最初の武将ボスに10回死んだ。20回死んだ。30回死んだあたりで一度コントローラーを置いた。
仁王2との出会いはそういうものだった。敵が強い、というより「自分が何もわかっていない」という感覚だ。回避しているのに被弾する。ガードしているのに崩される。気合を込めた一撃がボスに当たっても、HPバーがほとんど削れない。何もかもが噛み合っていなかった。
3時間かけて最初のボスを倒したあと、次のエリアへ進んだ。そこでまた死んだ。また何かを学んだ。また試した。気がついたら10時間が経っていた。
仁王2は「難しいゲームをやっている感覚」が持続するゲームだ。序盤から終盤まで、ずっと自分の成長を感じながら、それでも壁にぶつかり続ける。死ぬたびに「なぜ死んだか」がわかって、次の一手を考える。この繰り返しがいつの間にかやめられなくなる。
仁王2 – The Complete EditionはチームNINJAが開発し、コーエーテクモゲームスが発売したアクションRPGだ。SteamでのAppIDは1325200。舞台は戦国時代の日本で、妖(あやかし)との戦いを中心に展開する。Complete Editionには本編と全DLC3本が収録されており、Steamでの現在の購入版はこのComplete Editionのみだ。Steamのユーザーレビューは「非常に好評」を維持しており、死にゲーとしての評価は「仁王シリーズの集大成」と称されることも多い。
このゲームが何故ここまでのめり込ませるのか、フラットな目で書いていく。
こんな人に読んでほしい

仁王2はすべての人に向いているゲームではない。自分がどちらの側か確認しておいてほしい。
こんな人には強くすすめる:
- 死にゲーのジャンルが好きで、次に遊ぶ一本を探している人
- アクションゲームの操作を体で覚える過程に楽しさを感じる人
- 戦国時代・妖怪・和風ファンタジーの世界観に惹かれる人
- 装備収集とキャラクタービルドをじっくり作り込むのが好きな人
- Elden Ringやダークソウルシリーズをやり込んで「もっと難しいものが欲しい」と感じている人
- ディアブロ系のルート(装備収集)要素を死にゲーに求めている人
- 100時間、200時間と同一タイトルを遊べる周回プレイの楽しさを求めている人
- 協力プレイで友人と難関コンテンツに挑む体験がしたい人
正直きつい場面が多いかもしれない人:
- アクションゲーム全般が苦手、またはあまりプレイしたことがない人
- ゲームに手取り足取り丁寧なチュートリアルを求める人
- 難易度の高さよりストーリーや探索を中心に楽しみたい人
- 死にゲーの経験はあるが「ソウルライク」の操作感に馴染めていない人
- キャラクタービルドや装備の組み合わせを研究する時間を取りたくない人
特に死にゲー初体験の人に伝えておきたい。仁王2はDARK SOULSシリーズやElden Ringより難易度が高い、という感想を持つプレイヤーが非常に多い。敵の動きが速く、攻撃パターンが複雑で、最初のうちはほとんど何もできずに死ぬことが続く。これを「運営側の意図した設計」として受け入れられるかどうかが、このゲームとの長い付き合いの出発点になる。
ゲーム概要

仁王2 – The Complete EditionはチームNINJAが開発し、コーエーテクモゲームスが発売したアクションRPGだ。オリジナルの仁王2は2020年3月12日にPS4で先行発売され、PC(Steam)版は2021年2月5日にリリースされた。Steam AppIDは1325200で、現在Steamで販売されているのはComplete Editionのみとなる。
ジャンルはソウルライク系アクションRPG。プレイヤーは「半妖(はんよう)」——人間と妖の血を引く主人公を操作し、戦国時代の日本を舞台に妖怪や武将たちと戦いながら物語を進める。史実の武将たちが登場するのも本作の特徴で、木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)や織田信長、明智光秀といった実在の人物が物語に深く関わってくる。フィクションと歴史が交差する独自の世界観は、和風アクションとしての没入感を高めている。
