SMITE

SMITE|神々が戦うTPSシューター感覚のMOBA、その全貌を解説

「MOBAってなんか難しそう」と思っていた人が、SMITEを触った途端に「これは全然違う」と言い出す場面を何度も見てきた。それもそのはずで、SMITEはLeague of LegendsやDota 2と同じMOBAというジャンルでありながら、カメラ視点が真上から見下ろす形ではなく、キャラクターの後ろから追いかける三人称視点(TPS)になっている。

この違いがものすごく大きい。上から俯瞰して全体を把握しながら戦う従来のMOBAとは根本的にプレイ感覚が異なる。SMITEはまるでアクションゲームかシューターゲームのように動き回り、スキルを手動でエイムして当てる。「俺はMOBAじゃなくてアクションゲームがやりたいんだ」という人こそ、実はSMITEにハマりやすい。

SMITEはHi-Rezスタジオが開発・運営するゲームで、2014年にPC版が正式リリースされた。世界中の神話に登場する神々や英雄たちが「ゴッド(God)」として実装されており、ギリシャ神話のゼウス・アテナ、北欧神話のオーディン・ソー、エジプト神話のラー・アヌビス、日本神話の素戔嗚尊(スサノオ)、道教の関羽といったキャラクターたちが一つのゲームの中で激突する。設定からしてすでにカオスで面白い。

2022年にはSMITE 2の開発が発表され、2024年からアーリーアクセスが始まった。現在はSMITE(初代)とSMITE 2が並行して動いている状況だ。本記事では主にSMITE(初代)を中心に、SMITE 2との関係も含めて解説していく。SMITEのSteam App IDは386360、WordPressの投稿IDは68441だ。

「MOBAに興味あるけどLeague of Legendsはハードルが高い」「アクションゲームが好きでMOBAもやってみたい」「神話キャラが好き」という人に特に読んでほしい。長くなるけど、最後まで読めばSMITEのことは一通りわかるはずだ。

目次

こんな人に向いているゲーム

SMITE® MMORPG スクリーンショット1
  • League of LegendsやDota 2に興味があるけど、見下ろし視点が苦手な人
  • アクションゲームやTPSゲームが好きで、MOBAも試してみたい人
  • ギリシャ・北欧・エジプト・日本など世界各地の神話が好きな人
  • スキルをエイムして当てる爽快感を求めている人
  • 基本プレイ無料でがっつり遊べるゲームを探している人
  • 競技シーンのある対戦ゲームに挑戦してみたい人
  • チームで連携して戦う戦略性のあるゲームが好きな人

逆に「マップ全体を俯瞰しながら緻密な計画を立てるのが好き」「一人で黙々と遊びたい」「複雑な操作が苦手」という人には少しキツいかもしれない。SMITEは視野の管理と瞬間的な判断が求められるゲームなので、のんびりペースで遊ぶゲームではない。

SMITEとはどんなゲームか

SMITEはMOBA(Multiplayer Online Battle Arena)というジャンルのゲームだ。基本的な目標は「相手チームのベース(Titan)を破壊する」こと。2チームに分かれて3本のレーンがあるマップで戦い、敵の防衛施設を壊しながら進んでいき、最終的に本拠地を落とした方が勝ちという構造は、他のMOBAと同じだ。

しかし決定的に違うのが視点だ。League of LegendsやDota 2は空から見下ろす視点で、マウスクリックで移動し、スキルを範囲指定で撃つことが多い。SMITEはキャラクターの後ろについていくTPS視点で、WASDキーで動き、スキルは前方向に自分でエイムして当てる必要がある。この違いがプレイの質感を根本から変えている。

「MOBAはちょっと……」という人がSMITEを敬遠してしまうのはもったいない。SMITEはアクションゲームとして入れる設計になっており、従来MOBAの「クリックして移動」「範囲指定スキル」という部分が苦手な人でも直感的に遊べる。TPSゲームが好きな人なら操作感覚はすぐ掴める。

基本スペックとプラットフォーム

対応プラットフォームはPC(Steam)、PlayStation 4/5、Xbox One/Series X|S。クロスプレイには対応しているが、プラットフォームをまたいだマッチングには設定が必要だ。基本プレイ無料で、Steam App IDは386360。Steamでのリリース日は2015年8月で、正式サービス自体は2014年から始まっている。

推奨スペックは以下の通り。

  • OS:Windows 7 64-bit以上
  • プロセッサ:Core i5またはAMD Phenom II X3相当以上
  • メモリ:6GB RAM以上
  • グラフィック:NVIDIA GeForce GTX 470またはAMD Radeon HD 6870以上
  • ストレージ:30GB以上の空き容量

