Fallout New Vegas

Fallout: New Vegas|選択が世界を変える最高峰のRPG

「また最初からやり直してしまった」——Fallout: New Vegasを遊んだ人間なら、この感覚を少なくとも一度は経験しているはずだ。

最初のプレイでNCR(新カリフォルニア共和国)に肩入れして、ダム防衛戦まで戦い抜いた。エンディングを見てゲームを閉じる。でも頭の中に「あのときカエサルの軍団にもっと接触していたら?」「Mr.ハウスを支持したらどうなっていたんだろう?」という問いが残り続ける。気づいたら新しいセーブデータを作っていた。

2010年リリースのこのゲームは、今も「史上最高のRPG」候補として必ず名前が挙がる。Steamの評価は20万件以上で「圧倒的に好評」。バグだらけの評判も確かにある。グラフィックも古い。でもそれを補って余りある「選択の深さ」と「物語の密度」がある。この記事では、何がそれほど特別なのかを正直に書いていく。

目次

こんな人に読んでほしい

Fallout: New Vegas 未分類 スクリーンショット1

Fallout: New Vegasは万人向けのゲームではない。向いている人と向いていない人がはっきり分かれるので、先に確認しておきたい。

こんな人には強くおすすめする:

  • 「自分の選択がゲーム世界を変える」体験を求めている人
  • 複数周回して違うルートを試すのが好きな人
  • 道徳的に曖昧な選択肢とその結果を味わいたい人
  • Fallout 4や76が物足りなくて「もっと本格的なRPGがしたい」と感じた人
  • SkyrimなどオープンワールドRPGが好きで、次の一本を探している人
  • 200〜300時間以上のやり込みに耐える密度のあるゲームを探している人
  • 読み物として面白いゲームが好きで、端末・書置きなどのロアを読み漁るタイプの人

正直きつい場面があるかもしれない人:

  • 最新のグラフィックでなければモチベーションが保てない人
  • バグやクラッシュに対して非常にストレスを感じやすい人(導入Modで改善できるが手間はかかる)
  • 英語テキストが全く読めない人(有志の日本語化Modはあるが完全ではない)
  • アクション性重視でRPG要素はおまけ程度でいい人

「Fallout 4をプレイして物足りなかった人」には特に強くすすめたい。New Vegasは開発元が違う(Obsidian Entertainment)こともあり、会話の深さ・選択肢の多さ・世界の作り込みでFallout 4とは別次元のゲームになっている。面白さがわかってくるのは10〜20時間ほどかかるが、「広い世界の孤独感」がわかったとき、このゲームの本質に触れた感覚になる。

ゲーム概要・基本情報

Fallout: New Vegas 未分類 スクリーンショット2

Fallout: New Vegasは、Obsidian Entertainmentが開発し、Bethesda Softworksが発売したロールプレイングゲームだ。2010年10月19日にリリースされ、SteamのAppIDは22380。

舞台は核戦争後の2281年、アメリカ西部のネバダ州モハビ砂漠。ラスベガスを中心とした荒野「モハビ・ウェイストランド」が主な探索フィールドになる。ラスベガスのカジノ街がほぼ無傷で残った「ニューベガス」と、周辺の廃墟、砂漠、荒野が舞台だ。

プレイヤーが操作するのは「運び屋(Courier)」と呼ばれる人物。名前も過去も自分で設定できる。ゲーム開始直後、重要な荷物を届ける途中で頭を撃たれて砂漠に埋められた主人公が、命からがら蘇生され荒野に放り出されるところから始まる。「誰に殺されたのか」「何を届けようとしていたのか」——その謎を追いながら、モハビ砂漠の覇権をめぐる大きな政治的対立に巻き込まれていく。

Falloutシリーズとしてはナンバリングだと4作目にあたるが、Fallout 3のスピンオフ的位置付けで、Fallout 3の続きである必要はない。世界観と基本システムを共有しているが、舞台も物語も完全に独立している。

ジャンルはオープンワールドRPG/アクションRPG。広大な砂漠を自由に探索しながら、各派閥との関係を築いたり崩したりしつつ、無数のクエストをこなしていく。戦闘はリアルタイムのシューターベースに、V.A.T.S.(後述)というRPG的な照準システムが組み合わさっている。

