ラボでの研究作業、対話シーン、そしてステルスミッション(変装して潜入する場面)などが挿入され、「ヒーローとしての生活」と「一般市民としての生活」が交互に描かれる。
ステルスミッションは賛否両論あるコンテンツで、「スパイダーマンとして派手に戦えないもどかしさ」を感じる人もいる。ただ、これがあることで単純なアクションゲームに終わらず、ピーター・パーカーという人間の物語としての厚みが生まれている。スパイダーマンの面白さは「ヒーローの見せ場」だけじゃなく、「普通の青年との狭間にある葛藤」にもあるからだ。
ストーリーとキャラクター描写——なぜ心に刺さるか
スパイダーマンとしての苦悩
Marvel’s Spider-Man Remasteredのストーリーは、単純な「ヒーローが悪を倒す」話ではない。ピーター・パーカーという「ヒーローであることのコスト」を払い続ける人間の物語だ。
仕事はいつも遅刻気味で上司に怒られる、恋人との約束は守れない、家賃も滞納気味、友人との時間も取れない。スパイダーマンとして市民の命を救う一方で、ピーター・パーカーとしての生活はボロボロだ。このアンバランスが丁寧に描かれているから、キャラクターに感情移入できる。
「大いなる力には大いなる責任が伴う」というスパイダーマンの根本テーマを、説教くさくなく、日常の描写で積み重ねていく。MJとのすれ違い、メイおばさんとの関係、ハリー・オズボーンの不在——これらのサブプロットが、クライマックスの感情的な重さを最大化する土台になっている。
ヴィランの描き方——悪役に深みがある
このゲームのヴィランは「ただの悪い奴」じゃない。それぞれに動機があり、ピーターとの関係性がある。
メインヴィランとして登場するミスター・ネガティブ(マーティン・リー)は、慈善活動家としての顔と、DEMON組織のリーダーという二面性を持つ。彼の行動原理には、歪んではいるが理解できる背景がある。ストーリーが進むにつれてその全貌が明かされる過程で、単純な「悪役を倒す」感覚ではない複雑な感情が生まれる。
中盤以降に登場するシニスターシックス(ドクター・オクトパス、エレクトロ、ヴァルチャー、ライノ、スコーピオン、ミスター・ネガティブの6人組)は、スパイダーマンのコミックファンには胸熱な面々だ。マーベルの映画やコミック知識がなくても楽しめるが、知っていればより深く味わえる。
MJとメイおばさんの存在感
メアリー・ジェーン・ワトソン(MJ)はこのゲームで重要な役割を担う。探偵記者として独自に事件を調査する積極的なキャラクターで、ただ守られるだけのヒロインではない。プレイヤーがMJ視点で潜入するパートも存在し、「ピーターとMJが別々の角度から同じ事件に迫る」という構造が物語に奥行きをもたらす。
ピーターとMJの関係は「元カップルが再接近する」という設定で、二人の台詞のやり取りに漂う歯がゆさとあたたかさのバランスが絶妙だ。アクションゲームとしてのMJパートの難易度については賛否があるが、キャラクターとしてのMJの存在感は間違いなくこのゲームの財産だ。
またメイおばさんの描き方も見事だ。単なる「心配するおばさん」ではなく、スパイダーマンである甥っ子を知らないまま社会的弱者のために働き続ける、強くて誠実な人物として描かれている。ゲーム後半のメイおばさんに関するシーンは、スパイダーマンというキャラクターの本質を直撃するシーンになっている。これはネタバレしたくないが、とにかく覚悟して臨んでほしい。
ニューヨークという舞台の使い方
Marvel’s Spider-Man Remasteredのマンハッタンは、ゲームの舞台装置として完璧に機能している。実在の地名(タイムズスクエア、セントラルパーク、チャイナタウン、グリニッジヴィレッジ等)が登場し、それぞれの地区に雰囲気の差がある。エンパイアステートビルのような有名建築物も再現されており、「ニューヨークを飛び回っている」実感が強い。
特に夕暮れ時や夜間のライティングは圧巻で、写真撮影モード(フォトモード)で遊ぶプレイヤーが続出するのも納得だ。レイトレーシングをONにすると建物のガラス面に街が映り込み、視覚的な没入感がさらに上がる。性能に余裕があるPCならレイトレーシングを試してみてほしい。
DLC「The City That Never Sleeps」——3つの追加エピソード

