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Highguard(ハイガード)完全ガイド|サービス終了の軌跡と魅力を振り返る

Highguard(ハイガード)完全ガイド|サービス終了の軌跡と魅力を振り返る
#FPS #Highguard #PCゲーム #PCゲーム #タワーディフェンス
読了目安
約41分
対応機種
PC
スペック
▌要点 / 3行で読む
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※Highguard(ハイガード)は2026年3月12日にサービスを終了しました。
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ここでは当時の魅力を振り返りつつ、似たタイプのゲームも紹介しています。
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「Apex Legendsを作った人たちの新作」——その一言だけで、ゲーマーたちの心は動いた。
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2026年1月27日、基本無料のPvPレイドシューター『Highguard(ハイガード)』が突如リリースされた。
※Highguard(ハイガード)は2026年3月12日にサービスを終了しました。
ここでは当時の魅力を振り返りつつ、似たタイプのゲームも紹介しています。

「Apex Legendsを作った人たちの新作」——その一言だけで、ゲーマーたちの心は動いた。

2026年1月27日、基本無料のPvPレイドシューター『Highguard(ハイガード)』が突如リリースされた。その日だけでSteamの同接プレイヤーは約9万7千人を超え、PC・コンソール合算では2日も経たないうちに200万人以上が飛び込んできた。

ところが、である。

サービス開始からわずか45日後の3月12日、Highguardはサーバーを静かに閉じた。1年分のアップデートロードマップを描いておきながら、2ヶ月足らずで幕を下ろしたのだ。

「撃ち合い、キャラコン、競技性、全てよかった。45日で135時間遊んだ」——そんな声を残した日本人プレイヤーがいる。Highguardが日本で世界2位のプレイヤー数を誇っていたことは、あまり知られていない。

なぜ200万人が集まったのか。なぜ45日で消えたのか。そして、このゲームの何が本当に面白かったのか。今回はその全てを、できる限り正直に書き残しておきたい。

こんな人に読んでほしい

  • 「Highguard」で検索してきたがサービス終了を知らなかった人
  • Apex LegendsやTitanfall開発陣が作ったゲームに興味がある人
  • レイドシューターやヒーローシューターの新しい選択肢を探している人
  • ライブサービスゲームがなぜ短命に終わるのか、その構造に興味がある人
  • Highguardをプレイしていた人で、当時を振り返りたい人

公式ローンチトレーラー

このトレーラーを初めて見た瞬間、「これは来る」と思ったプレイヤーが世界中にいた。

Highguard(ハイガード)とはどんなゲームだったのか

Highguardは、Wildlight Entertainmentが開発した基本プレイ無料のPvPシューターだ。PC(Steam)とPlayStation 5、Xbox Series X|Sに対応していた。

このゲームを一言で説明するのは難しい。開発陣自身が「PvPレイドシューター」という新ジャンル名を定義したほど、既存のカテゴリに収まりきらない設計になっていた。

ざっくり言うと、こういうゲームだ。

  • 3人1組のチームで戦う(後に5v5モードも追加)
  • 攻撃チームと防衛チームに分かれ、拠点をめぐって戦う
  • 馬や熊などの幻想的な動物に乗りながら移動・射撃できる
  • ヒーロー(本作では「ウォーデン」と呼ぶ)を選んで各自のスキルを活かす
  • 試合中に素材を集めて拠点を強化しながら、最終的に敵のコアを爆破して勝利

Apex Legendsの爽快なFPS、Rainbow Six Siegeの攻城戦、RustのレイドメカニクスとLOLのキャラクター戦略——これらを一本のゲームに詰め込んだのがHighguardの挑戦だった。

「アーカイン・ガンズリンガー」という世界観

舞台は中世ファンタジーと銃撃が混在する架空の大陸。ウォーデンたちは魔法的な力(アーケイン)と近代火器を使いこなす「弓と魔法の銃撃手」とでも言うべき存在だ。

ダークなトーンながらも色彩豊かなアートスタイルは、Apexとはまた違う独特の雰囲気を持っていた。「Rust的な荒廃感と、高ファンタジーの華やかさを同時に感じられた」という感想が多かったのも納得がいく。

ファミ通のインタビューでゲームディレクターは世界観の設計についてこう語っている。「”テクノロジー対魔法”、”古いやり方対新しいやり方”という衝突を物語のテーマとして描きたかった。任天堂流のデザイン哲学——遊びやすさと深みを両立させること——が開発のヒントになった」。Apex Legendsの爽快感を受け継ぎながら、全く異なる世界観を構築しようとしていた意図がよく伝わる発言だ。

ローンチ時のコンテンツ規模

リリース時点でのHighguardのコンテンツは、基本無料のスタートとしては充実していた。

  • マップ:5種類(各マップに個性ある地形と攻防ライン)
  • 拠点(ベース):6種類(攻め方・守り方が変わるバリエーション)
  • ウォーデン:8体(全て無料解放済み)
  • 武器:10種類以上(全て無料使用可能)

代表的な武器を挙げると、汎用性の高いアサルトライフル「ヴァンガード」、室内戦に強いショットガン「クラーケン」、継続火力に優れたLMG「ビッグリグ」などがあった。マップや局面によって使い分ける必要があり、武器選択が戦術の重要な要素になっていた。

さらに開発陣はリリースに合わせて、ウォーデン・武器・マップ・ゲームルールを解説する教育用トレーラーを34本も公開した。「ちゃんと理解してから遊んでほしい」という開発側の強い意思が見える取り組みだった。

