「Fish Idle 2」深海を舞台にした放置漁業帝国ゲームの全貌

Fish Idle 2: Underwater Mystery — 深海を舞台にした放置漁業帝国ゲームの全貌

「とりあえず起動してボートを走らせる。魚が勝手に釣れてる。アップグレードをポチポチする。気づいたら45分経ってた」

Fish Idle 2: Underwater Mysteryをひと言で言い表すとすれば、そういうゲームだ。

開発・販売は「Multicast Games」。2024年11月15日にSteamで無料公開されたアイドル系釣りゲームで、リリースから数ヶ月で10万〜20万本以上のオーナーを獲得した。無料でここまで遊べるのか、という意味では間違いなくコスパ最強クラスの部類に入る。

ただし、正直に言う。これはいわゆる「スルメゲー」ではあるけれど、同時に「モバイルゲーの匂いがプンプンする」という声も相当数ある。Steamレビューは全体で65%(1,511件)と微妙に「賛否両論」の水域を漂っており、最近30日に絞ると77%まで回復してはいるが、その差が何を意味するかはじっくり説明したい。

この記事では、Fish Idle 2がどんなゲームで、何が面白くて、何が惜しくて、どういう人が楽しめるのかを、なるべく正直に書いていく。課金の話もちゃんとする。アップグレードの仕組みも掘り下げる。「無料ゲームだし試しに入れてみようかな」という人に向けて、入れる前に知っておいてほしいことを全部まとめた。

目次

Fish Idle 2: Underwater Mysteryとはどんなゲームか

ジャンルは「アイドル釣りアーケード」。プレイヤーは自分の漁船を操作して、広大な海を泳ぐ魚の群れを追いかけながら釣りを自動化し、漁業帝国を築いていく。

一応「アーケード」という言葉がついているが、アクション性は低い。ボートを上下左右に動かして魚の群れに近づければ、自動的に釣り糸が飛んで魚が釣れる。操作の難しさは「Steamで一番ゆるいゲームを教えて」と聞いたら出てくる水準だ。

ゲームの目標は大きく分けてふたつ。ひとつは漁獲量を増やして収入を最大化すること。もうひとつは、各海域のレベルを上げながら徐々に深い海域へと進出し、より希少な魚を釣れるようにすること。この「少しずつ奥へ進める」感覚が、アイドルゲーム特有の「もう少しだけ」を引き出す。

ゲームの世界観と舞台設定

タイトルに「Underwater Mystery(海中の謎)」とあるように、ゲームの世界はただの漁場ではない。海底には謎めいた構造物があり、探索が進むにつれて「この海にはなにかある」という雰囲気が積み上がっていく。ストーリーが前面に出てくるタイプではないが、背景の描き込みや魚の種類のバリエーションが、プレイヤーに「もっと奥まで行きたい」という動機を与えてくれる。

ビジュアルは全体的に明るいアニメ調。ドット絵ではなく、2Dのイラスト風グラフィックで統一されている。海の色が青〜緑のグラデーションで表現されていて、長時間眺めていても目に優しい。「ながらプレイ」をするときに画面の端で走らせておくのにちょうどいい雰囲気だ。

基本的なゲームループ

まずゲームを起動すると、プレイヤーは自分のボートを動かせる状態になっている。画面には広大な海と、そこかしこに泳ぐ魚の群れが見える。ボートを魚に近づけると釣りが自動的に始まり、魚が釣れると収益が発生する。その収益を使って装備やボートをアップグレードし、より多くの魚・より希少な魚を釣れるようにする。

この基本ループ自体は非常にシンプルだ。Cookie Clickerが「クリックして飴を集めてアップグレードを買う」というループを繰り返すように、Fish Idle 2も「釣って売って強化する」という循環が根幹にある。