DLC全体について
Marvel’s Spider-Man Remasteredには3本のDLC「The City That Never Sleeps」が全収録されている(単独販売はなく、Remasteredに最初から含まれている)。合計でメインストーリーの3〜4割程度のボリュームがあり、本編クリア後の継続要素として機能している。
The Heist——フェリシア・ハーディ(ブラックキャット)の帰還
泥棒ヒーローのブラックキャット(フェリシア・ハーディ)を中心にした第1弾DLC。マフィアの依頼を受けて活動するキャット、彼女と因縁のある組織の動き、そしてスパイダーマンとの複雑な関係が描かれる。ブラックキャットのキャラクターが魅力的で、本編のシリアスな雰囲気から少し変えたスタイリッシュな展開を楽しめる。
Turf Wars——ハムマーヘッドvsスパイダーマン
組織犯罪のボス・ハムマーヘッドが本格的なヴィランとして登場する第2弾。マーベルコミックでおなじみのシルバー・セーブル率いる民間軍事組織との絡みもあり、アクション的な見せ場が多い。3本の中で最もストレートな「スパイダーマンが暴れる」エピソードだ。
Silver Lining——シルバー・セーブルとの共闘
DLC三部作の締めとなる第3弾。シルバー・セーブルとスパイダーマンが共闘する展開で、前2作の伏線が回収される。本編のエンディング後の世界が舞台で、「スパイダーマン2につながる布石」という側面もある。3本をまとめて楽しんだ後の満足感が高い。
Marvel’s Spider-Man Remasteredが人気な理由——5つの核心
1. 移動の気持ちよさが他に類を見ない
他のスパイダーマンゲームや、同じく都市型オープンワールドのゲームと比べても、このゲームのウェブスイングは次元が違う。物理シミュレーションをベースにした実際の振り子運動、ビルや構造物の高さと距離によってリアルに変化する糸の引き先、ジャンプの慣性と滑空の組み合わせ——これらが絡み合って「実際に空を飛んでいる」感覚を作り出す。
「ファストトラベルがあるのに移動で遊んでしまう」というレビューが多数あるのは、移動そのものがゲームの楽しみとして完成しているからだ。目的地への最短ルートを選ばず、わざと遠回りして街の景色を楽しむ——そういうプレイを自然に誘う設計になっている。
2. ストーリーの質とキャラクターの深み
「スーパーヒーローのゲーム」というジャンルは、ともすれば「アクションがメインでストーリーはおまけ」になりがちだ。Marvel’s Spider-Man Remasteredはその逆で、ストーリーとキャラクターの描き方が非常に丁寧で、「ピーター・パーカーという人間を好きになる」体験を提供する。
ヴィランの描き方、ピーターとMJの関係性の変化、メイおばさんとの絆、ハリーへの想い——これらが最終盤に向けて収束する構造は、それ単体でも映画として通用するクオリティだ。クリア後に「ゲームのストーリーでこんなに感情動かされたのは久しぶり」という感想が多いのは伊達じゃない。
3. アクセスしやすい難易度設計
難易度設定は「フレンドリー(Friendly Neighborhood)」「スパイダーマン(Amazing)」「スペクタキュラー(Spectacular)」「アルティメット(Ultimate)」の4段階で、いつでも変更可能だ。
最低難易度のフレンドリーではスパイダーセンスの回避タイミングが大幅に緩和され、ダメージも少なくなるため、アクションが苦手な人でもストーリーを楽しめる。アルティメットはスパイダーセンスが非常にシビアで、敵の攻撃への対処が試される本格仕様になる。「上手くなくてもストーリーを最後まで楽しみたい」という人も「ガチのアクションゲームとして遊びたい」という人も、同じゲームで対応できる。
4. フォトモードの完成度
Marvel’s Spider-Man Remasteredのフォトモードは非常に高機能で、SNSにスクリーンショットを投稿する文化との相性が抜群だ。カメラのアングル・被写界深度・フィルター・フレームなどを細かく調整でき、「どのタイミングで撮影するか」自体がゲームの楽しみになる。
