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▌ISSUE.579 · レビュー カテゴリ / FPS 公開 2026.04.21
// FPS · レビュー

Atomfall

Atomfall完全ガイド|英国ポストアポカリプスRPG最新情報まとめ【2026年版】
#Atomfall #PCゲーム #PCゲーム #Rebellion #steam
読了目安
約41分
対応機種
PC
スペック
▌要点 / 3行で読む
01
「ウィンズケール」という名前を聞いたことがあるだろうか。
02
英国政府がその存在を長年隠し続けた、1957年の核事故。
03
現地では今も語られることが少ないその出来事が、2025年に一本のゲームの舞台になった。
04
1957年10月10日、英国北部の原子炉施設で火災が発生した。

「ウィンズケール」という名前を聞いたことがあるだろうか。

英国政府がその存在を長年隠し続けた、1957年の核事故。現地では今も語られることが少ないその出来事が、2025年に一本のゲームの舞台になった。

1957年10月10日、英国北部の原子炉施設で火災が発生した。放射性物質が周辺に飛散し、英国史上最悪の核事故として記録されたこの出来事は、現地では長らく「タブー」として語られ続けてきた。

Atomfallは、その事故から「もし世界が違う方向に進んでいたら?」という問いを出発点に作られたゲームだ。爆発から5年が経ち、軍に封鎖されたレイクディストリクトの隔離地帯。記憶を失った主人公が目覚める場所は、カルト教団・腐敗した政府機関・謎めいた地下組織が入り乱れる、イギリスの片田舎だった。

開発したのは英国オックスフォードのRebellion Developments。Sniper Eliteシリーズで知られるスタジオが32年の歴史で初めて挑んだ完全新規IPは、2025年3月27日の発売からわずか数日で150万人以上が体験し、Game Passでは同月リリースのどのタイトルよりも268%多いプレイヤーを集めた。

フォールアウトの模倣品? いや、GamesRadar+はそう評した——「これは英国版Falloutではない。それをはるかに超えた何かだ」と。

Steam総合評価は「やや好評」(約77〜79%好評、3,700件超)。Metacriticは75点。「全てが惜しい、でもクセになる」「100点満点なら60点だが自分にはハマった」——日本のプレイヤーたちが残したこういう言葉が、Atomfallの本質を一番よく表している気がする。

この記事では、Atomfallがどんなゲームなのか、何が刺さって何が惜しいのかを、プレイヤーたちの声を交えながら丁寧に解説していく。Game Passで気軽に試せる今こそ、手を出すタイミングかもしれない。

公式トレーラー

英国の片田舎と核の残滓が混ざり合うAtomfallの世界観が凝縮されている

こんな人に読んでほしい

  • FalloutやS.T.A.L.K.E.R.のような核後の世界観が好き
  • クエストマーカーに頼らず、自分で謎を解き明かす探索が好き
  • Game Passで気軽に試せるゲームを探している
  • 英国の歴史・文化が好き、またはイギリスが舞台のゲームが気になる
  • カルト・陰謀・SFホラーが混ざったストーリーが好き

Atomfallとはどんなゲームか

一言でいうと「ミステリーを自分の足で追う、英国ポストアポカリプスのサバイバルアドベンチャー」だ。

フォールアウトのような廃墟探索ゲームを想像してプレイすると、良い意味で裏切られる。Atomfallで一番大切なのは銃の腕前でも資源管理でもなく、「情報をつなぎ合わせる力」だ。マップにはクエストマーカーがない。どこに何があるかは、NPCの会話・落ちているメモ・オーディオログを頼りに自分で推測するしかない。

「探索の喜びをSkyrim以来久しぶりに感じた」——PC Gamerのレビュアーはそう書いた。隠れた建物を見つけ、新しい手がかりを拾うたびに世界の謎が一ピースずつ埋まっていく感覚は、確かに他のゲームではなかなか味わえない。

ゲームの構造はセミオープンワールド形式。Sniper Eliteシリーズで磨かれた「相互接続された複数の広大マップ」を採用しており、各エリアが地下通路や峠道でつながっている。ファストトラベルはない。だからこそ、地形が頭に刻まれ、「あの廃屋に戻ろう」という気持ちが自然と生まれる。

ゲームを始めて最初の30分でどんな体験ができるか、少し想像してもらうと分かりやすい。主人公は薄暗いシェルターで目を覚ます。何も覚えていない。ドアを開けると、霧に包まれた英国の村。石造りの建物が並び、教会の鐘楼がかすんで見える。のんびりした牧歌的な風景——だが、軍の装甲兵士がパトロールしていて、住民たちの目が泳いでいる。話しかけると「よそ者は歓迎しない」という雰囲気が漂う。誰かが何かを知っている。でも教えてくれない。

「何が起きたんだ」という疑問を胸に、周辺を歩き回る。廃屋の床に落ちていた手紙に、「あの施設には近づくな」という走り書き。近づいてみると、鍵がかかった扉。鍵を探すうちに、別の手がかりが見つかる——これがAtomfallの基本リズムだ。謎が謎を呼び、気づいたら2時間経っている。そういうゲームだ。

舞台:隔離されたレイクディストリクト

1957年10月10日、英国北部のウィンズケール原子炉で爆発が起きた——これは実際にあった話だ。ゲームではそこに架空の要素が加わる。爆発の原因は、採掘中に発見された謎の隕石「オベロン」。その内部の宇宙由来の有機体が暴走し、周辺一帯が放射性物質と謎の汚染物質に覆われた。

事故から5年、軍は一帯を完全封鎖。外部との連絡は断たれ、住民は取り残された。政府の治安部隊「Protocol」は当初こそ住民を守る存在だったが、5年の孤立が人々を変質させていった。