基本情報テーブル

項目 内容
正式名称 Highguard(ハイガード)
ジャンル PvPレイドシューター / ヒーローFPS
開発・運営 Wildlight Entertainment
対応プラットフォーム PC(Steam)/ PlayStation 5 / Xbox Series X|S
料金体系 基本プレイ無料(F2P)
サービス開始日 2026年1月27日
サービス終了日 2026年3月12日
運営期間 わずか45日
Steam最高同接 97,249人(リリース当日)
総プレイヤー数 200万人以上(PC・コンソール合算)
Metacriticスコア 批評家65点 / ユーザー2.0点(極端な乖離)

Highguardのゲームシステム――4フェーズで動く独特な試合構造

Highguardの試合は、一般的なFPSとは大きく異なる流れで進む。「スポーンして撃ち合って終わり」ではなく、試合内で状況が目まぐるしく変化していく構成だ。

大まかに分けると、以下の4フェーズで1試合が構成されていた。

フェーズ1:準備・探索フェーズ

試合開始直後は、広大なマップを自由に探索するフェーズだ。各所に散らばる素材を採掘・クラフトし、自チームの拠点(フォート)を強化していく。防壁を厚くしたり、トラップを仕掛けたり、侵入経路を塞いだり——準備に力を入れるほど、後の防衛が楽になる。

この段階から相手チームとの小競り合いも起きる。マップコントロールを巡る駆け引きが、すでにここから始まっているのだ。

フェーズ2:シールドブレイカー争奪戦

マップ中央付近に、伝説の剣「シールドブレイカー(Shieldbreaker)」が出現する。これを手に入れたチームが「攻撃側」となり、相手拠点への侵攻権を得る。

この剣をめぐる攻防が、試合中盤のハイライトだ。どちらのチームが有利なのか、状況が一転逆転する緊張感があった。

フェーズ3:レイドフェーズ(拠点侵攻)

シールドブレイカーを持つチームが敵の要塞へ攻め込む。防衛側は拠点に籠って迎撃、攻撃側はあの手この手で突破口を開こうとする。Rainbow Six Siegeに近い攻防戦の緊張感がここで生まれる。

拠点内には防衛システムを動かすジェネレーターが複数設置されており、攻撃側はこれを破壊することで防衛網を崩していく。

フェーズ4:コア破壊・決着

ジェネレーターを壊し、防衛を突破した攻撃側がついに「コア」に到達。これを爆破すれば攻撃側の勝利。防衛側はコアが破壊されるまでの時間を稼ぎきれば守り切れる。

試合全体を通して「準備→争奪→侵攻→決着」という流れが綺麗に設計されており、1試合の中でいくつもの「勝負どころ」が生まれる構造になっていた。これが「ちゃんと遊んだ人ほど面白いと感じた」理由のひとつだろう。

マウントシステム――馬や熊に乗って戦う唯一無二の体験

Highguard マウントシステム 馬に乗って戦うプレイヤー

Highguardが他のFPSと最も差別化されていた要素のひとつが、このマウント(騎乗動物)システムだ。

ゲーム内では次のような動物に乗ることができた。

  • 馬(Horse)
  • 熊(Bear)
  • ヒョウ(Panther)
  • エルダーグリフ(Eldergryph)— 幻想的な翼獣
  • 狼(Wolf)
  • 地獄犬(Hellhound)

マウントに乗ることで移動速度が大幅に上がり、広いマップを素早く横断できる。さらに騎乗したまま射撃することも可能で、騎馬突撃のような戦術も成立した。

最終アップデートで追加されたウォーデン「Ekon」は、マウントを召喚するのではなく自身がダイアウルフに変身するという特殊能力を持っていた。通常のマウントを上回るスピードで移動し、壁越しに敵の位置を感知できるという異色のキャラクターだ。

「マウントシステムが圧巻」という声が海外レビューでも多く見られた。FPSに乗馬アクションを組み込むという発想は、HighguardならではのDNAだったと言えるだろう。

ウォーデン(キャラクター)解説――8+1の個性派たち

Highguardではキャラクターのことを「ウォーデン(Warden)」と呼ぶ。各ウォーデンはパッシブスキル・タクティカルスキル・アルティメットスキルの3つを持ち、役割によって5つのクラスに分類されていた。

アサルト(突撃型)— Atticus / Slade / Scarlet

前線で積極的に戦い、敵を圧倒することに特化したクラス。3人中最多の3キャラが属しており、攻撃的なプレイスタイルを好む人向けだ。

ディフェンシブ(防衛型)— Kai / Una

拠点防衛や味方の守護を得意とするクラス。特にレイドフェーズで真価を発揮するキャラクターたちで、チームの要となる存在だった。

リコン(偵察型)— Condor

敵の位置情報収集やマップコントロールを担当するクラス。準備フェーズからシールドブレイカー争奪戦にかけて、情報アドバンテージを生み出す役割を果たした。

サポート(支援型)— Mara

味方のヒール・バフ・サポートに特化したクラス。3v3という少人数戦では1人のサポートが試合の流れを大きく変えられるため、上位帯では高い人気を誇った。

デストラクション(破壊型)— Redmane / Ekon

ジェネレーターや拠点構造物の破壊に特化したクラス。攻撃フェーズの要であり、Redmaneは「破壊のエキスパート」として多くのプレイヤーに使われた。サービス終了直前に追加されたEkonはこのクラスに属し、変身能力という異質なスキルセットを持っていた。