アクション中やウェブスイング中でも時間を止めてフォトモードを起動できるため、「派手な戦闘シーン」「ビルの谷間を飛ぶ瞬間」「夕焼けのマンハッタン」といった絵作りが可能だ。画像検索でSpider-Man Remasteredと調べると、ユーザーが撮影した美麗なスクリーンショットが大量に出てくる。
5. PCでの最適化が丁寧
PC版は多くのゲームにありがちな「移植品質の低さ」がなく、PC向けの最適化が丁寧に行われている。DLSS(Nvidiaの超解像技術)、FSR(AMDの超解像技術)、XeSS(Intelの超解像技術)の全てに対応しており、中程度のPCスペックでも高解像度・高フレームレートを実現できる。
4K/60fps以上が普通に動く環境なら、レイトレーシングをONにすることでビルのガラスへの映り込みや水面反射が美しくなり、視覚体験が一段上がる。グラフィック設定の項目も細かく、「見た目を落としてでも高フレームレートを優先したい」「グラフィック最優先でフレームレートは妥協する」など、自分のPCに合わせた調整がしやすい。
Steamレビューに見るリアルな評価

「ウェブスイングがとにかく気持ちいい。目的地に着いてもわざと行かないでずっと街を飛び回ってしまう。ファストトラベル機能が無駄になってる。」
Steamレビュー(プレイ時間約26時間)
「ストーリーの質がゲームとは思えない。後半のメイおばさんのシーンで本当に泣いた。スーパーヒーローゲームでこんなに感情的になるとは思わなかった。」
Steamレビュー(プレイ時間約18時間)
「フォトモードで遊びすぎてクリアに60時間かかった。タイムズスクエアの夜景とスパイダーマンの組み合わせが芸術的すぎる。」
Steamレビュー(プレイ時間約61時間)
「マーベル映画が好きな人は絶対にやるべき。コミック知識がなくても全然楽しめた。むしろこれをきっかけにコミックが気になり始めた。」
Steamレビュー(プレイ時間約22時間)
「ドクター・オクトパスの描き方が最高。ただの悪役じゃなくて、途中まで本当に感情移入させてくる。プレイヤーの心理を巧みに操作してる作りだと思う。」
Steamレビュー(プレイ時間約35時間)
「PC版の最適化が神。RTX有効で4K/60fpsが安定して動いた。これを遊ぶためにグラボ買い直したが、絶対に正しい判断だったと断言できる。」
Steamレビュー(プレイ時間約40時間)
「難易度をいつでも変えられるのが優しい設計。アクション苦手だけど最低難易度でストーリーだけ楽しんだ。それでも十分すぎる体験だった。」
Steamレビュー(プレイ時間約15時間)
注意点と気になる部分——正直に書く
ステルスミッションの賛否
前述した通り、ピーター・パーカーやMJとして行動するパートでは、スパイダーマンとしての能力が使えない。隠れながら進む、変装を維持する、といった制約のあるステルスミッションが複数挿入される。
これに対して「邪魔だ、スパイダーマンとして遊びたい」という意見と「キャラクターの人間的な側面が描かれて良かった」という意見が真っ向から対立している。総じていえば「アクションゲームとして遊びたいだけ」という人には煩わしいパートだが、「スパイダーマンという人物の物語を楽しみたい」人には必要な要素だと思う。
また難易度自体はそれほど高くないので、「ステルスが苦手でつまずく」という事態にはなりにくい。多少失敗してもリトライでき、即座にゲームオーバーになるような設計ではない。
サイドコンテンツの繰り返し感
オープンワールドにありがちな問題として、サイドアクティビティの繰り返し感がある。街頭犯罪の阻止、基地の制圧、コレクタブル収集——これらは楽しいが、種類の幅が限られているため「同じことをやっている感」が出てくる人もいる。
ただし、メインストーリーのボリュームは十分で、ストーリーだけを追えば20時間程度でクリアできる。全コンテンツを100%埋めようとすると40〜50時間かかるが、それを目指すかどうかは完全に個人の判断だ。「ストーリーだけ楽しむ」スタンスでも満足度は高い。
ピーター・パーカーの顔モデル変更問題
Remasteredで最も批判を受けた変更点が、ピーター・パーカーの顔モデルの変更だ。PS4版オリジナルではJohn Bubniak(俳優)をベースにしていたが、RemasteredではBen Jordanという別の俳優に変更された。