ただしFish Idle 2にはCookie Clickerと決定的に違う点がある。それは「ボートを自分で動かす必要がある」こと。完全放置ではなく、一定の操作が求められる。後述するBot Shopでボットを雇えば自動化できるが、序盤は自分でボートを走らせないと効率が上がらない。このあたりが「アイドルゲームとしてどこまで割り切るか」の問題にもなってくる。

5つのコアシステムを理解する

Fish Idle 2のゲームプレイを支える仕組みは大きく5つある。それぞれを把握しておくだけで、序盤の「何をすればいいか分からない」が大幅に解消される。

1. ボートのアップグレード

ゲームの根幹。ボートには複数のアップグレード項目があり、代表的なものは以下のとおりだ。

  • 釣りスピード——魚に近づいてから実際に釣れるまでの速度。これが高いほど同じ時間でより多く釣れる
  • 積載量——一度に保有できる魚の数。積載がいっぱいになると売りに行くか捨てるかしないと新たに釣れない
  • 移動速度と防御力——海中の障害物との衝突によるダメージを軽減する。後半は障害物が増えるので地味に重要
  • 釣り竿の本数——複数の釣り竿を同時に使えるようになる。一度に多くの魚を釣れるようになる

ボートのアップグレードは主に漁獲した魚から得られる収益で行う。序盤は収益が少ないので1つアップグレードするのに数分かかるが、積載量と釣りスピードを上げていくと加速度的に収益が伸びる。「最初の30分が一番しんどい」というのはほとんどのアイドルゲームに共通することで、Fish Idle 2も同様だ。

2. アイドル漁業農場(Fish Farm)

ゲームを閉じている間も収益が発生する「オフライン収入」の源泉。Fish Farmに投資すると、ゲームを起動していない時間にも漁獲が積み上がる仕組みだ。

アイドルゲームの本領はここにある。朝起きてゲームを開いたら、寝ている間に自動で稼いだ収益が溜まっている。それを使ってアップグレードして、また閉じる。このサイクルが「毎日ちょっとだけ開きたくなる」という中毒性を生む。

ただし、Fish Farmの収益率は序盤では低い。本格的なオフライン収入が機能し始めるのは、ある程度アップグレードが進んでからだ。

3. ブラックマーケット

通常のアップグレードでは届かない強化を可能にする場所。「Fish Kingdom」と呼ばれる自分の漁業帝国のステータスを上限を超えて強化できる。

ブラックマーケットで使用する通貨は希少度が高く、入手ルートが限られている。このためブラックマーケットは序盤〜中盤では使える場面が少なく、ある程度進めてから意識する要素だ。中盤以降のプレイヤーからは「ブラックマーケットのアップグレードが明らかに強力すぎて、これがないと進みが遅い」という声が出ている。

4. ボットショップ(Bots Shop)

自動化の本命。「ハンターボット」「フィッシャーボット」「カーゴボット」の3種類のボットを雇い、自分の代わりに漁をさせたり、荷物を運ばせたりできる。

フィッシャーボットを複数台稼働させると、プレイヤーがボートを動かさなくてもある程度の漁が続く状態になる。カーゴボットは釣った魚を自動で売りさばいてくれる。この「完全自動化」の状態を作り上げるのが中盤以降の目標のひとつでもある。

Revolution Idleのような完全自動化を楽しむゲームが好きな人なら、このBot Shopの存在はかなり刺さるはずだ。

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5. 通貨取引所(Currency Exchange)

ゲーム内の異なる通貨を交換できる場所。Fish Idle 2には複数の通貨が存在しており、それぞれ用途が異なる。釣りで得られる通常通貨以外に、希少魚から得られる特殊通貨、クエスト報酬でもらえる宝石(ジェム)などがある。

通貨取引所では日々レートが変動し、うまく交換タイミングを見極めることで効率よく特殊通貨を集めることができる。「アイドルゲームなのに経済シミュレーション要素がある」という点で、少し変わったゲームデザインだ。ただしこの要素はあくまでオマケ的な位置づけで、初心者がいきなり意識する必要はない。