全8体(+最終アプデで追加のEkon)のウォーデンは全て無料で使用可能。課金要素はスキンなどの外見アイテムのみで、ゲームプレイ上の有利は一切発生しないよう設計されていた。

注目ウォーデン詳細:Redmane(レッドメイン)

デストラクションクラスの顔とも言える存在。敵を倒すたびに移動速度とリロード速度が上がる「Enraged(激昂)」パッシブを持ち、連続キルするほど手がつけられない暴力的な強さを発揮する。壁や建造物を爆破して侵入口を開く能力も持ち、レイドフェーズでは「どこからでも入ってくる悪夢」として恐れられた。

注目ウォーデン詳細:Condor(コンドル)

リコン(偵察)クラスの唯一のウォーデン。訓練された鷹を使って敵の位置情報をチームに共有する能力を持つ。広いマップで敵の動きを把握することがHighguardの勝敗を大きく左右するため、上位帯では欠かせない存在だった。視野の非対称性を活かした戦術が生まれ、Condorを使いこなすプレイヤーは「見えない地点から情報を操る指揮官」として機能した。

注目ウォーデン詳細:Mara(マーラ)

サポートクラス唯一のウォーデン。「魂を吸収し、再利用する魔法使い」という設定で、影の魔法を使って味方をシールドで守り、生存を支える役割を担った。3v3という少人数戦では、1人のサポートがチーム全体の生存率を変える場面が多く、「Maraがいるかどうかで試合の安定感が全然違う」という評価が定着していた。

バランス設計への評価

「キャラパワーが強すぎないので自分やチームの能力で勝敗が付く。武器に関してもどれでも使えるバランス調整になってる。運ゲー要素がほぼ無い。体力は固いので理不尽デスがない。」

— @shomarusamaa(8時間プレイ後のXポスト)

バランス設計の丁寧さは、長時間プレイしたユーザーからの高評価に確実に反映されていた。「どのウォーデンもちゃんと役割があり、どの武器も状況次第で強い」——これはApex Legendsで培われた設計思想の継承でもあり、Wildlightのベテランたちが腕を振るった部分だと思う。

Wildlight Entertainmentとは何者だったのか――スタジオの誕生と理想

Highguardを語るうえで、開発スタジオWildlight Entertainmentの成り立ちを知ることは欠かせない。なぜなら、このスタジオの「夢」がそのままHighguardというゲームに詰め込まれていたからだ。

Wildlight Entertainmentは2021年に設立された比較的若いスタジオだ。設立時のメンバーはおよそ60〜100名。ゲーム業界のトップスタジオから集まったベテランたちが「自分たちの思い通りにゲームを作れる場所」を求めて集結した。

共同創業者でゲームディレクターのChad Grenierは、Apex Legendsのゲームディレクターとして2019年の伝説的なサプライズリリースを指揮した人物だ。CEO Dusty WelchはRespawn Entertainment(Apex・Titanfall・Star Wars Jedi:Fallen Orderの開発元)のCOO兼Apex Legends GMとして、ゲームの成長を管理側から支えてきた。

デンファミニコゲーマーのインタビューでGrenier氏はこう語っている。「インディーだからこその自由がある。ゲームだけでなく、プレイヤーとの向き合い方やマーケティングにいたるまで、自分たちのビジョンを反映できる。それが大手スタジオにはない強みだ」。

そのビジョンとはなにか。「10年かけて成長する、接続されたユニバース(Connected Universe)を作ること」——Highguardはその最初の一作として設計されていた。

世界観の構築にも並々ならぬこだわりがあった。「テクノロジー対魔法」「古いやり方対新しいやり方」という対立テーマを物語に組み込み、ウォーデン一人ひとりに固有のバックストーリーを持たせた。ゲームとして遊ぶだけでなく、「この世界に住む住人たちに感情移入できるように」という設計思想だ。

さらにデザイン哲学として参考にしたのが任天堂のアプローチだったという。「遊びやすさと深みを両立させること。最初の5分で楽しさが伝わりつつ、100時間遊んでも発見がある設計」——それがHighguardの目標だった。

結果として、「最初の5分」で楽しさを伝えることがうまくいかなかった。だが「100時間遊んでも発見がある」という部分は、135時間プレイしてグランドマスターに到達した日本人プレイヤーの言葉が証明している。

Highguardが迎えた45日間のタイムライン――何がいつ起きたのか

Highguardの45日間は、ゲームの生死がこれほど短いスパンで決まることを示す、ある意味で教科書的な事例だ。何がいつ起きたのかを時系列で振り返ると、その構造がよく見えてくる。

2025年12月:TGA2025でのサプライズ発表

The Game Awards(TGA)2025のクロージングゲームとしてHighguardが世界初公開された。TGAのラストは毎年「最大のサプライズ枠」として期待される。2019年にはApex Legendsがこの枠でリリースされ、翌日には累計100万人を突破するという伝説を作った。

Chad Grenier率いるWildlightがそれを意識していたのは明らかで、「TGA発表→即リリース」という戦略は意図的なApexリスペクトだった。

しかし反応は二分された。「元Apex開発者の新作!」と歓喜する声がある一方、「TGAのトリがこれ?」「3v3FPSにしては地味」という失望の声も目立った。この初期の二極化が、後の評価爆撃の遠因になる。