グラフィック自体はそこまで高負荷ではなく、ミドルスペックのPCでも問題なく動く。ゲームプレイ中の通信遅延(ラグ)の方が問題になりやすいので、有線LAN環境推奨だ。

開発・運営会社について

Hi-Rez Studiosはアメリカ・ジョージア州アトランタに本拠を置くゲーム会社で、SMITEのほかにPaladins(TPS系のヒーローシューター)、Rogue Company(チームタクティカルシューター)なども開発している。設立は2005年で、比較的小規模なスタジオながら、長年にわたってSMITEを運営し続けている。

Hi-Rezはユーザーとの距離が近い運営スタイルで知られており、開発スタッフが配信で直接プレイヤーの意見を聞く「Hi-Rez Showcase」なども定期的に実施している。一方で、過去にはサポートの遅さや特定の判断に批判を受けることもあった。長年の運営ゲームにありがちな「良くも悪くも独特の空気感がある運営」という印象だ。

三人称視点がもたらすプレイ体験の違い

SMITE® MMORPG スクリーンショット2

SMITEを他のMOBAと比較したとき、三人称視点(TPS)という要素がいかに大きいかを改めて考えてみたい。

League of Legendsでは、自分のキャラクターは画面の中の一つのアイコンとして存在し、マップ全体を見渡しながら戦略的に動く。視野が広い分、状況把握はしやすいが、没入感は薄い。SMITEでは自分のキャラクターの後ろにカメラがついていて、前方の視野は限られる代わりに「自分がその神として戦っている」感覚が強い。

スキルの当て方も根本的に違う。League of Legendsのスキルには「クリックした場所に飛んでいく」「範囲指定でボタンを押した場所に落ちる」といった形式が多い。SMITEのスキルは基本的に「今向いている方向に発動する」ものが多く、エイムが直接成否に影響する。素早い敵に対して先読みして撃つ、壁や地形を活用して当てる角度を作るといったアクションゲーム的な技術が求められる。

この違いにより、「スキルが上手く当たった!」という達成感はSMITEの方が直感的に感じやすい。逆に言えば、エイムが苦手な人は最初のうち当てるだけで精一杯になることもある。それでもゴッドによってスキルの当てやすさは大きく異なるので、最初は当てやすいキャラを選ぶのが重要だ。

視野管理という新しい課題

TPS視点の弱点は視野の狭さだ。League of Legendsでは真上から見るので、周囲の状況がよくわかる。SMITEでは自分の前方しか見えないため、後ろからの奇襲に気づきにくい。ミニマップの活用が不可欠で、マップを常に意識しながらゲームを進める習慣をつけないと、繰り返し不意打ちを食らうことになる。

これはSMITEの欠点とも言えるし、「アクション性を高めるための仕様」とも言える。TPSゲームで当然のように経験する「後ろから撃たれる恐怖」が、MOBAの文脈でも発生するという独特の感覚だ。慣れると360度に気を配ることができるようになり、それ自体が技術になっていく。

ゴッドシステム──世界の神話が一堂に会す

SMITEの最大のアイデンティティは「世界の神話から引っ張ってきたキャラクター(ゴッド)たちが戦う」という設定だ。ギリシャ、北欧、エジプト、ローマ、ヒンドゥー、中国、日本、ケルト、マヤ、アステカ、バビロニア、ヴードゥー、ポリネシア、日本など、多岐にわたるパンテオン(神話体系)から100体以上のゴッドが実装されている。

実装数はタイトルのライフサイクルが長いこともあって非常に多く、2024年時点で120体を超えるゴッドが存在する。新ゴッドは数ヶ月に一度のペースで追加されており、毎回どんな神話からどんなキャラクターが来るかがコミュニティの話題になる。

ゴッドの役割(ロール)

各ゴッドには主に5つのロールがある。

Warrior(ウォリアー)は近接型の万能ファイターだ。そこそこの耐久力と攻撃力を持ち、前線で戦える。初心者にも扱いやすいゴッドが多い。ヘラクレスやアーサー王などが代表例。

Guardian(ガーディアン)はタンク兼サポート役だ。耐久力が高く、チームを守るスキルや敵を妨害するスキルを持つ。自分で活躍するというよりチームを勝たせる役割で、味方に恵まれると非常に強いが、単独では動きにくい。クポー・ポリ(クパ・ポリ)やジャーマス(Ymir)などが有名。

Hunter(ハンター)は遠距離物理攻撃型のキャリーだ。ゲームが進むにつれてダメージが爆発的に伸びる。後半の主力になるが、序盤は脆いので守ってもらう必要がある。ネイト(Neith)やアルテミス、ラウ(Hou Yi)などが代表格。