序盤の効率的な進め方

Fish Idle 2を始めたばかりの人が感じる最初の壁は「どこから手をつければいいか分からない」だ。アップグレード項目が多く、何を優先すべきかが直感的には分かりにくい。Steamコミュニティに蓄積された攻略情報をもとに、効率的な序盤の動き方をまとめておく。

最優先は積載量と釣りスピード

序盤にアップグレードすべき最重要項目はこのふたつ。積載量が低いと魚がすぐにいっぱいになって漁が止まる。釣りスピードが低いと魚に近づいても釣れるまでの時間が長くかかる。どちらも漁獲効率に直結するので、他のアップグレードより先にここを上げるのが定石だ。

序盤の良い漁場を覚えておく

ゲームを始めてレベル4前後になると、マップ北部に「小型魚が密集しているスポット」が出現する。1匹あたりの単価は低いが密度が高く、釣りスピードが低い段階でも効率よく稼げる。このスポットを早めに見つけて活用するかどうかで、序盤の資金繰りが大きく変わる。

クエストを忘れずに消化する

Fish Idle 2にはクエストシステムがある。「○○匹釣る」「特定の魚種を○匹釣る」といった条件を達成すると、ジェムや特殊通貨が報酬として貰える。ジェムはゲーム内で最も希少な通貨のひとつで、序盤はクエスト報酬が主な入手手段になる。クエストを消化しながらプレイするだけで、ランダムに漁しているだけよりも効率が上がる。

研究マイルストーンを意識する

ゲームには「研究マイルストーン」と呼ばれる達成項目があり、一定の条件を満たすとジェムなどの報酬が手に入る。2つ目の星アップグレードからは「ヘルスリジェネ2」が解放され、後半のボス戦での生存率が上がる。マイルストーンはただの実績ではなく、ゲームプレイに影響する強化が含まれているので、どのマイルストーンが近いかを時々確認する習慣をつけておくといい。

Fish Idle 2の「楽しい部分」を正直に語る

批判的な話もするが、まず「何が楽しいか」をちゃんと言っておきたい。

「ながらプレイ」との相性が抜群

Fish Idle 2が最も輝くのは、何か別のことをしながら画面の端で動かしているときだ。YouTubeを見ながら、Discordで話しながら、仕事の合間に。ボートが自動で動いて魚が釣れて収益が積み上がる様子を横目で見ている——この「見ていなくてもゲームが進んでいる」感覚はアイドルゲーム特有の快楽で、Fish Idle 2はそれを無料で提供してくれる。

「こういうのでいいんだよこういうので。仕事しながら片目でやれる。起動したらとりあえず魚が増えてる。それだけで十分」

引用元:Steamレビュー

海域ごとの発見感

ゲームが進むにつれて新しい海域が解放されていく。新しいエリアに足を踏み入れると、見たことのない魚の種類が泳いでいる。「これ何の魚だ?」と図鑑を確認して、高値がつく希少魚だと分かったときの嬉しさは本物だ。Bananaのような「シンプルに収集する満足感」に近い感覚があると思う。

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特に深海域に近づくにつれて、魚の見た目がよりミステリアスになっていく。「Underwater Mystery」というサブタイトルの意味が、実際に深い海域を探索するにつれて分かってくる。

無料でここまで遊べる

これは単純に強い。0円で起動して、数十時間は普通に楽しめる。課金の話は後でするが、無料で遊べる範囲のコンテンツ量はちゃんとある。「試しにやってみる」ハードルがゼロなのは大きなアドバンテージだ。

収益の加速が気持ちいい

序盤は1回の漁で数百ゴールド程度しか稼げないが、アップグレードが進むと同じ海域でも数千、数万と跳ね上がっていく。このスケールアップの感覚はアイドルゲームの醍醐味そのもので、Fish Idle 2もこの部分はきちんと設計されている。Bot Shopでボットを複数台稼働させ始めると、プレイヤーが何もしていない間にもカウンターが回り続ける——この瞬間の達成感は、アイドルゲーム好きなら分かってもらえると思う。