2026年1月27日:リリース当日——97,249人の熱狂と、その陰の不評

正式リリース当日、SteamのピークCCU(同時接続数)は97,249人を記録した。PC・コンソール合算では200万人以上が2日以内に流入した。数字だけ見れば大成功と言っていいスタートだ。

だが同じ日の夜、Steamレビューは「圧倒的に不評」に転落していた。レビュー数が数千件を超えた時点で好評率はわずか20%前後。内訳を見ると、レビューの半数以上が「プレイ時間1時間未満」だった。

「試してすぐやめた人が不評をつけた」——この構図は後に様々な分析記事で取り上げられることになる。ゲーム自体の問題なのか、最適化の問題なのか、それとも先入観による評価爆撃なのか。答えはおそらくその全てが絡み合っていた。

1月28日〜30日:メディアの異議申し立てと緊急パッチ

Game*SparkやGameBusinessなど複数のゲームメディアが「これはレビュー爆撃であり、正当な評価がなされるべきだ」と声明を出した。「言葉の暴力はクリエイターの魂に実害を与える」という見出しで、ゲーム業界からの連帯の声も上がった。

開発チームも素早く動いた。1月30日のパッチでクラッシュを約90%削減。FPS低下の改善、コンソール向けの視野角調整・エイムアシスト強化なども矢継ぎ早に実施された。

2月初頭:「賛否両論」への持ち直しと一瞬の希望

改善パッチが効いた。2月初頭にはSteamレビューが「賛否両論」まで回復した。5v5モードの正式実装、ランクモードのロードマップ公開、新コンテンツの告知——「まだ諦めていない」という開発側のメッセージが伝わってきた。

しかしSteam同接はすでに97,249人から5,700人前後まで落ちていた。「賛否両論」という評価は改善を示すが、失ったプレイヤーは戻ってこなかった。

2月12日:大規模レイオフ——100人から20人未満へ

業界メディアが一斉に報じた。Wildlight Entertainmentが大規模なレイオフを実施し、スタジオの人員が約100人から20人未満に縮小されたというニュースだ。

「コアグループによる開発の継続も」とdoope!が伝えたが、残された人員でできることには限界があった。1年分のアップデートロードマップを描いていたスタジオが、2週間で「生き残り部隊」になってしまった瞬間だった。

2月中旬:TiMiによる秘密資金提供が発覚

Game Fileの報道により、Highguardの主要出資者がTencent傘下のTiMi Studio Groupであることが明らかになった。この資金提供は当初から非公開とされており、「なぜ秘匿していたのか」という批判が巻き起こった。

Kotaku、Gamedeveloper、TheGamerなど複数の有力メディアがこのニュースを大きく取り上げた。ゲームの失敗への同情が一部薄れる形にもなった——「Tencent資金で作られた事実を隠していた」という不信感が加わったからだ。

3月4日:サービス終了発表

Wildlight Entertainmentが公式に発表した。「3月12日をもってHighguardのサーバーを閉鎖する」——リリースから45日目の決断だった。

声明にはこう書かれていた。「チームの情熱と努力にもかかわらず、長期的にゲームを維持できるだけの十分なプレイヤーベースを築き上げることはかないませんでした。皆さんがHighguardの世界の一部になってくれたことに、深く感謝しています」。

SNSには「短命すぎる」「嘘でしょ」という驚きと、「楽しかった」「ありがとう」という惜別が入り混じった反応が溢れた。

3月5日:「The Farewell Tour」——最後の贈り物

サービス終了発表の翌日、最終アップデートが配信された。新ウォーデン「Ekon」、新武器、スキルツリーシステム、アカウントレベル進行システム——これだけの内容を、残り20人未満のチームが届けた。

3月12日:サーバー閉鎖

2026年3月12日、Highguardのサーバーが静かに閉じた。45日間の旅が終わった。

なぜHighguardはあれほど注目されたのか

リリース初日に97,249人の同接を叩き出し、2日で200万人以上を集めた。この数字は決して偶然ではない。いくつかの「注目される理由」が重なっていた。

理由1:「Apexを作った人たち」という圧倒的なブランド力

Wildlight Entertainmentの顔ぶれは、FPSゲーマーなら誰もが知る名前ばかりだった。

  • CEO Dusty Welch — 元Respawn Entertainment COO兼Apex Legends GM
  • 共同設立者 Chad Grenier — 元Apex Legendsゲームディレクター
  • その他スタッフの多くがApex Legends・Call of Duty・Titanfall経験者

Apex Legendsは2019年のサプライズリリースで初日100万人、72時間で250万人という伝説的な数字を残した作品だ。そのコアメンバーが作る新作となれば、期待しないほうがおかしい。

Wildlight側もそれを意識していたのだろう、Highguardは2019年のApex Legendsと同じ「サプライズリリース戦略」を採った。「ゲームの詳細を一切明かさず、発表即リリース」というアプローチで市場に飛び込んだ。

理由2:The Game Awards 2025でのサプライズ発表

2025年12月に開催された「The Game Awards(TGA)」——ゲーム界最大のアワードショーのクロージングゲームとして、Highguardは世界デビューを飾った。

TGAのクロージングは毎年、最も大きな期待がかかる枠だ。それだけに注目度は保証されていた。ただし後述するが、この「大舞台でのデビュー」は諸刃の剣にもなった。

理由3:ジャンルの新しさと「Apexの次」への渇望

Apex Legendsが人気を博してから数年が経ち、「次の大型無料FPS」を待ち望んでいたプレイヤー層は確実に存在した。ValorантもOverwatch 2も一定の地位を固めたが、「もっと新しいものを」という欲求はゲーマーの間にくすぶっていた。