Mage(メイジ)は遠距離魔法攻撃型のキャリーだ。Hunterと似た役割だが、魔法ダメージを主力とする。スキルダメージが高く、爆発的な瞬間火力を出しやすい。ラー(Ra)、ポセイドン、ゼウスなどが代表例で、初心者にも比較的入りやすいゴッドが多い。

Assassin(アサシン)は近接ダメージ特化型だ。機動力が高く、重要な敵ターゲットに飛び込んで一瞬で倒すことを得意とする。ダメージは高いが耐久力は低く、キルを取れないと苦しい展開になりやすい。ロキ(Loki)、スサノオ(Susano)、マーリン(Merlin)などが人気。

日本神話のゴッドたち

SMITEには日本神話のゴッドも複数実装されており、日本人プレイヤーには親しみやすいキャラクターも多い。スサノオ(Susano)はアサシンロールで、嵐をテーマにした機動力の高い近接ゴッド。アマテラスはウォリアーロールで、光をテーマにした接近戦と支援のミックス型。ツクヨミ(Tsukuyomi)はハンターロールで、月をモチーフにした遠距離物理アタッカーだ。

日本神話が好きな人にとっては「神様の解釈どうなってるんだ」と気になる部分もあるかもしれないが、SMITEは各神話のキャラクターを尊重した形でデザインしようとする姿勢があり、日本神話ゴッドも一定の評価を受けている。

無料ゴッドと購入ゴッドの仕組み

SMITEは基本プレイ無料だが、すべてのゴッドがデフォルトで使えるわけではない。毎週5〜6体のゴッドが無料ローテーションで使用可能になっており、それ以外のゴッドは解放する必要がある。解放方法は以下の通りだ。

  • Favor(フェイバー):ゲームをプレイすることで貯まるゲーム内通貨。無料でゴッドを解放できる
  • Gems(ジェム):課金で入手できるプレミアム通貨。ゴッドの解放だけでなくスキン購入にも使う
  • God Pack(ゴッドパック):現在実装されているすべてのゴッドを一括で解放できるパック。今後追加されるゴッドも含む。価格は約30ドル程度

無料でも毎週のローテーションゴッドで十分遊べるが、気に入ったゴッドを固定で使い続けたい場合はFavorで解放するのが基本。全ゴッドを使いたいならゴッドパックが最もコスパが良い。

ゲームモードの種類

SMITE® MMORPG スクリーンショット3

SMITEにはいくつかのゲームモードがあり、それぞれ戦略性とプレイ時間が異なる。

Conquest(コンクエスト)──メインモード

SMITEの代表的なゲームモードであり、競技シーンで使われる標準的な5v5フォーマットだ。3つのレーン(トップ、ミッド、ボット)とジャングルエリアで構成されたマップを舞台に戦う。各レーンにはタワー(防衛施設)とフェニックス(中間基地)があり、それらを破壊しながら最終目標のTitan(タイタン)を倒すことが目的だ。

一試合の時間は30分から50分程度。序盤は各レーンでの一対一の戦い(レーニング)が中心で、中盤以降はジャングルモンスターの取り合いや集団戦(チームファイト)に移行していく。League of Legendsをやったことがある人なら構造は理解しやすいが、視点とスキルシステムが違うので別物として慣れる必要がある。

Conquest用のロール分担は以下が一般的だ。

  • ソロレーン:耐久系ゴッド(Warrior・Guardian)が1人で守る
  • ジャングル:機動力の高いAssassinなどが回遊しながら各レーンを支援
  • ミッドレーン:Mageが1人。中央の要所を抑える
  • ボットレーン(Duo):Hunter(ADC)とGuardianのサポートペア

Arena(アリーナ)──初心者向けカジュアルモード

広い円形フィールドで5v5の団体戦をするシンプルなモード。レーンもタワーも関係なく、ひたすら相手を倒し続け、敵のチケット(ポイント)を0にしたら勝ちというわかりやすいルール。一試合の時間は15〜20分程度でコンクエストより短い。

初心者がゴッドの動かし方を覚えたり、新しいゴッドのスキルを試したりするのに向いている。ただしArenaで勝てるからといってConquestでも同じように動けるとは限らないので、MOBAとしての戦略を学ぶ場としては限界がある。カジュアルに楽しむ場として活用するのがベストだ。

Joust(ジャウスト)──3v3の単レーンモード

3対3、1本レーンで戦うシンプルな形式。Conquestより少人数なので、個人技の影響が大きくなる。Conquestの戦略を学ぶステップとしても使えるし、少人数のチームで遊びたいときにも向いている。一試合20〜30分程度。