Fish Idle 2の「惜しい部分」も正直に語る

Steamレビューが65%という数字が示すとおり、このゲームには無視できない問題点がある。「楽しい」と思える人と「合わない」と感じる人を分ける要素を、できるだけ正確に書いておく。

進行速度が遅い

Fish Idle 2のコミュニティで最も多く見られる不満がこれだ。中盤以降の進行速度が体感として遅く、アップグレードのコストに対してリターンが追いついていないと感じるプレイヤーが多い。

「111時間プレイしてレベル11、進捗50%。全体的に遅すぎる。バランスも取れてない」

引用元:Steamレビュー

もちろん、これがアイドルゲームの性質でもある。「ゆっくり進むのが楽しい」と感じる人と「遅すぎて放置する気にもなれない」と感じる人では評価が分かれる。ただしFish Idle 2の場合、この「遅さ」が意図的な設計なのか、それとも課金を促すための調整なのかが見えにくいのが問題だ。

Steamマーケットアイテムの存在

ここが最もセンシティブな話題。Fish Idle 2にはSteamマーケットで売買できるアイテムが存在しており、これらを購入することで進行速度を大幅に上げることができる。

問題は、これらのアイテムの価格設定だ。コミュニティの中では「マーケットのアイテムが異常に高い。あの価格で買わないと進みが遅すぎる設計になっている」という声が複数出ている。この構造はモバイルゲームの「スタミナ回復課金」に近く、「無料で遊べる」と宣伝しているゲームとしては微妙な体験を生んでいる。

「20時間程度は楽しめる。でもそこから先はまともなボーナスが引けないので待ちと待ちの繰り返しになる。無料ゲームとしては十分かもしれないけど、マーケットアイテムの価格設定は明らかにおかしい」

引用元:Steamレビュー

CORN(Crabbage Online Royale Nightfall)のように「無料でも課金でも同じラインにいられる」ゲームとは、この点で設計思想が異なる。

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潜水艦エリアの未完成問題

Fish Idle 2には「潜水艦エリア」と呼ばれるコンテンツが存在する。が、これが長期間にわたって「実装予告中」のままになっている。プレイヤーから「1年以上前から次のアップデートで来る、と言われているが一向に来ない」という報告が複数出ている。

最後のパッチは2024年11月で、以降の大型アップデートは確認されていない(2026年4月時点)。開発チームが現在どのような状況にあるのかは不明だが、この「進行中のはずの機能が止まっている」状態は、長期プレイヤーにとって不満の種になっている。

バンクのコスト設計の問題

ゲーム内には「バンク」と呼ばれるシステムがあり、通貨を預けて利息を得る仕組みがある。だがこのバンクの運用コストが、特定の段階では「高すぎて使えない」状態になっているとの指摘がある。

「バンクのコストがおかしい。ようやくアップグレードできる頃には、もうバンクが必要じゃなくなってる段階に来てる」

引用元:Steamコミュニティ

細かいバランス調整が追いついていない箇所が散見される点は、正直に伝えておく必要がある。

こんな人に向いている、こんな人には向かない

ここまで読んでくれた人は「で、自分はやるべきなの?」と思っているはずなので、できるだけ明確に答える。

向いている人

  • 作業しながら何かゲームを走らせておきたい人
  • 「毎日少しずつ進める」タイプのゲームが好きな人
  • 海・魚・漁業の世界観に興味がある人
  • 0円で試せるなら損はない、というスタンスの人
  • Cookie Clickerや似たタイプのアイドルゲームが好きな人
  • Bot Shopで完全自動化を組み上げる達成感が欲しい人
  • ゆっくりしたペースで長期的に遊ぶゲームが欲しい人

向いていない人

  • テンポよく進んでほしいと感じる人
  • 「無料ゲーム=課金しなくてもストレスなく遊べる」という前提で考えている人
  • 定期的なアップデートと新コンテンツを期待している人
  • ゲームプレイ中の操作感やアクション性を重視する人
  • モバイルゲームっぽいマネタイズが苦手な人