Highguardが打ち出した「レイドシューター」というコンセプトは、そうした渇望に応えうるものだった。攻城戦+マウント+ヒーロースキルという掛け算は、既存のどのゲームとも違う体験を予感させた。

理由4:日本での異例の人気

Wildlight Entertainmentが後に公開した振り返りレポートには、こんな一文がある。

「日本はアメリカに次ぐ、世界第2位のプレイヤー数を記録した市場でした」

— Wildlight Entertainment 振り返りより(ファミ通.com / @famitsu Xポスト)

これは日本のゲームメディアでも大きく取り上げられた事実だ。Highguardが提示した「魔法と銃の融合」「独特な世界観」「キャラクター性の高さ」といった要素が、日本のゲーマーに特に刺さった可能性がある。Apex Legendsの熱狂的なファンが多い日本市場で、その開発者の新作が受け入れられたのは自然な流れとも言える。

プレイした人が口をそろえて言った「面白さ」の正体

Highguardには、短時間では伝わらない独特の面白さがあった。Steamのデータがそれを如実に示している。

  • プレイ時間1時間未満のユーザー:好評率15%(圧倒的に不評)
  • プレイ時間1〜5時間のユーザー:好評率42%(賛否両論)
  • プレイ時間5時間以上のユーザー:好評率81%(非常に好評)

つまり、触っただけでやめた人は「つまらない」と言い、ちゃんと遊んだ人の8割以上が「面白い」と評価した。これはゲームそのものの品質と、「最初のハードル」のギャップを示している。

海外レビューメディアのPC Gamerは、こんな言葉でHighguardを評している。

「Highguard is fine when you don’t have an internet in your ear telling you it’s nasty(インターネットが耳元で『クソゲー』と叫び続けていなければ、Highguardは普通に良いゲームだ)」

— PC Gamer レビュー記事より

辛辣なようで、これは的確な批評だと思う。Highguardは外の評判に影響されずにプレイできた人には、確かに楽しいゲームだった。

「Love it. Best multiplayer shooter since Apex Legends. Movement and shooting are top notch. The mount system is incredible.(最高。Apex Legends以来最高のマルチプレイヤーシューター。動きと射撃は一流。マウントシステムは圧巻だ)」

— Steamユーザーレビューより(PCGamesN引用)

なぜHighguardは45日で終わったのか――「失敗」の構造を紐解く

Highguard サービス終了 45日間の軌跡

200万人が集まり、遊んだ人の8割が高評価をつけたゲームが、なぜ45日で消えなければならなかったのか。これはHighguardだけの問題ではなく、現代のライブサービスゲーム全体が抱える構造的な問題を浮き彫りにする話でもある。

原因1:ローンチ直後の「評価爆撃」と悪循環

Highguardがサービス開始した2026年1月27日、Steamには数時間のうちに大量のネガティブレビューが殺到した。最終的にプレイ1時間未満のレビューが約9,000件以上を占め、その好評率はわずか15%という数字を叩き出した。

この「評価爆撃」の背景には複数の要因があった。

まずTGA2025のクロージング枠への反発だ。毎年、TGAの大トリは「今年最大の驚き」として期待される。それが「3v3のFPS」だったことへの失望が、ネガティブな先入観として多くのプレイヤーに植えつけられた。

次にローンチ時の最適化問題。リリース直後はクラッシュが頻発し、フレームレートの不安定さも報告されていた。「試したがすぐにクラッシュした」という1時間未満のレビューが大量に積み上がった。

Game*SparkやGameBusinessなど複数の海外メディアが「これはレビュー爆撃であり、正当な評価がなされるべきだ」と異議を申し立てるほどの状況だった。しかし、一度「圧倒的に不評」のレッテルが貼られると、新規プレイヤーの流入は急減する。

開発チームは素早く動いた。リリース3日後の1月30日には安定性パッチを配信し、「クラッシュを約90%削減」を達成。2月初頭にはSteamレビューが「賛否両論」まで回復した。5v5モードも正式実装され、一時は「巻き返しの兆し」が見えていた。

だが、その頃にはすでに手遅れだった。

原因2:Steam同接の急落とプレイヤー定着の失敗

ローンチ日に97,249人いた同接は、最初の1週間で90%以上が消えた。2月初頭には同接が5,700人前後まで落ち込み、「常時1万人は居ないと厳しい」という声がSNSに溢れていた。

回復のきっかけを掴めなかった理由のひとつが、学習コストの高さだ。4フェーズ構造、マウントシステム、ウォーデンのスキル体系——これら全てを理解して「面白い」と感じるまでには、ある程度の時間投資が必要だった。初日に「よく分からなかった」ままやめたプレイヤーが戻ってくることはほとんどなかった。

原因3:Tencent(TiMi)の資金撤退と大規模レイオフ

2026年2月中旬、衝撃的なニュースが流れた。Highguardの開発元Wildlight Entertainmentの秘密の出資者が、Tencent傘下のTiMi Studio Group(「Honor of Kings」「Delta Force」の開発元)であることが報道された。