Complete Editionには本編に加えて3本の大型DLCがすべて収録されている。DLC1「The Tengu’s Disciple(天狗の御伽)」、DLC2「Darkness in the Capital(王城の魔縁)」、DLC3「The First Samurai(最初の侍)」の3本で、それぞれ独立したエリアと物語を持つ。本編クリア後の更なるコンテンツとして、ゲームの奥深さを大きく広げている。
Steamのユーザーレビューは「非常に好評」を維持しており、死にゲーファンから高い評価を受けている。前作仁王からの大幅なシステム改善と、戦国時代の妖怪ファンタジーという独自の世界観が評価の根拠だ。プレイ時間200時間超のレビューが珍しくないほど、ガチでやり込める一本に仕上がっている。
舞台——戦国時代と妖の世界
仁王2の時代設定は戦国時代末期から安土桃山時代にかけてだ。天下統一に向かう歴史の激動の中に、「常世(とこよ)」と呼ばれる妖の世界が重なり合っている。現世と常世が交差する場所には「よすが」と呼ばれる力が集まり、それを巡って人間と妖が争う——というのが物語の基本的な構造だ。
主人公は「半妖」であることを隠して生きてきた鍛冶屋の少年(または少女)。妖の力を持ちながらも人間として生きてきた主人公が、歴史の渦に巻き込まれながら自分の存在意義を問い続けるのが本作の物語だ。史実の武将たちとの交流はゲーム全体を通してあり、戦国時代の歴史に興味があるプレイヤーほど物語への没入感が増す。
各ミッションは特定の場所・城・山岳地帯などを舞台にしており、前作のように「大きな地続きのマップ」ではなく「ミッションを選んで出撃する」形式をとっている。ミッション形式のため、特定のステージだけを繰り返し練習することも、好きな順序でサブミッションを攻略することも柔軟にできる。
ゲームシステムの詳細
仁王2のシステムは、一見「ソウルライクのリスキー版」に見えて、実際は全く別の思想で設計されている。気力(スタミナ)管理、構え切り替え、妖怪化という3つの軸が複雑に絡み合い、戦闘の奥行きが常人の想像を超えてくる。
気力管理——全アクションの根幹
仁王2の戦闘で最も重要な概念は「気力」だ。ダークソウルのスタミナに相当するが、その重要性はさらに高い。攻撃・回避・ガード・ダッシュのすべてが気力を消費する。そして敵も同様に気力を持っており、敵の気力を0にすると「気力切れ」状態に追い込み、致命的な一撃を叩き込める。
ここに「気力回復アクション」が加わる。攻撃を一連の動作の後に特定のタイミングでボタンを押す「残心(ざんしん)」というアクションだ。残心を決めると消費した気力の一部が即座に回復する。攻撃しながら気力を回復できる——これが仁王2の戦闘リズムの核心だ。
残心を意識せずに攻撃し続けると気力が枯渇し、回避も攻撃もできない状態になる。逆に残心を使いこなせるようになると、攻撃と回復を連動させた流れるような戦闘ができるようになる。仁王2の「上手い戦い方」と「下手な戦い方」の差は、この残心の理解によって生まれる。
三つの構え——状況に応じて使い分ける戦略
仁王2のほとんどの近接武器は「上段・中段・下段」の3つの構えを持つ。構えの切り替えは任意のタイミングで可能で、それぞれに固有の攻撃モーションと特性がある。
上段は攻撃力が高く、ガードを崩しやすい。ただし気力消費が大きく、隙も生まれやすい。大型の敵やボスの攻撃を崩したいときに有効だ。
中段はバランス型。攻撃・防御・気力消費が平均的で、状況を選ばずに対応できる。慣れないうちはまずここから入るのが無難だ。
下段は素早い攻撃と高い気力ダメージが特徴。敵の気力を削って気力切れを狙うのが主な使い方だ。小型の敵や素早い相手に有効だが、攻撃力は低めになる。
この3つを状況に応じて切り替えながら戦うのが仁王2の基本戦略だ。「今の敵には下段で気力を削って、気力切れになったら上段で一気に落とす」という判断が自然にできるようになると、苦手だったボスが急に攻略できるようになることがある。
妖怪技と妖怪化——後半戦の切り札
仁王2が前作から大きく進化した要素のひとつが「妖怪技」と「妖怪化」だ。主人公は半妖なので、倒した妖怪の力を取り込んで使用できる。