Slay the Spireのようにゲームプレイそのものに熱中するタイプのゲームとは真逆の方向にあると思えばいい。Fish Idle 2は「熱中する」というより「じんわりと続いていく」ゲームだ。

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同ジャンルのゲームと比べてどうか

アイドル・放置系ゲームには多くの選択肢がある。Fish Idle 2はその中でどういうポジションにいるかを整理しておく。

Cookie Clickerとの比較

Cookie Clickerはアイドルゲームの祖のひとつで、シンプルな仕組みの中に膨大なメタ進行が詰まっている。Fish Idle 2はCookie Clickerほどのスケール感はないが、代わりに「ボートを動かす」という操作要素があるぶん、純粋な放置よりは少しだけ能動的だ。どちらが好きかは人によるが、Cookie Clickerは「永遠に続く数字のインフレ」が好きな人向け、Fish Idle 2は「海の世界観を楽しみながらゆっくり進める」タイプ向けという棲み分けがある。

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The Farmer Was Replacedとの比較

自動化という点ではThe Farmer Was Replacedも同じジャンルに属するが、あちらはプログラミングで農業を自動化するという独特のコンセプトがある。Fish Idle 2はプログラミングの知識は不要で、純粋にポチポチするだけで進む。「自動化の達成感」を求めるなら両方試してみる価値はある。

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Super Auto Petsとの比較

Super Auto Petsも動物を育てるというテーマを持つが、あちらは対戦型オートバトラーでゲームプレイはまったく異なる。Fish Idle 2は対戦要素はなく、競争心よりも「自分のペースで成長させる」楽しさに特化している。

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Fish Idle 2の世界に飛び込む前に知っておきたいこと

ゲームを起動する前にいくつか頭に入れておくと、最初の数時間がスムーズになる情報をまとめておく。

プロローグ版も存在する

Steam上には「Prologue: Fish idle 2」という別タイトルで無料配信されているプロローグ版がある。本編とはApp IDが異なり(本編:3037410、プロローグ:2971510)、本編よりも規模が小さい体験版として位置づけられている。まず本編を直接試してみればいいが、「プロローグ版と本編の違いは何か」と検索して混乱した人は、本編の3037410が目指すべきタイトルだと覚えておこう。

ジェムの使い道を慎重に考える

ゲーム内で最も希少なリソースのひとつがジェムだ。クエスト報酬や研究マイルストーンから少量ずつ手に入るが、数がなかなか増えない。コミュニティでは「ジェムの最善の使い方は何か」という議論が活発で、初心者のうちは衝動的に使わずに溜めておくことを勧めるプレイヤーが多い。

女王ワームのポータルを見落とさない

ゲーム内には1時間ごとに出現する「女王ワームのポータル」が存在し、これからジェムが入手できる。見落としやすいが、定期的にチェックするだけで収入源が増える。「なんでジェムが全然増えないんだろう」と悩んでいるプレイヤーの多くが、このポータルを見逃していることが多い。

ウェルカムパックDLCの存在

Fish Idle 2には「Welcome Pack」という有料DLCが存在する。スターターアイテムや初期リソースがセットになったパックで、価格は数百円程度。ゲームが気に入ったなら開発チームへの支援も兼ねて購入を検討してもいいが、無料の本編だけで十分なコンテンツは楽しめるので、まずは本編を一定時間遊んでから判断すれば十分だ。

Hero Siegeとの意外な共通点

アイドルゲームという文脈でHero Siegeを思い出す人は少ないかもしれないが、Fish Idle 2とHero Siegeには共通するプレイヤー体験がある。どちらも「長時間かけてキャラクターや装備を育て上げる」というループが基本にあり、序盤の無料体験から徐々に課金の選択肢が見えてくる設計だ。