Steamでの現在の評価は20万件以上のレビューで「圧倒的に好評」。Metacriticのスコアは84点(批評家)で、ユーザースコアは8.6点。リリース当初は多数のバグで評判を落としたが、パッチと時間を経て、今では「Falloutシリーズ最高傑作」として広く認識されている。

開発元・Obsidian Entertainmentについて

Obsidian Entertainmentは、元々Falloutシリーズを生んだInterplayのRPG部門「Black Isle Studios」出身のクリエイターたちが設立したスタジオだ。Fallout 1・2を手がけた人たちの系譜が直接引き継がれており、New Vegasには初期Falloutのエッセンス——テキストの豊富さ、選択の重さ、道徳的な複雑さ——が強く反映されている。

ただし開発期間はわずか18ヶ月。Bethesdaから与えられたタイムラインは業界的に見ても非常に短く、スタジオ側も「詰まった」と認めている。この短期間開発がバグ問題につながり、Metacriticスコア84点という結果になった。実はこのスコアが影を落とした悲しい話がある——Obsidianはボーナスの支払い条件として「Metacritic85点以上」という契約を結んでいたが、1点差でボーナスを受け取れなかった。それほどの傑作を生みながら、制作チームが正当な報酬を得られなかった話は、ゲーム業界の契約慣行の問題として今も語り継がれている。

プロジェクトディレクターはJosh Sawyer。彼はニューベガスの物語テーマについて「強欲と過剰についての物語を作りたかった。ラスベガスという場所の歴史がそのテーマに完璧に合っていた」と語っている。また脚本チームにはクリス・アヴェローン(Chris Avellone)が参加しており、プレイグウェアやフォールアウト2で知られるRPG脚本の巨匠が多くのクエストと世界観テキストを手がけた。

ゲームシステムの詳細

Fallout: New Vegasのゲームシステムを理解することは、このゲームを楽しむうえで非常に重要だ。表面的にはFPSに見えるが、内側は複雑なRPGが動いている。

S.P.E.C.I.A.L.システム:キャラクターの骨格

Falloutシリーズを象徴するキャラクター構築システムがS.P.E.C.I.A.L.だ。7つの基本ステータスの頭文字を並べたもので、それぞれが以下の意味を持つ。

  • S(Strength/筋力):近接攻撃ダメージ、持ち運べる重量上限、近接系スキル
  • P(Perception/知覚):照準精度、罠の発見、銃火器スキル関連
  • E(Endurance/耐久):HP総量、放射線・毒への耐性、インプラント(体改造)の上限数
  • C(Charisma/魅力):会話での説得力、仲間の行動ボーナス、評判への影響
  • I(Intelligence/知性):スキルポイントの取得量(知性が高いほど成長が速い)、科学・医療スキル
  • A(Agility/敏捷):V.A.T.S.での行動ポイント(AP)、隠密スキル、動作速度
  • L(Luck/運):クリティカル発生率、ギャンブルの成功率、スキルチェックに微妙に影響

ゲーム開始時に合計21ポイントをこれら7つのステータスに振り分ける。この初期配分がキャラクターのプレイスタイルを大きく決める。知性に全振りすると会話の選択肢が豊富になり、力に全振りすると近接戦闘の鬼になる。魅力重視なら仲間を最大2人連れ歩き、交渉で多くの問題を解決できる。

ここで面白いのが、New Vegasでは知性の低いキャラクターで話しかけたとき、NPCが「知的な会話は難しそうですね……」と特殊なリアクションをすることだ。ステータスがロールプレイに直接影響するこの設計は、初代Falloutの魂を引き継いでいる。

スキルシステム:専門性を定義する18の能力

S.P.E.C.I.A.L.の下に18のスキルがある。0〜100の数値で管理され、レベルアップのたびに取得するポイントを割り振って成長させる。戦闘系(Guns・Sneak・Explosivesなど)と交渉・知識系(Speech・Barter・Science・Repairなど)に大きく分かれる。

このスキルチェックがゲームの深みを大きく左右する。Speech 75があれば傭兵を説得して戦わずに解決できるクエスト、Repair 80があればジャンクパーツから強力な武器を作れる瞬間——数値が「開閉するドア」になっている。同じクエストでも「力」「話術」「隠密」「科学知識」とルートが分かれており、育てたスキルによってプレイヤーごとに全く違う経験になる。