妖怪技は戦闘中に任意で発動できる特殊攻撃だ。最大3つの妖怪技をセットでき、装備した妖怪の種類によって技の種類が変わる。遠距離攻撃型、範囲攻撃型、気力削り型など様々な種類があり、自分の戦闘スタイルやボスの弱点に応じて選択できる。
妖怪化は一定時間、主人公が妖の姿に変身するシステムだ。変身中はHPが大幅に上昇し、通常とは異なる強力な攻撃が使える。ピンチの切り返しや、ボスへのダメージチャンスを最大限に活かすタイミングで使うのが基本的な使い方だ。
さらに「骨抜き」という敵の妖怪技を受け止めてから奪い取る特殊アクションがある。成功すると敵の大技を無力化しながら大ダメージを与えられる上級テクニックで、これを使いこなせるかどうかで後半ステージの難易度が大きく変わる。
武器種と特技——14種類の武器それぞれに深さがある
仁王2の武器種は14種類ある。刀、双刀、槍、薙刀鎌(なぎなたかま)、斧、手槌(てつき)、鎖鎌、忍者刀、双剣、弓、火縄銃、手裏剣、爪(かぎ爪)、そして「仕込み刀(しこみがたな)」だ。
各武器種には固有の「特技」が多数存在する。特技は武器を習熟(使用回数を重ねる)することで習得でき、技ポイントを消費して解放する。全ての特技を解放しようとすると膨大な時間がかかるが、自分のプレイスタイルに必要な技だけを選んで習得することもできる。
武器ごとの使用感は非常に異なる。刀は機動性が高くオーソドックスなアクションに向き、斧は重くて遅いが一撃の重さが圧倒的、双刀は素早い連打で気力を削るのに向く、鎖鎌はリーチと攻撃パターンの多彩さで対応力が高い——と、どれを選ぶかでゲームの体験が変わる。
14種類すべてに深みがあるため「使ったことのない武器で2周目」という遊び方ができる。これが仁王2の周回プレイへの動力のひとつだ。
装備と守護霊——ディアブロ的なルート要素
仁王2の装備システムはソウルライクゲームの中でも特殊だ。敵を倒すと装備が大量にドロップする。その装備にはレアリティ(白・黄・青・紫・金)があり、同じ装備でもランダムな追加効果がつく。より高いレアリティ・より有用な追加効果を求めてミッションを周回する——いわゆるディアブロ的な「ルート(装備収集)」の楽しさが仁王2にはある。
「守護霊(しゅごれい)」は精霊のような存在で、主人公に常時ついてバフ(能力向上)を与えてくれる。複数の守護霊を育てて状況に応じて切り替えることができ、ビルドの強化に大きく関わってくる。
「魂核(たましいこあ)」というシステムもある。倒した妖怪から魂核を入手し、装備に埋め込むことで能力や妖怪技を追加できる。魂核の組み合わせによってビルドの幅が大きく広がり、「理想のビルドを作るために素材を集める」という目標がゲームを何十時間も支え続ける。
装備品には「セット効果」を持つものもある。同じシリーズの装備を複数装備することで発動する特殊効果で、特定のプレイスタイルを大きく強化する。このセット効果を狙って装備を集めるのも周回の動力のひとつだ。
難易度と周回——終わらないやり込みの構造
仁王2の難易度設定は「人間(初級)」「侍(標準)」「強者(やや難)」「剛者(高難度)」の4段階で選択できる。ただし本作の本質的な難しさはストーリー進行後にやってくる「後半以降のコンテンツ」にある。
本編クリア後に「夢幻ノ白骨(むげんのしらほね)」という高難度コンテンツが解放される。さらにNG+(2周目以降)を重ねるたびに「修羅(しゅら)」「正史(せいし)」「修羅の真」という追加の難易度が開放され、装備の強化上限も上がる。これらの難易度では通常の武将ボスですら圧倒的な強さで迫ってくる。
「最強のビルドを作って最高難度のコンテンツをクリアする」という目標が常に先に存在する設計で、500時間・1000時間と遊んでいるプレイヤーも一定数いる。ソウルライクとルートゲームの組み合わせが生み出す、この底なし沼的な奥行きが仁王2を特別な存在にしている。
オンラインマルチプレイ——協力と助っ人
仁王2のオンラインプレイは「鳥居」と呼ばれる召喚ポイントから他プレイヤーを呼び込む協力プレイが基本だ。難しいボスの前で助っ人を呼んで一緒に攻略できる。