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Fish Idle 2の場合はSteamマーケットのアイテム購入が主な課金経路で、Hero Siegeの場合はDLCやシーズンパスが主流。どちらもコアゲームプレイ自体は無料で十分楽しめるが、「もっと先に進みたい」と感じたときに課金の窓口が現れる。こういう設計が好きかどうかによって、長期的な評価が分かれる。

Fish Idle 2: Underwater Mysteryの現状評価

客観的な数字で現状を整理する。

Steamの全体レビューは65%(1,511件、2026年4月時点)で「賛否両論」。最近30日は77%まで回復している。オーナー数は10万〜20万本の間と推定されており、同期同時接続のピークは約9,420人を記録した。

レビューが65%に留まっている主な理由は、中盤以降の進行速度とSteamマーケット経由の課金圧力だ。ただし、最近30日が77%まで回復していることから、2024年11月のパッチ以降に何らかの改善が行われた可能性がある。あるいは、単純に「ゆっくりしたゲームが好きな層」が残って、合わなかった人が去っていった結果かもしれない。どちらの解釈も成り立つ。

開発チームへの信頼という意味では、潜水艦エリアの長期未実装が影を落としている。「続きが来るはずのコンテンツが1年以上放置されている」という状況は、新規プレイヤーにとっては「買い切りゲームならともかく、無料ゲームでこれはどうなんだ」と思わせる要因になる。

一方で、現状のゲームに満足しているプレイヤーも確かに存在する。「無料でこれだけ遊べればいい」「ながらプレイに最適」「Fish Farmが機能し始めてからが本番」といった肯定的な声は、コミュニティの中で今も継続して出ている。

Fish Idle 2をどう楽しむか——プレイスタイル別攻略思考

Fish Idle 2には「正解の遊び方」はない。プレイスタイルによって最適な戦略は変わってくる。自分のスタイルに近い項目を参考にしてほしい。

「毎日少しだけ開くタイプ」向け

このゲームが最も輝くのはこのスタイルだ。起動してオフライン収益を回収し、貯まった資金でアップグレードを1〜2個進めて、また閉じる。このサイクルを1日10〜15分で回せるようになれば、Fish Idle 2はかなり快適なゲームになる。無理に長時間プレイしようとすると「何もすることがない待ち時間」が発生しやすいので、この「ちょい遊び」スタイルが実は正解に近い。

「一気に進めたいタイプ」向け

週末に数時間まとめてプレイしたいなら、ボットへの投資を最優先にすることをすすめる。Bot Shopで複数のボットを稼働させて自動漁ルートを構築し、カーゴボットで売却も自動化する。この状態になれば、自分がプレイしていない時間も収益が積み上がり続けるので、まとめプレイセッションの開始時に大量の資源が待っていてくれる。

「コレクション系が好きなタイプ」向け

魚の種類に着目してプレイするのも楽しみ方のひとつだ。Fish Idle 2には多様な魚種が登場し、それぞれ換金価値が異なる。希少な魚を初めて釣り上げたときの図鑑登録は地味だが達成感がある。各海域で「まだ見ていない魚がいないか」を確認しながら探索する——このスタイルなら、進行速度の遅さも「まだ知らない魚がいる」という動機に変換できる。

「経済パズルが好きなタイプ」向け

通貨取引所のレート変動を追いかけながら最適な交換タイミングを探るのが好きな人は、このゲームの意外と深い部分に触れることになる。どの通貨を何に変換し、どのアップグレードに充てるかという計算は、表面的なアイドルゲームのイメージより少し複雑だ。数字を最適化するのが好きな人には、このあたりのパズル要素が刺さる可能性がある。

Fish Idle 2の音楽とビジュアルについて

ながらプレイをするゲームにとって、BGMと見た目のデザインは無視できない要素だ。Fish Idle 2はこの点でどうか。

BGMはリラックス系

Fish Idle 2のBGMは海洋系のアンビエント音楽が中心。テンポがゆったりしていて、長時間流しっぱなしにしても気にならない設計になっている。音楽にこだわりがある人には「単調すぎる」と感じるかもしれないが、バックグラウンドで流しておく分には問題ない。デフォルトのBGMが気に入らなければ、音量をゼロにして自分の好きな音楽と一緒にプレイするスタイルも合う。