外見の変化をオリジナルと比べて「劣化した」と評する声と、「Remasteredの方が自然」という評価に分かれており、人によって感覚が違う。ゲームの内容には一切影響しない点なので、「先入観なく新しい顔で遊んで気にならなければOK」というのが実用的な結論だ。
前作知識がなくても問題ない理由
Marvel’s Spider-Man Remasteredはマーベルのゲームシリーズの1作目に当たる(映画とは別の世界線のオリジナルストーリー)。映画のMCUとは異なる世界観なので、マーベル映画の知識がなくてもキャッチアップは容易だ。
ゲーム内でキャラクターの背景が丁寧に説明されるので、「スパイダーマンの名前は知っているが詳しくない」という状態でも問題なく楽しめる。むしろこれがスパイダーマンとのファーストコンタクトになる人も多い。
Miles Moralesとの関係
本作をクリアすると続編のMarvle’s Spider-Man: Miles Moralesを遊びたくなる可能性が高い。Miles Moralesは本作の直接続編で、マイルス・モラレスという別のスパイダーマンを主人公にした作品だ。ボリュームは本作より短いが、ストーリーとキャラクターの質は同水準を保っている。
本作をクリアしてからMiles Moralesに進む順番が最も推奨される流れで、「本作→Miles Morales→Spider-Man 2(PS5限定)」という順番で続くシリーズ構成になっている。PC版はMiles MoralesもSteamで発売済みだ。
初心者向けアドバイス——最初に知っておくと得すること

まずウェブスイングに慣れることを最優先に
ゲーム開始直後は操作が多くて戸惑うかもしれないが、最初の1〜2時間は戦闘より移動の感覚を掴むことを優先しよう。ビルからビルへの糸の飛ばし方、タイミングよく糸を放して滑空に移行する感覚、高層ビルを足場にして一気に高度を上げるコツ——これらが身につくと、ゲーム全体が一気に楽しくなる。
最初は焦らず、低い建物の間をゆっくり移動する練習から始めるといい。スタイリッシュな移動は後からついてくる。
戦闘ではスパイダーセンスに集中する
戦闘に不慣れな最初のうちは「攻撃のコンボを繋ぐ」より「スパイダーセンスが光ったら確実に回避する」ことだけ意識するといい。完璧回避ができるだけで被ダメージが激減し、戦闘の余裕が生まれる。コンボや特殊技は余裕が出てきてから徐々に取り入れればいい。
ガジェットは序盤から積極的に使う
「もったいない」と感じてガジェットを温存する必要はない。ガジェットのエネルギーはフォーカス(集中力ゲージ)を消費するものもあるが、基本的に戦闘中に自動で回復する。使えるものはどんどん使って戦闘を楽にしよう。特に序盤のウェブボムは範囲が広く、複数の敵を一気に無力化できて便利だ。
スキルポイントはアーセナルアップグレードから優先
序盤に振るスキルポイントは「アーセナルアップグレード(ガジェット使用回数増加)」と「クモの感覚強化(スパイダーセンスの回避猶予延長)」系が実用的でおすすめだ。これだけで戦闘の余裕が大きく変わる。コンボ系スキルはある程度操作に慣れてから取っても遅くない。
サイドコンテンツはメインと並行してやる
メインを一気に進めることも、サイドを先にやることもできるが、「メインをある程度進めながらサイドも少しずつやる」スタイルが最も自然だ。各地区のサイドアクティビティをある程度終わらせると地区の制圧状況が進み、トークンやXPが効率よく入手できる。完全にメインだけ進めると後半で少し素材が不足する場合がある。
フォトモードを恐れずに使う
フォトモードはいつでも起動でき、時間が止まる(敵もスパイダーマンも動かない)。「今の戦闘の瞬間を撮りたい」と思ったら迷わずフォトモードを開いていい。アクションの途中でも問題なく、戦闘シーンの撮影チャンスを逃す必要はない。
ピーター・パーカーパートは作業と思わず楽しむ
スパイダーマンとして動けないラボや会話シーンは「早く終わらないかな」と感じる人もいるかもしれないが、ここでのやりとりがキャラクターへの愛着を育てる重要なパートだ。急がずにセリフを聞き、アイテムを調べ、雰囲気を楽しもう。後半になるほど「あの何気ない会話の意味がわかる」という構造になっている。
レイトレーシングは環境に合わせて判断する