Siege(シージ)──4v4の攻城モード

4対4で、2本のレーンを舞台に戦う。シージバラード(攻城ユニット)を呼び出す仕組みがあり、この大型ユニットが防衛施設を壊しながら進んでいく。他のモードより短時間で決着がつきやすく、テンポが速い。

Assault(アサルト)──ランダムゴッドの5v5

ゴッドがランダムで割り当てられる1本レーンの5v5モード。使い慣れていないゴッドを強制的に使うことになるので、ゴッドへの理解を広げるのに向いているし、お祭り的な楽しさもある。ただしゴッドの相性で有利不利が生まれやすく、シリアスな競技向けではない。

その他のモード

SMITEは期間限定モードも定期的に登場する。ハロウィンやクリスマスに合わせた特別マップや、特殊ルールの期間限定戦など、コアゲームプレイ以外の楽しみ方も提供されている。

ゲームプレイの流れ──一試合の中で何が起きているか

SMITEのConquestを例に、一試合がどのような流れで進むかを整理する。

試合前:ゴッド選択(ドラフト)

カジュアルマッチではゴッドを自由に選べるが、ランクマッチではドラフト形式になる。各チームが交互にBANとPICKを行い、敵チームとの相性を考えながらチーム編成を組む。ここから実質的に試合は始まっているし、MOBA経験者はドラフトの楽しさを特に評価することが多い。

序盤(レーニングフェーズ)

試合開始直後はゴールド(お金)を稼ぎながら各レーンでポジションを取る。敵ミニオン(兵士)を倒してゴールドを稼ぎ、一定額になったらベースに帰って装備を購入する。装備はMOBAの定番で、攻撃力・防御力・魔法力・体力などを強化するアイテムをスタックしていく。

ジャングルゴッドはレーンには入らず、中立モンスターキャンプを倒して経験値とゴールドを稼ぎながら、各レーンにガンク(奇襲)を仕掛けてキルを狙う。Conquestにおけるジャングルの動きはゲームの展開を大きく左右する重要な役割だ。

中盤(オブジェクト争い)

序盤のレーニングが終わると、マップ上の重要オブジェクト(中立強モンスター)の取り合いが始まる。SMITEのConquestマップには「ゴールドフューリー(Gold Fury)」「ファイアジャイアント(Fire Giant)」などの特殊なモンスターがいて、これを倒したチームはボーナスを得られる。これらのオブジェクトをどちらが取るかがゲームの流れを決める重要な争点になる。

このあたりから5人全員でチームファイトが起きることが増える。味方との連携が試される局面で、誰が前に出て誰が後ろからサポートするかのポジション取りが重要だ。

終盤(防衛施設崩壊とタイタン戦)

タワーやフェニックスが壊れていくと、本拠地のタイタンへの直接攻撃が可能になる。タイタンは単体でも強力な敵なので、戦力が整っていないと突っ込んでも倒せない。逆に完璧なチームファイトで勝って全員でタイタンに攻め込むと、圧倒的なカタルシスがある。

装備システムと成長の仕組み

SMITE® MMORPG スクリーンショット4

SMITEは試合中に装備(アイテム)を購入して自分のゴッドを強化していく。この装備システムがMOBAとしての戦略の深みを生んでいる。

アイテムの種類と選び方

SMITEのアイテムは大きく「物理アイテム」と「魔法アイテム」に分かれる。Warrior・Hunter・Assassinといった物理ゴッドは物理系アイテムを、Mage・Guardianは魔法系アイテムを主に使う。

アイテムには「ビルドパス」があり、安価な基礎アイテムを購入してから強化することで最終アイテムになる仕組みだ。序盤はゴールドが少ないので基礎アイテムを買い、中盤以降に完成形アイテムに仕上げていく。

アイテム選択には正解と不正解がある程度存在する。「このゴッドにはこのアイテムが強い」という推奨構成がコミュニティで研究されており、初心者はまず推奨ビルドをコピーするところから始めるのが無難だ。慣れてきたら敵チームの構成に合わせてビルドを変えることで、さらに戦略性が上がる。

アクティブアイテム(Relic)

SMITEにはゴッドのスキルとは別に「レリック(Relic)」と呼ばれるアクティブアイテムがある。試合中に2個まで持てて、クールダウン付きで使用できる特殊能力アイテムだ。例えば「Blink(ブリンク)」は短距離ワープができ、「Aegis Amulet(イージスアミュレット)」は一時的に無敵状態になる。

レリックの選択も戦略の一部で、アサシンなら奇襲力を高めるBlinkを持つ、タンクなら仲間を守るサポート型レリックを持つなど、ロールや状況に合わせた選択が求められる。

競技シーンとランクシステム

SMITEには本格的な競技シーンが存在する。Hi-Rezが主催する「SMITE Pro League(SPL)」はプロリーグで、北米・ヨーロッパのチームが年間を通じて争う。年末には世界大会「SMITE World Championship」が開催され、賞金総額は過去に100万ドルを超えたこともある。

ランクシステムはBronze・Silver・Gold・Platinum・Diamond・Mastersの段階に分かれており、Conquestのランクマッチで勝敗を積み重ねることで昇降格する。カジュアルとランクの間でシステムの違いはあまりなく、まずカジュアルでゴッドを理解してからランクに挑戦するのが一般的な流れだ。

競技シーンの独特の文化

SMITEの競技シーンはLeague of Legendsほど規模は大きくないが、熱量の高いコアファンに支えられている。プロプレイヤーの配信や大会のアーカイブが豊富にあり、上位プレイヤーのプレイを見ることで戦略を学べる環境が整っている。

日本では英語での情報収集が必要になるケースが多いが、SMITEのコミュニティはReddit(r/Smite)やDiscordで活発に活動しており、英語に抵抗がなければ膨大な情報にアクセスできる。

SMITEが人気を集める理由

SMITE® MMORPG スクリーンショット5

SMITEがリリースから10年以上経った今でも一定のプレイヤーベースを維持しているのには、いくつかの理由がある。

理由1:MOBA入門として機能する独自性

従来のMOBAは「動作の敷居が高い」という問題があった。マウスクリックによる移動、範囲指定スキル、マップ全体を見ながらの状況判断といった要素は、アクションゲームに慣れた人には直感的でないことが多い。SMITEはTPS視点と直感的なスキルエイムによって、アクション系ゲームプレイヤーがMOBAに入りやすい橋渡し役を担っている。

「MOBAやってみたいけどLoLはよくわからなかった」という人が、SMITEなら楽しめることは珍しくない。逆に言えば、SMITEをきっかけにMOBAというジャンル全体への理解が深まることもある。

理由2:神話キャラクターというテーマの強さ

世界各地の神話から引っ張ってきたキャラクターたちが同じフィールドで戦うというコンセプトは、単純に面白い。ゼウスとオーディンが戦い、ラーとアヌビスが並び立ち、スサノオがアサシンとして駆け回る。「自分の好きな神話の神様を使って戦える」という動機がプレイヤーを引き込む。

各ゴッドのデザインは神話の要素を踏まえつつ、ゲームとして動かして面白いように調整されている。神話好きなら「この解釈は面白い」「ちょっと違う気がする」という楽しみ方もできるし、神話に詳しくなくてもキャラクターとして魅力的な見た目と能力を持ったゴッドを楽しめる。

理由3:継続的なアップデートとコンテンツ追加

SMITEは10年以上にわたって新ゴッドの追加、バランス調整、新スキン、シーズンアップデートが続いている。長期運営ゲームとしての安心感があり、「始めてもすぐサービス終了しそう」という不安がない。

スキンのクオリティも高く、通常デザインとは大きく異なるテーマスキンが多数存在する。「テック系スキン」「バイキングを近未来風にしたスキン」「ハロウィン限定スキン」など、コレクション要素としても魅力的だ。

理由4:無料で十分遊べる課金設計

SMITEは基本プレイ無料でゲームプレイに関わるすべての要素(ゴッド・スキル・ゲームシステム)を無料で使える。課金要素はスキン・エモート・ロールコール(入場演出)などのコスメ系に限られており、いわゆるペイ・トゥ・ウィン(Pay to Win)要素はない。Favorを使えばゴッドも少しずつ解放できるので、最初から課金する必要もない。

競技シーンに参加する場合でも、課金プレイヤーがゲームプレイ面で有利になることはなく、純粋にスキルの勝負になる。この設計は長期的にプレイヤーを繋ぎ止める重要な要素だ。

理由5:複数のゲームモードで飽きにくい

Conquestで疲れたらArenaでカジュアルに楽しむ、Joustで3人のフレンドと遊ぶ、期間限定モードが来たら試してみるといった多様な遊び方ができる。同じゲームの中で気分や状況に合わせてモードを切り替えられるので、飽きにくい設計になっている。

SMITE 2との関係

2022年にHi-RezはSMITE 2の開発を発表し、2024年からSteamでアーリーアクセスが始まった。Unreal Engine 5を採用した新世代グラフィック、リビルドされたゲームシステム、改善された操作感などを売りとしている。

SMITE 2は初代SMITEとは別ゲームとして開発されており、既存のSMITEはSMITE 2のリリース後も引き続き運営されることが予定されている(ただし長期的な方向性については今後の発表次第だ)。

レガシージェムとアセット移行

Hi-RezはSMITE 1のプレイヤーへの配慮として「レガシージェム(Legacy Gems)」という仕組みを導入している。SMITE 1で費やした課金額に応じてSMITE 2でも使えるジェムが付与される形で、長年SMITE 1に課金してきたプレイヤーへの報酬として機能している。

ゴッドについても、SMITE 1で遊べたゴッドが順次SMITE 2に移植されており、お気に入りのゴッドを引き続き使える可能性が高い。移植の順序や時期はゴッドによって異なるが、主要ゴッドは優先的に対応される傾向にある。

SMITE 2の現状(2024〜2025年)

SMITE 2のアーリーアクセス版は、グラフィックの向上とゲームプレイの改善が評価される一方で、まだ開発途上でのリリースであることから不具合や調整中の部分も多い。初代SMITEから移行するかどうかはプレイヤーの判断に委ねられているが、「SMITE 2が正式リリースされてから始める」という選択も十分ありだ。

現時点では初代SMITEの方がコンテンツ量が圧倒的に多く、プレイヤー人口も安定している。SMITE 2の開発が進む中でどちらに注目するかは、今後の情報次第で変わっていく。

気になる点・注意すべきポイント

SMITE® MMORPG スクリーンショット6

SMITEについて正直に書くと、良い点ばかりではない。プレイを検討している人が知っておくべき注意点もある。

学習コストの高さ

SMITEはMOBAとしての戦略的な奥深さと、TPS視点によるアクション性の両方を要求するゲームだ。単純にアクションゲームとして動かすだけなら直感的だが、Conquestで勝つためにはゲームシステムの理解が必要になる。レーニング、ジャングル、チームファイト、オブジェクト管理、ドラフト……覚えることが多い。

Arenaで気楽に始めることはできるが、「本格的なConquestを楽しむ」段階まで到達するには相応の時間が必要だ。「すぐに楽しくなる」というよりは「慣れてくると楽しくなる」タイプのゲームと言える。

英語が主体のコミュニティ

SMITEは日本語対応がない(2024年時点)。ゲーム内のテキストは英語で、公式のお知らせや情報発信もすべて英語だ。日本語の攻略情報はあまり多くなく、本格的に情報収集するには英語リソースにアクセスする必要がある。英語が苦手な人には情報収集の面でハードルがある。

ゲームプレイ自体は英語が読めなくても感覚で進められる部分もあるが、装備の効果やゴッドのスキル詳細を正確に把握するためには英語の読解が助けになる。

チームゲームとしての性質

Conquestは5人チームゲームなので、チームメンバーの質によって勝敗が大きく左右される。チームメイトが良くない試合では、個人的に上手くプレイしても負けてしまうことがある。この「個人では制御できない要素」はMOBA全般に言えることだが、SMITEでも同様だ。

フレンドと一緒にプレイできれば最高だが、ランダムマッチでの野良プレイには多少のメンタル耐性が必要かもしれない。

マッチングの偏り

プレイヤー人口がLeague of Legendsほど多くないため、ランクマッチでのマッチングには多少時間がかかることがある。また、特定のランク帯やゲームモードではマッチング精度が下がることもある。これはコアプレイヤーベースが狭いゲームには共通の問題で、SMITEも例外ではない。

バランス調整の遅さ

コミュニティではバランスパッチの頻度や内容に不満が出ることがある。特定のゴッドが強すぎる状態が長期間続くことや、逆に弱体化が行き過ぎて使い物にならなくなるゴッドが出ることは、長期運営ゲームとして避けられない側面もあるが、SMITEはこの点でたびたび批判を受けてきた。アップデートのたびにメタが変化するので、常に最新情報を追う必要がある。

SMITE 1とSMITE 2の過渡期

現在はSMITE 1とSMITE 2が並行している状況なので、「どっちで始めるべきか」という問いに明確な答えが出しにくい。SMITE 2がアーリーアクセス段階であり、安定したプレイ体験を求めるならSMITE 1の方が無難だが、新しいものに触れたいならSMITE 2も試す価値がある。

初心者へのアドバイス

SMITEを始めようとしている人が最初に知っておくべきことをまとめる。

まずはArenaかJoustから

SMITEのチュートリアルを終えたら、最初はArena(アリーナ)またはJoust(ジャウスト)で遊ぶことをすすめる。Conquestはゲームの花形だが、いきなりConquestに入るとゲームシステムを理解する前にロールの役割分担やレーニングの知識が必要になり、チームメイトに迷惑をかけてしまう可能性がある。

ArenaはConquestのような戦略的な要素が少ない分、ゴッドの動かし方やスキルの当て方、装備の買い方を自由に試せる環境だ。ここで基本操作に慣れてから段階的にConquestへ移行するのが最もストレスの少ない導入になる。

最初のゴッド選びは「当てやすい」もので

SMITEには100体以上のゴッドがいて、スキルの当てやすさや立ち回りの難しさが大きく異なる。初心者にすすめるゴッドの条件は「スキルが当てやすい」「耐久力がある程度ある」の二点だ。

ラー(Ra)はMageロールで、貫通する光線スキルが比較的当てやすい。ヒールスキルもあって生存力も高め。初心者向けとしてよく名前が挙がる。

ネイト(Neith)はHunterロールで、遠距離攻撃が扱いやすく、動きのシンプルさが入門に向いている。

グレネード(Guan Yu)はWarriorロールで、近接系で比較的シンプルなスキルセットを持つ。前線で戦いながら仲間を回復できるサポート性能もある。

ヘラクレス(Hercules)はWarriorロールで、耐久力が高く死ににくい。スキルの扱いも直感的で、初心者が安心して使える。

毎週の無料ローテーションゴッドの中でこれらが含まれている週を狙って試してみるのが現実的だ。

装備は最初は推奨ビルドを使う

ゲーム内には「推奨ビルド」機能があり、ゴッドに合わせたアイテム構成が自動提案される。最初はこれをそのまま使えば問題ない。装備の選択に悩む時間を減らし、ゲームプレイ自体に集中できる。慣れてきたらプロプレイヤーのビルドやコミュニティの議論を参考に自分でカスタマイズしていけばいい。

ミニマップを常に確認する習慣をつける

TPS視点のSMITEでは視野が限られるため、ミニマップの確認が特に重要だ。定期的にミニマップを見て、敵ジャングラーの動きや味方の位置を把握しながら動く習慣を早めに身につけるだけで、奇襲に遭う頻度が大幅に下がる。

Warding(ワーディング)を意識する

Conquestでは「ウォード(Ward)」というアイテムを設置して視界を確保する仕組みがある。ウォードは安価なアイテムで、設置した場所の周囲の敵の動きが見えるようになる。特にジャングル入口や敵が通りやすいルートへのウォード設置が重要で、これをやるかやらないかで奇襲リスクが大きく変わる。初心者は「ウォードって何?」という段階から始まるので、まずウォードの存在と役割を覚えておくだけで良い。

死んだら理由を考える

SMITEに限らずMOBAの上達において「なぜ死んだか」を振り返ることが重要だ。「後ろから来た敵に気づかなかった」「スキルを全部使い切った後に攻め込まれた」「ミニマップを見ていなかった」など、死因を特定することで改善点が見えてくる。感情的にフラストレーションが溜まりやすいジャンルだが、冷静に自分のプレイを見直す姿勢が上達を早める。

コミュニティのリソースを活用する

SMITEのコミュニティは英語が中心だが、攻略情報は豊富だ。

  • SmiteGuru(smiteguru.com):ゴッドの勝率統計、人気ビルドが確認できるサイト。現在のメタを把握するのに使える
  • Reddit(r/Smite):質問、議論、ネタ投稿が活発。初心者向けのFAQスレッドも充実している
  • YouTube:プロプレイヤーや上手いプレイヤーのゴッド解説動画が多数ある。英語だが映像を見るだけでも参考になる
  • Twitch:プロプレイヤーやSPLの試合配信がある。上位プレイヤーの動き方を生で見ることができる

フレンドと一緒に始める

SMITEはソロでも楽しめるが、フレンドと一緒に始める方が圧倒的に楽しい。同じ初心者同士でConquestを試してみたり、Joustで2人+野良1人で遊んだりと、一緒に成長していく体験はSMITEの良いところを引き出す。また、チームゲームの戦略を話し合えるパートナーがいることで、上達速度も上がりやすい。

SMITEの世界観とコスメコンテンツ

SMITE® MMORPG スクリーンショット7

SMITEのゲームプレイ以外の楽しみ方として、コスメコンテンツがある。スキン(外見変更)はSMITEの課金の中心的な要素で、クオリティが非常に高いものも多い。

スキンの多様性

各ゴッドには複数のスキンが用意されており、テーマやスタイルが大きく異なる。例えばゼウスのデフォルトデザインはギリシャ神話の雷神という風格だが、スキンによっては近未来的なサイバー系デザインになったり、西部劇風のカウボーイデザインになったりする。

スキンにはTier(等級)があり、低いTierは基本的な外見変更のみ、高いTierになるとモデルが全面的に変わり、スキルのエフェクトや音声も変化する。T5スキン(最高等級)は完全なキャラクターリモデルで、見た目がほぼ別のゲームキャラのようになるものも存在する。

バトルパスとイベント

SMITEは季節ごとのバトルパスやイベントを実施しており、期間限定スキンやエモートを入手できる機会が定期的にある。バトルパスは課金で購入するが、コンテンツ量に対して比較的コスパが良いとコミュニティから評価されることが多い。

コラボスキン

過去にはアベンジャーズ、ヒカルとヒビキ(ゲームオリジナル)など様々なコラボが実施されてきた。SMITEはコラボに積極的で、定期的に意外な題材のスキンが登場する。

SMITEをもっと楽しむための知識

「ジャングル」の理解を深める

SMITEのConquestを本格的に楽しむうえで、ジャングル(JG)というロールへの理解は不可欠だ。ジャングラーはレーンを持たず、マップ全体を動き回ってゲームをコントロールする役割を担う。どのルートを通り、どのタイミングでガンクし、どのオブジェクトを優先するかは高度な判断を要するが、ジャングラーが機能するとゲームの流れが大きく変わる。

自分がジャングルをやるかどうかは別として、ジャングラーの動きを理解することでマップ全体の流れを読む力が上がる。Arenaで慣れた後にConquestに移行するとき、ジャングルについて学ぶことが次のステップとして意識される。

メタの読み方

SMITEはパッチごとにバランスが変わり、強いゴッドや強い戦略が変化する。これを「メタ(Meta)」と呼ぶ。現在のメタを把握することで、試合で有利なゴッドを選んだり、相手のピックに対応した対策をとったりできる。

SmiteGuruやRedditのメタ分析スレッドを定期的にチェックすることで、今どのゴッドが強くてどんなビルドが流行っているかを把握できる。常にメタを追いかける必要はないが、「最近このゴッドよく見るな」と感じたときに調べてみる習慣をつけると戦略の幅が広がる。

コミュニケーションとマナー

SMITEはチームゲームなので、コミュニケーションが勝敗に影響する。ゲーム内のチャットやボイスチャット(VC)を活用して情報共有することが大切だ。「敵がいない(MIA)」「オブジェクトを取りに行く」「助けに行く」といった基本的なコミュニケーションができるだけで連携が改善される。

また、SMITEのコミュニティには残念ながらトキシック(有害な)な言動をするプレイヤーも存在する。これはオンライン対戦ゲーム全般に言えることだが、批判的なチャットに乗っからず、冷静にプレイすることが精神的に長く遊び続けるコツだ。ゲーム内にはミュート機能もあるので積極的に使うといい。

まとめ

SMITEはMOBAというジャンルに三人称視点(TPS)のアクション感覚を持ち込んだ、唯一無二のゲームだ。League of LegendsやDota 2とは根本的にプレイ感覚が異なり、アクションゲームとして入れるMOBAとして独自のポジションを確立している。

世界の神話から集められた100体以上のゴッドたちが、それぞれ異なるスキルセットで戦う設定は、キャラクターゲームとしての魅力も高い。ギリシャ神話のゼウス、北欧神話のソー、日本神話のスサノオといったキャラクターに親しみがある人なら、「好きな神様で戦いたい」というモチベーションで入れる。

基本プレイ無料でゲームプレイに関わる課金要素がなく、10年以上続く安定した運営があり、多様なゲームモードで飽きずに遊べる。SMITE 2の開発が進む中でSMITE 1も引き続き運営される予定なので、今からでも遅くない。

一方で、本格的に楽しむためには学習コストがかかること、英語が中心のコミュニティであること、チームゲームとしてのフラストレーションがあることも正直に書いた。これらを踏まえた上で「やってみたい」と思えるなら、SMITEはきっと面白い体験になる。

まずはSteamで無料ダウンロードして、チュートリアルとArenaで遊んでみることをすすめる。難しかったら難しかったで、それはSMITEに限ったことじゃないし、慣れてきたときの「わかった」感覚は格別だ。世界の神々が戦うフィールドに、一度足を踏み入れてみてほしい。

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SMITE®

Titan Forge Games
リリース日 2015年9月8日
サービス中
同時接続 (Steam)
622
2026/04/16 アジア圏ゴールデンタイム計測
レビュー
119,879 人気
78.7%
全世界
やや好評
119,879件のレビュー
👍 94,363 👎 25,516
68%
賛否両論
97件のレビュー
👍 66 👎 31
価格基本無料
開発Titan Forge Games
販売Hi-Rez Studios
日本語非対応
対応OSWindows
プレイ形式マルチ
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目次