「遺髪(いはつ)」という他プレイヤーの残したオフラインデータを呼び込んでNPCとして一時的に戦わせることもできる。オンライン接続がなくても、世界中のプレイヤーが残したデータを活用した形での「間接的な協力」が可能だ。
PvPは「血刀塚(ちがたなづか)」を通じた対人戦として存在するが、仁王2のメインは協力プレイの側だ。難しいボスに友人と一緒に挑む体験は、ソロ攻略とはまた異なる達成感がある。
Complete Editionに収録されている3本のDLC

Complete Editionに収録されている3本のDLCは、いずれも本編とは異なる時代・場所を舞台にした独立した物語を持つ。ボスや装備の質・量も相当なもので、本編クリア後の目的地として申し分ない。
DLC1「天狗の御伽(The Tengu’s Disciple)」
DLC1は奈良・平安時代を彷彿とさせる神話的な世界観が舞台だ。白狼の天狗をめぐる物語で、本編とは異なる歴史的背景の中で戦いが展開する。
新武器として「薙刀鎌」が追加された。長いリーチと多様な攻撃モーションを持つ独特の武器で、本編にはなかった戦闘スタイルを実現できる。新たな守護霊・魂核・装備セットも多数追加され、ビルドの幅が一気に広がる。
ボスの質という意味でも本編に負けず劣らずの完成度で、特に「鵺(ぬえ)」「天逆大星(あまさかるほし)」といった強敵との戦いは記憶に残るものがある。
DLC2「王城の魔縁(Darkness in the Capital)」
DLC2は平安時代末期の都を舞台にしたコンテンツだ。貴族文化と妖怪が混在する独特の世界観で、本編の戦国時代とは明らかに異なる雰囲気を持つ。
新武器「双剣(ふたつ剣)」が追加された。機動性の高い素早い攻撃が持ち味で、気力削りを中心とした戦闘スタイルを好むプレイヤーに人気が高い。
このDLCで評価が特に高いのがボスの質だ。「鵺(ぬえ)の再来」「酒呑童子(しゅてんどうじ)」など伝説の妖怪を題材にしたボスとの戦いは、仁王2全体を通しても屈指の完成度と言われている。達成感も格別で「DLC2だけで仁王2の元が取れた」という声も見られる。
DLC3「最初の侍(The First Samurai)」
DLC3は本作のシリーズ全体の「始まりの物語」に関わる内容で、仁王1との繋がりも示唆される。歴史の起源に触れるような壮大なスケールのストーリーが展開する。
新武器「仕込み刀(しこみがたな)」が追加。一見すると普通の杖や木刀に見えるが、刀を仕込んでいる独特の武器で、リーチと近距離の使い分けができる変わり種武器だ。
DLC3の難易度は3本の中で最も高い。本編・DLC1・2を通じて鍛えた実力のすべてが試される設計になっており、Complete Editionを遊ぶ上での最後の壁として機能している。
仁王2が今もプレイされ続ける理由
2020年発売から時間が経った今も、仁王2は新しいプレイヤーを取り込み続けている。なぜこれほど語られ続けるのかを考えてみると、いくつかの明確な理由がある。
アクションの奥深さが他の死にゲーと異なるレベルにある
ダークソウルやElden Ringのアクション性の高さは広く知られているが、仁王2のアクション密度はさらに上を行くと評する声が多い。三つの構え・残心・妖怪技・骨抜き・妖怪化——これらを状況に応じて瞬時に使い分けるアクションゲームとしての深みは、近年の死にゲーの中でもトップクラスだ。
「強くなっている実感」が非常に鮮明なのも特徴だ。序盤は構えの切り替えも残心もほとんどできずにただ被弾し続ける。しかし20時間・30時間と経つにつれて、「あのボスが苦もなく倒せる」「残心を当然のように使えている」という変化が起きる。ゲームが難しいまま自分が変わっていく体験は、他ではなかなか得られない。
ビルドの構築が底なし沼
14種類の武器、複数の守護霊、魂核の組み合わせ、レア装備のセット効果——これらを組み合わせたビルドの可能性は膨大だ。「このビルドで行くと決めたら、そのビルドに必要な素材を集めて強化して、実際に運用してみる」というサイクルが何十時間も続く。
コミュニティでは「最強ビルド研究」が今も続いており、新しい発見や攻略法が共有され続けている。「理論上最強のビルドを組む」という目標を持つプレイヤーにとって、仁王2は終わりのないゲームだ。
和風世界観の完成度が高い
日本の歴史・神話・妖怪に詳しい人ほど、仁王2の世界観への没入感が深まる。史実の武将たちの登場はただの「名前の使用」ではなく、彼らの性格や逸話をゲームのシナリオに落とし込んでいる。木下藤吉郎(秀吉)の底知れない野心、信長の「常識に縛られない」人物像——歴史的な人物像がゲームのキャラクターとして生き生きと描かれている。
妖怪のデザインも日本の伝承に基づきながら、ゲームとしての視覚的な迫力を両立させている。一つ目小僧、河童、天狗、酒呑童子——日本人にとって馴染みある存在が、手強いボスとして立ちはだかる体験は唯一無二だ。
高難度コンテンツの継続供給
本編クリア後に解放される「夢幻ノ白骨」、周回を重ねるたびに強くなる難易度段階——仁王2はクリアが終わりではなく、「本当の難しさはここから」という設計になっている。高難度のコンテンツを目指すプレイヤーには何ヶ月・何年分のコンテンツがあり、これが「引退できない」と感じるプレイヤーを生み出している。
気をつけておきたい点

仁王2の良い面だけ書いても不誠実なので、正直に伝えておきたい点もまとめる。
序盤の難易度の高さがかなりきつい
多くのプレイヤーが「序盤のボスで何十回も死んだ」と語る。これは仁王2固有の問題ではなく「死にゲーとして設計されている」ことの結果ではあるが、他のソウルライクより序盤の壁が高いと感じるプレイヤーは多い。システムを理解するまでに時間がかかる上、最初のうちはそもそも「何が間違っているのか」すらわかりにくい。
「2時間やったが全く楽しめなかった」という人の多くは、システムを理解する前にやめてしまっているケースが多い。序盤5時間を乗り越えるかどうかが分岐点になる。
システムが複雑すぎてとっつきにくい
三つの構え、気力管理、残心、妖怪技、骨抜き、妖怪化、装備のレアリティ、魂核の組み合わせ——覚えることが多い。チュートリアルはあるが、全てを理解した状態で戦いに臨むには時間がかかる。
「とりあえず中段で殴って回避して倒す」という力技でもある程度進めるが、後半では通用しなくなる。どこかで一度立ち止まってシステムを整理する時間を作らないと、難しいまま続けることになる。
装備が多すぎて管理が大変
ディアブロ的なルート要素の弊害として、装備品のドロップが非常に多い。インベントリがすぐに満杯になり、不要な装備を分解・売却する手間が常に発生する。この作業をある程度楽しめるかどうかも、仁王2との相性に関わってくる。
装備の整理に慣れれば苦ではなくなるが、最初のうちは「何を残して何を捨てればいいのかわからない」状態になりやすい。
ストーリーの説明が足りないと感じる場面がある
歴史的な背景知識がないと、物語の一部で「誰が誰なのか」「何のためにこの戦いをしているのか」がわかりにくい場面がある。史実の武将を題材にしているがゆえに、戦国時代の知識がある人ほど物語への没入感が高まる設計になっている側面がある。
逆に言えば、歴史に詳しい人にとっては「あの人物をこう解釈するのか」という発見が随所にある。好みの分かれる部分だ。
日本語環境について
Steam版は日本語に完全対応している。テキスト・UI・音声すべてが日本語でプレイでき、特に言語面での支障はない。
初心者へのアドバイス
仁王2を始める人に向けて、知っておくと序盤がずっと楽になることを書く。攻略情報というより「このゲームとの向き合い方」に近い内容だ。
最初に中段で戦うことから始める
三つの構えは全て重要だが、序盤のうちは中段で戦うことを基本にしてほしい。上段は火力が高い分、スキが大きくて被弾しやすい。下段は気力ダメージ向けで序盤の小物には有効だが、ボスには通じにくい場面もある。中段はバランスが良く、まずこれでゲームのリズムを体に染み込ませることを優先してほしい。
慣れてきたら少しずつ上段・下段を混ぜていく。いきなり三つの構えを使い分けようとすると混乱するので、一歩ずつで良い。
残心を意識して使う習慣をつける
仁王2の上達で最初の大きな壁が「残心を意識すること」だ。攻撃後にR1(またはRB)を押して気力を回復する——この動作を意識するだけで、戦闘中の気力切れが劇的に減る。最初は残心を決めようとして逆に被弾することもあるが、慣れると自然に出るようになる。
残心が当たり前にできるようになった時点で、序盤で苦労していたボスがかなり楽になっているはずだ。
死んだときに「なぜ死んだか」を考える
仁王2で上達する最大の方法は「死因分析」だ。「気力が切れて動けなくなった」「ボスの攻撃モーションが読めなかった」「複数の妖怪に囲まれた」——それぞれに対応策がある。
気力切れが原因なら残心を使う。モーションが読めないならガードしながらパターンを観察する。囲まれるなら一体ずつ引き離す工夫をする。「死 = 失敗」ではなく「死 = 情報」として扱える人が、仁王2を楽しめるようになる。
消耗品は惜しまずに使う
仁王2ではボスの前に消耗品の補充ができる。丹薬(HP回復)、武器・防具の耐久回復材、一時的な能力強化バフ——これらを積極的に使う習慣をつけてほしい。「もったいない」と思って温存し続けると、消耗品を持ったまま何十回も死ぬことになる。
消耗品は使うためにあり、使いながら戦うのが仁王2の設計だ。ボスの前にHP強化バフをかけてから挑む——この小さな準備が試行回数を大きく減らすことがある。
守護霊は「魂代(たまや)の増加」が高いものを選ぶ
序盤の守護霊選びで迷ったら「魂代ゲージの最大値を増やす」ものを選んでおくと、妖怪化の使用頻度が上がる。妖怪化はピンチの切り返しに非常に有効で、序盤は特に「ピンチで妖怪化して立て直す」という使い方が安定につながる。
武器の習熟は絞る
14種類の武器全てに習熟しようとすると時間が分散する。まず1〜2種類に絞って習熟度を上げ、特技を解放していく方が実用的だ。特技が揃ってくると戦闘の選択肢が増え、「この武器を使いこなしてきた」という感覚が生まれてやり込み度が深まる。
DLCは本編クリア後に
Complete EditionにはDLC3本が含まれているが、難易度は本編の終盤より高い水準だ。本編ストーリーをクリアして、操作感とシステムを十分に習得してからDLCに挑む方が確実に楽しめる。特にDLC2・3は中盤以降の難易度が厳しく、装備の強化もある程度必要になる。
まとめ
仁王2 – The Complete Editionは、死にゲーとして現時点で到達できる最高水準の一本だと思う。
グラフィックは2020年発売という世代なりのもので、最新の大型タイトルと比べると見劣りする場面もある。システムの複雑さは人によっては「覚えることが多すぎる」と感じるかもしれない。序盤の壁の高さは、他の死にゲーより厳しい部分がある。
それでも「仁王2をやり込んだ人間」には何か特別なものが残る。三つの構えを使い分けながら気力を管理し、残心を当たり前のように使いながら戦闘している状態に達したとき——そこで感じる「自分は上手くなった」という確信は、他のゲームではなかなか体験できないものだ。
フュームナイトや酒呑童子といった難関ボスを初めて倒した瞬間の達成感は、難しかった分だけ純粋に大きい。「あの強さのボスを自分の力で倒した」という事実は、プレイを終えた後も残り続ける。
装備収集とビルド構築の底なし沼は、「最高難度のコンテンツをこのビルドで攻略する」という目標を常に前に置いてくれる。100時間で満足する人もいれば、500時間経っても「もう少し強くしたい」と戻ってくる人もいる。
Elden Ringで死にゲーの世界に入って「もっと難しいものが欲しい」と思った人、ダークソウルシリーズをやり込んで次の挑戦を求めている人、戦国時代の世界観で死にゲーを体験したい人——仁王2 Complete Editionは、その問いへの答えとして間違いなく一本だ。
最初の10時間は「なんて難しいんだ」という感覚が続くかもしれない。しかし30時間後には、この戦国の世界から抜け出せなくなっているはずだ。
仁王2 Complete Edition
| 価格 | ¥6,380 |
|---|---|
| 開発 | KOEI TECMO GAMES CO., LTD. |
| 日本語 | 非対応 |
| 対応OS | Windows |
| プレイ形式 | シングル / マルチ |