この出資関係は当初から非公開とされており、それ自体への批判もあった。そして肝心の出資が、ゲームのパフォーマンス低迷を受けて引き上げられたとされている。

資金が途絶えた結果、2026年2月12日に大規模なレイオフが実施された。スタジオの規模は100人近くから20人未満へと一気に縮小した。1年分のアップデートロードマップを描いていたスタジオが、わずか2週間で「生き残り部隊」になってしまった瞬間だ。

原因4:ライブサービス市場の飽和

ある日本人プレイヤーはXにこう書いた。

この言葉は本質を突いている。Apex Legends、Valorant、Rainbow Six Siege、Overwatch 2——これだけ強力な既存タイトルがひしめく市場で、新規ゲームが「乗り換え先」として選ばれるのは至難の業だ。

Highguardがどれだけ独自性を持ち、どれだけ面白くても、プレイヤーの時間と集中力は有限だ。「試してみたけど、結局Apexに戻った」——そんな声が無数にあったはずだ。

原因5:「Concord 2.0」レッテルの呪い

2024年、Sony発売の「Concord」がわずか14日でサービス終了するという事件があった。数年・数百億円をかけて作られたゲームが2週間で消えるという衝撃は、ゲーム業界に「ライブサービス疲弊」という言葉を定着させた。

Highguardが不調になり始めた頃、海外メディアは早速「次のConcord」「Concord 2.0」というレッテルを貼り始めた。Kotakuは「Highguard Is Already Shutting Down After Only Lasting 31 Days Longer Than Concord」というタイトルで記事を書いた。このレッテル自体が新規プレイヤーの参入を阻む心理的障壁になった可能性は高い。

ゲームディレクターは後にこう語った。

「Not enough revenue to keep anyone employed to work on it, unfortunately.(残念ながら、開発チームを雇用し続けられるだけの収益が得られなかった。それだけのことだ)」

— Wildlight Entertainment ゲームディレクター(Game Developer誌インタビューより)

これだけシンプルな言葉に、全てが詰まっている気がする。作りたいものは作った。遊んでくれた人もいた。でも、ビジネスとして成立しなかった。それだけのことだ、と。

「The Farewell Tour」――開発者たちが自ら届けた最後の贈り物

サービス終了が決まったあと、Wildlight Entertainmentは驚くべき行動をとった。

残り20人未満のスタッフが、誰にも頼まれていないのに自ら申し出て、最終アップデート「The Farewell Tour(お別れツアー)」を完成させてリリースしたのだ。

Game*Sparkの報道によると、デザイン/クリエイティブディレクターはこう語っている。「開発者たちは頼まれたのではなく、自ら完成させて世に出したいと申し出た」。サービス終了が決まり、大半のチームメンバーが去り、それでも残った人たちがプレイヤーのために動いた。

「The Farewell Tour」の内容は決して手抜きではなかった。

  • 新ウォーデン「Ekon」(ダイアウルフに変身できる異色のキャラクター)追加
  • 新武器の実装
  • スキルツリーシステムの追加(キャラクターのカスタマイズ幅が大幅拡張)
  • アカウントレベル進行システムの追加

1年かけて届けようとしていた機能の一部を、最後の最後に詰め込んで送り出した。開発者からプレイヤーへの、静かな敬意の表れだと思う。

公式Xアカウント(@PlayHighguard)が投稿した最後のメッセージは、シンプルだった。

「一緒にプレイしてくれてありがとう」——これだけだ。余計な言い訳も、謝罪も、弁解もない。潔い幕引きだった。

プレイヤーたちの声――45日間、何を感じていたのか

Highguardが残した時間は短かった。それでも、確かに心を動かされた人たちがいた。

「試すぐらいの気持ちだったんですが、よすぎて気づいたらグランドマスターまで行っていました」——45日で135時間。1日平均3時間プレイしたことになる。そこまで引き込まれたゲームが終わることへの悲しさが、一言一言から滲み出ている。

日本のゲームメディアがサービス終了を報じた際、ファミ通の公式Xポストには多くのリプライが集まった。「短命すぎる」「嘘でしょ」という驚きの声とともに、「楽しかった」「ありがとう」という惜別の言葉も多く見られた。

一方で、批判的な声もあった。

「Highguard(ハイガード)の課金価格がエゲツないんだけどw 1番高いので150万ってセレブ過ぎない?」

— @nakata_2112(Xポストより)

基本無料ゲームでありながら、最上位の課金アイテムが非常に高額であることへの批判も根強くあった。ゲームプレイ上の有利はないとはいえ、こうした価格設定が「課金ガチャへの警戒感」を持つ日本のプレイヤー層に敬遠された可能性もある。

良い声も批判の声も含めて、Highguardを巡るコミュニティの熱量は確かなものだった。45日という短さがより一層、その熱さを際立たせている。

「1時間では分からない」問題――Highguardの評価が二極化した本当の理由

Highguardを巡る評価の二極化は、単純に「面白い・つまらない」の話ではなかった。その背景には、現代のゲーム消費スタイルと、Highguardというゲームの設計思想との根本的なすれ違いがあった。

「ファーストインプレッション」に設計が向いていなかった

現代のプレイヤーは無料ゲームに対して非常に短い「お試し」しか与えない。10分でつまらなければアンインストール、1時間で楽しくなければ二度と戻らない——これが多くのプレイヤーの行動パターンだ。

Highguardの問題は、ゲームの面白さが「理解」を前提としていたことだ。4フェーズの試合構造、ウォーデンのスキル体系、マウントの使いどころ、シールドブレイカーの意味——これらを把握せずに試合に放り込まれても、何をすれば良いのかが分からない。最初の1〜2試合は「よく分からないまま負けた」という体験で終わりがちだった。