レイトレーシングはグラフィックを大幅に向上させるが、GPU負荷も高い。60fps以上を安定させることを優先するなら、レイトレーシングをOFFにしてDLSSやFSRを活用する方が快適な場合が多い。「綺麗さより滑らかさ優先」か「綺麗さ優先で多少カクついても許容」か、自分の好みで設定しよう。両方試してみて好みの方を選べばいい。
クリア後のやり込みについて
本編クリア後もオープンワールドは自由に遊び続けられる。残ったサイドコンテンツ、未収集のコレクタブル、未クリアの基地、DLCのエピソードと、クリア後のコンテンツは豊富だ。特に「全地区100%コンプリート」を目指すプレイヤーは、クリア後から本格的に動き出すことになる。
関連ゲームも紹介
Marvel’s Spider-Man Remasteredが気に入ったなら、こういうゲームも合うと思う。
Marvel’s Spider-Man: Miles Morales——直接続編
本作の直接続編で、マイルス・モラレスというもう一人のスパイダーマンが主人公。本作より短めだが完成度は高く、マイルスというキャラクターへの愛着がとにかく生まれる。本作をクリアしたら次はこれ一択だ。

Detroit: Become Human——映画的なストーリーと選択肢の重み
アクションではなく選択型アドベンチャーだが、「映画のようなストーリーをゲームで楽しむ」という点でスパイダーマンと共鳴する。キャラクターへの感情移入度の高さも共通している。
投稿が見つかりません。Batman: Arkham Knight——都市型オープンワールドのヒーロー体験
スパイダーマンと同じく都市を舞台にしたスーパーヒーロー・アクションゲームの名作。コンボ戦闘とステルスのバランス、ヴィランの描き方など、スパイダーマンと比較して語られることも多い。
投稿が見つかりません。Dying Light 2——一人称視点の都市型アクションオープンワールド
パルクールを使って都市を縦横無尽に移動する楽しさはスパイダーマンのウェブスイングと共通する部分がある。ゾンビ系サバイバルという方向性は違うが、「移動そのものが楽しい」感覚が好きな人にはハマる。

Ghostwire: Tokyo——都市を舞台にした超能力アクション
東京を舞台に超自然的な能力でアクションを展開するオープンワールドゲーム。ジャンルの類似よりも「一人で都市の謎を解きながら進む」感覚が共通している。
GTAIV——ニューヨーク(リバティシティ)を舞台にしたオープンワールド
同じくニューヨークをベースにした架空都市が舞台のオープンワールドゲーム。スパイダーマンのようなヒーロー体験とは全く異なる方向性だが、「大都市を舞台にした物語」という点で比較されることが多い。
まとめ——スパイダーマンという体験の集大成
Marvel’s Spider-Man Remasteredを一言で表すなら、「スパイダーマンゲームの到達点」だと思う。
ウェブスイングの気持ちよさは、長年作られてきたスパイダーマンゲームの歴史の中でこの作品が間違いなく頂点に立っている。「このゲームをやったら他のスパイダーマンゲームが物足りなくなった」という声が多いのは、それだけ移動の設計が徹底されているからだ。
ストーリーはアクションゲームとして驚くほど質が高く、「スーパーヒーローの映画を体験している感覚」という表現が最も近い。ピーター・パーカーという人間の普通の生活と、スパイダーマンとしての責任の重さが丁寧に描かれており、クライマックスに向けて感情が積み上がっていく構造は、单純な「ヒーローが敵を倒す」以上のものを提供している。
「スパイダーマンのゲームは興味があったが触ったことがなかった」という人も、「以前のスパイダーマンゲームには少し物足りなさを感じていた」という人も、どちらにとっても「これが決定版」と言える作品だ。
マンハッタンの街を、風を切りながらビルの間を縫うように飛ぶ。その瞬間だけで、このゲームを選んで正解だったと確信できる。
Marvel’s Spider-Man Remastered
| 価格 | ¥7,590 |
|---|---|
| 開発 | Insomniac Games, Nixxes Software |
| 販売 | PlayStation Publishing LLC |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル |


