Old World

Old World|古代文明の興亡と王朝の物語を紡ぐ、Civ4デザイナーが作った本格派4Xストラテジー

「国王が老いて死んだ。跡継ぎは息子のアウグストゥスだが、彼は知恵より剣を好む武骨な男で、賢い外交など期待できそうにない。隣国ペルシャはすでに国境に兵を集め始めている。今のうちに同盟を結ぶべきか、それとも先手を打つか——」

そんなことを考えながら、気づいたら3時間が経っていた。これが Old World というゲームだ。

Old World は、アメリカのインディースタジオ Mohawk Games が開発した、古代地中海世界を舞台にしたターン制4Xストラテジーゲームだ。2021年7月にリリースされ、日本語にも対応している。開発を率いたのはソレン・ジョンソン(Soren Johnson)——「シヴィライゼーション IV」のリードデザイナーとして知られる人物だ。

シヴィライゼーション(以下Civ)と Crusader Kings、この2本の柱が Old World を支えている。Civのような文明の建設・技術研究・軍事征服という4Xの骨格を持ちながら、Crusader Kingsのような王族の人間ドラマ、家系の継承、宮廷の権力争いがゲームに絡み合う。「国を育てる」と同時に「王朝を守る」という、二重の面白さが Old World の核心だ。

Steamレビューは6,000件超えで約82%が高評価。Metacriticスコアは80点。PC Gamer誌は2021年のベストストラテジーゲームに選んだ。リリースから数年が経った現在も定期的なアップデートが続き、2026年3月には第7弾DLC「Empires of the Indus」が配信されたばかりだ。

この記事では、Old Worldがなぜほかの4Xゲームとここまで違う感触を持つのか、そのシステムの仕組みから人気の理由まで、全部書いていく。

目次

こんな人に読んでほしい

Old World サンドボックス・クラフト スクリーンショット1

Old World は、合う人と合わない人がはっきりしているゲームだ。先に整理しておこう。

こんな人にはほぼ確実に刺さる:

  • シヴィライゼーションシリーズが好きで、「Civに飽きてきた」「Civにキャラクターの深みが欲しかった」と感じていた人
  • Crusader Kings のような政治ドラマ・家系管理が好きだが、「もう少し軽めのゲームがいい」と思っていた人
  • 古代ローマ・古代ギリシャ・エジプト・バビロニアなど、古代地中海世界の歴史が好きな人
  • ターン制ストラテジーを腰を据えてやり込みたい人
  • 「毎回同じ展開にならない」高いリプレイ性を求めている人
  • 1,000以上の歴史的イベントが生み出す予測不能なドラマを楽しみたい人
  • 日本語対応のストラテジーゲームを探している人

向いていないかもしれない人:

  • リアルタイムの戦闘・アクション要素が好きな人(このゲームは完全なターン制)
  • 「30分でサクッと終わるゲームがしたい」という人(1ゲームが数十時間単位)
  • キャラクターに深く感情移入するJRPG的な体験を求めている人
  • 現代や近未来の文明を発展させたい人(このゲームは古代限定)
  • 数字やシステムの読み込みが苦手で、直感だけで遊びたい人

特に「Civ4が人生で一番好きなゲームだった」というタイプには、Old Worldは非常によく響くはずだ。同じデザイナーが「Civ4の次にやりたかったこと」を詰め込んだゲームだからだ。

逆に、戦略ゲームをほとんどやったことがない初心者には最初のハードルがある。ただし日本語対応で、チュートリアルも用意されているため、じっくり学べる人なら経験ゼロからでも楽しめる。この記事の後半に初心者向けのアドバイスもまとめた。

ゲーム概要

Mohawk Games と Soren Johnson について

Old World を開発したのは、アメリカのインディースタジオ Mohawk Games だ。スタジオを立ち上げたのはソレン・ジョンソン。彼は長年 Firaxis Games(シヴィライゼーションシリーズの開発元)に在籍し、「シヴィライゼーション III」の主要開発者として、そして「シヴィライゼーション IV」のリードデザイナーとして、4Xジャンルを代表する作品を手がけてきた人物だ。