「普通のFPSと違いすぎて最初は意味不明だった」「でも3試合目から急に楽しくなった」——こういう声が多かったことが、その構造を物語っている。

最適化問題が「離脱トリガー」を引いた

さらに悪いことに、ローンチ直後はゲームが頻繁にクラッシュした。「2試合目に入ろうとしたらクラッシュした」「起動はできたがFPSが15くらいしか出なかった」——そうしたプレイヤーは当然「プレイ1時間未満でネガティブレビュー」を残して去る。

1月30日のパッチでクラッシュが90%減少した後、ゲームの安定性は大幅に改善した。しかし「クラッシュした」という体験を持ったプレイヤーが戻ってくることはほとんどなかった。ファーストインプレッションの傷は深かった。

TGA効果の「諸刃の剣」

The Game Awardsという巨大な舞台で発表されたことは、注目度という点では絶大な効果を発揮した。しかし同時に「期待値の過剰な引き上げ」という副作用をもたらした。

TGAの大トリに相応しいゲームへの期待——それは「次の時代を定義するゲーム」への期待だ。3v3のコンパクトなレイドシューターがその期待に応えられるかどうか、関係なく「期待外れ」という感情が先行した視聴者が多かった。「Apexを作った人たちにしては普通すぎる」という批判は、ゲームの内容に対してではなく、「期待の裏切り」に対してのものだった部分が大きい。

Metacriticスコアの異常な乖離

Highguardの批評家スコア(65点)とユーザースコア(2.0点)の乖離は、レビュー爆撃の典型的なパターンを示している。批評家は実際にある程度プレイしてから評価を書く。ユーザーレビューは感情的な反発やゲームの発表・存在への不満から書かれることも多い。

Metacriticユーザースコア2.0という数字は「最悪のゲーム」を意味しない。それは「組織的な不評活動が行われた痕跡」として読むべき数字だ。実際、プレイ時間5時間以上のSteamユーザー81%が好評という数字は、全くの別の現実を示している。

Highguardと競合ゲームの比較――何が違って、何が似ていたか

Highguard 競合ゲーム比較 Apex Valorant R6S

Highguardを「どのゲームに似ているか」と問われると、答えに詰まる。それがこのゲームの独自性であり、同時に間口の狭さでもあった。

Apex Legendsとの比較

最も比べられたのはやはりApex Legendsだ。同じ開発者が作っているのだから当然とも言える。

共通点は多い。キャラクター固有スキル、爽快な移動アクション、チームワークを前提とした設計、丁寧なバランス調整——これらはApexのDNAを受け継いでいる。「Apexの操作感と似ている」という声は多く、Apexプレイヤーが比較的スムーズに馴染めた側面がある。

一方で決定的に違う点がある。Apexはバトルロイヤルで「全員が敵」だが、Highguardは3v3の攻防戦で「チームが全て」だ。個人の腕前よりも、チームとしての戦術連携が勝敗を左右する比重が大きかった。「野良でやると意思疎通が取れず苦戦する」という声が多かったのも、この設計の裏返しだ。

Rainbow Six Siegeとの比較

攻城戦フェーズの緊張感はR6Sに最も近い。攻撃側がどこから侵入するかを読み合い、防衛側が穴を塞ぎ、攻撃側が意表をついた経路から突破する——この駆け引きはHighguardのレイドフェーズで確かに再現されていた。

ただしR6Sほどの「純粋なタクティカル性」はなく、ウォーデンのアビリティが戦況を大きく変えるHighguardは、より「勢いと個人スキル」の要素も強かった。「R6SよりはApex寄りのカジュアルさがある」という評価は的確だと思う。

Overwatchとの比較

ヒーロー(ウォーデン)選択、各クラスの役割分担、チームシナジー重視という点ではOverwatchとの共通点もある。ただしHighguardには「探索・クラフト・拠点強化」というOverwatchにはない要素が加わっており、試合1回の情報量がOverwatchよりはるかに多い。Overwatch経験者からは「似てるようで全然違う」という感想が多く聞かれた。

Highguardにしかなかったもの

マウントに乗って広いマップを駆け回りながら射撃し、素材を集めて拠点を強化し、伝説の剣を奪い合い、敵の要塞に攻め込んでコアを爆破する——この体験を提供できるゲームは、2026年現在Highguard以外に存在しない。

それが45日で消えてしまったことの惜しさは、「代わりに何を遊ぶか」という問いに明確な答えが出ないことからも伝わってくる。

Highguardが残した問い――ライブサービスゲームはどこへ向かうのか

Highguardの終焉は、ゲーム業界に大きな疑問を突きつけた。

TechRadarは「We are witnessing the era of two month lifespan shooters(私たちは今、寿命2ヶ月のシューターゲームの時代を目撃している)」と書いた。Concordが14日、Highguardが45日——このペースでライブサービスゲームが生まれては消えていくことへの警鐘だ。

ComicBookは「Highguard’s Sudden Shutdown Shows A Glaring Flaw In Modern Live Service Games(Highguardのサービスはモダンなライブサービスゲームにおけるあからさまな欠陥を示している)」と指摘した。

The Ringerは「Who (or What) Killed Highguard?(誰が、何がHighguardを殺したのか?)」という問いを立て、ゲームの品質・マーケティング戦略・資金調達の構造・市場環境の全てを分析した。