パーク:キャラクターを個性的にするボーナス能力

Fallout 3では1レベルごとにパークを1つ選べたが、New Vegasでは2レベルに1つと変更された。その分1つひとつの選択の重みが増している。「Cowboy(カウボーイ)」は西部劇武器ダメージ+25%、「Cannibal(カニバル)」は死体を食べてHP回復、「Jury Rigging(即席修理)」は同カテゴリ武器同士で修理可能と、ロールプレイとゲームプレイ両面に影響するパークが揃っている。

ゲーム開始時には「Traits(トレイト)」も2つまで選べる。必ずメリットとデメリットがセット。「Trigger Discipline」は命中精度+・連射速度-、「Four Eyes」は眼鏡着用時に知覚+2・非着用時-1、といった具合にキャラクターの個性を定義する。

V.A.T.S.:戦略的なスローモーション照準

V.A.T.S.(Vault-Tec Assisted Targeting System)は、リアルタイムの戦闘をAP(行動ポイント)を消費して一時停止し、敵の各部位(頭・胴体・腕・脚)を選んで攻撃するシステムだ。ヘッドショットだけでなく、敵の武器を破壊する、脚を撃って足止めする、といった戦術的な使い方ができる。Agilityが高いほどAPが増えV.A.T.S.を多用できる。リアルタイムのみでもプレイできるが、純粋なFPSとしては操作感がモダンシューターに劣る面があるので、V.A.T.S.との組み合わせが本来の楽しみ方だ。

ハードコアモード:生存の重みを加えるオプション

New Vegas独自のオプション設定。水分・食料・睡眠の管理が必要になり、スティムパックは即時回復でなく時間経過で徐々に回復、骨折はDoctor’s Bagが必要、弾薬に重量が追加され、仲間が死ぬと永久消滅するようになる。

ゲームを「難しくする」というより「重みを与える」設定だ。水を見つけたときの安堵感、コンパニオンを失ったときの後悔が段違いになる。初プレイは通常モード推奨だが、2周目以降はぜひ試してほしい。

4つの派閥と選択の構造

Fallout: New Vegas 未分類 スクリーンショット3

Fallout: New Vegasの核心は「4つの主要派閥のどれを支持するか」という選択にある。ゲームの後半に差し掛かると、どの派閥に肩入れするかを決定する必要があり、その選択がエンディングを大きく変える。

重要なのは、どの選択が「正解」かが明確に示されないことだ。4つの派閥それぞれに論理があり、それぞれに問題がある。プレイヤーは「自分ならどの未来を選ぶか」を問われ続ける。

NCR(新カリフォルニア共和国)

核戦争前のアメリカ共和制を復興させようとする大きな組織。民主主義・法律・秩序を理念として掲げ、カリフォルニア州からネバダ州まで勢力を拡大してきた。

NCRは一見「正義の側」に見える。法律があり、選挙があり、腐敗した相手への正規軍があり、市民を守ろうとする姿勢もある。しかし同時に官僚主義と腐敗が蔓延しており、モハビの土地を「征服」しようとする帝国主義的な側面も持つ。軍の補給線は伸び切り、兵士は疲弊している。「立派な理想を掲げながらうまくいっていない組織」のリアルさがNCRの魅力であり問題点だ。

NCRを支持するプレイヤーは多い。だが終盤、その官僚主義と強権的な姿勢を目の当たりにして「本当にこれでよかったのか」と思わせる場面がある。

カエサルの軍団(Caesar’s Legion)

ニューベガスの東から侵攻してくる軍事独裁組織。指導者「カエサル」が古代ローマをモデルに作り上げた集団で、奴隷制・強権的秩序・完全な規律が特徴だ。

軍団の支配下では確かに「犯罪がなくなる」——略奪者がおらず道は安全だ。しかし奴隷労働と残虐な刑罰、女性への差別的扱いがその秩序を支えている。純粋な悪として描かれる面も多いが、カエサル自身が語るイデオロギーは「文明が腐敗した理由」についての独自の論理を持っており、完全に筋が通っていないわけでもない。

軍団ルートを選ぶプレイヤーは少数派だが、「悪役プレイ」「ロールプレイの深さを追求したい」という人々に一定の支持がある。一番のチャレンジングなルートと言える。

Mr.ハウス

ニューベガスのカジノを支配する謎の人物。200年前の核戦争前に生きていた天才実業家・テクノロジスト。スタジオ内の液体充填カプセルで延命しながら、セキュリトロンロボットの軍団でニューベガスを管理してきた。

Mr.ハウスの目標は「効率的な独裁」によるニューベガスの発展だ。感情を持たない計算機のような合理主義で、人々の生活を管理・最適化しようとする。NCRの官僚腐敗も軍団の野蛮さも否定し、自分こそが最も合理的な解だと主張する。

ハウスルートを支持すると「テクノクラートの独裁」という結末になる。彼の論理は一定の説得力を持つが、「人間の自由や民主主義をどう考えるか」という価値観の問いを突きつけてくる。

イエスマン(Yes Man):独立ニューベガス

元々Mr.ハウスのセキュリトロンロボットだったが、誰の命令でも従うよう改造されたAI。彼を利用することで、運び屋が自ら3勢力を排除してニューベガスを独立させる「フリーダムルート」が開ける。

このルートは最も「自由」に見えるが、エンディングナレーションでは「運び屋が独裁者になった」とも「誰もいなかったので無政府状態になった」とも取れる余韻を残す。イエスマンが「誰の命令でも聞く」という設計が、「主人公もいつか誰かに乗っ取られるかもしれない」という不安をにじませる。

4つの選択に「正解」はない。どの選択をしても、エンディングスライドは選んだ派閥の「その後」を細かく描写し、選ばれなかった側の「どうなったか」も語る。モハビの各集落、各組織、各人物——そのすべての運命が変わる。これがNew Vegasを「選択が本当に重い」と感じさせる理由だ。

クエストと評判システム

Fallout: New Vegasのクエストは「行って倒して帰る」式でない。多くが複数の解決方法を持ち、選択が他のクエストや派閥関係に波及する。対立する二集落のどちらかに味方するか、スピーチで和解させるか、関与しないか——どれが正解かは明示されず、プレイヤーの価値観にゆだねられる。

クエスト数はメインが15本程度、サイドクエストが70本以上、Miscタスクが100件以上。DLC込みで合計200本以上になる。1周でこなすことは事実上不可能で、派閥選択によってそもそも受けられないクエストが発生するため、複数周回の動機が自然と生まれる。

Fallout 3にはなかった「評判(Reputation)システム」もNew Vegasを深くしている要素だ。NCR・軍団・各集落ごとに評判が個別管理され、「Idolized(崇拝)」から「Vilified(憎まれている)」まで段階的に変化する。NCRを支持すれば軍団から即座に敵視され、複数の組織と良好関係を保つことは構造的に難しい。「全員と仲良くしたい」ではすまない選択を常に迫られる。

4本の大型DLC:本編と並ぶ物語の深さ

Fallout: New Vegas 未分類 スクリーンショット4

Fallout: New VegasのDLC4本は、単なる追加コンテンツに留まらない。どれも独立した物語と強いテーマを持ち、本編クリア後でも長く楽しめる密度がある。レベルキャップも各DLCごとに5ずつ上昇し、すべてクリアすると最大レベル50になる。

DLC4本はSteamでは「Ultimate Edition」としてセット販売されていることが多く、Ultimate EditionをベースにプレイするのがDeファクトスタンダードになっている。

Dead Money(デッドマネー):奪われた状態から始まるサバイバル

シエラ・マドレカジノという伝説の場所に誘い込まれた主人公が、首に爆弾をつけられ装備を全部奪われた状態で目を覚ます。毒性のガス「クラウド」に覆われた廃墟の街から脱出するため、4人の問題を抱えた仲間と協力しなければならない。

このDLCはNew Vegasの中で最も評価が分かれる。装備を全部奪われる恐怖、補給がほぼない過酷なリソース管理、頻繁に死ぬゴーストピープルとの戦闘——これらを「ストレスでしかない」と感じる人もいれば「極限状態のサバイバル感が最高」と感じる人もいる。テーマは「過去への執着」と「手放すこと」。ストーリーの質は非常に高い。

Honest Hearts(オネストハーツ):自然の中の部族戦争

ユタ州のザイオン国立公園へのキャラバン遠征に参加した主人公が、部族間の戦争に巻き込まれる。「バーンドマン(焼けた男)」と呼ばれる謎の宣教師グラハムとの出会いが中心になる。

舞台となるザイオン渓谷は、モハビ砂漠とは全く異なる緑豊かな自然環境で、New Vegas全体を通して最も美しいロケーションだ。ストーリーはやや短めだが、グラハムというキャラクターの深みと、「慈悲と正義」のテーマが印象に残る。

Old World Blues(オールドワールドブルース):SF的奇妙さと笑い

Big MTと呼ばれる核戦争前の巨大研究施設に転送された主人公が、自分の脳・心臓・脊椎を抜き取られた状態で目を覚ます。施設を支配する5人の変人科学者AIたちと協力して、脱出を図る。

4本のDLCの中で最もコメディ寄りで、ブラックユーモアと奇妙なキャラクターに溢れている。「脳なし状態で歩く主人公」「引用マニアのAI」「ロボットスコルピオン工場」——常識を超えた展開が続く。同時に「科学と倫理」「過去への固執」というテーマを扱っており、笑いながら深いことを考えさせられる。多くのプレイヤーがDLC4本の中で最も面白いと評価する。

Lonesome Road(ローンサムロード):運び屋の過去との対決

「もう一人の運び屋(クーリエ・シックス)」と名乗る男ユリシーズから呼び出された主人公は、ザ・ディバイドと呼ばれる壊滅した谷地帯に向かう。ユリシーズはなぜゲーム冒頭の依頼を断ったのか——その理由と主人公の過去の行動が明かされる。

このDLCは本編の物語の「始まり」に関わる重大な真相を明かす。Old World Bluesでプレイヤーの脳が大型施設にある状態、Dead Moneyでのシエラマドレへのアクセスコードなど、他のDLCとの繋がりも意識されており、4本全部プレイしてからLonesome Roadを最後に遊ぶのが推奨される順番だ。

テーマは「復讐と許し」「行動と結果の責任」。シリアスで重い内容で、New Vegas全体のテーマを締めくくる。

なぜ今もこのゲームは名作として語られるのか

2010年発売のゲームが、2024〜2025年にかけて新たに購入・プレイされ続けている。Amazonプライムビデオで「Fallout」ドラマシリーズが公開されると一気に注目が集まり、New VegasのSteam同時接続者数が急上昇した。なぜこれほど長命なのか。

選択に「本当の重み」がある

多くのゲームが「選択肢がある」と言いながら、結末が変わらないことは多い。New Vegasは違う。派閥への忠誠、クエストの解決方法、仲間への扱い——これらが積み重なって、エンディングでは「自分がどのモハビを作ったか」が具体的なスライドショーで語られる。1つの集落のその後、1人の人物のその後まで細かく描写される。「自分の選択がこういう結果を生んだ」という実感がある。

キャラクターと会話の密度・世界観のロア

Black Isle/Obsidianの脚本チームが書いたNPCのセリフは、情報提供の道具に留まらない。特にChris Avelloneが手がけたキャラクター——Old World Bluesの変人科学者AI群、Dead Moneyの問題を抱えた4人、Lonesome Roadのユリシーズ——は「読み応えのあるキャラクター」として評価が高い。

モハビ砂漠に散在する端末・書置き・日記を読み集めると、核戦争前後のアメリカをパズルのように組み立てられる。ニューベガスのカジノがなぜ無傷で残ったか、カエサルが古代ローマを模倣した理由——こういった情報は誰かに説明されるのではなく、探索の中で少しずつ明らかになる。

MODと再評価の波

Nexus Modsには2万本以上のMODが登録されており、グラフィック改善から新クエスト追加まで多岐にわたる。「Fallout: New California」はファンメイドの大型MODで、ゲーム単品として成立するほどのボリュームがある。

2024年4月にAmazon Prime Videoで配信が始まったFalloutドラマシリーズをきっかけに、新規プレイヤーが「どれから始めるか」を調べると必ず「New Vegasが最高傑作」という評価にたどり着く。ドラマ配信後のSteam同時接続者数は通常の5〜10倍に跳ね上がったと言われている。

注意点・正直に言っておきたいこと

Fallout: New Vegas 未分類 スクリーンショット5

名作と言い続けてきたが、正直に書かなければならない問題点もある。知ったうえで始めてほしい。

バグは今も存在する

発売15年以上が経った今も、クエストが進行不能になる・セーブデータが壊れる・クラッシュするといった問題は現役だ。ただしコミュニティ製の「Unofficial Fallout: New Vegas Patch」とNVSE(New Vegas Script Extender)を導入することで安定性が大幅に向上する。どちらも日本語の導入ガイドが充実しているので、ゲーム開始前にセットアップしておくことを強くすすめる。

グラフィックは2010年基準・序盤のデス・クロー問題・日本語非対応

グラフィックは明確に古い。人物の表情アニメーションは今の目でみると辛い場面もある。ただし風景——モハビ砂漠の赤い岩、夕暮れのニューベガスのネオン——は独自の雰囲気がある。改善したければNMC’s Texture Packなどグラフィック改善MODも豊富だ。

序盤に「デス・クロー」という超強敵がグッドスプリングス北東のルート近くに生息しており、最短ルートで進むと一撃でやられる。「危険な場所は迂回しろ」というデザイン意図があるが、初見で詰まりやすい。南回りルートで進むのが安全だ。

Steam版は日本語非対応。有志の日本語化MODは存在し精度も高いが完全ではない。テキスト量が膨大なゲームなので、英語に不安がある場合は最初から日本語化MODを導入しておくことをすすめる。

初心者へのアドバイス:最初の10時間をどう過ごすか

Fallout: New Vegasを始める人に、最初の10時間をより良く過ごすためのアドバイスをまとめる。

キャラクター作成のポイント

S.P.E.C.I.A.L.の初期配分は後から基本的に変えられない。Intelligenceは5以下にするとスキルポイントが少なくなるので7前後が快適。会話重視ならSpeech、戦闘メインなら汎用性の高いGunsスキルを優先的に上げるのが初プレイの定番だ。

グッドスプリングスを丁寧にやり、南回りで進む

最初の町「グッドスプリングス」のクエスト「Back in the Saddle」と「Run Goodsprings Run」は、New Vegasの派閥選択の縮図だ。どちらの側を支持するか——この小さな選択から物語は始まる。修理スキルの使い方とスニーク行動の基礎もここで覚えておくと後が楽になる。

ニューベガスへの道は北東ルートを避け、南下してプリム→ボルダーシティを経由する南東回りが安全。北東のQuarry Junction周辺はデス・クローの巣で序盤に近づくと即死する。

こまめなセーブとMOD準備

バグ対策でクイックセーブ(F5)と手動セーブを頻繁に行う習慣をつけよう。セーブデータは複数スロットに分けて保存しておくと「あの選択に戻りたい」に対応できる。バグ修正系MOD(Unofficial Patch・NVSE)は最初から入れておくことをすすめる。ゲームプレイを変えるMODはまずバニラで一周してから。

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まとめ

Fallout: New Vegasは、発売から15年以上経った今も「一度はやるべきゲーム」として語り継がれている。それはグラフィックのせいではないし、戦闘の爽快感でもない。「選択が本当に世界を変える」という体験の密度が、他のゲームでは代替できないからだ。

4つの派閥、200本以上のクエスト、S.P.E.C.I.A.L.とスキルによるロールプレイ、4本の大型DLC——これだけのコンテンツがSteamセール時には数百円になることがある。コスパで言えば間違いなくトップクラスだ。

バグの問題は本物だ。グラフィックが古いのも事実だ。でもそれを知ったうえで、多くの人がこのゲームに戻ってくる。「モハビの運命を自分で決めた」という体験は、他では得られない。

まだプレイしていないなら、今が始める絶好のタイミングだ。バグ修正MODが揃い、日本語化MODも整備され、攻略情報も山ほどある。Fallout TVドラマで世界観に興味を持った人にも、「シリーズの本質はここにある」と自信を持って言える。

荒野に放り出される。水を探す。仲間を見つける。派閥に選択を迫られる。そしていつか——モハビの未来が変わる。その体験を、ぜひあなた自身で経験してほしい。

「War. War never changes.」——ナレーション、Falloutシリーズ

Fallout: New Vegas(Obsidian Entertainment, 2010)

戦争は変わらないかもしれないが、あなたの選択は確実にモハビを変える。それがFallout: New Vegasというゲームだ。

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