そんな中、主人公は地下シェルターで目を覚ます。記憶はない。持ち物もない。外は軍に封鎖された田舎町。何が起きたのかを探るうちに、BARD(英国原子力研究部)の暗躍、青く光る目を持つカルト教団「ドルイド」、そして「オベロン」の真実が浮かびあがってくる。

主要ゲームシステムのポイント

探索と手がかり収集が軸になる。地図を広げ、NPCと話し、メモを読む。「隣村に怪しい施設がある」という噂を聞いたら、自分で探しに行く。クエストログには目的地が書かれていないこともある。これを「不親切」と取るか「没入感」と取るかで、評価が真っ二つに割れる。

スキルシステムは経験値ではなく「訓練用興奮剤」と「トレーニングマニュアル」を使う。4つのツリー(遠距離戦闘・近接戦闘・サバイバル・コンディショニング)で計36のスキルがある。マニュアルはマップのあちこちに隠れているため、探索と成長が自然に結びつく設計だ。

物々交換システムも独特。このゲームにお金の概念はない。商人には素材やアイテムを持っていき、欲しいものと交換する。資源の価値を肌で感じる、古典的なサバイバルの緊張感がここにある。

クラフトはワークベンチ不要で、インベントリからいつでも可能。ただしインベントリは12枠しかなく、素材の取捨選択が常に求められる。これをストレスと感じる人もいれば、制約が生む緊張感として楽しめる人もいる。

基本情報

項目 内容
タイトル Atomfall(アトムフォール)
ジャンル サバイバルアクション / オープンワールドアドベンチャー
開発・発売 Rebellion Developments(英国・オックスフォード)
発売日 2025年3月27日(日本語パッケージ版PS5/PS4:4月17日)
対応プラットフォーム PC(Steam / Epic / Microsoft Store)/ PS5 / PS4 / Xbox Series X|S / Xbox One
価格(PC) Standard $49.99 / Deluxe $69.99(日本円:Steam表記に準拠)
価格(日本語パッケージ) 7,980円(税込)
Game Pass Xbox Game Pass Ultimate / PC Game Pass 対応(Day One)
日本語対応 あり(テキスト・UI)
クリア時間目安 メインクリア 約12〜15時間 / 全エンディング回収 30時間前後
DLC Wicked Isle(2025年6月3日)/ The Red Strain(2025年9月16日)

なぜこれほど多くの人が遊んだのか

発売から数日で150万人、その後350万人以上。Game Passで同月リリースのタイトルより268%多いプレイヤーを集めた——この数字は、Atomfallが「Game Passの力を借りただけ」では説明しきれない。

Rebellion CEOは発売後のインタビューでこう語っている。「Day1 Game Passリリースは即黒字だった。32年の歴史で最も成功したローンチだ」と。Game Passで無料でプレイできるのに黒字、というのは、有料購入者も相当数いたことを意味している。

「英国らしさ」という差別化

ポストアポカリプスゲームは星の数ほどある。荒廃したアメリカ、ソ連の残骸、北欧の廃墟——でも「軍に封鎖された英国の片田舎」を舞台にした本格的なサバイバルゲームはほとんどなかった。

コッツウォルズを思わせる石造りの農家、霧に包まれた丘陵地帯、廃工場の煤けた煙突。そこにカルト教団のシンボルが刻まれ、Protocol(治安部隊)の装甲車がのんびり走っている。このシュールな対比こそがAtomfallの最大の個性だ。

GamesRadar+が「これは英国版Falloutではない——それをはるかに超えた何かだ」と書いたのも、この独自性を評価してのことだった。

「クエストマーカーなし」の快感

現代のゲームのほとんどはプレイヤーに「次はここへ行け」と矢印を示す。Atomfallはそれをしない(難易度設定で表示のオン/オフはできるが)。

NPCが「南の廃工場に怪しい連中がいる」と言ったら、地図を開き、南の方角にある廃工場を自分で探す。扉が施錠されていたら、周辺を探して鍵を見つける。この「自分の頭で解く」プロセスが、探索ゲーム好きの心を強く掴んだ。

あるSteamユーザーはこう書いている——「Not many games have made me really feel like I am the master of the story and I craft it to how I see fit, but this one does!」(自分がストーリーを作っていると本当に感じさせてくれるゲームはそう多くないが、これはやってのけた)。

こういう体験ができるゲームは、近年では本当に少ない。Elden Ringが「行き先を教えてくれないRPG」として大きな評価を得たように、Atomfallも「自分で考えて進む」という設計が、ゲームに対してある種の渇望を持っていた層に刺さった。ゲームが親切になりすぎた時代への静かな反動、とも言える。

「クエストマーカーをオフにして自分で進んだ。地図と手がかりだけを頼りに謎を解くのが最高に楽しかった」——こういう声がSteamとRedditに何度も繰り返されている。

実際の歴史事件を題材にしたリアリティ

ウィンズケール火災は実在する。英国政府が長年情報公開を渋ってきた「黒歴史」でもある。その事故をゲームの出発点に据えたことで、単なるフィクションとは違う薄気味悪いリアリティが生まれた。

「本当にあった場所が舞台」という感覚は、プレイヤーに「もしかしたらこういう未来があったかも」という妙な没入感を与える。英国映画の古典的な民俗ホラー(フォークホラー)への参照も随所に感じられ、イギリス文化に馴染みのある人ほど深く刺さる作品だ。

BFI(英国映画協会)がAtomfallについての特集を組んだのは、このゲームが単なる娯楽を超えて英国の集合的な記憶に触れているからだと思う。「あの事故がなければ、こんな田舎に今もこんな人たちが暮らしていたかもしれない」——その問いがゲームの底に静かに流れている。

ゲームをプレイしてから実際のウィンズケール火災について調べる人も多いという。逆に、核の歴史を知ってからゲームに戻ると「あのセリフはそういう意味だったのか」という発見がある。ゲームと歴史が互いに補完し合う構造は、Atomfallの数少ない無条件に称賛できる点だ。

350万人という数字が示すもの

3,500,000人以上が累計で遊び、1,700万時間以上が費やされた。これは小さな数字ではない。AAA大作のような莫大な予算があったわけではなく、映像美でゴリ押ししたわけでもなく、IP人気に頼ったわけでもない。完全新規IPで、世界観の独自性とゲームプレイの誠実さだけで積み上げた数字だ。

Rebellionのゲームが過去に日本でどれほど知られていたかを考えると、この快進撃はなおさら驚きがある。Sniper Eliteシリーズはコアなファンに支持されていたが、一般層への認知は限定的だった。それが今回、Game Passという入り口と口コミの力で一気に裾野が広がった。

Game Passという最高の入り口

「Game Passに入っているなら絶対試してほしい」——これは多くのレビュアーが口を揃えた言葉だ。フルプライスに見合うかどうかは評価が分かれるが、サブスク内で試せるなら話は別。敷居の低さがプレイヤー数を押し上げ、口コミを生んだ。

Game Passでの268%という数字は、2025年3月のGame Pass全タイトルの中でAtomfallが断トツだったことを示す。これはつまり、「Game Passに入っているユーザーが最も積極的に選んで遊んだタイトル」だということだ。配信に頼らず、コンテンツ自体の力で選ばれた——それがこの数字の本質だと思う。

率直に言う——刺さる人と刺さらない人がいるゲームだ

Metacriticのスコアは75点(PS5版)。Steam総合レビューは「やや好評」(約77〜79%好評、3,700件超)。この数字は「万人受けではないが、刺さった人には深く刺さる」という分布をよく表している。

IGNは80点をつけてこう書いた——「FalloutとElden Ringの最良要素を取り込み、独自の変異体として昇華させた」。一方でVG247は60点、「前提は素晴らしいが、内容の深さが不足している」と評した。同じゲームを遊んで、ここまで評価が割れる。

高く評価されている点

世界観とアートディレクション。英国の田園風景と核汚染の緊張感が同居するビジュアルは、どのレビューでも最上級に近い評価を受けている。霧の中の廃工場、石垣に挟まれた細道、教会の鐘楼——これはAtomfall固有の美しさだ。

探索の自由度と非線形ストーリー。何をどの順番でやるかはプレイヤー次第。「自分でストーリーを作っている感覚」を与えるゲームはそう多くない、とSteamレビュアーは書いた。クエストマーカーをオフにして自分の頭で進む体験は、慣れると抜け出せない。

マルチエンディングと選択の重み。ゲーム内の選択肢や行動が、どのエンディングにたどり着くかに影響する。一周目でわからなかった謎を、二周目で別ルートから理解する楽しさがある。

批判されている点

戦闘とステルスの粗さ。ファミ通のレビュアーは「シューターとしては結構微妙」と書いた。敵AIが不安定で、ステルスが機能しない場面がある。戦闘を重視する人には物足りなさが残る。

日本人プレイヤーのnoteレビューにはこんな記述があった——「ステルスが機能していない。敵の索敵能力が不自然に高く、戦闘の選択肢が銃・投擲・近接のみ。敵を倒しても経験値が得られないため、戦闘する動機が薄い」。

ファストトラベルなし。広大なマップを常に徒歩で移動する。探索への没入感を高める設計意図はわかるが、目的地と逆方向のエリアへ引き返すときは純粋に時間がかかる。「2025年のゲームとは思えない古臭さ」と書いたレビュアーも複数いた。

インベントリの狭さ。12枠という制限は一貫して批判される。素材集めが好きなプレイヤーほどストレスを感じやすい。

ストーリーの着地点。「最後の選択肢を選び直すだけで別エンディングをサクっと見れる」という指摘もあった。伏線が丁寧な割にエンディングのカタルシスが弱い、という声はRedditやSteamのレビューでも繰り返し出ていた。

総合すると

探索・謎解き・雰囲気重視のプレイヤーには間違いなく刺さる。戦闘爽快感や親切なガイドを求めるプレイヤーには向かない。これは欠点ではなく、設計の方向性の問題だ。Tom’s Guideのレビュータイトルが「Atomfallを愛したかった——いいゲームだが、もっと素晴らしいゲームになれたはずだ」だったのは、そのもどかしさをよく表している。

ある日本人プレイヤーはこう書いた——「序盤の生存問題のドキドキ感が最高。100点満点なら60点だけど、このクセが自分にはハマった」。この感想が、たぶん一番正直なAtomfall評だと思う。

パッチによる改善の積み重ね

発売から1年以上が経過した現在、Atomfallはリリース当初より確実に改善されている。Rebellionは継続的にパッチを当てており、戦闘AIの挙動改善、UIの読みやすさ向上、クラッシュ修正などが積み重ねられてきた。

「いまから始めるなら発売当初よりずっと遊びやすい」という声もある。これから入るプレイヤーは、ある意味で最も洗練されたバージョンのAtomfallを体験できる。加えてDLC2本が追加されたComplete Editionも存在するので、最初からまとめて入手する選択肢も現実的だ。

「Falloutの後継」か「全く別物」か

Atomfallへの最も多い先入観は「Falloutの英国版」というものだろう。確かに核後の世界、廃墟探索、会話による謎解き、複数エンディング——重なる要素は多い。だが実際に遊ぶと「全然違う」と感じるプレイヤーが多い。

Falloutは「広大なオープンワールドを自由に歩き回りながら、戦闘で強くなっていく」ゲームだ。Atomfallは「相互接続された複数の密なエリアを、戦闘よりも情報収集で進んでいく」ゲームだ。規模感も方向性も異なる。

むしろ近いのは「Outer Wilds」「Disco Elysium」のような「自分で考えて謎を解くアドベンチャー」かもしれない——戦闘アクションという外皮をまとっているが、本質は探偵ゲームだ。この認識を持って始めると、期待と体験のズレが少なくなる。

プレイヤーたちの声

発売から1年が経過した今も、Steamのレビューは継続的に投稿されている。ポジティブとネガティブ、どちらも並べた方が実態に近い。

「Not many games have made me really feel like I am the master of the story and I craft it to how I see fit, but this one does! Leaving the quest markers off, and enjoyed getting my brain engaged to find my way through.」

——自分がストーリーを作っていると本当に感じさせてくれるゲームはそう多くない。でもこれはやってのけた。クエストマーカーをオフにして、自分の頭を使って進む楽しさがある。

出典:Steam ユーザーレビュー(store.steampowered.com

探索と謎解きの自由度を高く評価する声は、Steam・海外メディア問わず最も多い。「Skyrim以来の探索の喜びを感じた」というPC Gamerのレビュアーの言葉も、この層の共感を代弁している。

「廃墟探索ゲームが好きなプレイヤー向け。文章やオーディオログで謎を解き明かす楽しさ、ロケーションの美しさが光る。約70点のゲームだけど、このクセが自分にはハマった。」

出典:note(shivesさん

一方、期待値が高かっただけに落差を感じた人も少なくない。

「Atomfall looks amazing and has some really great ideas, but most of those ideas are overshadowed by frustrating game design and mechanical roadblocks.」

——見た目は最高で面白いアイデアが詰まっているが、そのほとんどがイライラするゲームデザインと仕様の壁に埋もれている。

出典:Steam ユーザーレビュー(store.steampowered.com

「序盤の生存問題のドキドキ感が最高。ただ『全てが惜しい』というのが核となる感想で100点満点中60点。広大なマップが思った5倍広かった。エリア間が複雑に繋がっていて、脳内にMAPが刻み込まれるのは良い設計だと思う。」

出典:アメブロ(kjghost1201さん

「FalloutとSTALKERに似たゲーム。NPCとの会話がFallout風で翻訳も自然。ただ操作が硬く感じる。2025年発売とは思えない古臭さ。ファストトラベルなしで広大なマップを走り回る必要がある点はしんどい。」

出典:WebMemoNote(4時間プレイレビュー

ファミ通のレビュアー(BRZRK氏)はこんな表現でまとめていた——「B級のオープンワールド風アドベンチャーとして遊ぶことを前提としておけば楽しめる作品」。この「前提のセット」が、Atomfallを楽しめるかどうかの分岐点だと思う。

Game Passで遊んだプレイヤーが特に好意的な傾向があるのは、「ゼロコストで試せる」という心理的余裕があるからだろう。フルプライスで買ってしまうと、期待値が上がりすぎて粗が目立つ。「まあ試してみるか」という気軽さで始めた人が、気づいたら数時間没頭していた——そういうゲームだ。

Steamレビューの「Leaving the quest markers off, and enjoyed getting my brain engaged to find my way through」という一文は、Atomfallの楽しみ方を最もよく表していると思う。自分の頭を使うことを楽しめる人に、このゲームは確実に応えてくれる。

実際に起きた事故——ウィンズケール火災とは何だったのか

Atomfallを語るうえで、史実の「ウィンズケール火災」を知っておくと、ゲームの世界観がぐっと深くなる。

1957年10月10日、英国カンブリア州(現在のセラフィールド)にあるウィンズケール原子炉の1号炉が火災を起こした。冷却に失敗した核燃料が過熱し、放射性ヨウ素・セシウム・ポロニウムなどが英国全土、さらにはヨーロッパ大陸にまで飛散した。

英国政府はこの事故を長年にわたって矮小化してきた。公式記録の一部は機密指定され、「ウィンズケール火災」という名称すら後に「ウィンドスケール」と表記を変えるなど、印象操作ともとれる対応が取られた。被害の全容が明らかになったのは、数十年後に機密文書が公開されてからだ。

ゲームのAtomfallはこの事故を「起点」として使いつつ、架空の要素を大胆に加えている。史実では放射性ヨウ素の汚染が牛乳の出荷停止を引き起こした程度(それでも深刻だが)だったのに対し、ゲームでは謎の宇宙由来物質「オベロン」が絡んで軍による完全封鎖という極端な事態になっている。

「実際にこういうことがあったんだ」という感覚は、単なる架空のポストアポカリプス世界とは違う引力をもたらす。BFI(英国映画協会)がAtomfallについての特集記事を組んだのも、この作品が単なるゲームを超えて英国の文化的記憶に触れているからだろう。

フォークホラーとのつながり

ゲームの雰囲気を語る際に必ず出てくるキーワードが「フォークホラー(Folk Horror)」だ。英国映画の伝統的なジャンルで、都市文明から切り離された田舎に根づく古い信仰・因習・秘密が、訪れた部外者を飲み込んでいく恐怖を描く。

代表的な作品は1973年の映画『ウィッカーマン』。英国の孤島に赴いた警官が、島民のドルイド教的な因習に絡め取られていく物語だ。Atomfallのドルイド教団はこの系譜に明確に連なっている。

「見知らぬ土地に迷い込んだ」「住民たちは何かを隠している」「逃げようとしても出られない」——これらの恐怖がAtomfallの基底音として流れている。核事故後の放射能汚染という現代的な題材と、千年以上続く英国の民俗的恐怖が交差する地点に、このゲームは立っている。

具体的な場面でいうと、キャスターフェル・ウッズに初めて足を踏み入れたときの感覚は、多くのプレイヤーが「ぞっとした」と証言している。木々の間に立つローブ姿の人影、遠くから聞こえる低い詠唱、地面に描かれた意味不明のシンボル——これはSF的な核汚染ゲームではなく、英国のホラー映画の中に迷い込んだような体験だ。

Rebellionが「ドルイドの設計にあたって古代ギリシャ・ローマ時代のブリテン島に関する文献を参照した」と語っているのは、こういう細部のリアリティを裏付けている。「ゲームのために作った架空の設定」ではなく、実際の歴史的文化に根ざした描写——それがAtomfallの世界に独特の厚みを与えている。

ゲームシステムを深掘り——探索・戦闘・成長の仕組み

探索エリアの構成

Atomfallのマップは「複数の独立したエリアが地下通路や峠道でつながるセミオープンワールド」構造だ。Sniper Eliteシリーズで開発したマップ設計の手法を流用しており、各エリアは広大だが明確な境界を持つ。

エリアの種類は多彩だ。石造りの農村、霧に包まれた丘陵、廃墟と化した工場、地下に広がる研究施設、カルト教団が儀式を行う古代遺跡——同じ「英国の田舎」の中でこれほど異なる体験ができることに驚く。

重要なのは「ファストトラベルがない」という設計だ。批判も多いが、これには意図がある。徒歩で移動するからこそ、「あの丘の向こうに何があるんだろう」という好奇心が生まれる。別エリアへの近道を見つけたときの達成感は格別だ。ある日本人プレイヤーは「広大なマップが思った5倍広かった。エリア間が複雑に繋がっていて、脳内にMAPが刻み込まれるのは良い設計」と書いていた。

手がかりシステム(Leads)

Atomfall独自のシステムが「Leads(手がかり)」だ。クエストとは少し違う。従来のRPGなら「〇〇村へ行け」と地図にマーカーが刺さるが、Atomfallでは「南の廃工場に変な連中がいるらしい」という情報だけが手帳に記録される。

どの情報が本当に重要で、どこへ行けばいいのか——それを判断するのはプレイヤーだ。NPC全員に話しかけ、落ちているメモを読み、オーディオログを聞き、地図を眺めて推測する。このプロセスが「探偵ゲームとしてのAtomfall」の本質だ。

IGNのレビュアーはAtomfallを「Fallout と Elden Ring の要素を混ぜた」と表現したが、「謎を自分で解く」という点ではむしろElden Ringに近い感覚がある。「攻略サイトを見ずに自力でクリアした」という達成感が得られるゲームだ。

戦闘の実態

戦闘システムについては正直に書く。多くのレビュアーが「弱点」として指摘した部分だ。

選択肢は「銃(拳銃・ライフル・ショットガン)」「弓」「近接武器(クリケットバット・斧など)」「投擲物(手製爆弾など)」の4系統。弾薬は希少で、常に温存か消費かの判断が求められる。

ステルスも用意されているが、敵AIの挙動が一定しておらず、「しゃがんで近づいたのに急に気づかれた」「壁の向こうにいるのにアラートされた」という事態が起きる。これは最も多く批判されたポイントの一つだ。

一方で「戦闘がゲームの主役ではない」という見方もできる。このゲームで敵を倒してもスキルポイントは一切手に入らない。探索・クラフト・会話でゲームが進む。戦闘はあくまで「邪魔な障害を取り除く手段」であり、Falloutのように「戦いながら強くなっていく喜び」を求める設計ではない。

だから戦闘系のゲームが好きな人には物足りないが、探索・謎解き重視のプレイヤーには「そもそも積極的に戦う必要がない」という気づきがある。敵を避けながら目的を達成する「ステルス探索」のスタイルが、このゲームでは最も快適だ。

スキルとクラフトの連動

スキルツリーは4系統36スキル。特徴的なのは「トレーニングマニュアルを見つけないと開放されないスキルがある」点だ。マニュアルはマップ各地に隠れており、探索そのものが成長に直結する。レベルアップしてポイントを割り振るだけの従来型RPGとは異なる感覚だ。

クラフトはインベントリからいつでも可能。医療キット・爆発物・弓矢などを素材から作れる。問題はインベントリが12枠という制限。序盤は「何を捨てるか」の判断に迷う場面が多い。「Gunsmithスキル」を取れば銃のカスタマイズ素材を活用できるようになり、インベントリ管理の戦略が変わる。

物々交換も重要な要素だ。お金は存在せず、商人との取引はすべてアイテム交換。「これを持っていけば欲しいものと交換できる」という読みが必要になる。資源の価値を常に意識するこのシステムは、サバイバルゲームならではの緊張感を生む。

たとえば「銃の修理素材と医療キット、どちらを優先するか」という判断が常についてまわる。弾薬は拾っても使い道のない武器のものを交換に出す——こういう判断の積み重ねが、このゲームを「ただのアクション」ではなく「生き残りのシミュレーション」にしている。

複数エンディングと選択の設計

Atomfallには複数のエンディングが存在する。何が分岐点になるかはゲーム内では明示されない。「この選択肢を選ぶとこのエンディングになる」という説明は一切ない。プレイヤーは自分の判断で誰と協力し、誰を裏切るかを決める。その積み重ねが、気づかぬうちにエンディングを決定している。

一周目でエンディングを迎えた後、「なぜこうなったのか」を振り返ると、自分のプレイ中の選択が伏線として機能していたことに気づく。これがAtomfallの物語体験の核心だ。「選択肢を選んだ」のではなく「自分がそう動いた」という感覚——この設計が、プレイヤーごとに異なる体験を生む。

批判的な声として「最後に選択肢を選び直すだけで別エンディングがすぐ見れる」という指摘もある。確かにエンディング直前の分岐は単純だ。ただ、そこに至るまでの「誰を信じながら世界を歩いてきたか」という文脈の違いが、同じエンディングでも体験の重みを変える。数字で表れる「エンディング数」より、そのプロセスの豊かさがAtomfallの価値だと思う。

これからAtomfallを始める人へ——知っておくと最初が楽になること

攻略サイトを見ずに遊んでほしいゲームだが、「最初の数時間で詰まって辞めてしまう」のは惜しい。ゲームの構造を知った上で始めると、序盤のストレスが大きく減る。

難易度設定は遠慮なく下げていい

Atomfallは難易度を5段階で選べる。「クエストマーカーの有無」「敵の強さ」「資源の豊富さ」を個別に調整できる場合もある。初見では難易度を下げてストーリーと世界観の体験を優先するのがおすすめだ。「自分でクリアした」という体験を損なうのでは、と思う必要はない。Atomfallの本質は謎解きと探索であって、戦闘の難しさではない。

NPCとの会話を飛ばさない

会話の選択肢をすべて選んでほしい。Atomfallでは会話に「手がかり(Lead)」が隠れていることが多い。「次の目的地のヒント」「別の人物への紹介」「隠し施設の存在」——これらは会話を丁寧に読まないと見逃す。「どこへ行けばいいかわからない」という声の多くは、会話をスキップしていることが原因だ。

落ちているものは全部読む

床に落ちているメモ、本棚の書類、壁に貼られた掲示——全部読む価値がある。AtomfallはオーディオログやテキストでNPCの「過去」「動機」「謎」を語ることが多い。これを読んでいるかどうかで、エンディングを迎えたときの感動が全く違う。「なぜこの人はこんな行動をとったのか」が、散らばった文書の中に答えとして残っている。

インベントリは常に整理する

12枠は本当に少ない。序盤は「捨てたくない」という気持ちが出るが、思い切って取捨選択することが大切だ。武器・医療品・クラフト素材の3カテゴリでバランスを取るのが基本。弾薬は重いので、使わない武器の弾は捨てるかトレードに出してしまう方がいい。

迷子になったら一度「探索」に切り替える

「次にどこへ行けばいいかわからない」という状況に必ずなる。そのときは焦らず、まだ訪れていない建物や路地を探索してみる。手がかりは思わぬ場所に落ちている。「詰まった」と感じたとき、実は近くに突破口があるというのがAtomfallのパターンだ。

戦闘は「最後の手段」として考える

Atomfallは戦闘で敵を倒してもスキルポイントも経験値も入らない。戦うことに直接的なメリットがほとんどない。だから「敵を見たら戦う」という従来のゲームの習慣を意識的に捨てることが大切だ。

石垣の影に身を潜め、敵のパトロールルートを観察して通り抜ける。正面の扉が守られているなら、裏口や窓を探す。こういうプレイスタイルの方がAtomfallとの相性がいい。「戦わずに目的を達成できた」という体験の積み重ねが、このゲームの面白さだ。

序盤のエリアを丁寧に歩くことが後半への投資になる

Atomfallは後から「あそこに戻りたい」という場面が必ず来る。ファストトラベルがないため、序盤に地形を頭に入れておくと後半の移動効率が格段に上がる。「どこにどんな建物があるか」「どの道がどのエリアにつながっているか」を意識しながら最初のエリアを丁寧に歩くことが、後半への大きな投資になる。

急いで「メインストーリーを進めよう」とすると、見落としが増え、後半で情報不足を感じる。Atomfallは「寄り道こそが本道」というゲームだ。NPCとの雑談、廃屋の探索、怪しい小道の先——そういう「本筋でない」行動の中にこそ、このゲームの豊かさが詰まっている。

複数エンディングは2周目以降の楽しみに

Atomfallには複数のエンディングがある。1周目は攻略情報を見ずに自分の判断で進み、結末を迎えてほしい。「なぜこうなったのか」を考えながら2周目で別の選択をすると、同じ世界が全く違う顔を見せる。Steamのレビューで「2周目が1周目より面白かった」という声が複数あるのは、この設計の妙だ。

ゲームを彩る3つの勢力——誰を信じるかがすべてを変える

Atomfallのストーリーは「謎を解く」だけでなく、「誰の味方をするか」という選択の積み重ねで進んでいく。隔離地帯には互いに対立する3つの主要勢力が存在し、それぞれと協力することも、敵対することも、どちらもできる。

B.A.R.D.(英国原子力研究部)

ウィンズケール原子炉を建設・運営してきた研究機関。表向きは「科学の発展のため」だったが、その実態は隕石「オベロン」から抽出した宇宙由来の有機体を兵器化しようとしていた組織だ。

「訓練用興奮剤」や「原子電池」はBARDが生み出した技術の産物。つまりゲーム内でプレイヤーが使うスキルポイント自体が、BARDの実験の副産物だという皮肉な設定になっている。

Protocol(治安維持部隊)

事故直後、政府が住民保護のために派遣した部隊。最初は「守る者」だったが、5年間の孤立と閉鎖環境がProtocolを変質させた。今では住民を管理・統制し、隔離地帯の秩序を暴力で維持する権威主義的な組織に成り果てている。

ゲーム序盤では彼らのパトロールを避けながら進む場面も多い。装甲と武装は本作で最も充実しており、正面から戦うのは得策ではない。

ドルイド教団

オベロン有機体に感染した人々が自然発生的に形成したカルト集団。感染者の瞳は青く輝き、彼らは「オベロンは人類を一つの意識に統合する救世主だ」と信じている。キャスターフェル・ウッズの深部に根を張り、人里離れた古代遺跡で儀式を行う。

古代ギリシャ・ローマ時代の文献にある「ブリテン島のドルイド」の歴史と、現代フォークホラーの美学を融合させたビジュアルは、このゲームで最も独創的な要素の一つだ。彼らを敵と見るか、理解の対象と見るかでプレイスタイルが大きく変わる。

そして……隠れた第4の勢力

上記3つ以外にも、隔離地帯の地下で密かに活動する組織が存在する。これ以上は書かない。自分の目で確かめてほしい部分だ。

どの勢力とどう関わるかが、最終的なエンディングに直結する。一周目で「なぜこの結末に?」と感じたなら、それは別の派閥と歩んだ結果を見ていないからかもしれない。

各派閥との「付き合い方」が体験を変える

Atomfallの面白いところは、「どの派閥に肩入れするか」を明示的に選ばされる場面が少ないことだ。気づかないうちに、自分の行動が特定の派閥への「協力」や「裏切り」として機能している。

たとえばBARDの研究資料を回収してProtocolに渡すか、ドルイドに渡すか、あるいは誰にも渡さず自分で使うか——この判断が、後半の展開に静かに影響する。「ゲームに選ばされた」ではなく「自分がそう動いた」という感覚は、Atomfallならではのストーリー体験だ。

二周目で意図的に別の派閥に肩入れしてみると、同じ世界の見え方が全く変わる。BARDの人間が善意でやっていると思っていた行動が、別の視点から見ると全然違う意味を持つ——こういう「認識の逆転」がAtomfallの物語の醍醐味だ。一周クリアしてもまだ終わりではない。むしろ二周目から本当の謎解きが始まるとも言える。

開発元Rebellionについて——英国の老舗スタジオが挑んだ新境地

Rebellion Developmentsは1992年12月4日、Jason KingsleyとChris Kingsley兄弟によって英国オックスフォードで創業した。30年以上の歴史を持つ老舗スタジオで、Sniper Elite(スナイパーエリート)シリーズが代表作として知られる。

Sniper Eliteは「第二次大戦の戦場を舞台にした狙撃特化のアクション」として独自のニッチを掴んできたシリーズだ。弾道の物理計算、風速・距離を考慮した狙撃、いわゆる「X-ray Kill Cam」(骨や臓器を貫通する瞬間をスローモーションで見せる演出)は、グロテスクながら唯一無二の体験として定着した。

Atomfallはそこから大きく舵を切った挑戦だった。狙撃ゲームの開発で培ったマップ設計の知見(複数の広大エリアを相互接続する技法)はそのままに、ジャンルはサバイバルアドベンチャーへ。テーマは英国の歴史へ。プレイヤーへの問いかけは「どこを狙うか」から「誰を信じるか」へ。

「32年の歴史で最大のローンチ」という結果は、この賭けが成功したことを証明している。Rebellionは今後もAtomfallのIPを継続するとしており、DLC2本はその布石でもある。

「英国のゲームスタジオ」としての誇り

Rebellionが英国スタジオであることは、Atomfallの世界観に直結している。ウィンズケール火災は英国人にとってのリアルな歴史的傷痕だ。外国のスタジオが「英国の核事故ゲーム」を作るのとは、重みが違う。

レイクディストリクトの地形、英国の農村建築、独特のユーモアを含む英語のセリフ回し、パブの風景——これらの細部は「英国を知っている人間が作った」という確かさが滲み出ている。同じ核後の世界観でも、アメリカのFalloutが「広大な荒野」を舞台にするのに対し、Atomfallの「石垣で仕切られた小さな農地」という空間スケールは、英国の土地感覚そのものだ。

Rebellion共同創業者のJason Kingsley CEOは発売後のインタビューで、Atomfallが「我々が長年温めてきたアイデア」だったと語っている。Sniper Eliteシリーズで安定した収益基盤を築いたからこそ、このリスクある新規IPに投資できた。30年以上の積み重ねがなければ、Atomfallは存在しなかったゲームだ。

日本展開と日本語版について

Atomfallの日本語パッケージ版は2025年4月17日にGame Source Entertainment(GSE)から発売された。価格は7,980円(税込)。PS5・PS4対応で、テキストと UIが日本語化されている。

デジタル版はSteam・PlayStation Store・Xbox/Microsoft Storeで購入可能で、いずれも日本語テキスト対応。Steam版は定期的にセールが行われており、50%オフになることもある。

日本語翻訳の質については、複数のプレイヤーから「NPCの会話がFallout風で、翻訳も自然」という評価が出ている。ローカライズに力が入っているゲームは遊びやすさが段違いだが、Atomfallはその点でも及第点以上をクリアしていると言っていいだろう。

日本では知名度がまだ高くないが、4Gamer・ファミ通ともにレビューを掲載しており、認知は着実に広がっている。「Fallout的なゲームが好きだがちょっと違うものが遊びたい」という需要に、Atomfallはきちんと応えられる選択肢だ。

DLCで世界がさらに広がった——Wicked Isle & The Red Strain

本編の好評を受け、2025年内に2本のストーリーDLCが追加された。

Wicked Isle(2025年6月3日)

隔離地帯の新エリア「Wicked Isle」を追加。独自のキャラクターと敵、新しいリード(手がかり)、新武器・スキル、そして本編に影響する複数の新エンディングが実装された。本編の謎の続きを追いたいプレイヤーには必須の内容だ。

名前の「Wicked Isle」はイギリスの伝統的な民話・歌謡に登場するモチーフから来ており、フォークホラー的な雰囲気がさらに強まっている。本編で消化しきれなかった伏線の一部がここで回収されるとの評価もあり、本編クリア後すぐに入りたくなる内容だ。

The Red Strain(2025年9月16日)

第2弾DLCは、Scafell Cragという新エリアが舞台。隔離地帯の中核にある極秘研究施設「Test Site Moriah」を中心に展開する新ストーリーに加え、新スキル・武器・強敵が追加された。

「Red Strain(赤い株)」というタイトルが示すように、オベロン有機体の変異体が新たな脅威として登場する。本編より戦闘の比重がやや高まっており、アクション寄りのプレイヤーにも評価された。TheSixthAxisは「So, they’re red now?(今度は赤いのか)」というユーモラスなタイトルでレビューを書きつつ、内容は「本編の世界観を正しく拡張している」と高評価だった。

Steam上ではこのDLCも「好評」評価を獲得しており、本編を楽しんだプレイヤーが継続してプレイしているコミュニティの健全さが伝わってくる。

Complete Editionという選択肢

本編+Wicked Isle+The Red Strainをまとめたomplete Editionが販売されている。これから始める人には、最初からComplete Editionで全コンテンツを一気に体験するのもアリだ。本編だけのプレイ時間が15時間前後だとすると、DLC2本を合わせれば30〜40時間は優に超える。

Deluxe EditionはDLC2本に加え追加コンテンツ(コスチュームや装備など)も同梱されているが、純粋にストーリーを楽しみたいなら本編+両DLCが揃ったパッケージを選べば十分だ。セール時を狙えばかなりお得に入手できる。

Atomfallが好きなら、これも気になるはず

核汚染の世界を一人称で探索するゲームが好きなら、S.T.A.L.K.E.R. 2も試してほしい。ウクライナのチェルノブイリ周辺を舞台にした硬派なサバイバルで、Atomfallより難易度は高いが世界観の重厚さは随一だ。

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ソ連SF×一人称アクションという点ではAtomic Heartも近い雰囲気がある。こちらはより戦闘寄りで、ビジュアルの派手さが際立つ。

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Falloutシリーズとの比較が多いAtomfallだが、世界観の自由度という意味ではFallout 4が最も近い。Fallout 4未経験なら、Atomfallとあわせて遊ぶとポストアポカリプスゲームの奥深さがよくわかる。

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まとめ——「惜しい」という言葉が最大の褒め言葉かもしれない

Atomfallを一言で評するなら「ポテンシャルが溢れ出ているのに、それをすべて受け止めきれなかったゲーム」だと思う。

英国の片田舎と核の歴史を組み合わせた世界観、クエストマーカーなしの自由な探索、実在する事故をモチーフにした薄気味悪いリアリティ——どれも他のゲームにはないものだ。350万人以上が遊んだのは、その独自性が確かに多くの人の琴線に触れたからだ。

一方、戦闘の粗さ・インベントリの狭さ・ファストトラベルなしの移動負担は、ゲームとしての完成度という点で課題を残している。「全てが惜しい」という日本人プレイヤーの言葉は、褒め言葉でもあり批評でもある。

ただ、こう言い換えることもできる。「惜しい」と感じるのは、それだけ世界観と設計のコアに魅力があるからだ。凡庸なゲームは「惜しい」とすら思わせない。Atomfallが「惜しい」と言われ続けているのは、ゲームの核心が本物だからだ。DLC2本でさらに世界が広がり、パッチで磨かれた今のAtomfallは、発売当初より確実に完成度が上がっている。

どんな人に向いているか、正直に整理する

強くおすすめできる人:

  • Game Pass加入者——迷わず今夜ダウンロードしてほしい。ゼロコストで試せる最高の入り口だ
  • S.T.A.L.K.E.R.・Metro・Falloutシリーズが好きな人——核後の世界で生き延びる緊張感を求めているなら間違いなく刺さる
  • クエストマーカーなしの探索・謎解きが苦にならない人——むしろそれを楽しめる人にとってはAtomfallは最高のゲームだ
  • 英国の歴史・フォークホラー・核の時代に興味がある人——世界観の深さを味わえる
  • 15〜20時間の濃密な体験を求めている人——大作のような長さはないが、密度は高い
  • マルチエンディングで複数周したい人——2周目以降で「1周目に見えていなかった真実」に気づける設計だ

少し注意が必要な人:

  • 戦闘の爽快感・ステルスの精度を重視する人——期待値を下げて始めること。このゲームの本質は戦闘ではない
  • 大型オープンワールドを何十時間も遊びたい人——Atomfallのボリュームはそこまで大きくない
  • 手取り足取りガイドしてくれるゲームが好きな人——クエストマーカーなしの探索は「不親切」に感じる可能性がある
  • フルプライスで購入を迷っている人——セール時かGame Pass経由が圧倒的におすすめ

最後に

Game Passに加入しているなら、迷わず今夜試してほしい。クエストマーカーをオフにして、地図だけを頼りに歩いてみてほしい。最初は迷う。でもその迷いがAtomfallの醍醐味だ。霧に包まれたレイクディストリクトの田舎道で、石壁の向こうに怪しいドルイドの集会を見つけた瞬間——そこに「Atomfallでしか味わえない体験」がある。この感覚を、ぜひ体験してほしい。

買い切りで試すなら、セール時かComplete Editionでまとめて入手するのが賢い選択だろう。発売から1年が経ち、パッチで改善も重ねられた今のAtomfallは、リリース当初より間違いなく遊びやすくなっている。DLC2本を含めれば総プレイ時間は30〜40時間に達する。今から始めるのは決して遅くない。

350万人以上が遊び、1,700万時間以上が費やされたこのゲームが、なぜそれだけの人を引きつけたのか——実際に遊んでみれば、その理由が分かる。「英国の片田舎に隠された核の秘密」を、自分の足で歩いて解き明かす体験は、他のどのゲームでも味わえない。

「本当にあった事故」の5年後という設定が生む、どこかリアルな恐怖。石造りの農村と軍の装甲車が並ぶシュールな対比。記憶を失った主人公として、誰を信じ、何を選ぶか——この体験は、Atomfallにしかない。英国の片田舎に隠された核の秘密、ぜひ自分の足で解き明かしてみてほしい。

Atomfall

Rebellion
リリース日 2025年3月27日
サービス中
同時接続 (Steam)
199
2026/04/23 アジア圏ゴールデンタイム計測
レビュー
4,982 知る人ぞ知るゲーム
78.3%
全世界
やや好評
4,982件のレビュー
👍 3,899 👎 1,083
52.6%
賛否両論
19件のレビュー
👍 10 👎 9
価格¥5,500-50% ¥2,750
開発Rebellion
日本語非対応
対応OSWindows
プレイ形式シングル