結局のところ「誰か一人の失敗」ではない。優秀な開発者が、情熱を持って作り、200万人が集まり、遊んだ人の多くが楽しんだ。それでも生き残れなかった。その事実の重さを、ゲーム業界はまだ消化しきれていないように思う。

Highguardが特別だったのは、終わり方の「誠実さ」かもしれない。余力のほぼない状態で最終アップデートを届け、シンプルな感謝の言葉で幕を閉じた。それだけで、このゲームの開発者たちへのリスペクトは十分に伝わってくる。

Highguardに似たゲーム――今も遊べるおすすめタイトル

Highguardはもう遊べない。でも、Highguardが好きだった要素——ヒーロースキル、チーム戦略、スピーディな銃撃戦、独自の世界観——を持つゲームは今も現役で動いている。Highguardで感じた「あの感覚」に最も近いものを選んで紹介しよう。

Apex Legendsと同じ開発者のDNAを感じたいなら

やはり外せないのがApex Legendsそのものだ。Highguardの開発チームが培ってきた「キャラコン・射撃感・チーム連携の精度」の全ての原点がここにある。同じ感触を求めるなら、源流を辿るのが最も確実だ。

Highguardが「3v3の緊密なチーム戦」だったのに対し、Apexは「3人チーム×多数のチームが争うバトルロイヤル」と規模が大きく違う。しかしキャラクター固有のアビリティを活かした立ち回り、爽快な移動感覚、チームで動く面白さという本質的な魅力は共通している。Highguardをきっかけにこのジャンルにハマった人なら、Apexで確実に楽しめるはずだ。

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攻城戦・タクティカル要素を求めるなら

Rainbow Six SiegeはHighguardの「レイドフェーズ」に最も近い緊張感を持つゲームだ。攻撃側が破壊ツールを使って壁や床を壊しながら侵入経路を開拓し、防衛側が穴を塞いで要塞化する——この読み合いはHighguardの攻城戦と本質的に同じだ。

Highguardより純粋なタクティカル性が高く、派手なアビリティよりも「情報戦と判断力」が勝敗を分ける。アビリティに頼らず自分の判断で勝ちたいというプレイヤーには、むしろHighguardより向いているかもしれない。基本無料でスタートできる点も始めやすい。

ヒーロースキル系シューターが好きなら

ValorantはHighguardのウォーデンシステムに最も構造的に近い「エージェント」選択スタイルを持つ。各エージェントが固有のアビリティを持ち、役割分担とチームシナジーが重要になる5v5の銃撃戦は、Highguardのキャラクター戦略の楽しさを引き継いでいる。

Highguardが「広いマップでの探索・拠点構築・レイド」という独自要素を持っていたのに対し、Valorantはよりシンプルに「爆弾設置・解除」という明快なルールに集中している。複雑な要素が苦手だった人にはValorantの方が入りやすいかもしれない。完全無料で始められるのも大きな魅力だ。

同じTiMi(Tencent)系列の現役タイトルなら

Highguardに秘密裏に出資していたTiMi Studio Groupが手がける「Delta Force」も今も現役だ。大規模戦闘とタクティカルな要素を組み合わせた無料FPSで、Highguardが持っていた「スケール感のある戦場体験」を違うアプローチで実現している。

Highguardの終焉後、TiMiがHighguardで学んだことをDelta Forceの発展に活かすのかどうかは分からない。ただ、同じルーツを持つゲームとして見比べてみるのは興味深い視点かもしれない。

まとめ――45日間だけ存在した「未来のFPS」の記憶

Highguard ハイガード キーアート ウォーデンたち

Highguardは短命だった。でも、それはHighguardが「悪いゲーム」だったからではない。

200万人が試し、ちゃんと遊んだ人の81%が高評価をつけた。日本では世界2位のプレイヤー数を集めた。開発チームはサービス終了が決まっても誰にも頼まれずに最終アップデートを完成させ、「一緒に遊んでくれてありがとう」というシンプルな言葉で幕を閉じた。

それでも45日で消えた。

「ゲームの品質」と「ゲームの生存」は、今の時代、完全には連動しない。評価爆撃、出資の引き上げ、市場の飽和——HighguardはFPSゲーム史の中で、そのことを最も鮮明に示した事例のひとつになった。

Highguardが目指していたのは「10年かけて成長するゲームユニバース」だった。その第一歩が45日で終わったことの無念さは、開発者だけでなく、遊んでいたプレイヤーも共に抱えているはずだ。

こういうゲームが生まれるたびに思う——「ゲームの面白さ」は分かってもらうのに時間がかかるが、「つまらない」という評価が広まるのは一瞬だ。Highguardはその非対称性の犠牲になったゲームのひとつだった。

「いつかHighguard 2を待ってる」——135時間プレイしてグランドマスターに到達した日本人プレイヤーのその一言が、まだ頭の中に残っている。Wildlight Entertainmentが再起するかどうか、今はまだ分からない。でも、あの45日間に確かに存在した熱量は、どこかに残り続けるはずだ。

今このページを読んでいるあなたが、あの頃のことを少しでも思い出せたなら、この記事を書いた甲斐があった。

  • Highguard 開発元:Wildlight Entertainment
  • サービス期間:2026年1月27日〜3月12日(45日間)
  • 対応:PC(Steam)/ PS5 / Xbox Series X|S 基本無料
  • 日本プレイヤー数:世界2位(アメリカに次ぐ)