グラフィックはシンプルかつ明快

前述したとおり、2Dの明るいイラスト調グラフィックで統一されている。魚のデザインは種類によってかなり凝ったものになっており、深海域の魚は実際の深海生物をモチーフにしたデザインが多い。「グラフィックのリアリティ」よりも「愛らしさと見やすさ」を優先した設計で、長時間眺めていても疲れない。

海域が深くなるにつれて背景の色合いが変わり、深海らしい青〜紫〜黒のグラデーションになっていく。この演出がゲームの「謎めいた雰囲気」を視覚的に表現していて、タイトルの「Underwater Mystery」という言葉を地道に裏付けている。

アイドルゲームを楽しむための心構え

Fish Idle 2に限らず、アイドルゲーム全体に言えることを少し書いておく。

アイドルゲームは「何もしていない時間が最大の資産」というジャンルだ。他のゲームでは「ゲームを閉じている間は何も起こらない」が普通だが、アイドルゲームでは「ゲームを閉じている間も世界が動いている」。この逆転が、アイドルゲームを日常に組み込みやすくしている理由だ。

ただしアイドルゲームは「積極的に楽しもうとすると楽しめない」という逆説的な性質がある。「早く進めたい」という焦りで課金してしまったり、「何も起こらない待ち時間」に不満を感じたりすると、ゲームとの相性が悪くなる。Fish Idle 2も同様で、「今日の分の収益を回収してまた明日」という感覚で触れると、このゲームの良さが見えてくる。

「1時間後にまた開く」を楽しみにできるなら、Fish Idle 2は良いゲームだ。「今すぐ面白いことが起こってほしい」という人には向かない——それだけのことだ。

まとめ——Fish Idle 2: Underwater Mysteryは「試してみる価値あり」のゲームか

答えは「条件付きでYes」だ。

無料で遊べて、ながらプレイに最適で、海の世界観が好きならとりあえず試す価値はある。ゲームを起動してボートを走らせ、最初の20〜30分でゲームのリズムが「自分に合うかどうか」は分かるはずだ。

課金圧力については正直に言っておく。中盤以降に「もっと速く進みたい」と感じたとき、Steamマーケットのアイテムに頼る選択肢が視野に入ってくる。この設計に対してどう向き合うかは、プレイヤー自身が決めることだ。ただ、無課金でも序盤〜中盤の体験はちゃんとある、ということも事実として添えておく。

潜水艦エリアの未完成と開発の停滞については懸念があるが、現状提供されているコンテンツで十分楽しめる人にとっては関係ない話かもしれない。ゲームを長期的に追っていくタイプのプレイヤーには、続報を待ちながら様子を見るスタイルが現実的だ。

アイドルゲームというジャンル自体が好きで、海と魚と漁業の世界観に親しみを感じるなら、Fish Idle 2: Underwater Mysteryは今すぐ試してみていいゲームだ。無料なので失うものは何もない。ボートを走らせて、魚が釣れる音を聞いて、気に入ったなら続ければいい。気に入らなければ閉じれば終わり。そのくらいの気軽さで始めるのが、このゲームとの正しい付き合い方だと思う。

もし「アイドルゲームをもっと本格的にやってみたい」と思ったなら、Cookie ClickerやRevolution Idleも試してみてほしい。Fish Idle 2を入口にして、アイドルゲームというジャンルの奥深さを探っていくと、きっと自分に合う一本が見つかるはずだ。

Fish Idle 2: Underwater Mystery

Multicast
リリース日 2024年11月15日
サービス中
価格基本無料
開発Multicast
販売MulticastGames
日本語非対応
対応OSWindows
プレイ形式シングル
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