2013年に独立して Mohawk Games を設立したジョンソンが、次のビジョンとして打ち出したのが Old World だった。「Civで培ったデザインを土台に、キャラクターと歴史のドラマをゲームに組み込む」という方向性は、Civファンにとって非常に興味深いアプローチだった。

2020年4月に Epic Games Store にてアーリーアクセスを開始し、2021年7月にフルリリース。2022年5月に Steam・GOG 版が配信され、同時に日本語サポートも追加された。それ以降、コンスタントにDLCと無料アップデートが続いている。発売元は Hooded Horse が担当している。

ゲームの舞台と基本設定

Old World の舞台は紀元前から紀元後数世紀にかけての古代地中海世界だ。古代ローマ、古代ギリシャ、エジプト、ペルシャ、アッシリア、バビロニア、カルタゴ——これらが登場する文明の中心だ(DLCを加えるとヒッタイト、クシュ、アクスム、そして最新のマウリヤ朝・大月氏・タミルも追加される)。

プレイヤーはこれらの文明の中から1つを選び、都市を築き、技術を研究し、外敵と渡り合いながら帝国を広げていく。ここまでは他の4Xゲームと変わらない。Old Worldが特別なのは、そこに「王族の人間ドラマ」が常に絡みついている点だ。

1ターンが1年に相当し、王(または女王)は年を重ねて老いていく。子を産み、後継者を育て、宮廷の人間関係を管理し、貴族家門との関係を保ちながら、外敵とも戦わなければならない。「国を治める」というシミュレーションの深度が、他の4Xゲームとは一段違う。

日本語対応とプラットフォーム

Old World は Steam(AppID: 597180)、GOG にて購入できる。PC 専用タイトルで、コンソール版は現時点では存在しない。

日本語には2022年6月より正式対応している。テキストが非常に多いゲームだけに、日本語でプレイできるのは大きなアドバンテージだ。イベントの文章、技術の説明、キャラクターの台詞——すべて日本語で読めるため、ゲームの世界観に深く入り込める。

推奨スペックは CPU が Core i5-4460 相当、メモリ 8GB、GPU が GeForce GTX 970 程度。最近のゲーミングPCであれば問題なく動作する。独自のビジュアルスタイルを持つゲームで、超高解像度テクスチャを要求するタイトルではないため、ミドルレンジのPCでも十分に楽しめる。

システム詳細:Old World の仕組みを深掘りする

Old World サンドボックス・クラフト スクリーンショット2

「オーダー制」——4Xゲームの根本を変えた発明

Old World の最も革新的なシステムが「オーダー(Orders)制」だ。これは他の4Xゲームとは根本的に異なる行動管理の仕組みで、ゲーム全体の感触を決定づけている。

Civ などの従来の4Xゲームでは、1ターンに各ユニットが1回ずつ行動する。兵士Aを動かし、兵士Bを動かし、農民を動かす——という形だ。Old World は違う。プレイヤーには毎ターン「オーダー」というリソースが与えられ、ユニットはこのオーダーを消費することで何度でも動ける。ただし、オーダーが尽きたら何もできない。

オーダーの使い道は移動と戦闘だけではない。建設プロジェクトの推進、外交交渉、イベントへの対応——あらゆる行動がオーダーを消費する。ゲーム序盤は王の権威が低いため、オーダー数は極めて少ない。数個のオーダーをどこに使うか、常に優先順位を問われる。

この仕組みが生み出すのは、「何をやるべきか」という戦略的な悩みだ。敵が国境に迫っているのに、洪水のせいで都市の補修もしなければならない。しかもオーダーが残り2しかない——こういう場面で何を選ぶかが、ゲームの流れを大きく左右する。

オーダーは増やすことができる。王の正統性(Legitimacy)が上がれば毎ターンのオーダー数も増え、より多くの行動が取れるようになる。つまり「強い王朝」は「行動力が高い国家」でもある、という設計だ。内政・外交・戦争をうまく回してLegitimacyを育てることが、帝国を大きくする近道になっている。

王朝と継承——「人が死ぬ」ゲーム

Old World のもう一本の柱が、王朝管理だ。ゲームの1ターンは1年であり、王(または女王)は時間とともに年老いて、最終的に死ぬ。これが Old World を他の4Xゲームと決定的に変えている部分だ。

君主が死ぬ前に、プレイヤーは次代の王を育てておかなければならない。王妃または夫(コンソート)を選び、結婚し、子どもを産む。子どもたちには教師(Tutor)をつけて育てる。どんな師のもとで育つかによって、子どもが持つ特性(Traits)が変わり、成人後の能力も変わってくる。

継承者の性格が良くても、本人が若くして事故死することもある。優秀な将軍だった息子が戦場で命を落とすこともある。女王が産んだ子どもが全員女性で、当時の文化的な慣習上、王位継承が複雑になることもある。「人が生まれ、成長し、老いて死ぬ」というサイクルがゲームに組み込まれているため、「自分の文明の歴史」を書いているような感覚が生まれる。

これは単なる演出ではなく、ゲームプレイに直結する。強い特性を持つ王は大量のオーダーをもたらし、弱い継承者では国力が落ちる。後継者をどう育てるか、誰と結婚させるか——これがゲームの重要な戦略要素になっている。

野望(Ambitions)システムと勝利条件

Old World の勝利条件は、10個の「野望(Ambitions)」を達成することだ。野望はあらかじめ固定されているのではなく、ゲームの進行と王族のドラマから動的に生成される。「同盟国を3つ作れ」「特定の都市を征服せよ」「特定の偉業を完成させよ」——野望の内容はプレイごとに変わる。

野望を達成するとLegitimacyが上がり、新しい野望が解放される。王が死んで新しい君主に変わると、新君主は独自の野望を掲げる——「自分の名声を確立する」という人間的な欲求がゲームシステムに組み込まれているわけだ。これにより、勝利への道が毎ゲーム違うルートになる。

1ゲームが終わりに向かうにつれて、野望の難度は上がっていく。終盤は大規模な軍事行動や外交の成果を求められることが多く、序盤の地道な内政積み上げが後半に効いてくる設計になっている。

3,000以上のイベント——歴史が動く瞬間

Old World のゲーム中には膨大な数のランダムイベントが発生する。バージョンを重ねた現在、3,000種類以上のイベントが収録されており、そのほとんどが実際の古代史・神話・文化から着想を得たものだ。

イベントの内容は多岐にわたる。「王の長男が反乱を企てているとの密告があった。信じるか、無視するか」「隣国から花嫁を迎えることで同盟を強化できる提案が来た」「農民の間で新しい宗教運動が広まっている。弾圧するか、容認するか」——選択肢によって、キャラクターの特性・関係性・国家の方向性が変化する。

キャラクターにはそれぞれ「記憶(Memories)」が蓄積される。ある出来事を経験したキャラクターは、それを記憶として持ち続け、後の行動や関係性に影響を与える。「10年前に父親が王に処刑された家臣」が今も宮廷にいれば、いつか復讐に動くかもしれない。こういった連鎖がゲームのドラマを自然に生成する。

イベントは単純な「良い/悪い」の二択ではなく、状況によって最適解が変わる。知恵のある君主なら有利な選択肢が開くこともあれば、財政状態によって選べる選択肢が変わることもある。ゲームの状況と整合した形で物語が展開していく。

貴族家門(Families)の管理

各文明には4つの「家門(Families)」が存在する。この家門との関係管理が、内政の重要な柱になっている。

家門の種類は大まかに4種類に分かれる。Champions(軍事)は軍事力に優れ、都市の防衛に特化する。Riders(騎兵)は騎兵ユニットに強みを持ち、騎馬・駱駝・象といった騎乗ユニットを資源なしで生産できる特権を持つ。Statesmen(政治家)は行政に長け、支配都市から毎ターン追加のオーダーを生産する。Patrons(文化人)は文化・専門家育成に強く、Civicsの生産量が高い。

家門の当主や有力者を都市の知事・軍の将軍に任命することで、その家門の能力をフルに活かせる。一方、特定の家門を優遇しすぎると他の家門が不満を持ち、宮廷内の対立が激化する。バランスを保ちながら各家門の力を借りる外交的な手腕が求められる。

家門間の結婚も戦略的に重要だ。王族と家門の当主を結婚させると関係が深まり、家門からの支援が増える。ただし、強力な家門が王族と縁続きになりすぎると、それが将来の権力闘争の火種になることもある。

テクノロジーツリーとランダム性

Old World のテクノロジーツリーはゲームごとに変化する。研究を進めるたびに次の技術の候補がランダムに提示され、その中から1つを選んでいく仕組みだ。Civのように最初から全ての技術が見えているわけではなく、何が来るかわからない中で戦略を組み立てる必要がある。

このランダム性は「運ゲー感」とは違う。基盤となる技術カテゴリー(農業・軍事・文化など)は共通しており、何の技術が出るかわからなくても、「どの方向に進みたいか」という大枠の戦略は保てる。ランダム性が戦略の幅を広げる設計になっている。

技術の種類も Old World らしい独特のカテゴリーを持つ。採石技術、狩猟、占いといった古代らしい技術から、算術、哲学、法学といった知的な発展まで、古代文明の実際の歩みを反映した技術体系になっている。

都市と資源の管理

都市の建設と管理も Old World 独自の設計を持つ。他の4Xゲームと大きく違うのは、都市の立地がある程度固定されていることだ。すべての平原に都市を建てまくることはできず、特定の地点にのみ都市を置けるという制約がある。これにより「どの都市を先に押さえるか」という立地争いが戦略上の重みを持つ。

資源管理は複数の通貨が並行して動く。食料(Food)は軍事ユニット以外の市民を支える。訓練リソース(Training)は軍事ユニットの生産に使う。市民リソース(Civics)は行政・建設の費用に充てる。金(Gold)は外交・取引・雇用に。これらをバランスよく管理しながら都市を発展させていく。

建設物は木材(Wood)と石(Stone)という基礎資源で作られ、両方の供給ラインを整備することが序盤の重要課題になる。採石場・木こり小屋を適切に配置して資源を確保し、それを都市の発展につなげていく流れが、序盤のゲームプレイの基本だ。

部族(Tribes)と外交

マップ上には文明の他に「部族(Tribes)」が存在する。部族は国家ほどの組織力はないが、無視できない存在だ。友好的な部族は一時的な恩恵をもたらすが、友好状態の部族でも略奪部隊を送り込んでくることがある。

外交の深さも Old World の特徴の一つだ。単純な「戦争か平和か」ではなく、結婚による同盟、亡命者の扱い、貢物の要求、属国化といった複雑な外交オプションがある。歴史的な古代世界の外交様式を反映した仕組みになっており、外交を通じて勝利を目指すプレイスタイルも成立する。

Old World が人気を集める理由

「Civ4の後継者」という期待を超えてきた

Old World が注目を集めた最初の理由は、Civ4のリードデザイナーが作ったという事実だった。Civ4はシリーズの中でも特に高い評価を持ち、「あの時代のCivを超えるものが出てほしい」というファンの声は長年あった。そこにソレン・ジョンソン本人が「次の作品」を持ってきた。

結果として、Old World は単なる「Civの劣化コピー」でも「Civに毛が生えたもの」でもなく、独自のシステムで4Xジャンルそのものを一歩前進させたと評価されている。PC Gamer がレビューで「このジャンルの真の前進だと感じさせる、多くの独創的でスマートなデザイン判断がある」と書いたのは、そういう背景を踏まえた言葉だ。

「もう1ターン」の中毒性がある

Old World にはターン制ストラテジー特有の「もう1ターンだけ」という引力がある。しかも Old World の場合、それを強化する要素が複数重なっている。

技術ツリーのランダム性、次のターンに何のイベントが来るかわからないドキドキ感、野望の達成まであと少しという感覚、王が高齢で「次のターンに死ぬかもしれない」という緊張感——これらが絡み合って「終われない」空気を作り出している。「次のターンを見届けたら寝よう」という思考が崩壊するのは、このゲームの常だ。

毎ゲームが違う「自分だけの歴史」になる

Old World の高いリプレイ性は、3,000以上のランダムイベント、動的に生成される野望、テクノロジーツリーのランダム性という三重の仕組みから来ている。同じ文明・同じマップでも、プレイするたびに違う歴史が展開される。

「この王は外交の達人だったが、息子は戦争狂で国を危機に追い込んだ」「砂漠の中で奇跡的に水源を発見し、それが帝国繁栄の起点になった」——こういった「自分だけのプレイ体験」が次々と生まれる。他のプレイヤーと「俺のときはこんなことが起きた」を語り合いたくなる、そういうゲームだ。

Civと比べて「人間くさい」

Civが「文明のスケール」で歴史を描くのに対して、Old World は「人のスケール」でも歴史を描く。王族の感情、家門の確執、宮廷のドラマ——抽象的な国家運営だけでなく、そこに生きる人間たちの物語が見える。

「宿敵のペルシャ王が死んだ。敵の王子とはかつて人質として宮廷に住んでいた縁がある。追撃するか、和平の機会を活かすか」——こういう選択が、数字の管理以上の没入感を生む。歴史小説を読んでいるような感覚がゲームの中にある。

充実したDLCと長期サポート

2026年4月時点で、Old World には7本のDLCが配信されている。それぞれを簡単に紹介する。

Heroes of the Aegean(2022年5月・Steam版購入者無料)——ギリシャ神話の英雄たちにスポットを当てたDLC。アキレウス、オデュッセウスといった伝説の人物が登場する。

The Sacred and The Profane(2023年1月)——宗教システムを大幅に拡張。ヨルダン川流域の古代宗教をテーマに、新たな都市・不思議・イベントを追加。

Wonders and Dynasties(2023年)——新しい七不思議と王朝に関連するコンテンツを追加。

Behind the Throne(2023年)——宮廷の内部政治を深掘りするDLC。廷臣の管理、権力闘争のシステムを強化。

Wrath of Gods(2024年)——神話・宗教的な要素を強化する内容。

Pharaohs of the Nile(2025年)——古代エジプトをより深く掘り下げた内容。ナイル川流域の文化・宗教に関連する新要素を追加。

Empires of the Indus(2026年3月)——インド亜大陸を舞台に、マウリヤ朝・大月氏・タミルの3文明を追加。老域を大きく拡張する最新DLC。

本体と全DLCを合わせると、莫大なコンテンツ量になる。セールも頻繁に実施されており、まずは本体だけ購入して気に入ったらDLCを追加する、という買い方がしやすい構成だ。

インディーゲームでありながら完成度が高い

Old World は大手パブリッシャーのゲームではなく、少人数スタジオの作品だ。しかし、そのスケールと完成度は大手作品と比べても遜色ない。アーリーアクセスから正式リリースに至る過程でコミュニティのフィードバックを真剣に取り込み、リリース後も継続的にバランス調整とコンテンツ追加が行われてきた。

開発者がコミュニティと近い関係を保っていることも、ロングセラーを支えている理由の一つだ。Steam フォーラムやソーシャルメディアでのフィードバックが実際にアップデートに反映されており、「開発者が遊んでいる人々の声を聞いている」という信頼感がある。

プレイ前に知っておきたい注意点

Old World サンドボックス・クラフト スクリーンショット3

序盤の学習コストは覚悟が必要

Old World は複雑なゲームだ。オーダー制、王朝管理、家門との関係、野望の仕組み——これらすべてを最初から理解するのは難しい。チュートリアルは存在するが、すべてを教えてくれるわけではなく、実際にプレイしながら覚えていく部分が多い。

最初の数時間は「何をすればいいのかわからない」という感覚を持つプレイヤーも多い。焦る必要はないが、「すぐに楽しい」という体験ではないことは理解しておいてほしい。コツをつかむまでの時間をかけられる人に向いているゲームだ。

1ゲームにかかる時間が非常に長い

Old World の1ゲームは、ゲームの難易度・文明・マップサイズにもよるが、標準的なマップで20〜40時間程度かかることが多い。他のゲームで言うと「1周でひとつの大作RPGをクリアするくらいの時間」をかける覚悟が必要だ。

「ちょっとだけやる」が難しいゲームでもある。ターン制なのでポーズして止められるが、イベントの選択肢が出てきたときや重要な局面では「次のターンだけ」が続きがちだ。時間の使い方に注意してプレイしたい。

マルチプレイはあるが、基本はソロゲームの設計

Old World にはマルチプレイモードがあり、複数プレイヤーで同じゲームをプレイすることができる。ただし、このゲームの面白さの大部分はAIとのやりとりやランダムイベントに起因しており、基本的にはソロプレイが主軸の設計だ。マルチプレイを主目的で選ぶなら、他のゲームの方が適切かもしれない。

DLCは多いが、本体だけでも十分楽しめる

Old World はDLCが7本あり、全部揃えると本体価格を上回るコストになる。ただし、DLCはあくまで本体の追加コンテンツであり、本体だけでも十分な量のコンテンツが揃っている。まずは本体のみでプレイし、気に入ったらDLCを追加する順番が無駄がない。

Steam セールでは本体が大幅に割引されることがあり、DLCもセット割引が適用されることが多い。ウィッシュリストに登録しておき、セールを待つのも賢い買い方だ。

AIの強さは難易度次第

Old World のAIは、難易度設定によって実力差が大きい。最低難易度では圧倒的に勝てるが、高難易度では本当に苦しい戦いになる。慣れてきたら難易度を上げていくと、ゲームの面白さが長続きする。初心者はまず低難易度から始めて、システムを覚えることを優先してほしい。

初心者へのアドバイス

最初はバビロニアかエジプトを選ぼう

初めてプレイするなら、バビロニア(ネブカドネザル王)かエジプト(ハトシェプスト女王)から始めることをすすめる。バビロニアは全都市に毎ターン科学+1と人口成長+20%ボーナスがあり、序盤の研究と都市拡大がしやすい。技術ツリーのランダム性で困りにくい安定した立ち上がりを作れる。エジプトは序盤に大量の石を入手でき、序盤から不思議建造が狙えるという強みがある。

軍事的に攻め込みたいなら、アッシリア(アシュルバニパル)が初心者でもわかりやすい強さを持つ。ユニットがキル毎にオーダーを補充する能力があり、積極的な軍事展開が自然とうまくいくようになっている。

序盤は採石場と木こり小屋の確保を最優先に

Old World の序盤で最も重要なのは、建設コストの基礎資源である石(Stone)と木(Wood)の確保だ。最初のうちは採石場(Quarry)と木こり小屋(Lumber Mill)を都市周辺に積極的に建てて資源基盤を固めることが先決だ。資源がなければ何も建てられない。

採石技術(Stonecutting)は序盤の優先度が高い。採石場に石工(Stonecutter)の専門家を配置すると、石の生産量が増えるだけでなく市民リソース(Civics)も生産され、全体的な建設・行政効率が上がる。

後継者の教育は後回しにしない

王族の継承は、序盤から手をつけておくべき課題だ。王を即位させたら、できるだけ早く結婚させて子どもを産ませること。子どもが生まれたら適切な教師をつけること。「まだ若いから後でいい」と思っているうちに王が急に重体になり、後継者が未育成のまま即位してしまう——という展開は初心者によくある失敗パターンだ。

教師(Tutor)の選択は重要だ。どんな特性を持つ王を育てたいかを考えながら、対応した教師を選ぼう。知恵を高めたいなら知識人タイプ、戦争に強い王を育てたいなら将軍タイプの教師が有効だ。

オーダーは「使い切る」意識で

オーダーは毎ターン余らせるのではなく、できるだけ使い切る意識が大事だ。使わずに終わったオーダーは次のターンに持ち越せない(消えてしまう)。ユニットの移動、農地の開発、採掘場の建設——何か行動できることがあればオーダーを使い切るように習慣づけることで、帝国の発展速度が明らかに上がる。

技術ツリーは「方向性」を決めてから選ぶ

テクノロジーは毎ターン複数の選択肢が提示されるが、目的なく選ぶと散漫になりがちだ。序盤に「軍事に振るか」「経済・文化に振るか」という大きな方針を決め、それに沿った技術を優先的に選んでいくとよい。文化勝利を狙うなら哲学・芸術方面を、軍事征服を狙うなら冶金・戦術方面を意識した選択をしよう。

イベントは後回しにせず、状況をよく読んで選ぼう

イベントの選択肢は、表面上は「いい選択肢」と「悪い選択肢」に見えることが多いが、実際はそれほど単純ではない。目先の資源が増えても、キャラクターの関係が悪化して後々大きな問題になる選択もある。選択の前に、関係するキャラクターの名前・立場・感情を確認する習慣をつけると、後悔が減る。

日本語で文章が書かれているので、きちんと読むだけでもかなりの情報が得られる。「なんとなく良さそう」という感覚で選ぶより、テキストをちゃんと読む方が確実に楽しくなる。

最初の1ゲームは「練習」と割り切る

Old World を初めてプレイするなら、最初のゲームは「ルールを覚えるための練習」と考えてほしい。途中で国が崩壊しても構わない。失敗から学べることがある。2ゲーム目・3ゲーム目になると、システムへの理解が段違いに深まっていることに気づくはずだ。

Steamの返金制度(2時間以内・プレイ2時間未満)も活用できるが、2時間ではシステムの半分も体験できない。判断するなら少なくとも10〜15時間は遊んでから考えるのが、このゲームに対して公平な向き合い方だと思う。

まとめ

Old World は、4Xストラテジーというジャンルに対して「次の答え」を持ってきたゲームだ。Civを知り尽くしたデザイナーが「Civでやりたかったこと、できなかったこと」を詰め込み、古代世界という枠の中で人間のドラマを作り上げた。

オーダー制という発明は、4Xゲームの行動管理の考え方を根本から変えた。王朝の継承と死というメカニクスは、プレイヤーに「永続する国家」ではなく「変化し続ける物語」を体験させる。3,000以上のイベントが生み出す予測不能な歴史の流れは、毎ゲームを「自分だけの古代史」に変える。

Metacriticスコア80点、Steamレビュー82%高評価、PC Gamer 2021年ベストストラテジー——数字の話だけで言えばこの通りだが、実際に遊んだ人の感想の方が伝わりやすいかもしれない。Steam コミュニティには「Civ4以来で一番好きな4Xゲームだ」「100時間以上やってまだ飽きていない」「毎回違う展開で何度でも新鮮」という声が多数ある。

向き不向きははっきりしているゲームだ。ターン制ストラテジーが苦手な人、短時間で終わるゲームを求めている人には向かない。しかし、歴史と人間のドラマが絡み合う重厚な戦略体験を求めているなら、Old World は現在入手できる4Xゲームの中でも最良の選択肢のひとつだ。

日本語に対応し、Steam でのセールも定期的にある。古代地中海世界の興亡と、滅びゆく王家の物語に興味を持ったなら、ぜひ手に取ってみてほしい。

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Old World オールド・ワールド

Mohawk Games
リリース日 2022年5月18日
サービス中
同時接続 (Steam)
880
2026/04/16 アジア圏ゴールデンタイム計測
レビュー
6,387 知る人ぞ知るゲーム
82.3%
全世界
非常に好評
6,387件のレビュー
👍 5,258 👎 1,129
75.3%
やや好評
97件のレビュー
👍 73 👎 24
価格¥3,980
開発Mohawk Games
販売Hooded Horse
日本語非対応
対応OSWindows / Mac / Linux
プレイ形式シングル / マルチ
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